JPH1044057A

JPH1044057A - 圧入工具

Info

Publication number: JPH1044057A
Application number: JP19898396A
Authority: JP
Inventors: Masanao Kameoka; 正直亀岡
Original assignee: Noritsu Koki Co Ltd
Current assignee: Noritsu Koki Co Ltd
Priority date: 1996-07-29
Filing date: 1996-07-29
Publication date: 1998-02-17

Abstract

(57)【要約】【課題】ピン等の圧入部品の圧入作業を能率よく行な
うことができる圧入工具を提供する。【解決手段】ホルダ本体１にロッド挿入孔１８を形成
し、そのロッド挿入孔１８内に挿入されたロッド１９の
先端部に圧入部品の保持部２７を設ける。保持部２７に
保持された圧入部品を圧入位置に位置決めし、ホルダ本
体１内に組込まれたハンマー体９の打撃作用によりロッ
ド１９を軸方向に急速に移動させて圧入部品の圧入を行
なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ピンやベアリン
グ等の圧入部品の圧入に用いられる圧入工具に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術およびその問題点】軸にスプロケットを嵌
合し、その軸とスプロケットのボス部に形成された半径
方向のピン孔にスプリングピンを圧入してスプロケット
を固定することは普通に行なわれている。

【０００３】スプリングピン等のピンの圧入には、その
ピンをラジオペンチ等で支持して打込む方法が存在する
が、手作業であるため、能率が悪く、圧入前のピンの保
持段階でピンに傾むきが生じることが多く、作業性がき
わめて悪いという問題があった。

【０００４】また、ピンを自動的に圧入する圧入装置も
提案されているが、装置自体が大きく、機械等の組立て
の段階では使用できないという不都合がある。

【０００５】

【発明の課題】この発明の課題は、ピン等の圧入部品の
圧入を組立て現場で能率よく行なうことができる作業性
に優れたハンディタイプの圧入工具を提供することであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、握持可能なホルダ本体内に
シリンダ室と、そのシリンダ室に連通してホルダ本体の
先端面で開口するロッド挿入孔とを設け、上記ロッド挿
入孔内に後端部が挿入され、シリンダ室内にスライド自
在に組込まれたハンマー体の打撃作用によって軸方向に
移動するロッドの先端部に圧入部品の保持部を設けた構
成としている。

【０００７】また、他の発明においては、上記ロッドの
先端部にアダプタを取付け、そのアダプタに圧入部品の
保持部を設けた構成としている。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。

【０００９】図１および図２に示すように、ホルダ本体
１は、シリンダ２と、その後端部にねじ係合されたヘッ
ドカバー３と、シリンダ２の先端部にねじ係合されたロ
ッドカバー４とから成り、上記ヘッドカバー３の外側に
握持可能なグリップ５が取付けられている。

【００１０】シリンダ２はシリンダ室６と、そのシリン
ダ室６より大径のガイド孔７とを有し、上記ガイド孔７
の内径面後端に連続してテーパ面８が設けられている。

【００１１】シリンダ室６には、ハンマー体９と、その
ハンマー体９をヘッドカバー３に向けて押圧するスプリ
ング１０とが組込まれている。ハンマー体９はガイド孔
７の内径面に案内されるフランジ１１を先端に有する。
このハンマー体９には、先端面から軸方向に延びる中心
孔１２と、その中心孔１２に直交し、ハンマー体９の一
側から他側に貫通する挿入孔１３とが設けられている。

【００１２】挿入孔１３内には係合片１４がスライド自
在に嵌合されている。係合片１４はハンマー体９の先端
部外周に嵌合したＣ形板ばね１５によりハンマー体９の
径方向に偏位され、挿入孔１３の開口から外部に臨む一
端部外周にガイド孔７の内径面で案内される円弧面１６
が設けられている。

【００１３】また、係合片１４には前後に貫通するピン
孔１７が設けられている。このピン孔１７は係合片１４
の円弧面１６がガイド孔７の内径面に案内される状態に
おいてハンマー体９の中心孔１２に対して偏心してい
る。

