JPH1043674A - 自動車用複合塗膜の形成方法 - Google Patents

自動車用複合塗膜の形成方法

Info

Publication number
JPH1043674A
JPH1043674A JP22438896A JP22438896A JPH1043674A JP H1043674 A JPH1043674 A JP H1043674A JP 22438896 A JP22438896 A JP 22438896A JP 22438896 A JP22438896 A JP 22438896A JP H1043674 A JPH1043674 A JP H1043674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
cationic
resin
electrodeposition coating
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22438896A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Nakashio
雅昭 中塩
Jiyunko Kawashima
潤子 川嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinto Paint Co Ltd
Original Assignee
Shinto Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinto Paint Co Ltd filed Critical Shinto Paint Co Ltd
Priority to JP22438896A priority Critical patent/JPH1043674A/ja
Publication of JPH1043674A publication Critical patent/JPH1043674A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車用複合塗膜の形成方法においてより平
滑性に優れかつ防錆性、塗装作業性等で優れた品質を有
する方法を提供する。 【解決手段】 カチオン電着塗料を用い自動車用鋼板上
にカチオン電着塗膜を形成せしめ、更にその上に顔料入
り上塗り塗膜を形成させる自動車用複合塗膜の形成方法
において、電着塗料として(A)カチオン基を有する樹
脂(基剤樹脂)、(B)ブロック化ポリイソシアネート
(硬化剤樹脂)、必要により添加される(C)水不溶性
成分を含有してなり、(A),(B),(C)の各成分
は比重が2.0以下の成分のみからなるカチオン性電着
塗料組成物を用いる自動車用複合塗膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車用複合塗膜の
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用複合塗膜は自動車用鋼板上に電
着塗膜を形成せしめ、中塗り、上塗りあるいはさらにク
リヤーを塗布することにより得られる。商用車等の複合
塗膜は中塗りを省略し、電着塗膜の上に上塗りを塗布す
ることによって得られる場合が多い。ここで形成される
電着塗膜は、高塗膜抵抗、力学的強度、着色、隠蔽性、
防錆力確保等の目的で各種フィラーを添加することが行
われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】代表的なフィラーは顔
料(着色顔料、体質顔料、防錆顔料)であるが、一方で
この添加により、形成される電着塗膜としては平滑性
を、ひいては上塗り鮮映性を、また塗装作業性としては
フィルターおよびUF膜の顔料による目詰まり、水平部
仕上がり性を損ない、顔料沈降を防止するため連続撹拌
を必要とする性格のものであった。従来から顔料分散技
術や顔料/樹脂比率によって改良効果はみられるもの
の、上記の塗装作業性の改良という観点からは十分な効
果が得られないという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】このようなことから、本
発明者らは、2コートの自動車用複合塗膜の形成方法に
おいてより平滑性に優れ、かつ防錆性、塗装作業性等で
優れた品質を有する方法を開発することを目的として鋭
意検討した。その結果下記の特徴を有する電着塗料を使
用したときに初めて、前記目的が達成されることを見い
だした。
【0005】すなわち本発明は、カチオン電着塗料を用
い自動車用鋼板上にカチオン電着塗膜を形成せしめ、更
にその上に顔料入り上塗り塗膜を形成させる自動車用複
合塗膜の形成方法において、電着塗料として、(A)カ
チオン基を有する樹脂(基剤樹脂)、(B)ブロック化
ポリイソシアネート(硬化剤樹脂)、必要により添加さ
れる(C)水不溶性成分を含有してなり、(A),
(B),(C)の各成分は比重が2.0以下の成分のみ
からなるカチオン性電着塗料組成物を用いる自動車用複
合塗膜の形成方法である。
【0006】本発明の複合塗膜の形成方法においては、
上塗り塗膜を形成する上塗り塗料は従来公知の適宜のも
のが適用できるが、カチオン電着塗料は比重が2.0以
下の成分のみからなるものを用いなければならない。比
重が2.0を越える成分を用いると電着塗膜の平滑性、
ひいては上塗り鮮映性を損ない好ましくない。
【0007】本発明のカチオン電着塗料の(A)基剤樹
脂に用いるカチオン基を有する樹脂については、エポキ
シ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基不含
アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等にアミノ基を導入
し、このアミノ基を酸でプロトン化することによって得
られる。特に好ましい酸としては、ギ酸、酢酸、乳酸、
プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、スルファミン酸等
がある。アミノ基の量は特に限定はないが、通常樹脂1
000g当り0.5〜3当量が適当である。特に好まし
いカチオン基を有する樹脂はエポキシ樹脂およびアクリ
ル樹脂であり、その比重は2.0以下である。
【0008】エポキシ樹脂については、好ましくは平均
して1分子当り2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
である。具体的に例示すると、一つには1分子中に2個
のフェノール性水酸基を有する、ポリフェノールのグリ
シジルエーテルであり、好ましいポリフェノールとして
は、レゾルシン、ハイドロキノン、2,2−ビス−(4
−ヒドロキシフェニル)−プロパン(通称ビスフェノー
ルA)、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,
1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、1,
1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、4,
4′−ジヒドロキシビフェニール等を挙げることができ
る。またその他としては、1分子中に2個のアルコール
性水酸基を有するジオールのグリシジルエーテルであ
り、好ましいジオールとしては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−
シクロヘキサンジオール等の低分子ジオール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール等のオリゴマージオールを挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではなく、上
記エポキシ樹脂の混合物も可能である。
【0009】エポキシ樹脂の分子量は2000〜100
00のものが好ましいが、塗膜外観、防錆性能等に代表
される塗膜品質およびつきまわり性、前処理敏感性、耐
はじき性等に代表される塗装品質の点から特に3000
〜8000が好ましい。好適な分子量を得るためには、
上記エポキシ樹脂を連結剤に用いて高分子量化を図る。
好ましい連結剤には、上記のポリフェノールあるいはジ
オールがあり、さらには1分子中に2個のカルボキシル
基を有するジカルボン酸、例えばアジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、カル
ボキシル基含有のブタジエン重合体あるいはブタジエン
/アクリロニトリル共重合体等を挙げることができる。
また高分子量化のためのアミンとしては、エチルアミ
ン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブ
チルアミン、イソブチルアミン、モノエタノールアミ
ン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプ
ロピルアミン等の1級アミン、あるいはヘキサメチレン
ジアミンの各アミノ基を2級化したジアミン等を挙げる
ことができる。またポリイソシアネートによる鎖長延長
も可能である。特に好ましい高分子量化は、上記ポリフ
ェノールのグリシジルエーテルと上記ジオールのグリシ
ジルエーテルを上記ポリフェノールで連結反応する方法
であり、反応温度は70〜180℃が適当である。
【0010】エポキシ基含有アクリル樹脂については、
エポキシ基含有不飽和モノマーと、アクリルモノマーお
よび必要に応じてアクリルモノマー以外の不飽和モノマ
ーを、重合開始剤の存在下で共重合して得られる。エポ
キシ基含有不飽和モノマーとしては、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジル
エーテル等がある。またアクリルモノマーとしては、エ
チルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−(n−ブトキシメチル)−ア
クリルアミド等、またアクリルモノマー以外の不飽和モ
ノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、シクロヘキシルビニルエーテル、アクリロ
ニトリル等が挙げられる。
【0011】上記エポキシ樹脂あるいはエポキシ基含有
アクリル樹脂のエポキシ基を、アミノ化するアミノ化剤
については、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピ
ルアミン、イソプロピルアミン、モノエタノールアミ
ン、n−プロパノールアミン、イソプロパノールアミ
ン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチル
エタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、エチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチ
ルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メ
チルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルア
ミン等あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
