JPH1039132A - 液晶ディスプレイ用カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

液晶ディスプレイ用カラーフィルターの製造方法

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JPH1039132A
JPH1039132A JP19490196A JP19490196A JPH1039132A JP H1039132 A JPH1039132 A JP H1039132A JP 19490196 A JP19490196 A JP 19490196A JP 19490196 A JP19490196 A JP 19490196A JP H1039132 A JPH1039132 A JP H1039132A
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light
color filter
filter
laser
interference
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JP19490196A
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English (en)
Inventor
Shinjiro Umeya
慎次郎 梅屋
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な工程により、色特性が優れ且つLCD
の高速応答性などの高性能化が可能で、しかも視角依存
性が少ないカラーフィルターを安価に製造することがで
きる液晶ディスプレイ用カラーフィルターの製造方法を
提供する。 【構成】 フィルター剤塗布工程Aにおいて、感光性高
分子材料であるフィルター剤1を基盤10上に塗布し、
乾燥工程Bで乾燥する。しかる後、R露光工程Cにおい
て、赤色光RのレーザL1をマスク13を介してフィル
ター剤1に照射し、反射したレーザL1と照射レーザL1
とを干渉させる。すると、屈折率が異なる層を干渉部分
に有したR部分R1がマスク孔13aの真下に形成され
る。そして、G露光工程D、B露光工程Eを順次行った
後、定着,固定工程Fを行う。これにより、赤色光のみ
を反射するR部分R1と緑色光のみを反射するG部分G
1と青色光のみを反射するB部分B1とを有した干渉型
カラーフィルター30が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LCD(液晶ディ
スプレイ)の色選別に用いられる液晶ディスプレイ用カ
ラーフィルターの製造方法に関し、特に、干渉型及び透
過型のカラーフィルターの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルターは、LCDの重要な部
品であり、LCDのローコスト化と高速応答性などの高
性能化の鍵を握っている。カラーフィルターは、吸収型
カラーフィルターと干渉型カラーフィルターとの2種類
に大別することができる。
【0003】吸収型カラーフィルターは、染料,顔料の
光の吸収を利用したものである。染料の光の吸収を利用
した吸収型カラーフィルターは、染色法によるフォトリ
ソグラフィによって製造される。すなわち、感光性高分
子にマスクを使ってパターニングした後、染料によって
染色することで製造される。また、顔料の光の吸収を利
用した吸収型カラーフィルターは、顔料分散法によるフ
ォトリソグラフィによって製造される。すなわち、予め
感光性高分子中に顔料を分散させておき、それをマスク
を使ってパターニングすることで製造される。
【0004】干渉型カラーフィルターは、図11に示す
ように、ZnS等の高屈折率の薄膜9aとNa3AlF6
等の低屈折率の薄膜9bとを、1/4波長の光学厚さで
交互に積層した構造になっており、入射した光が、2種
類の薄膜9a,9bの界面で反射と干渉を繰り返し、特
定波長の光だけが強められて外部に取り出されるように
