JPH1048877A - 静電荷像現像用磁性トナー - Google Patents

静電荷像現像用磁性トナー

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JPH1048877A
JPH1048877A JP21684796A JP21684796A JPH1048877A JP H1048877 A JPH1048877 A JP H1048877A JP 21684796 A JP21684796 A JP 21684796A JP 21684796 A JP21684796 A JP 21684796A JP H1048877 A JPH1048877 A JP H1048877A
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JP
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toner
developing
magnetic toner
magnetic
electrostatic image
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JP21684796A
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Shunji Suzuki
俊次 鈴木
Koichi Tomiyama
晃一 冨山
Nobuyuki Okubo
信之 大久保
Osamu Tamura
修 田村
Yoshihiro Ogawa
吉寛 小川
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電部材、現像剤担持体、現像剤規制部材及
び静電荷像保持体等への悪影響がなく、高品位な画像を
実現し、高い現像性を維持し、カブリの少ない、定着
性、耐オフセット性を高度に満足する静電荷像現像用磁
性トナーを提供することにある。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子
を含有する静電荷像現像用磁性トナーにおいて、該静電
荷像現像用磁性トナーの重量平均径(D4)をX(μ
m)、個数分布から求めた個数基準の3.17μm以下
の個数%をY(%)とした時、下記条件(1),(2) −5X+35 ≦ Y ≦ −25X+180 (1) 3.5 ≦ Y ≦ 6.5 (2) を満たす粒度分布を有しており、該静電荷像現像用磁性
トナーを溶融固化プレートにした時のアイゾット衝撃値
が15kg・cm/cm以下であることを特徴とする静
電荷像現像用磁性トナーに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
印刷法で形成された静電荷像を顕在化するための磁性ト
ナー及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭42−4748号公報等に記載されて
いる如く多数の方法が知られているが、一般には光導電
性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜
像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像を行なって可
視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転
写した後、熱・圧力等により転写材上にトナー画像を定
着して複写物を得るものであり、そして感光体上に転写
せず、残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、
上述の工程が繰り返される。
【0003】近年、電子写真法を用いた機器は、単なる
オリジナル原稿を複写するだけでなく、コンピュータの
出力としてデジタルプリンター或いはグラフィックデザ
イン等の高細密画像のコピー用に使われ始めた。その結
果、プリンター装置の高解像度は、従来240、300
dpiであったものが400、600、1200dpi
となって来ており、更なる高画質、高精細の機器の開発
が望まれている。
【0004】また、オフィス内外でのコンピュータのネ
ットワーク化が進むにつれてコンピュータ及びコンピュ
ータ周辺機器等の稼働に要する電力量が増えつつある。
これを解決する低消費電力の機器の開発が望まれてい
る。
【0005】そのため、より高い信頼性が厳しく追及さ
れて来ており、それに伴い要求される性能はより高度に
なり、トナーを含めた画像形成方法及び電力消費量低減
方法等の性能向上が達成できなければ、より優れた機械
が成り立たなくなって来ている。
【0006】ところで、高画質、高精細を実現する上で
細線再現性、階調性の優れたトナーが望まれており、そ
れに伴いより微細なトナーが要求されている。
【0007】トナー製造方法には種々の方法があるが、
主流なのは粉砕法である。この方法は磁性粒子、荷電制
御剤、可塑剤等を結着樹脂に溶融、混練によって分散
し、冷却後これを機械的に粉砕し、分級、外添してトナ
ーを得る方法である。
【0008】粉砕法トナーでは製造に要する電気エネル
ギーが膨大なので、採算を考慮するとトナー重量規準平
