JPH1047009A - 軸流流体機械用翼列 - Google Patents

軸流流体機械用翼列

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JPH1047009A
JPH1047009A JP20843796A JP20843796A JPH1047009A JP H1047009 A JPH1047009 A JP H1047009A JP 20843796 A JP20843796 A JP 20843796A JP 20843796 A JP20843796 A JP 20843796A JP H1047009 A JPH1047009 A JP H1047009A
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groove
blade
cascade
side wall
axial flow
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JP20843796A
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Shigeki Senoo
茂樹 妹尾
Yoshio Kano
芳雄 鹿野
Yoshiaki Yamazaki
義昭 山崎
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】翼本体の形状を変えることなく、二次流れによ
る損失を容易にかつ大きく低減することができ、延いて
は軸流流体機械の性能を向上させることができる軸流流
体機械用翼列を提供する。 【解決手段】車室内に配置された外輪と内輪を備え、こ
の内輪と外輪との間に複数の翼が並置され、この翼間を
作動流体が流通するように形成されている軸流流体機械
用翼列において、前記外輪の翼側壁面もしくは内輪の翼
側壁面で、かつ翼の前縁部分に、翼前縁に沿う溝30を
設けるとともに、この溝内を車室内の負圧部に連通する
ように形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軸流流体機械用翼列
の改良に係わり、特に内輪と外輪との間に周方向に複数
の翼が並置され、この翼間を作動流体が流通するように
形成されている軸流流体機械用翼列の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来一般に採用されている蒸気タービン
またはガスタービンなどの軸流流体機械用翼列の間流れ
において、主流の流れにより作り出される圧力場と、側
壁または翼面上などの壁面上で形成される境界層との干
渉により生じる二次流れによる損失が、軸流流体機械用
翼列のエネルギー損失に占める割合は非常に大きく、軸
流流体機械の性能低下の大きな原因の一つである。
【0003】これまで、前記二次流れによる損失は、軸
流流体機械の設計上では特に考慮されないのが普通であ
るが、考慮されたとしても、例えば特開昭63−212
704号公報に開示されているように、翼を高さ方向に
傾けたりあるいは翼自体にひねり(ねじり)をいれるこ
とで翼の高さ方向の負荷を変化させ、二次流れによる損
失を低減するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、翼自体を高さ
方向に傾けたりひねりをいれることで、翼の高さ方向の
負荷を変化させる方法は、二次流れによる損失をある程
度低減することは可能であるが、翼本体の形状を変形さ
せること自体にも特性上限界があり、大きな損失低減を
図ることは困難である。
【0005】また、この翼の高さ方向の傾け方、ひねり
方は、軸流流体機械によって、さらには翼間を流れる流
体の状態によって異なり、最適な翼の高さ方向の傾け
方、ねじり方を知ることは非常に難しいことである。こ
のようなことから、これまでに、前記二次流れによる損
失を容易に、かつ大きく低減させることは非常に困難な
こととされてきた。
【0006】本発明はこれに鑑みなされたもので、その
目的とするところは、翼本体の形状を変えることなく、
すなわち構造簡単にして二次流れによる損失を容易に、
かつ大きく低減することができ、延いては軸流流体機械
の性能を向上させることができるこの種の軸流流体機械
