JPH1045756A - アモルファス状パロキセチン塩酸塩の製造方法 - Google Patents
アモルファス状パロキセチン塩酸塩の製造方法Info
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Abstract
法を提供する。 【解決手段】パロキセチンまたはその低級アルカン酸塩
類をパロキセチン塩酸塩に変換した後、その溶液を噴霧
乾燥を行うアモルファス状のパロキセチン塩酸塩の製造
方法。
Description
リプタミン(5−HT)に阻害作用を有し、鬱病、パー
キンソン病など多種の疾病の治療薬として有効であるパ
ロキセチン塩酸塩の製造方法である。
キセチン塩酸塩、すなわち(3S,4R)−3−[5−
(1,3−ジオキサインダニル)オキシメチル]−4−
(p−フルオロフェニル)ピペリジンの塩酸塩、はこれ
まで結晶として製造され、また、パロキセチン塩酸塩半
水和物の結晶も知られている(米国特許第400719
6号明細書、特公平6−47587号公報)。しかし、
医薬品としては結晶である故に体内における吸収が遅い
ことがある。
すべく、一般に体内吸収のよいアモルファス状のパロキ
セチン塩酸塩の製造方法を提供する下記発明である。パ
ロキセチンまたはその低級アルカン酸塩を塩酸塩に変換
し、その塩酸塩の溶液を噴霧乾燥することを特徴とする
アモルファス状のパロキセチン塩酸塩を製造する方法。
07196号明細書に記載の方法などで製造できる。ま
たパロキセチンの低級アルカン酸塩は、パロキセチンと
対応する低級アルカン酸を混合することによって簡単に
製造できる。
下を意味する。低級アルカン酸としては炭素数4以下の
アルカン酸が好ましく、酢酸が最も好ましい。
セチンまたはその低級アルカン酸塩を適当な溶媒に溶か
し、それに塩化水素を適当な溶媒に溶かした溶液を加え
るか、または直接塩化水素ガスを導入することにより、
パロキセチン塩酸塩の溶液を調製することが好ましい。
使用する塩化水素の量は、用いたパロキセチンまたはそ
の塩に対して等当量以上であることが望ましい。反応温
度は、−20〜+50℃が好ましく、−10〜+30℃
がより好ましい。
の塩類を溶解できるものであればよく、沸点が170℃
以下の飽和アルコール類や水などが好ましい。なかでも
低級飽和アルコール類が特に好ましい。その適当な例と
しては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、
2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、
2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロ
パノールなどが挙げられる。最も好ましい溶媒はエタノ
ールである。
ン塩酸塩の溶液を減圧濃縮し、系内に存在するパロキセ
チン塩酸塩以外の物質を蒸発させて除去することが好ま
しい。飽和アルコール類を溶媒として用いる場合では、
系内に存在する低級アルカン酸はエステルとして除去す
ることができる。
ルファスであるが、このようなアモルファス状物はたい
てい強い吸湿性を示し、取り扱いにくいものになること
が多い。これを適当な溶媒に溶かし、できたパロキセチ
ン塩酸塩の溶液を噴霧乾燥することによって、取り扱い
やすい粉末状のアモルファス状パロキセチン塩酸塩を得
ることができる。
が可溶な溶媒であればよく、沸点が120℃以下のもの
が好ましい。その適当な例としては、トルエン、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキ
シエタン、メタノール、エタノール、2−プロパノー
ル、2−メチル−2−プロパノール、水、またはこれら
の溶媒の混合物などが挙げられる。なかでも低級アルコ
ール類が好ましく、最も好ましい溶媒はエタノールであ
る。
ルカン酸塩からパロキセチン塩酸塩溶液を製造する工程
において、エタノールなどの低級飽和アルコールを溶媒
として用いた場合では、得られたパロキセチン塩酸塩溶
液を濃縮することなく噴霧乾燥を行うことによって直接
アモルファス状のパロキセチン塩酸塩を得ることができ
る。パロキセチン低級アルカン酸塩を出発物質とした場
合では、塩交換反応より生成した低級アルカン酸は溶媒
のエタノールとより沸点の低いエステルを形成するため
に、噴霧乾燥を行うことによって容易にこれらの物質を
除去できる。
アモルファス状の医薬品や食品を製造する際のものと同
様であればよい。非水溶媒を用いる場合は、溶媒回収型
噴霧乾燥装置を用いることが望ましい。原液の濃度は飽
