JPH10500602A - 装 具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 足を支持するための装具、特に腓骨筋又は腓骨神経の損傷によって麻痺した場合に足を支持するための装具であって、腓腹用副子と足支持部とから成っており、この場合、腓腹用副子（１）と足支持部（８）とが、継手（３）を介して踝の高さで結合されており、継手（３）の回転軸（７）が足の側面に対してほぼ直角であり、継手（３）がばね（５）を有しており、該ばね（５）のばね力がつま先の上向き運動の方向に作用するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】 装具 本発明は、足を支持するための装具、特に腓骨筋又は腓骨神経の損傷によって 麻痺した場合に足を支持するための装具であって、副子と足支持部とから成って いる形式のものに関する。 所定の麻痺の際に、装具（この装具の腓腹用副子と足支持部とは互いに堅固に 不動に結合されているか、又は板ばねを介して互いに結合されている）によって 足を固定することは公知である。このような麻痺は、例えば卒中発作の後遺症に より、特に腓骨筋若しくは腓骨筋を司る腓骨神経が損傷した際に生じる。このよ うな麻痺により、当該人物が足をもはや意識的にコントロールすることができず 、このことにより足は下方に垂れ下がり、この場合内側に捻れる。この捻れは、 内がえし又は回外と呼ばれる。この捻り運動に基づき、歩行時に損傷の危険が生 じる。 足を支持するための装具は、２つの実施形態で知られている。１つの実施形態 では、腓腹用副子が不動に足支持部に結合されている。この場合、足支持部と腓 腹用副子とは、約９０°の角度を成している。このことにより、足は堅固に固定 される。この場合の欠点は、装具が足の内側への捻れを阻止するだけでなく、関 節の上下運動も不可能にすることである。このことにより、歩行が極めて困難に なる。更に、踝が強直する危険が存在する。なぜならば、踝が完全に堅固に固定 されているからである。別の実施形態では、足支持部が、側方の板ばねパッケー ジを介して副子に結合されている。従って足の上下運動はたしかに原理的には可 能であるが、しかし、ばね力とばね行程とを患者の個人的な要求に合わせること ができない。というのは、特記すべき調節可能性が存在しないからである。更に 、はっきりと規定された回転軸が設けられていない。 このようなことから出発して、本発明の課題は、特に腓骨筋又は腓骨神経の障 害によって麻痺した場合に足を支持するための装具を改良して、足の側方への捻 り運動は阻止するが上下運動は可能にし、且つ、つま先の上向き運動の方向で作 用するばね力を患者の個人的な要求に合わせるこができるようにすることである 。 本発明によれば、前記課題は、腓腹用副子と足支持部とが、継手を介して踝の 高さで結合されており、継手の回転軸が足の側面に対してほぼ直角であり、継手 がばねを有しており、該ばねのばね力がつま先の上向き運動の方向に作用するよ うになっていることによって解決される。装具は、次のようにして装着されてい る。即ち、腓腹用副子が腓腹に当て付けられて、且つ継手を介して、靴によって 取り囲まれる足支持部に結 合されている。 麻痺した足の筋肉は緊張させることができないので、足は下方に垂れ下がり、 内方に捻れる。装具は一方では、継手が足の上下運動方向だけに可動であること に基づき、踝の側方捻れを阻止する。このことは、足の側面に直角に位置する回 転軸の位置によって達成される。従って、この回転軸は踝の回転軸線に重なって いる。他方では、下方への垂れは、この動きに抗して作用するばね力によって補 償される。このばね力はこの場合、足の休止位置において足の重さと釣り合いを 保つように調節されている。歩行時には、ばねは前記休止位置から変位させられ る。従って、足を持ち上げると足は再び休止位置への戻り運動を行う。 継手が直接に踝の側方に並んで位置しているので、踝を運動させることができ 、側方への捻り運動だけが阻止される。踝が堅固に固定されていないので、患者 の歩行は著しく容易になる。更に、踝が運動することによって関節強直が阻止さ れる。 有利には、ばねが変位するにつれてばね力は超比例的（ueberproportional） に増大する。このことは、回転運動の運動特性が通常の歩行経過により近いので スムーズな歩行が可能となるという利点を有している。 本発明の有利な構成では、ばねのプレロードが可変である。このことによって 、ばね力を患者の個人的な要求に合わせることができる。従って、例えば子供の ための装具又は大人のための装具は互いに異なるばねを有している必要がなく、 原則的に画一的に製造することができる。