JPH10502165A - 合成ペプチド−改良イムノアッセイを使用する異なるhiv遺伝子型の検出 - Google Patents

合成ペプチド−改良イムノアッセイを使用する異なるhiv遺伝子型の検出

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JPH10502165A JP8500836A JP50083696A JPH10502165A JP H10502165 A JPH10502165 A JP H10502165A JP 8500836 A JP8500836 A JP 8500836A JP 50083696 A JP50083696 A JP 50083696A JP H10502165 A JPH10502165 A JP H10502165A
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ガラーダ,ジエイムズ・エル
ストーン,バーバラ・エル
リウ,ダグラス・ジエイ
ハリントン,スーザン・ケイ
ドーソン,ジヨージ・ジエイ
ウー,ピン
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アボツト・ラボラトリーズ
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Abstract

(57)【要約】 試験試料中のHIV−1抗体及び/又はHIV−2抗体の1つ以上のHIVサブタイプの存在を同時に検出するためのイムノアッセイを開示する。被分析物を同一又は異なった固相の上に捕獲し、合成及び組換え抗原を含む指示薬試薬の混合物を使用して発生シグナルを検出することによって、被分析物の存在を決定する。好ましい指示薬試薬は、HIV−1 gp41の免疫優性領域と相同である合成19アミノ酸環状ペプチドと、HIV−2 gp36の免疫優性領域と相同である合成19アミノ酸環状ペプチドとを含む。

Description

【発明の詳細な説明】 合成ペプチド−改良イムノアッセイを使用する 異なるHIV遺伝子型の検出 発明の分野 本発明はヒト免疫不全ウイルス(HIV)とイムノアッセイとに関わる。特に 、本発明は、2つ以上のHIV遺伝子型の同時検出のためのイムノアッセイと試 薬とに関わる。具体的には、本発明は、試験試料中のHIV−1抗原、並びに/ 又は、HIV−1抗体、及び、HIV−2抗体を検出するためのイムノアッセイ に係わる。発明の背景 後天性免疫不全症候群(AIDS)は、米国とヨーロッパと中央アフリカとに おいて流行といえる程度に達している日和見感染及び/又は新生物に関連した免 疫系の障害である。疫学的データは、少なくとも2つのタイプのヒト免疫不全ウ イルス(HIVと総称される)によってAIDSが引き起こされることを示唆し ている。HIV 1型(HIV−1)は、AIDS及びAIDS関連症候群(A RC)の患者と、健康なAIDSハイリスク者とから単離されている。例えば、 F.Barre −Sinoussi他,Science 220:868−871(1983) ;M.Popovic他,Science 224:497−500(1984 );R.C.Gallo他,Science 224:500−503(198 4)を参照されたい。HIV−1は、性的接触、並びに、血液及び特定の血液製 品に対する接触によって伝染し、又は、感染した母親からその胎児もしくは子供 に伝染する(P.Piot他,Science 239:573−579(19 88))。AIDS及びARC患者とハイリスク者ではHIV−1抗体の出現率 が高く、血清反応陽性者全体の約90%からHIVウイルスを単離することが可 能である。例えば、M.G.Sarngadharan他,Science 2 24:506−508(1984)及びD.Gallo他,J.Clin.Mi cro. 25:1291−1294(1987)を参照されたい。 1986年には、第2のヒト免疫不全ウイルス(HIV−2)が、西アフリカ におけるAIDS患者から単離された(F.Clavel他,Science 233:343−346(1986))。HIV−2感染は、西アフリカ以外の 数カ国 からの個人にも検出されている。例えば、A.G.Saimot他,Lance i:688(1987);M.A.Rey他,Lancet i:388− 389(1986);A.Werner他,Lancet i:868−869 (1987);G.Brucker他,AIDS 2:141(1988);K .Marquart他,AIDS 2:141(1988)を参照されたい。現 時点ではHIV−2は西アフリカにおいてだけ流行しているにすぎないと考えら れるが、HIV−1に関する経験によれば、HIV−2が世界のその他の地域に も伝播する可能性が高い。 HIV−2ウイルスは、形態、細胞特異性、CD4細胞レセプターとの相互作 用、CD4細胞に対するインビトロ細胞変性作用、全体的ゲノム構造、及び、A IDSを生じさせる能力の点で、HIV−1に類似している(F.Clavel ,AIDS 1:135−140(1987))。しかし、HIV−2は、幾つ かの点でHIV−1とは異なっている。F.Clavel,上記論文及びR.A .Weiss他,AIDS 2:95−100(1988)を参照されたい。 最近になって、新種のHIVサブタイプが発見されている。 1990年に、DeLeys他は、サブタイプ ANT 70と名付けられた新 種のHIV分離ウイルスを特定した(J.Virol.64:1207−121 6(1990))。カメルーン及びザイールの野生チンパンジーにおけるHIV −1関連ウイルスに関する更に別のレポートが公表されている(Peters他 ,AIDS 3:625−630(1989))。中央アフリカのカメルーン区 域で流行しているHIV−1サブタイプと考えられているウイルスは「サブタイ プ0」と呼ばれている。このサブタイプは、HIV検出に現在使用可能な検定に おいては問題となってきたが、現時点で、HIV−1共通配列に対して約65% の相同性を有し、HIV−2共通配列に対して約55%の相同性を有し、ANT 70配列に対して約85%の相同性を有するものとして特徴付けられている。 血清学的試験によって、HIV−1、HIV−2、及び、新たに出現している これらのサブタイプは、そのコア抗原内に多数の共通エピトープを共有するが、 これらのウイルスのエンベロープ糖タンパク質は著しく交差反応性が低いという ことが明らかになっている(F.Clavel,上掲)。エンベローブ抗原の交 差反応性がこのように制限されていることが、HIV −2抗体保有者と新たに出現しているHIVサブタイプに対する抗体を保有する 人間とから採取した特定の血清に対して、現時点で利用可能なHIV−1血清学 的アッセイの殆どが無効であることの原因となっている可能性がある(F.De nis他,J.Clin.Micro.26:1000−1004(1988) )。Abbott Laboratories,Abbott Park,IL 60064から現在入手可能な名称「Abbott HIVABTM HIV− 1/HIV−2(rDNA)EIA」の市販入手可能なHIV−1/HIV−2 抗体アッセイは、2つのウイルス性タンパク質(HIV−1エンベロープとHI V−2エンベロープ)に対応する組換え抗原を使用する。この組換え抗原を使用 することによって、抗HIV−1抗体及び/又は抗HIV−2抗体を含む試験試 料の検出を改善すると同時に、全ウイルス又はウイルスライゼートとの交差反応 に主に起因する非特異的反応を最小限にすることが可能になる。標識した組換え HIV抗原を使用して試験試料中のHIV抗体を検出するために少なくとも1つ の組換えHIVタンパク質を使用することを、本明細書に参考として組み入れる 親特許出願で説明している。 ヒト血清中のHIVウイルスに対する抗体の存在を検出するための従来のイム ノアッセイでは、ウイルス複製が可能な株細胞から得られる不活化全ウイルスを 抗原試薬として使用する酵素抗体アッセイ(ELISA)法を使用した。その後 のHIVイムノアッセイは、組換えDNA方法によって得られるポリペプチド配 列を使用することを説明している。Cabradilla他,Bio/Tech nology,4:128−133(1985)を参照されたい。しかし、こう した従来のイムノアッセイには感受性と特異性が不足しており、この不足のため に、例えばウイルスを含む血液製品のような試験試料が検出を逃れる可能性があ り、その結果として、こうした血液製品を投与される患者にウイルス感染を生じ させる可能性がある。こうしたイムノアッセイにおける特異性の欠如(即ち、偽 陽性)は、ウイルスライゼート中の細胞タンパク質に対する免疫グロブリンの非 特異的結合に起因することが多く、或いは、組換え抗原の場合には、特異性の欠 如が、AIDSには無関係なウイルスとの共有エピトープを原因とする可能性も ある。例えば、Gallaher,Cell,50:327−328(1987 )は、HIV−1 gp41領域が呼吸系多核体ウイルス (respiratory syncytial virus)と抗原領域を共有すると共に、麻疹ウイルス F1糖タンパク質と抗原領域を共有するということを報告している。従って、高 度に精製した組換えHIVポリペプチドさえもが偽陽性の原因となる可能性があ る。いずれの場合にも、こうした偽陽性はAIDSの誤診に結びつく可能性があ る。 ウイルスゲノムのヌクレオチド分析に基づいて、HIVゲノムRNAは(5′ 末端から開始して) (i)ヌクレオチド310からヌクレオチド1869にまでおよび、且つ、内 部構造コア即ち、最も抗原性のコアタンパク質であるp24を含むヌクレオキャ プシドタンパク質をコードするgag遺伝子、 (ii)ヌクレオチド1,629からヌクレオチド4,673にまでおよび且つ 逆転写酵素をコードするpol遺伝子、及び、 (iii)ヌクレオチド5,781からヌクレオチド8,369にまでおよび、 且つ最も抗原性のエンベロープタンパク質であるgp41を含むエンベロープ糖 タンパク質をコードするenv遺伝子、 をコードする(Ratner他,Nature 313:27 7−284(1985))。 今日の医学界が直面する重要問題の1つは、血液製品(及び、他のヒト体液) 中に発見されており且つ血液の供給を介して伝染することが報告されているHI Vによる血液製品の汚染を防止することである。現時点では、米国特許第4,5 20,113号(Gallo他)に開示されているアッセイを含む幾つかのアッ セイを使用することが可能である。 或いは、HIV抗原又はHIV抗体を検出可能なアッセイが知られている。こ うしたアッセイは、本明細書に参考として組み入れられた上記特許出願に開示さ れている上記抗HIV−1/HIV−2アッセイと、米国特許第4,748,1 10号(D.Paul)と同第4,983,529号(J.Stewart他) と米国特許出願番号07/204,798とに開示されている同アッセイとを含 み、これら全ては共通の所有権を有し、本明細書に参考として組み入れられてい る。しかし、被分析物(analyte)としてのHIV抗原又はHIV抗体を検出する ための連邦政府の承認を得た公知のアッセイは全て、試験試料中のHIV抗原又 はHIV抗体のどちらかを別個に検出することが可能であるにすぎない。同じ1 つの試験試料を使用する 単一のアッセイにおいて被分析物としてのHIV抗原及び/又はHIV抗体の両 方を検出するための、連邦政府の認可を得ている公知の市販入手可能なアッセイ は存在しない。 試験試料中の2つ以上の被分析物を検出することは、一般的に、別々のアッセ イで各被分析物を別々に検出することを含む。こうした検出方法は、試験される べき被分析物の各々に関して厳密に品質保証された検出を可能にするので、好ま しいものとされてきた。 医学の進歩は、様々な疾病と臨床的障害に対応した新たなマーカーの認承と、 こうしたマーカーを臨床試験する必要性とを生じさせている。検査室では、試験 コストを低く抑えながら、ますます増加する量の試験をタイミングよく実施する という難題が生じている。例えば、病原体の存在又は病原体に対する接触のため に、血液銀行の検査室においては、ヒトT白血病ウイルス1型(HTLV−1) 、HIV、及び、C型肝炎ウイルス(HCV)を、献血血液を検査するための病 原体パネルに加えることになったので、血液銀行の試験要件が劇的に増加してい る。 (特に血液銀行において)試験要件の結果として生じる検査 室の作業負荷を減少させるための実現可能な解決策の1つは、複数のアッセイを 組み合わせる方法を見い出すことである。しかし、個々のアッセイの性能標準を 低下させずに複数のアッセイを組み合わせることは困難であり、更に重要なこと であるが、製造と品質管理とに係わる問題の解決が著しく困難である可能性があ る。 試験試料中の2つ以上の被分析物を同時に検出するアッセイは、試験試料中の 2つ以上の被分析物を検出するために要する時間が著しく短縮され、且つ、複数 のアッセイを別個に行う場合に比べてアッセイに必要な作業時間と試薬と装置と が少なくてすむために各アッセイのコストが低下するという利点を有するだろう 。 例えば、米国特許第4,315,907号(Fridlender他)は、標 識試薬の遊離種形態からの標識試薬の結合種形態の分離が生じる不均一特異結合 アッセイ系を開示している。 米国特許第4,378,344号とEP 027008(Zahradnik ら)は、その特許請求するアッセイ方法によって各被分析物の存在が検出される 、レセプタクルとインサートとを備えた、各被分析物の存在を検出するための固 相装 置を開示する。 英国特許第2188418号は、複数の反応穴を備えたアッセイトレーアセン ブリを開示しており、このアセンブリでは、上記反応穴の各々がその頂部表面に 開口を有し、この頂部表面から突起が伸びるようになっており、一方、各々の反 応穴の側壁の内側表面と上記突起の各々の外側表面とが、反応穴の中に入れた試 料の中に存在する2つ以上の特定の物質を検出するために同時にインキュベート されることが可能である。 出願人IDEXX Corporationに与えられた欧州特許出願公開第 0 351 248号は、単一結合対の抗原及び/又は抗体メンバーを検出する ことが可能な、ネコ科動物ウイルス又はHIVを検出するための同時イムノアッ セイを開示している。更に、米国特許第5,039,604号(Papside ro)は、2つの互いに異なった抗原を加えた後にこれらの抗原の両方に反応す る単一の標識抗体を加えることによって、2つのHTLV抗体又はHIV抗体を 同時に検出するイムノアッセイを開示している。