JPH10503773A - 5’−ジチオ修飾オリゴヌクレオチド - Google Patents

5’−ジチオ修飾オリゴヌクレオチド

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JPH10503773A JP8506603A JP50660396A JPH10503773A JP H10503773 A JPH10503773 A JP H10503773A JP 8506603 A JP8506603 A JP 8506603A JP 50660396 A JP50660396 A JP 50660396A JP H10503773 A JPH10503773 A JP H10503773A
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コガ,テツパー・エム
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、治療用および診断用核酸に有用であるヌクレアーゼ耐性5’−ジチオ修飾オリゴヌクレオチドを提供する。新規修飾オリゴヌクレオチドは、天然に生じるホスホジエステル結合の5’−位にある酸素原子(5’−架橋酸素)および少なくとも1つの非架橋酸素原子の両者が独立に単一の硫黄原子で置換されている少なくとも1つの5’−ジチオエート結合を有する。本発明は、5’−ジチオ修飾および5’−チオ修飾オリゴヌクレオチド並びに新規単量体ヌクレオシドおよびその合成方法に有用なヌクレオチド中間体を作るための重合体支持方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 5’−ジチオ修飾オリゴヌクレオチド 発明の分野 本発明は、治療学の分野に、さらに特には核酸治療学の分野に関する。 背 景 医薬開発における伝統的なアプローチでは、病状または他の不健康な状態に関 与するタンパク質に直接相互作用することができる治療剤の用途に焦点があてら れてきた。この伝統の医薬としては、例えば(体内に望ましく存在するタンパク 質ベースのホルモンの機能を刺激する)合成ホルモン、(外来タンパク質、特に 微生物のものを攻撃する)抗生物質および(体内で通常の機能を発揮するために 特定のタンパク質に必要とされるビルディングブロックを提供する)ビタミン、 さらに多くの他のものが挙げられる。さらに最近、オリゴヌクレオチドの形態の 治療剤は、遺伝子レベルで、全てのタンパク質の合成を制御する青写真または機 構を変えることにより、タンパク質機能を間接的に発生させるか、制御するか、 またはさもなければ衝撃を与えるように設計されている。各遺伝子は特定のタン パク質の 多数のコピーを作るのに必要な情報を含むので、個々のこれらの核酸治療剤は標 的タンパク質との直接的相互作用に頼る伝統的な巨大分子薬となるより、その間 接的相互作用を通して多くのタンパク質分子に影響を及ぼしうる。 核酸治療化合物は、多くの異なる方法で作用することができるが、2つのカテ ゴリーの内のいずれか1つに入るのが最も一般的である。第1のカテゴリーとし ては、ある種の方法で所望の遺伝的作用をまねるまたは高めるオリゴヌクレオチ ドが挙げられる。この型の核酸治療化合物に刺激される活性は、一般的に「遺伝 子治療」と呼ばれる。第2のカテゴリーの核酸治療化合物としては、核酸治療化 合物が望ましくないタンパク質の生成を阻害する抑制性オリゴヌクレオチドが挙 げられる。一般的にこのサブクラスに割り当てられる化合物は真正な「アンチセ ンス」法で常に作用するわけではないが、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、 抑制性核酸治療化合物のサブクラスを形成する。この2つのカテゴリーの治療用 オリゴヌクレオチドに加えて、核酸治療化合物が、伝統的治療薬とほどんど同じ 方法で標的タンパク質に直接的に相互作用する可能性があることも注目すべきで ある。 真正なアンチセンス相互作用は、結果として単独で、または他の試薬(例えば 、RNAseのような酵素)と組み合わせて形成されるその複合体が遺伝子情報 をタンパク質に翻訳するテンプレートとしてもはや機能しえないような配列特異 的方法で、選択された核酸標的(例えば、ウイルス性RNAまたは他の望ましく ない遺伝子メッセージ)と相補的なオリゴヌクレオチド(したがって、「アンチ センス」)のハイブリダイゼーションに関与する。他の抑制性オリゴヌクレオチ ドは、標的配列と必ずしも相補的でない配列を有するが、アンチセンスオリゴヌ クレオチドのように、望ましくない遺伝子材料の発現(例えば複製および/また は翻訳)を干渉する可能性を有する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、外来 遺伝子(例えば、HIVのようなウイルス性遺伝子)の発現、または内在性遺伝 子(例えば、突然変異した癌遺伝子として異常に発現される通常の遺伝子)の異 常発現に干渉するように設計されてもよい。これらの望ましくない遺伝子メッセ ージは、ウイルス性感染および癌腫を含めた多くの病状に関与する。抑制性オリ ゴヌクレオチドは、伝統的な医薬の方法でのように疾患の進行の後期段階で生じ たタンパク質を攻撃するより、むしろ早期複製および発現段階で病 状を治療的に停止する可能性を増大させる。 遺伝子治療で使用されるオリゴヌクレオチドは、患者においてはないか、さも なければ弱められている所望の効果を示すオリゴヌクレオチドまたは合成遺伝子 を提供するように設計される。体の構造または機能のいずれかに寄与する特定の タンパク質を作るのは、ヒトの体に正常に存在する各遺伝子による。この遺伝子 が不完全であるか、または不在の場合、タンパク質合成は不完全であるかまたは 生起せず、そして奇形または遺伝子疾患を生じる。核酸治療化合物を患者の細胞 の遺伝子材料に組み込むのは、レトロウイルスのような伝搬体を通して遂行され て、その結果必要とされるタンパク質を生成することができる。 核酸治療化合物が、遺伝子治療、アンチセンス治療、または遺伝子または他の レベルでタンパク質に影響を及ぼすことが望まれる他の任意の状況に用いられる かどうかを問わず、これらの合成オリゴヌクレオチドの設計は、達成できる成功 の水準に対する鍵である。特に、これらのオリゴヌクレオチドは、ヒトまたは動 物の体に内在する種々のヌクレアーゼの存在下で生き延びるようにオリゴヌクレ オチドにヌクレアーゼ耐性を与える方法で通常に修飾されなければならない。未 修飾の治療用オリ ゴヌクレオチドを分解できるヒトの体に存在する同じ外在性ヌクレアーゼがヒト 血清にも存在し、これらのサンプル中の未修飾のオリゴヌクレオチドプローブも 分解できるので、同じものが、血清サンプルの分析に使用されるオリゴヌクレオ チドプローブに有効である。 特に、未修飾(または「野生型」)オリゴヌクレオチドは、完成したオリゴヌ クレオチド中で個々のヌクレオシド単位を互いに連結するヌクレオチド間結合の 3’−および5’−位の両方でのヌクレアーゼ分解に影響を受けやすい。従って 、治療用オリゴヌクレオチドにヌクレアーゼ耐性を与える試みは、このヌクレオ チド間結合の修飾に向けられ、そしてその結果首尾よく天然に生じるホスホジエ ステル結合で「非架橋」酸素原子の修飾について最初に達成された。(例えば、 硫黄原子で置換された1つの非架橋酸素を有するホスホルチオエート修飾オリゴ ヌクレオチド(米国特許第3846402号)および双方とも硫黄原子で置換さ れた非架橋酸素を有するホスホルジチオエート修飾オリゴヌクレオチド(米国特 許第5218103号))。しかし、ホスホルチオエート修飾オリゴヌクレオチ ドは、特に、ヌクレオチド間結合の開裂を伴う5’−ホスフェートを遊離す るヌクレアーゼにより、ある例では修飾ヌクレオチド間結合の3’位でヌクレア ーゼ分解に対する影響の受けやすさを残すことが観察されてきた。これは、おそ らくホスホジエステル結合中の「非架橋」酸素原子の内のただ1つが修飾された からである。 治療用または診断用オリゴヌクレオチドにヌクレアーゼ耐性を付与する他の試 みは、天然に生じるホスホジエステル結合で「架橋」酸素原子の修飾をすること に向けられ、その結果ある種限定されながらも、成功してきた。例えば、単一の 3’−メチレン置換(すなわち、3’−架橋酸素がメチレン(−CH2−)基で 置換される)を含有するオリゴヌクレオチドの合成が報告されてきた。ハイネマ ンらのニュークレイック アシッズ レス.(Nucleic Acids R es.)19、427−433(1991)。しかし、ヌクレオチド間結合を発 生すると報告された溶液ベースのホスホルトリエステル法が必要とされるヌクレ オシド中間体の合成は、時間と手間がかかり、それによりオリゴヌクレオチドの 複雑な3’−メチレン修飾の合成を困難かつ冗長にする。その結果として、3’ −メチレン結合を含むオリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ安定性が、 ごく最近報告されたにすぎない。(同時継続米国特許出願連続番号08/221 425を参照。) 架橋ホスホルアミデイト結合(すなわち、5’−酸素または3’−酸素が、ア ミノ(−NH−)基に置き換えられる)を含有する修飾オリゴヌクレオチドが合 成された。グリアズノフらのニュークレイック アシッズ レス.(Nucle ic Acids Res.)20、3403−3409(1992)およびマ グらのテトラヘドロン レット(Tetrahedron Lett.)、33 、7323−7326(1992)。同様に、3’−チオ架橋結合(硫黄原子で 置換された3’−架橋酸素)を含有する修飾オリゴヌクレオチドが合成された。 コッスチックらのニュークレイック アシッズ レス.(Nucleic Ac ids Res.)18、829−834(1990);ベイルらのバイオケミ ストリー(Biochemistry)、31、3012−3018(1992 )。アミノまたは硫黄部分による3’−酸素の修飾は、ヌクレアーゼ分解に対し てある程度の耐性を授けることが分かったが、おそらく「架橋」酸素のただ1つ への単一の修飾では顕著なヌクレアーゼ耐性を授けるのに不十分である(すなわ ち、上述のホス ホルチオエート修飾に類似する)ので、ホスホルアミデイトおよび3’−チオ架 橋修飾オリゴヌクレオチドが、修飾ヌクレオチド間結合の分解への影響の受けや すさを残すことが観察された。 単一の5’−チオ架橋置換(硫黄原子で置換された5’−架橋酸素)を含む修 飾オリゴヌクレオチドの合成も報告されている。マグらのニュークレイック ア シッズ レス.(Nucleic Acids Res.)19、1437−1 441(1991)。しかし、所望の修飾ヌクレオチド間結合の形成を完了する ことが要求される脱保護反応は5’−チオール部分からトリチル保護基を開裂す るのに銀または水銀塩を使用するので、この方法は単一の5’−チオ架橋結合を 1つ以上有する修飾オリゴヌクレオチドの合成に適合しない。これらの塩は、オ リゴヌクレオチド内に先に形成されたP−S結合全てを必然的に開裂もする。多 重5’−チオ架橋修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドを作る他の公知の液相法は 、ホスホジエステル技術に基づき、オリゴヌクレオチドの自動化された重合体サ ポート合成には適合しない。さらに、「架橋」酸素のただ1つが修飾されるので 、5’−チオ架橋修飾だけでは、核酸治療用に使用 するオリゴヌクレオチドに十分なヌクレアーゼ耐性を付与することは望めない。 核酸治療用化合物としてまたは診断用プローブとして使用するのに適切な長さ の別のジチオ修飾オリゴヌクレオチドを得ること、さらに修飾オリゴヌクレオチ ドにヌクレアーゼ耐性を付与することができるチオ架橋修飾結合の型を得ること が望ましい。 したがって、本発明の目的は、少なくとも1つのヌクレオチド間結合の5’− 位に硫黄置換を有するジチオ修飾オリゴヌクレオチドを提供することである。 本発明の他の目的は、1つまたはそれ以上のヌクレオチド間結合の5’−架橋 硫黄置換を有するオリゴヌクレオチドを合成するための重合体サポート法を提供 することである。 本発明のさらに他の目的は、5’−チオ架橋修飾を有するオリゴヌクレオチド を合成するために使用する新規ヌクレオシド中間体を提供することである。 発明の要約 本発明は、ヌクレオチド間(internucleotide)結合の5’−位で架橋酸素原子 が硫黄原子に置き換えられ、そして天然に生 じるホスホジエステル結合の少なくとも1つの非架橋酸素原子も、硫黄原子で置 き換えられた、少なくとも1つのヌクレオチド間結合を有するヌクレアーゼ耐性 オリゴヌクレオチドを提供する。5’−ジチオエートおよび5’−チオエート修 飾オリゴヌクレオチドを作製する方法および中間体も提供される。本発明の修飾 オリゴヌクレオチドは、核酸治療、プローブ診断の分野、またはヌクレアーゼ耐 性オリゴヌクレオチドが望まれるかまたは有益である全ての他の用途に使用され うる。 図面の簡単な説明 図1は、5’−チオホスホルアミダイトシントンを重合体サポートヌクレオチ ドの3’−末端に結合させることを通して5’−ジチオ修飾結合の合成を示す。 図2は、通常でない5’→3’への方向で重合体サポートホスホルアミダイト 化学を通して本発明の5’−ジチオ修飾ヌクレオチド間結合を発生するのに使用 される5’−チオホスホルアミダイトシントンの合成を示す。 図3は、本発明の5’−ジチオエート結合を作るH−チオホスホネート法に使 用される2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル )ヌクレオシド中間体の合 成の図式である。 