しかし当然ながら、互いに異なる強さ のばねを継手に組み込むことも考えられる。 ばねは、有利には渦巻きばねである。この場合、渦巻きの中心点は回転軸上に 位置している。ばねの内側の端部は回転軸に、外側の端部は継手の内壁に、それ ぞれ固定されている。継手の運動とは１つの軸を中心とした回転運動のことなの で、渦巻きばねを用いた構成の解決策が最も簡単である。 有利な構成では、渦巻きばねのプレロードは、渦巻きばねの外端部が数箇所に 固定可能であることによって可変である。このことによって、ばねはより緊定さ せられるか、又はより弛緩させられる。この解決策の利点は、ばねのプレロード を極めて容易且つ単純に変化させることができることにある。 例えば、渦巻きばねの外端部は、半径方向の孔に固定することができる。この 孔は、継手の内壁に設けられている。このことによって、ばねの端部を確実に固 定することのできる箇所が得られる。 別の構成では、ばねはコイルばねであり、このコイルばねのばね力は、ほぼ半 径方向のバーにほぼ接線方向で作用する。バーは、継手の、足支持部に配属され た部分に配属されている。従って、渦巻きばねを備えた装具の場合と同じ方向で 作用するねじりモーメント が得られる。 コイルばねのプレロードは、渦巻きばねとは異なり連続的に変化させることが できる。このことは、ねじがばねの端点を変位させてばね長さを変化させること によって行われる。 コイルばねとコイルばねに配属されたねじとの長さは、ねじがばね内に軸方向 で延びていることによって短縮することができる。ばねのストッパ面としては、 例えばねじ頭が働く。この場合、継手内へのねじのねじ込みは、十分な長さのド ライバによって行うことができる。 本発明の実施例が図面に図示されており、以下に詳しく説明される。図面は、 装具の側面図である。 図面は、腓腹用副子１を示しており、腓腹用副子１は、２つのリベット２を介 して継手３に結合されている。継手３は円形の横断面を備えており、同様に円形 の横断面を備えたキャビティ４を有している。渦巻きばね５はキャビティ４に埋 め込まれており、渦巻きばね５の外端部は、半径方向の４つの孔６のうちの上方 に位置する孔６に固定されている。これらの孔６は、継手３の側壁に加工成形さ れている。４つの半径方向の孔６は、継手３の中心点に対して半径方向に延びて いて、方形の横断面を有しており、それぞれ９０°の角度を成している。継手３ の回転軸７は、一方において渦巻きばね５の内端部と足支持部８とに結合されて いる。継手３の下方にはガイドレール９が位置しており、ガイドレール９は、上 方からは継手３の外壁によって、下方からは継手３に対して同心的な円弧１０に よって、左右からは回転ストッパ面１１によって、それぞれ制限されている。ガ イドレール９内には、円形横断面を備えた円柱体１２が延びており、円柱体１２ は、足支持部８に結合されている。このことによって、足支持部８の回転運動が 、両回転ストッパ面１１の間の円弧１０に制限されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．足を支持するための装具、特に腓骨筋又は腓骨神経の損傷によって麻痺し た場合に足を支持するための装具であって、腓腹用副子と足支持部とから成って いる形式のものにおいて、腓腹用副子（１）と足支持部（８）とが、継手（３） を介して踝の高さで結合されており、継手（３）の回転軸（７）が足の側面に対 してほぼ直角であり、継手（３）がばね（５）を有しており、該ばね（５）のば ね力がつま先の上向き運動の方向に作用するようになっていることを特徴とする 装具。 ２．前記ばね力が、前記ばね（５）が変位するにつれて超比例的に増大するよ うになっている、請求項１記載の装具。 ３．前記ばね（５）のプレロードが可変である、請求項１又は２記載の装具。 ４．前記ばね（５）が渦巻きばねであり、その渦巻きの中心点が回転軸（７） 上に位置している、請求項１から３までのいずれか１項記載の装具。 ５．前記ばね（５）のプレロードが、渦巻きばねの一端が数箇所に固定可能に なっていることによって可変である、請求項３又は４記載の装具。 ６．渦巻きばね（５）の外端部を固定可能な箇所が、継手（３）の内壁に設け られた半径方向の孔（６） である、請求項５記載の装具。 ７．前記ばね（５）がコイルばねであり、該コイルばねのばね力が、回転軸に 対してほぼ接線方向で、半径方向のバーに作用するようになっている、請求項１ から３までのいずれか１項記載の装具。 ８．ばね（５）のプレロードがねじによって可変であり、該ねじによって、ば ね長さがばね力の方向で短縮又は延長可能である、請求項３又は７記載の装具。 ９．前記ねじが前記ばね（５）の内部で軸方向に延びている、請求項８記載の 装具。