均径(以下、平均径と略す)は10μm乃至7μm程度
にしかならない。
【0009】採算を度外視して7μm以下のトナーを製
造しようとしても、粉砕時のトナー粒度分布がブロード
となり、所望の粒径を得るには分級工程への負担が大き
過ぎる問題がある。また、強制的にトナーを粉砕するた
め、過粉砕になり、分級で除去しずらい超微粉が発生
し、また、トナー界面からトナー構成材料、例えば磁性
酸化鉄等が遊離するので、微粒子化しても充分な性能を
発揮するトナーが得られない。また、7μm以下のトナ
ーでは、トナー表面積が増加し、トナー粒子間の静電気
力が大きくなり、それに伴い凝集性が高くなるので、ト
ナーの流動性が悪化し、カブリ抑制が悪くなる傾向があ
る。
【0010】粉砕法でより微細なトナーを製造するため
に様々な検討が行われている。
【0011】例えば、特開昭61−184555号公報
では、トナー用樹脂のメルトインデックス、ガラス転移
点、アイゾット衝撃値を規定することで溶融混練性、粉
砕性に優れたトナーを得ている。だが、トナーを微細化
することで高画質を達成できたとしても、トナー用樹脂
のメルトインデックス値が小さいので低温定着を達成す
ることは困難である。
【0012】また、特開平4−73660号公報、特開
平4−73661号公報では、トナー用樹脂のアイゾッ
ト衝撃値を規定することで微細なトナー製造を行ってい
る。しかしながら、この方法では、トナー又は結着樹脂
の熱特性を規定していない為、場合によっては装置トナ
ー融着等の問題が生じる。また、トナーの粒度を規定し
ていても粒度分布を規定していない為、カブリ等の現像
特性が悪化する場合がある。
【0013】このように高画質、低温定着をも考慮した
トナー微細化技術は未だ充分ではない。
【0014】一方、現像剤(トナー)性能改良のために
多くの検討が行われている。
【0015】例えば、高解像度・高精細画像を達成する
ために粒径の小さいトナーが、特開平1−112253
号公報、特開平1−191156号公報、特開平2−2
14156号公報、特開平2−284158号公報、特
開平3−181952号公報、特開平4−162048
号公報等で提案されている。
【0016】しかしトナーの粒径を小さくすることによ
って高解像度・高精細画像を出力することが可能になる
一方で、磁性トナーでは以下のような問題が生じやす
い。
【0017】一般的に磁性トナーには磁性酸化鉄が磁性
体として使用されており、磁性酸化鉄は結着樹脂などの
トナー原材料と、例えば溶融混練などの方法により混合
分散される。しかし、磁性酸化鉄のような無機物と有機
物である結着樹脂と強固に密着させることは難しい。
【0018】トナー粒子の表面には露出している磁性酸
化鉄があり、この磁性酸化鉄表面と結着樹脂との密着力
が弱いと磁性酸化鉄がトナー粒子表面から脱離し易く、
遊離状態の磁性酸化鉄が多くなる。遊離状態の磁性酸化
鉄は、粒径がトナーに比較して著しく小さく付着力が強
いため転写材に転写されずに感光体上に残りやすく、上
記のような接触帯電部材と感光体との接触部において接
触帯電部材に付着して汚染し、帯電不良などの原因とな
る場合がある。また、トナー粒子の粒径を小さくするこ
とでトナー粒子の表面積が増え、遊離状態の磁性酸化鉄
が、より発生しやすくなる。
【0019】一方、トナー粒子の粒径を小さくすること
で現像剤の流動性が悪くなり、カブリと呼ばれる非画像
部へのトナー現像などが起こりやすくなることが知られ
ている。
【0020】これらを解決するためにトナー粒径・粒度
分布、トナー構成材料の各々の相溶性、物理的混合性の
良い材料を選択することがトナー設計に必要であるが、
未だ充分でない。
【0021】一方、耐オフセット性や定着性の向上を目
的としてトナーの紙への密着性等の制御が検討されてい
るが、未だ不充分である。
【0022】このように、トナーの性能改良は未だ不充
分であり、多くの改良すべき点を有している。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を大幅に改良し、細線再現性、階調
性に優れ、高解像度・高精細な画像の出力を可能とする
静電荷像現像用磁性トナーを提供することにある。
【0024】更に、本発明の目的は現像剤担持体、感光
体、クリーニング部材等を傷つけない静電荷像現像用磁
性トナーを提供することにある。
【0025】更に、本発明の目的は、流動性に優れ、カ
ブリの少ない静電荷像現像用磁性トナーを提供すること
にある。
【0026】更に、本発明の目的は、定着性、耐オフセ
ット性について高い性能を示す静電荷像現像用磁性トナ
ーを提供することにある。
【0027】更に、本発明の目的はトナー製造時の溶融
混練性、粉砕性に優れ、安定な生産性を示す静電荷像現
像用磁性トナーを提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の各
種問題点を解決し、上述の本発明の目的にかなう静電荷
像現像用磁性トナーを開発すべく鋭意検討する過程で下
記の発明に至った。
【0029】すなわち、本発明は、少なくとも結着樹脂
及び磁性酸化鉄粒子を含有する静電荷像現像用磁性トナ
ーにおいて、該静電荷像現像用磁性トナーの重量平均径
(D4)をX(μm)、個数分布から求めた個数基準の
3.17μm以下の個数%をY(%)とした時、下記条