図4は、保護2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(4,4’−ジメトキシト リチル)ヌクレオシドを固相支持体に付着させることを達成する他の方法を示す 。 図5は、温和な酸条件下、塩化アリールスルフェニルの存在下で5’−チオー ル部分(ジメトキシトリチルチオチミジン)から4,4’−ジメトキシトリチル 保護基を除去し、不斉2,4−ジニトロスルフェニルジスルフィド(ジニトロベ ンゼンスルフェニルチオチミジン)を発生させることを示す。そして、生じる不 斉2,4−ジニトロスルフェニルジスルフィドをさらに2つの異なる型のH−メ チルホスホネートシントンとカップリングさせて、5’−チオ架橋または5’− ジチオエート修飾2量体を発生させることも示す。 図6は、ヌクレオシド3’−メチルハイドロジェンホスホネート中間体を使用 して、3’−5’の方向でジチオ修飾ヌクレオチド間結合を重合体支持(サポー ト)合成することを示す(H−チオホスホネート法)。 図7は、17個全ての5’−ジチオ修飾ヌクレオチド間結合を有する十分に修 飾された重合体チミン18−マーオリゴヌク レオチドの31P NMRスペクトルを示す。 図8は、5つの5’−ジチオ修飾ヌクレオチド間結合を3’−末端に有する部 分的に修飾された11−マーオリゴヌクレオチドの31P NMRスペクトルを示 す。 図9は、血清の存在下で修飾および未修飾のオリゴヌクレオチドの相対的分解 比を示すグラフである。 図10は、蛇毒ホスホジエステラーゼの存在下で修飾および未修飾のオリゴヌ クレオチドの相対的分解比を示すグラフである。 発明の詳細な説明 本発明は、核酸治療および診断に有用なヌクレアーゼ耐性5’−ジチオ修飾オ リゴヌクレオチドを提供する。これらの新規オリゴヌクレオチドは、5’−位で の酸素原子(5’−架橋酸素)および天然のホスホジエステル結合の少なくとも 1つの非架橋酸素原子の両方が、独立に単一の硫黄原子で置き換えられた、少な くとも1つの5’−ジチオエート結合を含有する。そして本発明は5’−ジチオ 修飾および5’−チオ修飾オリゴヌクレオチドを作製する方法にも関係する。重 合体支持合成によりこれらの修飾オリゴヌクレオチドを作る際に有用な新規単量 体ヌ クレオシドおよびヌクレオチド中間体も、本発明の範囲内に入るよう意図される 。 ホスホジエステル結合における対応の酸素原子を5’−架橋硫黄原子および少 なくとも1つの非架橋硫黄原子の両方で置換することは、生じる修飾5’−ジチ オエート結合をキラルにし、その結果この特定の結合の異性体の混合物になるの で全く価値がない。しかし、ホスホジエステル結合の両方の非架橋酸素原子が硫 黄原子で置き換えられると、本発明の5’−ジチオエート結合は自然に生じたホ スホジエステルヌクレオチド間結合と同じアキラル特性を残す。5’−ジチオ修 飾結合の特定の形態のキラリティに係わらず、本発明の5’−ジチオエート結合 は、修飾オリゴヌクレオチドに、標的DNAまたはmRNAに対する顕著な水準 の結合アフィニティおよび配列特異性を残させる保存的修飾である。これは重要 な特色であるが、それはこれらの特徴が本発明の5’−ジチオエートオリゴヌク レオチドの種々の意図された用途にしばしば利用されるからである。 例えば、核酸治療用および診断用プローブアッセイについての伝統的なアンチ センスアプローチの場合に、修飾オリゴヌク レオチドはその注目の治療または診断標的とハイブリダイズすることが必要であ る。(例えば、伝統的なアンチセンス治療の場合に疾患の状態に関与したウイル スのmRNAまたは遺伝子に修飾オリゴヌクレオチドをハイブリダイスすること 。)したがって、修飾オリゴヌクレオチドがそれに対応する標的とハイブリダイ ズするときに形成された二重ラセンの安定性は、(5’−ジチオエート修飾によ り付与されるヌクレアーゼ安定性に加えて)重要である。 本発明の理解のために、ここで使用される場合、以下の語句は、下記に明示さ れる定義を示す。 「オリゴヌクレオチド」は、少なくとも2つのヌクレオシド単位よりなる重合 体であることを示し、ここで個々のヌクレオシド単位の各々は、単一の燐部分を 通して少なくとも1つの他のヌクレオシド単位に共有結合している。自然に生じ るオリゴヌクレオチドの場合、ヌクレオシド単位間の共有結合は、ホスホジエス テル結合である。それにもかかわらず、ここで使用されるとおり「オリゴヌクレ オチド」という用語は、以下の(1)ヌクレオシド単位間でのホスホジエステル 結合、(2)個々の ヌクレオシド単位自身、および/または(3)ヌクレオシド単位の部分であるリ ボース、または糖の内の任意の1つまたはそれ以上について(天然に生じるオリ ゴヌクレオチドに対比して)修飾されるオリゴヌクレオチドを含む。 特に断りがない限り、「塩基」または「核酸塩基」の語は、アデニン、グアニ ン、シトシン、チミンおよびウラシルのようなプリンまたはピリミジン、並びに 5−メチルシトシンおよび5−プロピニルピリミジンのようなこれらの塩基の修 飾型を示す。 「ヌクレオシド」の語は、5−炭糖の1’−位に共有結合した塩基からなる個 々の単量体ヌクレオシド単位を示す。5−炭素糖は、デオキシリボース、リボー スまたはアラビノースのような一般に天然に生じる糖であり、2’−フルオロ− 2’−デオキシリボースや、糖の環で酸素原子を炭素基で置換している炭素環糖 (すなわち、6−炭素類似体)でさえ含むが、これに限定されるものではない、 5−炭素糖やそれらの修飾形態でありうる。典型的に、塩基は、アデニン、グア ニンおよび他のプリンのN9、又はシトシン、チミン、ウラシルおよび他のピリ ミジンのN1のように常套の位置で糖部分に結合する。 「ヌクレオチド」は、糖の3’−または5’−位のいずれかでヌクレオシドの 糖部分に共有結合した燐部分を更に有する単量体ヌクレオシド単位を示す。 「修飾ヌクレオチド間結合」は、自然に生じるオリゴヌクレオチド中で個々の ヌクレオシド単位を結び付けるホスホジエステル結合の修飾を示す。 「修飾オリゴヌクレオチド」の語句は、特に少なくとも1つの修飾ヌクレオチ ド間結合を有するオリゴヌクレオチドを示す。 「部分的に修飾されたオリゴヌクレオチド」の語句は、少なくとも1つであっ て、全部よりは少ないヌクレオチド間結合が修飾されている修飾オリゴヌクレオ チドを意味する。 「完全に修飾されたオリゴヌクレオチド」の語句は、全てのヌクレオチド間結 合が修飾されている修飾オリゴヌクレオチドを意味する。 「5’−チオエート」ヌクレオチド間結合または「5’−チオエート修飾」結 合の語句は、5’−位の酸素原子が硫黄原子で置換されているヌクレオチド間結 合を意味する。 「5’−ジチオエート」ヌクレオチド間結合または「5’−ジチオ修飾」結合 の語句は、ホスホジエステルヌクレオチド結合の5’−位の酸素原子および少な くとも1つの非架橋酸素原子が各々独立に単一の硫黄原子で置換されているヌク レオチド間結合を意味する。したがって、ここで定義される場合、「5’−チオ エート結合」は、5’−トリチオエート結合、すなわちホスホジエステル結合中 の両方の非架橋酸素原子が硫黄原子で置換されている場合を含む。 「5’−ジチオ修飾オリゴヌクレオチド」または5’−ジチオエートオリゴヌ クレオチド」の語句は、少なくとも1つの5’−ジチオエート結合を有するオリ ゴヌクレオチドを示す。 「標的配列」は、オリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチドがハイブ リダイズするように設計されているヌクレオチド配列を示す。抑制性オリゴヌク レオチドの場合、「標的配列」は、ウイルスのタンパク質、癌関連タンパク質ま たは疾患状態に関与したその他のタンパク質をコードする自然に生じるメッセン ジャーRNAであってよいが、これに限定されるものではない。 特に、本発明の5’−ジチオ修飾オリゴヌクレオチドは、以下に示されるとお り少なくとも1つの5’−ジチオエートヌクレオチド間結合を有する。 この構造で、C1およびC2は、それぞれ、本発明の5’−ジチオ修飾ヌクレオ チド間結合を通して、オリゴヌクレオチド中で一緒に連結されるヌクレオシド単 位の3’−位および5’−位を表す。 この5’−ジチオエート修飾ヌクレオチド間結合を、以下の構造に関してさら に十分に記述し、これは、さらに詳細にはこの特定の結合を囲む個々のヌクレオ シド単位を示す。 このオリゴヌクレオチド構造について、Bは、プリンまたはピリミジン塩基、 特にアデニン、グアニン、シトシンまたは(DNAの場合には)チミン、あるい は(RNAの場合には)ウラシルである。Zは、Bがオリゴヌクレオチドの末端 塩基である場合には水素(−H−)原子、あるいはオリゴヌクレオチドの次のヌ クレオチド間結合では燐原子のいずれかである。R4は、一般的に(DNAの場 合には)水素(−H−)原子であるか、または(RNAの場合、あるいは骨格に アラビノー ス単位を有するオリゴヌクレオチドの場合)ヒドロキシル(−OH−)部分であ るが、他の5−炭素糖がオリゴヌクレオチドの骨格に使用される場合にフッ素( −F−)のような他の原子または部分であってもよい。Yは一般に酸素原子(− O−)であるが、(1)出発物質として使用されるヌクレオシドが3’−修飾を 有すかいなか、および(2)オリゴヌクレオチド合成に使用される方法によって 、他の原子または二価の置換基(例えば、硫黄(−S−)、メチレン(−CH2 −)、または置換メチン(−CHR−))のような部分であってもよい。 一般に、Xは、酸素(ただ1つの非架橋酸素原子の代わりに硫黄置換を有する 本発明のさらに典型的な5’−ジチオエート結合の場合)であるか、または硫黄 原子(ここに定義されるとおり、5’−ジチオエート結合の5’−トリチオエー ト形態の場合)である。Xは、必要であれば、完成したオリゴヌクレオチドの合 成に使用される中間体の中で燐原子で行われる置換により、アルキル基(例えば 、メチルまたは置換アルキル鎖)であってもよい。Mは、一般的にナトリウム、 カリウムまたはトリエチルアンモニウムのような陽イオンである。しかし、以下 に記載するとおり、修飾結合した後、保護基を取り除く場合、 Mは、アルキル(メチル)または(2−シアノエチルのような)置換アルキル基 であってもよい。 本発明は、さらに上述の5’−ジチオ修飾結合を含有するオリゴヌクレオチド を作る迅速で効果的な重合体支持法を提供する。これらの方法は、5’−チオエ ート結合の合成に使用することもでき、伝統的な重合体支持技術によって作られ る非修飾オリゴヌクレオチドに匹敵する長さの修飾オリゴヌクレオチドを作るの に適合できる。このことは、重要であるが、それはおよそ10〜12塩基または それより長いオリゴヌクレオチドは一般に大腸菌のようなサンプルゲノムに対す る配列特異的プローブとして使用するために必要とされるからである。より長い オリゴヌクレオチド生成物の溶融温度(Tm)は、この点でまたはこの点より上 で同じ値に集中するので、およそ60ヌクレオチド塩基の上限が等温プロセスの ため確立される。一方、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、生理学的温度で有 効であり、そして一般には約15〜25ヌクレオチド長である。一般に、この範 囲内のより長いアンチセンスオリゴヌクレオチドが望ましいが、それは、それら が大きなゲノムで偶然に生じる可能性がより低いからである。例えば、17−マ ーのオリゴヌクレオ チドは、哺乳類ゲノムに特徴的(ユニーク)であるにちがいない。一方、アンチ センスオリゴヌクレオチドが長すぎれば(すなわち、25ヌクレオチドより実質 的に長い)、他の非標的配列と非特異的にハイブリダイズし得る。この型の非特 異的ハイブリダイゼーションは不可避であるが、それは患者の生理学的体温がス トリンジェンシーを増大するように調整されることができないからである。 本発明の5’−ジチオエートオリゴヌクレオチドは、本発明の教示に従い、業 界で通常に熟練した者に明白になる多数の方法の内の任意の1つで合成できる。 一般に、2つの望ましい合成法があり、そしてその両方は、所望の修飾オリゴヌ クレオチド生成物の途中で新規単量体ヌクレオシド単位を使用する。これらの方 法は、常套でない(5’→3’)合成(第1法、すなわち、ホスホルアミダイト 法の場合)または常套の(3’→5’)方向の合成(第2法、すなわち、新規ヌ クレオシド3’−アルキルハイドロジェンホスホネートまたはヌクレオシド3’ −アルキルチオホスホネート中間体を使用するH−ホスホネート法の場合)を用 いてもよい。 本発明の5’−ジチオ修飾オリゴヌクレオチドを作る第1の 望ましい方法は、伝統的なホスホルアミダイト技術を活用するが、しかしほとん ど一般的に使用されていない5’→3’方向の合成を進行させる。自動化ホスホ ルアミダイト法に使用される5’−チオホスホルアミダイトシントンを以下に示 す。 NR2=N,N−ジイソプロピルアミノまたはピロリジノ DMTr=4,4’−ジメトキシトリチル このチオホスホルアミダイトシントンは、図1に示されるとおり、この単量体 単位を成長する重合体支持オリゴヌクレオチド鎖に結合させることにより、5’ −架橋硫黄原子を所望のオリゴヌクレオチド生成物に組み込む。結合反応は、常 套のヌクレオチドシントンを、非修飾結合が望ましい、成長するオリゴヌクレオ チド鎖に結合するために市販の5’−ホスホルアミダイトを単に使用することに より、(5’−ジチオ修飾結合と非修飾ホスホジエステル結合の両方を含む)部 分的に修飾された 5’−ジチオエートオリゴヌクレオチド、さらに、完全に5’−ジチオ修飾され たオリゴヌクレオチドを発生するのに使用できる。 通常、オリゴヌクレオチドの重合体支持合成は、出発点として固体支持体に付 着されたヌクレオシドを通して開始される。