JPH1039916A - 多関節ロボットの加減速制御方法 - Google Patents

多関節ロボットの加減速制御方法

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JPH1039916A
JPH1039916A JP8214060A JP21406096A JPH1039916A JP H1039916 A JPH1039916 A JP H1039916A JP 8214060 A JP8214060 A JP 8214060A JP 21406096 A JP21406096 A JP 21406096A JP H1039916 A JPH1039916 A JP H1039916A
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maxi
torque
angular velocity
calculated
allowable
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JP8214060A
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Hirobumi Hamada
博文 浜田
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Nachi Fujikoshi Corp
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Nachi Fujikoshi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御装置の演算部を圧迫することなく、簡便
に各駆動軸の許容最大角加速度αmaxiを導出することが
できるような多関節ロボットの加減速制御方法を提供す
る。 【解決手段】 アンバランストルクPi 、及びモータと
減速機の最大許容トルクTsplyi とにより最小トルク余
裕率ξmin を算出し、これにイナーシャJi を考慮して
許容最大角加速度αmaxiを算出する。また、教示点の記
録情報を基にティーチングにより設定された複数の教示
点間の中間位置θi halfにおける予想最大角速度Vmaxi
を算出した後、中間位置θi halfでの遠心力及びコリオ
リ力の予想最大値Cmaxiを算出する。ここで遠心力及び
コリオリ力の予想最大値Cmaxiが限界値(Tsplyi −P
i )より大きい場合は予想最大角速度Vmaxiを補正し、
これを許容最大角速度Vmaxiとする。算出された各駆動
軸の許容最大角加速度αmaxi及び許容最大角速度Vmaxi
に基づいて多関節ロボットの加減速制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】複数の駆動軸を有する多関節
ロボットの加減速時における制御方法に関し、特に、動
作中の各駆動軸の角度、角速度、及び角加速度が、他の
駆動軸の動作から受ける力すなわち反力の影響を受ける
ように構成されている多関節ロボットの加減速制御方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の駆動軸を有する多関節ロボットに
おいては、駆動軸モータの特性やアームの形態等から各
駆動軸の許容最大角加速度αmaxiを算出し、動作中のロ
ボットの各駆動軸の角加速度αi がこの許容最大角加速
度αmaxiを超えないように制御するようにしている。そ
して、この許容最大角加速度αmaxiは、駆動軸の発生ト
ルクτi がこの駆動軸の最大許容トルクTsplyi を超え
ないように制限されている。ここで、各駆動軸の最大許
容トルクTsplyi は、各駆動軸を駆動する駆動軸モータ
の発生トルク限界Tmiと減速機の許容トルクTgiのうち
いづれか値の小さい方のトルク値によって与えられる。
【0003】一般に、n軸の自由度を有する多関節ロボ
ットの第i駆動軸(iは駆動軸ナンバー)における発生
トルクτi は、この第i駆動軸のイナーシャをJi (θ
1,θ2,・・・,θn )、角加速度をαi 、遠心力及びコ
リオリ力によるトルクをCi(ω1,ω2,・・・,ωn
θ1,θ2,・・・,θn )、アンバランストルクをP
i(θ1,θ2,・・・,θn )とすると、式(1)により
与えられる。
【0004】
【数1】
【0005】式(1)において、(θ1,θ2,・・・,θ
n )は第1〜第n駆動軸の角度であり、(ω1,ω2,・・