用翼列を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は次の原理に基づ
きなされたものである。すなわち、蒸気タービンまたは
ガスタービンなどの軸流流体機械は、車室に固定されて
いる静翼列と、ローター側に植え付けられている動翼列
から構成されているわけであるが、この静翼列と動翼列
を構成する翼は、それぞれ両端部に、支持部もしくはシ
ュラウドなどにより形成される側壁(外輪、内輪)を有
しており、そしてこの側壁上には境界層と呼ばれる低エ
ネルギー領域が形成される。そのような壁に沿った境界
層を有する流れが前記翼に衝突すると、流れは三次元的
にはく離し、その衝突部の前記側壁と前記翼との接合部
近傍に、馬てい形渦と呼ばれる二次流れ渦が発生する。
【0008】また、前記翼列翼間の、前記側壁上に形成
される境界層内の流体は、前記翼列翼間に形成される前
記翼の圧力面側から負圧面側に向かう圧力勾配のため
に、主流の流れ方向に対し圧力面側から負圧面側に傾い
て流れる。前記馬てい形渦は、この側壁近傍の主流の流
れ方向に対し傾いた低エネルギー流体と干渉し、さらに
大きく複雑な二次流れ渦に成長する。
【0009】また前記翼間の側壁境界層中の翼圧力面か
ら負圧面に向かう流れにより、側壁上の低エネルギー流
体が翼負圧面側に集められ新たなパッセージボルテック
スと呼ばれる二次流れに成長する。これらの二次流れは
互いに干渉し軸流流体機械用翼列のエネルギー損失を増
加させ、軸流流体機械の性能低下の大きな要因となるの
である。
【0010】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、翼列を次のように形成するようにしたものであ
る。すなわち、車室内に外輪と内輪を備え、この内輪と
外輪との間に複数の翼が並置され、この翼間を作動流体
が流通するように形成されている軸流流体機械用翼列に
おいて、前記外輪の翼側壁面もしくは内輪の翼側壁面
で、かつ翼の前縁部分に、翼前縁に沿う溝を設けるとと
もに、この溝内を車室内の負圧部に連通するように形成
し所期の目的を達成するようにしたものである。
【0011】また、この場合、前記溝内と車室内の負圧
部との連通を、前記溝が設けられている輪の壁面に設け
られた溝,あるいは輪の内部を貫通して設けられた孔で
連通するようにしたものである。この場合、この連通溝
を、負圧側に向かうにしたがいその断面が縮小する形状
に形成するようにしたものである。また、前記翼の前縁
部の側壁上に設けられる溝の溝幅を、溝を設けない場合
に前記側壁に発生するはく離渦の半径の1.6倍から
2.4倍の範囲に設けるようにしたものである。
【0012】また、前記軸流流体機械用翼列の側壁上に
設けた溝の溝幅を、溝を設けない場合に前記側壁に発生
するはく離渦の半径の1.6倍から2.4倍程度にする
とともに、前縁付近以外での溝幅を前縁付近の溝幅以下
とし、溝深さを翼前縁付近では前記はく離渦の半径の
2.4から4.0倍程度とし、前縁付近以外での溝深さ
は前縁付近の溝深さ以下としたものである。また、前記
溝の翼側壁面を、翼の前縁壁面で形成するとともに、こ
の壁面を、溝の側壁高さより僅かに高い位置から、溝の
底面にかけて流れ方向にへこんだ形状に形成するように
したものである。
【0013】すなわちこのように形成された軸流流体機
械用翼列であると、前記外輪の翼側壁面もしくは内輪の
翼側壁面で、かつ翼の前縁部分に、翼前縁に沿う溝が設
けられ、かつこの溝内が車室内の負圧部に連通するよう
に形成されていることから、軸流流体機械用翼列に流入
してくる翼列側壁上の境界層が、翼前縁の上流側で三次
元的にはく離することにより形成される三次元的な渦
を、前記溝の中で形成させ、前記三次元渦を翼間流れと
干渉しなくすることにより、翼列翼間流れのエネルギー
損失を低減し、軸流流体機械の性能を向上させることが
でき、すなわち側壁近傍の翼前縁で形成される三次元は
く離渦は、側壁上に設けた溝内に流れ込み、溝内で急速
に減衰するために、翼間で大きな損失の原因となる二次
流れ渦に成長することが抑制され、また、主流の圧力勾
配により圧力面側から負圧面方向に流される側壁上の低
エネルギー流体も前記溝内に流れ込むため、負圧面上で
蓄積し二次流れ渦に成長することが抑制され、したがっ
てこのような構成であると、翼本体の形状を変えること