最も一般的には、第1のヌクレオシ ドはヌクレオシドの3’−酸素に付着し、そしてその合成は3’−ホスホルアミ ダイトを使用して3’−5’方向で起こる。しかし、本発明のチオホスホルアミ ダイト法によれば、ほとんど一般的に使用されていない5’−3’方向で合成が 進行する。それにもかかわらず、市販の5’−結合固体支持体は、最初の結合反 応に使用できる。上記のとおり、5’−チオホスホルアミダイトシントンは、所 望のオリゴヌクレオチド最終生成物の重合体支持合成の間に、容易に入手可能な 5’−ホスホルアミダイトシントンに所望されるとおりに入れ替えることができ る。 図2で概略される合成スキームによって、本発明のホスホルアミダイト法に使 用される5’−チオホスホルアミダイトシントンの合成が完了されるのが好まし い。このスキームは、単量体2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル) ヌクレオ シド中間体がまず第1に得られることを必要とする。この単量体ヌクレオシド中 間体は、2つの方法の内の1つにしたがって作られることが好ましい。 単一段階を使用するので、第1の方法がより好ましい。この方法で、商業的に 入手可能なヌクレオシドは、当業者に公知の方法にしたがって、位置選択性ミツ ノブ(Mitsunobu)カップリング反応でチオ酢酸と反応され、それによ って、1級アルコールであるヌクレオシドの5’−ヒドロキシル基は、カップリ ング反応に関係しない2級3’−ヒドロキシル基の存在下でチオール酢酸と選択 的に反応する。(ミツノブのオルグ.シンセシス(Org.Synthesis )、1−28(1981)、カワイらのキャン.ジェイ.ケム.(Can.J. Chem.)、70、1573−1580(1992)参照。) チオール酢酸との2’−デオキシヌクレオシドの反応は、トリフェニルホスフ ィンおよびジイソプロピルアゾジカルボキシレートの存在下で起こり、予め2級 3’−ヒドロキシル官能性を保護する必要なく、0℃で、すばらしい収量の2’ ,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−ヌクレオシドを穏やか に生成し、それはもちろん合成段階の数を増加する。 代わりに、2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)ヌクレオシドは 、2段階手段にしたがって行われてもよく、その結果、2’−デオキシヌクレオ シドの5’−ヒドロキシル基が、最初にトシレートに変換され、次いでチオール 酢酸カリウムとの反応により中間体トシレートが実質的に置き換えられる。(レ イストらのジェイ.オルグ.ケム.(J.Org.Chem.)、29、554 −558(1964)参照。) 2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)ヌクレオシド中間体(上述 の2つの方法のいずれかから得られる)の3’−アルコールは、その後塩化4, 4’−ジメトキシトリチルで保護され、その後塩基を用いた注意深い処理により アセチル基を取り除き、そして生じた2’,5’−ジデオキシ−5’−メルカプ トヌクレオシドをホスフィチル化(phosphitylated)して、5’−チオホスホルア ミダイトシントンを得る。 常套のヨウ素酸化段階を硫黄酸化反応で置換するサイクルの簡便な修飾は、本 発明の5’−ジチオエート結合に第2の(すなわち、非架橋)硫黄原子を生じる 。 固相合成の間、多様な酸化プロトコールを組み合わせてホス フィチル化段階で異なるホスフィンを使用することにより、同じ2,5’−ジデ オキシ−5’−S−ヌクレオシドからトリホスホルアミダイト法を用いて、ヌク レオチド間結合の他の位置に置換を含む5’−ジチオ修飾オリゴヌクレオチドを 合成することができる。 本発明の5’−ジチオエート修飾オリゴヌクレオチドを作るための第2の好ま しい方法は、いっそう一般的に使用される3’→5’方向で行われるが、所望の P−Sヌクレオチド間結合を形成するために、常套の重合体支持オリゴヌクレオ チド合成でカップリング反応の極性を逆転する。常套のホスホルアミダイトまた はH−ホスホネートオリゴヌクレオチド合成技術にしたがって、適切なヌクレオ チドシントンおよび重合体支持オリゴヌクレオチド鎖の末端塩基の間のカップリ ング反応で、ヒドロキシル基は、求核試薬として働き、燐中間体は求電子試薬と して働く。特に、(1)ホスホルアミダイト技術の場合にテトラゾール触媒反応 、または(2)常套のH−ホスホネート化学の場合に縮合反応のいずれかで、ヒ ドロキシル基は求核試薬として働き、一方燐中間体は求電子試薬として働く。 最も一般的に、常套のホスホルアミダイト化学が用いられ、 それによりカップリング反応での求核性ヒドロキシル基は、3’−重合体支持ヌ クレオチド塩基の5’−ヒドロキシル基であり、そして単量体シントンは、3’ −ホスホルアミダイトヌクレオシドである。あまり一般的に使用されないH−ホ スホネート化学で、求核性のヒドロキシル基はそれでも3’−重合体支持ヌクレ オチド塩基の5’−ヒドロキシルであるが、単量体シントンは、ヌクレオシド3 ’−H−ホスホネート塩である。後者の場合に、3’−H−ホスホネート塩は、 5’−ヒドロキシル求核試薬と反応できる前に、縮合剤(例えば、ピバロイルク ロライド、ピリジン)の使用により活性化される必要がある。 もちろん、ヌクレオチド間結合を合成する他の公知方法はあるが、これらの他 の方法は、オリゴヌクレオチドの自動化固相合成で一般的には使用されない。そ れにもかかわらず、これらの他の方法は、所望の反応で求電子試薬としてヌクレ オチド間結合の燐原子を同様に使用する。例えば、オリゴヌクレオチド合成攻略 法でのアルキルヌクレオシド3’−ハイドロジェンホスホネートの以前の用途は 、燐原子での塩素化によるこれらの中間体の活性化を包含し、それにより燐原子 は、ヌクレオチドシントンの求核性5’−ヒドロキシル基との反応で、なお求電 子試薬として働く。 これらの公知方法に対して、本発明にしたがって新規塩基触媒反応を使用して 、成長するオリゴヌクレオチド鎖の重合体支持の末端ヌクレオシド単位とこの合 成方法に使用される3’−メチルハイドロジェンチオホスホネートヌクレオシド シントンとの間のカップリング反応を行なう。新規ヌクレオシド3’−メチルチ オホスホネートシントンは以下に示される。 本発明の新規塩基触媒反応にしたがって、塩基は3’−メチルチオホスホネー トシントンからの水素原子の引抜きに影響を与え、そしてそれは燐原子を求核試 薬として働かせる。ここで、シントンの求核性(活性化)燐原子は、この反応で 求電子試薬として働く3’−重合体支持ヌクレオチド塩基の5’−S−スルフィ ドまたは5’−ジスルフィドと反応する。ここに記述さ れる塩基触媒カップリング反応は、不斉ジスルフィドとホスファイトとのすでに 公知のミカエリス−アルブゾフ反応に比べ、溶液では驚くべきほど速い。(ベイ ルらのテトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Letters)、 33、3017−3020(1992) (反応を完了させるのに室温で16時 間必要とされる)。) 本発明の第2の好ましい(H−チオホスホネート)合成方法で、カップリング 反応に使用される単量体サブ単位またはシントンは、ヌクレオシド3’−アルキ ルハイドロジェンホスホネート(本発明の新規チオ−(−S−)または5’−チ オ架橋結合についての酸素(−O−)基)である。塩基触媒下で、これらの単量 体アルキルハイドロジェンホスホネートシントンは、合成されるべきオリゴヌク レオチド鎖の重合体支持末端ヌクレオシド単位の反応性不斉ジスルフィドと反応 する。 本発明の新規ヌクレオシド3’−メチルハイドロジェンホスホネートシントン は、水(H2O)/テトラゾールまたは硫化水素(H2S)/テトラゾール試薬を 市販のメチル(−Me−)ホスホルアミダイトと反応させ、重合体支持合成の間 に、成長するオリゴヌクレオチド鎖にカップリングするための単量体シ ントンを生成することにより容易に作られる。単独の5’−チオ架橋ヌクレオチ ド間結合の場合に、テトラゾールの存在下で水でヌクレオシド3’−メチルホス ホルアミダイトを加水分解すると、対応の3’−メチルホスホネートを生じる。 (類似の手段の説明として、ガレグらのケミカ スクリプタ(Chemica Scripta)、26、59−62(1986)、およびグリアゾノフらのニ ュークレイック アシッズ レス.(Nucleic Acids Res.) 、20、3403−3409(1992)を参照。)同様に、5’−ジチオエー ト修飾結合について、テトラゾールの存在下でのヌクレオシド3’−メチルホス ホルアミダイトのヒドロスルフェノリシスは、以下に示すとおり対応の3’−メ チルチオホスホネートを与える。 先に記述したチオホスホルアミダイト法にしたがって合成す る場合に、H−チオホスホネート法による修飾オリゴヌクレオチドの重合体支持 合成は、出発点として固体支持体に付着したヌクレオシドを通して開始される。 硫黄がヌクレオシドの5’−位で酸素を置換する場合では、H−チオホスホネー ト法は、常套でない塩基触媒化学にしたがって進行するので、市販の3’−結合 固体支持体は適切でなく、そして第1のヌクレオシド単位(すなわち、2’,5 ’−デオキシ−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル)ヌクレオシド)は 、ヌクレオチド間結合が形成される前に適切な固体支持体に付着させなければな らない。 2’,5’−デオキシ−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル)ヌクレ オシドを得るための合成スキームは、図3に図示されている。最初に、塩化4, 4’−ジメトキシトリチルを、チオール酢酸と反応させて、4,4’−ジメトキ シトリチルチオールアセテートを発生させ、それはその後、塩基(ナトリウムメ トキシド)で処理して、4,4’−ジメトキシトリチルナトリウムチオレート塩 を生成する。その後、生じたナトリウムチオレートを、当業界で公知の方法にし たがって製造された2’−デオキシヌクレオシドの5’−O−(トシレート) と反応させる。(例えば、レイストらのジェイ.オルグ.ケム.(J.Org. Chem.)、29、554−558(1964)参照。)この反応も図2に示 されるとおり、本発明のH−チオホスホネート法のために必要とされる2’,5 ’−デオキシ−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル)ヌクレオシド中間 体を生じる。 固体支持体への5’−保護チオールヌクレオシドの付着は、確立された合成法 にしたがって未保護3’−位の誘導化を通して完了することができる。好ましい 固体支持体は制御された多孔性ガラスであるが、他の固体支持体が当業界で公知 であることが認められ、そして本発明の方法による合成に適している。固体支持 体への第1のヌクレオシドの付着は、常套のスクシニルまたはサルコシニルリン カーを使用して達成されうるが、これらの試薬を使用する反応に限定されるもの ではない。具体例として、無水コハク酸での3’−ヒドロキシルの誘導化、次い でジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)−p−ニトロフェノールでの活性 化、そしてその後図4に示されるとおり、活性化樹脂と3’−ヒドロキシルとの 反応と同様にアミノ誘導CPGとの反応が行われる。代わりに、2’,5’−ジ デオキ シ−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル)ヌクレオシドの3’−ホスホ ルアミダイトがさらに図4に示されるとおり使用される条件で、3’−固着ヌク レオシドを含む市販のCPG支持体を使用できる。その後、生じた適切に誘導体 化された固体支持体が使用されて、常套のDNA/RNA合成機およびここで記 載されるヌクレオシド3’−メチルハイドロジェンチオホスホネートシントンを 使用して5’−ジチオ修飾オリゴヌクレオチドの3’→5’固相合成を開始させ る。 本発明のH−チオホスホネート法による5’−ジチオエート結合の重合体支持 オリゴヌクレオチド合成について、2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(4, 4’−ジメトキシトリチル)ヌクレオシド官能基の対応する反応性ジスルフィド への変換は、新規で重要な段階である。さらに、固相合成法によってこれらの反 応性ジスルフィドをその場で(in situ)発生する方法を以下に記載する 。 背景説明のため、チオールから得られるS−t−ブチルチオエーテル保護基を 除去するための許容される方法が、塩化o−ニトロフェニルスルフェニルでの処 理により、中間体不斉ジスルフィドを形成し、そしてその後水素化ホウ素ナトリ ウムで還 元して、遊離チオール部分を得ることができることは全く価値がないことを最初 に述べる。(グリーンズ プロテクティブ グループス イン オーガニック ケミストリー(Greene’s Protective Groups i n Ogranic Chemistry)第2版、289 、ウイレイ(19 91)参照。)S−トリフェニルメチルチオエーテル(トリチル保護基としても 知られる)の場合、この保護基の除去のため銀または水銀のような金属の存在下 で酸を使用することが必要とされるが、それは酸だけでは、完全には硫黄−炭素 結合を解離しないからである。しかし、金属が成長するオリゴヌクレオチド鎖で 先に形成された任意のP−S結合を開裂するので、これらの金属の使用は、逐次 5’−ジチオエート結合の固相合成に適さない。