これらの中で水酸基を有するアルカノールアミン類が特
に好ましい。また1級アミノ基をあらかじめケトンと反
応させてブロック化後、残りの活性水素とエポキシ基と
反応させてもよい。アミノ化の具体的な方法としては、
溶剤存在下もしくは溶剤不存在下に、通常50〜120
℃の温度で反応を行う。
【0012】エポキシ基不含有アクリル樹脂について
は、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミ
ノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド、ジアリルアミン等の
アミノ基含有不飽和モノマーと上記アクリルモノマーお
よび必要に応じてアクリルモノマー以外の不飽和モノマ
ーを、重合開始剤の存在下で共重合して得られる。
【0013】ポリウレタン樹脂については、1分子当り
2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートと1
分子当り2個の水酸基を有するジオールを反応させ、末
端イソシアネート基に3級アミノ基を有するアミノアル
コール等を反応させる方法、あるいは末端のイソシアネ
ート基にグリシドール等を反応させたポリウレタン樹脂
のエポキシ基を、既述の方法によりアミノ化する方法で
得られる。
【0014】また本発明における(B)ブロック化ポリ
イソシアネート(硬化剤)は、ポリイソシアネートとブ
ロック剤との反応物であり、ポリイソシアネートとして
は、芳香族あるいは脂肪族(脂環式を含む)のポリイソ
シアネートであり、例示すると、2,4−または2,6
−トリレンジイソシアネートおよびこれらの混合物、p
−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−
4,4′−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニ
ルイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、1,3あるいは1,4−ビス−(イソシアネ
ートメチル)−シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタ
ン−4,4′−ジイソシアネート、ビス−(イソシアネ
ートメチル)−ノルボルナン、3あるいは4−イソシア
ネートメチル−1−メチルシクロヘキシルイソシアネー
ト、m−あるいはp−キシリレンジイソシアネート、m
−あるいはp−テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、さらには上記イソシアネートのビュレット変性体あ
るいはイソシアヌレート変性体、あるいは上記イソシア
ネートのイソシアネート基の一部を、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオ
ール等の低分子ジオール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリラクトンジオール等のオリゴマージオール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール等のポリオールで連結したポリイソシア
ネートあるいはこれらの混合物を挙げることができる。
【0015】ブロック剤としては、メタノール、エタノ
ール、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール等の脂
肪族アルコール化合物、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコ
ールモノヘキシルエーテル等のセロソルブ系化合物、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル等のカルビトール系化合
物、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、
シクロヘキサノンオキシム等のオキシム化合物、ε−カ
プロラクタム等のラクタム化合物、フェノール、クレゾ
ール、キシレノール等のフェノール系化合物、アセト酢
酸エチルエステル、マロン酸ジエチルエステル等の活性
メチレン基含有化合物を挙げることができる。
【0016】ポリイソシアネートとブロック剤との反応
は、溶剤中あるいは溶剤なしの溶融体中で実施すること
ができる。反応に使用する溶剤としては、ポリイソシア
ネートと反応しない溶剤、例えばアセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノ
ン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、ニトロベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等の環状エーテル、クロロホルム、四塩化炭素
等のハロゲン化炭化水素を例示することができる。反応
温度については特に限定はないが、好ましくは30〜1
50℃である。このようにして得られたブロック化ポリ
イソシアネートの比重は2.0以下である。
【0017】本発明のカチオン電着塗料組成物に必要に
より添加される(C)水不溶性成分としては、比重2.
0以下の粉末状無機物であり、通常の顔料分散手法で所
望の粒径が得られるものであり、例示するとカーボンブ
ラック等が含まれる。また、同じく比重2.0以下の粉
末状有機物、有機系顔料、染料または無機顔料、有機顔
料および染料によって着色されたあるいはされていない
成分、および無機物、有機物を問わず流動性を調整する
ために加えられるゲル状物質または他の成分と互いに影