【００１４】前記ロッドカバー４には段付き孔から成る
ロッド挿入孔１８が形成されている。ロッド挿入孔１８
に挿入されたロッド１９は大径部２０と小径部２１とか
ら成り、上記小径部２１の前記ガイド孔７内に位置する
後端部にリング２２がスライド自在に取付けられてい
る。

【００１５】リング２２とロッド１９の大径部２０に設
けたフランジ２３との間には補助スプリング２４が組込
まれ、その補助スプリング２４の弾力によってフランジ
２３はロッド挿入孔１８の内周段部２５に押し付けら
れ、リング２２がハンマー体９の先端面に押し付けられ
ている。

【００１６】前記ロッド１９における小径部２１の後端
部はハンマー体９に形成された中心孔１２に挿入され、
その後端面は係合片１４に形成されたピン孔１７の開口
縁に係合している。また、後端面に設けたピン２６は上
記ピン孔１７に挿入されている。

【００１７】ロッド１９の先端部には圧入部品の保持部
２７が設けられている。ここで、保持部２７は、圧入部
品の形状に応じて適切な形状を採るようにする。例え
ば、図２に示すように、スプリングピンＡを圧入する場
合、保持部２７はロッド１９の先端面で開口する挿入孔
とする。

【００１８】図２（Ｉ）、（II）は、ワークＷに形成さ
れたピン孔ａにスプリングピンＡを挿入する場合の作動
状態を段階的に示す。

【００１９】いま、挿入孔から成る保持部２７にスプリ
ングピンＡを挿入し、そのスプリングピンＡの先端をワ
ークＷに形成されたピン孔ａの開口端に当接させてホル
ダ本体１を軸方向に押し込むと、停止状態にあるロッド
１９に対してホルダ本体１が軸方向に移動し、その移動
によりスプリング１０が収縮する。

【００２０】図２（II）に示すように、シリンダ２の内
周に形成されたテーパ面８が係合片１４の外周に形成さ
れた円弧面１６と係合する位置までホルダ本体１が押し
込まれ、それよりさらにホルダ本体１が押されると、テ
ーパ面８が係合片１４を押圧するため、係合片１４はＣ
形板ばね１５の弾力に抗してハンマー体９の径方向に移
動する。

【００２１】係合片１４に設けられたピン孔１７がハン
マー体９に形成された中心孔１２と一致する位置まで係
合片１４が径方向に移動すると、ロッド１９の小径部２
１の後端面と係合片１４のピン孔１７の開口縁部の係合
が解除される。その係合解除によって、ハンマー体９お
よびリング２２はスプリング１０の弾力により急速にロ
ッドカバー４側に向けて移動して、リング２２がロッド
１９の外周中途に形成された段部２８を打撃する。

【００２２】このため、ロッド１９は軸方向に移動し、
ロッド１９の先端に保持されたスプリングピンＡは、図
２（II）に示すように、ワークＷのピン孔ａに圧入され
る。

【００２３】ハンマー体９の打撃後、ホルダ本体１の押
圧を解除すると、補助スプリング２４の弾力によりロッ
ド１９が外方向に移動してフランジ２３がロッドカバー
４の内周に形成された段部２５の当り、また、ロッド１
９の後端部が係合片１４のピン孔１７から抜け出し、係
合片１４がＣ形板ばね１５の弾力によりハンマー体９の
径方向に移動して図１（Ｉ）に示すように、ロッド１９
の後端面が係合片１４のピン孔１７の開口縁部に係合す
る。

【００２４】図３乃至図５は、この発明の他の実施の形
態を示す。いずれの実施の形態も、ロッド１９の先端部
にアダプタ３０を取付けている。

【００２５】ここで、アダプタ３０の後端部には後端面
から軸方向に延びるロッド挿入孔３１と、外径面からロ
ッド挿入孔３１に至るねじ孔３２とが設けられ、そのね
じ孔３２にボールプランジャ３３がねじ係合されてい
る。ボールプランジャ３３は図示省略したスプリングに
よって押圧されるボール３４を有し、そのボール３４と
ロッド１９の先端部外周に形成された係合溝３５の係合
によって、ロッド１９の先端部にアダプタ３０を着脱自
在に取付けている。