4,4’−ジメトキシトリチル 保護基はトリチル基より酸に対して不安定であるので、チオールをより不安定で ある4,4’−ジメトキシトリチル官能基で保護することが好ましく、そのため 塩化アリールスルフェニルの存在と組み合わせた穏やかな酸処理により、中間体 の不斉ジスルフィドの形成を首尾よく促進できる。 したがって、酸処理が2,4−ジニトロベンゼンスルフェニ ルクロリドの存在下で行われて、不斉2,4−ジニトロベンゼンスルフェニルジ スルフィドを発生するとの条件で、本発明にしたがって、5’−チオール部分か ら4,4’−ジメトキシトリチル基の除去は、穏やかな酸条件下で行い得る。不 斉ジスルフィドを形成するのは、酸溶液に他のチオールまたはジスルフィド、例 えばp−ニトロチオフェノールまたは2,4−ジチオビス(5−ニトロピリジン )を添加することによっても達成できる。 いかなるジチオールまたはジスルフィド試薬の添加なしに、4,4’−ジメト キシトリチル基の部分的除去が穏やかな酸条件下で達成されうること、および得 られる推定された対称ジスルフィドが連続カップリング反応でH−ホスホネート シントンと反応できることに注目するのは重要である。しかし、H−チオホスホ ネートまたはH−ホスホネートシントンと対称ジスルフィドとの反応は、この反 応から副生物としてヌクレオシド5’−チオールを形成するために、修飾ヌクレ オチド間結合の収量減少を起こす。その結果として、対称ジスルフィドを形成す るのは、好ましくも望ましくもない。 液相合成として、例えば2’,5’−ジデオキシ−5’−ジ メトキシトリチルチオチミジンを対応するジニトロベンゼンスルフェニルチオチ ミジンに迅速に変換するのは、後に続くクロマトグラフィ精製による生じた不斉 ジスルフィドの分離とともに単一段階で達成できる。ジニトロベンゼンスルフェ ニルチオチミジン二量体の液相合成は図5に示される。2つの異なるH−ホスホ ネートシントンとのジニトロベンゼンスルフェニルチオチミジン中間体の反応は 、図5に示されるとおり、ピリジン/ベンゼン溶媒で行うと、修飾二量体のオリ ゴヌクレオチドの生成を起こす。さらに詳細には、単一の5’−チオ修飾ヌクレ オチド間結合の場合に、ピリジン/ベンゼン中でDBU(1,8−ジアザビシク ロ[5.4.0]ウンデク−7−エン)を触媒として使用すると、溶液中に5’ −チオ修飾二量体の純粋(clean)な形成を起こす。しかし、本発明のさら に複雑な5’−ジチオエート結合が所望される場合、より反応性の高いH−チオ ホスホネートシントンを使用することが必要であり、そしてその結果として、ト リエチルアミンが、所望の二量体オリゴヌクレオチドに純粋にそして迅速に変換 させるための塩基として使用されるのが好ましい。 本発明のH−チオホスホネート法にしたがった5’−チオエ ートおよび5’−ジチオエート結合の新規固相合成の条件は、一般に2つの段階 を包含する。(図6参照)。開始点として固体支持体に付着した2’,5’−ジ デオキシ−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル)ヌクレオシドで開始す ると、第1の段階は、組み合わせた脱ブロック(deblock)/活性化段階 であり、塩化ジニトロベンゼンスルフェニル、p−ニトロチオフェノール、また は2,2’−ジチオビス(5−ニトロピリジン)のいずれかを含有する2.5% トリクロロ酢酸(TCA)の溶液を使用することにより達成される。遊離チオー ルのスルフェニル化(塩化スルフェニルの場合に)により、または交差酸化(p −ニトロチオフェノールまたは2,2’−ジチオビス(5−ニトロピリジン)の 場合に)により、この反応は、ジメトキシトリチル保護基を除去し、マスクされ ていないチオールをジスルフィドに変換する。塩化2,4−ジニトロベンゼンス ルフェニルで3級炭素チオエーテル保護基を処理することで主要な中間体、すな わち不斉ジスルフィドを与えるので、S−t−ブチルエーテル、または同様の保 護基もこの第1の段階で首尾よく使用できると考えられる。 いずれの場合にも、脱ブロック/活性化反応を完了まで制御 するため、すなわち、(1)交差酸化(第2の活性化剤がヨウ素/p−ニトロチ オフェノール試薬である場合)、または(2)スルフェニル化(第2の活性化剤 が塩化アリールスルフェニル/トリエチルアミン溶液である場合)のいずれかに より所望の不斉ジスルフィドを形成させるために、固体支持体に活性化剤を2番 目に供給することが要求される。これらの試薬を添加して、任意の残留の望まれ ない支持体結合の対称ジスルフィドまたはチオール部分から所望の不斉ジスルフ ィドの形成を完了する。 この固相合成スキームでの次の段階は、固体支持体固着のジスルフィドを単量 体ヌクレオシド3’−メチルハイドロジェンチオホスホネートまたは3’−メチ ルハイドロジェンチオホスノネートシントンとカップリングすることを包含する 。これらのシントンをトリエチルアミンまたはDBU溶液と同時に添加して、そ れぞれ5’−ジチオエートまたは5’−チオエート結合を発生する。 この方法が、逐次5’−チオエート(5’−チオ架橋)結合、ならびに5’− ジチオエート結合を合成するのに使用できることに注目するのは重要である。こ の場合、適切な3’−メチル ハイドロジェンホスホネートシントン(第1の結合に対してはH−ホスホネート または後者の場合にH−チオホスホネートのいずれか)を選択する。図6は、上 述の3’−メチルハイドロジェンホスホネート中間体の使用を通して、これらの ヌクレオチド間結合の重合体支持合成を示す。この合成は、固体支持体およびリ ンカーに適合する。一般的に使用されるサクシニルリンカーがこの強塩基の使用 により開裂されうることが知られているので、サルコシンリンカーはDBUを使 用する場合に必要とされうる。ここに記載した反応の条件下で、DBUは支持体 から成長するオリゴヌクレオチド鎖を有意に開裂する原因ではなかった。5’− ジチオエート結合の合成について、使用されるトリエチルアミンは常套のリンカ ーおよび支持体に適合できる。 本発明のH−チオホスホネート法を使用して、多数の異なる修飾結合が合成さ れうる。例えば、この化学は、DNAの存在する固相合成に適合できるので、修 飾(例えば、5’−ジチオ)および未修飾(5’−オキシ)結合の両方が、同じ オリゴヌクレオチド配列に導入されうる。5’−ジチオエート結合に隣接する5 ’−オキシ結合を導入することが望まれる場合、2’− デオキシ−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−メチルハイド ロジェンチオホスホネートは、入ってくるH−チオホスホネートヌクレオシド単 量体として使用される。塩基触媒されたカップリング反応を完了の際に、その後 化学を、常套のホスホルアマダイト法を使用し、それが所望の未修飾(「野生型 」またはホスホジエステル)結合のために最も一般的に使用されるのと同じ方向 、すなわち3’→5’でのホスホルアミダイトカップリングに切り替えてもよい 。ホスホルアミダイト試薬の場合、塩基に対して安定なメチルホスホルアミダイ トは、常套の2−シアノエチルホスホルアミダイト代わりに、特にホスホジエス テルヌクレオチド間結合が成長するオリゴヌクレオチド鎖における5’−ジチオ エート結合の形成に優先する場合に使用されるべきである。 本発明のH−チオホスホネート法を使用して、ヌクレオチド間結合の他の「架 橋」または「非架橋」位置における置換を含む5’−ジチオ修飾オリゴヌクレオ チドを合成できる。この場合、修飾ヌクレオシド3’−ハイドロジェンチオホス ホネートシントンを合成することは、非修飾ヌクレオシド3’−ホスホルアミダ イトを使用して開始する。 本発明を理解する助けとするために以下の例が提供され、その真正な範囲は添 付の請求項に記載される。修飾が、本発明の概念から逸脱することなく、記載さ れる手段で行われうることが理解される。 ジェネラル エレクトリック オメガR 300NB分光機(カリフォルニア 、フレモントのブルーカー インストルメンツに現在支援されるカリフォルニア 、フレモントのジェネラル エレクトリック社)で、プロトン(1H)、リン(3 2 P)および炭素(13C)核磁気共鳴スペクトルを300MHz、121MHz および75MHzで各々測定した。化学シフトは、各々プロトンおよび炭素につ いての内部対照としてテトラメチルシランまたは重水化溶媒中の残留クロロホル ムの7.24ppmあるいは77.0ppm共鳴を使用して記録される。リンの 化学シフトがリン酸(0ppm)の内部対照に関連して記録される。NMRサン プル標品分析に関して、以下の重水化溶媒を使用した。それは、d−クロロホル ム(CDCl3)、重水(D2O)、そして必要であればd3−メタノール(CD3 OD)およびd6−ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)である。 全ての反応は、乾性アルゴンの環境下で乾燥機で乾燥させたグラスウエアー上 で行われた。特にことわりがない限り、市販品から最も品質のよい無水溶媒およ び試薬が得られた。使用の前に以下の試薬を精製した。それは、塩化メチレン( CH2Cl2)、ピリジン、トリエチルアミンおよびアセトニトリルは水素化カル シウム(CaH2)から蒸留された。ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジ メチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド(DMSO)は活性化4=モレ キュラーシーブ上で乾燥させた。メタノールは、マグネシウムターニング/ヨウ 素から蒸留した。テトラヒドロフランは、ナトリウム/ベンゾフェノンケチルか ら蒸留した。使用直前に塩基性アルミナ(ウエルム、アクティビティーI)を通 過させて、d−クロロホルム(CDCl3)を乾燥させた。0℃で、無水エーテ ル中で市販の2−シアノエトキシジクロロホスフィンを1−トリメチルシリルピ ロリドン(2当量)と反応させることにより、ビスピロリジノ2−シアノエトキ シホスフィンを製造した。濾過し、真空中で揮発物を除去した後、ビスピロリジ ノ2−シアノエトキシホスフィン(31P NMRにより純粋)を使用まで−78 ℃で貯蔵した。 PF254インディケーター(メルク、番号5554)を含む0.28mm層 のシリカゲル60で被覆されたアルミニウムシートを使用することで、分析的薄 相クロマトグラフィ(TLC)を行った。メルク230〜400メッシュのシリ カゲル60(メルク番号9385−9)を使用して、スチルの方法[スチルらの ジェイ.オルグ.ケム.(J.Org.Chem.)、34、2923(197 8)]によりフラッシュクロマトグラフィを行った。 実施例1 5’−デオキシ−S−(アセチル)−5’−デオキシチミジンの合成 この実施例は、5’−デオキシ−S−(アセチル)−5’−デオキシチミジン の合成を例示する。 新たに蒸留されたピリジン(100mLで2回)および無水トルエン(50m Lで2回)で共蒸発することで、5.8gのチミジン(23.9ミリモル)を共 沸蒸留的に乾燥させ、さらに真空で一夜乾燥させた。75mLの新たに蒸留され たテトラヒドロフラン(THF)中にトリフェニルホスフィン(8.178g、 31ミリモル)を含む溶液を40分かけて攪 拌しながらアルゴン下で0℃に冷却した。ジイソプロピルアゾジカルボキシレー ト(6.2mL、31.5ミリモル)をその冷却溶液に添加した。得られたトリ フェニルホスフィン−ジイソプロピルアゾジカルボキシレート複合体の白色懸濁 液を0℃で45分間攪拌した。55mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド( DMF)および10mLのTHF中にチミジン(5.8g、23.9ミリモル) を含む溶液をその攪拌懸濁液に添加し、さらにチオール酢酸(2.2mL、31 ミリモル)を加えて、白色懸濁液を生じ、これは光沢のある黄色溶液に変化した 。この溶液を、氷浴で2 1/2時間攪拌し、その後全ての溶媒を真空中で除去 し、そしてCH2Cl2中の0〜6%のMeOHの勾配を用いたシリカゲルフラッ シュクロマトグラフィにより、生じた深紅の残渣を精製した。産生物を含む画分 を濃縮し、乾燥させて3.55g(11.79ミリモル、収率49%)の白色固 体を得た。 所望の化合物の同一性を確認するために、1H NMRおよび2D−コージー により、産生物は特徴づけられた。 実施例2 5’−デオキシ−S−(アセチル)3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル )5’−デオキシチミジンの合成 この実施例は、5’−デオキシ−S−(アセチル)3’−O−(4,4’−ジ メトキシトリチル)5’−デオキシチミジンの合成を例示する。 無水ピリジン(100mLで2回)で共蒸発し、そしてその後80mLのピリ ジンに再溶解させて、実施例1から得られた5’−デオキシ−5’−S−(アセ チル)5’−デオキシチミジン(3.55g、11.79ミリモル)を乾燥させ た。得られた5’−デオキシ−5’−(チオールアセチル)チミジン/ピリジン 溶液を、塩化4,4’−ジメトキシトリチル(DMTrCl)(5.2g、15 .3ミリモル)および50mgの4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)と反 応させた。反応は、標準シリカゲル薄層クロマトグラフィ(TLC)により行わ れた。反応時間の16時間後、さらに2.0gのDMTrClを添加した(5. 9ミリモル)。