これに加えて、米国特許第4, 870,003号(Kortright他)は、不活化抗原の抗原「スパイク」 を使用する、単一結合対の抗原及び /又は抗体の検出のための固相イムノアッセイを開示している。 或いは、2つ以上の固相を使用する1つ以上の被分析物の検出が、共通の所有 権を有し本明細書に参考として組み入れる同時係属中の米国特許出願番号第57 4,821号の主題である。 同時アッセイの開発を成功させるために重要であることが確認されているファ クターは、同時に行われる2つのアッセイにおいて、同一の試験試料容量、同一 のインキュベーション時間、同一のカットオフ計算でなければならないというこ とである。更に、イムノアッセイの感受性と特異性と再現性とを確保するために 、こうした同時アッセイは、このアッセイを使用する製造者と検査室との両方に おいて各々の被分析物に関して別々に品質管理されることが可能であるべきであ る。 従って、2つ以上のHIVサブタイプ被分析物(即ち、HIV−1抗体もしく は抗原、及び/又は、HIV−2抗体もしくは抗原)の存在を同時に検出するこ とが可能であり、且つ、検出対象の個々の被分析物を別々に品質管理することが 可能であるアッセイを提供することが有利だろう。被分析物としてのHIV抗原 及び/又はHIV抗体の存在の同時検出が1つの穴(well)内で行なわれ、 2つ以上の固相を使用する場合に は固相成分の分離が不要であり、及び、この同時アッセイで検出すべき個々の被 分析物に関してアッセイの品質管理を行うことが可能であるという点で、上記ア ッセイは他の公知のアッセイよりも優れているだろう。 更に、HIVウイルスの高度に保存された固有のエピトープを有する合成HI Vペプチド抗原を使用する診断アッセイを提供することも有利だろう。合成HI V抗原は、相対的に容易に且つ低コストで調製可能であり、且つ、更に重要なこ とであるが、この合成HIV抗原を使用する場合に、不純物の存在に起因する、 又は、AIDSに関連性がないウイルス性タンパク質との共有エピトープの存在 に起因する偽陽性の発生可能性が低減するので、こうした合成HIVペプチド抗 原を使用することが有益である。最も重要なことであるが、合成ペプチドHIV 抗原は、新たに出現するHIVサブタイプを検出する際の感度の増大をもたらす だろう。従って、試験試料中のサブタイプO抗体のようなHIV遺伝子型を一貫 して確実に検出するために合成HIVペプチド抗原を使用する市販入手可能なア ッセイを提供することが有利だろう。こうしたアッセイの欠如が、血液試料及び 他の生体試料中のHIVの検出に関する重大な難問題 を世界規模で生じさせているのである。発明の概要 本発明によって、1つ以上のHIV遺伝子型を検出するためのイムノアッセイ が提供され、このイムノアッセイは、1つ以上の固体材料上に固定化した (a)HIV−2 gp36 env、 (b)HIV−1 gp41 env、及び、 (b)HIV−1 p24 gag の組換え抗原(以下では「捕獲試薬」と呼ぶ)と試験試料を接触させ、第1の混 合物を形成する段階を含む。この第1の混合物を、「HIV env抗体/組換 え抗原」複合体と、「HIV gag抗体/組換え抗原」複合体とを形成するの に十分な時間と条件とにおいてインキュベートし、こうして得た複合体を、 (a)シグナル発生化合物で標識した組換えHIV−2 envペプチドの存 在下又は不在下で、シグナル発生化合物で標識した合成抗原性部位特異的環状H IV−2 envペプチドを含む改良した指示薬試薬に接触させ、 (b)シグナル発生化合物で標識した組換えHIV−1 env 抗原の存在下又は不在下で、シグナル発生化合物で標識した合成抗原性部 位特異的環状HIV−1 env抗原を含む改良した指示薬試薬に接触させ、及 び、 (c)シグナル発生化合物で標識した組換えHIV gag抗原を含む改良し た指示薬試薬に接触させ、 第2の混合物を形成する。この第2の混合物を、「HIV抗体/捕獲試薬/指示 薬試薬」複合体を形成するのに十分な時間と条件とにおいてインキュベートする 。試験試料中の1つ以上のHIV遺伝子型に対する抗体(特に、HIV−1 nv 抗体、HIV−2 env抗体、HIVサブタイプ0抗体、及び/又は、H IV gag抗体)の存在を、上記複合体によって発生させられる全シグナルを 検出することによって判定する。 HIV−2のgp36又はHIV−1のgp41の免疫優性領域の免疫反応性 特異性特性を有する合成環状部位特異的HIV envペプチドを少なくとも1 つの指示薬試薬が含む時に、本発明のアッセイの感度が増大することを見い出し た。特に、予想外に且つ驚くべきことに、本発明のアッセイ中にHIV−2 g p36合成ペプチドを含むことが、指示薬試薬中で組換え抗原だけを使用するH IVイムノアッセイに比較してHIV −2偽陽性の頻度を著しく低減させることを見い出した。更に、予想外に且つ驚 くべきことに、本発明のアッセイ中にHIV−1 gp41合成ペプチドを含む ことが、指示薬試薬中で組換え抗原だけを使用するHIVイムノアッセイに比較 して試験試料中のHIVサブタイプOに対するアッセイの感度を増大させること を発見した。 本発明のアッセイを行うための検査キットも提供する。発明の詳細な説明 アッセイ方式 本発明による試験試料中のHIV抗原被分析物並びに/又はHIV−1及びH IV−2抗体被分析物の検出を、上記の通りの様々な試薬の添加を同時に又は逐 次的に行うことが可能な当業界で公知の様々な均一又は不均一アッセイ方式に従 って行うことが可能である。本発明のアッセイはイムノアッセイ方式であること が好ましいが、本発明はイムノアッセイに限定されない。例えば、特異的結合メ ンバーを使用する任意のアッセイを行うことが可能である。本明細書で使用する 術語「特異的結合メンバー」は、特異的結合対のメンバーを意味する。特異的結 合対とは、その一方の分子が化学的手段又は物理的手段によっ て他方の分子に特異的に結合する2つの異なった分子である。従って、一般的な イムノアッセイの特異的結合対である抗原と抗体に加えて、本明細書で使用する 特異的結合対は、ビオチンとアビジン、炭水化物とレクチン、相補的ヌクレオチ ド配列、エフェクター分子とレセプター分子、補因子と酵素、酵素インヒビター と酵素等のような他の特異的結合対を含むことが可能である。更に、上記特異的 結合対は、当初の特異的結合メンバーの類似体であるメンバー、例えば、被分析 物の類似体を含むことが可能である。免疫反応特異的結合メンバーは、抗原、抗 原フラグメント、モノクローナル抗体、モノクローナル抗体フラグメント、ポリ クローナル抗体、ポリクローナル抗体フラグメント、及び、組換えDNA法によ って形成された複合体を含む、前記抗原、抗体、それらのフラグメントの複合体 を含む。 本明細書で使用する用語「被分析物(analyte)」は、試験試料中に存在する可 能性がある検出対象の物質を意味する。被分析物は、その物質に対応する天然の 特異的結合メンバー(例えば、抗体、更に明確に言えばHIV抗体)が存在する 任意の物質、又は、その物質に対応する特異的結合メンバーを調製することが可 能な任意の物質である。従って、被分析物は、アッセ イ中の1つ以上の特異的結合メンバーに結合することが可能な物質である。「被 分析物」はまた、任意の抗原性物質、ハプテン、抗体、及び、これらの組み合わ せを含む。ビタミンB12検出用の捕獲及び/又は指示薬試薬中への固有因子タン パク質の使用、又は、炭水化物検出用の捕獲及び/又は指示薬試薬中へのレクチ ンの使用のように、特異的結合対のメンバーとして天然の特異的結合パートナー (対)を使用して、被分析物を検出することが可能である。被分析物は、タンパ ク質、ペプチド、アミノ酸、ホルモン、ステロイド、ビタミン、治療目的で投与 する薬剤、違法な目的で投与する薬剤、細菌、ウイルス、及び、上記物質のいず れかの代謝産物又は抗体を含む。 試験試料は、全血、即ち、赤血球、白血球(リンパ球、もしくは、リンパ球サ ブセット調製物を含む)、血小板、血清、及び、血漿を含む全血成分、腹水、唾 液、糞便、脳脊髄液、尿、痰、気管吸引液、並びに、検出対象の被分析物を含む 可能性がある又は含むと推測される他の身体成分のような、哺乳動物の生物体液 であることが可能である。更に、試験試料は、培養液上清液、又は、培養細胞懸 濁液であることも可能である。本発明によってHIV抗原又はHIV抗体被分析 物のアッセイが可 能な体液を有する哺乳動物は、ヒト、霊長類、及び、検出対象の被分析物を含む と推測される他の哺乳動物であることが可能である。本発明では、非生物液体試 料を使用可能であることも意図されている。 本発明の方法を、サンドイッチアッセイ方法と競合的アッセイ方法の両方を含 む固相不均一結合アッセイで使用することが有利である。不均一結合アッセイ方 法は、結合反応メンバーが結合する固相材料を使用する。試験試料中の被分析物 の存在又は量を示す標識を検出する前に、反応混合物から固相を取り除くことに よって、固定化した反応成分を過剰分の試料とアッセイ試薬とから分離する。 固相サンドイッチアッセイでは、下記定義の通りの捕獲試薬は、典型的には、 固相材料にすでに結合している捕獲結合メンバーを含む。例えば、特異的結合メ ンバーは、試験試料中の抗原被分析物に結合可能な固定化抗体であることが可能 であり、又は、この特異的結合メンバーは、試験試料中の抗体被分析物に結合可 能な固定化抗原であることが可能である。捕獲試薬を、検査対象の被分析物を含 むと推測される試験試料に接触させ、更に、標識した第2の特異的結合メンバー (例えば、標識した 抗被分析物抗体又は標識した抗原)を含む指示薬試薬に接触させる。これらの試 薬を同時に混合するか、単独で又は組み合わせて逐次的に加える。結合反応によ って、捕獲試薬/被分析物/指示薬試薬複合体が得られる。このアッセイは、得 られた複合体を過剰分の試薬と試験試料とから分離する段階も含む。固相材料上 に保持された複合体を、指示薬試薬に関して固相を調べることによって検出する 。被分析物が試料中に存在する場合には、標識が固相材料上に存在するだろう。 固相に結合する標識の量は、試料中の被分析物の量に正比例する。 本発明のアッセイは、正手順(forward)アッセイ法、逆手順(reverse)アッセイ 法,及び、同時アッセイ法を含むサンドイッチアッセイ方式のいずれかを使用し て行うことが可能である。典型的には、正手順アッセイは、試験試料を捕獲試薬 に接触させ、その後で一定の時間インキュベートしてから指示薬試薬を加えるこ とを含む。逆手順アッセイは、試験試料に指示薬試薬を加え、その後で一定の時 間インキュベートした後に捕獲試薬を加えることを含む。同時アッセイは、捕獲 試薬と指示薬試薬の両方を同時に試験試料に接触させながら行う単一のインキュ ベーション段階を含む。 本発明の抗原を使用して競合的アッセイを行うことも可能である。固相競合的 アッセイでも、典型的には、捕獲試薬が、再び固相材料に固定化された捕獲結合 メンバーを含み、この捕獲結合メンバーは試験試料と指示薬試料の両方に接触さ せられる。しかし、指示薬試薬を、標識と組み合わせた被分析物又はその類似体 から形成することが可能である。結合反応が生じ、(1)「固定化捕獲試薬/被 分析物」複合体および(2)「固定化捕獲試薬/指示薬試薬」複合体の複合体形 成が起こる。或いは、固定化させる特異的結合メンバーが、指示薬試薬に対する 結合において試験試料被分析物が競合する、被分析物又はその類似体であること も可能である。競合的アッセイでは、固相に結合する標識の量は試料中の被分析 物の量と逆の関係にある。従って、陽性の試験試料はシグナルの低減を生じさせ るだろう。 これらの結合アッセイでは、試験試料中の被分析物の存在又は量は、一般的に 、固相に結合した標識の存在又は量を検出することによって決定されるが、遊離 した又は非結合の指示薬試薬が検出される可能性もある。競合的アッセイでは、 試験試料中に含まれる被分析物の量が多ければ多いほど、固相上に存在する標識 の量が少ない。サンドイッチアッセイでは、試料中に 存在する被分析物の量が多ければ多いほど、固相上に存在する標識の量が多い。指示薬試薬 本発明の指示薬試薬は、シグナル発生化合物(標識)に結合した各被分析物の 特異的結合メンバーを含む。各々の指示薬試薬は、試験試料中の被分析物の量に 対応したレベルで検出可能シグナルを生じさせる。好ましい実施様態では、各々 の指示薬試薬は、異なった被分析物の特異的結合メンバーを含むと同時に、検出 可能なシグナルを発生させることが可能なシグナル発生化合物に結合している。 一般的には、捕獲試薬で指示薬試薬を捕獲した後に、その指示薬試薬を検出又は 測定する。本発明では、指示薬試薬によって発生させられる全シグナルが、試験 試料中の1つ以上の被分析物の存在を示す。本発明の実施においては、様々なシ グナル発生化合物を使用することが可能であることを意図している。従って、例 えば、指示薬試薬の各々ごとに別々の蛍光化合物をシグナル発生化合物として使 用することが可能であり、異なった波長で計測することによって検出を行うこと が可能である。或いは、異なった被分析物に関して各々に異なった時間にシグナ ルを発生させるために、アクリジニ ウム又はフェナントリンジウム化合物のような短寿命化学発光化合物と、ジオキ セタンのような長寿命化学発光化合物とを使用することが可能である。互いに異 なった時間にシグナルを発生させることが可能な2つ以上の化学発光化合物を使 用する方法が、共通の所有権を有し且つ本明細書に参考として組み入れる同時係 属中の特許出願である米国出願番号636,038の主題である。アクリジニウ ム及びフェナントリジニウム化合物については、共通の所有権を有し且つ本明細 書に参考として組み入れる1989年6月23日付けで出願された同時係属中の 特許出願である米国出願番号第07/271,763号に記載されている。 特異的結合対の抗原又は抗体メンバーであることに加えて、指示薬試薬の特異 的結合メンバーは、ビオチン又はアビジン、炭水化物又はレクチン、相補的ヌク レオチド配列、エフェクター分子又はレセプター分子、酵素補因子又は酵素、酵 素インヒビター又は酵素等を含むいずれかの特異的結合対のメンバーであること が可能である。免疫反応特異的結合メンバーは、サンドイッチアッセイの場合に は被分析物に結合し、競合的アッセイの場合には捕獲試薬に結合し、間接アッセ イの場合には補助 的特異的結合メンバーに結合することが可能な、抗体、抗原、又は、抗体/抗原 複合体であることが可能である。抗体を使用する場合には、抗体はモノクローナ ル抗体、ポリクローナル抗体、抗体フラグメント、組換え抗体、これらの混合物 、又は、抗体と他の特異的結合メンバーとの混合物であることが可能である。こ うした抗体の調製と特異的結合メンバーとしてのこうした抗体の適合性とに関す る詳細は、当業者には公知である。 