JPH1045901A - フェノール縮合物の製造方法 - Google Patents

フェノール縮合物の製造方法

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JPH1045901A
JPH1045901A JP20152896A JP20152896A JPH1045901A JP H1045901 A JPH1045901 A JP H1045901A JP 20152896 A JP20152896 A JP 20152896A JP 20152896 A JP20152896 A JP 20152896A JP H1045901 A JPH1045901 A JP H1045901A
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政人 小寺
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秀之 東村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フェノールの酸素酸化カップリングにおいて、
常温近くの低温における反応活性の高い触媒系を提供す
る。 【解決手段】フェノールを酸素により酸化カップリング
する際に、一般式(I)で表される銅錯体触媒を用いる
フェノール縮合物の製造方法。 (式中、Xは第14族の原子を表し、R1 は水素原子、
炭化水素基または置換炭化水素基を表し、R2 は窒素原
子含有複素環基または窒素原子含有複素環基で置換され
た炭化水素基であり、全てのR2 は同一でも異なってい
てもよい。Yはカウンターアニオンであり、yはYの個
数であって、Cuの価数により決定される。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフェノール縮合物の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無置換のフェノールを酸化剤で酸化カッ
プリングする方法としては、酸化剤に遷移金属錯体を当
量用いる方法が知られており、例えばJ.Org.Chem.,34
(8),2388(1969) およびInorg.Chem.,5(5),801 (1966)
には、C−Cカップリングによるフェノール縮合物の製
造において四塩化バナジウムおよび四塩化オキソモリブ
デンの遷移金属錯体酸化剤を当量用いる方法が記載され
ている。しかし、酸化剤として遷移金属錯体を当量用い
る方法は、酸化剤が高価であり、反応後に当量生成する
遷移金属錯体を除去しなければならないことなどが問題
であった。
【0003】一方、フェノール類の酸化カップリングに
おいて、触媒存在下に酸化剤として安価な酸素を用いる
方法は、反応後に酸化剤から生じるのは水であり、大量
生産に優れた方法である。例えば2,6−ジメチルフェ
ノールの酸素酸化重合については、銅、マンガン、コバ
ルトなどの遷移金属錯体が触媒として既に広く知られて
いる(例として、特公昭63−6091号公報、特開昭
59−131627号公報等が挙げられる。)
【0004】無置換のフェノールの酸素酸化重合に用い
られる触媒については、特公昭36−18692号公
報、工業化学雑誌, 72巻, 10号,106 (1969) および特公
昭48−17395号公報に、ピリジン類(2,6ージ
メチルピリジン等が例示されている。)と第一銅塩から
なる触媒が提案されているが、重合活性、特に常温近く
の低温における重合活性が十分でなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フェ
ノールの酸素酸化カップリングにおいて、常温近くの低
温における反応活性の高い触媒系を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような状況下にあっ
て、本研究者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を行っ
た結果、特定の多座配位子を有する錯体触媒を見出し、
本発明を完成するに至った。即ち本発明は、フェノール
を酸素により酸化カップリングする際に、一般式(I)
で表される銅錯体触媒を用いるフェノール縮合物の製造
方法に係るものである。 (式中、Xは第14族の原子を表し、R1 は水素原子、
炭化水素基または置換炭化水素基を表し、R2 は窒素原
子含有複素環基または窒素原子含有複素環基で置換され
た炭化水素基であり、全てのR2 は同一でも異なってい
てもよい。Yはカウンターアニオンであり、yはYの個
数であって、Cuの価数により決定される。)
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳細に説明する。 (1)銅錯体触媒 本発明の触媒は、一般式(I)で表される銅錯体触媒で
ある。 (式中、Xは第14族の原子を表し、R1 は水素原子、
炭化水素基または置換炭化水素基を表し、R2 は窒素原
子含有複素環基または窒素原子含有複素環基で置換され
た炭化水素基であり、全てのR2 は同一でも異なってい
てもよい。Yはカウンターアニオンであり、yはYの個
数であって、Cuの価数により決定される。)
【0008】上記一般式(I)のXは第14族の原子を
表し、具体例としては、炭素原子、ケイ素原子などであ
り、好ましくは炭素原子である。
【0009】上記一般式(I)のR1 における炭化水素
基としては炭素原子数1〜20のアルキル基、アラルキ
ル基及びアリール基が好ましく、具体的にはメチル基、
エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−
ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル
基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ベンジル基、フェニル基、
ナフチル基等が挙げられる。
【0010】上記一般式(I)のR1 における置換炭化
水素基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ
基等で置換された炭化水素基であり、具体例としては、
トリフルオロメチル基、2−t−ブチルオキシメチル
基、3−ジフェニルアミノプロピル基等が挙げられる。
【0011】上記一般式(I)のR1 としては、水素原
子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アラルキル基及