周囲温度でアルゴン下で3日間攪拌した後、真空中でピリジンを 除去し、残渣をCH2Cl2(300mL)に溶解し、150mLの飽和NaHC O3水溶 液で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させ、濾過し て濃縮した。CH2Cl2中の0〜4%のMeOHの勾配を用いたシリカゲルフラ ッシュクロマトグラフィにより、粗チオールアセテート産物を精製して、7.0 gの純粋産物である光沢のある黄色発泡物を得た(収率98%)。 所望の化合物の同一性を確認するために、1H NMRおよび2D−コージー により、産生物は特徴づけられた。 実施例3 5’−デオキシ−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)5’−チオール チミジンの合成 この実施例は、5’−デオキシ−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル )5’−チオールチミジンの合成を例示する。 実施例2から得られるチオールアセテート(1.59g、2.64ミリモル) を十分に脱気したEtOH300mLに溶解させた。アルゴンをそれに通して通 気しながら、氷浴中で、1時間この溶液を0℃に冷却した。その後8.6mLの 10N NaOH(水性、86ミリモル)を添加した。0℃で、3時間反応物を 攪拌し、TLCにより観察した。生成物をエルマン試薬(0.1M、pH8トリ ス緩衝液中5%溶液)で、視覚化 した。その後、反応混合物を500mLのCHCl3および200mLの飽和N aHCO3水溶液に注いだ。有機相を無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)上で乾 燥させ、濾過して濃縮した。CHCl3中の0〜6%のMeOHの勾配を用いた シリカゲルフラッシュクロマトグラフィにより、生成物を精製して、真空中で一 夜乾燥させた後1.4g(収率94%)の白色発泡物を得た。チオールがジスル フィドに酸化するのを避けるために、化合物は製造から24時間以内に使用した 。 所望のチオール化合物の同一性を確認するために、1H NMRおよび2D− コージーにより、産生物は特徴づけられた。このチオールは、分析用シリカゲル TLCで実施例2から得られるチオールアセテート化合物、および以下の実施例 4および5に記載されたジイソプロピルアミノホスホルアミダイドとも一緒に移 行する。しかし、所望のチオール化合物は、エルマン試薬と一緒に塗布すること によりTLCで容易に検出されうる。 実施例4 5’−デオキシ−5’−S−[(2−シアノエチル)ピロリジノホスホルアミダ イト]−5’−デオキシ−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジ ンの合成 この実施例は、5’−デオキシ−5’−S−[(2−シアノエチル)ピロリジ ノホスホルアミダイト]−5’−デオキシ−3’−O−(4,4’−ジメトキシ トリチル)チミジンの合成を例示する。 新たに蒸留された塩化メチレンで共蒸発することで、実施例3から得られた1 .54g(2.75ミリモル)の5’−デオキシ−3’−O−(4,4’−ジメ トキシトリチル)5’−チオールチミジンを共沸蒸留的に乾燥させた。アルゴン 下で、室温で攪拌しながら、36mLのCH2Cl2中にメルカプトチミジンを含 む溶液(2グラニュールの乾燥4Åシーブを含む)を、1.01g(4.19ミ リモル)のビスピロリジノ−2−シアノエトキシホスフィン、および無水アセト ニトリル中にテトラゾール(昇華グレード、ウイスコンシン、ミルウォーキーの アルドリッチ ケミカル カンパニー)を含む0.5M(7.5ミリモル)溶液 15mLで処理した。アルゴン下で正確に5分間この反応混合物を攪拌し、その 後直ぐに5%のトリエチルアミンを含有する300mLのCH2Cl2に注いだ。 飽和NaHCO3水溶液、10%Na2CO3水溶液および飽和NaCl水溶液の 100mL部で得られた溶液を素早く抽出 した。有機相を無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過して油状物に濃縮した。この 油状物を10mLのCH2Cl2に溶解させ、迅速に攪拌している脱気ヘプタン( 1.3L、3%トリエチルアミンを含有する)にゆっくりと、滴加して沈殿させ た。濾過し真空中で乾燥させて、白色固体沈殿物を収集し、1.479g(2. 02ミリモル、収率73%)の生成物を得た。長期保存のために、乾燥固体を −20℃でデシケーター保存した。 所望のホスホルアミダイト化合物の同一性を確認するために、31P NMR、1 H NMRおよび2D−コージーにより、産生物は特徴づけられた。 実施例5 5’−デオキシ−5’−S−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピル アミノホスホルアミダイト]−5’−デオキシ−3’−O−(4,4’−ジメト キシトリチル)チミジンの合成 この実施例は、5’−デオキシ−5’−S−[(2−シアノエチル)−N,N −ジイソプロピルアミノホスホルアミダイト]−5’−デオキシ−3’−O−( 4,4’−ジメトキシトリチ ル)チミジンの合成を例示する。 新たに蒸留されたCH2Cl2で共蒸発することで、実施例3から得られた1. 64g(2.93ミリモル)の5’−デオキシ−3’−O−(4,4’−ジメト キシトリチル)5’−チオールチミジンを共沸蒸留的に乾燥させた。アルゴン下 で13mLの無水CH2Cl2に得られた白色発泡物を溶かした。その後、その溶 液に2.83mL(16.24モル)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを 添加し、さらに1.2mL(5.36ミリモル)のクロロ−(2−シアノエトキ シ)−N,N−ジイソプロピルアミノホスフィンを加えた。アルゴン下で、周囲 温度で2時間反応液を攪拌した。その後、1.0mLのエタノールを添加して、 その後5%トリエチルアミンを含有する酢酸エチル300mLで反応混合物を希 釈した。飽和水性NaHCO3および飽和水性NaClの100mL部で溶液を 抽出した。有機相をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。CH2Cl2− ヘキサン−酢酸エチル−トリエチルアミン5:5:4:1(v/v/v/v)で 溶出させながら、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィにより、残渣を精製し た。適切な画分を濃縮し、そして乾燥させて透明油状物を得た (2.0g、89%)。10mLの無水トルエンに油状物を溶解させ、そして激 しく攪拌している3%トリエチルアミンを含有する370mLの脱気ヘプタンに ゆっくりと、滴加して沈殿させた。濾過し真空デシケーター中で乾燥させて、白 色固体沈殿物を収集し、1.49g(1.96ミリモル、66%)の生成物を得 た。長期保存のために、生成物を室温でデシケーター保存した。 所望のホスホルアミダイト化合物の同一性を確認するために、31P NMR、1 H NMRおよび2D−コージーにより、産生物は特徴づけられた。 実施例6 2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−N−ベンゾイルシチジンの 合成 この実施例は、2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−N−ベン ゾイルシチジンの合成を例示する。 チミジンについて実施例1に記載された手段にしたがい、シチジンに対して類 似の反応スキームを、6.0gの5’−デオキシ−N−ベンゾイル−2’,5’ −ジデオキシシチジン(18.05ミリモル)で開始した。5.04g(12. 9ミ リモル、収率71%)の2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−N −ベンゾイル−2’,5’−ジデオキシシチジンを得た。 所望の化合物の同一性を確認するために、1H NMRおよび2D−コージー により、産生物は特徴づけられた。 実施例7 2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−N−イソブチリルグアノシ ンの合成 この実施例は、2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−N−イソ ブチリルグアノシンの合成を例示する。 実施例1に記載された手段にしたがい、類似の反応スキームは、出発物質とし て使用された6.32g(17.98ミリモル)の2’,5’−ジデオキシ−N −イソブチリルグアノシンで開始され、5.1g(12.42ミリモル、収率6 9%)の2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−N−イソブチリル グアノシンを得た。 所望の化合物の同一性を確認するために、1H NMRおよびコージーにより 、産生物は特徴づけられた。 実施例8 2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−N−ベンゾイル−3’−O −(4,4’−ジメトキシトリチル)シチジンの合成 この実施例は、2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−N−ベン ゾイル−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)シチジンの合成を例示す る。 実施例2に記載された手段にしたがい、5.03g(12.9ミリモル)の2 ’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−N−ベンゾイルシチジン(実 施例6から得た)を出発物質として使用して、8.303g(12ミリモル、9 3%)の2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−N−ベンゾイル− 3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)シチジンを得た。 所望の化合物の同一性を確認するために、1H NMRにより、産生物は特徴 づけられた。 実施例9 2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−3’−O−(4,4’−ジ メトキシトリチル)−N−イソブチリルグアノシンの合成 この実施例は、2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−3’−O −(4,4’−ジメトキシトリチル)−N−イソブチリルグアノシンの合成を例 示する。 実施例2に記載された手段にしたがい、2.79g(6.8ミリモル)の2’ ,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−N−イソブチリルグアノシン( 実施例7から得た)を使用して、3.49g(4.9ミリモル、収率72%)の 2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチル)−3’−O−(4,4’−ジ メトキシトリチル)−N−イソブチリルグアノシンを得た。 所望の化合物の同一性を確認するために、1H NMRにより、産生物は特徴 づけられた。 実施例10 2’,5’−デオキシ−N−ベンゾイル−3’−O−(4,4’−ジメトキシト リチル)−5’−チオールシチジンの合成 この実施例は、2’,5’−デオキシ−N−ベンゾイル−3’−O−(4,4 ’−ジメトキシトリチル)−5’−チオールシチジンの合成を例示する。 実施例3に記載された手段にしたがい、2.43g(3.51ミリモル)の2 ’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチ ル)−N−イソベンゾイル−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)シチ ジン(実施例8から得た)を出発材料として使用して、2.2g(3.38ミリ モル、収率96%)の2’,5’−ジデオキシ−N−ベンゾイル−2’,5’− デオキシ−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−5’−チオールシチ ジンを得た。 チオがジスルフィドに酸化するのを避けるために、化合物は製造から24時間 以内に使用した。 所望の化合物の同一性を確認するために、1H NMRおよび2Dコージーに より、産生物は特徴づけられた。 実施例11 2’,5’−ジデオキシ−3−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N−イ ソブチリル−5’−チオールグアノシンの合成 この実施例は、2’,5’−ジデオキシ−3−O−(4,4’−ジメトキシト リチル)−N−イソブチリル−5’−チオールグアノシンの合成を例示する。 実施例3に記載された手段にしたがい、1.44g(2.02ミリモル)の2 ’,5’−ジデオキシ−5’−S−(アセチ ル)−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N−イソブチリルグアノ シン(実施例9から得た)を使用して、1.3g(収率95%)の2’,5’− ジデオキシ−3−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N−イソブチリル− 5’−チオールグアノシンを得た。 チオールがジスルフィドに酸化するのを避けるために、化合物は製造から24 時間以内に使用した。 