実施様態の1つでは、指示薬試薬のHIV抗原は、HIV−1のコアタンパク 質とenvタンパク質及び/又はHIV−2のenv領域の免疫優性領域に結合 することが可能な、合成又は組換えによって生産される抗原である。好ましい実 施様態では、HIV−2指示薬試薬中で使用する抗原は、HIV−2のgp36 の免疫優性領域に対応する合成環状ペプチドであり、HIV−2から誘導される 抗体に対して免疫反応する能力を有することとを特徴とする。この合成ペプチド は、長さが約10アミノ酸から約50アミノ酸であり、2つのシステインがその ジスルフィド環状形態に酸化されているアミノ酸残基配列−Cys−Ala−P he−Arg−Gln−Val−Cys(−CAFRQVC−)を含む。好まし い合成ペプチドは、非 限定的に を含む。 別の好ましい実施様態では、HIV−1指示薬試薬で使用する抗原は、gp4 1の免疫優性領域に対応する合成環状ペプチドであり、HIV−1及び他のHI Vサブタイプによって誘導される抗体に対して免疫反応する能力を有することを 特徴とする。この合成ペプチドは、長さが約10アミノ酸から約50アミノ酸で あり、2つのシステイン残基がそのジスルフィド環状形態に酸化されているアミ ノ酸残基配列−Cys−Ser−Gly−Lys−Leu−Ile−Cys−( −CSGKLIC−)を含む。好ましいHIV−1合成ペプチドは、非限定的に を含み、 前式中で、 はArg−Ile−Leu−Ala−Val−Glu−Arg−Tyr−L eu−Lys−Asp又はArg−Ile−Leu−Ala−Val−Glu− Arg−Tyr−Leu−Gln−Asnであり、 はGly又はSerであり、 はIle又はLeuであり、 はser又はLysであり、 はIle又はValであり、 はThr又はTyrである。 最も好ましいHIV−1ペプチドは、非限定的に、 を含む。 そのペプチドが配列CAFRQVC又は配列CSGKLIC又はその酸化形態 の同族体を含み、且つ、HIV遺伝子型によって誘導される抗体と結合すること が可能である限り、本発明のペプチドは、上記の特定のアミノ酸配列と同一であ る必要はないということを理解されたい。更に、本発明の合成ペプチド を様々に変化させることが可能であり、例えば、挿入、欠失、及び、ある特定の アミノ酸を同類又は非同類の別のアミノ酸で置換することが可能である。 本発明のペプチドを様々な公知の方法で調製することが可能である。B.Er ickson他,Solid−phase peptide synthesi s,The Proteins,Vol.II,3rd ed.Academi c Press,New York(1976)及びE.Atherton他,Solid Phase Peptide Synthesis:A Prac tical Approach ,IRL Press,Oxford(1989 )に記載されている方法のような従来の固相合成を使用することが最も好ましい 。しかし、他の周知のペプチド合成方法を使用することも可能である。樹脂担体 は、ペプチドの固相調製ために当業界で従来から使用されている適切な樹脂のい ずれであってもよく、p−メチルベンジルオキシアルコールポリスチレン樹脂及 びp−メチルベンジルアミン(p-methylbenzydrlamine)樹脂であることが好まし い。第1の保護アミノ酸を樹脂担体に結合させた後に、固相ペプチド合成技術で 従来から使用される標準的方法に よってアミノ保護基を取り除く。アミノ保護基の除去の後に、残っているアミノ 保護アミノ酸と(必要に応じて)側鎖保護アミノ酸を、生成物を得るための所期 の順序で逐次的に結合させる。必要に応じて、ジスルフィド結合形成を促進する 酸化環境の中に粗ペプチドを希釈することによって、2つのシステインの間の環 化を生じさせる。その後で、環化ペプチドを精製し、貯蔵のために凍結乾燥する 。 ペプチド合成の分野で公知の方法によって保護又は非保護SH基を直接的に酸 化してジスルフィド結合に変換することによって、本発明の環状ペプチド(ペプ チドI−XIII)を調製する。好ましい方法は、遊離SH基をフェリシアン化 カリウムにより直接酸化することを含む。こうした環状ペプチドは、HIV抗体 に結合し易い、より堅固なコンホメーションを有すると考えられている。 従来技術に従って適切な結合剤を選択する。例えば、適切な結合剤試薬は、単 独の、又は、好ましくは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下での、N, N′−ジイソプロピルカルボジイミド又はN,N′−ジクロロヘキシルカルボジ イミド(DCC)である。別の有用な結合手順は、予め形成した保護 アミノ酸の対称無水物を使用する。 指示薬試薬の標識は、外部手段によって検出可能な測定可能シグナルを発生さ せることが可能である。本発明に使用することを意図した標識は、非限定的に、 色原体、酵素のような触媒(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリ性 ホスファターゼ、B−ガラクトシダーゼ)、発光化合物(例えば、フルオレセイ ン、ローダミン)、化学発光化合物(例えば、アクリジニウム化合物、フェナン トリジニウム化合物、及び、ジオキセタン化合物)、放射性元素、及び、直接的 に目視可能な標識を含む。具体的な標識の選択はあまり重要ではないが、標識は 、その標識単独で、又は、1つ以上の追加の物質と組み合わせて、シグナルを発 生させることが可能でなければならないだろう。標識又は特異的結合メンバーを 変えることによって様々な指示薬試薬を得ることが可能である。 Nakane,P.,他,J.Histochem Cytochem.22 :1084−1091(1974)によって説明されている通りの従来のシッフ 塩基化学によって、本発明のペプチドI−XIIIを西洋ワサビペルオキシダー ゼ(HRPO)で標識することが好ましい。炭水化物残基をメタ過ヨウ 素酸ナトリウムで酸化することによって、HRPO上のアルデヒド基を生じさせ ることが好ましい。こうした反応性アルデヒド基をペプチド上のアミノ基(好ま しくはリシンのアミノ末端又はε−アミノ基)と相互作用させる。その後で、こ うして得たシッフ塩基をその後で水素化ホウ素ナトリウムによる還元によって安 定化し、その結果得た複合体を使用時まで貯蔵する。捕獲試薬 本発明の捕獲試薬は、少なくとも1つの固相に付着させた非標識の試験対象被 分析物の各々に対応する特異的結合メンバーを含む。サンドイッチアッセイの場 合には捕獲試薬が被分析物に対して特異的であるが、競合的アッセイの場合には 捕獲試薬が指示薬試薬又は被分析物に対して特異的であることが可能であり、間 接アッセイの場合には、被分析物に対してそれ自体が特異的である補助特異的結 合メンバーに対して捕獲試薬が特異的であることが可能である。試験試料から固 定化複合体を分離することを可能にするように、アッセイを行う前に又はアッセ イを行っている最中に捕獲試薬を直接的又は間接的に固相材料に結合させること が可能である。例えば、吸収又は共有結合によって固相上を特異的結合メンバー で被覆することによって、 捕獲試薬を固相上に付着させることが可能である。被覆方法と他の公知の付着手 段は当業者に公知である。 上記捕獲試薬の特異的結合メンバーは、別の分子と特異的に結合することが可 能ないずれかの分子であることが可能である。捕獲試薬の特異的結合メンバーは 、抗体、抗原、又は、抗体/抗原複合体のような免疫反応化合物であることが可 能である。抗体を使用する場合には、抗体がモノクローナル抗体、ポリクローナ ル抗体、抗体フラグメント、組換え抗体、これらの混合物、又は、抗体と他の特 異的結合メンバーとの混合物であることが可能である。 「固相」はそれほど重大ではなく、当業者によって選択されることが可能であ る。例えば、ラテックス粒子、微小粒子、磁性又は非磁性ビーズ及び微小粒子、 膜、プラスチック製チューブ、反応トレイ穴(well)の壁、ガラス又はシリコン 製チップ、及び、タンニン酸処理ヒツジ赤血球細胞は、全て適切な例である。固 相上に捕獲試薬を固定化するための適切な方法は、イオン性相互作用、疎水性相 互作用、共有相互作用等を含む。本発明の実施様態の1つでは、60穴ポリスチ レン反応トレイと1/4インチポリスチレンビーズを使用し、一方、別の実施様 態では、96穴反応トレイが唯一の使用固相である。シグナル定量化の際に全て の固相が存在し、従ってシグナルの検出のために固相を分離することが不要であ ることを意図している。 本明細書で使用する用語「固相」は、不溶性であるか又は後続の反応によって 不溶性にされることが可能ないずれかの材料を意味する。捕獲試薬を引きつけて 固定化する固有の能力を有する固相を選択することが可能である。或いは、捕獲 試薬を引きつけて固定化する能力を有する追加のレセプターを固相が含むことが 可能である。この追加のレセプターは、捕獲試薬自体とは逆に帯電した荷電物質 、又は、捕獲試薬に結合した荷電物質とは逆に帯電した荷電物質を含むことが可 能である。更に別の代案としては、レセプター分子は、特異的結合反応によって 捕獲試薬を固定化する能力を有する、固相上に(付着させ)固定化させたいずれ かの特異的結合メンバーであるこどが可能である。レセプター分子は、アッセイ を行う前に又はアッセイを行っている最中に捕獲試薬を固相材料に間接的に結合 させることが可能である。従って、固相は、プラスチック、誘導体化(derivatiz ed)プラスチック、磁性又は非磁性金属、試験管のガラス又はシリコン表面、マ イクロタイター穴、シート、ビー ズ、微小粒子、チップ、及び、当業者に公知の他の構成であることが可能である 。 検出抗体によるアクセスを可能にするのに十分な多孔度と抗原の結合に適した 表面アフィニティーとを有する任意の適切な多孔性材料を上記固相が含むことも 意図され、本発明の範囲内に含まれる。微小細孔構造が一般的に好ましいが、水 和状態のゲル構造を有する材料も使用可能である。こうした有効な担体は、非限 定的に、天然高分子炭水化物とその合成改変誘導体、架橋誘導体、又は、置換誘 導体(例えば、アガー、アガロース、架橋アルギン酸、置換及び架橋グアーガム 、(特に硝酸及びカルボン酸との)セルロースエステル、混合セルロースエステ ル、及び、セルロースエーテル)、窒素を含む天然ポリマー(例えば、架橋又は 改変ゼラチンを含むタンパク質及び誘導体)、天然炭化水素ポリマー(例えば、 ラテックス及びゴム)、適切な多孔性構造を有するように調製することが可能な 合成ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩 化ビニル、ポリ酢酸ビニル、及び、その部分加水分解誘導体を含むビニルポリマ ー、ポリアクリルアミド、ポリメタクリレート、ポリエステル及びポリアミドの ような上記重縮合物の コポリマー及びターポリマー、及び、ポリウレタン又はポリエポキシドのような 他のポリマー)、多孔性無機材料(例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、及 び、炭酸カルシウムを含むアルカリ土類金属及びマグネシウムの硫酸塩又は炭酸 塩、及び、アルカリ金属又はアルカリ土類金属(アルミニウム及びマグネシウム )のケイ酸塩)、酸化アルミニウムもしくは酸化ケイ素又は水和アルミニウムも しくは水和ケイ素(例えば、クレー、アルミナ、タルク、カオリン、ゼオライト 、シリカゲル、又は、ガラス)(これらの材料は上記ポリマー材料と共にフィル ターとして使用されることが可能である)、並びに、上記種類の混合物又はコポ リマー(例えば、予め存在する天然ポリマーに対する合成ポリマーの重合を開始 させることによって得られるグラフトコポリマー)を含む。これらの材料全てを 、適切な形態(例えば、フィルム、シート、もしくは、プレート)で使用するこ とが可能であり、又は、こうした材料を適切な不活性担体(例えば、紙、ガラス 、プラスチックフィルム、もしくは、織物)の上に被覆、接着、もしくは、積層 することが可能である。 ニトロセルロースの多孔性構造は、モノクローナル抗体を含む広範囲の様々の 試薬に対する優れた吸収及び吸着特性を有す る。ナイロンも同様の特性を有し、使用に適している。 本明細書で前記のこうした多孔性固体担体は、厚さ約0.01mmから約0. 5mm、好ましくは厚さ0.1mmのシートの形態であることが好ましいと考え られる。細孔径は広範囲に亙って様々であってよいが、約0.025ミクロンか ら約15ミクロンであることが好ましく、特に0.15ミクロンから約15ミク ロンであることが特に好ましい。こうした担体の表面を化学的プロセスによって 活性化することが可能であり、これは抗原又は抗体が担体に共有結合することを 生じさせる。しかし、一般的には、僅かしか解明されていない疎水力によって多 孔性材料上に吸着させることによって、抗原又は抗体の不可逆的結合を得る。 流動アッセイ装置のための好ましい固相材料は、多孔性ガラス繊維材料又は他 の繊維マトリックス材料のようなフィルターペーパーを含む。こうした材料の厚 さはあまり重要な問題ではなく、アッセイを行う試料又は被分析物の特性(例え ば、試験試料の流動性)に主に基づいて選択することが可能である。 固相の固有電荷の変化又は強化のために、荷電物質で固相担体材料を直接被覆 するか、又は、荷電物質で微小粒子上を直接 被覆し、この微小粒子を固相担体材料によって保持することが可能である。或い は、カラム内に微小粒子を保持することによって、もしくは、可溶性試薬と試験 試料との混合物中に微小粒子を懸濁させることによって、微小粒子を固相として 使用することが可能であり、又は、微小粒子自体が固相担体材料によって保持さ れ固定化されることが可能である。用語「保持され固定化される」は、担体材料 内又は担体材料上の粒子が担体材料内の他の位置に実質的に移動することが不可 能であることを意味する。適切なタイプの粒子材料のいずれかから当業者が上記 粒子を選択することが可能であり、この粒子は、ポリスチレン、ポリアクリル酸 メチル、ポリプロピレン、ラテックス、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアク リロニトリル、ポリカーボネート等から構成される粒子を含む。粒径はあまり重 要な問題ではないが、平均粒径が使用担体材料の平均細孔径よりも小さいことが 好ましい。従って、様々な他の固相を使用する実施様態が意図され、こうした実 施様態も本発明の範囲内に含む。例えば、共通の所有権を有し且つ本明細書に参 考として組み入れる同時係属中の米国特許出願第150,278号(EP公開第 0326100号)及び米国特許出願第375,029号(E P公開第0406473号)に説明されている、負荷電ポリマーによって固定化 可能反応複合体を固定化するためのイオン捕獲手順を、高速の溶液相免疫化学反 応を生じさせるために、本発明で使用することが可能である。