和より希釈状態であればよく、原液の流動性をよくする
必要がある場合ではより希釈することが望ましい。
濃度、噴霧ノズルのサイズ、送液速度、またはアトマイ
ザーの回転数などを変えることによって調節できる。送
液速度は装置の処理能力によって異なるが、得られる粉
末の粒径または乾燥の度合いに応じて調節することが望
ましい。装置のチャンバー入口温度は、溶媒の沸点また
は乾燥の度合いに応じて30〜200℃の範囲内で設定
することが望ましく、40〜160℃の範囲内にあるこ
とが好ましい。噴霧乾燥より得られる粉末は静電気を帯
びることが多いので、粉体回収容器を接地させて静電気
を取り除くことが望ましい。
工程において実質的に水の存在しない条件で製造を行う
ことにより、水和していない無水の塩酸塩を製造でき
る。本発明のアモルファス状のパロキセチン塩酸塩とし
ては実質的に無水の製造条件で得られる無水物が好まし
い。
酸塩は実質的に結晶を含まない粉末である。図1は噴霧
乾燥より得られたアモルファス状パロキセチン塩酸塩の
粉末X線回折図である。そこではハロ効果がはっきりと
現れ、強度がたいへん小さいことはアモルファスのパタ
ーンを示している。これに対したとえば特公平6−47
587号公報記載のパロキセチン塩酸塩半水和物結晶で
は、その粉末X線回折図(同公報第1図)が明瞭なピー
クを示している。
発明はこれらに限定されない。
セチン1.51gを溶かし、氷冷下で22重量%の塩化
水素エタノール溶液3mLを加え、室温で1時間放置し
てパロキセチン塩酸塩のエタノール溶液を得た。
液を、ヤマト科学社製GS31型有機溶剤用スプレード
ライヤー装置を用いて、ノズルサイズ0.4mmφ、送
液速度11.7g/分、入口温度90℃の条件で噴霧乾
燥し、無水のアモルファス状パロキセチン塩酸塩1.2
gを得た。
20-7.23(m,2H);6.98-7.02(m,2H);6.62(d,J=8.4Hz,1H);
6.34(d,J=2.2Hz,1H);6.12(dd,J=2.2,8.4Hz,1H);5.89(s,
2H);3.73(br,1H);3.67(br,1H);3.60(m,1H);3.48(m,1H);
3.17(br,1H);3.05(br,1H);2.92(br,1H);2.66(br,1H);2.
40(br,1H);2.04(br,1H)。19 F NMR(376MHz,CDCl3,CFCl3=0ppm) δ -115.4 。
塩の粉末X線回折図を図1に示す。なお、X線解析は以
下の装置を用いて行った。 装置:理学電機(株)製「ロータフレックスRU−20
0」 測定条件: 管球;Cu、管電圧;50kV、管電流;200mA、
サンプリング幅;0.010°、走査速度;0.500
°/分、走査軸;2θ/θ、発散スリット;1°、散乱
スリット;1°、受光スリット;0.30mm。
キセチン13.9gを溶かし、22重量%の塩化水素エ
タノール溶液10mLを加えて、パロキセチン塩酸塩の
エタノール溶液を得た。得られたパロキセチン塩酸塩エ
タノール溶液を減圧濃縮し、残留物3.2gをエタノー
ル100mLに溶かし、実施例1と同様の装置および条
件で噴霧乾燥し、無水のアモルファス状パロキセチン塩
酸塩2.3gを得た。
H);7.22-7.25(m,2H);7.14-7.19(m,2H);6.74(d,J=8.4Hz,
1H);6.49(d,J=2.4Hz,1H);6.19(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H);
5.93(s,2H);3.59(m,1H);3.49(m,2H);3.42(m,1H);2.97
(m,2H);2.86(m,1H);2.67(br,1H);1.97(m,1H);1.90(m,1
H)。19 F NMR(376MHz,DMSO-d6,CFCl3=0ppm) δ -116.01。
セチン酢酸塩9.8gを溶かし、22重量%の塩化水素
エタノール溶液12mLを加えて、パロキセチン塩酸塩
のエタノール溶液を得た。得られたパロキセチン塩酸塩
エタノール溶液40mLを実施例1と同様の装置および
条件で噴霧乾燥し、無水のアモルファス状パロキセチン
塩酸塩3.5gを得た。
チン塩酸塩エタノール溶液40mLを減圧濃縮し、残留
物にエタノール60mLに溶かし、実施例1と同様の装
置および条件で噴霧乾燥し、無水のアモルファス状パロ
キセチン塩酸塩3.1gを得た。
10.5gを溶かし、氷冷下で3N塩酸11mLを加え
て、パロキセチン塩酸塩の水溶液を得た。得られたパロ
キセチン塩酸塩水溶液を、ヤマト科学社製GA32型ミ
ニスプレードライヤー装置を用いて、ノズルサイズ0.