響しあう増粘剤、はじき防止剤、平滑剤等をあげること
ができるが、これらはすべて2.0以下の比重を有する
という点で限定される。
【0018】本発明のカチオン性電着塗料組成物の
(A)カチオン性アミン変性エポキシ樹脂(基剤樹脂)
と(B)ブロック化ポリイソシアネート(硬化剤)の含
有割合は、固形分重量比で90〜40/10〜60であ
り、好ましくは85〜40/15〜60、より好ましく
は80〜55/20〜45である。また成分(A)の一
部を、成分(A)以外の通常のアミン変性エポキシ樹脂
をカチオン化した樹脂に替えて配合することもできる
が、その量は成分(A)に対して30重量%以下が好ま
しい。また防錆性能を重視するときには成分(A)+成
分(B)に対して重量比で0.1〜10.0%、好まし
くは0.5〜5.0%の割合で水可溶性添加剤としてP
bまたはZn等の金属塩を使用することができる。
【0019】本発明のカチオン性電着塗料組成物は、通
常水に分散した状態で既知のカチオン電着塗装によって
所望の基剤表面に塗装することができる。具体的には塗
料の固形分濃度は、好ましくは約5〜40重量%、さら
に好ましくは10〜20重量%、pHは5〜8に調整
し、浴温15〜35℃、負荷電圧100〜450Vの条
件で被塗物を陰極として塗装することができる。塗装さ
れた被塗物を水洗後、焼き付け炉中で100〜200℃
で10〜30分間焼き付けて硬化塗膜を得ることができ
る。本発明のカチオン性電着塗料組成物から得られる塗
膜膜厚には特に制限はないが、硬化塗膜において5〜6
0μm、好ましくは10〜40μmが適当である。本発
明に用いる上塗り塗料は、自動車用上塗り塗料でアクリ
ル樹脂を主成分とし、スプレー塗装の後、焼き付け炉中
で120〜140℃で15〜25分間焼き付けて硬化塗
膜を得ることができる。本発明の複合塗膜は、上記の方
法で膜厚約20μmに塗装焼き付けした電着塗膜上に上
記の上塗り塗料を膜厚約40μmに塗装焼き付けして形
成される。
【0020】
【実施例】以下本発明を、(A)アミン変性エポキシ樹
脂(基剤樹脂)、(B)ブロック化イソシアネート(硬
化剤)の製造例と、実施例、比較例により説明する。
【0021】製造例 1(基剤樹脂A1の製造) 表1に示す原料を用い、下記に示す方法により本発明の
(A)アミン変性エポキシ樹脂を製造した。
【表1】 原料(1) 三洋化成社製 グリシエールPP−300
P 原料(2) 東都化成社製 エポトートYD−128 撹拌機、温度計、冷却管を備えた5リットル4ツ口フラ
スコに、原料(1)、(2)、(3)、(4)を仕込
み、撹拌、加熱を行って150℃まで昇温した。150
℃で6時間保持した後、原料(5)を徐々に投入し80
℃まで冷却した。次いで原料(6)を投入し100℃ま
で昇温した。100℃で2時間保持した後、80℃まで
冷却して取り出した。得られたアミン変性エポキシ樹脂
A1は、分子量4600、比重1.2、固形分65%で
あった。
【0022】製造例 2(アクリル基剤樹脂A2の製
造) 表2に示す配合成分を用い、下記に示す方法によりアク
リル樹脂(A2)を製造した。
【表2】 撹拌機、温度計、冷却管を備えた2リットル4ツ口フラ
スコに、原料(1)を仕込み、撹拌、加熱を行い昇温後
還流下に原料(2)、(3)、(4)、(5)、
(6)、(7)の混合液を2時間かけて滴下し、滴下後
4時間保温の後冷却して取り出した。得られたアクリル
樹脂A2は分子量4500、比重0.9、固形分65%
であった。
【0023】製造例 3(比較のための基剤樹脂A3の
製造) 表3に示す原料を用い、下記に示す方法により比較のア
ミン変性エポキシ樹脂を製造した。
【表3】 原料(1) 東都化成社製 エポトートYD−128 原料(2) 東都化成社製 エポトートYD−011 撹拌機、温度計、冷却管を備えた5リットル4ツ口フラ
スコに、原料(1)、(2)、(3)を仕込み、撹拌、
加熱を行って100℃まで昇温した。100℃で1時間
保持した後、80℃まで冷却した。次いで原料(4)、
(5)を投入し100℃まで昇温した。100℃で2時
間保持した後、80℃まで冷却して取り出した。得られ
たアミン変性エポキシ樹脂A3は、分子量2100、比
重1.2、固形分70%であった。
【0024】製造例 4(硬化剤Bの製造) 表4に示す原料を用い、下記に示す方法によりブロック
化ポリイソシアネートを製造した。
【表4】 原料(1) 日本ポリウレタン社製 ミリオネートMR
−400 撹拌機、温度計、冷却管を備えた3リットル4ツ口フラ
スコに、原料(2)、(3)、(4)を仕込み、撹拌、
加熱を行って45℃まで昇温し30分保持した。その後
フラスコ内温度を45℃に保ちながら原料(1)を1時
間かけて仕込み、40〜50℃で3時間反応させた。次
いで同温度を保持して原料(5)を1時間かけて滴下
し、滴下後100℃まで昇温し、100℃で2時間保持
した後、80℃まで冷却して取り出した。得られたブロ
ック化ポリイソシアネートBは、比重1.1、固形分7
5%であった。
【0025】実施例 1、2、3、4、5、比較例
1、2 表5に示す配合で電着塗料を作製し、品質評価を行っ
た。尚、上塗り鮮映性試験においては各々の電着塗料で
膜厚約20μmに塗装を焼き付けした電着塗膜上にアク
リル樹脂を主成分とする上塗り塗料を膜厚約40μmに
塗装焼き付けして形成した複合塗膜で試験を行った。
【0026】樹脂水分散液の調製 基剤樹脂、硬化剤の混合物をプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、ギ酸、脱イオン水の混合液中によく撹
拌しながら仕込んで、樹脂水分散液を得た。実施例5と
しては、基剤樹脂、硬化剤、ジスアゾ系染料(田岡化学
