JPH1047379A - シンクロナイザーリング - Google Patents

シンクロナイザーリング

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JPH1047379A
JPH1047379A JP8267181A JP26718196A JPH1047379A JP H1047379 A JPH1047379 A JP H1047379A JP 8267181 A JP8267181 A JP 8267181A JP 26718196 A JP26718196 A JP 26718196A JP H1047379 A JPH1047379 A JP H1047379A
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Japan
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weight
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inner peripheral
free
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JP8267181A
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Takao Omiya
隆雄 大宮
Kunihiro Iguchi
邦浩 井口
Tetsuo Masuyama
哲男 増山
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Nippon Piston Ring Co Ltd
Original Assignee
Nippon Piston Ring Co Ltd
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C33/00Making ferrous alloys
    • C22C33/02Making ferrous alloys by powder metallurgy
    • C22C33/0257Making ferrous alloys by powder metallurgy characterised by the range of the alloying elements
    • C22C33/0278Making ferrous alloys by powder metallurgy characterised by the range of the alloying elements with at least one alloying element having a minimum content above 5%

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた摩擦特性、耐スカッフィング性および
充分な耐摩耗性を有しているとともに強度不足を生じる
ことがなく、かつ加工が容易であり、しかも品質の安定
したシンクロナイザーリングを提供する。 【解決手段】 回転する相手部材との同期摺動および相
手部材からの離脱を行うシンクロナイザーリングであっ
て、炭素成分Cを1.2重量%以上2.0重量%以下の
割合で含有するとともに、銅成分Cuを15.0超重量
%以上25.0重量%以下の割合で含有し、残部がFe
と不可避不純物からなり、かつ基地組織中に遊離Cu相
が析出しているFe系焼結合金を用いて形成したシンク
ロナイザーリングである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシンクロナイザーリ
ングに関し、特に耐スカッフィング性が高く、優れた摩
擦特性および充分な耐摩耗性・耐久性を有し、しかも加
工が容易であるとともに品質の安定したシンクロナイザ
ーリングに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば同期噛合い式歯車変速機におい
ては、従来よりシンクロナイザーリングが用いられてい
る。
【0003】このシンクロイナイザーリングは、回転す
る相手部材、たとえばテーパーコーンとの同期摺動およ
び該テーパーコーンからの離脱を行う摩擦環であり、互
いに噛み合わせる二つの歯車の周速を等速とするのに重
要な動きをする。そして、その構造としては、図1に示
すように、相手部材と噛み合う多数の歯形100が最外
周部に所定間隔で設けられているとともに、テーパーコ
ーンと接触する内周面101には摩擦力付与のためのリ
ング状条溝102が設けられ、潤滑油を逃がすための縦
溝103がリング状条溝102に直交するように必要に
応じて形成され、さらに外周面にはシンクロナイザーキ