なく、二次流れによる損失を容易にかつ大きく低減する
ことができるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下図示した実施例に基づいて本
発明を詳細に説明する。図2にはその軸流流体機械の翼
列,この場合は蒸気タービンの段落の場合が断面で示さ
れている。7が車室であり、6がローターである。蒸気
タービンまたはガスタービンのタービン段落は、静翼列
1と動翼列2とから構成されている。蒸気あるいはガス
などの流体は図中左側から右側(矢印8の方向)へ流通
する。
【0015】静翼列1は、外周側がダイヤフラム外輪3
を介して車室7に固定されており、内周側はダイヤフラ
ム内輪4に固定されている。また動翼列2は内周側がロ
ーター6に固定されており、外周側には、動翼列2の振
動と動翼先端部の漏れ流れを抑制する目的のためシュラ
ウド5が設けられている。このような構造を有する軸流
流体機械用翼列では、前記静翼列とダイヤフラム外輪3
との接合部3a、もしくは前記静翼列とダイヤフラム内
輪4との接合部4a、もしくは前記動翼列とシュラウド
5との接合部5a、もしくは前記動翼列とローター6と
の接合部6aは、図3に示す側壁4a上に翼1が固定さ
れている構造を形成する。
【0016】図3は側壁4a上に翼1が固定されている
翼列構造の一部を取り出したもので、その流れ場の様子
もあわせて示してある。手前の翼は実際には存在するが
説明の都合上側壁面上の形状のみ示してある。図3の流
れ場について説明する。翼列に流入する流れ8の一部は
翼前縁に衝突し、圧力の高い部分が生じる。そのため前
記流れが衝突する部分近傍で、流れ方向に圧力が上昇す
るため、流れ方向に圧力が上昇する逆圧力勾配領域が形
成される。一方、側壁4a近傍では、側壁4aによる粘
性効果により、境界層12と呼ばれる主流に比べてエネ
ルギーの低い領域が形成される。この境界層は、慣性力
が弱いために前記圧力勾配のために三次元的にはく離
し、前記流れが衝突する部分近傍にはく離渦13を形成
する。前記渦13の回転方向は、境界層内の渦と同じ方
向であり、翼負圧面側から見たときに時計回りである。
一方、翼列翼間の前記側壁4a上に形成される境界層中
の流体は、前記翼列翼間に主流により形成される前記翼
の圧力面側から負圧面側に向かう圧力勾配のために、主
流の流れ方向に対し圧力面側から負圧面側に傾く流れ1
6となる。前記渦13は主流により翼間を流下する過程
において、前記流れ16と干渉し、複雑な二次流れ渦1
4、15などに成長する。また前記翼間の側壁境界層中
の翼圧力面から負圧面に向かう流れ16により、側壁上
の低エネルギー流体が翼負圧面側に集められ新たな二次
流れに成長する。これらの二次流れは互いに干渉し翼列
翼間流れのエネルギー損失発生の大きな要因となり、軸
流流体機械の性能を低下させる。
【0017】本実施例は、前記二次流れ渦の翼間流れに
対する影響を低減させることにより、翼列のエネルギー
損失を減少させ、軸流流体機械の性能を向上する軸流流
体機械用翼列に関するものである。
【0018】図1に本実施例による軸流流体機械用翼列
を示す。本実施例は軸流流体機械用翼列1の側壁4aに
おいて、翼列と側壁が接する部分に、翼列を取り囲み、
かつ後縁部から主流の流出方向に延びる溝30を設けた
ことを特徴とする。前記溝30の側壁面に平行方向の幅
30wは翼1の前縁付近では、前記側壁4a上に前記溝
30を設けない場合に発生する前記はく離渦の半径以上
とし、前縁付近以外では溝幅30wは、前縁付近溝幅以
下とする。ここで前縁近傍とは、流入流れが翼面に衝突
し、圧力面側と負圧面側に分岐する、淀み点、もしくは
その淀み点よりなるアタッチメントラインの形成される
可能性のある部分のことである。但し溝幅30wは大き
すぎると、溝30を流れる流量が増え、翼間流量が減少
し全体として損失が大きくなるため、前縁付近溝幅は、
はく離渦の半径の1.6倍から2.4倍程度が良い。ま
た、溝30の翼面に平行な方向の深さは翼前縁付近では
前記はく離渦の半径の2.4から4.0倍程度とし、ま
た前縁付近以外での溝深さは、前縁付近の溝深さ以下と
する。基準となるはく離渦の大きさは、煙などによる流
れの可視化、もしくは側壁4a上の流れをオイルフロー
により可視化することなどにより容易に知ることができ
る。