製BK−1)の混合物をプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ギ酸、脱イオン水の混合液中によく撹拌し
ながら仕込んで、樹脂水分散液を得た。 顔料ペーストの調製 実施例4としては基剤樹脂、ギ酸、脱イオン水、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、カーボンブラック
(比重1.8)をディゾルバーで充分撹拌した後、横型
サンドミルで粒ゲージ粒度10μm以下になるまで分散
し、顔料ペーストを得た。比較例1、2としては基剤樹
脂、ギ酸、脱イオン水、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、カーボンブラック(比重1.8)、酸化チ
タン(比重3.8)、カオリン(比重2.5)、ジブチ
ル錫オキサイド(比重1.5)、防錆顔料(比重6.
4)をディゾルバーで充分撹拌した後、横型サンドミル
で粒ゲージ粒度10μm以下になるまで分散し、顔料ペ
ーストを得た。 電着塗料の調製 上記樹脂水分散液、顔料ペーストを表5の量で配合し電
着塗料液を得た。
【0027】
【表5】
【0028】試験板の作製方法 上記で得られた電着塗料液を用いてカーボン電極を陽極
とし、リン酸亜鉛処理板(日本テストパネル社製、Bt
3004、0.8×70×150mm)を陰極とし、焼
き付け後の膜厚が20μmとなる条件で電着塗装を行
い、175℃で25分間焼き付けを行った。次いで自動
車用上塗り塗料を焼き付け後の膜厚が40μmとなる条
件でエアスプレー塗装を行い、140℃で20分間焼き
付けを行い、塗膜性能評価の結果を表6に示す。
【0029】
【表6】 評価方法 (1)塗膜外観 Kosaka Laboratory Ltd.製 サーフコ
ーダー SE−30DでRa(μm)測定 (2)上塗り鮮映性 鮮映光沢度計 PGd測定 (3)耐塩水噴霧性 JIS−Z−2731に準じて行
った。電着塗装面に素地に達するきずをカッターナイフ
で入れ、1000時間後の錆幅を評価する。 (4)温塩水浸漬試験 50℃、5%の食塩水に塗装試
験板を1000時間浸漬した後、試験板全体に対する塗
膜剥離面積の割合を測定し、%で表示する。 (5)沈降スピード BYK製 ダイノメーター 単位
時間中の沈降物量(mg/時間)測定 (6)つきまわり性 パイプ法 塗装長さ(cm)測定 (7)水平部仕上がり性 L字型に曲げたパネルを塗装
し、水平部の仕上がりを評価する。垂直部との外観差の
無し○、垂直部との差小△
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、自動車用複合塗膜の形
成方法において、より平滑性に優れ、かつ防錆性、塗装
作業性等で優れた品質を有する方法を提供することがで
きる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン電着塗料を用い自動車用鋼板上
    にカチオン電着塗膜を形成せしめ、更にその上に顔料入
    り上塗り塗膜を形成させる自動車用複合塗膜の形成方法
    において、電着塗料として、 (A)カチオン基を有する樹脂(基剤樹脂)、(B)ブ
    ロック化ポリイソシアネート(硬化剤樹脂)、必要によ
    り添加される(C)水不溶性成分を含有してなり、
    (A),(B),(C)の各成分は比重が2.0以下の
    成分のみからなるカチオン性電着塗料組成物を用いる自
    動車用複合塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 カチオン基を有する樹脂が、エポキシ樹
    脂にアミンを反応させて得られるアミン変性エポキシ樹
    脂をカチオン化した、カチオン性アミン変性エポキシ樹
    脂であるカチオン性電着塗料組成物を用いた請求項1記
    載の自動車用複合塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 カチオン基を有する樹脂が、ポリフェノ
    ールのグリシジルエーテル、ジオールのグリシジルエー
    テルおよびポリフェノールとを反応させて得られるエポ
    キシ樹脂に、アミンを反応させて得られるアミン変性エ
    ポキシ樹脂をカチオン化した、カチオン性アミン変性エ
    ポキシ樹脂であるカチオン性電着塗料組成物を用いた請
    求項2記載の自動車用複合塗膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 カチオン基を有する樹脂が、分子量30
    00以上の大きさを有するカチオン性アミン変性エポキ
    シ樹脂であるカチオン性電着塗料組成物を用いた請求項
    3記載の自動車用複合塗膜の形成方法。
JP22438896A 1996-08-06 1996-08-06 自動車用複合塗膜の形成方法 Pending JPH1043674A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22438896A JPH1043674A (ja) 1996-08-06 1996-08-06 自動車用複合塗膜の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22438896A JPH1043674A (ja) 1996-08-06 1996-08-06 自動車用複合塗膜の形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1043674A true JPH1043674A (ja) 1998-02-17

Family

