JPH103928A - ニッケル−水素二次電池 - Google Patents

ニッケル−水素二次電池

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JPH103928A
JPH103928A JP8154324A JP15432496A JPH103928A JP H103928 A JPH103928 A JP H103928A JP 8154324 A JP8154324 A JP 8154324A JP 15432496 A JP15432496 A JP 15432496A JP H103928 A JPH103928 A JP H103928A
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paste
nickel
substrate
dimensional substrate
positive electrode
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JP8154324A
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English (en)
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Hiroshi Kaneko
浩 金子
Masayoshi Hiruma
雅義 蛭間
Kunihiko Miyamoto
邦彦 宮本
Tetsuya Yamane
哲哉 山根
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FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H11/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of electric switches
    • H01H11/005Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of electric switches of reed switches
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/64Carriers or collectors
    • H01M4/70Carriers or collectors characterised by shape or form
    • H01M4/80Porous plates, e.g. sintered carriers
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペーストの充填密度が実効的に増大された高
容量で、かつ低電気抵抗、高引張り強度に対応して高い
集電効率を有するペースト式正極および/またはペース
ト式負極を備えたニッケル−水素二次電池を提供する。 【解決手段】 導電性基板に活物質を含むペーストを充
填したペースト式正極および導電性基板に水素吸蔵合金
を含むペーストを充填したペースト式負極を具備し、前
記正極および負極のいずれか一方または両者の導電性基
板は、金属粉末を粉末圧延法により成形し、焼成するこ
とにより得られた多数の孔を有する厚さ60μm以下の
二次元基板と、この二次元基板の両面にそれぞれ積層さ
れた三次元基板とからることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル−水素二
次電池に関し、特に導電性基板を改良したニッケル−水
素二次電池に係わる。
【0002】
【従来の技術】ニッケル−水素二次電池に用いられるペ
ースト式正極は、例えば活物質である水酸化ニッケル粉
末、導電材料および高分子結着剤を水の存在下で混練し
てペーストを調製し、このペーストを導電性基板に充填
した後、乾燥し、必要に応じてロールプレスを行うこと
により作製される。また、前記二次電池に用いられるペ
ースト式負極は例えば水素吸蔵合金および高分子結着剤
を水の存在下で混練してペーストを調製し、このペース
トを導電性基板に充填した後、乾燥し、必要に応じてロ
ールプレスを行うことにより作製される。
【0003】前記導電性基板としては従来より、エキス
パンデッドメタル、穿孔鋼板などの二次元基板や、ビビ
リ切削振動による繊維状金属多孔体(非メッキタイ
プ)、メッキタイプであるスポンジ状金属多孔体やフェ
ルト状金属多孔体などの三次元基板が用いられている。
【0004】前記二次元基板は、電気抵抗が低く、かつ
高い引張り強度を有するものの、ペーストの保持性およ
び集電効率に劣る。一方、前記三次元基板は二次元基板