負帯電のポリアニ オン/免疫複合体と前処理した正帯電多孔性マトリックスとの間のイオン相互作 用によって、固定化可能な免疫複合体を反応混合物の他の部分から分離させ、こ の免疫複合体を、共通の所有権を有し且つ本明細書に参考として組み入れる同時 係属中の米国特許出願第921,979号(EPO公開第0 273,115号 )に説明されている通りの化学発光シグナル測定で説明されているシグナル発生 系を含む、既に説明されている様々なシグナル発生系を使用することによって検 出する。 固相が微小粒子を含む自動化又は半自動化システムを含む微小粒子技術を使用 するシステムで使用できるように、本発明の方法を適合化させることも可能であ る。こうしたシステムは、共通の所有権を有し且つ本明細書に参考として組み入 れる係属中の米国特許出願第425,651号(EPO出願公開第EP 0 4 25 633号)と米国特許第5,089,424号(EPO出願公開第EP 0 424 634号)と米国特許 第5,006,309号に説明されているシステムを含む。このシステムは、共 通の所有権を有し且つ本明細書に参考として組み入れる1992年3月27日付 けで出願した米国特許出願第07/859,218号も含む。 本発明の実施様態の1つを実際に行う場合には、検出対象のHIV抗原被分析 物又はHIV抗体被分析物のいずれかを含むと推測される試験試料を、第1の被 分析物の第1の特異的結合メンバーを付着させた固相と、第2の被分析物の第1 の特異的結合メンバーを付着させた固相とに同時に接触させ、それによって混合 物を形成する。これらの特異的結合メンバーは、被分析物を固相に結合させる捕 獲試薬の役割を果たす。特異的結合メンバーが免疫反応体である場合には、その 特異的結合メンバーは、検出対象である被分析物の各々に対して特異的である抗 体、抗原、又は、これらの複合体であることが可能である。特異的結合メンバー が抗体である場合には、その特異的結合メンバーは、モノクローナル抗体、ポリ クローナル抗体、抗体フラグメント、組換え抗体、及び、これらの混合物、又は 、抗体と他の特異的結合メンバーの混合物であることが可能である。この混合物 を、結合反応が生じるのに十分な時間と条件において インキュベートし、このインキュベーションの結果として、第1の被分析物が試 験試料中に存在する場合には第1の被分析物の「捕獲試薬/第1の被分析物」複 合体が生じ、第2の被分析物が試験試料中に存在する場合には第2の被分析物の 「捕獲試薬/第2の被分析物」複合体が生じる。 その後で、各被分析物用の指示薬試薬を上記複合体と接触させる。第1の被分 析物のための指示薬試薬は、シグナル発生化合物で標識した、検出対象である第 1の被分析物の特異的結合メンバーを含む。第2の被分析物のための指示薬試薬 は、第1の被分析物のための指示薬試薬の場合と同じシグナル発生化合物で標識 した、検出対象である第2の被分析物の特異的結合メンバーを含み、それによっ て第2の混合物が生じる。この第2の混合物を、「捕獲試薬/第1の被分析物/ 指示薬試薬」複合体、及び/又は、「捕獲試薬/第2の被分析物/指示薬試薬」 複合体を生じさせるに十分な時間と条件においてインキュベートする。上記被分 析物のいずれかの存在を、試験試料中の1つ以上の被分析物の存在の表示として 、固相上に形成された複合体に関連して発生するシグナルを検出することによっ て判定する。指示薬がシグナル発生化合物(標識)として酵素を使用す る場合には、シグナルを視覚によって検出することも分光測定によって決定する ことも可能である。或いは、シグナル発生に使用する標識に応じて、蛍光、化学 発光、放射性エネルギー放出等の測定によって、標識を検出することが可能であ る。 捕獲試薬を同一の固相に付着させることも、異なった固相に付着させることも 可能である。全ての捕獲試薬を同じ1つの固相に付着させることも、各々の捕獲 試薬を別々の固相に付着させることも、又は、捕獲試薬の組み合わせを別々の固 相に付着させることも可能であることを意図している。例えば、微小粒子を固相 として選択する場合には、別々の微小粒子が、それに付着した少なくとも1つの 捕獲試薬を含むことが可能である。微小粒子(固相)の混合物を、微小粒子の混 合物を使用して試験試料中に存在する可能性がある様々な被分析物を捕獲するた めに使用することが可能である。こうしたアッセイでは、被分析物の検出を最適 化するために、固相に付着させた複数の捕獲試薬を様々な割合で使用することが 可能であることを意図している。 上記の実施様態では、HIV−1抗体被分析物用の捕獲試薬として使用する特 異的結合メンバーがHIV−1 gp41抗 原であることと、HIV−1抗原被分析物用の捕獲試薬として使用する特異的結 合メンバーが抗HIV−1 gp24抗体であることとが好ましい。捕獲試薬と して使用するHIV−1 gp41が組換えで調製した抗原(タンパク質)であ ることが最も好ましい。或いは、抗体被分析物指示薬試薬のための特異的結合メ ンバーが、酵素で標識したHIV−1 gp41組換えタンパク質又は上記合成 ペプチドであることと、抗原被分析物指示薬試薬のための特異的結合メンバーが 、酵素で標識した抗HIV p24抗体であることも好ましい。このHIV−1 p41抗原が合成によって生産され、標識酵素が西洋ワサビペルオキシダーゼ (HRPO)であることが最も好ましい。HRPOに結合した上記合成ペプチド XIIIが好ましい指示薬試薬である。 本発明の別の実施様態では、検出対象である第1の被分析物又は第2の被分析 物を含むと推測される試験試料を、第1の被分析物の第1の特異的結合メンバー と第2の被分析物の第1の特異的結合メンバーとを付着させた第1の固相と、シ グナル発生化合物で標識した第1の被分析物に対応する特異的結合メンバーを含 む第1の被分析物用の指示薬試薬と、シグナル発生化 合物で標識した第2の被分析物に対応する特異的結合メンバーを含む第2の被分 析物用の指示薬試薬とに同時に接触させ、それによって混合物を生じさせる。特 異的結合メンバーは、固相に被分析物を結合させる捕獲試薬の役割を果たす。特 異的結合メンバーが免疫反応体である場合には、その特異的結合メンバーは、検 出対象である各々の被分析物に特異的な抗体、抗原、又は、これらの複合体であ ることが可能である。特異的結合メンバーが抗体である場合には、その特異的結 合メンバーは、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体フラグメント、 組換え抗体、及び、これらの混合物、又は、抗体と他の特異的結合メンバーの混 合物であることが可能である。指示薬試薬は、シグナル発生化合物で標識した、 検出対象である第1の被分析物と第2の被分析物の特異的結合メンバーを含む。 この混合物を、結合反応が生じるのに十分な時間と条件においてインキュベート し、このインキュベーションの結果として、第1の被分析物又は第2の被分析物 の一方又は両方が試験試料中に存在する場合に、第1の被分析物の「捕獲試薬/ 第1の被分析物/指示薬試薬」複合体、及び/又は、第2の被分析物の「捕獲試 薬/第2の被分析物/指示薬試薬」複合体の複合体が生じる。固 相の一方又は両方の上に形成された複合体に関連して発生するシグナルを試験試 料中の第1の被分析物及び/又は第2の被分析物の存在の表示として検出するこ とによって、第1の被分析物又は第2の被分析物の存在を決定する。指示薬がシ グナル発生化合物(標識)として酵素を使用する場合には、シグナルを視覚によ って検出することも分光測定によって測定することも可能である。或いは、シグ ナル発生に使用する標識に応じて、蛍光、化学発光、放射性エネルギー放出等の 測定によって、標識を検出することが可能である。指示薬試薬がハプテン(例え ば、ビオチン)を更に含むことが可能である場合には、このアッセイがハプテン −抗ハプテン系の使用を含むことが可能であることを意図している。ビオチン/ 抗ビオチン系をアッセイに使用することは、共通の所有権を有し且つ本明細書に 参考として組み入れる同時係属中の米国特許出願第687,785号(欧州特許 出願公開第0160900号(1985年11月13日付けで公開)に対応する )の主題である。 上記の実施様態では、HIV−1抗体被分析物用の捕獲試薬として使用する特 異的結合メンバーがHIV−1 gp41抗原であることと、HIV−1抗原被 分析物用の捕獲試薬として 使用する特異的結合メンバーが抗HIV−1 p24抗体であることとが好まし い。捕獲試薬として使用するHIV−1 gp41が組換えで調製した抗原(タ ンパク質)であることが最も好ましい。或いは、抗体被分析物指示薬試薬のため の特異的結合メンバーが、酵素で標識したHIV−1 gp41抗原であること も好ましい。このHIV−1 p41抗原を合成又は組換えによって生産し、標 識酵素が西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)であることが最も好ましい。 このHIV−1 gp41抗原を合成によって生産することが最も好ましい。好 ましい固相は、磁性又は非磁性ビーズ、反応トレイの穴、微小粒子を含み、これ らを単独又は組み合わせて使用する。 信頼性の高い試験結果を得るために、陰性の対照と陽性の対照を本発明のアッ セイに含むことが可能である。捕獲試薬を付着させないブランクの固相を、陰性 の試薬対照として使用することが可能である。陽性の対照は、各々の被分析物毎 に別々に試験される陽性の対照と、アッセイにおいて検出されるべき全ての被分 析物の存在が判定される、陽性の対照の組み合わせとを含むことが可能である。 上記のように、組換えによって調製した抗原を固相上の捕獲試薬として使用す ることと、酵素と結合した合成HIVペプチドをアッセイの指示薬試薬として使 用することとが好ましい。しかし、本発明では、上記の通りの組換えタンパク質 試薬と合成ペプチド試薬との組み合わせだけに限定せず、他の組み合わせも想定 しているということを理解されたい。例えば、捕獲試薬タンパク質の1つ以上又 は全てを合成によって調製することが可能であり、標識試薬のタンパク質を合成 によって調製することが可能である。酵素で標識した組換えHIV−1及びHI V−2を、指示薬試薬として合成ペプチドと組み合わせて使用することが可能で ある。更に、本発明の標識HIV−2合成ペプチド試薬を使用する場合には、ウ イルスライゼート又は特定の被分析物の単離物を使用することが可能である。 HIV gp41の発現又はHIV gp41の一部分の発現が、診断アッセ イにおける組換えDNA(rDNA)由来HIVエンベロープ配列の有用性を実 証する。Wood他,Cold Spring Harbor Symposi um on RNA Tumor Viruses ,Cold Spring Harbor,New York,May 22−26(1985);Chang他,Biotechnology 3:9 05−909(1985);Crowl他,Cell 41:979−986( 1985);Cabradilla他,Biotechnology 3:12 8−133(1986)。E.coli又は他の生物中で発現させたウイルス性 タンパク質は診断アッセイにおける有用性の可能性を有することは一般に知られ ているが、こうした試薬を使用するイムノアッセイは、細胞培養から得た野生種 のウイルス性タンパク質と同等であるか又はそれより高い特異性と感受性を有す る可能性があるが、こうしたイムノアッセイの開発は現在まで困難なままである 。更に、E.coli中でのHIV gagタンパク質の発現は、rDNA技術 によって生産するHIV gagタンパク質が診断アッセイの試薬である可能性 があることを示している。Wood他,Cold Spring Harbor Symposium on RNA Tumor Viruses ,Cold Spring Harbor,New York,May 22−26(19 85);Dowbenko他,PNAS USA 82:7748−7752( 1985);Ghrayeb他,DNA 5:9309 9(1986);Steimer他,Virology 150:283−29 0(1986)。 本発明は、アッセイ試薬として組換え生産HIVエンベロープタンパク質を使 用する。HIVゲノムのクローニング、HIVエンベロープ及びコアタンパク質 のE.coli中での発現、gp41とp24の精製と特性化、及び、これらの 組換えタンパク質を使用する様々なアッセイ方式は、本明細書に参考として組み 入れる1987年2月27日付けで出願した米国特許出願第07/020,28 2号に記載されており、優先権が主張されている。簡略的に述べれば、HIV感 染HT−9細胞を収集し、全細胞DNAを単離し消化する。コアタンパク質をコ ードするDNAセグメントとエンベーロープ糖タンパク質をコードするDNAセ グメントを、公知の組換え技術を使用してバクテリア発現ベクター中に更にサブ クローニングした。米国特許出願第07/020,282号も、HIV−1抗体 の検出において捕獲試薬及び指示薬試薬として組換え抗原を使用することによっ て、様々な免疫グロブリン種の抗HIV抗体の検出が可能になるということを開 示している。こうした免疫グロブリン種は、IgG、IgA、IgE、及び、I gMを含む。Ab bott HIVABTMHIV−1/HIV−2(rDNA)EIAアッセイを 使用する抗HIV−1 IgG、IgM、及び、IgAの検出が、J.L.Ga llarda他によるアブストラクト(5th Annual Forum o n AIDS,Hepatitis and Other Blood−Bor ne Diseases ,Atlanta,Georgia,1992年3月2 9日−4月1日)に説明されている。 異種ソース中で生産される組換え抗原又は合成HIVペプチドを上記アッセイ に使用することが可能であり、それによって偽陽性結果の更に著しい低減をもた らすことが可能であることを意図し、本発明の範囲内に含む。例えば、E.co li で調製した組換え抗原(例えばgp41)を捕獲試薬として使用し、E.c oli とは異なる任意の適切なソース(例えば、適切な酵母宿主又はB.meg aterium のような他の適切宿主)中で生産した組換え抗原gp41を使用 することが可能である。組換え抗原を含む、アッセイにおける抗原の異種ソース の使用は、共通の所有権を有し且つ本明細書に参考として組み入れる同時係属中 の米国特許出願第07/701,626号の主題である。 更に、本発明では、組換えによって生産する抗原を使用することが好ましいが 、組換え生産抗原の代わりに合成タンパク質を使用することが本発明の範囲内に 含まれる。