所望の化合物の同一性を確認するために、1H NMRおよび2Dコージーに より、産生物は特徴づけられた。 実施例12 2’,5’−ジデオキシ−N−ベンゾイル−5’−S−(2−シアノエチル)ピ ロリジノホスホルアミダイト−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)シ チジンの合成 この実施例は、2’,5’−ジデオキシ−3’−N−ベンゾイル−5’−S− (2−シアノエチル)ピロリジノホスホルアミダイト−O−(4,4’−ジメト キシトリチル)シチジンの合成を例示する。 反応が8分間行われること以外は実施例4に記載された手段 にしたがい、2.3g(3.5ミリモル)の2’,5’−デオキシ−N−ベンゾ イル−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−5’−チオールシチジン (実施例10から得た)を使用して、2.52g(88%)の2’,5’−ジデ オキシ−N−ベンゾイル−5’−S−(2−シアノエチル)ピロリジノホスホル アミダイト−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)シチジンを生成した 。 長期保存のために、得られた固体を−20℃でデシケーター保存した。 所望の化合物の同一性を確認するために、1H NMR、31P NMRおよび 2Dコージーにより、産生物は特徴づけられた。 実施例13 2,5’−ジデオキシ−N−ベンゾイル−5’−S−[(2−シアノエチル)N ,N−ジイソプロピルアミノホスホルアミダイト]−2,5’−ジデオキシ−3 ’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)シチジンの合成 この実施例は、2,5’−ジデオキシ−N−ベンゾイル−5’−S−[(2− シアノエチル)N,N−ジイソプロピルアミノ ホスホルアミダイト]−2,5’−ジデオキシ−3’−O−(4,4’−ジメト キシトリチル)シチジンの合成を例示する。 実施例5に記載された手段にしたがい、939mg(1.445ミリモル)の 2’,5’−デオキシ−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N−イ ソブチリル−5’−チオールシチジン(実施例10から得た)を使用して、60 0mg(収率49%)の2,5’−ジデオキシ−N−ベンゾイル−5’−S−[ (2−シアノエチル)N,N−ジイソプロピルアミノホスホルアミダイト]−3 ’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)シチジンを生成した。 所望の化合物の同一性を確認するために、1H NMRおよび31P NMRに より、産生物は特徴づけられた。 実施例14 2’,5’−ジデオキシ−5’−S−[(2−シアノエチル)ピロリジノホスホ ルアミダイト]−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)N−イソブチリ ルグアノシンの合成 この実施例は、2’,5’−ジデオキシ−5’−S−[(2−シアノエチル) ピロリジノホスホルアミダイト]−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル )N−イソブチリルグアノ シンの合成を例示する。 反応が10分間行われる以外は実施例4に記載された手段にしたがい、1.0 1g(1.5ミリモル)の2’,5’−ジデオキシ−3−O−(4,4’−ジメ トキシトリチル)−N−イソブチリル−5’−チオールグアノシン(実施例11 から得た)を使用して、1.65g(1.96ミリモル、収率96%)の2’, 5’−ジデオキシ−5’−S−[(2−シアノエチル)ピロリジノホスホルアミ ダイト]−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)N−イソブチリルグア ノシンを生成した。 所望の化合物の同一性を確認するために、1H NMRおよび31P NMR により、産生物は特徴づけられた。 実施例15 2,5’−ジデオキシ−5’−S−[(2−シアノエチル)N,N−ジイソプロ ピルアミノホスホルアミダイト]−3’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル )グアノシンの合成 この実施例は、2,5’−ジデオキシ−5’−S−[(2−シアノエチル)N ,N−ジイソプロピルアミノホスホルアミダイト]−3’−O−(4,4’−ジ メトキシトリチル)グアノシンの合成を例示する。 実施例5に記載された手段にしたがい、1.81g(2.7ミリモル)の2’ ,5’−ジデオキシ−3−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−N−イソブ チリル−5’−チオールグアノシン(実施例11から得た)を使用して、760 mg(0.87ミリモル、収率32%)の2,5’−ジデオキシ−5’−S−[ (2−シアノエチル)N,N−ジイソプロピルアミノホスホルアミダイト]−3 ’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシンを生成した。 所望の化合物の同一性を確認するために、1H NMRおよび31P NMR により、産生物は特徴づけられた。 実施例16 チオホスホルアミダイト法によるジチオ修飾オリゴヌクレオチドの合成 この実施例は、ここに記述される第1の好ましい(チオホスホルアミダイト) 方法にしたがって、部分的に修飾されたオリゴヌクレオチド(未修飾(ホスホジ エステル)および修飾(5’−ジチオエート)結合の両方を含む)の重合体支持 合成を記述する。 市販の5’−ヌクレオシド−CPG(バージニア、スターリ ングのグレン リサーチから)を用いて5’−3’方向で1マイクロモルスケー ルで、アプライド バイオシステムズ(カリフォルニア、フォスターシティーの ABI)モデル394合成機で合成を行った。以下の置換および付加が試薬ポー トに行われた。ポート1−4で5’−ホスホルアミダイト(グレン リサーチか ら)、ポート5−8で5’−チオホスホルアミダイト(例えば、チミジンの5’ −チオホスホルアミダイト、例えば、ポート8で実施例4または5から得られる )、ポート10は、6%トリエチルアミンを含む1:1(v/v)二硫化炭素( CS2)−ピリジン中に元素硫黄(S8)を含む新たに製造された5%溶液(w/ v)を示す。ポート20は、二硫化炭素(CS2)を含有した。そして、ポート 15は、通常の0.1Mヨウ素酸化溶液に取って代わるテトラヒドロフラン(T HF)/ピリジン/水(グレンリサーチ)中の0.02Mヨウ素を有する。標準 ABI環(サイクル)、1μm CEを修飾して、1回の超過トリクロロ酢酸( TCA)添加を行い、それに続きCH2Cl2洗浄を行い、さらに各修飾結合につ いて二重の逐次カップリング(各回250秒待機)、またはホスホジエステルに ついて1回の250秒カップリングを行った。修飾結合のため、硫黄酸化は、キ ャッピング段階に先行する。試薬ライン の詰まりを防ぐために硫黄酸化の前後に、二硫化炭素洗浄を行った。 部分的に修飾されたオリゴヌクレオチド(ホスホジエステルおよび5’−ジチ オエート結合の両方を含む)について、混合化学サイクルが記載され、前者の( 未修飾)結合に5’−ホスホルアミダイト(ポート1−4、カップリング時間に 対応、I2酸化)を使用し、そして後者の(修飾)結合に5’−チオホスホルア ミダイト(ポート5−8、二重カップリング、S8酸化)を使用した。固相合成 の終わりに、最後の塩基のジメトキシトリチル保護基をオリゴヌクレオチドに残 した(DMT−オン)。 ヨウ素はP−Sヌクレオチド間結合を開裂することが当業界で知られているが 、固相合成状態下で、THF/ピリジン/水試薬中の0.01MのI2は、顕著 な量の結合の開裂を誘導せず、したがって、修飾および未修飾(ホスホジエステ ル)結合の両方を含む部分的に修飾されたオリゴヌクレオチドで逐次5’−ジチ オエート結合を合成させた。 サイクルの最適化が必要であった。最良の収量のためには、ピロリジノチオホ スホルアミダイトの0.15M溶液が使用さ れた。ジイソプロピルアミノチオホスホルアミダイトはより反応性の高いピロリ ジノチオホスホルアミダイトに比例して収率を減少させる。0.5〜1.0 O .D.のDMT−オン粗オリゴヌクレオチドのHPLC分析により収率を決定し た。 オリゴヌクレオチドはDMT−オンで合成された。オリゴヌクレオチドは固体 支持体から切り離され、そして重合体支持オリゴヌクレオチドを濃縮水性アンモ ニアで15時間55℃で処理することにより塩基およびホスフェート保護基を取 り除いた。上清を分取し、そして溶媒を真空中での濃縮により除去した。残渣は 、1mLの0.2Mトリス(pH8)を添加することにより塩基性を維持させた 。化合物は、自動サンプリング装置、ポンプおよび勾配制御装置を具備したウォ ーターズ(マサチューセッツ、マーボルフのウォーターズファーマシューティカ ルディビジョン)4000ダイオード配列HPLCで0.1M酢酸トリエチルア ンモニウム中0〜40%勾配のアセトニトリル(TEAA、1分当たり1%、5 μまたは10μのカラムで別々に0.75mLまたは1mL/分の流速)を用い て、ハミルトンPRP−1上の逆相HPLC(粒子サイズ5μまたは10μ、7 mm×150mmのカラム)により製造された。 精製MDT−含有オリゴヌクレオチドを含む画分を貯蔵し、真空中で乾燥させ た。乾燥オリゴヌクレオチドを0.5mLの80%水性酢酸で処理(周囲温度で 1時間、DTM−オンオリゴのA260 O.D.当たり20μLの80%HO Ac)し、ついで酢酸を真空中で除去することで脱トリチル化が完了した。その 後、残渣を1.0mLのH2Oに溶解させ、酢酸エチルで抽出して、4,4’− ジメトキシトリチルアルコ M重炭酸トリエチルアンモニウムまたはTEABで溶出しながら)し、蒸留水か ら再度乾燥させた後純粋オリゴヌクレオチドを得た。260nmでの吸光度を測 定することで、オリゴヌクレオチドを定量した。ヌクレオシド塩基成分の公表さ れた260nmでの吸光係数を使用してオリゴヌクレオチドの吸光係数を計算し た。 NMR分析のために0.5mLの重水(D2O)に乾燥オリゴヌクレオチドを 溶解させた。合成された所望の結合の存在を認定するために31P NMRにより 特徴づけを行った。5’−ジチオエート結合はδ72.7−73.2ppmで共 鳴を示し、一方未修飾ホスホジエステル結合は、外部リン酸(H3PO4) 標準に比例して0ppmの共鳴を示した。 上述の一般法で記載されたとおり、完全に修飾されたT−18オリゴヌクレオ チド(全ての5’−ジチオエート結合を含むチミジン多量体)を合成し、精製し て、70ナノモルの精製オリゴヌクレオチドを生じた(1マイクロモルの出発C PGからおよそ7%の収率)。0.5mL D2O中のオリゴヌクレオチドの31 P NMRは、図7に示されるとおり、外部H3PO4水準に比例して72.7− 73.2ppmでただ1つの幅広のピークを示した。ポリアクリルアミドゲル電 気泳動(15%PAGE)は、UV投影で可視化されると1つのバンドを示した 。 部分的に修飾されたオリゴヌクレオチド(ホスホジエステルおよび5’−ジチ オエート結合の両方を含む)を、上で検討された手段にしたがって合成した。内 部放射性標識について合成された特定例の11マー修飾オリゴヌクレオチドは、 下の実施例18に記載されたヌクレアーゼ安定性アッセイを必要とし、1マイク ロモルの出発材料から以下の量のオリゴヌクレオチド(精製後)を得た。 TC CTG CTT TT*T 266ナノモル TC CTG CTT ***T 230ナノモル TC CTG C*****T 260ナノモル (*は5’−ジチオエート結合を表す。) 最後のオリゴヌクレオチドの31P NMRは図8に示される。 実施例17 ヌクレアーゼ耐性アッセイのためのオリゴヌクレオチドの製造分析 以下の一連のオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ耐性を試験する目的のため に製造された。 TC CTG CTT TTT TC CTG CTT TT*T TC CTG CTT***T TC CTG C*****T (*は5’−ジチオエート結合を表す。) γ32P−アデノシントリホスフェートを用い、ニューイングランド バイオラ ボ(マサチューセッツ、ビバリー)から得られたT4ポリヌクレオチドキナーゼ を使用する記載された手法にしたがって、これらの4つのオリゴヌクレオチドを 酵素的に ホスホリルエステル化した。(マクサムらのプロク.ナショナル.アカデ.サイ .ユーエスエイ(Proc.National Acad.Sci.U.S.A .)、74、560−564(1977))。オリゴヌクレオチドをポリアクリ ルアミドゲル電気泳動にかけた。記載した手段にしたがって、ホスホイメ ダイナミックス)で、ポリアクリルアミドゲルをスキャンした。ジョンストンら のエレクトロホレシス(Electrophoresis)II、355−36 0(1990)。 修飾オリゴヌクレオチドの安定性を評価するために、キナーゼ処理されたオリ ゴヌクレオチドを以下の合成オリゴヌクレオチドと別々にライゲーションした。 TTT ATG GTC TT ニューイングランド バイオラボから得られたT4 DNAリガーゼを使用し た公表された手法にしたがってライゲーション反応を行った(マクサムらのプロ ク.ナショナルアカデ.サイ.ユーエスエイ(Proc.National A cad.Sci.U.S.A.)、74、560−564(1977)。)