に比べてペーストの保持性に優れ、かつ高い集電効率を
有する。しかしながら、三次元基板においてペーストの
充填量(電極容量)を高めるために目付量を低減させ
る、つまり空隙率を高くすると、電気抵抗および引張り
強度が低下する。
【0005】このようなことから、特開平8−1069
06号公報には二次元基板であるパンチングメタルシー
トを芯材とし、この両面に発泡樹脂の薄膜を接着剤によ
り被覆し、ニッケル粉末含有溶液を塗布し、焼成により
前記発泡樹脂薄膜等の焼き抜きを行うことにより前記パ
ンチングメタルシートの両面に発泡ニッケル多孔体(三
次元基板)を一体的に結合された活物質保持基板の製造
方法が開示されている。
【0006】前記活物質保持基板は、パンチングメタル
シートによる二次元基板としての低抵抗性および高強度
化と、発泡ニッケル多孔体による三次元基板としてのペ
ーストの保持性、高い集電効率を備える。このような保
持基板を有するペースト式電極において、より容量を向
上させるためにはペーストの充填量の増大に寄与せず、
むしろ保持基板の体積増大を招く前記パンチングメタル
シートを薄くすることが望まれる。しかしながら、パン
チングメタルシートは、メタルシートをパンチング装置
により穴あけすることにより作られるため、メタルシー
トを薄くするとパンチング後のバリ除去が困難になる、
反りが発生する。バリが残存しかつ反りのあるパンチン
グメタルシートを用いてその両面に発泡ニッケル多孔体
を形成して作られた活物質保持基板は、前記パンチング
メタルシートに起因する反り等がそのまま転写される。
このため、前記保持基板を有するペースト式正極やペー
スト式負極をセパレータを間に挟んで巻回して渦巻状の
電極群を作製すると、前記反り等に起因して電極群の空
隙率が高くなるため、結果的には容量の増大が望めなく
なる。同時に、前記反りの程度が大きい場合は捲回時に
セパレータを突き破って対極と接触し、短絡を誘発する
ことがある。
【0007】したがって、パンチングメタルシートは前
述した作り方の要因から70μm以下の薄膜にすること
が実質的に困難であるため、このパンチングメタルシー
トを芯材として含む保持基板からより高容量のペースト
式電極を得ることは限界があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多数の孔を
有する厚さ60μm以下の二次元基板の両面に三次元基
板を積層した導電基板を用いることにより基板単体の低
目付化に対応するペーストの充填密度向上、高引張り強
度および基板単体の低電気抵抗に対応して高い集電効率
を有するペースト式正極および/またはペースト式負極
を備えたニッケル−水素二次電池を提供しようとするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるニッケル
−水素二次電池は、導電性基板に活物質を含むペースト
を充填したペースト式正極および導電性基板に水素吸蔵
合金を含むペーストを充填したペースト式負極を具備
し、前記正極および負極のいずれか一方または両者の導
電性基板は、金属粉末を粉末圧延法により成形し、焼成
することにより得られた多数の孔を有する厚さ60μm
以下の二次元基板と、この二次元基板の両面にそれぞれ
積層された三次元基板とからなることを特徴とするもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のニッケル−水素二
次電池を図1を参照して説明する。有底円筒状の容器1
内には、正極2とセパレータ3と負極4とを積層して渦
巻き状に捲回することにより作製された電極群5が収納
されている。前記負極4は、前記電極群5の最外周に配
置されて前記容器1と電気的に接触している。アルカリ
電解液は、前記容器1内に収容されている。中央に孔6
を有する円形の第1の封口板7は、前記容器1の上部開
口部に配置されている。リング状の絶縁性ガスケット8
は、前記封口板7の周縁と前記容器1の上部開口部内面
の間に配置され、前記上部開口部を内側に縮径するカシ
メ加工により前記容器1に前記封口板7を前記ガスケッ
ト8を介して気密に固定している。正極リード9は、一
端が前記正極2に接続、他端が前記封口板7の下面に接
続されている。帽子形状をなす正極端子10は、前記封
口板7上に前記孔6を覆うように取り付けられている。
ゴム製の安全弁11は、前記封口板7と前記正極端子1
0で囲まれた空間内に前記孔6を塞ぐように配置されて
いる。中央に穴を有する絶縁材料からなる円形の押え板
12は、前記正極端子10上に前記正極端子10の突起
部がその押え板12の前記穴から突出されるように配置
されている。外装チューブ13は、前記押え板12の周
縁、前記容器1の側面及び前記容器1の底部周縁を被覆
している。
【0011】次に、前記正極2、負極4、セパレータ3