例えば、上記の通りの合成によって調製した様々な長さのHIVペプ チドを使用することが可能である。 本発明はまた、HIV抗原被分析物に特異的に結合する抗体も使用する。好ま しい実施様態では、抗HIVp24抗体を使用する。最も好ましい実施様態の1 つでは、HIVp24に対して両方が特異的であるモノクローナル抗体の混合物 を使用する。この混合物では、ヒト抗HIV−1 p24 IgGがそのエピト ープに対して競合的に結合しないHIV−1 p24上のエピトープに特異的に 結合する一方のモノクローナル抗体を、ヒト抗HIV−1 p24 IgGがそ の異なったエピトープに対して競合的に結合するHIV−1 p24の異なった エピトープに特異的に結合する別のモノクローナル抗体と共に使用する。更に、 ヒト抗HIV−1 p24 IgGに競合的に結合しないモノクローナル抗体も 、HIV−2 p24抗原に特異的に結合する。これらのモノクローナル抗体と 、HIV抗原アッセイにおけるこれらのモノクローナル抗体の使用 は、共通の所有権を有し且つ本明細書に参考として組み入れる同時係属中の米国 特許出願第07/204,798号の主題である。これらのモノクローナル抗体 は31−42−19と31−90−25と呼ばれる。モノクローナル抗体31− 42−19を生産するハイブリドーマ細胞系31−42−19は、1988年5 月26日付けでAmerican Type Culture Collect ion,12301 Parklawn Drive,Rockville,M aryland,20852に寄託され、ATCC 受託番号HB 9726を 与えられている。モノクローナル抗体31−90−25を生産するハイブリドー マ細胞系31−90−25は、1988年5月26日付けでAmerican Type Culture Collection,12301 Parkla wn Drive,Rockville,Maryland,20852に寄託 され、ATCC受託番号HB 9725を与えられている。これらのモノクロー ナル抗体をHIV抗原アッセイにおいて抗体フラグメントとして使用することも 、共通の所有権を有し且つ本明細書に参考として組み入れる米国特許第7,20 4,798号に説明されている。 本発明のアッセイを使用してHIV−2抗原の検出が可能であることを意図し 、本発明の範囲内に含む。このアッセイ方式では、上記のHIV−1 p41抗 原捕獲試薬及びHIV−1抗体捕獲試薬に加えて、HIV−2 p41を、HI V−2抗原捕獲試薬として固体担体上に付着させる。この固体担体は、他の全て の捕獲試薬を付着させる担体と同じ固体担体であってもよく、HIV−1組換え 抗原を付着させる担体と同じ固体担体であってもよく、又は、(HIV−2 p 41以外の)他の捕獲試薬を付着させていない固相に結合させてもよい。このア ッセイの手順は、本発明の様々な実施様態に関して上記で説明した手順と同一で あってよい。HIV−2抗体被分析物指示薬試薬は、検出可能な標識に結合させ た組換え及び/又は合成調製HIV−2 gp36抗体を含むだろう。実施様態 の1つでは、組換え調製HIV−2 p41を使用する。HIV−2ウイルスの 配列(p41抗原を含む)が、本明細書に参考として組み入れる1989年12 月20日付けで公開されたEP第0 347,365号(Diagen Cor p)に記載されている。最も好ましいHIV−2組換え抗原は、HIV−2 p 41抗原の最初の104アミノ酸をコードする。得られたプ ラスミドはpJC104と呼ばれ、CKSタンパク質との融合としてHIV−2 envタンパク質を発現させる。共通の所有権を有し且つ本明細書に参考とし て組み入れる1988年3月11日付けで出願された米国特許出願第167,0 67号(Bolling及びMandecki,“CKS Method of Protein Synthesis(タンパク質合成のCKS方法)”)で 説明されている方法によって、このプラスミドは、CKSタンパク質の最初の2 39アミノ酸と、pTB210N多重制限部位リンカーからの13アミノ酸と、 HIV−2 envタンパク質からの104アミノ酸(アミノ酸506−609 )と、pTB210N多重制限部位リンカーからの追加の15アミノ酸を含む組 換えタンパク質をコードする。別の好ましい実施様態では、上記のように、酵素 と結合した様々な長さの合成HIV−2ペプチドを指示薬試薬として使用する。 HRPOに結合したHIV−1ペプチドIを指示薬試薬として使用することが最 も好ましい。 以下では、本発明の思想と範囲を非限定的に説明することを意図した実施例に よって、本発明を説明する。実施例 実施例1 2つの固相を使用する被覆手順 この手順は、1/4インチポリスチレンビーズ(Abbott Labora tories,Abbott Park,IL 60064から入手可能)と6 0穴ポリスチレン反応トレイ(Abbott Laboratories,Ab bott Park,IL 60064から入手可能)を使用した。ビーズ表面 を2つの異なった抗HIV−1 p24モノクローナル抗体で次のように被覆し た。このビーズを、45℃で2時間、0.25Mクエン酸ナトリウム緩衝液(p H7.2)中の濃度8μg/mL(約1.6μg/mL/ビーズ)で被覆した。 その後でビーズを0.25Mクエン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)中で洗浄 し、45℃で1時間、0.1%Triton X−100TM(Sigma Ch emical Co.,St.Louis,MOから入手可能なポリオキシエチ レンエーテル)を含む洗剤溶液と反応させた。その次に、ビーズを、45℃で3 0分間、0.25Mクエン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)中の1%仔ウシ血 清アルブミン(BSA)で ブロックし、その後で、0.25Mクエン酸ナトリウム緩衝液中で15−30℃ で15分間、2%スクロースと1%リン酸ガラスでオーバーコートし、乾燥させ た。使用した2つのモノクローナル抗体は31−42−19と31−90−25 と呼ばれる。これらの抗体は、本明細書に参考として組み入れる、これらのモノ クローナル抗体の開発と使用を説明する米国特許出願第07/204,798号 の主題である。これらのモノクローナル抗体の使用は、共通の所有権を有し且つ 本明細書に参考として組み入れる米国特許第7,204,798号にも説明され ている。モノクローナル抗体31−42−19を生産するハイブリドーマ細胞系 31−42−19は、1988年5月26日付けでAmerican Type Culture Collection,12301 Parklawn D rive,Rockville,Maryland,20852に寄託され、A TCC受託番号HB 9726を与えられている。モノクローナル抗体31−9 0−25を生産するハイブリドーマ細胞系31−90−25は、1988年5月 26日付けでAmerican Type Culture Collecti on,12301 Parklawn Drive,Rockv ille,Maryland,20852に寄託され、ATCC受託番号HB 9725を与えられている。 その次に、60穴反応トレイの穴をHIV抗原で次のように被覆した。pTB 319と呼ぶ組換えタンパク質HIV−1 p41 envタンパク質を、0. 1M 3−[シクロヘキシルアミノ]−1−プロパンスルホン酸(CAPS緩衝 液、pH11)中に1μg/mLの濃度で各々の穴に加え、40℃で2時間イン キュベートした。その後で、各々の穴をリン酸緩衝塩類液(PBSNpH7.5 )400μLで2回洗浄し、40℃で1時間0.1%Tween−20TMと反応 させ、PBS中の3%BSAによって40℃で1時間ブロックした。その次に、 上記穴をPBS中の5%スクロースで室温で20分間オーバーコートし、乾燥さ せた。 組換えタンパク質pTB319を生産するpTB319プラスミドは、本明細 書に参考として組み入れる1988年3月11日付けで出願された米国特許出願 第167,067号(Bolling及びMandecki,“CKS Met hod of Protein Synthesis(タンパク質合成のCKS 方法)”)の主題である。Bolling及びMan decki(同書)で説明されている通りに、HIV−1 p120のカルボキ シ末端42アミノ酸をコードする合成生産DNAフラグメントをプラスミドpT B315の中に挿入することによって、pTB319を生産した。実施例2 HIV抗原とHIV抗体の同時アッセイ 実施例1で説明した通りに調製した2つの固相を、試験試料中のHIV抗原及 び/又はHIV抗体の検出のためのアッセイで次のように使用した。抗体陽転し た9人のHIV−1感染者から得た65例の血清試料を収容したHIV−1抗体 陽転パネルをアッセイに使用した。各々の血清試料を、Tween−20TM(S igma Chemical Co.,St.Louis,MOから入手可能な ポリオキシエチレンソルビタン)を2%含む試料希釈液50μLに血清試料15 0μLを加えることによって、実施例1で予め用意した60穴トレイの各々の穴 の中で各々の血清試料を希釈した。その後で、実施例1で説明したように抗HI V p24抗体で予め被覆したビーズを、血清試料を収容した各々の穴の中に入 れた。連続的に回転させながら各トレイの穴を40℃で60分間インキュベート した。イ ンキュベーション後に、Abbott Parallel Processin g CenterTM(PPCN Abbott Laboratories,A bbott Park,ILから入手可能)中で、60穴反応トレイの各々の穴 を脱イオン水(dH2O)15mLで洗浄した。200μlのHIV p24抗 体プローブ試薬(抗体希釈液(2.25%BSA)7.5%ウシ血清、7.5% ヤギ血清、25%カルシウム再添加(recalcified)ヒト血漿、0. 1%アジ化ナトリウム)中のウサギポリクローナルF[ab′]2抗HIV−1 [活性成分:濃度2−6μg/mLの抗p24抗体])を、各々の穴/ビーズに 加え、その後で結果的に得られた混合物を40℃で60分間、回転なしにインキ ュベートした。反応トレイ中のビーズ/穴の各々をdH2O 15mLで洗浄し た。その後で、西洋ワサビペルオキシダーゼで標識した組換えHIV−1 p4 1抗原(HRPOに結合させたpTB319)とHRPO標識ヤギ抗ウサギIg G抗体との混合物を含む共役希釈液(0.18%トリス、1.19%トリスHC l、0.38%NaCl、9.0%仔ウシ血清、0.9%ヤギ血清、10%カル シウム再添加ヒト血漿、4.5% Triton X−10 0TM、0.013%硫酸ゲンタマイシン、0.009%チメロサール)を、反応 トレイの各々のビーズ/穴に加え、回転なしに40℃で60分間インキュベート した。60穴反応トレイの各々のビーズ/穴を上記のようにdH2O 15mL で洗浄した。その後で、o−フェニレンジアミン−2HCl(ODP)300μ Lを各々のビーズ/穴に加え、暗所で室温で30分間インキュベートした。その 後で各々のビーズ/穴に停止試薬(1N H2SO4)300μLを加えることに よって反応を停止させた。630nm基準を使用して492nmで反応の光学密 度を測定するAbbott PPCを使用して反応を読み取った。0.1 OD +陰性対照の平均ODとしてカットオフ値を設定した。血清試料/カットオフ値 の値が1より大きい場合に、血清試料を反応性(陽性)とみなした。 上記の9人の感染者から得た全部で65例の血清試料を上記手順に従って試験 した。その後で、得られた結果を、各々の製品に挿入された説明書に示されてい る製造者の指示に従ってHIV抗原アッセイ(HIVAGTM、Abbott L aboratories,Abbott Park,ILから入手可能)とHI V抗体アッセイ(ヒト免疫不全ウイルス1型及び2型:E.coli 及びB.megaterium、組換え抗原、Abbott HI VABTM HIV−1/HIV−2(rDNA)EIA;Abbott Lab oratories,Abbott Park,ILから入手可能)を使用した 時に同一の血清試料に関して得た結果と比較した。この結果得たデータを下記の 表1に示すが、この表1では、「OD」が光学密度の読み取り値を意味し、「S /CO」が「試料/カットオフ値」を意味し、「結果」が試験の解釈を意味し、 「HIV−1/2 Ab HIV−1 Ag Comb」が、本発明のアッセイ を示し、「HIV−1/2 Ab」が、HIVABTMHIV−1/HIV−2( rDNA)EIAアッセイを表し、「HIV−1 Ag」がAbbott HI VAGTMアッセイを表す。 表1からのデータは、3つの別々の試験からの結果を別個に互いに比較した時 に、HIV−1/2 Ab試験又はHIV−1 Ag試験のどちらよりも本発明 の方法が高い感受性を有したことを示している。感染の過程で早期に存在し且つ HIV感染の最終段階にも存在するHIV p24抗原と、感染の後期において 抗体陽転時に現れるHIV抗体の両方を検出するために、本発明のアッセイを更 に最適化することが可能であると予想される。実施例3 1つの固相を用いる被覆手順 この手順では、次のように1つの固相だけをHIV抗原とHIV抗体で被覆し た。モノクローナル抗体31−42−19、モノクローナル抗体31−90−2 5、及び、(実施例1で説明した通りの)pTB319と呼ぶ組換えHIV−1 p41抗原を、各々に0.1M炭酸塩緩衝液(pH9.5)中の1μg/mL の濃度で、室温で2時間に亙って96穴マイクロタイタープレート(Immul on 4TM、Dynatech,Alexandria VAから入手可能)の 各々の穴の中を被覆した。その次に、これらの穴を、室温で1時間に亙って、 ブロッキング試薬(5%脱脂粉乳、10mM トリス[pH8.0]、150m M NaCl、0.05% Tween− 実施例4 1つの固相を使用するHIV抗原/抗体アッセイ 実施例3で説明した通りに調製した固相を、試験試料中のHIV抗原及び/又 はHIV抗体の存在を検出するために次のようにアッセイで使用した。12メン バー抗体陽転パネル(Boston Biomedica Inc.,Bost on MAより入手可能なPanel G)の血清試料の各々と、陽性の対照と 、陰性の対照とを試験した。各血清試料150μL、陰性の対照150μL、又 は、陽性の対照150μLを、マイクロタイタープレートの各々の穴の内で、試 料希釈液(実施例3で説明したようにTriton X−100TM 15μLと ブロッキング試薬35μLを含む)50μLで希釈し、回転なしに室温で60分 間インキュベートした。