・,ωn )は第1〜第n駆動軸の角速度である。式
(1)の左辺に第i駆動軸の最大許容トルクTsplyi
代入すると、この第i駆動軸における許容最大角加速度
αmaxiは式(2)に示すようになる。
【0006】
【数2】
【0007】多関節ロボットの実際の加減速制御では、
全ての駆動軸において、各駆動軸の角加速度αi がこの
許容最大角加速度αmaxiを超えないように制御されるこ
とになる。式(2)には全ての駆動軸の姿勢や角速度が
考慮されているので、ロボットアームを比較的低速で動
作させる場合においては、式(2)により算出された各
駆動軸の許容最大角加速度αmaxiに基づいて各駆動軸を
制御することにより、減速機の破損及び寿命低下を防止
することが可能となる。
【0008】しかし、式(2)は他の駆動軸の動作から
受ける力すなわち反力については考慮されていないの
で、複数の駆動軸が高速で同時に動作する場合や急激な
加減速を行う場合など、他の駆動軸から受ける反力の影
響を無視できないような動作態様においては、式(2)
により算出された各駆動軸の許容最大角加速度αmaxi
基づいて各駆動軸の角加速度αi を制御するようにする
と、他の駆動軸から受ける反力の影響により、各駆動軸
の最大許容トルクTsplyi を超すような場合が生じると
いう問題がある。極端な場合には、動作中の第i駆動軸
の角加速度αi が0の場合でも、この第i駆動軸以外の
駆動軸から受ける反力の影響により、第i駆動軸の発生
トルクτi がこの駆動軸の最大許容トルクTsplyi を超
すような場合が発生する。
【0009】そこで、出願人が先に出願した特願平8−
30120号では、複数の駆動軸が高速で同時に動作す
る場合や急激な加減速を行う場合など、他の駆動軸の動
作から受ける反力を無視できないような動作態様におい
ても、各駆動軸の発生トルクτi がこの駆動軸の最大許
容トルクTsplyi を超えることなく、減速機の破損及び
寿命低下を防止することができるような多関節ロボット
の加減速制御方法を提供した。
【0010】すなわち、特願平8−30120号では、
動作中の多関節ロボットの各駆動軸の角度θi 、角速度
ωi 、及び角加速度αi が他の駆動軸の動作から受ける
力すなわち反力の影響を受けるようにされている多関節
ロボットの加減速制御方法において、各駆動軸につい
て、遠心力及びコリオリ力によるトルクCi 、アンバラ
ンストルクPi 、及びモータの発生トルク限界Tmiと減
速機の許容トルクTgiのうちいづれか値の小さい方のト
ルク値すなわち最大許容トルクTsplyi とにより、各駆
動軸のトルク余裕率ξi を算出し、算出された全ての駆
動軸のトルク余裕率のうち最小の値をもつものを最小ト
ルク余裕率ξmin として抽出し、前記最大許容トルクT
splyi 、最小トルク余裕率ξmin 、及び駆動軸のイナー
シャJi とにより、各駆動軸の許容最大角加速度αmaxi
を算出し、動作中の多関節ロボットの全ての駆動軸につ
いて、角加速度αi が許容最大角加速度αmaxiを超えな
いように制御することにより、減速機の破損及び寿命低
下を防止することができるようにした。
【0011】上記加減速制御方法を図3に示すフローチ
ャートに基づいて具体的に説明する。まず、ロボットが
適正に動作するための各駆動軸のアーム角度としての指
令位置θi を出力する指令位置発生装置からこの指令位
置θi を得(ステップ31)、この指令位置θi と、メ
モリに記憶しておいたθi よりも1演算周期前(1スキ
ャンタイム前)の指令位置θi ′より、各駆動軸の角速
度ωi を算出する(ステップ32)。この各駆動軸の指
令位置θi 及び角速度ωi より、各駆動軸のトルク余裕
率ξi を式(3)により算出する(ステップ33)。
【0012】
【数3】
【0013】式(3)において、Ci (ω1,ω2,・・
・,ωn 、θ1,θ2,・・・,θn )は第i駆動軸におけ
る遠心力及びコリオリ力によるトルクであり、Pi (θ
1,θ2,・・・,θn )はこの第i駆動軸におけるアンバ
ランストルクである。また、Tsplyi は第i駆動軸にお
ける最大許容トルクであり、この値はこの駆動軸のモー
タの発生トルク限界Tmiと減速機の許容トルクTgiのう
ちいづれか値の小さい方のトルク値によって与えられ
る。
【0014】次に、式(4)に示すように、式(3)よ
り算出された各駆動軸のトルク余裕率ξi のうち最小の
値をもつものを最小トルク余裕率ξmin として抽出する