および電解液について説明する。 1)正極2 この正極2は、水酸化ニッケル粉末、導電剤、結着剤お
よび水を含むペーストを調製し、前記ペーストを導電性
基板に充填し、これを乾燥、加圧成形した後、所望のサ
イズに切断することにより作製される。
【0012】前記水酸化ニッケル粉末としては、例えば
単一の水酸化ニッケル粉末、または亜鉛および/または
コバルトが金属ニッケルと共沈された水酸化ニッケル粉
末を用いることができる。後者の水酸化ニッケル粉末を
含む正極は、高温状態における充電効率およびサイクル
特性を向上させることが可能になる。
【0013】前記導電剤としては、例えば一酸化コバル
ト、三酸化二コバルト、水酸化コバルト等のコバルト化
合物を挙げることができる。前記結着剤としては、例え
ばポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセル
ロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリビニルアルコールを挙げることができる。
【0014】前記導電性基板は、図2に示すように金属
粉末を粉末圧延法により成形し、焼成することにより得
られた多数の矩形孔21を有する厚さ60μm以下の二
次元基板22と、この二次元基板22の両面にそれぞれ
積層された三次元基板231、232 とからなる構造を
有するものが用いられる。
【0015】前記二次元基板22は、例えばニッケルか
ら作られる。二次元基板の厚さが60μmを越えると、
導電性基板に占める二次元基板の体積が増大してペース
トの充填の率が低下し、結果的には前記導電性基板を有
するペースト式正極の容量を向上させることが困難にな
る。より好ましい前記二次元基板の厚さは、10〜50
μmである。
【0016】前記二次元基板22の開口率は、30〜8
0%にすることが好ましい。前記二次元基板22の孔2
1は、矩形状に限らず、円形状、楕円状等任意である。
【0017】前記三次元基板231 、232 は、それぞ
れ例えばスポンジ状ニッケル多孔体からなる。これら三
次元基板は、厚さが0.7〜1.1mmにすることが好
ましい。また、前記各三次元基板は空隙率が90%以
上、目付量が50g/m2 〜300g/m2 であること
が好ましい。前記三次元基板の空隙率を90%未満にす
ると、ペーストの充填量が著しく低下する恐れがある。
また、前記三次元基板の目付量を50g/m2 未満にす
ると、導電性基板の機械的強度が低下するばかりか、電
気抵抗が増大する恐れがある。一方、前記三次元基板の
目付量が300g/m2 を越えると、ペーストの充填量
が低下する恐れがある。
【0018】上述した導電性基板は、例えば次のような
方法により作製される。 (第1工程)まず、ニッケル粉末のような金属粉末をホ
ッパから剛性の高い材料からなるベルトコンベア上に供
給し、前記ベルトコンベアの搬送方向に配置したドクタ
ブレードを通過させて前記ベルトコンベア上に所望の厚
さの金属粉末層を形成する。つづいて、前記ベルトコン
ベアを挟んで上部側に配置した多数の突起を有するエン
ボスロールと下部側に配置した相手ロールとにより前記
ベルトコンベア上の金属粉末層を所望の圧力で加圧して
前記エンボスに対応する箇所に孔が多数開口された圧粉
シートを作製する。この工程において、圧粉シートへの
貫通孔の開口が十分になされない場合には、金属粉末に
水と共に界面活性剤を加えて流動性の高いスラリーを用
いたり、前記エンボスロールのエンボス形状を変えたり
する措置を採用すればよい。ひきつづき、前記圧粉シー
トを前記ベルトコンベアと共に焼成炉に搬送し、ここで
前記圧粉シートを焼結することにより多数の孔が開口さ
れた厚さ60μm以下の焼結金属シート、つまり二次元
基板を作製する。
【0019】前記金属粉末は、平均粒径が2μm以下で
あることが好ましい。 (第2工程)前記二次元基板の両面に発泡樹脂シートを
接着剤を用いて貼着する。つづいて、前記発泡樹脂シー
トに金属粉末、例えばニッケル粉末と結合剤を含むニッ
ケル粉末含有溶液を塗布、浸漬させた後、焼成して前記
発泡樹脂、接着剤およびバインダを熱分解、除去する。
ひきつづき、前記二次元基板の両面に形成された発泡性
ニッケル薄膜を還元性雰囲気中で焼結することにより前
記二次元基板の両面にニッケルからなる三次元基板を一
体的に形成された導電性基板を製造する。なお、前記発
泡性ニッケル薄膜の焼結において、表面に酸化物が形成
される場合には前記酸化物の除去処理を行う。
【0020】なお、前記負極の導電性基板として前述し
た二次元基板の両面に三次元基板を積層した構造(例え
ば図2に示す構造)のものを用いた場合には、正極の導
電性基板としてエキスパンデッドメタル、穿孔鋼板など
の二次元基板や、ビビリ切削振動による繊維状金属多孔
体(非メッキタイプ)、メッキタイプであるスポンジ状