ライ ゲーション反応で使用されたテンプレートは、以下の通り であった: GCA GGA AAG ACC 公表された手法にしたがって、以下に示されたライゲーション産物は、15% 変性ポリアクリルアミドゲルから単離した。(ヤンスラらのバイオケミストリー (Biochemistry)16、1772−1776(1977)。) #は、32P標識を表す。 *は、5’−ジチオエート結合を表す。 ライゲーション過程の間、放射性ホスフェート原子はライゲーション産物中に 内在化する。これは、ヌクレアーゼ源に内在するホスファターゼ活性による標識 の損失を消去する。 実施例18 5’−ジチオ修飾オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性 この実施例では、種々の部分的に修飾された本発明のオリゴヌクレオチドのヌ クレアーゼ耐性を比較する。 実施例17に記載された、オリゴヌクレオチドの3’−末端にゼロ(「野生型 」)、1つ、3つおよび5つの5’−ジチオエート修飾を含む内部32P標識オリ ゴヌクレオチドを使用して、部分的に修飾された5’−ジチオエートオリゴヌク レオチドのヌクレアーゼ耐性を決定した。以下に記述されるとおり、(1)ヒト 血清に内在のヌクレアーゼ、および(2)蛇毒ホスホジエステラーゼの両方から ヌクレアーゼ分解に対する耐性について、内部で標識されたオリゴヌクレオチド を分析した。 A.内在性血清ヌクレアーゼに対する耐性 標準放血技術により、レッドトップ凝血管(ニューヨーク、オレンジバーグの ベクトン−ディッカーソン)に10mLの全血を取った。室温で30分間、その 血液を凝血させ、その後サンプルを1000rpmで、10分間遠心した。サン プルから血清を除き、0.5mLアリコートを製造した。血清アリコートを−7 0℃で貯蔵し、使用直前に解凍した。 実施例17に記載された4つのゲル精製の内在的に標識されたオリゴヌクレオ チド(19000cpm/pm保存溶液)を4pm/μLの濃度にした希釈した 。各オリゴヌクレオチドの12.5μL(50pm)を37.5μLのヒト血清 と一緒に 37℃でインキュベートした。最終オリゴヌクレオチド濃度は75%(v/v) 血清中で1μMであった。5μLの鉱油を加えて、インキュベート中の蒸発を避 けた。定期的インターバルで、各インキュベーションから得た5μLアリコート を、10μLホルムアミド、および80%ホルムアミド中の0.1%ブロモフェ ノールブルー/0.1%キシレンシラノール2μlと混合した。分析の準備がで きるまで、−20℃で、サンプルを貯蔵した。サンプルを2分間煮沸し、2分間 氷の上に放置し、そして変性20% ポリアクリルアミドゲルに載せた。電気泳 して全長オリゴヌクレオチドの量を定量した。得られたデータは図9に示される 。ヒト血清安定性アッセイについての時間点は、0、1時間、4時間、8時間お よび24時間であった。 図9は、対応する0時間対照レーンに対する全長バンドの積分により、残りの 全長オリゴヌクレオチドの含有率としてグラフ化された血清の存在下でのオリゴ ヌクレオチドの安定性を示す。図9中のデータは、5’−ジチオ修飾オリゴヌク レオチドが未修飾「野生型」オリゴヌクレオチドより顕著に血清での分解に耐性 であることを例示する。3’−末端での1つの3’− ジチオエート修飾結合でさえ、ヒト血清に1時間曝露する際にヌクレアーゼ分解 に対するある種の保護を示した。同じ1時間の定期的インターバルで未修飾オリ ゴヌクレオチドは90%以上減成(10%未満の全長オリゴヌクレオチド残留) し、一方、3’−末端で最小限3つの修飾結合を有する5’−ジチオエートオリ ゴヌクレオチドは4時間で約50%減成した。(図9参照。) B.蛇毒ホスホジエステラーゼに対する耐性 実施例17に記述された4つの内部に標識されたオリゴヌクレオチドを、別々 に0.2M炭酸ナトリウム/重炭酸ナトリウム(pH9.5)緩衝液中1pm/ μLの濃度に希釈した。2μLの酵素を123μLの0.2M炭酸ナトリウム/ 重炭酸ナトリウム(pH9.5)緩衝液と混合することにより、蛇毒ホスホジエ ステラーゼ(ベーリンガーマンハイム)を希釈した。5μL(5ピコモル)の各 オリゴヌクレオチド溶液を、5μLの蛇毒ホスホジエステラーゼ(SVPDE) 溶液と37℃でインキュベートした。オリゴヌクレオチドの最終濃度は、1μM であった。各時間点について、反応がされ、そして定期的インターバル(0、3 0分、60分、90分または120分)の終 わりに、各インキュベーション混合物を、ホルムアミド溶液中の10μLの染料 と混合し、そして20%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析する準備が できるまで、−20℃で貯蔵した。ゲルをスキャンし、画像化し、そしてホスホ イメジャ 図10は、対応する0時間対照レーンに対する全長バンドの積分により、残留 全長オリゴヌクレオチドの含有率としてグラフ化された蛇毒ホスホジエステラー ゼの存在下でのオリゴヌクレオチドの安定性を示す。野生型オリゴヌクレオチド が30分で90%分解されるのに使用されたSVPHE濃度で、わずかに1つの 単一ジチオエート結合により蛇毒ホスホジエステラーゼに対する存在するヌクレ アーゼに対する実質的耐性を与えることが分かった。(図10参照。) C.5’−ジチオエートオリゴヌクレオチドの化合的開裂 実施例17に記載された0、1つ、3つまたは5つの5’−ジチオエート修飾 を含む内的に標識されたオリゴヌクレオチド(4pm/μL保存溶液)を、30 分間、50μM硝酸銀で処理し、さらに50μM DTTで処理し、そしてその 後PAG 可視化した。修飾を含むオリゴヌクレオチドに開裂が観察され、逆に、「野生型 」対照には開裂はなかった。このことは、本発明の5’−ジチオ修飾結合が、ホ スホジエステルまたは野生型結合の存在下で本発明の5’−ジチオエート修飾の 銀(または水銀)イオンによる化学的開裂のために、DNAの特定の操作に使用 できることを示す。 実施例19 4,4’−ジメトキシトリチルチオールアセテートの合成 この実施例は、4,4’−ジメトキシトリチルチオールアセテートの合成を例 示する。 25g(73.8ミリモル)の塩化4,4’−ジメトキシトリチルを、500 mLの無水塩化メチレンに溶かした。その後15.8mL(221ミリモル)の チオール酢酸を、塩化4,4’−ジメトキシトリチルに添加した。反応物を、周 囲温度で30分間攪拌し、その後30.8mL(221ミリモル)のトリエチル アミンのゆっくりとした添加により過剰の酸を中和した。500mLの5%水性 NaHCO3、500mLの水、および300mLの飽和水性NaClで2回反 応混合物を洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して、濃縮し た。塩化メチレン/ヘキサンから、得られた暗褐色油状物を結晶化させた。濾過 および真空中での乾燥により明るい茶色の結晶が収集されて26.4g(収率9 4%)の生成物を得た。 所望の化合物の同一性を認定するために、1H NMRおよび13C NMR により生成物は特徴づけられた。 実施例20 5’−デオキシ−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジンの合成 この実施例は、5’−デオキシ−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル )チミジンの合成を例示する。 アルゴン下で、1.18g(51.5ミリモル)のナトリウムに20mLの新 たに蒸留したメタノールを添加した。全てのナトリウムを反応させた後、過剰の メタノールの除去して、ナトリウムメトキシドを白色固体として得た。そのナト リウムメトキシドを50mLのジメチルジメチルスルホキシドに溶かし、アルゴ ンで1時間通気することにより脱気した。この溶液をカニューレを介して、25 0mLの脱気ジメチルスルホキシド中に先の実施例から得られた4,4’−ジメ トキシトリチルチオールアセテート15.56g(41ミリモル)に添加した。 アルゴン下で30分間通気しながら反応物を攪拌し、その後13.58g(34 .4ミリモル)の5’−O−トシルチミジン(レイストのジェイ.オルグ.ケム .(J.Org.Chem.)、29、554−558(1964)により記載 されたとおりに製造した)を迅速に添加した。アルゴン下で、一夜反応物を攪拌 し、その後300mLの塩化メチレンで希釈し、その後300mLの5%NaH CO3溶液で2回、水300mLで1回、そして300mLの飽和NaCl溶液 で1回抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して、濃縮した。 クロロホルム中で0〜5%エタノールの勾配を用いたシリカゲルフラッシュクロ マトグラフィにより粗生成物を精製して18gの純粋生成物(収率94%)を光 沢のある黄色発泡体として得た。 所望の化合物の同一性を認定するために、1H NMRおよび13C NMRに より生成物は特徴づけられた。 実施例21 5’−デオキシ−3’−O−[(N,N−ジイソプロピルアミノ)メチルホスホ ルアミダイト]−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジンの合成 この実施例は、5’−デオキシ−3’−O−[(N,N−ジイソプロピルアミ ノ)メチルホスホルアミダイト]−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル )チミジンの合成を例示する。 無水ピリジン(3×100mL)およびトルエン(2×100mL)と共沸さ せることにより、実施例20から得られた10g(17.8ミリモル)の5’− デオキシ−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジンを共沸的に乾 燥させた。その後、100mLの無水CH2Cl2、9.92mL(71.2ミリ モル)のトリエチルアミンおよび4.16mL(21.4ミリモル)のクロロ− (N,N−ジイソプロピルアミノ)メトキシホスフィンを乾燥固体に加えた。反 応物を30分間、周囲温度に置いた。31P NMRによりアリコートを分析して 、(150ppmの化学シフトを示す)生成物に変換したことを認定した。反応 物を塩化メチレンで希釈し、100mLの5%NaHCO3溶液で2回、100 mLの飽和NaCl溶液で1回抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濃縮し た。4:4:1:1のヘキサン:塩化メチレン:酢酸エチル:トリエチルアミン を用いたシリカゲルフラッシュクロマ トグラフィにより粗生成物を精製して10.9g(収率85%)の純粋生成物を 得た。 所望の化合物の同一性を認定するために、1H NMRおよび13C NMRに より生成物は特徴づけられた。 実施例22 5’−デオキシ−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−(メ チルハイドロジェンチオホスホネート)チミジンの合成 この実施例は、5’−デオキシ−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル )−3’−(メチルハイドロジェンチオホスホネート)チジジンの合成を例示す る。 実施例21から得られた1.0g(1.38ミリモル)の5’−デオキシ−3 ’−O−[(N,N−ジイソプロピルアミノ)メチルホスホルアミダイト]5’ −S−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジンを、アルゴン下で、75mL の新たに蒸留した塩化メチレンに溶かした。乾燥硫化水素ガス(H2S、粉末状 無水酸化カルシウムおよび硫酸カルシウムを含有するトラップを通してガス蒸気 を通過させることにより乾燥させた)を反応物に1時間通気した。その後、無水 アセトニトリル中に テトラゾールを含む0.5M溶液13.8mLを添加し、そして硫化水素通気を 10分間再び続けた。その後、1時間反応物を攪拌し、31P NMRによりアリ コートを分析しながらTLCにかけた(生成物は72ppmの化学シフトを示す 。)。実験室内にH2Sを放出するのを防ぐために、反応のための排出ラインを 硫酸カルシウムを充填した乾燥管に取り付け、続いて漂白溶液にかけ、そして水 酸化ナトリウム溶液トラップを濃縮した。1時間後、20分間アルゴンで反応物 を浄化して、過剰のH2Sを除去し、塩化メチレンで希釈し、その後75mLの 5%NaHCO3溶液で2回抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濃縮した 。最初、クロロホルム中の0〜1%エタノールの勾配を用いたシリカゲルフラッ シュクロマトグラフィにより粗生成物を精製した。クロマトグラフ化された生成 物を乾燥させ、5mLトルエンに溶かし、その後迅速に攪拌させているペンタン 800mLにゆっくりと添加することにより沈殿させた。濾過により固体を収集 して、0.56g(61%)の純粋生成物を得た。 所望の化合物の同一性を認定するために、1H NMRおよび31P NMRに より生成物は特徴づけられた。 実施例23 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−(メチルハイドロジェン チオホスホネート)チミジンの合成 この実施例は、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−(メチ ルハイドロジェンチオホスホネート)チミジンの合成を例示する。 