ーが嵌合するキー溝104が設けられたものなどが知ら
れており、形成材料には一般に黄銅(Cu−Zn合金)
が用いられていた。
【0004】たとえばこのような構造に形成されるシン
クロナイザーリングにおいては、一般に、機械的強度お
よび精度が高いことはもとより、相手部材と接触する内
周面の摩擦特性が優れていると共に充分な耐摩耗性、耐
スカッフィング性を有していることが要求される。特に
自動車用変速機の分野においては、近年におけるミッシ
ョンの高級化、高性能化に伴って確実な作動性はもとよ
り操作感にも高級感やスポーティー感が求められること
から内周面の摩擦特性および耐摩耗性がさらに向上して
いるシンクロナイザーリングが望まれている。
【0005】そこで、黄銅(Cu−Zn合金)を形成材
料とする従来のシンクロナイザーリングに比較して内周
面の摩擦特性および耐摩耗性の向上を図ったシンクロナ
イザーリングが種々検討されている。
【0006】具体的には、金属とセラミックスと酸化物
とが均一に混合され、かつ互いに融着された層が溶射法
により内周面に形成されているシンクロナイザーリング
(特公昭46−15043号公報参照)が知られてい
る。また、シンクロナイザーリングの製造に利用可能な
方法として、例えば金属成分粉末80重量%と非金属成
分粉末20重量%とを含有する焼結粉体からなる摩擦ラ
イニングを火炎噴射法により内周面に形成する摩擦リン
グの製造方法(***特許第3705661号)も知られ
ている。
【0007】さらに、基地組織にベイナイトおよびパー
ライトと遊離Cu相を含むFe系焼結合金からなるシン
クロナイザーリングも検討されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属と
セラミックスと酸化物とが均一に混合され、かつ互いに
融着された層が溶射法により内周面に形成されたものや
金属成分粉末80重量%と非金属成分粉末20重量%と
を含有する焼結粉体からなる摩擦ライニングを火炎噴射
法により内周面に形成する摩擦リングの製造方法を採用
して得られたもの等の従来のシンクロナイザーリングに
おいては、未だ必要とする摩擦特性および耐摩耗性が得
られるまでには至っていない。また、各金属成分の拡散
不足により強度が不足したり、溶射皮膜の材質のばらつ
きにより品質が不安定になったりするという問題もあっ
た。さらに、溶射膜の表層に、しばしば、フレーム中の
不完全溶融粒子あるいは飛散・はね反り粒子等の巻き込
みが生じることがあり、これらの粒子の付着は表面を粗
くするため、摩擦特性が経時的に変化し易くなったり、
付着した粒子の脱落によりミッション系各部の摩耗を招
いたり、さらにはスカッフィングが発生し易くなったり
するという問題もあった。一方、溶射膜の表面粗度を小
さくすることを目的として溶射膜の表面に研削加工や切
削加工を施すことも行われていたが、このような研削あ
るいは切削を行うと、加工費がかさみ、また研削あるい
は切削による取代分に原材料の無駄が生じるという欠点
があった。
【0009】さらに、基地組織にベイナイトおよびパー
ライトと遊離Cu相を含むFe系焼結合金からなるシン
クロナイザーリングにおいては、ベイナイトを含むため
硬さがHRB90以上程度と大きく、サイジング加工がや
りにくいという欠点があるとともに、動摩擦係数の向上
に未だ改善の余地がある。
【0010】本発明は上記の事情に基づいてなされたも
のであり、本発明は、特に耐スカッフィング性が高く、
優れた摩擦特性および充分な耐摩耗性を有しているとと
もに強度不足を生じることがなく、かつサイジング加工
が容易であり、しかも品質の安定したシンクロナイザー
リングを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、回転する相手部材との同期摺動および相
手部材からの離脱を行うものであってFe系焼結合金か
らなるシンクロナイザーリングにおいて、該Fe系焼結
合金が、 C:1.2重量%以上2.0重量%以下 Cu:15.0超重量%25.0重量%以下 を含有し、残部がFeと不可避不純物からなり、かつ基
地組織中に遊離Cu相が析出している構成とし、また、
上記のシンクロナイザーリングにおいて、少なくとも、
回転する相手部材との同期摺動および相手部材からの離
脱を行う内周面に水蒸気処理あるいはさらにブラスト処
理が施されている構成とし、さらに必要に応じてこれら
のシンクロナイザーリングにおいて、前記Fe系焼結合
金の空孔率が2〜12容量%である構成とした。
【0012】本発明のシンクロナイザーリングは、炭素
成分Cを1.2重量%以上2.0重量%以下の割合で含
有するとともに、銅成分Cuを15.0超重量%25.
0重量%以下の割合で含有し、残部がFeと不可避不純
物からなり、かつ基地組織中に遊離Cu相が析出してい