金属多孔体やフェルト状金属多孔体などの三次元基板を
用いることを許容する。
【0021】2)負極4 この負極4は、水素吸蔵合金粉末、導電材、結着剤およ
び水と共に混練してペーストを調製し、前記ペーストを
導電性基板に充填し、乾燥した後、成形することにより
製造される。
【0022】前記水素吸蔵合金は、格別制限されるもの
ではなく、電解液中で電気化学的に発生させた水素を吸
蔵でき、かつ放電時にその吸蔵水素を容易に放出できる
ものであればよい。例えば、LaNi5 、MmNi5
(Mmはミッシュメタル)、LmNi5 (LmはLaを
含む希土類元素から選ばれる少なくとも一種)、これら
合金のNiの一部をAl、Mn、Co、Ti、Cu、Z
n、Zr、Cr、Bのような元素で置換した多元素系の
もの、またはTiNi系、TiFe系のものを挙げるこ
とができる。特に、一般式LmNiw Cox Mny Al
z (原子比w,x,y,zの合計値は5.00≦w+x
+y+z≦5.50である)で表される組成の水素吸蔵
合金は充放電サイクルの進行に伴う微粉化を抑制して充
放電サイクル寿命を向上できるための好適である。
【0023】前記導電材としては、例えばカーボンブラ
ック、黒鉛等を挙げることができる。前記結着剤として
は、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸カリ
ウムなどのポリアクリル酸塩、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)などのフッ素系樹脂、またはカルボキ
シメチルセルロース(CMC)等を挙げることができ
る。
【0024】前記導電性基板としては、前記正極で説明
したものと同様な二次元基板の両面に三次元基板を積層
した、例えば図2に示す構造のものが使用される。な
お、前記正極の導電性基板として前述した二次元基板の
両面に三次元基板とを積層した構造(例えば図2に示す
構造)のものを用いた場合には、負極の導電性基板とし
てエキスパンデッドメタル、穿孔鋼板などの二次元基板
や、ビビリ切削振動による繊維状金属多孔体(非メッキ
タイプ)、メッキタイプであるスポンジ状金属多孔体や
フェルト状金属多孔体などの三次元基板を用いることを
許容する。
【0025】3)セパレータ3 このセパレータ3としては、例えば、ポリアミド繊維製
不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレ
フィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを挙
げることができる。
【0026】4)アルカリ電解液 このアルカリ電解液は、水酸化カリウム(KOH)単
独、またはこれに水酸化ナトリウム(NaOH)および
水酸化リチウム(LiOH)のいずれか一方または両者
を添加した組成を有する。
【0027】以上説明した本発明に係わるニッケル−水
素二次電池によれば、ペースト式正極およびペースト式
負極のいずれか一方または両者を構成する導電性基板は
例えば図2に示すように金属粉末を粉末圧延法により成
形し、焼成することにより得られた多数の矩形孔21を
有する厚さ60μm以下の二次元基板22と、この二次
元基板22の両面にそれぞれ積層された三次元基板23
1 、232 とからなる構造を有する。
【0028】このような導電性基板は、中心に配置され
た二次元基板が電気抵抗の低減および引張り強度の向上
を担うため、ペースト充填密度を高める目的で前記二次
元基板の両面に積層される三次元基板の目付量を低くす
る、つまり空隙率を高くして低抵抗化と高強度化が維持
される。例えば、多数の孔を有する厚さ30μmの二次
元基板の両面にスポンジ状金属多孔体からなる三次元基
板を積層した導電性基板(本発明)と、スポンジ状金属
多孔体のみからなる導電性基板(従来例)とにおける目
付量と電気抵抗の関係を図3に、目付量と引張り強度と
の関係を図4にそれぞれ示す。なお、本発明の導電性基
板における目付量は三次元基板のみならず、二次元基板
の開口部も合算され、異なる三次元基板を用いて目付量
を変化させた。これらの図3、図4から本発明の導電性
基板は従来のスポンジ状金属多孔体のみからなる導電性
基板に比べて低い目付量で低抵抗、高い引張り強度を有
することがわかる。
【0029】このような二次元基板の両面に三次元基板
を積層した構造の導電性基板に正負極いずれかのペース
トを充填することによって、高集電効率でペースト充填
密度の高い、つまり高容量のペースト式正極および/ま
たはペースト式負極を得ることができる。
【0030】したがって、前述した高容量のペースト式
正極および/またはペースト式負極を備えたニッケル−
水素二次電池は充放電サイクル寿命が向上される。さら
に、スポンジ状ニッケル多孔体のような三次元基板の中