ID=16812971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22438896A Pending JPH1043674A (ja) 1996-08-06 1996-08-06 自動車用複合塗膜の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1043674A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008015955A1 (fr) * 2006-08-02 2008-02-07 Nippon Paint Co., Ltd. Procédé pour la formation d'un film à revêtement multicouche
JP2009221409A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Dupont Shinto Automotive Systems Kk カチオン性電着塗料組成物の塗装方法
JPWO2016047458A1 (ja) * 2014-09-22 2017-06-29 荒川化学工業株式会社 塗料用変性エポキシ樹脂および一液・ラッカー型塗料
JP2017170692A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 マツダ株式会社 金属部材と樹脂部材との接合方法およびその方法において使用される金属部材

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008015955A1 (fr) * 2006-08-02 2008-02-07 Nippon Paint Co., Ltd. Procédé pour la formation d'un film à revêtement multicouche
JP2009221409A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Dupont Shinto Automotive Systems Kk カチオン性電着塗料組成物の塗装方法
JPWO2016047458A1 (ja) * 2014-09-22 2017-06-29 荒川化学工業株式会社 塗料用変性エポキシ樹脂および一液・ラッカー型塗料
JP2017170692A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 マツダ株式会社 金属部材と樹脂部材との接合方法およびその方法において使用される金属部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5039720A (en) Aqueous electrophoretic enamel coating materials, which can be deposited at the cathode crosslinked with methane tricarboxylic acid amides of malonic acid derivatives
JPH0554396B2 (ja)
US5739185A (en) Cationic electrodepositable coating composition and coating method using the same
US6551482B2 (en) Method of forming multilayer coating films and multilayer coating films
CA2205695C (en) Resin composition for cationic electrodeposition coating
JPH08333528A (ja) 複層塗膜形成カチオン電着塗料組成物
US20030059617A1 (en) Process for forming layered coated film, and layered coated film
JP5558653B2 (ja) カチオン性電着塗料組成物
US5380781A (en) Cationically electrodepositable fine particles derived from alkoxysilane-modified epoxy resins and cationic electrodeposition paint composition comprising the same
JPH1043674A (ja) 自動車用複合塗膜の形成方法
JP3513665B2 (ja) ブロックイソシアネート成分およびカチオン性基を結合した変性エポキシ樹脂、その製法およびその使用
JP3375736B2 (ja) カチオン性電着塗料用樹脂組成物
JP5904662B2 (ja) カチオン型電着塗料組成物
JPH1043673A (ja) 自動車用複合塗膜の形成方法
JP2013189524A (ja) カチオン性電着塗料組成物
JPH09241546A (ja) カチオン性電着塗料組成物
JPH09328640A (ja) カチオン性電着塗料組成物
JPH05262883A (ja) ポリマー反応生成物
JPH09194770A (ja) カチオン性電着塗料用樹脂組成物
JP2001288598A (ja) カチオン電着塗装方法
JP2843052B2 (ja) 複合塗膜
US5258460A (en) Polymeric reaction products
JP3444556B2 (ja) カチオン性電着塗料組成物
JPH09328641A (ja) カチオン性電着塗料組成物
JP2004307776A (ja) カチオン性電着塗料用樹脂組成物