【0019】図4、図5は、翼列前縁付近を周方向に垂
直な断面で切り、その断面での流れを示したもので、図
4が、溝を設けないもの、図5が溝を設けた本実施例の
ものである。溝30を設けることによる効果を、図4、
図5を用いて説明する。溝を設けない場合、流れが翼に
衝突することにより形成された逆圧力勾配に対し、側壁
上の境界層が翼前縁上流部のはく離点17ではく離し、
翼前縁上流部にはく離渦が形成される。それに対し、前
記溝30を設けたものでははく離点は溝の角17a、も
しくはそのわずか上流の位置となる。その点よりはく離
した流れは、自分自身の誘起速度により主流の存在する
上方より、溝内に入るために、溝30内で渦13aを形
成する。さらに、翼列出入口の圧力差により渦13aは
流下していくが、3方を壁で囲まれた狭い溝の中を流下
するために、急速に減衰し強い渦度を持たない低速流体
として、翼後縁後方の溝出口から流出する。
【0020】図6は、翼列を外周側から見たものであ
る。図6により、溝30を設けたことによって、翼間境
界層の低エネルギー流体が、翼列負圧面側の溝30に流
れ込み、翼間中で新たな二次流れが形成されない、もし
くは生成される二次流れを非常に弱いものとすることが
できる。
【0021】図7は、翼列1出口後方の総圧の等値線を
示す。図の数値は翼列入口の総圧で無次元化した総圧で
値が小さいほどエネルギー損失は大きいことを意味す
る。(a)が従来構造のもの、(b)が本実施例のもの
である。従来構造のものは負圧面側の側壁近傍で二次流
れ渦のために総圧の低いところ、つまりエネルギー損失
の大きいところが現れる。一方、本実施例では前記溝を
設けたことにより二次流れが小さくなり、翼間の総圧の
低い領域は従来構造のものに較べ小さく抑えられること
ができる。
【0022】ここで示したように、本実施例で示した溝
を設けることで、溝のないときには翼間流れと干渉し大
きな損失を生み出した渦13を、溝30により翼間流れ
に影響を与えず減衰させ、かつ翼間側壁境界層の翼負圧
面への集積による二次流れの生成を抑制することがで
き、さらにその個々の効果に加え、二次流れ渦の相互干
渉による複雑な成長も抑制できることにより、翼列流れ
の二次流れによるエネルギー損失を大幅に減少させ、軸
流流体機械の性能を向上を可能とした。
【0023】また、前記翼列構造において、前記溝30
の流路面積を減少させることで、主流の順圧力勾配に加
え、溝内の流れ場自身の順圧力勾配が加わり、溝内の流
れに新しい渦構造が生じる可能性をさらに低減でき、溝
内の流れをスムーズにすることができる。そのことによ
り先の実施例で示した効果に加え、さらに翼列翼間流れ
の二次流れによるエネルギー損失を減少させ、軸流流体
機械の性能を向上を可能とした。
【0024】また、前記翼列構造において、前縁近傍の
流れが衝突する部分近傍以外の溝の断面形を、単純な矩
形溝ではなく、図8に示すような台形、または図9に示
すような側壁上面でふたをした断面形とする。前縁の矩
形断面形状から、徐々に台形、またはふたをした断面形
に変化させる。このような断面形を持つ溝とすることで
溝開口部の面積を小さくし、先の実施例で示した効果に
加え、溝内の流れが翼間に流出しにくくでき、より確実
に主流と低エネルギー流体の干渉を抑制ことができる。
逆に、翼間境界層の低エネルギー流体が、翼列負圧面側
の溝30に流れ込むことに対しては、僅かな隙間があれ
ば十分であるため、本実施例のように溝開口部を細くし
ても先の実施例で示した効果は失われない。そのことに
より先の実施例で示した効果に加え、さらに翼列流れの
二次流れによるエネルギー損失を減少させ、軸流流体機
械の性能を向上を可能とした。
【0025】また、前記翼列構造において、図10に示
すように、翼1の前縁を、側壁4a高さより僅かに高い
位置から、翼が側壁4aに取り付けられている溝30底
面にかけて流れ方向にへこんだ形状11aとする。すな
わち、翼前縁側の側壁をオーバーハング状に形成するの
である。この場合この前縁形状11aは、溝30底面で
最もへこんでおり、高さ方向にへこみ部分を徐々に小さ
くしていき、へこみのない翼前縁部に滑らかにつながる
ものとする。また、側壁に平行な面での形状は、へこみ
のない翼前縁部のような円弧状とする。
【0026】翼前縁部にへこみ部分を設けることで、翼
近傍、かつ側壁近傍の主流40が下方に曲げられるた