心に配置される多数の孔を有する二次元基板の厚さ60
μm以下にすることによって、柔軟性に富む導電性基板
を得ることができる。その結果、前記導電性基板を有す
るペースト式電極を少なくとも正極および負極として用
い、セパレータを間に挟んで渦巻状に巻回することによ
って空隙率の低い電極群を作製できるため、有底円筒形
容器内に高容量の前記電極群を収納することができる。
したがって、高容量かつ充放電サイクル寿命の長いニッ
ケル−水素二次電池を得ることができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 <ペースト式正極Aの作製>まず、平均粒径0.5μm
のニッケル粉末をホッパから剛性の高い材料からなるベ
ルトコンベア上に供給し、前記ベルトコンベアの搬送方
向に配置したドクタブレードを通過させて前記ベルトコ
ンベア上に所望の厚さのニッケル粉末層を形成した。つ
づいて、前記ベルトコンベアを挟んで上部側に配置した
多数の突起を有するエンボスロールと下部側に配置した
相手ロールとにより前記ベルトコンベア上の金属粉末層
を所望の圧力で加圧して前記エンボスに対応する箇所に
孔が多数開口された圧粉シートを作製した。ひきつづ
き、前記圧粉シートを前記ベルトコンベアと共に焼成炉
に搬送し、ここで前記圧粉シートをアルゴンガス雰囲気
中、1000℃で焼結することにより多数の孔が開口さ
れた焼結ニッケルシート、つまり二次元基板を得た。こ
の二次元基板は、厚さが30μm、矩形孔の寸法が2×
2mmで、開口率が60%であった。
【0032】次いで、前記二次元基板の両面に厚さ約
0.8mmのウレタン発泡樹脂シートを接着剤を用いて
貼着した。つづいて、前記二次元基板両面のウレタン発
泡樹脂シートを一対のロールで圧縮しながら、ニッケル
粉末と結合剤を含むニッケル粉末含有溶液を塗布、含浸
させた後、余分のニッケル粉末含有溶液を前記ウレタン
発泡樹脂シートから除去し、さらに還元性雰囲気に焼成
炉内で焼成して前記ウレタン発泡樹脂、接着剤およびバ
インダを熱分解、除去した。ひきつづき、前記二次元基
板の両面に形成された発泡性ニッケル薄膜を還元性雰囲
気中で焼結することにより前記二次元基板の両面にニッ
ケルからなる三次元基板を一体的に形成された導電性基
板を作製した。前記各三次元基板は、厚さが0.8m
m、空隙率が98%、目付量が100g/m2 であっ
た。
【0033】また、水酸化ニッケル粉末90重量部およ
び一酸化コバルト粉末10重量部からなる混合粉体に、
前記水酸化ニッケル粉末に対してカルボキシメチルセル
ロース0.5重量部、ポリテトラフルオロエチレンの懸
濁液(比重1.5,固形分60重量%)を固形分換算で
3.0重量部添加し、これらに純水を45重量部添加し
て混練することによりペーストを調製した。つづいて、
このペーストを前記導電性基板内に充填した後、乾燥
し、ローラプレスを行って圧延して厚さが0.7mmの
ペースト式正極を作製した。
【0034】<ペースト式正極Bの作製>目付量300
g/m2 、厚さ1.7mmのスポンジ状ニッケル多孔体
からなる導電性基板に前記正極Aで用いたのと同様なペ
ーストを充填した後、乾燥し、ローラプレスを行って圧
延して厚さが0.7mmのペースト式正極を作製した。
【0035】<ペースト式負極Aの作製>市販のランタ
ン富化したミッシュメタルLmおよびNi、Co、M
n、Alを用いて高周波炉によって、LmNi4.0 Co
0.4 Mn0.3 Al0.3 の組成からなる水素吸蔵合金を作
製した。前記水素吸蔵合金を機械粉砕し、これを200
メッシュのふるいを通過させた。得られた合金粉末10
0重量部に対してポリアクリル酸ナトリウム0.5重量
部、カルボキシメチルセルロース(CMC)0.125
重量部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョ
ン(比重1.5,固形分60wt%)を固形分換算で
1.5重量部および導電材としてカーボン粉末1.0重
量部を水50重量部と共に混合することによって、ペー
ストを調製した。このペーストを前記正極Aで用いたの
と同様な導電性基板(二次元基板の両面に三次元基板を
それぞれ積層した構造)に塗布、充填した後、乾燥し、
加圧成形することによって厚さ0.4mmのペースト式
負極を作製した。
【0036】<ペースト式負極Bの作製>孔径2μm、
開口率55%、厚さ80μmのパンチングニッケルシー
トからなる導電性基板に前記負極Aで用いたのと同様な
ペーストを充填した後、乾燥し、加圧成形することによ
って厚さ0.4mmのペースト式負極を作製した。
【0037】(実施例1)前述した方法で作製したペー
スト式正極Aとペースト式負極Aの間に親水性処理が施
されたポリオレフィン繊維製不織布からなるセパレータ
を介装し、渦巻状に捲回して電極群を作製した。このよ