(ステップ34)。
【0015】
【数4】
【0016】次に、式(4)より算出された最小トルク
余裕率ξmin 、各駆動軸の最大許容トルクTsplyi 及び
イナーシャJi (θ1,θ2,・・・,θn )とにより、各
駆動軸の許容最大角加速度αmaxiを式(5)により算出
する(ステップ35)。
【0017】
【数5】
【0018】最後に、式(5)により算出された各駆動
軸の許容最大角加速度αmaxiを、前述の各駆動軸の指令
位置θi を出力する指令位置発生装置に対して出力する
(ステップ36)。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、各駆動軸の許
容最大角加速度αmaxiを導出するための上記の処理過程
においては、遠心力及びコリオリ力によるトルクCi
アンバランストルクPi、及びイナーシャJi の各値を
正確に求めなければならず、多関節ロボットの場合これ
らの計算には複雑な座標変換処理が必要であり、これに
よる制御装置の演算部の処理能力への圧迫に対処するた
めに、演算周期(スキャンタイム)を延ばす等の対応を
余儀なくされていた。したがって、特願平8−3012
0号の方法では、駆動軸モーターの出し得るトルク内で
の加減速制御が保証されることによりロボットの軌跡精
度の向上を実現できるという利点がある反面、制御装置
の演算周期が延びることによって、短ピッチ移動性能の
低下やリアルタイムトラッキング系の追従性能の低下等
の副作用を招いていた。
【0020】ここで、短ピッチ移動性能とは短ピッチす
なわち短い距離を移動する際の移動性能のことであり、
演算周期が延びると、移動指令の出力にかかる所要時間
が延びることになり、その結果短ピッチの移動性能が低
下することになる。また、リアルタイムトラッキング系
の追従性能とは、例えば物品の搬送にハンドリングロボ
ットとコンベア装置とを組み合わせた場合のロボットの
コンベア同期機能について、リアルタイムにコンベア装
置から入力されるコンベアの位置信号に従ってロボット
の再生位置をシフト移動させる際の追従性能のことであ
り、制御装置の演算周期が延びると、ロボットの再生位
置を算出するための計算のインターバルが延びることに
なり、その結果動作中のロボットに脈動現象が発生し、
追従性能が低下することになる。
【0021】本発明はこのような従来技術の問題点を解
決するためになされたものであり、制御装置の演算部の
処理能力を圧迫することなく、簡便に各駆動軸の許容最
大角加速度αmaxiを導出することができるような多関節
ロボットの加減速制御方法を提供することを目的として
いる。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述の遠心力及びコリオ
リ力によるトルクCi 、アンバランストルクPi 、及び
イナーシャJi のそれぞれの算出に要する時間の比は、
おおよそ4:1:1であることを出願人は知得した。そ
こで本発明では、これらの中で最も算出時間を要する遠
心力及びコリオリ力によるトルクCi の算出による、制
御装置の演算部の処理能力への圧迫に対処するための演
算処理方法を提供することにより、上記の課題を解決す
ることにした。すなわち本発明における演算処理方法で
は、図3に示した従来技術の許容最大角加速度αmaxi
算出過程から、遠心力及びコリオリ力によるトルクCi
の算出処理を排除し、その代わりに、ティーチングによ
って与えられた複数の教示点について、各教示点間の中
間位置における許容最大角速度Vmaxiの算出過程を新た
に設定することとし、これら2つの算出過程により算出
された各駆動軸の許容最大角加速度αmaxi及び許容最大
角速度Vmaxiを、各駆動軸の指令位置θi を出力する指
令位置発生装置へ出力し、これらの値を上限値として各
駆動軸の角加速度及び角速度を規制するようにした。
【0023】具体的な構成として、請求項1に記載され
ているように、許容最大角加速度αmaxiの算出過程で
は、各駆動軸について、駆動軸に対する指令位置θi
より規定されるアンバランストルクPi 、及びモータの
発生トルク限界Tmiと減速機の許容トルクTgiのうちい
づれか値の小さい方のトルク値すなわち最大許容トルク
splyi とによりトルク余裕率ξi を算出し(ステップ
12)、算出された全ての駆動軸のトルク余裕率のうち
最小の値をもつものを最小トルク余裕率ξmin として抽
出し(ステップ13)、各駆動軸について、最大許容ト
ルクTsplyi 、最小トルク余裕率ξmin 、及びイナーシ