びアリール基が好ましい。
【0012】上記一般式(I)のR2 における窒素原子
含有複素環基は、具体例としては、ピロリジル基、ピペ
リジル基、ピリジル基、キノリル基、イミダゾリル基、
ベンズイミダゾリル基、チアゾリル基、ベンズチアゾリ
ル基、オキサゾリル基、ベンズオキサゾリル基等が挙げ
られる。
【0013】上記一般式(I)のR2 として好ましく
は、不飽和結合に係る窒素原子を含有する複素環基また
は不飽和結合に係る窒素原子を含有する複素環基で置換
された炭化水素基である。R2 としてさらに好ましく
は、不飽和結合に係る窒素原子を含有する複素環基であ
る。
【0014】上記一般式(I)のCuの価数は、1価ま
たは2価であり、好ましくは2価である。
【0015】上記一般式(I)のYはカウンターアニオ
ンであり、nはYの個数であって、CuとXの価数によ
り決定される。かかるカウンターアニオンとしては特に
限定はないが、通常ブレンステッド酸の共役塩基が使用
され、具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオ
ン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸
イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロ
ボーレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオ
ン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスル
ホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオ
ン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安
息香酸イオン、水酸化物イオン、酸化物イオン、メトキ
サイドイオン、エトキサイドイオン等が挙げられる。好
ましくは、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、
硝酸イオン、酢酸イオンであり、さらに好ましくは、塩
化物イオン、臭化物イオンである。
【0016】本発明の銅錯体触媒としてさらに好ましく
は、下記一般式(II)で表される錯体である。 (式中、Cは炭素原子を表す。R1 は水素原子、炭化水
素基または置換炭化水素基を表す。R3 〜R5 はそれぞ
れ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化
水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、二置換アミノ
基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、R6 は水素原
子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、
置換炭化水素オキシ基またはハロゲン原子を表す。R3
〜R6 はそれぞれ任意に環を形成してもよい。Yはカウ
ンターアニオンであり、yはYの個数であって、Cuの
価数により決定される。)
【0017】上記一般式(II)におけるR1 、Cu、
Y、yは、上記一般式(I)におけるR1 、Cu、Y、
yと同様である。
【0018】上記一般式(II)における炭化水素基、置
換炭化水素基は、上記一般式(I)においてR1 として
例示したと同様のものが挙げられる。
【0019】上記一般式(II)における炭化水素オキシ
基としては炭素原子数1〜20のアルコキシ基、アラル
キルオキシ基及びアリールオキシ基が好ましく、具体的
にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ベンジルオ
キシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
【0020】上記一般式(II)における置換炭化水素オ
キシ基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ
基等で置換された炭化水素オキシ基であり、具体例とし
ては、トリフルオロメトキシ基、2−t−ブチルオキシ
エトキシ基、3−ジフェニルアミノプロポキシ基等が挙
げられる。
【0021】上記一般式(II)における二置換アミノ基
としては炭素原子数1〜20の二置換アミノ基が好まし
く、具体的には、ジ−iso−プロピルアミノ基、ジフ
ェニルアミノ基等が挙げられる。
【0022】上記一般式(II)におけるハロゲン原子と
して好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であ
り、さらに好ましくは塩素原子、臭素原子である。
【0023】上記一般式(II)において、R6 として好
ましくは、炭化水素基であり、R3〜R5 として好まし
くは、水素原子、炭化水素基であり、また、R3 〜R6
はそれぞれ任意に環を形成してもよい。さらに好ましく
は、R1 は水素原子またはメチル基であり、R6 がメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、ベンジル基、フェニ
ル基、2−ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、
3,5−ジメチルフェニル基、3,5−t−ブチルフェ
ニル基であり、R3 〜R5 が水素原子である。
【0024】本発明で使用する三座配位子は、それ自体
が中性分子であってもイオンであってもよい。好ましく
用いられる三座配位子は、中性分子または1〜3価の陰
イオンである。特に好ましくは中性分子である。
【0025】本発明の銅錯体において上記以外の構造
は、触媒能を失活させないならば特に限定されるもので
はない。また本発明の銅錯体触媒には、錯体の原料、合
成過程および/または酸化重合過程で、溶媒などが配位
していても良い。
【0026】本発明の銅錯体は、例えば三座配位子化合
物と銅の化合物とを適当な溶媒中で混合する方法等によ
り合成することができる。かかる銅の化合物としては、
銅のブレンステッド酸塩等が適宜用いられる。また、三
座配位子化合物は、例えば上記一般式(I)におけるR
2 のリチウム塩とハロゲン化物との求核置換反応を数回
繰り返すことで得られる。該錯体は、あらかじめ合成さ
れた錯体を用いることができるが、反応系中で錯体を形
成させてもよい。
【0027】本発明においては、該触媒を単独でまたは
混合して使用することができる。本発明においては、該