うな電極群と7NのKOHおよび1NのLiOHからな
る電解液を有底円筒状容器に収納して前述した図1に示
す構造を有する理論容量が1200mAhのAA型の円
筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0038】(実施例2)前述した方法で作製したペー
スト式正極Aとペースト式負極Bの間に親水性処理が施
されたポリオレフィン繊維製不織布からなるセパレータ
を介装し、渦巻状に捲回して電極群を作製した。このよ
うな電極群と7NのKOHおよび1NのLiOHからな
る電解液を有底円筒状容器に収納して前述した図1に示
す構造を有する理論容量が1200mAhのAA型の円
筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0039】(実施例3)前述した方法で作製したペー
スト式正極Bとペースト式負極Aの間に親水性処理が施
されたポリオレフィン繊維製不織布からなるセパレータ
を介装し、渦巻状に捲回して電極群を作製した。このよ
うな電極群と7NのKOHおよび1NのLiOHからな
る電解液を有底円筒状容器に収納して前述した図1に示
す構造を有する理論容量が1200mAhのAA型の円
筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0040】(比較例1)前述した方法で作製したペー
スト式正極Bとペースト式負極Bの間に親水性処理が施
されたポリオレフィン繊維製不織布からなるセパレータ
を介装し、渦巻状に捲回して電極群を作製した。このよ
うな電極群と7NのKOHおよび1NのLiOHからな
る電解液を有底円筒状容器に収納して前述した図1に示
す構造を有する理論容量が1200mAhのAA型の円
筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0041】(比較例2)まず、厚さ80μmのニッケ
ルシートをパンチング装置によりパンチングすることに
より孔径が2mm、開口率が55%の二次元基板として
のパンチングニッケルシートを作製した。このパンチン
グニッケルシートの両面に厚さ約0.8mmのウレタン
発泡樹脂シートを接着剤を用いて貼着した。つづいて、
前記二次元基板両面のウレタン発泡樹脂シートを一対の
ロールで圧縮しながら、ニッケル粉末と結合剤を含むニ
ッケル粉末含有溶液を塗布、含浸させた後、余分のニッ
ケル粉末含有溶液を前記ウレタン発泡樹脂シートから除
去し、さらに還元性雰囲気に焼成炉内で焼成して前記ウ
レタン発泡樹脂、接着剤およびバインダを熱分解、除去
した。ひきつづき、前記二次元基板の両面に形成された
発泡性ニッケル薄膜を還元性雰囲気中で焼結することに
より前記二次元基板の両面にニッケルからなる三次元基
板を一体的に形成された導電性基板を作製した。前記各
三次元基板は、厚さが0.8mm、空隙率98%、目付
量が100g/m2 であった。
【0042】次いで、前記導電性基板内に前述した正極
Aで用いたのと同様なペーストを充填した後、乾燥し、
ローラプレスを行って圧延して厚さが0.7mmのペー
スト式正極を作製した。
【0043】また、前記導電性基板に前述した負極Aで
用いたのと同様なペーストを塗布、充填した後、乾燥
し、加圧成形することによって厚さ0.4mmのペース
ト式負極を作製した。
【0044】次いで、前述した方法で作製したペースト
式の正極と負極の間に親水性処理が施されたポリオレフ
ィン繊維製不織布からなるセパレータを介装し、渦巻状
に捲回して電極群を作製した。このような電極群と7N
のKOHおよび1NのLiOHからなる電解液を有底円
筒状容器に収納して前述した図1に示す構造を有する理
論容量が1200mAhのAA型の円筒形ニッケル水素
二次電池を組み立てた。
【0045】得られた実施例1〜3および比較例1、2
のニッケル水素二次電池について、1C、−ΔVで充電
し、1C、1Vカットで放電する充放電を繰り返し行っ
た。各二次電池における充放電サイクル数と放電電圧と
の関係を図5に、充放電サイクル数と正極の利用率との
関係を図6に、それぞれ示す。
【0046】図5から明らかなように実施例1〜3のニ
ッケル水素二次電池は、500回の充放電の繰り返し後
においても負極の導電性基板としてパンチングニッケル
シートを用いた比較例1に比べて高い放電電圧を維持で
きることをわかる。特に、正極および負極の両方の導電
性基板としてニッケル粉末を粉末圧延法により成形し、
焼成することにより得られた多数の孔を有する厚さ60
μm以下の二次元基板と、この二次元基板の両面にそれ
ぞれ積層された三次元基板とからるものを用いた実施例
1の二次電池は、実施例2、3に比べてより高い放電電
圧を維持できることをわかる。
【0047】これに対し、厚さ80μmのパンチングニ