ャJi とにより、許容最大角加速度αmaxiを算出する
(ステップ14)。ここで、駆動軸に対する指令位置θ
i とは、各駆動軸を動作させるサーボモータに対して制
御装置の指令位置発生装置から出力される駆動軸の角度
データをいう。
【0024】一方、許容最大角速度Vmaxiの算出過程で
は、ティーチングにより設定された複数の教示点につい
て、各教示点間の中間位置θi halfにおける角速度を教
示点の記録情報から算出し、これを予想最大角速度V
maxiとして設定し(ステップ15)、中間位置θi half
及び予想最大角速度Vmaxiの各データより、中間位置θ
i halfでの遠心力及びコリオリ力の予想最大値Cmaxi
算出し(ステップ16)、最大許容トルクTsplyi 及び
アンバランストルクPi より遠心力及びコリオリ力の限
界値(Tsplyi −Pi )を算出し、この限界値(T
splyi −Pi )と予想最大値Cmaxiとの比((Tsplyi
−Pi )/Cmaxi)を両者の比率ρi として設定し(ス
テップ17)、この比率ρi が1未満のときは予想最大
角速度Vmaxiに比率ρi の平方根(√ρi )を乗じて得
た値を許容最大角速度Vmaxiとして置き換え、一方、比
率ρi が1以上のときは予想最大角速度Vmaxiの値をそ
のまま許容最大角速度Vmaxiとする(ステップ18〜1
9)。
【0025】ここで、教示点の記録情報とは、ティーチ
ングにより教示点を指定する際に設定する各種パラメー
タであり、具体的には、教示点の位置データ、教示点ま
での移動速度データ、教示点での位置決め精度データ、
教示点への移動における補間等の移動形態データなどで
ある。本発明では各教示点間の中間位置θi halfにおけ
る予想最大角速度Vmaxiはこれらの記録情報を基に算出
する。また、予想最大角速度Vmaxiを各教示点間の中間
位置θi halfにおける角速度とした点については、教示
点間の移動において最も角速度が大きくなるのは、一般
に教示点間の中間位置においてであることによる。
【0026】最後に、これら2つの算出過程により算出
された各駆動軸の許容最大角加速度αmaxi及び許容最大
角速度Vmaxiに基づいて、各駆動軸の角加速度αi が許
容最大角加速度αmaxiを超えず、かつ各駆動軸の角速度
ωi が許容最大角速度Vmaxiを超えないように制御する
ことにより、減速機の破損及び寿命低下を防止するよう
にした。
【0027】ここで、上記の請求項1に記載の構成にお
いて、比率ρi が1未満のときは予想最大角速度Vmaxi
に比率ρi の平方根(√ρi )を乗じて得た値を許容最
大角速度Vmaxiとして置き換え、一方、比率ρi が1以
上のときは予想最大角速度Vmaxiの値をそのまま許容最
大角速度Vmaxiとした点について説明する。予想最大角
速度Vmaxiは前述のように教示点の記録情報から算出さ
れており、この教示点の記録情報には駆動軸の許容トル
クについては加味されていない。よって、教示点の記録
情報のみから許容最大角速度を設定するようにすると、
動作形態によっては駆動軸が許容トルクオーバーとなる
場合が生ずる。具体的に言うと、比率ρi が1未満のと
き、すなわち遠心力及びコリオリ力によるトルクが占め
ることのできる限界値(Tsplyi −Pi )よりも予想最
大値Cmaxiが大きい場合は、中間位置θi halfにおける
遠心力及びコリオリ力によるトルクによって、第i駆動
軸が許容トルクオーバー状態となる可能性がある。
【0028】そこで比率ρi が1未満の場合は、遠心力
及びコリオリ力によるトルクは概ね角速度の2乗に比例
することを考慮し、予想最大角速度Vmaxiに√(ρi
を乗じた値を許容最大角速度として置き換えることによ
り補正することにした。一方、比率ρi が1以上のとき
は、遠心力及びコリオリ力によるトルクの予想最大値C
maxiが、限界値(Tsplyi −Pi )以内に治まっている
わけであるから、この場合は修正の必要はなく、予想最
大角速度Vmaxiの値をそのまま許容最大角速度とするこ
とにした。
【0029】上記の構成によれば、遠心力及びコリオリ
力によるトルクCmaxiは、各教示点間の中間位置θi
halfと、この中間位置θi halfでの予想最大角速度V
maxiとにより算出されており、結局のところCmaxiは各
教示点間の移動の際に1回だけ算出すればよいことにな
る。一方、従来技術では、遠心力及びコリオリ力による
トルクCi は、指令位置θi と、メモリに記憶しておい