るFe系焼結合金により形成されている。そして、この
Fe系焼結合金の基地組織は微細パーライトであり、こ
の微細パーライト組織中に遊離Cu相が析出している。
したがって、例えばCr、Mo等の耐摩耗性を向上させ
る作用を有する元素を含有しなくても良好な耐摩耗性を
発揮する。また、基地組織中にベイナイトを含まないた
め、このようなFe系焼結合金からなるシンクロナイザ
ーリングはサイジング加工が容易である。さらに、微細
パーライト組織と遊離Cu相との相乗効果により摩擦特
性が安定したものとなり、0.13以上の高μ(動摩擦
係数)が得られる。したがって、このようなFe系焼結
合金からなるシンクロナイザーリングは摩擦係数が向上
したものとなる。また、このようなFe系焼結合金から
なるシンクロナイザーリングは耐スカッフィング性が向
上したものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のシンクロナイザー
リングの材料であるFe系焼結合金の成分組成等につい
て詳述する。
【0014】(a)炭素成分:C 本発明のシンクロナイザーリングを構成するFe系焼結
合金において、炭素成分Cの含有割合は1.2重量%以
上2.0重量%以下である。ここで、炭素成分Cは強度
および耐摩耗性を向上させる作用を有する。この炭素成
分Cの含有割合が1.2重量%未満であると、フェライ
トが析出して強度不足を招くことがあるとともに、セメ
ンタイトが析出しないので微細パーライト組織が得られ
ず、耐摩耗性の向上が充分ではないことがある。一方、
炭素成分Cの含有割合が2.0重量%を超えると、液相
が生じ易くなって寸法精度が低下することがあるととも
に相手攻撃性が増大する傾向になる。
【0015】(b)銅成分:Cu 本発明のシンクロナイザーリングを構成するFe系焼結
合金において、銅成分Cuの含有割合は15.0超重量
%25.0重量%以下である。ここで、銅成分Cuはパ
ーライト基地組織中に遊離Cu相を析出して動摩擦力を
向上させる作用を有する。このような作用を有する銅成
分Cuは、その融点以上の温度でCuを鉄粉に拡散浸透
させ、流出孔を残し基地に固溶されるが、銅成分Cuの
αFe中への固溶限は約8重量%であるので、銅成分C
uの含有割合が8重量%未満であると、遊離Cu相が析
出されないことがある。それゆえ、銅成分の含有割合は
8重量%以上でなければならないが、この含有割合が1
5.0重量%以下であると、耐スカッフィング性の向上
が十分ではないことがある。したがって、本発明のシン
クロナイザーリングを構成するFe系焼結合金において
は、銅成分Cuの含有割合の下限を15.0超重量%と
する。一方、銅成分Cuの含有割合を大きくすると、耐
スカッフィング性は向上するものの引張強度、靭性等の
機械的特性が低下する。したがって、耐スカッフィング
性を向上させるためには銅成分Cuの含有割合を大きく
するとともに、得られるFe系焼結合金の密度を大きく
して引張強度、靭性等の機械的特性の低下を防止する必
要があるが、銅成分Cuの含有割合が25重量%を超え
ると、得られるFe系焼結合金の密度を大きくしても引
張強度の低下を防止することができない。したがって、
本発明のシンクロナイザーリングを構成するFe系焼結
合金においては、銅成分Cuの含有割合の上限を25.
0重量%とする。なお、微細パーライト基地組織に遊離
Cu相を析出させるためには、必要に応じてCu系合金
を配合してもよい。そのようなCu系合金としては、例
えばCu−Zn、Cu−Sn等が挙げられる。
【0016】(c)その他 水蒸気処理 シンクロナイザーリングにおいて、特に相手部材である
テーパーコーンと接触する内周面には摩擦力を付与する
必要があり、さらに耐摩耗性を兼ね備えていなければな
らない。ここで、前記Fe系焼結合金からなる本発明の
シンクロナイザーリングの内周面には微細な凹凸と、無
数の空孔とが存在し、その表面粗さは8〜15μmRz
である。これに対し、この内周面に550 ℃〜600 ℃で3
0〜90分間の水蒸気処理を施すと、表面凹凸部に内径
1μm程度の無数の空孔を持つFe3 4 皮膜が形成さ
れ、その表面粗さは20〜25μmRz 程度になり、ま
た硬度はHv 500程度になる。
【0017】このように、シンクロナイザーリングの内
周面に水蒸気処理を施すと、表面粗さが増加するため、
内周面における相手部材との接触面に形成される油膜は
薄くなる。その結果、境界潤滑(金属接触)状態が生じ
易く、かつその状態が維持されるので、摩擦係数が高く
なる。 ブラスト処理 シンクロナイザーリングの内周面に水蒸気処理とともに
ブラスト処理を施すと、油膜は切れ易くなり、かつ油を
排除する通路も確保されることになるので、内周面と相
手部材とは容易に境界潤滑状態となる。また、内周面を