インキュベーション後に、Nunc 8チャンネル “ Immunowash” マニホルド(Nunc,Denmarkから入手可能 )を使用して、洗浄緩衝液(0.05%脱脂粉乳、10mM トリス [pH8.0]、150mM NaCl、0.05% Tween−20TMを含 む)300μLで8サイクルの穴の洗浄を行った。その次に、抗体希釈液(2. 25%BSA、7.5%仔ウシ血清、7.5%ヤギ血清、25%カルシウム再添 加ヒト血漿、0.1%アジ化ナトリウム)中のHIV p24抗体プローブ試薬 (ウサギポリクローナルF[Ab′]2抗HIV−1[活性成分:濃度2−6μ g/mLの抗p24抗体])175μLを、各々の穴に加え、回転なしに室温で 60分間インキュベートした。インキュベート後に、上記のように、各々の穴に 対して洗浄緩衝液で8サイクルの洗浄を行った。その後で、(実施例2で説明し た通りの)HRPOで標識した組換えHIV−1 p41タンパク質(pTB3 19)とHRPO標識ヤギ抗ウサギIgG抗体との混合物を含む(実施例2で説 明した通りの)結合体希釈液150μLを各々の穴に加え、回転なしに室温で6 0分間インキュベートした。各々の穴に対して上記洗浄緩衝液で8サイクルの洗 浄を行い、更にdH2Oで洗浄した。その後で、OPD基質125μLを各々の 穴に加え、これらの穴を暗所で室温で10分間インキュベートした。(実施例2 で説明した通りの)停止試薬125μLを加えて反応を停止 させた。各々の穴の吸光度を630nm基準を用いて490nmで測定した。0 .025 OD+陰性対照の平均ODとしてカットオフ値を設定した。 血清試料/カットオフ値の値が1より大きい場合に、血清試料を反応性(陽性 )とみなした。 これらのアッセイから得たデータを表2に示す。表2では、「OD」が光学密 度の読み取り値を意味し、「S/CO」が「試料/カットオフ値」を意味し、「 結果」が試験の解釈を意味し、「NC」が陰性の対照を示し、「PC」が陽性の 対照を示す。 表2のデータが示すように、本発明のアッセイは抗体陽転パネル中のHIV抗 体及び/又はHIV抗原の存在を検出することが可能である。HIV−1/2抗 体試験とHIV−1抗原試験とに対して各々に比較すると、これらの抗原又は抗 体の検出に基いて判断する場合に、本発明の方法は、単独のHIV−1/2抗体 試験と単独のHIV−1抗原試験のどちらよりも高い感度を検出で示した。本発 明の方法の表2の結果をHIV−1/2抗体試験とHIV−1抗原試験との組み 合わせ結果と比較すると、本発明の方法は、これら従来の方法のいずれかで陽性 だった試料の全てを検出することが可能だった。実施例5 HIV抗体捕獲試薬とHIV抗原捕獲試薬とによる微小粒子の同時被覆 各々に0.01M 炭酸塩緩衝液(pH9.5)中に150μg/mLの濃度 の、上記モノクローナル抗HIVp24抗体(31−42−19、31−90− 25)と上記組換えHIV−1 p41抗原(HIV−1 p41組換えタンパ ク質pTB319とHIV−2 p41組換えタンパク質pJC104)の両方 を同時に使用して、室温(15−30℃)で2 時間に亙って、(Seradyne Inc.,Indianapolis,I ndianaより入手可能)ポリスチレン微小粒子の均一な0.5%懸濁液(重 量/体積)を同時被覆する。微小粒子の懸濁液を短時間遠心し、微小粒子ペレッ トを0.05Mトリス緩衝液(pH8.0)中に再懸濁させ、過剰分の非結合タ ンパク質を洗浄して取り除く。この洗浄を、非結合タンパク質が全て除去される まで繰り返す。56℃で18−24時間、[0.01Mトリス(pH8.0)、 0.15M NaCl]中の10mg/mLカゼインで微小粒子をブロッキング した後、その微小粒子を再び上記の通りに洗浄し、[0.05Mトリス(pH8 .0)、0.15M NaCl、1%BSA、15%スクロース、及び、0.1 %アジ化ナトリウム]中の0.015%懸濁液(重量/体積)に希釈する。実施例6 微小粒子を使用するHIV抗体とHIV抗原との同時検出 Abbott IMx TM Microparticle Enzyme Im munoassay(MEIA)システムを使用するが、微小粒子を使用する任 意のシステムを使用することが可能である。Abbott IMx TM MEIA システ ムは、Abbott IMx TM Operation and Custome r Training Manuals(Abbott Diagnostic Division,Abbott Laboratories,Abbott Park,ILから入手可能)に詳細に説明されている。このアッセイでは、 実施例5で調製した0.15%懸濁液100μLを、HIV−1及び/又はHI V−2抗体及び/又はHIV−1抗原を含むと推測される試験試料100μLと 混合し、Abbott IMx TM 反応セル中で40℃で10分間インキュベー トし、反応混合物を形成する。HIV抗体及び/又はHIV抗原が「抗体/抗原 /微小粒子」複合体中の微小粒子に結合する。その反応混合物150μLをガラ ス繊維マトリックス上に移し、微小粒子をガラス繊維マトリックスに不可逆的結 合の形で保持させる。その後で、「抗体/抗原/微小粒子」複合体を、[0.0 5Mトリス(pH8.0)、2%BSA、0.25%サポニン、及び、0.1% アジ化ナトリウム]中のビオチニル化組換えHIV−1及びHIV−2組換えp 41抗原(上記のpTB319、pJC104)とビオチニル化F(Ab′)2 抗HIV−1 p24から成るプローブ50μL と40℃で10分間反応させる。その後で、[0.1Mトリス(pH8.0)、 0.5M NaCl、0.9%Brij−35TM、1.0%BSA、及び、0. 1%アジ化ナトリウム]中のヤギ抗ビオチンアルカリ性ホスファターゼから成る 抗体結合体50μLを、40℃で10分間、「ビオチンプローブ/抗体/抗原/ 微小粒子」複合体と反応させる。その後で、この微小粒子複合体を[0.05M トリス(pH8.0)、0.3M NaCl、及び、0.1%アジ化ナトリウム ]で6回洗浄し、「ビオチンプローブ/抗体/抗原/微小粒子」複合体を、基質 メチルウンベリフェリルホスファーゼ(MUP、Abbott Laborat ories,Abbott Park,IL)50μLと反応させ、生成物メチ ルウンベリフェロン(MU)の蛍光を測定する。MU生成の速度は、試験試料中 の被分析物の濃度に比例している。実施例7 HIV抗体捕獲試薬とHIV抗原捕獲試薬との各々による微小粒子の別個の被覆 この実施例では、個々の被分析物捕獲試薬で別々にポリスチレン微小粒子(S eradyne Inc.,Indiana polis,Indianaより入手可能)を被覆する。ポリスチレン微小粒子 を、これらの被分析物捕獲試薬の各々によって別々に被覆するか、又は、これら の被分析物捕獲試薬を互いに様々に組み合わせて被覆する。被分析物捕獲試薬の 各々で個々の微小粒子を被覆した後に、この個々の被覆微小粒子を1つにプール しアッセイに使用する。 この実施例では、組換えHIV−1及びHIV−2 p41抗原(pTB31 9、pJC104)で同時被覆した微小粒子とは別の微小粒子を、2つのモノク ローナル抗HIV p24抗体(31−42−19、31−90−25)で同時 に被覆する。その量は様々であってよいが、一般的に、この被覆手順は実施例5 で説明した手順と殆ど同じである。[0.01Mトリス(pH8.0)、0.1 5M NaCl]中の10mg/mLカゼインを使用して、物理的に分離した微 小粒子を56℃で18−24時間に亙ってブロッキングした後に、実施例5で説 明した通りに微小粒子を再び洗浄し、まとめてプールし、[0.05Mトリス( pH8.0)、0.15M NaCl、1%BSA、15%スクロース]中の0 .015%懸濁液(重量/体積)に希釈する。プールする段階では、微小粒子の 使用 を最適化するようにアッセイの感度と特異性とに影響を及ぼすために、微小粒子 を様々な割合でプールする。実施例8 HIV抗体捕獲試薬とHIV抗原捕獲試薬との各々によって別々に被覆した微小 粒子上でのHIV抗体とHIV抗原の同時検出 Abbott IMx TM Microparticle Enzyme Im munoassay(MEIA)システムを使用するが、微小粒子を使用する任 意のシステムを使用することが可能である。Abbott IMx TM MEIA システムは、Abbott IMx TM Operation and Cust omer Training Manuals(Abbott Diagnos tic Division,Abbott Laboratories,Abb ott Park,ILから入手可能)に詳細に説明されている。このアッセイ では、実施例5で調製した0.15%懸濁液100μLを、HIV−1及び/又 はHIV−2抗体及び/又はHIV−1抗原を含むと推測される試験試料100 μLと混合し、Abbott IMx TM 反応セル中で40℃で10分間イン キュベートし、反応混合物を形成する。HIV抗体及び/又はHIV抗原が「抗 体/抗原/微小粒子」複合体中の微小粒子に結合する。その反応混合物150μ Lをガラス繊維マトリックス上に移し、微小粒子をガラス繊維マトリックスに不 可逆的結合の形で保持させる。その後で、「抗体/抗原/微小粒子」複合体を、 [0.05Mトリス(pH8.0)、2%BSA、0.25%サポニン、及び、 0.1%アジ化ナトリウム]中のビオチニル化組換えHIV−1及びHIV−2 組換えp41抗原(上記のpTB319、pJC104)とビオチニル化F(A b′)2抗HIV−1 p24から成るプローブ50μLと40℃で10分間反 応させる。その後で、[0.1Mトリス(pH8.0)、0.5M NaCl、 0.9%Brij−35TM、1.0%BSA、及び、0.1%アジ化ナトリウム ]中のヤギ抗ビオチンアルカリ性ホスファターゼから成る抗体結合体50μLを 、40℃で10分間、「ビオチンプローブ/抗体/抗原/微小粒子」複合体と反 応させる。その後で、この微小粒子複合体を[0.05Mトリス(pH8.0) 、0.3M NaCl、及び、0.1%アジ化ナトリウム]で6回洗浄し、「ビ オチンプローブ/抗体/抗原/微小粒子」複合体を、基質 メチルウンベリフェリルホスファーゼ(MUP、Abbott Laborat ories,Abbott Park,IL)50μLと反応させ、生成物メチ ルウンベリフェロン(MU)の蛍光を測定する。MU生成の速度は、試験試料中 の被分析物の濃度に比例している。実施例9 組換えHIV−1抗原の調製と発現 初めのHIV−1及びHIV−2クローンの調製 (Dr.Robert Gallo,National Cancer In stitute,Laboratories of Tumor Cell B iology,Lot No.P3−21から得られる)HIV−1感染HT− 9細胞から得られるゲノムDNAの部分EcoRI消化物をバクテリオファージ λ Charon 4A EcoRIアームと結合させ、E.coli C6 00の中にトランスフェクションさせることによって、HIV−1ゲノムライブ ラリーを調製した。このライブラリーを、HIV−1ウイルスRNAから作製し たcDNAとハイブリッド形成させることによってスクリーニングし、全HIV −1ゲノムを含む単一のファージ(Pha ge 4Bと呼ぶ)を得た。 Phage 4B DNAをKpnIで消化し、pUC18(Bethesd a Research Laboratories)のKpnI部位に結合させ た。HIV−1 env遺伝子のp41領域全体を含むクローン(pcK2と呼 ぶ)を特定し、マッピングした。 Phage 4B DNAをEcoRIで消化し、pBR322のEcoRI 部位に結合させた。全HIV−1 gag遺伝子を含むクローン(pcR23と 呼ぶ)を特定し、マッピングした。 HIV−2プロファージ単離物D1945からのenv遺伝子を含むDNAフ ラグメントを、プロファージDNAのλゲノムライブラリー内で特定した。この フラグメントをE.coli発現ベクター(λ PLベクター pKH20)のEco RI部位の中にサブクローニングした。その結果得たプラスミドをpEH aと名付けた。組換えHIV−1 gp41抗原の調製 エンベロープ発現ベクターの構築は、2つの段階によるプロセスだった。第1 の段階は、envを含むより小さなDNAフ ラグメントを含むE.coliプラスミド(p41Cと呼ぶ)の構築を含んでい た。第2の段階は、Escherichia Sp.及びBacillus p. の両方の中で生存する能力を有する発現ベクターの構築と、envフラグメ ントのこのプラスミド(pOM10と呼ぶ)中への導入とを含んでいた。 プラスミドpcK2から得た854塩基対(bp)BglII/BamHI D NAフラグメントを、pUC9(Pharmacia)のBamHI部位に結合 させた。lacZ遺伝子と同じ方向にenv遺伝子の一部分を含むクローンを特 定し、マッピングし、p41Aと名付けた。プラスミドpcK2から得た557 bp BamHI DNAフラグメントを、プラスミドp41AのBamHI部 位内に結合させた。lacZ遺伝子と同じ方向にenv遺伝子の全p41配列を 含むプラスミドを特定し、マッピングし、p41Cと名付けた。 (Dr.R.Losick,Harvard Universityによって 開発され、pVG1と呼ぶ)Bacillus胞子形成プロモーターspoVG を含むE.coliプラスミドをSmaIで制限した。このDNAフラグメント を、XbaIで予め制限しておいたBacillusプラスミドpE 194内に結合させ、E.coli DNAポリメラーゼ1(クレノウフラグメ ント)を使用して平滑末端を形成し、「付着」DNA末端中に充填した(平滑末 端化処理)。(pAS5と呼ぶ)プラスミドを単離し、マッピングし、このプラ スミドがE.coliB. subtilisの両方の中で生存する能力を有 することが示された。その後で、env遺伝子をpAS5の中に挿入した。en 遺伝子を含むプラスミドp41CからのDNAフラグメントを、EcoRI/Sal I消化によって作製し、平滑末端化処理を行った。このDNAフラグメン トを、SalIで直線化し平滑末端化したプラスミドpAS5に結合させた。1 つの単離クローン(pAS14と呼ぶ)が、適正な方向にscoVGプロモータ ーに融合したenv遺伝子を有することを確認した。 最後に、次のように、pAS14中のエリスロマイシン耐性遺伝子を、関連のBacillus プラスミドpC194からのクロラムフェニコール耐性遺伝子 によって置き換えた。プラスミドpC194のClaI/DraI消化物からの クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子を含む11 07bp DNAフラグメントを単離した。