触媒は任意の量で用いることができるが、一般的にはフ
ェノールに対する銅錯体の量として0.01〜50モル
%が好ましく、0.02〜10モル%がより好ましい。
【0028】(2)酸化カップリング反応 本発明において、酸化剤は酸素を使用するが、酸素は不
活性ガスとの混合物であってもよく、空気でもよい。酸
素の使用量は、フェノールに対して通常、当量以上大過
剰に使用する。
【0029】本発明の反応は、反応溶媒の不在下でも実
施することは可能であるが、一般には溶媒を用いること
が望ましい。溶媒はフェノールに対し不活性でかつ反応
温度において液体であれば、特に限定されるものではな
い。好ましい溶媒の例を示すならば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、シクロヘ
キサン等の鎖状及び環状の脂肪族炭化水素;クロロベン
ゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン
化炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニト
リル類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコ
ール、iso−プロピルアルコール等のアルコール類;
ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール
ジメチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ニト
ロタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物類;水等が挙
げられる。さらに好ましくは、芳香族炭化水素、ハロゲ
ン化炭化水素等である。これらは単独あるいは混合物と
して使用される。
【0030】該溶媒を用いる場合は、フェノールの濃度
が好ましくは0.5〜50重量%、より好ましくは1〜
30重量%になるような割合で使用される。
【0031】該銅錯体が、カウンターイオンとして、フ
ェノールよりも強い酸の共役塩基を有する場合には、該
銅錯体触媒を不活性化しない塩基を、カウンターイオン
と当量以上、反応時に共存させることが好ましい。かか
る塩基の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、酸化カルシウム、ナトリウムメトキサイド、ナトリ
ウムエトキサイド等のアルカリ金属またはアルカリ土類
金属の水酸化物、酸化物、アルコキサイド類;メチルア
ミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、
ジブチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ピリ
ジン、2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジ
ン、2,6−ジフェニルピリジン等のピリジン類が挙げ
られる。通常よく使用されるのはアミン類、ピリジン類
である。
【0032】本発明を実施する反応温度は、反応媒体が
液状を保つ範囲であれば特に制限はないが、加熱に必要
なエネルギーを小さくするためには60℃より低いこと
が好ましく、0〜55℃がより好ましく、10〜45℃
がさらに好ましい。
【0033】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。
【0034】フェノールの転化率(Conv. ):内部標準
物質としてジフェニルエーテルを含む反応混合物15m
gをサンプリングし、濃塩酸を若干量加えて酸性とし、
メタノール2gを加え、測定サンプルとした。このサン
プルを、高速液体クロマトグラフィー(ポンプ:ウォー
ターズ社製600Eシステム、検出器:ウォーターズ社
製UV/VIS−486、検出波長:278nm、カラ
ム:YMC社製ODS−AM、展開溶媒:メタノール/
水=50:50よりスタートして25分後に100/0
となるよう変化させ、その後45分まで保持)により分
析し、ジフェニルエーテルを内部標準物質として定量し
た。
【0035】重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分
子量(Mw):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(ポンプ:ウォーターズ社製600Eシステム、検出
器:ウォーターズ社製UV/VIS−484、検出波
長:254nm、カラム:ウォーターズ社製Ultrastyra
gel Linear=2本+1000A=1本+100A=1
本、展開溶媒:クロロホルム)により分析し、標準ポリ
スチレン換算値として重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)を測定した。
【0036】参考例1 (銅錯体触媒(Cu-tmpe )の合成) i) 2-Bromo-6-picoline の合成:2Lビーカーに2-Amino-
6-picoline54.0g(0.50 mol) を入れ、48%HBr (d=1.49
0) 247 mLを加え、均一に溶かした。この溶液を3℃以
下に保ち激しくかき混ぜながら、Br2 (d=3.102)75 mL
を30分程度で滴下した。次に温度を5℃以下に保ちなが
ら、NaNO2 85g(1.23 mol) を最小量の水で溶かした溶液
を同様に滴下した。さらに、NaNO2 5gを適量の水に溶か
した溶液を少量加えて、気泡が発生しなくなった時を反
応終了とした。この溶液を15℃以下に保ちながら、Na
OH 190g (4.75 mol) を最小量の水に溶かした溶液を少
量ずつ加えた。pH8 程度になったのを確認した後、水13
0mL を加え、ジエチルエーテル75mLで3回抽出し、エー
テル層を無水NaSO4 で乾燥した。この溶液をエバポレー
ターで濃縮し、減圧蒸留をした。減圧度0.12Torr (16.0
Pa) 40〜55℃の留分を採取して無色の液体70.3g ( 収率
83%)を得た。
【0037】ii) Bis (6-methylpyrid-2-yl)methane の
合成:500mL 二口反応容器の一方にジムロートを取付
け、アルゴン雰囲気とした。乾燥Tetrahydrofurane (TH
F) 100mL、2,6-Lutidine (2,6-Dimethylpyridine) 10.7
2g(0.10 mol)を加えて -78℃まで冷却し、n-C4H9Li (1.