ブラスト処理することにより、内周面表層の凸部先端が
弾性変形を起こし易くなり、その結果、内周面と相手部
材外周面との間の真実接触面積が増大し、内周面と相手
部材との間の摩擦力をさらに高めることができる。 空孔率 前述の通り、シンクロナイザーリングにおいては、特に
相手部材であるテーパーコーンと接触する内周面に摩擦
力を付与する必要があり、さらに耐摩耗性を兼ね備えて
いなければならない。ここで、耐摩耗性の点からは空孔
率が小さい方が良く、摩擦特性の点からは空孔率が大き
い方が良い。かかる観点から本発明のシンクロナイザー
リングにおいて、少なくとも内周面の空孔率は2容量%
〜12容量%の範囲であることが好ましい。この空孔率
が2容量%未満であると、相手部材であるテーパーコー
ンと接触する内周面の摩擦力が十分ではないことがあ
る。一方、空孔率が12容量%を超えると、シンクロナ
イザーリングの強度が低下する傾向が生じるとともに耐
摩耗性も低下する傾向が生じる。なお、空孔率をこの範
囲とするためには、通常は粒度が150メッシュ以下で
ある黒鉛粉末、Cu粉末およびFe粉末を所定の割合で
配合し、通常の条件で混合した後、4.5〜6.5ton/
cm2 程度の圧力で加圧して圧粉体とし、この圧粉体を1
000〜1200℃程度の温度で焼結して焼結体とすれ
ばよい。 遊離Cu相の面積率 本発明のシンクロナイザーリングにおいて、微細パーラ
イト基地組織中に析出する遊離Cu相の面積率は、通
常、6〜12面積%である。この面積率が6面積%未満
であると、相手部材であるテーパーコーンと接触する内
周面の動摩擦力が十分ではないことがある。一方、この
面積率が12面積%を超えると、そのようなシンクロナ
イザーリングは強度、靭性等が低下する傾向が生じる。
なお、遊離Cu相が上記の範囲にあるシンクロナイザー
リングの動摩擦係数は、通常、0.130〜0.149
である。 密度 本発明のシンクロナイザーリングを形成するFe系焼結
合金の密度は、通常、7.0〜7.3g/cm3 である。こ
の密度が7.0g/cm3 未満であると、銅成分Cuの含有
割合の増大に伴う引張強度や靭性等の機械特性の低下を
防止することができないことがある。一方、密度を7.
3g/cm3 より大きくしても、もはや銅成分Cuの含有割
合の増大に伴う引張強度や靭性等の機械特性の低下を防
止することができないことがある。
【0018】
【実施例】次に、実施例および比較例を示して本発明に
ついてさらに具体的に説明する。 実施例1 原料粉末として、いずれも粒度が150メッシュ以下で
ある黒鉛粉末、Cu粉末およびFe粉末を用意し、これ
らの原料粉末を表1に示す配合割合にて通常の条件で混
合して混合粉末とした。次いで、この混合粉末を圧力6
ton/cm2 の条件で圧粉体にプレス成形した。その後、こ
の圧粉体をアンモニア分解ガス中、1000〜1200
℃の範囲内の温度で80分間保持して焼結することによ
り、実質的に配合組成と同一の成分をもった焼結体から
なるシンクロナイザーリング用試験片を得た。
【0019】この試験片の硬さ(サイジングし易さ)、
摩擦特性、摩耗量、スカッフ発生面圧および引張強度に
ついて、それぞれ次のようにして評価した。結果を表1
に示す。
【0020】
【表1】 硬さ:マイクロビッカースで測定した。 摩擦特性、摩耗量:図2に示すような円筒−円筒平面接
触式滑り摩擦試験機を使用して下記の条件で摩擦係数お
よび摩耗量を測定した。
【0021】押付荷重:25kgf,80kgf 滑り速度:1m/秒 使用潤滑油:SAE75w−90 油温:90℃ 給油方法:浸漬 使用相手材:SCM420浸炭焼入れ焼戻し 〔表面硬さHv(0.1)600〕 スカッフ発生面圧:図2に示す滑り摩耗試験機を使用し
て下記の条件でスカッフ発生面圧を測定した。
【0022】滑り速度:4m/秒 押付加重:100N/分の増加率にて加圧してスカッフ
発生まで押付加圧 引張強度:アムスラー万能材料試験機を用いてJPMA
M06−19922号試験片にて引張強度を測定し
た。
【0023】なお、図2に示した円筒−円筒平面接触式
滑り摩擦試験機において、10は回転軸、11は相手
材、11aは相手材摺動面、12は焼結材試験片、12
aは試験片摺動面、13は固定軸である。実施例2,3 前記実施例1において、原料粉末の配合組成を表1に示
す割合に変えたほかは、前記実施例1と同様にして焼結
体からなるシンクロナイザーリング用試験片を作成し、
この試験片について硬さ(サイジングし易さ)、摩擦特
性、摩耗量、スカッフ発生面圧および引張強度を評価し
た。結果を表1に示す。実施例4 前記実施例1と同様にして焼結体を製造し、この焼結体
に550℃、30分間の条件で水蒸気処理を施してシン
クロナイザーリング用試験片を作成した。この試験片に
ついて、前記実施例1と同様にしてスカッフ発生面圧を