このDN Aフラグメントを、pAS14のClaI/SmaI消化(当初のエリスロマイ シン耐性遺伝子全てを取り除く処理)から単離した6407bp DNAフラグ メントに結合させた。得られた最終プラスミドをpOM10と名付けた。 プロモーター領域、転写開始点、及び、リボソーム結合部位は、塩基4840 −4971に及ぶ。コーディング領域(塩基4972−6183)は、親プラス ミドpVG1のspoVG領域から得られた配列(塩基4972−5004)と 、DNA連結反応中に得られた配列(塩基5005−5010)と、HIV−1 env遺伝子gp120から得られた配列(塩基5011−5145)とから 成る(Ratner,L.他,Nature 313:277−284,198 5)。p41配列は、塩基5146−6180である。env遺伝子の天然の終 止コドン(塩基6181−6183)で翻訳を終結させる。組換えタンパク質を コードするDNA配列を、3つのロットの発酵の後に収集したプラスミドを配列 決定することによって確認した。配列決定したロットを、臨床用マスターロット 用の抗原を生産するために使用するのと同じ細胞バンクから発酵させた。 プラスミドpOM10は、spoVGタンパク質のアミノ末端から得られた1 1アミノ酸と、連結反応中のDNA操作の結果として得られた2アミノ酸と、次 のpl20エンベロープタンパク質からの最終45アミノ酸と、p41タンパク 質配列全体とを含む融合タンパク質として、HIV−1エンベロープタンパク質 を発現させる。このタンパク質を組換えp41(rp41)と呼ぶ。組換えHIV−1 gp41融合タンパク質の調製 HIV−1 CKS−120/41融合抗原を発現させる組換えE.coli クローンの構築を、複数の段階によって行った。最初に、HIV−1抗原のgp 41部分に対応する遺伝子を合成し、改変pUC18の中に挿入し、プラスミド pTB315を得た。その次に、gp120タンパク質のカルボキシル42アミ ノ酸をコードするDNA配列を合成し、pTB315の中に挿入し、プラスミド pTB316を得た。最後に、gpl20/41遺伝子を発現プラスミド(pT B210)に転移させ、抗原を融合タンパク質として効率よく発現させた。その 結果得たプラスミドpTB319を単離しマッピングした。 HIV−1 gpl60エンベロープタンパク質のアミノ酸 519−673とアミノ酸712−863をコードする遺伝子(Ratner, L.他,Nature 313:277−284,1985)を、pUC18プ ラスミド誘導体中の一連の合成DNAフラグメントから構築されるように設計し た。 14個のフラグメントを化学的に合成し、公表されているgp41配列の一部 分を再現させた。この配列は、欠失アミノ酸674−711からの38アミノ酸 膜貫通領域を含むアミノ酸519−673とアミノ酸712−863から成る。 14個の合成フラグメントをpWM500(Mandecki及びBollin g,Gene 68:101−107,1988)の中にサブクローニングし、 精製し、互いに連結反応させ、上記融合タンパク質のgp41部分を形成させた 。しかし、アミノ酸741とアミノ酸742とにおいて、A/T欠失が生じ、そ の結果、フラグメント9における14アミノ酸フレームシフトと成熟前の翻訳終 止とが生じた。得られた合成DNA配列は、リンカーの挿入によって破壊されるNar I部位を有する改変pUC18プラスミド(pMB10.5と呼ぶ)の中 に挿入するためのフランキングBamHI部位とKpnI部位とを保持する。 gpl20のカルボキシ末端を表す129塩基対二本鎖DNAフラグメントを 合成し(311.3及び311.4)、pTB315の残りのNarI部位の中 に挿入した。このフラグメントを、NarIで消化したプラスミドpTB315 の中に挿入した。pTB316と呼ぶプラスミドを単離し、挿入フラグメントの 方向性がgp41遺伝子の方向性と同じであるようにスクリーニングした。 プラスミドpBR322から得られたこのプラスミドは、(E.coli C MP−KD0シンテターゼ又はCKSタンパク質の全248アミノ酸の最初の2 39アミノ酸をコードする)kdsB遺伝子フラグメントに融合した改変lac プロモーターと、kdsB遺伝子フラグメントの末端に融合した合成リンカーと を含む。この合成リンカーは、遺伝子の挿入のための多重制限部位と、翻訳終止 シグナルと、trPA ρ独立転写ターミネーターとを含む。このプラスミドは 、CKSの239アミノ酸と、上記合成リンカーによってコードされる22アミ ノ酸とをコードする。 プラスミドpTB316をBamHIとKpnIとで消化し、1073bpフ ラグメントを単離した。このフラグメントは、 適正な位置に挿入されたgpl20遺伝子のカルボキシル42アミノ酸を有する 当初の合成gp41遺伝子から構成されていた。このフラグメントを、BglII とKpnIとで予め消化したpTB120の中に挿入した。その結果得たプラス ミド(pTB319と呼ぶ)を単離し、マッピングした。 プロモーター領域、転写開始点、及び、リボソーム結合部位は、塩基45−1 25に及ぶ。コーディング領域は、CKSタンパク質の239アミノ酸から得ら れた配列(塩基126−842)と、合成ポリリンカーからの11アミノ酸(塩 基843−875)から構成されている。この後にpl20 HIV−1 en (塩基876−1001)の42残基とHIV−1 p41 env(塩基1 002−1556)の185残基とが続く。膜貫通領域の38アミノ酸欠失は、 塩基対1466と塩基対1467との間である。最後に、単一のA/T欠失に起 因するフレームシフトの結果としての更に別の14アミノ酸(塩基1557−1 598)と成熟前の翻訳終止(塩基1599−1601)とが存在する。組換え タンパク質をコードするDNA配列を、3つのロットの発酵の後に収集したプラ スミドを配列決定することによって確認した。 プラスミドpTB319は、CKSタンパク質の239アミノ酸とpTB21 0多重制限部位リンカーからの11アミノ酸とを含む組換えタンパク質をコード する。この後に、HIV−1 pl20のカルボキシル末端からの42アミノ酸 と、HIV−1 p41タンパク質のからの185アミノ酸(p41膜貫通領域 に亙るアミノ酸674−711の38アミノ酸欠失を伴う端を切り取った(tr ancated)タンパク質(Ratner他,Nature 313:277 −284,1985))とが続く。最後に、ヌクレオチド1556−1157の 間の単一のA/T欠失に起因するフレームシフトと成熟前の終止との結果として 生じる14アミノ酸が存在する。このタンパク質を組換えpCKS−41(rp CKS−41)と呼ぶ。組換えHIV−1 p24抗原の調製 p24 gag発現ベクターを複数の段階によるプロセスによって構築した。 第1の段階は、DNAフラグメントを含むより小さなgagを有するE.col プラスミドpB1の構築を含んでいた。第2の段階は、効率的な発現を可能に する適正な分子シグナルを有する発現ベクター(pKRR951と呼ぶ) の構築を含んでいた。最後に、遺伝子発現の制御を可能にするために、分子情報 を上記プラスミドに加え、最終プラスミドpKRR955を結果的に生じさせた 。 プラスミドpcR23から得られた949bp PvuII/BglII DNA フラグメントを、HindIIとBamHIとで予め消化したプラスミドpUC9 (Pharmacia)内に結合させた。lacZ遺伝子と同じ方向にgag遺 伝子の一部分(p24コーディング領域を含む)を含むクローンを特定し、マッ ピングし、pB1と名付けた。 その後で、gag遺伝子DNAフラグメントを、タンパク質合成の効率的な終 結を可能にすると同時に、gag遺伝子発現をE.coliλファージPLプロ モーターの制御下に置く発現ベクターpKRR810の中に導入した。gag遺 伝子の大半を含む963bp DNAフラグメントを、プラスミドpB1のEc RI(完全)/PstI(部分)消化によって得た。コード化タンパク質のア ミノ末端を再構築し且つ開始コドンの直ぐ上流にEcoRI部位を位置させるた めに、36bpの合成オリゴヌクレオチドDNAフラグメントをgag遺伝子フ ラグメントに加えた。この改変フラグメントを発現ベクター pKRR810のEcoRI部位の中に挿入した。λファージPLプロモーター と同じ方向にgag遺伝子を有するクローン(pKRR950)を特定し、単離 し、マッピングした。このクローンのサイズをpKRR950プラスミドのAp I消化と再連結反応とによって106bp縮小し、その結果としてpKRR9 51と呼ぶプラスミドを得た。 発現ベクターの構築を完了させるために、λcI ts 調節遺伝子とE.col λファージPRプロモーターを構築物中に組み込んだ。温度に敏感なこの遺伝 子を加えることによって、λプロモーターの制御と、従って、gag遺伝子発現 の制御とが可能になる。λcI ts 調節遺伝子とE.coliλファージPRプロ モーターとを含む2392bp DNAフラグメントを、pRK248.cI t s と呼ぶプラスミドのBglII消化によって得た。このフラグメントをプラスミ ドpKRR951プラスミドのBglII部位に挿入し、pKRR955を得た。 プロモーター領域、転写開始点、及び、リボソーム結合部位は、塩基7757 −271に及ぶ。この領域を2つの異なったλファージ変異体と合成領域とから 得た。コーディング領域は、pUC9からのlacZ′遺伝子のNH2末端を複 製する合成 配列(塩基272−307)と、p24配列全体(塩基344−1036)を含 むHIV−1 gag遺伝子の一部分をコードする配列(塩基308−1183 )と、それに続くベクターpKRR810の合成3フレーム翻訳ターミネーター からの短い配列(塩基1169−1180)から構成される。このセグメント( 塩基1181−1183)内の第3の終止コドンで翻訳を終止させる。この配列 はrrnBt 1 転写ターミネーターを示す(塩基1184−1241)。 プラスミドpKRR955は、lacZタンパク質から得られた12アミノ酸 とpUC9ポリリンカー領域とから成る融合タンパク質を生産する。この後に、gag タンパク質の一部分(p17タンパク質の最終の12アミノ酸と、p24 タンパク質の全231アミノ酸と、pl5タンパク質の最初の44アミノ酸とを 含む)が続く。更にこの後に、pKRR810ベクターのターミネーター部分か ら得られた4アミノ酸が続く。このタンパク質を組換えp24(rp24)と呼 ぶ。組換えHIV−2 gp36 env抗原の調製 rp41 HIV−2抗原を発現させるこの組換えE.coliクローンの構 築を2つの段階によって行った。第1の 段階でHIV−2 env遺伝子のフラグメントをHIV−2プロファージから 単離し、pEHaと呼ぶE.coli発現ベクターの中にサブクローニングした 。第2の段階で、HIV−2 env遺伝子フラグメントをプラスミドpEHa から別の発現ベクターpTB210Nの中にサブクローニングし、プラスミドp JC104を得た。 HIV−2からのenv遺伝子を含むDNAフラグメント(プロファージ単離 物D194.5)をプロファージDNAのλゲノムライブラリー内で特定した。 このフラグメントをE.coli発現ベクター(λPLベクターpKH20)のEco RI部位の中にサブクローニングした。その結果得たプラスミドをpEH aと名付けた。この作業をDIAGEN GmbH,Neiderheider Strasse 3,4000 Dusseldorfによって行った(Ku hnel他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2383 −2387.1989)。 クローニングベクターpTB210は、組換え遺伝子がCKSタンパク質に融 合することを可能にする。このプラスミドは、(E.coli CMP−KD0 シンテターゼ又はCKSタン パク質の全248アミノ酸の最初の239アミノ酸をコードする)kdsB遺伝 子フラグメントに融合した改変lacプロモーターを含むプラスミドpBR32 2と、kdsB遺伝子フラグメントの末端に融合した合成リンカーとから成る。 この合成リンカーは、遺伝子挿入のための多重制限部位と、翻訳終止シグナルと 、trpAρ独立転写ターミネーターを含む。 プラスミドpTB210Nは、合成リンカー中のNcoI部位を含み、プラス ミドpTB210から得られる。 プラスミドpEHaをNcolで消化し、HIV−2 p41タンパク質の最 初の104アミノ酸をコードする314塩基対フラグメントを単離し、プラスミ ドpTB210NのNcoI部位の中に挿入した。pJC104と呼ぶこのプラ スミドは、CKSタンパク質との融合タンパク質としてHIV−2 envタン パク質を発現させる。 プロモーター領域、転写開始点、及び、リボソーム結合部位は、塩基45−1 25に及ぶ。コーディング領域は、CKSタンパク質の239アミノ酸から得た 配列(塩基126−842)と合成ポリリンカーからの13アミノ酸(塩基84 3−881)から構成される。この後に、HIV−2 envのアミノ末端の1 04残基(塩基882−1193)と上記ポリリンカーの 残りの15アミノ酸(塩基1194−1238)が続く。翻訳を塩基1239− 1241における終止コドンで終結させる。 CKSタンパク質の最初の239アミノ酸と、pTB210N多重制限部位リ ンカーからの13アミノ酸と、HIV−2 envタンパク質からの104アミ ノ酸(HIV−2 envタンパク質のアミノ酸506−609)と、pTB2 10N多重制限部位リンカーからの更に別の15アミノ酸とを含む組換えタンパ ク質を、プラスミドpJC104がコードする。このタンパク質を組換えp41 HIV−2(rp41 HIV−2)と呼ぶ。プラスミド宿主細胞系 上記の通りに調製したプラスミドpOM10を、B.megaterium菌 株PY361のプロトプラスト(自然プラスミドのキュアリング菌株QMB15 51のプロトトロフ誘導体)にトランスフォーメーションさせ、生存可能なクロ ラムフェニコール耐性細胞を再生させた。rp41抗原の発現をspoVGプロ モーターの制御下に置き、その細胞が胞子形成発育相に入る時、発現を観察した 。独立エレメントとして複製したこのプラスミドは不可動であり、細胞1個当た り約10個から約30個のコピー数に維持された。 上記の通りに調製したプラスミドpTB319を、塩化カルシウム法でコンピ テントE. coli K−12 菌株XL−1(recA1endA1 vrA96thi−1hsdR17supE44relA1lac− /F′proABlacIZdeltaM15TN10)細胞にトラン スフォーメーション(形質転換)させた。