69M) 130.20mL (0.22mol) をシリンジで注入して放置し
た。3時間後、乾燥したZnCl2 15.0g (0.11mol)を乾燥T
HF100mLに溶かした溶液を加えた。一度室温に戻して、
1時間後に再び-78 ℃まで冷却しながら、触媒Pd (1,1'
-bis(diphenylphosphino)ferrocene)Cl2( J. Am. Che
m. Soc., 1984, 106, 158-163. 参照)0.732g (0.001mo
l) を加え、すぐに2-Bromo-6-picoline18.9g (0.11mol)
を加え、徐々に室温に戻してから加熱し、70℃程度で
一晩加熱還流した。THF をエバポレーターで除去し、Na
OH4.4g (0.11mol) を溶かした飽和NaOH水溶液を加え、
CHCl3 200mL 、蒸留水100mLを加えてかき混ぜた。Na2S
・9H2O 26.4g (0.11mol) を溶かした水溶液を加えて1
時間かき混ぜ、生じた白色沈殿をろ過し、CHCl3 200mL
で洗浄した。ろ液に蒸留水150mL を加えて、CHCl3 80mL
で5回抽出して、無水Na2SO4で乾燥した。この溶液を濃
縮して、減圧蒸留を行なった。減圧度9.3Pa (0.07Torr)
において75〜125 ℃の留分を採取し、白色の結晶11.3
g ( 収率57%)を得た。
【0038】iii) Tris (6-methylpyrid-2-yl)methane
の合成:300mL 二口反応容器の一方にジムロートを取付
け、アルゴン雰囲気とした。乾燥THF100mL、bis ( 6-m
ethyl-2-pyridyl ) methane 9.91g (0.05mol) を加
え、-78 ℃まで冷却しながら、n-C4H9 Li (1.64M) 33.
5mL (0.055mol) をシリンジで注入して3時間放置し
た。触媒 Pd (triphenylphosphine )4 0.578g (0.0005m
ol) を加え、すぐに 2-Bromo-6-picoline 9.46g (0.055
mol) を加え、徐々に室温に戻してから加熱し、70℃程
度で一晩加熱還流した。THF をエバポレーターで除去
し、CHCl3 200mL 、蒸留水100mL を加えてかき混ぜた。
蒸留水50mLを加えて、CHCl3 150mL で4回抽出して、無
水NaSO4 で乾燥した。濃縮後に、ジエチルエーテルを適
量加え、白色の沈殿をろ過した。ろ液の濃縮物を直径5c
m 、長さ15cm程度のシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにより単離、精製するこにより白色の結晶6.8g (収率
47%)を得た。
【0039】iv) 1,1,1-Tris (6-methylpyrid-2-yl)eth
ane の合成:500mL 二口反応容器をアルゴン雰囲気と
し、乾燥 THF20mL、tris (6-methyl-2-pyridyl) methan
e1.45g (0.005mol) を加え、-78 ℃まで冷却しながら、
n-C4H9Li (1.64M) 40.6mL (0.0065mol) をシリンジで
注入し、室温に戻して3時間放置した。再度-78 ℃まで
冷却しながら、CH3I (d=2.280) 0.40mL (6.5mol) をシ
リンジで注入し、徐々に室温に戻して一晩放置した。TH
F をエバポレーターで除去し、CHCl3 50mL、蒸留水50mL
を加えてかき混ぜた。蒸留水50mLを加え、CHCl330mL で
5回抽出し、無水NaSO4 で乾燥した。濃縮物を直径5cm
、長さ8cm 程度のシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにより単離、精製し、淡黄色粉末 1.27g(収率84%)を
得た。
【0040】v) Cu-tmpeの合成:5mL のメタノールに硝
酸銅 (II) ・3 水和物24.2mg (0.1mmol) を溶かし、こ
の溶液に1,1,1-Tris (6-methylpyrid-2-yl) ethane 30.