たθi よりも1演算周期前(1スキャンタイム前)の指
令位置θi ′とにより求められた角速度ωi により算出
されており、結局のところCi は演算周期毎(スキャン
タイム毎)に算出しなければならなかった。一般に、制
御装置の演算部における演算周期(スキャンタイム)は
数十m秒であるが、各教示点間の移動に要する時間は数
百m秒〜数秒であるので、演算量の大きい遠心力及びコ
リオリ力によるトルクの算出では、本発明の方が従来技
術よりも制御装置に対する演算負荷が格段に小さくな
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら具体的に説明する。図2は本発明の
制御方法が適用されるシステムの一例を示すブロック図
であり、図中1はロボット本体、2はサーボアンプ、3
は指令位置発生装置、4は目標位置発生装置、5は許容
最大角加速度αmaxi及び許容最大角速度Vmaxiの計算装
置である。目標位置発生装置4は、メモリーに記録され
た位置または計算により求められた位置を、ロボットが
到達すべき目標位置として指令位置発生装置3へ出力す
る。指令位置発生装置3は、目標位置、指定速度、現在
位置、及び加速度制限等の値から、ロボットが適正に動
作するための時々刻々の各駆動軸の指令角度としての指
令位置θi を算出し、サーボアンプ2へ出力する。
【0031】許容最大角加速度αmaxi及び許容最大角速
度Vmaxiの計算装置5は、本発明の制御方法において算
出される許容最大角加速度αmaxi及び許容最大角速度V
maxiの計算装置であり、指令位置発生装置3の出力であ
る各駆動軸のアーム角度としての指令位置θi を入力
し、各駆動軸の減速機の許容トルクTgi及び駆動軸モー
タの発生トルク限界Tmiより許容最大角加速度αmaxi
び許容最大角速度Vmaxiを算出し、指令位置発生装置3
へ出力するループを形成する。サーボアンプ2は、指令
位置発生装置3からの指令位置θi の入力を受け、ロボ
ット本体1を動作させるための動作指令を出力する。ロ
ボット本体1には図示しない駆動軸モータ、エンコー
ダ、減速機等が取り付けられており、これらはサーボル
−プを構成する。
【0032】図1は、図2において示した許容最大角加
速度αmaxi及び許容最大角速度Vmaxiの計算装置5にて
行われる、各駆動軸の許容最大角加速度αmaxi及び許容
最大角速度Vmaxiの算出処理の流れを示すフローチャー
トである。まず、指令位置発生装置3からロボットが適
正に動作するための各駆動軸の指令位置θi を得る(ス
テップ11)。この各駆動軸の指令位置θi より、各駆
動軸のトルク余裕率ξi を式(6)により算出する(ス
テップ12)。
【0033】
【数6】
【0034】式(6)において、Pi (θ1,θ2,・・
・,θn )は第i駆動軸(iは駆動軸ナンバー)におけ
るアンバランストルクである。また、Tsplyi はこの第
i駆動軸における最大許容トルクであり、この値は第i
駆動軸のモータの発生トルク限界Tmiと減速機の許容ト
ルクTgiのうちいづれか値の小さい方のトルク値によっ
て与えられる。
【0035】このトルク余裕率ξi の算出において、本
実施形態におけるステップ12での処理と、先行技術で
ある特願平8−30120号におけるステップ33での
処理とを比較すると、特願平8−30120号では式
(3)で示したように、第i駆動軸における遠心力及び
コリオリ力によるトルクであるCi (ω1,ω2,・・・,
ωn 、θ1,θ2,・・・,θn )を考慮しているが、本実
施形態ではこれを考慮していない。本実施形態では、第
i駆動軸における遠心力及びコリオリ力によるトルクで
あるCi は、後述する許容最大角速度Vmaxiの算出過程
で考慮するようにしている。
【0036】次に、式(7)に示すように、式(6)よ
り算出された各駆動軸のトルク余裕率ξi のうち最小の
値をもつものを最小トルク余裕率ξmin として抽出する
(ステップ13)。
【0037】
【数7】
【0038】次に、式(7)より算出された最小トルク
余裕率ξmin 、第i駆動軸における最大許容トルクT
splyi 及びイナーシャをJi (θ1,θ2,・・・,θn
とにより、第i駆動軸における許容最大角加速度αmaxi
を式(8)により算出する(ステップ14)。
【0039】
【数8】
【0040】一方、前述のステップ12において考慮に
いれなかった遠心力及びコリオリ力によるトルクC
i を、上記許容最大角加速度αmaxiの算出過程とは別過