この構築では、rpCKS−41タン パク質の発現はlacプロモーターの制御を受けた。組換えpCKS−41発現 を、IPTGを100μg/mLに加えることによって誘導した。独立エレメン トとして複製したこのプラスミドは不可動であり、細胞1個当たり約10個から 約30個のコピー数に維持された。 上記の通りに調製したプラスミドpKRR955を 、塩化カルシウム法でコ ンピテントE. coli K−12 菌株KRR136(Dlac−prosupEthi−1rpsLsbcB15endAhsdR4lo n−9tsx:462:Tn10/F′traD36proABlac ZdeltaM15)細胞にトランスフォーメーションさせた。この構築で は、rp24タンパク質の発現は、λPL及びλPRプロモーターと、上記プラス ミド上のcI ts 遺伝子から発現したcI ts リプレッサーとの両方の制御を受けた。組換えp2 4発現を、30℃から42℃への温度シフトによって誘発した。独立エレメント として複製したこのプラスミドは不可動であり、細胞1個当たり約10個から約 30個のコピー数に維持された。 上記の通りに調製したプラスミドpJC104を 、塩化カルシウム法でコン ピテントE. coli K−12 菌株XL−1(recA1endA1qvrA96thl−1hsdR17suDEi4relA1lac −/F′proABlacIZdeltaM15TN10)細胞にトラ ンスフォーメーションさせた。この構築では、rp41 HIV−2融合タンパ ク質の発現は、lacプロモーターの制御を受けた。組換えp41 HIV−2 発現を、IPTGを100μg/mLに加えることによって誘発した。独立エレ メントとして複製したこのプラスミドは不可動であり、細胞1個当たり約10個 から約30個のコピー数に維持された。 上記の通りに調製したプラスミドpTB210を、塩化カルシウム法でコンピ テントE. coli K−12 菌株XL−1(recA1endA1 vrA96thi−1hsdR17supE44relA1lac−/F′proABla cIZdeltaM15TN10)細胞にトランスフォーメーションさせた 。この構築では、CKSタンパク質の発現は、lacプロモーターの制御を受け た。CKS発現を、IPTGを100μg/mLに加えることによって誘発した 。独立エレメントとして複製したこのプラスミドは不可動であり、細胞1個当た り約10個から約30個のコピー数に維持された。実施例10 1つの固相を使用するHIV−1/HIV−2抗体アッセイ 実施例3で説明した通りに、1つの固相を組換え抗原rp24、rp41、及 び、rp36で被覆し、試験試料中のHIV−1/HIV−2抗体の存在を検出 するためのアッセイに使用した。このアッセイの条件は、実施例3の認可アッセ イで使用する試料体積150μLの代わりに試料体積を50μLに減少させたこ とを除いて、実施例3で説明した条件と本質的に同じだった。30人のヒトから 得た121例の希釈HIV−2試料と、2194例の血漿と980例の血清とか ら成る新鮮なランダムドナー母集団と、19人のヒトから得た153例のHI V−1抗体陽転試料とに対して評価を行った。 (上記の通りの)合成HIV−2ペプチドIを使用したアッセイの結果を、各 々の製品に挿入された説明書に示された製造者の指示に従ってHIV抗体アッセ イ(ヒト免疫不全ウイルス1型及び2型:E.coli及びB. megate rium 、組換え抗原、Abbott HIVABTM HIV−1/HIV−2 (rDNA)EIA;Abbott Laboratories,Abbott Park,ILから入手可能)Abbott List 3A77又はAbb ott List 3A10を使用した時に同一の血清試料に関して得られた結 果と比較した。これらのアッセイのデータを下記の表3に示す。各々の穴の吸光 度を630nm基準を用いて490nmで測定した。0.025 0D+陰性対 照の平均ODとしてカットオフ値を設定した。血清試料/カットオフ値の値が1 より大きい場合に、血清試料を反応性(陽性)とみなした。表3では、「OD」 が光学密度の読み取り値を意味し、「S/CO」が「試料/カットオフ値」を意 味し、「結果」が試験の解釈を意味し、「NC」が陰性の対照を示し、「PC」 が陽性の対照を示す。 表3に要約した個々の試験試料結果を次の表4に示す。 上記データは、改良HIV−1/HIV−2 rDNA/合成HIV−2ペプ チドIが、HIV−1抗体陽転(セロコンバージョン)感度を損なうことなしに HIV−2に対する感度と特異性との向上をもたらすことを示している(下記表 5)。 必要とする試験試料体積が上記の従来のアッセイよりも少なくてすむので、1 50μLの試験試料体積を得ることが困難な環境での上記アッセイの使用が可能 だろう。しかし、いずれの試料体積であっても、従来のアッセイよりも向上した 検定結果が得られるだろう。 実施例11 rDNA/合成HIV−2ペプチド方式と3A10との比較 試験試料体積50μLを使用して実施例10で説明した通りにアッセイを行っ た。同等方式を使用した。その結果を次の表6に示す。アッセイ結果は、指示薬 試薬の成分として合成HIV−2抗原ペプチドIを使用するアッセイにおける偽 陽性の数が、組換えHIV−2 gp36抗原だけを指示薬として使用する場合 の偽陽性の数に比べて、著しく少ないことを示している。 実施例12 合成HIV−1ペプチドによる改良アッセイを使用するHIVサブタイプ特異性 の検出 下記のデータは、新たに出現するHIV菌株遺伝子型を検出するための合成H IV−1ペプチドによる改良アッセイの能力を示している。合成HIV−1ペプ チドXIIを使用するアッセイの結果を、各々の製品に挿入された説明書に示され た製造者の指示に従ってHIV抗体アッセイ(ヒト免疫不全ウイルス1型及び2 型:E.coli及びB. megaterium、組換え抗原、Abbott HIVABTM HIV−1/HIV−2(rDNA)EIA;Abbott Laboratories,Abbott Park,ILから入手可能)Ab bott List 3A77又はAbbott List 3A10を使用し た時に同一の血清試料に関して得られた結果と比較した。これらのアッセイによ って得たデータを次の表7に示す。630nm参照を用いて490nmで各々の 穴の吸光度を測定した。0.100 OD+陰性対照の平均ODとしてカットオ フ値を設定した。血清試料/カットオフ値の値が1より大きい場合に、血清試料 を反応性(陽性)とみなした。表7で は、「S/CO」が「試料/カットオフ値」を意味し、「結果」が試験の解釈を 意味する。 この表は、サブタイプO試料であるカメルーン試料No.5とNo.2が標準 アッセイでは検出されなかったが、合成HIV−1ペプチド改良アッセイを使用 した場合に陽性と同定されたということを示している。 サブタイプOと同定される試料に対する合成HIV−1ペプチドXIII改良EI Aを次の表に示す。この結果は、合成ペプチドが存在する時にサブタイプO抗体 に対して上記アッセイがより高い感度を有することを示している。 アッセイ条件及び/又はインキュベーション時間を変化させること、抗原捕獲 試薬、抗原プローブ試薬、抗体捕獲試薬、又は、抗体プローブ試薬の様々な組み 合わせを使用すること、並 びに、当業者に公知の他の方法、試薬、及び、条件を様々に組み合わせることに よって、本発明のアッセイを更に最適化することが可能であることが意図されて いる。例えば、HIV p24、gp120、gp160、p17等を含む様々 な他の抗体捕獲試薬を使用することが可能である。この場合は、抗体捕獲試薬の 相違のために、異なった抗原捕獲試薬を使用することが必要だろう。こうした変 形例の全てが本発明の範囲内に含まれることが意図されている。更に、上記実施 例で説明したアッセイの幾つかは自動化システムを使用したが、手作業による方 法又は他の自動化解析装置を使用すること又は本発明のアッセイに適合化させる ことが可能であることが本発明の範囲内に含まれている。従って、本発明は添付 の請求の範囲によってのみ制限されることが意図されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ストーン,バーバラ・エル アメリカ合衆国、イリノイ・60035、ハイ ランド・パーク、デイアフイールド・ロー ド・771 (72)発明者 リウ,ダグラス・ジエイ アメリカ合衆国、イリノイ・60640、シカ ゴ、ノース・ウエイン・5447 (72)発明者 ハリントン,スーザン・ケイ アメリカ合衆国、イリノイ・60085、ウオ ーキガン、スタンリー・アベニユー・322 (72)発明者 ドーソン,ジヨージ・ジエイ アメリカ合衆国、イリノイ・60048、リバ テイービル、スプルースウツド・15670 (72)発明者 ウー,ピン アメリカ合衆国、イリノイ・60035、ハイ ランド・パーク、オーク・ストリート・ 2680

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 試験試料中の1つ以上のHIV遺伝子型に対する抗体の存在又は量を検出 するためのアッセイであって (a)前記試験試料を、 (i)固相上に付着させた、HIV−2 envを含むポリペプチドである第 1の捕獲試薬、 (ii)固相上に付着させた、HIV−1 envを含むポリペプチドである第 2の捕獲試薬、及び、 (iii)固相上に付着させた、HIV−1 gagを含むポリペプチドである 第3の捕獲試薬 と接触させ、第1の混合物を形成する段階、 (b)前記第1の反応混合物を、 (i)シグナル発生化合物で標識したHIV−2 env抗原を含む第1の指 示薬試薬、 (ii)シグナル発生化合物で標識したHIV−1 env抗原を含む第2の指 示薬試薬、及び (iii)シグナル発生化合物で標識したHIV gag抗原を含む第3の指示 薬試薬 に接触させ、第2の反応混合物を形成する段階、並びに (c)HIV抗体/捕獲試薬/指示薬試薬複合体によって発生される全シグナル を検出することによって、前記試験試料中の前記HIV−1 env抗体、前記 HIV−2 env抗体、及び/又は前記HIV gag抗体の存在を決定する 段階を含む前記アッセイ。 2. 前記第1の指示薬試薬が、HIV−2のgp36の免疫優性領域の免疫反 応特異性特性を有する合成部位特異的HIV env抗原を含む請求項1に記載 のアッセイ。 3. 前記合成HIV抗原の免疫優性領域がHIV−2のgp36のN末端領域 からの約120アミノ酸である請求項2に記載のアッセイ。 4. 前記合成部位特異的HIV−2のenv抗原が、2つのシステインの間で ジスルフィド架橋を形成するように化学的に環化された少なくとも2つのシステ イン残基を含む実質的に純粋なペプチドからなる請求項2に記載のアッセイ。 5. 前記合成部位特異的HIV env抗原が、 から成る群から選択されるペプチドである請求項4に記載のアッセイ。 6. シグナル発生化合物で標識した組換えHIV−2 env抗原を含む指示 薬試薬を更に含み、前記指示薬試薬がアッセイ試験1回当たり約0.014マイ クログラムから約1.4マイクログラムの間で存在する請求項2に記載のアッセ イ。 7. 前記第2の指示薬試薬が、HIV−1のgp41の免疫優性領域の免疫反 応特異性特性を有する合成部位特異的HIV env抗原を含む請求項1に記載 のアッセイ。 8. 前記合成部位特異的HIV−1 env抗原が、2つのシステインの間で ジスルフィド架橋を形成するように化学的に環化された少なくとも2つのシステ イン残基を含む実質的に純粋なペプチドからなる請求項2に記載のアッセイ。 9. 前記合成部位特異的HIV−1が、式 (式中、がArg−Ile−Leu−Ala−Val−Glu−Arg−Ty r−Leu−Lys−Asp又はArg−Ile−Leu−Ala−Val−G lu−Arg−Tyr−Leu−Gln−Asnであり、 がGly又はSerであり、 がIle又はLeuであり、 がSer又はLysであり、 がIle又はValであり、及び、 がThr又はTyrである。) のペプチドである請求項8に記載のアッセイ。 10. 前記合成部位特異的HIV−1が、 から成る群から選択されるペプチドである請求項9に記載のアッセイ。 11. シグナル発生化合物で標識した組換えHIV−1 env抗原を含む指 示薬試薬を更に含み、前記組換えHIV−1抗原がgp120のカルボキシ末端 とgp41の全タンパク質配列とを含む請求項7に記載のアッセイ。 12. 前記第3の指示薬試薬が、HIV−1のp24の免疫 優性領域の免疫反応特異性特性を有する合成又は組換えHIV gag抗原を含 む請求項1に記載のアッセイ。 13. 前記第1の捕獲試薬、前記第2の捕獲試薬および前記第3の捕獲試薬を 少なくとも1つの固相に結合させる請求項1に記載のアッセイ。 14. 前記固相が、磁性ビーズ、非磁性ビーズ、反応トレイの穴、微小粒子、 ナイロンストリップ、及びニトロセルロースストリップから成る群から選択され る請求項13に記載のアッセイ。 15. 前記第1のHIV−1 gp41 env捕獲試薬と、前記第2のHI V−2 gp36 env捕獲試薬、および前記第3のHIV p24 gag 捕獲試薬を、組換え又は合成によって生産する請求項1に記載のアッセイ。 16. 前記HIV抗体指示薬試薬の前記シグナル発生化合物が、酵素、発光化 合物、化学発光化合物、及び放射性元素から成る群から選択される請求項1に記 載のアッセイ。 17. 前記酵素が西洋ワサビペルオキシダーゼである請求項16に記載のアッ セイ。 18. 試験試料中の異なるHIV遺伝子型に対する抗体の存在又は量を同時に 検出するための試験キットであって、 (a)固相に付着させたHIV−1のgp41 env領域の免疫反応特異性 特性を有する少なくとも1つのポリペプチドを含むHIV−1抗原捕獲試薬、 (b)固相に付着させたHIV−2のgp36 env領域の免疫反応特異性 特性を有する少なくとも1つのポリペプチドを含むHIV−2抗原捕獲試薬、 (c)固相に付着させたHIVのp24 env領域の免疫反応特異性特性を 有する少なくとも1つのポリペプチドを含むHIV抗原捕獲試薬、 (d)シグナル発生化合物で標識した合成HIV−2 gp36 env抗原 を含む指示薬試薬、 (e)シグナル発生化合物で標識したHIV−1 gp41 env抗原を含 む指示薬試薬、及び (f)シグナル発生化合物で標識したHIV gag抗原を含む指示薬試薬、 を含む前記試験キット。 19. シグナル発生化合物で標識した組換えHIV−2 env抗原を含む指 示薬試薬を更に含む請求項14に記載の試験キット。
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