3mg (0.1mmol) を加えた。メタノールをエバポレーター
で除いた後、残物をメタノール/塩化メチレン/2ープ
ロパノールから再結晶することにより、下記構造式の錯
体(Cu-tmpe) の青色の単結晶46mg( 収率94%)が得られ
た。
【0041】実施例1 電磁撹拌機を備えた25ml二つ口丸底フラスコに、酸
素を充填したゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素に置
換した。これに、Cu(tmpe)0.030mmolを入れ、
フェノール1.2mmolと塩基として2,6−ジフェ
ニルピリジン0.30mmolをトルエン1.2gに溶
解したものを加えた。内容物を攪拌しながら、フラスコ
を40℃のウォーターバスで保温し、30時間後にサン
プリングした後、最終的には47時間まで反応させた。
反応終了後、濃塩酸数滴を加えて酸性にした後、メタノ
ール20mlを加え、沈殿した重合体を濾取した。メタ
ノール10mlで3回洗浄し、100℃で5時間減圧乾
燥した後、重合体を得た。40℃、30時間後における
フェノールのConv. は27%であった。(なお、47時
間後におけるフェノールのConv. は33%であり、重合
体の収率は16%で、重合体の分子量はクロロホルム可
溶部についてMw=18800、Mn=1700であっ
た。)
【0042】比較例1 電磁撹拌機を備えた25ml二つ口丸底フラスコに、酸
素を充填したゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素に置
換した。これに、塩化第一銅0.030mmolを入
れ、2,6−ジメチルピリジン0.030mmolとフ
ェノール1.2mmolをトルエン1.2gに溶解した
ものを加えた。内容物を攪拌しながら、フラスコを40
℃のウォーターバスで保温し、33時間反応させた。反
応終了後、濃塩酸数滴を加えて酸性にした後、メタノー
ル20mlを加え、沈殿した重合体を濾取した。メタノ
ール10mlで3回洗浄し、イオン交換水10mlで3
回洗浄し、メタノール10mlで3回洗浄し、100℃
で5時間減圧乾燥した後、重合体を得た。40℃、33
時間後におけるフェノールのConv.は13%であった。
(なお、重合体の収率は11%で、重合体の分子量は、
Mw=20900、Mn=4800であった。)
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、フェノールの酸素
酸化カップリングにおいて、本発明の触媒系は従来の触
媒系よりも、常温近くの低温における反応活性がはるか
に高く、保温のための熱エネルギーがほとんど不要であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノールを酸素により酸化カップリング
    する際に、一般式(I)で表される銅錯体触媒を用いる
    フェノール縮合物の製造方法。 (式中、Xは第14族の原子を表し、R1 は水素原子、
    炭化水素基または置換炭化水素基を表し、R2 は窒素原
    子含有複素環基または窒素原子含有複素環基で置換され
    た炭化水素基であり、全てのR2 は同一でも異なってい
    てもよい。Yはカウンターアニオンであり、yはYの個
    数であって、Cuの価数により決定される。)
  2. 【請求項2】該触媒が、一般式(II)で表されることを
    特徴とする請求項1記載のフェノール縮合物の製造方
    法。 (式中、Cは炭素原子を表す。R1 は水素原子、炭化水
    素基または置換炭化水素基を表す。R3 〜R5 はそれぞ
    れ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化
    水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、二置換アミノ
    基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、R6 は水素原
    子、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、
    置換炭化水素オキシ基またはハロゲン原子を表す。R3
    〜R6 はそれぞれ任意に環を形成してもよい。Yはカウ
    ンターアニオンであり、yはYの個数であって、Cuの
    価数により決定される。)
  3. 【請求項3】フェノールを酸素により酸化カップリング
    する際の反応温度が60℃より低いことを特徴とする請
    求項1又は2記載のフェノール縮合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006528951A (ja) * 2003-05-21 2006-12-28 バーゼル、ポリオレフィン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング 三座の窒素含有リガンドを有する遷移金属錯体

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