件(1),(2) −5X+35 ≦ Y ≦ −25X+180 (1) 3.5 ≦ Y ≦ 6.5 (2) を満たす粒度分布を有しており、該静電荷像現像用磁性
トナーを溶融固化プレートにした時のアイゾット衝撃値
が15kg・cm/cm以下であることを特徴とする静
電荷像現像用磁性トナーに関する。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明者らは、本発明にかかる現
像剤が本発明の効果を発揮する理由を下記のように考え
ている。
【0031】本発明にかかるトナーの重量平均径
(D4)と個数規準の3.17μm以下の個数%を規定
することで、トナー粒度分布がシャープとなり、トナー
比表面積が大きいため、トナー帯電量分布のバラツキが
少なくなるだけでなく、トナー帯電量が大きくなると推
察している。このことは、精細性、解像度、画像濃度の
向上及びカブリの低減に寄与すると考える。
【0032】また、トナーを溶融固化した時のアイゾッ
ト衝撃値を規定することで、トナーの機械的強度を制御
できると考えている。
【0033】この規定範囲にあるトナーは現像担持体、
感光体、クリーニング部材等を傷つける程硬くなくい。
【0034】また、この規定範囲にあるトナーは粉砕に
要するエネルギーが少なくて済み、強制的に粉砕するの
に対して粉砕時の粒度分布がシャープになるので生産性
が向上する。また、過粉砕による超微粉がほとんど発生
しないので、超微粉に由来するカブリを抑制できる。ま
た、粉砕時に磁性酸化鉄等がほとんど遊離しないので、
遊離磁性酸化鉄に由来する現像剤担持体、感光体、クリ
ーニング部材等への悪影響がない。
【0035】また、トナーの重量平均径(D4)と個数
規準の3.17μm以下の個数%、アイゾット衝撃値を
規定することで、定着性、耐オフセット性の優れたトナ
ーを得ることが可能となった。すなわち、トナーを微粒
子化していくと紙上でのトナー充填状態がより密にな
り、定着時に紙の繊維に付着しやすく、且つ15kg・
cm/cm以下のアイゾット衝撃値を有するトナーは押
しつぶされ易く、定着器から圧力を受けた時に紙に密着
し易いので、定着性が向上すると考えている。
【0036】一方、紙に密着し易いトナーは定着すれば
紙から剥離されにくいので、本発明のトナーにおいては
耐オフセット性が向上すると考えている。
【0037】更に本発明に関し詳しく説明する。
【0038】該静電荷像現像用磁性トナーの重量平均径
(D4)をX(μm)、個数分布から求めた個数基準の
3.17μm以下の個数%をY(%)とした時、下記条
件(1),(2) −5X+35 ≦ Y ≦ −25X+180 (1) 3.5 ≦ Y ≦ 6.5 (2) を満たす図1に示す粒度分布を有するものであり、粒径
3.17μm以下のトナー粒子の割合(Y)について
は、好ましくは下記条件(3) −5X+35 ≦ Y ≦ −12.5X+98.75 (3) を満たすことが良く、トナーの重量平均径(X)につい
ては、好ましくは下記条件(4) 4.0 ≦ Y ≦ 6.3 (4) を満たすことが良い。
【0039】式(1)及び式(2)の範囲になる図1に
示す粒度分布は、現在、一般に用いられているトナーの
粒度分布に比べて、重量平均径がかなり小さく、かつ微
粉トナー量もかなり多い領域である。
【0040】本発明においては、トナー全体の粒度分布
を微粉トナーの領域に近付けることにより、トナー全体
の帯電性及び鏡映力を微粉トナーのそれに近付けること
でトナー粒子全体の帯電性を従来になかった特別な状態
にすることで細線再現性、階調性の優れたトナーを得る
ことが可能となった。
【0041】トナー中の微粉量(3.17μm以下)Y
(%)が−5X+35より少ない場合は、トナーが充分
な帯電性を持てないため細線再現性、階調性が劣る。−
25X+180より多い場合は、カブリ抑制等が悪化す
る。
【0042】また、重量平均径(D4)X(μm)が
3.5μm未満の場合は十分な画像濃度が得られ難い。
6.5μmより大きい場合は、ドラム上の小さな潜像に
対してトナーが大きくなるため高画質を達成しずらくな
る。
【0043】更に、本発明のトナーは、トナーの重量平
均径(D4)をX(μm)、個数分布から求めた個数基
準の2.52μm以下の個数%をZ(%)とした時、下
記条件(5) −7.5X+45 ≦ Z ≦ −12X+82 (5) を満足することが好ましい。
【0044】上記式(5)を満足することでハーフトー
ン画像の現像性が高まる理由は以下の通りであると考え
られる。
【0045】ハーフトーン画像はアナログ潜像の場合に
は、現像コントラストが小さく、粒径の大きなトリボ電
荷量の低いトナーは現像され難く、デジタル潜像の場合
は、潜像のドットが微小な孤立ドットであり、粒径の大
きなトリボ電荷量の低いトナーは現像され難く、いずれ
の場合もハーフトーン画像の現像性が低い。
【0046】それ故、粒径が2.52μm以下の超微粉
トナーは、粒径が小さく、かつトリボ電荷量が高いた
め、大きい粒径のトナーが現像しにくいハーフトーン画
像を現像する能力が高いと考えられる。
【0047】粒径2.52μm以下のトナー粒子の割合
Z(%)が−7.5X+45より少ない場合は、ハーフ
トーン画像に対するトナーの現像性が低下し、粒径2.