め、はく離渦13bは、先の実施例と較べ、より滑らか
に、より確実に溝の中に流入させることが可能となる。
そのことにより、流入速度が比較的速い翼列においても
本実施例を適用することができる。よって本実施例を用
いることで、先の実施例で示した効果を、さらに広範囲
な翼列流れに適用することが可能となるのである。
【0027】また、前記翼列構造において、図1の後縁
部から溝出口51までの溝50の深さを、滑らかに側面
と同じ面上まで、もしくはそれに近い高さまで徐々に浅
くする構造とする。溝をその様な構造を持つものとする
ことにより、溝内部の流れを徐々に主流に戻し、流量を
翼間流れ場に回収する。また、溝内部の流れが十分低速
で、乱れも少ないものに減衰させられている場合は、そ
のように少しずつ溝内部の低エネルギー、低速流を主流
と混合させることで、先の実施例の場合のように溝出口
51で急に混合が行われる場合に較べて翼列損失が低減
できる。よって本発明を用いることで、溝内部の流れが
十分低速で、乱れも少ないものに減衰させられている翼
列流れにおいて、二次流れによるエネルギー損失を大幅
に減少させ、軸流流体機械の性能を向上させることがで
きる。
【0028】なお、以上の説明では、翼の前縁部分設け
られた溝の内部を車室内の負圧部に連通するに際し、翼
内外輪の壁面に溝を設けるように説明してきたが、常に
このように形成しなければならないわけではなく、例え
ば図11に示されているように、溝40(41)が設け
られている輪4(3)の内部を貫通して設けられた孔5
1(50)で連通するようにしても良いであろうし、ま
た場合によっては翼自体に連通孔を設けるようにしても
よいであろう。
【0029】以上説明してきたようにこのように形成さ
れた軸流流体機械用翼列であると、翼列が固定されてい
る、もしくは一体成形されている側壁上に、翼列を構成
する翼の翼面に沿い、かつ翼の後縁部から翼間流れの流
出方向に沿って延びる溝を設けたことにより、従来のよ
うに翼本体にひねりを入れたり、翼本体の形状を変形さ
せることなく、構造簡単にして翼列のエネルギー損失の
大きな要因となる二次流れを抑えることができ、それに
より翼列のエネルギー損失を大きく低減することが可能
となり、よって軸流流体機械の性能向上を図ることがで
きる。
【0030】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、翼本体の形状を変えることなく、二次流れによる損
失を容易にかつ大きく低減することができ、延いては軸
流流体機械の性能を向上させることができるこの種の軸
流流体機械用翼列を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸流流体機械用翼列の一実施例を示す
一部破断斜視図である。
【図2】蒸気タービン段落の縦断側面図である。
【図3】翼間に発生する二次流れの模式図である。
【図4】従来の軸流流体機械用翼列の側壁近傍の側面図
である。
【図5】本発明の軸流流体機械用翼列の一実施例を示す
側面図である。
【図6】本発明の軸流流体機械用翼列の一実施例を示す
平面図である。
【図7】翼列出口の総圧を翼列入口の総圧で無次元化し
た等値線図で、(a)は従来型翼列の等値線図、(b)
は本発明翼列の等値線図である。
【図8】本発明の側壁に設けた溝の断面形状の一実施例
を示す線図である。
【図9】本発明の側壁に設けた溝の断面形状の他の実施
例を示す線図である。
【図10】本発明の軸流流体機械用翼列の他の実施例を
示す縦断側面図である。
【図11】本発明の軸流流体機械用翼列の他の実施例を
示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1…静翼列、2…動翼列、3…ダイヤフラム外輪(外
輪)、4…ダイヤフラム内輪(内輪)、4a…側壁、5
…シュラウド、6…ローター、7…車室、11a…前縁
形状、13a…渦、13b…はく離渦、17…はく離
点、17a…溝の角、30…溝、40…側壁近傍の主
流、50…溝、51…溝出口。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内に内輪と外輪とを備え、この内輪
    と外輪との間に周方向に複数の翼が並置され、この翼間
    を作動流体が流通するように形成されている軸流流体機