ッケルシートを二次元基板として用い、この両面に三次
元基板を積層した構造の導電性基板を有する正極および
負極を備えた比較例2の二次電池は、比較例1の二次電
池に比べて良好な放電電圧維持特性を有するものの、実
施例1〜3の二次電池に比べ劣ることがわかる。これ
は、比較例2の二次電池は正極、負極の導電性基板が芯
材として厚さ80μmで、バリや反りを有するパンチン
グニッケルシートを用いているため、これら正負極およ
びセパレータを渦巻状に巻回して得られた電極群を有底
円筒形容器内に収納する際、電極群の空隙率が高くなる
ことに起因するものと考えられる。また、図6から明ら
かなように実施例1〜3の二次電池は比較例1、2の二
次電池に比べて正極の利用率が向上することがわかる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、基
板単体のペーストの充填密度が実効的に増大され、かつ
低電気抵抗、高引張り強度に対応して高い集電効率を有
するペースト式正極および/またはペースト式負極を備
え、充放電サイクル特性の優れたニッケル−水素二次電
池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るニッケル水素二次電池を示す斜視
図。
【図2】本発明の係るニッケル水素二次電池のペースト
式正極および/またはペースト式負極に用いられる導電
性基板を示す部分切欠斜視図。
【図3】本発明の導電性基板および従来の導電性基板に
おける目付量と電気抵抗との関係を示す特性図。
【図4】本発明の導電性基板および従来の導電性基板に
おける目付量と引張り強度との関係を示す特性図。
【図5】実施例1〜3および比較例1、2のニッケル水
素二次電池における充放電サイクル数と放電電圧との関
係を示す特性図。
【図6】実施例1〜3および比較例1、2のニッケル水
素二次電池における充放電サイクル数と正極の利用率と
の関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…容器、 2…正極、 3…セパレータ、 4…負極、 7…封口板、 8…絶縁ガスケット、 21…矩形孔、 22…二次元基板、 231 、232 …三次元基板。
フロントページの続き (72)発明者 山根 哲哉 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板に活物質を含むペーストを充
    填したペースト式正極および導電性基板に水素吸蔵合金
    を含むペーストを充填したペースト式負極を具備し、 前記正極および負極のいずれか一方または両者の導電性
    基板は、金属粉末を粉末圧延法により成形し、焼成する
    ことにより得られた多数の孔を有する厚さ60μm以下
    の二次元基板と、この二次元基板の両面にそれぞれ積層
    された三次元基板とからることを特徴とするニッケル−
    水素二次電池。
  2. 【請求項2】 前記三次元基板は、スポンジ状金属多孔
    体であることを特徴とする請求項1記載のニッケル−水
    素二次電池。
JP8154324A 1996-06-14 1996-06-14 ニッケル−水素二次電池 Pending JPH103928A (ja)

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US08/874,406 US5965295A (en) 1996-06-14 1997-06-13 Alkaline secondary battery, paste type positive electrode for alkaline secondary battery, method for manufacturing alkaline secondary battery

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002343366A (ja) * 2001-05-17 2002-11-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ蓄電池用極板およびそれを用いたアルカリ蓄電池
JP2008097997A (ja) * 2006-10-12 2008-04-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ蓄電池用極板とその製造方法
JP2010114007A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Panasonic Corp アルカリ蓄電池用電極およびアルカリ蓄電池

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