52μm以下のトナー粒子の割合Z(%)が−12X+
82を超える場合には、カブリや画像濃度の低下が生じ
易くなる。
【0048】本発明のトナーの粒度分布の測定はコール
ターカウンターTA―IIあるいはコールターマルチサ
イザー(コールター社製)を用い、電解液は1級塩化ナ
トリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。電解
液としては、例えば、ISOTON R―II(コール
ターサイエンティフィックジャパン社製)が使用でき
る。測定法としては、前記電解水溶液100〜150m
l中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベ
ンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定
試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超
音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装
置によリアパーチャーとして100μmアパーチャーを
用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体
積分布と個数分布とを算出した。
【0049】それから、本発明に係る体積分布から求め
た重量規準の重量平均径(D4:各チャンネルの中央値
をチャンネル毎の代表値とする)、個数分布から求めた
個数規準の3.17μm以下及び2.52μm以下のそ
れぞれの割合を求めた。
【0050】本発明に用いるトナーは、タップ密度から
求めたトナーの空隙率0.45乃至0.70を有してい
ることが好ましい。
【0051】空隙率=(真密度−タップ密度)/真密度
【0052】トナーのタップ時の空隙率が0.45未満
の場合には画像濃度が低くなり、0.70を超える場合
には、トナー担持体上のトナーコート層が不均一な状態
になり、画像の均一性が低下する。
【0053】本発明においてトナーの真密度は以下のよ
うにして測定する。トナー1gをIR測定用錠剤成形器
にいれ、約1.96MPa(200kgf/cm2)の
圧力で1分間加圧し成形する。このサンプルの体積及び
重量を測定し真密度を求める。
【0054】本発明においてトナーのタップ密度の測定
にはホソカワミクロン(株)製のパウダーテスターを用
い、該パウダーテスターに付属している容器を使用し
て、該パウダーテスターの取扱説明書の手順に従って測
定した値を言う。
【0055】また、該静電荷像現像用磁性トナーを溶融
固化プレートにした時のアイゾット衝撃値が15kg・
cm/cm以下であることが良く、好ましくは0.3k
g・cm/cm乃至10kg・cm/cmであることが
好ましい。
【0056】アイゾット衝撃値が15kg・cm/cm
より大きいとトナーの機械的強度が大きくなり、現像剤
担持体、感光体、クリーニング部材等を傷つけ画像に悪
影響を及ぼすだけでなく、粉砕性が悪化し、所望の微粉
砕トナーが得られなくなる。
【0057】本発明におけるトナーのアイゾット衝撃値
は以下の測定方法によって求められた値である。すなわ
ち、トナーを溶融して1号試験片の形状とし、圧縮成形
にて試料を作製し、これをJIS規格K−7110(硬
質プラスチックの衝撃試験方法)に準じて測定した。
【0058】一方、トナーのアイゾット衝撃値が熱をか
けていない測定結果であるのに対して、メルトインデッ
クス値(MI125)は熱をかけた時の測定結果であるた
め、熱の影響下でのトナー特性に着目することでより高
性能トナーを設計できると考えた。
【0059】それ故、本発明に用いる静電荷像現像用ト
ナーのメルトインデックスMI125(125℃,10K
g荷重)が15g/10min乃至80g/10min
であることが好ましい。
【0060】トナーのMI125値が15g/10min
より小さいと低温定着を達成することが困難となる。ま
た、80g/10minより大きいとトナー製造装置へ
のトナー融着が生じるだけでなく、耐オフセット性が悪
化する。
【0061】本発明のMI125値の測定方法は、JIS
規格K−7210のA法にのっとって行われる。但し、
測定条件は、温度125℃,荷重10Kgである。
【0062】また、トナーのアイゾット衝撃値、メルト
インデックスMI125に加え、トナーのTgを規定する
ことで更に高性能トナーを設計できると考えた。
【0063】それ故、本発明に用いる静電荷像現像用ト
ナーのガラス転移点(Tg)は40℃乃至65℃である
ことが好ましい。トナーのTgが40℃より小さいと耐
オフセット性が悪化し、65℃より大きいと定着性が悪
化する。
【0064】本発明においてトナーのTgは、示差熱分
析測定装置(DSC測定装置)、DSC−7(パーキン
エルマー社製)を用いて求めた。
【0065】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、レ
ファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲
30℃〜200℃の間で、昇温速度10℃/min.で
常湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度30℃〜1
00℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得ら
れる。このときの吸熱ピークが出る前と出た後のベース
ラインの中間点の線と示差熱曲線との交点とした。
【0066】一方、本発明に用いる磁性酸化鉄粒子の個
数平均粒径は0.05μm以上0.30μm以下であ
り、該磁性酸化鉄粒子の0.10μm以上0.20μm
以下の累積個数%が60%以上であることが好ましい。
【0067】磁性酸化鉄粒子の個数平均径及び累積個数
%が上述の範囲にないと6.5μm以下の微細トナー中
における磁性酸化鉄粒子個数が減少し、また、微粉砕時
に磁性酸化鉄粒子が脱着し易くなり、充分な帯電性が得
られない。
【0068】本発明における磁性酸化鉄粒子の平均径及
び累積個数%は、走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過
型走査電子顕微鏡(TEM)の観察で得られ粒径を統計
処理して求められる。または、コールターカウンターT
A−II型あるいはコールターマルチサイザー(コール
ター社製)のような汎用の粉体粒子径測定機器を用いて
も良い。
【0069】また、本発明の磁性トナーに用いる磁性酸
化鉄粒子は、結着樹脂100重量部に対して20重量部
乃至200重量部を用いることが好ましい。更に好まし
くは30重量部乃至150重量部を用いることが良い。
【0070】本発明に係る磁性酸化鉄粒子は、例えば下
記方法で製造される。
【0071】第一鉄塩化水溶液に所定量のケイ酸化合物
を添加した後に、鉄成分に対して当量または当量以上の
水酸化ナトリウムの如きアルカリを加え、水酸化第一鉄
を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH
7以上(好ましくはpH8〜10)に維持しながら空気
を吹き込み、水溶液を70℃以上に加湿しながら水酸化
第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄粒子の芯となる種
晶をまず生成する。
【0072】次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に
加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第