    械用翼列において、 前記外輪の翼側壁面もしくは内輪の翼側壁面で、かつ前
    記翼の前縁部分に、翼前縁に沿う溝を設けるとともに、
    この溝内を車室内の負圧部に連通するように形成したこ
    とを特徴とする軸流流体機械用翼列。
  2. 【請求項2】 前記溝内と車室内の負圧部との連通が、
    前記溝が設けられている輪の壁面に設けられた溝で連通
    されたものである請求項1記載の軸流流体機械用翼列。
  3. 【請求項3】 前記溝内と車室内の負圧部とを結ぶ連通
    溝は、その断面積が負圧側に向かうにしたがい縮小する
    ように形成されたものである請求項2記載の軸流流体機
    械用翼列。
  4. 【請求項4】 前記溝内と車室内の負圧部との連通が、
    前記溝が設けられている輪の内部を貫通して設けられた
    孔で行なわれるようにしたものである請求項1記載の軸
    流流体機械用翼列。
  5. 【請求項5】 前記翼の前縁部の側壁上に設けられる溝
    の溝幅を、この溝を設けない場合に前記側壁に発生する
    はく離渦の半径の1.6倍から2.4倍の範囲に設けて
    なる請求項1,2,3または4記載の軸流流体機械用翼
    列。
  6. 【請求項6】 車室内壁に固定されたダイヤフラムと、
    このダイヤフラムの内周側に固設された静翼列と、この
    静翼列と所定の間隔を有して配置され、かつ回転可能な
    ローターに固設された動翼列とを備え、前記静動翼間を
    流れる作動流体により前記ローターを回転させるように
    形成されている軸流流体機械用翼列において、 前記静翼列が固設されたダイヤフラム壁面に、静翼列を
    構成する翼の翼面に沿い、かつ翼の後縁部から翼間流れ
    の流出方向に沿って延びる溝を設けたことを特徴とする
    軸流流体機械用翼列。
  7. 【請求項7】 前記軸流流体機械用翼列の側壁上に設け
    た溝の溝幅を、溝を設けない場合に前記側壁に発生する
    はく離渦の半径の1.6倍から2.4倍の範囲となし、
    かつ翼前縁付近以外での溝幅を前縁付近の溝幅以下と
    し、溝深さを翼前縁付近では前記はく離渦の半径の2.
    4から4.0倍程度とし、かつ前縁付近以外での溝の深
    さを、翼前縁付近の溝の深さ以下に形成して成る請求項
    5記載の軸流流体機械用翼列。
  8. 【請求項8】 車室内壁に固定されたダイヤフラムと、
    このダイヤフラムの内周側に固設された静翼列と、この
    静翼列と所定の間隔を有して配置され、かつ回転可能な
    ローターに固設され、かつ先端にシュラウドを有する動
    翼列とを備え、前記静動翼間を流れる作動流体により前
    記ローターを回転させるように形成されている軸流流体
    機械用翼列において、 前記動翼列が固設されたローターの壁面あるいは動翼の
    先端に設けられているシュラウドの壁面に、動翼列を構
    成する翼の翼面に沿い、かつ翼の後縁部から翼間流れの
    流出方向に沿って延びる溝を設けたことを特徴とする軸
    流流体機械用翼列。
  9. 【請求項9】 前記軸流流体機械用翼列の側壁上に設け
    た溝の溝幅を、溝を設けない場合に前記側壁に発生する
    はく離渦の半径の1.6倍から2.4倍の範囲とし、か
    つ前縁付近以外での溝幅を前縁付近の溝幅以下とし、溝
    の深さを翼前縁付近では前記はく離渦の半径の2.4か
    ら4.0倍程度とし、前縁付近以外での溝深さは前縁付
    近の溝深さ以下とした請求項8記載の軸流流体機械用翼
    列。
  10. 【請求項10】 前記溝の翼側壁面側を、翼の前縁壁面
    で形成するとともに、この溝壁面を、オーバーハング状
    に形成してなる請求項1から9いずれかに記載の軸流流
    体機械用翼列。
  11. 【請求項11】 前記溝の翼側壁面側を、翼の前縁壁面
    で形成するとともに、この壁面を、溝の側壁高さより僅
    かに高い位置から、溝の底面にかけて流れ方向にへこん
    だ形状に形成してなる請求項1から9いずれかに記載の
    軸流流体機械用翼列。
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