測定した。その結果、スカッフ発生面圧は85kgf/
cm2 であった。実施例5 前記実施例1と同様にして焼結体を製造し、この焼結体
に550℃、30分間の条件で水蒸気処理を施してから
ブラスト処理を行ってシンクロナイザーリング用試験片
を作成した。この試験片について、前記実施例1と同様
にしてスカッフ発生面圧を測定した。その結果、スカッ
フ発生面圧は78kgf/cm2 であった。比較例1 前記実施例1において、原料粉末の配合組成を表1に示
す割合に変えたほかは、前記実施例1と同様にして焼結
体からなるシンクロナイザーリング用試験片を作成し、
この試験片について、前記実施例1と同様にして硬さ
(サイジングし易さ)、摩擦特性、摩耗量、スカッフ発
生面圧および引張強度を評価した。結果を表1に示す。結果の検討 表1から明らかなように、実施例1、実施例2および実
施例3のシンクロナイザーリング用試験片では、押付荷
重25kgf(ゆっくりと同期化)の場合および押付荷
重80kgf(早く同期化)の場合で動摩擦係数が安定
しているとともにスカッフ発生面圧が高いが、比較例1
のシンクロナイザーリング用試験片では、押付荷重25
kgf(ゆっくりと同期化)の場合の動摩擦係数は押付
荷重80kgf(早く同期化)の場合の動摩擦係数の
0.123/0.117であり、同期性能が不安定であ
るとともにスカッフ発生面圧が実施例1および実施例2
のシンクロナイザーリング用試験片に比べて低い。
【0024】また、実施例4はスカッフ発生面圧が実施
例1、2、3のいずれに比較しても更に高く、また実施
例5はスカッフ発生面圧も十分な水準にある。すなわ
ち、実施例1乃至実施例5のシンクロナイザーリング用
試験片は、いずれも比較例1のシンクロナイザーリング
用試験片に比べてスカッフ発生面圧が高いことから十分
な耐スカッフィング性を有している。
【0025】なお、Cuの含有率が15.5重量%の場
合は遊離Cuの面積率は6〜10面積%であり、Cuの
含有率が20重量%の場合は遊離Cuの面積率は8〜1
0面積%であり、Cuの含有率が25重量%の場合は遊
離Cuの面積率は10〜12面積%であった。基地組織
は微細パーライトに遊離Cu相が析出した状態であり、
この遊離Cu相は硬度が軟らかく、パーライト部の基地
硬さが200〜300であるのに対し、遊離Cu相の硬
さは120〜160であり、軟質材としての遊離Cu相
が摩擦特性を安定化することが明らかとなった。また、
この遊離Cu相の析出により、本発明のシンクロナイザ
ーリングはサイジング加工が容易であることが推測され
る。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、以上の構成としたの
で、優れた耐スカッフィング性をそなえているとともに
摩擦特性が安定しており、相手コーンとの同期性および
離脱性が優れ、また溶射膜の研削加工や切削加工が不要
であるとともにサイジング加工が容易であり、しかも品
質の安定したシンクロナイザーリングを提供することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】シンクロナイザーリングの一例を示す斜視図で
ある。
【図2】実施例で使用した円筒−円筒平面接触式滑り摩
擦試験機の概要を示す説明図である。
【符号の説明】
100…歯形 101…内周面 102…リング状条溝 103…縦溝 104…キー溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する相手部材との同期摺動および相
    手部材からの離脱を行うものであってFe系焼結合金か
    らなるシンクロナイザーリングにおいて、該Fe系焼結
    合金が、 C:1.2重量%以上2.0重量%以下 Cu:15.0超重量%25.0重量%以下 を含有し、残部がFeと不可避不純物からなり、かつ基
    地組織中に遊離Cu相が析出していることを特徴とする
    シンクロナイザーリング。
  2. 【請求項2】 少なくとも、回転する相手部材との同期
    摺動および相手部材からの離脱を行う内周面に水蒸気処
    理が施されている請求項1記載のシンクロナイザーリン
    グ。
  3. 【請求項3】 少なくとも、回転する相手部材との同期
    摺動および相手部材からの離脱を行う内周面に水蒸気処
    理およびブラスト処理が施されている請求項1記載のシ
    ンクロナイザーリング。
  4. 【請求項4】 前記Fe系焼結合金の空孔率が2〜12
    容量%である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
    シンクロナイザーリング。
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