程にて考慮しているのが図1に示すフローチャートのス
テップ15以降の処理ステップである。遠心力及びコリ
オリ力によるトルクCi は、位置と角速度に依存し、一
般に角速度が大きいほど大きくなる。そこで、各駆動軸
において、ティーチングにより設定された複数の教示点
について、隣接する教示点間の移動の際に角速度が最も
大きくなる位置すなわち各教示点間の丁度中間の位置θ
i halfを代表点として抽出し、教示点の記録情報からこ
の中間位置θi halfでのおおよその最大角速度すなわち
予想最大角速度Vmaxiを算出する(ステップ15)。こ
こで、教示点の記録情報とは、ティーチングにより教示
点を指定する際に設定する各種パラメータであり、具体
的には、教示点の位置データ、教示点までの移動速度デ
ータ、教示点での位置決め精度データ、教示点への移動
における補間等の移動形態データなどである。
【0041】この中間位置θi half及び予想最大角速度
maxiから、式(9)により、第i駆動軸における遠心
力及びコリオリ力によるトルクCmaxiを算出する(ステ
ップ16)。ここで示されるCmaxiは中間位置θi half
での遠心力及びコリオリ力によるトルクの予想最大値と
なる。
【0042】
【数9】
【0043】ここで、従来技術と本実施形態における遠
心力及びコリオリ力によるトルクの算出過程を比較す
る。従来技術における遠心力及びコリオリ力によるトル
クCiは、指令位置θi と、メモリに記憶しておいたθ
i よりも1演算周期前(1スキャンタイム前)の指令位
置θi ′とにより求められた角速度ωi により算出され
ており、結局のところCi は演算周期毎(スキャンタイ
ム毎)に算出しなければならなかった。一方、本実施形
態における遠心力及びコリオリ力によるトルクC
maxiは、各教示点間の中間位置θi halfと、この中間位
置θi halfでの予想最大角速度Vmaxiとにより算出され
ており、結局のところCmaxiは各教示点間の移動の際に
1回だけ算出すればよいことになる。一般に、制御装置
の演算部における演算周期(スキャンタイム)は数十m
秒であるが、各教示点間の移動に要する時間は数百m秒
〜数秒であるので、演算量の大きい遠心力及びコリオリ
力によるトルクの算出では、本実施形態の方が制御装置
に対する演算負荷が格段に小さくなる。
【0044】この中間位置θi halfにおける第i駆動軸
のアンバランストルクPi 及び最大許容トルクTsplyi
とから、同時刻において遠心力及びコリオリ力によるト
ルクが占めることのできる限界値(Tsplyi −Pi )を
求めることができるので、この限界値と式(9)より求
められた中間位置θi halfでの遠心力及びコリオリ力に
よるトルクの予想最大値Cmaxiとを比較する。具体的に
は、式(10)により、比率ρi を算出する(ステップ
17)。
【0045】
【数10】
【0046】式(10)により算出された比率ρi が1
未満のとき、すなわち遠心力及びコリオリ力によるトル
クが占めることのできる限界値(Tsplyi −Pi )より
も予想最大値Cmaxiが大きい場合は、中間位置θi half
における遠心力及びコリオリ力によるトルクによって、
第i駆動軸が許容トルクオーバー状態となる可能性があ
る。そこで比率ρi が1未満の場合は、遠心力及びコリ
オリ力によるトルクは概ね角速度の2乗に比例するもの
と考え、ρi ←√(ρi )と置き換えたうえで(ステッ
プ18)、先に算出した中間位置θi halfでのおおよそ
の予想最大角速度Vmaxiを、式(11)により修正し、
修正後の値を許容最大角速度とすることにする(ステッ
プ19)。一方、比率ρi が1以上のときは、遠心力及
びコリオリ力によるトルクの予想最大値Cmaxiが、限界
値(Tsplyi −Pi )以内に治まっているわけであるか
ら、この場合は修正の必要はなく、実際の演算処理では
式(11)においてρi =1とすることになる。
【0047】
【数11】
【0048】式(8)により算出された許容最大角加速
度αmaxi及び式(11)により修正された中間位置θi
halfでの許容最大角速度Vmaxiは、指令位置発生装置3
へ出力され(ステップ20)、指令位置発生装置3はこ
れらの値を角加速度及び角速度の上限値として、次回の
指令位置を導出する。
【0049】以上の処理のうち、ステップ11〜14
は、指令位置θi と、メモリに記憶しておいたθi より
も1演算周期前(1スキャンタイム前)の指令位置