なっている。したがって、フィルター特性を上げるため
には、積層する薄膜9a,9bを増やす必要があり、通
常は10層程度のものから数10層に及ぶものまで存在
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のカラーフィルターでは、次のような問題がある。吸収
型カラーフィルターでは、加工精度の高いものが製造さ
れるが、製造工程が複雑である。図13は、顔料の光の
吸収を利用した吸収型カラーフィルターの製造方法を示
す。すなわち、図13に示すように、まず、ブラックマ
トリックス基盤10上に、フィルター剤11を塗布する
フィルター剤塗布工程を行い、しかる後、酸素遮蔽剤1
2をフィルター剤11の上に塗布する酸素遮蔽剤塗布工
程を行う。そして、乾燥工程を経た後、マスク13を介
して、光を照射する露光工程を行い、現像工程及び乾
燥,定着工程とを施すことにより、例えばR(赤)部分
14を形成する。このような一連の工程を繰り返して、
G(緑)部分15とB(青)部分16とを形成し、オー
バーコート剤塗布工程と乾燥工程とを経て、オーバーコ
ート剤17で覆われた吸収型カラーフィルター20を製
造するのである。このように、従来の吸収型カラーフィ
ルターを製造するには、フィルター剤塗布工程から乾
燥,定着工程にいたる複雑な工程を、R,G,B部分1
4〜16形成のために、3回も繰り返さなければならな
い。このため、製造コストが著しく高くついていた。ま
た、高価な色素材料を不効率に使用するので、製造コス
トが高くついてしまう。さらに、オーバーコート剤17
表面の凸凹が、LCDのパネルギャップの狭小化を妨げ
るので、高速応答性など、LCDの高性能化が困難であ
った。
【0006】これに対して、干渉型カラーフィルター
は、吸収型カラーフィルターに比べると、フィルター特
性が良く且つ透過率が高いという長所がある。しかしな
がら、ZnSとNa3AlF6というような薄膜を、スパ
ッタリングなどの製膜プロセスによって積層することで
製造するので、製造コストが非常に高くついてしまう。
また、フィルタリングする光の波長毎に構造を設計し直
す必要がある。したがって、R(赤),G(緑),B
(青)の3色タイプのフィルターを製造する場合には、
複雑なリソグラフィプロセスが必要となる。また、吸収
型カラーフィルターほどではないが、構造の違いによっ
て生じる表面の凸凹がLCDの高性能化の妨げとなって
いる。さらに、干渉を利用して、色選別を行う構造であ
るので、視角依存性が大きい。このため、設計と異なる
見方をすると、色特性が劣化してしまう。
【0007】本発明は上述した課題を解決するためにな
されたもので、簡単な工程により、色特性が優れ且つL
CDの高速応答性などの高性能化が可能で、しかも視角
依存性が少ないカラーフィルターを安価に製造すること
ができる液晶ディスプレイ用カラーフィルターの製造方
法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明に係る液晶ディスプレイ用カラーフ
ィルターの製造方法は、感光性高分子材料に特定波長の
光を照射して、この光を上記感光性高分子材料内で干渉
させることにより、非干渉部分の屈折率と異なる屈折率
を有した層を光が強められる干渉部分に形成する露光工
程と、上記露光工程で形成した上記層を固定する固定工
程とを具備する構成とした。
【0009】請求項2の発明は、請求項1に記載の液晶
ディスプレイ用カラーフィルターの製造方法において、
上記露光工程は、異なる波長の複数の光を順次照射し
て、各光を上記感光性高分子材料内で各々干渉させるこ
とにより、屈折率が異なる複数の層を各光の干渉部分に
形成するものである構成とした。
【0010】上記請求項1の発明によれば、露光工程に
おいて、特定波長の光が感光性高分子材料に照射され、
その干渉により、非干渉部分の屈折率と異なる屈折率の
層が干渉部分に形成される。そして、固定工程におい
て、その層が固定されて、カラーフィルターが製造され
る。白色光をこのカラーフィルターに照射すると、上記