一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6〜10に維持
しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応をす
すめ、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。酸
化反応がすすむにつれて液のpHは酸性側に移行してい
くが、液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反
応の終期に液のpHを調整することにより、磁性酸化鉄
粒子の表層及び表面にケイ酸化合物を所定量偏在させる
ことが好ましい。
【0073】添加に用いるケイ酸化合物は、市販のケイ
酸ソーダ等のケイ酸塩類、加水分解等で生じるゾル状ケ
イ酸等のケイ酸が例示される。尚、本発明に悪影響を与
えない限り硫酸アルミ、アルミナ等のその他添加剤を加
えても良い。
【0074】第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン
製造に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生す
る硫酸鉄の利用が可能であり、更に塩化鉄等が可能であ
る。
【0075】水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法は、
一般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと及び硫酸鉄の溶解
度から鉄濃度0.5mol/リットル〜2mol/リッ
トルが用いられる。硫酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品
の粒度が細かくなる傾向を有する。また、反応に際して
は、空気量が多いほど、そして反応温度が低いほど微粒
化しやすい。
【0076】本発明では、上述の製造方法により製造さ
れる磁性酸化鉄粒子を磁性トナーに用いることが好まし
い。
【0077】本発明では必要に応じて現像剤中にワック
スを含有していることが好ましい。用いられるワックス
としては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイク
ロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャー
トロプシュワックス及びその誘導体、カルナバワックス
及びその誘導体、及びポリオレフィンワックス及びその
誘導体等であり、誘導体には、酸化物やビニル系モノマ
ーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
【0078】これらのワックスは結着樹脂100重量部
に対し、0.5重量部以上20重量部以下で用いられる
ことが好ましい。
【0079】本発明の磁性トナーが負の摩擦帯電性の場
合、荷電制御剤として、サリチル酸金属塩、アルキルサ
リチル酸金属塩、ジアルキルサリチル酸金属塩、ナフト
エ酸金属塩の如き有機金属錯塩;モノアゾ染料の如き染
料;モノアゾ染料の金属錯塩の如きモノアゾ染料誘導体
を含有していることが好ましい。
【0080】染料系化合物の負荷電制御剤としては、例
えば次に示した一般式(I)で示される。
【0081】
【化1】 特に、本発明に使用できる荷電制御剤でより効果的なも
のとして、
【0082】
【化2】 で示されるモノアゾ系鉄錯体塩を挙げることができる。
【0083】また、負荷電制御剤として例えば次に示し
た一般式(III)で示される塩基性有機金属錯体も用
いることができる。
【0084】
【化3】 特に、本発明に使用できる荷電制御剤でより効果的なも
のとして、
【0085】
【化4】 で示されるナフトエ酸鉄錯体も挙げることができる。
【0086】また、本発明の磁性トナーが正の摩擦帯電
性の場合、荷電制御剤として、ニグロシン及び脂肪酸金
属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム
−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩,テトラ
ブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級
アンモニウム酸、及びこれらの類似体であるホスホニウ
ム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料,トリフェ
ニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤と
しては、りんタングステン酸,りんモリブデン酸,りん
タングステンモリブデン酸,タンニン酸,ラウリン酸,
没食子酸,フェリシアン化物,フェロシアン化物な
ど),高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド,
ジオクチルスズオキサイド,ジシクロヘキシルスズオキ
サイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズ
ボレート,ジオクチルスズボレート,ジシクロヘキシル
スズボレートなどのジオルガノスズボレート類;グアニ
ジン化合物,イミダゾール化合物などが挙げられ、これ
らを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができ
る。これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウ
ンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好
ましく用いられる。また一般式(1)
【0087】
【化5】 [R1はH,CH3を示す。R2,R3は置換または未置換
のアルキル基(好ましくは、C1〜C4)を示す。]で示
されるモノマーの単重合体:前述したスチレン,アクリ
ル酸エステル,メタクリル酸エステルの如き重合性モノ
マーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることが
できる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹脂(の
全部または一部)としての作用をも有する。
【0088】上記荷電制御剤の含有量はトナーの結着樹
脂100重量部に対し0.1〜5重量部が好ましく、特
に0.2〜3重量部が好ましい。荷電制御剤の割合が過
大の場合にはトナーの流動性が悪化し、カブリが生じや
すく、一方、過小の場合は充分な帯電量が得られにく
い。
【0089】本発明のトナーに使用される結着樹脂の種
類としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどの
スチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピ
レン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、ス
チレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重
合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン
−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸
ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタアクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル
共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、
スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合
体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレ
ン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニル
メチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体
などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シ
リコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、アクリロニ
トリル系共重合体、変性ロジン、テンペル樹脂、フェノ
ール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系
石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワックスなど
が単独或いは混合して使用できる。この中でも、スチレ
ン系共重合体、特にスチレン−アクリル系共重合体及び
それらの混合物が現像特性、定着性等の点で好ましい。
【0090】また、本発明の静電荷像現像用磁性トナー
には、環境安定性,帯電安定性,現像性,流動性,保存
性向上のため、無機微粉体または疎水性無機微粉体が混
合されることが好ましい。例えば、シリカ微粉末、酸化
チタン微粉末又はそれらの疎水化物が挙げられる。それ
らは、単独あるいは併用して用いることが好ましい。
【0091】シリカ微粉体はケイ素ハロゲン化合物の蒸
気相酸化により生成されたいわゆる乾式法またはヒュー
ムドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から
製造されるいわゆる湿式シリカの両方が使用可能である
が、表面及び内部にあるシラノール基が少なく、またN
2O,SO 3 2-等の製造残渣のない乾式シリカの方が
好ましい。乾式シリカにおいては、製造工程において例
えば、塩化アルミニウム,塩化チタン等、他の金属ハロ
ゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによ
って、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ること
も可能でありそれらも包含する。
【0092】さらにシリカ微粉体は疎水化処理されてい
るものが好ましい。疎水化処理するには、シリカ微粉体
と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物などで化
学的に処理することによって付与される。好ましい方法
としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生
成された乾式シリカ微粉体をシランカップリング剤で処
理した後、あるいはシランカップリング剤で処理すると
同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物で処理
する方法が挙げられる。
【0093】疎水化処理に使用されるシランカップリン
グ剤としては、例えばジメチルジクロルシラン、トリメ
チルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ヘキ
サメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、
ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラ
ン、ジメチルビニルクロルシラン等を挙げることができ
る。
【0094】上記シリカ微粉体のシランカップリング剤
処理は、シリカ微粉体を撹拌等によりグラウンド状とし
たものに気化したシランカップリング剤を反応させる乾
燥処理、又は、シリカを溶媒中に分散させたシランカッ
プリング剤を滴下反応させる湿式法等、一般に知られた
方法で処理することができる。
【0095】有機ケイ素化合物としては、シリコーンオ
イルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとして
は、25℃における粘度がおよそ30〜1,000セン
チストークスのものが用いられ、例えばジメチルシリコ
ーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メ
チルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシ
リコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が好ま
しい。
【0096】シリコーンオイル処理の方法は、例えばシ
ランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコ
ーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて
直接混合しても良いし、ベースとなるシリカへシリコー
ンオイルを噴射する方法によっても良い。あるいは適当
な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた
後、ベースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して
作製しても良い。
【0097】本発明の静電荷像現像用磁性トナーには、
必要に応じてシリカ微粉体又は酸化チタン微粉体以外の
外部添加剤を添加してもよい。
【0098】例えばテフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリ
弗化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリ弗化ビニリデン
が好ましい。或いは酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン
酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタン酸ストロン
チウムが好ましい。或いは例えば酸化チタン、酸化アル
ミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎水性のものが
好ましい。ケーキング防止剤、或いは例えばカーボンブ
ラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ等の導電
性付与剤、また逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現
像性向上剤として少量用いることもできる。
【0099】トナーと混合される樹脂微粒子または無機
微粉体または疎水性無機微粉体等は、磁性トナー100
重量部に対して0.1〜5重量部(好ましくは、0.1
〜3重量部)使用するのが良い。
【0100】本発明で用いられる着色剤は、従来公知の
カーボンブラック、銅フタロシアニンの如き顔料又は染
料などが用いられる。また、上記磁性材料が着色剤であ
っても何ら差しつかいない。