θi ′のデータに基づいて処理しているので、演算周期
毎に行う必要があるが、ステップ15〜19は、各教示
点の中間位置における角速度に基づいているので、各教
示点間の移動の際に1回だけ行えばよい。これにより遠
心力及びコリオリ力によるトルクを算出する過程が、従
来技術の演算周期毎から、本実施形態の各教示点間の移
動毎に1回になったことにより、制御装置の演算負荷を
軽減することができる。
【0050】
【発明の効果】本発明における多関節ロボットの加減速
制御方法によれば、遠心力及びコリオリ力によるトルク
は、各教示点間の中間位置と、この中間位置での予想最
大角速度とにより算出されるようにし、この算出過程は
各教示点間の移動の際に1回だけ行えばよいので、従来
技術のように演算周期毎に算出する必要はなくなり、簡
便に各駆動軸の許容最大角加速度αmaxi及び許容最大角
速度Vmaxiを算出できるようになった。そして、この許
容最大角加速度αmaxi及び許容最大角速度Vmaxiを用い
て多関節ロボットを加減速制御することにより、減速器
の破損及び寿命低下を防止できるようになった。
【0051】また、制御装置の演算負荷が軽減され、演
算周期が延びることがなくなったことにより、短ピッチ
移動性能の低下やリアルタイムトラッキング系の追従性
能の低下等の従来技術の不具合が解消されることとなっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における、許容最大角加速
度αmaxi及び許容最大角速度Vmaxiの算出処理の流れを
示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態における、加減速制御方法
が適用されるシステムの一例を示すブロック図である。
【図3】従来技術における許容最大角加速度αmaxiの算
出処理の流れを示すフローチャートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動作中の多関節ロボットの各駆動軸の角
    度、角速度、及び角加速度が他の駆動軸の動作から受け
    る力すなわち反力の影響を受けるようにされている多関
    節ロボットの加減速制御方法において、 各駆動軸について、駆動軸に対する指令位置θi により
    規定されるアンバランストルクPi 、及びモータの発生
    トルク限界Tmiと減速機の許容トルクTgiのうちいづれ
    か値の小さい方のトルク値すなわち最大許容トルクT
    splyi とによりトルク余裕率ξi を算出し、 算出された全ての駆動軸のトルク余裕率のうち最小の値
    をもつものを最小トルク余裕率ξmin として抽出し、 各駆動軸について、前記最大許容トルクTsplyi 、前記
    最小トルク余裕率ξmin 、及びイナーシャJi とによ
    り、許容最大角加速度αmaxiを算出し、 一方、ティーチングにより設定された複数の教示点につ
    いて、各教示点間の中間位置θi halfにおける角速度を
    教示点の記録情報から算出し、これを予想最大角速度V
    maxiとして設定し、 前記中間位置θi half及び予想最大角速度Vmaxiより、
    中間位置θi halfでの遠心力及びコリオリ力の予想最大
    値Cmaxiを算出し、 前記最大許容トルクTsplyi 及びアンバランストルクP
    i より遠心力及びコリオリ力の限界値(Tsplyi
    i )を算出し、該限界値(Tsplyi −Pi )と前記予
    想最大値Cmaxiとの比((Tsplyi −Pi )/Cmaxi
    を両者の比率ρi として設定し、 該比率ρi が1未満のときは前記予想最大角速度Vmaxi
    に比率ρi の平方根(√ρi )を乗じて得た値を許容最
    大角速度Vmaxiとして置き換え、一方、比率ρi が1以
    上のときは前記予想最大角速度Vmaxiの値をそのまま許
    容最大角速度Vmaxiとし、 動作中の多関節ロボットの全ての駆動軸について、各駆
    動軸の角加速度αi が前記許容最大角加速度αmaxiを超
    えず、かつ各駆動軸の角速度ωi が前記許容最大角速度
    maxiを超えないように制御することにより、減速機の
    破損及び寿命低下を防止するようにしたことを特徴とす
    る多関節ロボットの加減速制御方法。
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