特定波長の光が上記層の界面において反射,干渉を繰り
返し、白色光照射側から出てくる。したがって、製造さ
れたカラーフィルターは、干渉型カラーフィルターとし
て使用することができる。
【0011】請求項2の発明によれば、露光工程におい
て、異なる波長の複数の光が感光性高分子材料に順次照
射され、屈折率が異なる複数の層が各光の干渉部分に形
成される。そして、白色光をこのカラーフィルターに照
射すると、各光が各光の干渉部分に形成された層の界面
で反射,干渉を繰り返して、白色光照射側から出てく
る。したがって、製造されたカラーフィルターは、複数
光を同時にフィルタリングする干渉型カラーフィルター
として使用することができる。また、このカラーフィル
ターは、上記異なる波長の光以外の光を透過させるの
で、この光をフィルタリングする透過型カラーフィルタ
ーとしても使用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。 (第1の実施形態)まず、本発明の第1の実施形態に係
る液晶ディスプレイ用カラーフィルターの製造方法につ
いて説明する。本実施形態は、単色光用の干渉型カラー
フィルターの製造方法であり、図1はその工程図であ
る。なお、図13に示した部材と同一部材については同
一符号を付して説明する。図1に示すように、本実施形
態の製造方法は、フィルター剤塗布工程Aと乾燥工程B
とR露光工程CとG露光工程DとB露光工程Eと定着,
固定工程Fとでなる。本製造方法に用いられる基盤は、
ブラックマトリックス基盤10であり、ガラス10a上
に、格子状又はスプライト状のブラックマトリックス線
10bが形成されている。
【0013】まず、フィルター剤塗布工程Aにおいて、
上記基盤10上にフィルター剤1を塗布する。このフィ
ルター剤1は、感光性高分子材料であるデュポン社製の
「OMNI−DEX」である。そして、乾燥工程Bにお
いて、塗布したフィルター剤1を乾燥した後、R露光工
程Cに移行する。
【0014】R露光工程Cにおいては、図2に示すホロ
グラム(hologram)装置2が用いられる。ホロ
グラム装置2は、レーザー発振器3とミラー4とシャッ
ター5とビームエキスパンダー6と台座7とを具備して
いる。レーザー発振器3は、波長647(nm)のKr
(クリプトン)レーザーL1と、波長514(nm)の
Ar(アルゴン)レーザーL2と、波長488(nm)の
ArレーザーL3とを選択的に発振可能な機器である。ま
た、台座7上には、反射面をビームエキスパンダー6側
に向けたミラー8が取り付けられている。R露光工程C
では、乾燥工程Bを終了した基盤10をこのミラー8の
上に固定することにより、基盤10をミラー8とマスク
13との間に介在させて露光する。具体的には、レーザ
ーL1をレーザー発振器3から例えば500mJ/平方
センチメートルのパワーで発振し、ミラー4で反射した
レーザーL1をシャッター5で絞った後、ビームエキス
パンダー6で平行光にし、このレーザーL1をマスク1
3を介して、基盤10のフィルター剤1の表面に90度
の角度で入射させる。
【0015】図3に示すように、レーザーL1が基盤1
0のフィルター剤1に入射すると、レーザーL1は、フ
ィルター剤1とガラス10aとを通過してミラー8に至
り、反射される。したがって、入射レーザーL1と反射
レーザーL1との干渉現象がフィルター剤1内で発生す
ることとなる。ところで、フィルター剤1であるデュポ
ン社製の「OMNI−DEX」は、図4の(a)に示す
ように、初期状態では、モノマー1aがマトリックスポ
リマー1bに均一に分散している。そして、上記のよう
に、レーザーL1がこのフィルター剤1内で干渉する
と、図4の(b)に示すように、モノマー1aが、光が
強められた干渉部分に移動し、重合反応を起こす。した
がって、モノマー1aの濃度が場所によって変わり、屈
折率変調が生じする。すなわち、斜線を施した重合反応
済みのモノマー1a´の層がレーザーL1の1/2波長
(323.5nm)の間隔で多数形成される。この結