【0101】また、本発明の磁性トナーを二成分現像剤
として使用する場合には、キャリアとして、鉄粉、フェ
ライト粉、マグネタイト粉、ガラスビーズ等のノンコー
トキャリアやスチレン−アクリルレジン、シリコーンレ
ジン、フッ素変性アクリルレジン等をコーティングした
キャリア又は造粒キャリア等を使用することができる。
【0102】本発明の静電荷像現像用磁性トナーは、ト
ナー構成材料をボールミルの如き混合機により充分混合
してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如
き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し、冷却固化後
粉砕、及び厳密な分級を行うことにより生成することが
できる。
【0103】
【実施例】以上本発明の基本的な構成と特色について述
べたが、以下実施例に基づいて具体的に本発明について
説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の
態様がなんら限定されるものではない。実施例中の部数
は重量部である。
【0104】(アクリロニトリル−ブタジエン樹脂Aの
合成)蒸留塔、撹拌機、温度計を備えた反応容器に、ア
クリロニトリル200部、ブタジエン160部、オレイ
ン酸ナトリウム5部、過硫酸カリウム1部、蒸留水20
0部を投入した。次に、撹拌しながら窒素ガスを容器内
に導入して30分間窒素置換を行った後40℃に昇温さ
せた。24時間保持して重合を完了し、メタノール洗浄
後、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂Aを得た。
【0105】(スチレン系樹脂Bの合成)蒸留塔、撹拌
機、温度計を備えた反応容器に、キシレン300部を投
入した。次に、撹拌しながら窒素ガスを容器内に導入し
て30分間窒素置換を行った後昇温させ、還流させた。
【0106】この還流下、窒素ガスを流しながら、スチ
レン90部、アクリル酸−n−ブチル10部、マレイン
酸モノブチル0.35部を加え撹拌する。次にキシレン
10部に溶解したジ−tert−ブチルパーオキサイド
2部の溶液を1時間かけて滴下した。5時間保持して重
合を完了し、スチレン系(スチレンアクリル)樹脂Bを
得た。
【0107】(ポリエステル系樹脂Cの合成)蒸留塔、
撹拌機、温度計を備えた反応容器に、セバシン酸100
0部とヘキサメチレングリコール650部とを入れ、次
に、撹拌しながら窒素ガスを容器内に導入して30分間
窒素置換を行った後昇温させた。留出した水の量が15
0mlに達した時に反応を停止させ、反応系を室温に冷
却してポリエステル系樹脂C(トナー用結着樹脂B−
4)を得た。
【0108】(エポキシ系樹脂Dの合成)蒸留塔、撹拌
機、温度計を備えた反応容器に、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量179g/当量)2400
部、ビスフェノールA 700部、キシレン 300部
を投入した。次に、撹拌しながら窒素ガスを容器内に導
入して30分間窒素置換を行った後120℃迄昇温させ
た。
【0109】窒素ガスを流しながら、キシレン30部に
溶解したトリフェニルホスフィン0.5部の溶液を1時
間かけて滴下した。
【0110】キシレンを減圧蒸留で留去しながら150
℃まで昇温し、同温度、窒素ガス雰囲気下で7時間保持
して重合を完了し、エポキシ系樹脂D(トナー用結着樹
脂B−5)を得た。
【0111】(トナー用結着樹脂B−1〜B−3の調
合)表1に示す所定量の樹脂をボールミルに入れ、充分
に混合してトナー用結着樹脂B−1〜B−3を得た。
【0112】(トナー用結着樹脂B−4〜B−7)表1
に示す通り、トナー用結着樹脂C、D、E、Fを、他の
結着樹脂と混合しないでトナー用結着樹脂B−4〜B−
7として用いた。
【0113】なお、ポリプロピレン樹脂E及びフェノー
ル樹脂Fに関しては市販の結着樹脂を用いた。
【0114】
【表1】
【0115】(磁性酸化鉄粒子の製造例1)硫酸第一鉄
水溶液中に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が1.5
%となるようにケイ酸ソーダを添加した後、鉄イオンに
対してl.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液を混合し、
水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
【0116】水溶液のpHをpH7〜10(例えばpH
9)に維持しながら空気を吹き込み、80〜90℃で酸
化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製し
た。
【0117】次いで、このスラリー液に当初のアルカリ
量(ケイ酸ソーダのナトリウム成分及び苛性ソーダのナ
トリウム成分)に対し0.9〜1.2当量となるよう硫
酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液のpH6〜10
(例えばpH8)に維持して、空気を吹き込みながら酸
化反応をすすめ、酸化反応の終期にpHを調整し、磁性
酸化鉄粒子表面にケイ酸成分を偏在させた。生成した磁
性酸化鉄粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥し、次いで
凝集している粒子を解砕処理し、表1に示すような特性
を有する磁性酸化鉄粒子M−1を得た。
【0118】磁性酸化鉄粒子M−1は、個数平均粒径
0.16μm、0.10μm〜0.20μmの累積個数
73%であった。
【0119】(磁性酸化鉄粒子の製造例2)製造例1で
個数平均粒径0.39μm、0.10μm〜0.20μ
mの累積個数3%となるようにpHを調整した以外は、
製造例1と同様にして磁性酸化鉄粒子M−2を得た。
【0120】[実施例1] ・トナー用結着樹脂(表1:B−1) 100部 ・磁性酸化鉄粒子(M−1) 90部 ・ポリプロピレン 2部 ・荷電制御剤(化式II) 1部
【0121】上記混合物を100℃に加熱された二軸エ
クストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマ
ーミルで祖粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し
た。その際、被微粉砕物の粉砕性を粉砕物の粒度分布及
び粉砕フィード量、トナー融着の有無等から粉砕性を総
合的に判断した。粉砕性評価結果を表2に示す。
【0122】得られた微粉砕を固定壁型風力分級機で分
級して分級粉を生成した。さらに、得られた分級粉をコ
アンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エ
ルボジェット分級機)で超微粉及び粗粉を同時に厳密に
分級除去して重量平均径(D4)が5.5μm、個数基
準の3.17μm以下の個数%が19.5%、2.52
μm以下の個数%が4.4%の負帯電性トナー粒子を得
た(空隙率=0.51、アイゾット衝撃値=3.2kg
・cm/cm、MI125=32g/10min、Tg=
60℃)。
【0123】上記トナー粒子100部とオイル処理シリ
カ1.3部を加えて、ヘンシェルミキサーで混合して表
2に示した磁性トナーを得た。
【0124】[実施例2〜5並びに比較例1〜2]結着
樹脂、磁性体、可塑剤、荷電制御剤を変えた以外は、実
施例1と同様の方法により、表2に示した実施例2〜
5、比較例1〜2の磁性トナーを得た。
【0125】
【表2】
【0126】次に、この調製された磁性トナーを以下に