【００２６】また、図３乃至図５に示す各アダプタ３０
には圧入部品の保持部が設けられている。図３に示すア
ダプタ３０においては、先端面に設けたピン３６を保持
部としている。

【００２７】上記アダプタ３０を用いることにより、ピ
ン３６によってスプリングピンＡの内径面を支持するこ
とができるため、ハンマー体９の打撃作用によるロッド
１９の軸方向への移動によって、ワークＷに形成された
ピン孔ａに対し、スプリングピンＡの全体を圧入するこ
とができる。

【００２８】図４に示すアダプタ３０においては、その
先端面に段付きピンＡの大径部ｂが挿入可能なピン孔３
７を形成し、そのピン孔３７を圧入部品の保持部として
いる。

【００２９】上記アダプタ３０を用いることによって段
付きピンＡの圧入を可能とすることができる。

【００３０】図５に示すアダプタ３０においては、その
先端面および側面で開口する吸引通路３８を形成し、そ
の吸引通路３８の先端開口にテーパ状のシート面３９を
形成し、上記吸引通路３８を圧入部品の保持部としてい
る。

【００３１】上記アダプタ３０においては、吸引通路３
８の側面開口にブロワーブラシ４０あるいはスポイト等
の吸引源を接続することにより吸引通路３８に吸引力を
付与することができるため、とがり頭Ｃを有するピンＡ
の圧入を可能とすることができる。

【００３２】なお、各発明の実施の形態においては、ス
プリングピンＡ等のピンの圧入を側にとって説明した
が、圧入部品はピンに限定されるものではない。例えば
ベアリングであってもよい。ベアリングを圧入する場合
は、ロッド１９の先端部あるいはアダプタ３０の先端部
にベアリングが嵌合可能な嵌合孔を形成し、その嵌合孔
を圧入部品の保持部とする。

【００３３】また、発明の実施の形態では、スプリング
１０の弾力によってハンマー体９を軸方向に急速に移動
させて打撃作用を行なわせるようにしたが、シリンダ室
６内に対するエアの吸排によってハンマー体９を軸方向
に急速に移動させるようにしてもよい。

【００３４】

【発明の効果】以上のように、この発明においては、握
持可能なホルダー本体内にハンマー体を組込み、そのハ
ンマー体の打撃作用によって軸方向に急速に移動するロ
ッドの先端部に圧入部品の保持部を設けたので、機械等
の組立て現場において、ピン等の圧入部品の圧入作業を
片手で行なうことができる。

【００３５】また、保持部に保持された圧入部品をピン
孔等の圧入位置に位置合わせしたのち、ハンマー体の打
撃作用によりロッドを軸方向に急速に移動させる圧入で
あるため、圧入作業をきわめて能率よく行なうことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ｉ）はこの発明の実施の形態を示す断面図、
（II）は（Ｉ）のII−II線に沿った断面図

【図２】（Ｉ）、（II）は圧入作業を段階的に示す断面
図

【図３】この発明の他の実施の形態を示す断面図

【図４】この発明の他の実施の形態を示す断面図

【図５】この発明のさらに他の実施の形態を示す断面図

【符号の説明】

１ホルダ本体６シリンダ室９ハンマー体１８ロッド挿入孔１９ロッド２７保持部３６ピン３７ピン孔３８吸引通路

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】握持可能なホルダ本体内にシリンダ室
と、そのシリンダ室に連通してホルダ本体の先端面で開
口するロッド挿入孔とを設け、上記ロッド挿入孔内に後
端部が挿入され、シリンダ室内にスライド自在に組込ま
れたハンマー体の打撃作用によって軸方向に移動するロ
ッドの先端部に圧入部品の保持部を設けた圧入工具。
【請求項２】前記保持部が、ロッドの先端面で開口
し、圧入部品の一部が挿入可能な挿入孔から成る請求項
１に記載の圧入工具。
【請求項３】前記ロッドの先端部にアダプタを着脱自
在に取付け、そのアダプタに圧入部品の保持部を設けた
請求項１に記載の圧入工具。
【請求項４】前記アダプタに設けられた保持部が、ア
ダプタの先端面および側面で開口し、その側面開口が吸
引源に接続される吸引通路から成る請求項３に記載の圧
入工具。