果、屈折率が異なる層が交互に積層された状態になり、
図1に示すマスク孔13a真下のフィルター剤1部分
に、323.5nm間隔のモノマー1a´の層を有した
R部分R1が形成される。これにより、図1のR露光工
程Cが終了し、G露光工程Dに移行する。
【0016】G露光工程Dにおいては、マスク孔13a
の位置をずらし、レーザーL2を、例えば30mJ/平
方センチメートルのパワーで図2のレーザー発振器3か
ら発振する。これにより、レーザーL1の場合と同様
に、モノマー1a´の層が1/2波長(257nm)の
間隔で形成される。この結果、かかる層を有したG部分
G1がマスク孔13aの真下に形成され、B露光工程E
への移行が行われる。B露光工程Eにおいても、R露光
工程C,G露光工程Dとほぼ同様に、パワーが例えば2
5mJ/平方センチメートルのレーザーL3をレーザー
発振器3から発振することで、1/2波長(244n
m)の間隔のモノマー1a´層を有したB部分B1がマ
スク孔13aの真下に形成される。かかるG露光工程D
の終了後、定着,固定工程Fに移行する。
【0017】定着,固定工程Fは、モノマー1aの重合
を完了させる工程である。すなわち、図4の(b)に示
すように、レーザーL1〜L3の照射だけでは、未反応の
モノマー1aが多少残存する。したがって、100mJ
/平方センチメートルの紫外光UV(または可視光)を
フィルター剤1の全面に照射することにより、未反応の
モノマー1aを反応させて重合を完了する。さらに、フ
ィルター剤1の部分を例えば120°Cの温度で2時間
加熱して、屈折率変調度の増強を行う。これにより、R
部分R1,G部分G1,B部分B1を有した干渉型カラ
ーフィルター30が製造される。
【0018】次に、本実施形態の製造方法で製造した干
渉型カラーフィルター30の特性について説明する。図
5に示すように、R部分R1,G部分G1,B部分B1
が並んだ干渉型カラーフィルター30の表面側から、白
色光wを照射する。R部分R1においては、モノマー1
a´の層が323.5nm間隔で形成されているので、
入射光がモノマー1a´の層と他の層との界面で反射,
干渉を繰り返し、647nmの赤色光Rのみが強められ
て干渉型カラーフィルター30の表面側に出てくる。G
部分G1,B部分B1においても同様にして514nm
の緑色光G,488nmの青色光Bのみが表面側に出て
くる。すなわち、干渉型カラーフィルター30は、R部
分R1で赤色光Rを、G部分G1で緑色光Gを、B部分
B1で青色光Bをフィルタリングするカラーフィルター
としての特性を示す。
【0019】図6は、干渉型カラーフィルター30の分
光特性図であり、赤色光R,緑色光G,青色光Bの特性
曲線が、647nm,514nm,488nmのところ
で先鋭に立ち上がっている。これに対して、従来の顔料
を分散した吸収型のカラーフィルターでは、図12に示
すように、赤色光R,緑色光G,青色光Bの特性曲線が
先鋭に立ち上がっていない。したがって、本実施形態の
製造方法で製造した干渉型カラーフィルター30を用い
ることで、従来の吸収型カラーフィルターよりも、色度
図の広い範囲を再現することができる。なお、色の再現
領域は、干渉型カラーフィルター30の厚みをコントロ
ールすることで調整可能である。すなわち、フィルター
剤塗布工程Aでフィルター剤1の厚さを調整すること
で、図6に示す赤色光R,緑色光G,青色光Bの特性曲
線の幅を変えることができる。
【0020】このように、本実施形態の液晶ディスプレ
イ用カラーフィルターの製造方法によれば、色特性の良
い干渉型カラーフィルター30を製造することができ
る。また、図13に示した従来の吸収型カラーフィルタ
ー20のようにオーバーコート剤17を使用する必要が
ないので、干渉型カラーフィルター30の表面に凸凹が
発生しない。したがって、この干渉型カラーフィルター
30を用いれば、LCDのパネルギャップの狭小化が可
能となり、高速応答性など、LCDの高性能化が可能と
なる。また、従来の吸収型カラーフィルター20を製造
するには、R,G,B部分14〜16形成のために、フ