示すような方法によって評価した。
【0127】電子写真装置としては、図2に示したよう
に感光体3への帯電が帯電ローラー11による市販のキ
ヤノン製LBP−A309GIIを、1.5倍のプリン
ト速度(24枚/1分:A4)に改良して用いた。カー
トリッジはキヤノン製EP−Bカートリッジをトナー補
給可能な構造に改造し、現像剤を補給しながら高温高湿
環境下(32.5℃,90RH%)又は低温低湿環境下
(10.0℃,15RH%)で連続3万枚にわたりプリ
ントアウト試験を行い、被検トナーが現像剤担持体、感
光体、クリーニングブレード、帯電ローラー等を傷つけ
ていないかを目視で確認した。また、得られた画像につ
いて下記の項目を評価した。
【0128】(1)画像品位 シャープ性:約2mm角の「電」の文字をプリントアウ
トし、光学顕微鏡観察により「電」の文字周辺のトナー
飛散等の文字のシャープ性のレベルを評価した。 ○:文字周辺トナー飛散がほとんどなく、シャープであ
る △:トナー飛散がやや多い ×:トナー飛散が多い ドット再現性:独立した1ドットのパターンをプリント
アウトし、1ドットの再現性を光学顕微鏡観察によって
評価した。 ○:ドットを忠実に再現している △:像に乱れが多少ある ×:像に乱れが多く、再現性が悪い
【0129】(2)画像濃度 通常の複写用普通紙(75g/m2 )に2万枚プリント
アウト終了時の画像濃度維持により評価した。なお、画
像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用
いて、原稿濃度が0.00白地部分のプリントアウト画
像に対する相対濃度を測定した。
【0130】(3)カブリ リフレクトメータ(東京電色(株)製)により測定した
転写紙の白色度と、ベタ白をプリント後の転写紙の白色
度との比較からカブリを算出した。
【0131】(4)定着性 定着性は50g/cm2の荷重をかけ、柔和な薄紙によ
り定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率
(%)で評価した。 ◎(優) :5%未満 ○(良) :5%以上、10%未満 △(やや良):10%以上、20%未満 ×(悪) :20%以上
【0132】(5)耐オフセット性 耐オフセット性は、画像面積率約5%のサンプル画像を
プリントアウトし、2万枚後の画像上に汚れの程度によ
り評価した。 ◎:非常に良好(未発生) ○:良好 (ほとんど発生せず) △:やや良好 ×:悪い
【0133】以上(1)〜(5)の評価結果を表3に示
した。
【0134】
【表3】
【0135】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の静電荷
像現像用磁性トナーを用いることにより、細線再現性、
階調性に優れ、高画質、高い現像性を維持し、カブリの
少ない、定着性、耐オフセット性を高度に満足した静電
荷像現像用磁性トナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】式(1)及び式(2)の粒度分布範囲を示すグ
ラフである。
【図2】本発明の実施例に用いた画像形成装置の概念的
説明図である。
【符号の説明】
1 現像装置 2 現像剤容器 3 潜像担持体(感光体) 4 転写手段 5 レーザー光またはアナログ光 6 現像剤担持体(現像スリーブ) 7 クリーニングブレード 8 規制ブレード 11 帯電手段(帯電ローラー) 12 バイアス印加手段 13 現像剤 14 クリーニング手段 15 磁界発生手段 20 加熱体 21 定着ローラー 22 加圧ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 修 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小川 吉寛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子
    を含有する静電荷像現像用磁性トナーにおいて、 該静電荷像現像用磁性トナーの重量平均径(D4)をX
    (μm)、個数分布から求めた個数基準の3.17μm
    以下の個数%をY(%)とした時、下記条件(1),
    (2) −5X+35 ≦ Y ≦ −25X+180 (1) 3.5 ≦ Y ≦ 6.5 (2) を満たす粒度分布を有しており、 該静電荷像現像用磁性トナーを溶融固化プレートにした
    時のアイゾット衝撃値が15kg・cm/cm以下であ
    ることを特徴とする静電荷像現像用磁性トナー。
  2. 【請求項2】 該静電荷像現像用磁性トナーは、下記条
    件(3) −5X+35 ≦ Y ≦ −12.5X+98.75 (3) を満たす粒度分布を有することを特徴とする請求項lに
    記載の静電荷像現像用磁性トナー。
  3. 【請求項3】 該静電荷像現像用磁性トナーは、下記条
    件(4) 4.0 ≦ Y ≦ 6.3 (4) を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の静電
    荷像現像用磁性トナー。
  4. 【請求項4】 該静電荷像現像用磁性トナーの重量平均
    径(D4)をX(μm)個数分布から求めた個数基準の
    2.52μm以下の個数%をZ(%)とした時、下記条
    件(5) −7.5X+45 ≦ Z ≦ −12X+82 (5) を満たす粒度分布を有することを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載の静電荷像現像用磁性トナー。
  5. 【請求項5】 該静電荷像現像用磁性トナーは、タップ
    密度から求めたトナーの空隙率0.45乃至0.7を有
    していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに
    記載の静電荷像現像用磁性トナー。
  6. 【請求項6】 該静電荷像現像用磁性トナーを溶融固化
    プレートにした時のアイゾット衝撃値が0.3kg・c
    m/cm乃至10kg・cm/cmであることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれかに記載の静電荷像現像用
    磁性トナー。
  7. 【請求項7】 該静電荷像現像用磁性トナーのメルトイ
    ンデックスMI125(125℃,10kg荷重)が15
    g/10min乃至80g/10minであることを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の静電荷像現
    像用磁性トナー。
  8. 【請求項8】 該静電荷像現像用磁性トナーのガラス転
    移点(Tg)が40℃乃至65℃であることを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用磁
    性トナー。
  9. 【請求項9】 該磁性酸化鉄粒子の個数平均径が0.0
    5μm乃至0.30μmであり、該磁性酸化鉄粒子の
    0.10μm乃至0.20μmの累積個数%が60%以
    上であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに
    記載の静電荷像現像用磁性トナー。
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Cited By (4)

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