4mmφ、送液速度9.4g/分、入口温度160℃の
条件で噴霧乾燥し、アモルファス状のパロキセチン塩酸
塩水和物7.8gを得た。
セチン酢酸塩1146gを溶かし、221gの塩化水素
をエタノール1.6Lに溶解した溶液を加えて、パロキ
セチン塩酸塩のエタノール溶液を得た。得られたパロキ
セチン塩酸塩エタノール溶液を減圧濃縮し、残留物をエ
タノール36Lに溶かした。得られたパロキセチン塩酸
塩エタノール溶液を有機溶剤用スプレードライヤー装置
(DA2SW−16型、(株)坂本技研製)を用いて、
アトマイザー回転数10,000〜12,000rp
m、送液速度3〜4L/時間、入口温度110〜130
℃の条件で噴霧乾燥し、無水のアモルファス状パロキセ
チン塩酸塩523.4gを得た。
ロキセチン塩酸塩を製造できる。
線回折図。
Claims (5)
- 【請求項1】パロキセチンまたはその低級アルカン酸塩
を塩酸塩に変換し、その塩酸塩の溶液を噴霧乾燥するこ
とを特徴とするアモルファス状のパロキセチン塩酸塩を
製造する方法。 - 【請求項2】パロキセチンまたはその低級アルカン酸塩
を水または飽和アルコール類中で塩酸塩に変換する請求
項1記載の方法。 - 【請求項3】パロキセチンまたはその低級アルカン酸塩
を低級飽和アルコール類中で塩酸塩に変換する請求項1
記載の方法。 - 【請求項4】パロキセチンまたはその低級アルカン酸塩
を低級飽和アルコール類中で塩酸塩に変換し、得られた
パロキセチン塩酸塩の低級飽和アルコール類溶液を噴霧
乾燥する請求項1または3記載の方法。 - 【請求項5】無水の条件下でアモルファス状のパロキセ
チン塩酸塩無水物を製造する、請求項1、3または4記
載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13548197A JP3968602B2 (ja) | 1996-05-30 | 1997-05-26 | アモルファス状パロキセチン塩酸塩の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-137192 | 1996-05-30 | ||
JP13719296 | 1996-05-30 | ||
JP13548197A JP3968602B2 (ja) | 1996-05-30 | 1997-05-26 | アモルファス状パロキセチン塩酸塩の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1045756A true JPH1045756A (ja) | 1998-02-17 |
JP3968602B2 JP3968602B2 (ja) | 2007-08-29 |
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JP (1) | JP3968602B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010528103A (ja) * | 2007-05-30 | 2010-08-19 | アイエヌディー−スイフト ラボラトリーズ リミテッド | 塩酸イバブラジンの調製方法及びポリモルフ |
-
1997
- 1997-05-26 JP JP13548197A patent/JP3968602B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2010528103A (ja) * | 2007-05-30 | 2010-08-19 | アイエヌディー−スイフト ラボラトリーズ リミテッド | 塩酸イバブラジンの調製方法及びポリモルフ |
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