先の実施例に記載されたものに類似する手段により、5g(6.93ミリモル )の5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−O−[(N,N−ジ イソプロピルアミノ)メチルホスホルアミダイト]チミジン(グレン リサーチ )を使用して、2.489g(56%)の生成物を得た。 所望の化合物の同一性を認定するために、1H NMRおよび31P NMRに より生成物は特徴づけられた。 実施例24 H−チオホスホネート法にしたがったジチオ修飾オリゴヌクレオチドの合成 アプライド バイオシステムズ(カリフォルニア、フォスターシティ)モデル 394合成機で、ここで先に記載されたH−チオホスホネート法を用いて、未修 飾(ホスホジエステル)お よび修飾(5’−ジチオエート)結合の両方を含む部分的に修飾されたオリゴヌ クレオチドの固相合成を行った。換気フードで手動で選択段階を行った。特に断 りがない限り、全ての試薬は、アプライドバイオシステムズ、グレンリサーチ( バージニア、スターリング)またはアルドリッチ ケミカル カンパニー(ウイ スコンシン、ミルウォーキー)から購入した。固相合成のための全ての溶液は、 使用前にアルゴンで十分に脱気した。 第1の段階として、5’−デオキシ−5’−S−(4,4’−ジメトキシトリ チル)チミジンを含むヌクレオシドをCPG樹脂に付着させた。ヌクレオシドの 3’−ヒドロキシルのカップリングは、当業界で知られた方法を介してたやすく 完了できた。その次の実験として、実施例21から得られた5’−デオキシ−3 ’−O−[(N,N−ジイソプロピルアミノ)メトキシホスホルアミダイト]5 ’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジンをT−CPG樹脂にホスフ ァイトカップリングを介して付着させた。ホスファイトカップリングに、標準ア プライド バイオシステムズ プログラム1μm CEおよび標準ホスホルアミ ダイト試薬を使用した。 以下のプロトコールを使用して、固相H−チオホスホネート 法をしながら5’−ジチオエート結合を導入した。 (A)合成機プログラムは、(順次)以下の段階: (1)0.2M 塩化2,4−ジニトロスルフェニルを含む塩化メチレン溶液中 の2.5%トリクロロ酢酸(ポート15)を用いる脱ブロック/活性化段階、続 いて(2)塩化メチレン洗浄、その後(3)ポート11および12から各々CH2 Cl2溶液の0.2Mの塩化2,4−ジニトロスルフェニルおよびCH2Cl2溶 液中の0.5Mトリエチルアミンの同時伝搬を伴う第2の活性化段階(それがキ ャッピングプロトコールであるように記載された)、(4)CH2Cl2洗浄、( 5)CH2Cl2中の0.5Mトリエチルアミンの溶液(ポート9)の同時伝搬を 伴う、CH2Cl2中の5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−( H−チオメトキシホスホネート)チミジンシントン(実施例23から得られた) の0.2M溶液でカップリングすること、そして最終的に(6)さらに洗浄する ことを含む、記載されたHPhos21であった。 (B)合成機プログラムHPhos23を使用して、順次以下の段階:(1) 1.0Mのp−ニトロチオフェノールを含む2.5%TCA/CH2Cl2を用い る脱ブロック/活性化段 階、(2)CH2Cl2洗浄、(3)5分間放置を伴なう、1.0M p−ニトロ チオフェノールを含有するCH2Cl2中の飽和ヨウ素溶液を搬送する第2の活性 化段階(手動伝搬)、(4)CH2Cl2洗浄、(5)合成機のポート9から得ら れたCH2Cl2中のトリエチルアミンの0.5M溶液の同時伝搬を伴なう、アミ ダイトポートから伝搬されたCH2Cl2中の5’−O−DMT−H−チオホスホ ネートシントン(実施例22から得られた)の0.2M溶液でカップリングした 。 (C)同じ合成機プログラム(HPhos23)を使用して、第1の脱ブロッ ク/活性化溶液が、0.2Mの2,2’−ジチオビス(5’−ニトロピリジン) を含有するCH2Cl2中の2.5%TCAからなる以外は、(A)と同様の段階 を行った。 ここに記述されたプロトコールに従って、1つの修飾結合を含む以下の三量体 を合成した。 T*TT (*は5’−ジチオエート結合を表す。) チオフェノール/トリエチルアミン/ジオキサン(チオレート)溶液でDMT −オフ三量体を含有する樹脂を最初に処理し、メチル保護基を除去し、続いてジ エチルエーテルおよびメタノ ールで支持体を洗浄した。その後、通気乾燥固体支持体オリゴヌクレオチドを、 濃縮アンモニア溶液で1時間、室温で処理し、樹脂からオリゴを開裂した。アン モニアを真空中で除去し、0.2Mトリス(pH8)緩衝液1.0mLを添加す ることにより粗オリゴヌクレオチドを塩基性に維持した。 0.1M酢酸トリエチルアンモニウム中の0〜40%アセトニトリルの勾配を 用いた10μハミルトンPRP−1(7mm×150mm)カラムでの逆相HP LCにより、粗DMT−オフオリゴヌクレオチドを精製した。精製オリゴヌクレ オチドの31P NMRは、5’−ジチオエートヌクレオチド間結合を反映して7 2−73ppmで、およびホスホジエステル結合についての0ppm、積分比1 :1で共鳴を与え、これにより所望のオリゴヌクレオチド化合物の同一性を確認 した。 実施例25 2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(2,4−ジニトロフェニルスルフェニル )チミジンの合成 実施例20から得られた2.0g(3.57ミリモル)の5’−デオキシ−5 ’−S−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジンを、400mLの塩化メチ レンに溶かした。その後、得 られた溶液に、2g(12.24ミリモル)のトリクロロ酢酸および3.35g (14.27ミリモル)の塩化2,4−ジニトロベンゼンスルフェニルを添加し 、そして反応混合物を0.5時間、周囲温度で攪拌した。その後、反応混合物を 塩化メチレンで希釈し、5%NaHCO3溶液で2回、水および飽和NaCl溶 液で1回抽出し、その後硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濃縮した。乾燥有機相 をシリカゲルに加え、その後懸濁物を減圧下で注意深く乾固させた。吸着された 生成物を含むシリカゲルを、遊離の流体粉末としてクロロホルムで予め平衡にし たシリカゲルカラムの頂部に負荷した。クロロホルム中の0〜6%エタノールの 勾配でカラムを溶出させて、0.91g(56%)の純粋生成物を得た。 所望の化合物の同一性を認定するために、1H NMRおよび13C NMRに より生成物は特徴づけられた。 実施例26 ジチオ修飾二量体の溶液合成 この実施例は、溶液中でのT*T二量体(*は5’−ジチオエート結合を表す )の合成を例示する。 実施例25から得られた19.7mg(43マイクロモル) の2’,5’−ジデオキシ−5’−S−(2,4−ジニトロフェニルスルフェニ ル)チミジンを含む溶液を、およそ0.8mLの重水化ベンゼン(ベンゼン−d 6)中に実施例23から得られた25mg(39マイクロモル)の5’−O−( 4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−(メチルハイドロジェンチオホスホネ ート)チミジンの溶液に添加した。得られた溶液をNMR管に載せた。その後、 10.9μL(78マイクロモル)のトリエチルアミンを添加した。1分後の31 P NMRスペクトルは、H−チオホスホネートを保護T*T二量体(メチル保 護基を有する2’−ジチオエート結合)に完全に変換することを示した。出発の H−チオホスホネートの31P NMRスペクトルは、72.4ppmおよび72 .1ppmで共鳴(2つのジアステレオマー)をなす。保護二量体の31P NM Rは、96.8および95.8ppmで共鳴する。2つの5’−ジチオエートジ アステレオマーがあるので、2つのピークが観察された。 5分後、反応物を2mLの酢酸エチルで希釈し、1mLの5%NaHCO3で 2回そして飽和塩化ナトリウムで1回抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾 燥させ、濾過し、濃縮した。 乾燥二量体を、重水化N,N−ジメチルホルムアミド(d7−DMF)に溶かし 、そして31P NMRにより生成物を特徴づけた(d7−DMF中で97.4、 96.8ppmで共鳴)。 保護二量体のd7−DMF溶液を、チオレート溶液で処理して、脱保護T*T 二量体を得た。31P NMRにより生成物を特徴づけた(d7−DMF中で69 .0、68.9ppmで共鳴)。 別々の脱ブロッキング反応で、乾燥保護二量体を、1mLのチオフェノール: トリエチルアミン:ジオキサン溶液(2:2:1)で処理した。反応は、およそ 2時間で脱保護T*T二量体を生じた(チオレート溶液中の化学シフト72.9 、72.5)。31P NMRは、重水素ロックなしに行われた。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 少なくとも1つの5’−ジチオエートヌクレオチド間結合を有する少なく とも10塩基の修飾オリゴヌクレオチド。 2. 長さで10〜60塩基の間である請求項1に記載の修飾オリゴヌクレオチ ド。 3. 少なくとも3つの5’−ジチオエートヌクレオチド間結合を有する請求項 2に記載の修飾オリゴヌクレオチド。 4. 前記3つの5’−ジチオエートヌクレオチド間結合が前記修飾オリゴヌク レオチドの3’−末端にある請求項3に記載の修飾オリゴヌクレオチド。 5. 前記ヌクレオチド間結合の全てが5’−ジチオエートヌクレオチド間結合 である請求項1に記載の修飾オリゴヌクレオチド。 6. 長さで12〜60塩基の間である請求項5に記載の修飾オリゴヌクレオチ ド。 7. 前記5’−ジチオエートヌクレオチド間結合中の非架橋酸素原子のただ1 つが硫黄原子で置換されている請求項1に記載の修飾オリゴヌクレオチド。 8. 長さで10〜60塩基の間である請求項7に記載の修飾オリゴヌクレオチ ド。 9. 少なくとも3つの5’−ジチオエートヌクレオチド間結合を有する請求項 8に記載の修飾オリゴヌクレオチド。 10. 前記3つの5’−ジチオエートヌクレオチド間結合が前記修飾オリゴヌ クレオチドの3’−末端にある請求項9に記載の修飾オリゴヌクレオチド。 11. 前記ヌクレオチド間結合の全てが5’−ジチオエートヌクレオチド間結 合である請求項10に記載の修飾オリゴヌクレオチド。 12. 2’,5’−ジデオキシ−5’−チオール−3’−O−保護ヌクレオシ ドをホスフィチル化剤と反応させることよりなる5’−チオホスホルアミダイト ヌクレオシドシントンの製造方法。 13. (a)酸触媒ホスホルアミダイト条件下で5’−重合体支持ヌクレオシ ドの3’−ヒドロキシルを2’,5’−ジデオキシ−5’−チオール−3’−O −保護5’−チオホスホルアミダイトと結合させて、チオホスファイト中間体を 生成し、 (b)該チオホスファイト中間体を硫化して、保護5’−ジ チオエート結合を発生させ、及び (c)該保護5’−ジチオエート結合を脱保護して、5’−ジチオエート修飾 結合を得る段階よりなる5’−ジチオ修飾結合を合成する方法。 14. 段階(a)〜(b)を所望の回数反復して、相当する数の逐次保護5’ −ジチオエート結合を発生させてから、最終の脱保護段階(c)を行うことによ り多重逐次5’−ジチオ修飾結合を合成する請求項16に記載の方法。 15.式: (式中、Xは酸素または硫黄である。) で表される3’−メチルハイドロジェンチオホスホネートシントン。 16. テトラゾールの存在下で、硫化水素および水からなる群から選択される 化合物とメチルホスホルアミダイトを反応させることを含む3’−H−ホスホネ ートシントンを合成する方法。 17. 3’−H−ホスホネートシントンが3’−H−チオホスホネートシント ンであり、そして前記化合物が硫化水素である請求項16に記載の方法。 18. チオレート塩を2’−デオキシヌクレシドの5’−O−トシレートと反 応させることにより5’−デオキシ−5’−保護チオール中間体を合成する方法 。 19. 前記チオレート塩が4,4’−ジメトキシトリチルチオレートである請 求項18に記載の方法。 20. (a)ヌクレオシドの5’−位に不斉ジスルフィドを作り、 (b)ヌクレオシドの該不斉ジスルフィドを3’−H−ホスホネートシントン と反応させる段階を含む、前記ヌクレオチド間結合の5’−位に硫黄置換を有す る修飾ヌクレオチド間結合を合成する方法。 21. 前記ヌクレオシドが前記ヌクレオシドの3’−位を通 して重合体支持体に結合される請求項20に記載の方法。 22. 塩化アリールスルフェニルの存在下で前記重合体支持ヌクレオシドを酸 と反応させることにより前記不斉ジスルフィドが作られる請求項20に記載の方 法。 23. 前記ヌクレオシドが2’,5’−ジデオキシ−5’−S(4,4−ジメ トキシトリチル)ヌクレオシドである請求項22に記載の方法。 24. 前記3’−H−ホスホネートシントンが3’−メチルハイドロジェンチ オホスホネートシントンである請求項20に記載の方法。 25. 前記3’−H−ホスホネートシントンが3’−メチルハイドロジェンチ オホスホネートシントンである請求項23に記載の方法。 26. 前記ヌクレオシドが2’,5’−ジデオキシ−5’−S(4,4’−ジ メトキシトリチル)ヌクレオシドであり、そして前記3’−H−ホスホネートシ ントンが3’−メチルハイドロジェンチオホスホネートシントンである請求項2 0に記載の方法。
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