ィルター剤塗布工程から乾燥,定着工程にいたる複雑な
工程を3回も繰り返さなければならなかった。一方、従
来の干渉型カラーフィルターの製造では、屈折率が異な
る多層の薄膜を、スパッタリングなどを繰り返して形成
しなければならなかった。このため、従来の吸収型及び
干渉型カラーフィルターでは、複雑且つ多数の工程が必
要であり、製造コストが著しく高くついていた。これに
対して、本実施形態の製造方法では、図1に示すよう
に、R露光工程C,G露光工程D,B露光工程Eを連続
して行うことで、干渉型カラーフィルター30のR部分
R1,G部分G1,B部分B1を一度に形成することが
できる。さらに、R部分R1,G部分G1,B部分B1
内の屈折率が異なる層を形成する際にも、スパッタリン
グなどを繰り返す必要がなく、露光によって一度に形成
することができる。したがって、本実施形態の製造方法
によれば、少ない工程で、高性能の干渉型カラーフィル
ター30を製造することができるので、製造コストを大
きく削減することができる。
【0021】(第2の実施形態)次いで、本発明の第2
の実施形態に係る液晶ディスプレイ用カラーフィルター
の製造方法について説明する。本実施形態の液晶ディス
プレイ用カラーフィルターの製造方法は、複数光を反射
して取り出すことができる干渉型カラーフィルターの製
造方法である。この製造方法は、図1において、基盤1
0にフィルター剤1を塗布するフィルター剤塗布工程A
と、フィルター剤1を乾燥させる乾燥工程Bと、定着,
固定工程Fとを具備する点は上記第1の実施形態と同様
であるが、乾燥工程Bと定着,固定工程Fとの間の露光
工程が異なる。したがって、重複記載を避けるため、こ
こでは、露光工程についてのみ説明する。
【0022】赤色光R,緑色光Gを反射可能な干渉型カ
ラーフィルターを製造する際の露光工程では、乾燥工程
Bの終了後、まず、パワーが例えば200mJ/平方セ
ンチメートルのレーザーL1を基盤10のフィルター剤
1に照射する。これにより、レーザーL1の1/2波長
(323.5nm)の間隔で、モノマー1a´の層がフ
ィルター剤1に形成される。しかる後、パワーが例えば
10mJ/平方センチメートルのレーザーL2をフィル
ター剤1に照射すると、レーザーL2の1/2波長(2
57nm)の間隔でモノマー1a´の層が形成される。
すなわち、レーザーL1とレーザーL2の波長が異なるこ
とから、フィルター剤1内には、図7の(a)に示すよ
うに、レーザーL1によるモノマー1a´の層R2とレ
ーザーL2によるモノマー1a´の層G2とが形成され
ることとなる。しかる後、定着,固定工程Fに移行し、
紫外光UV(または可視光)の照射と加熱とを行って、
重合を完成させることで、干渉型カラーフィルター31
が製造される。
【0023】このようにして製造された干渉型カラーフ
ィルター31は、図7の(a)に示すように、白色光w
が照射されると、層R2で赤色光Rが反射され、層G2
で緑色光Gが反射されて、赤色光R,緑色光Gの2つの
光が取り出される。図8は、上記干渉型カラーフィルタ
ー31の分光特性図である。図8に示すように、干渉型
カラーフィルター31によれば、647nm,514n
mのところで先鋭に立ち上がる赤色光R,緑色光Gの特
性曲線を得ることができ、干渉型カラーフィルター31
の色特性が非常に優れていることが判る。
【0024】また、赤色光R,青色光Bを反射可能な干
渉型カラーフィルターを製造する際の露光工程では、レ
ーザーL1をフィルター剤1に照射後、レーザーL3を照
射する。これにより、図7の(b)に示すように、フィ
ルター剤1にレーザーL1によるモノマー1a´の層R
2が形成され、レーザーL3による244nm間隔のモ
ノマー1a´の層B2が形成される。しかる後、定着,
固定工程Fを行うことで、赤色光R,青色光Bの2つの
光を反射する干渉型カラーフィルター32が製造され
る。同様に、緑色光G,青色光Bを反射可能な干渉型カ
ラーフィルターを製造する際の露光工程では、レーザー
L2とレーザーL3とをフィルター剤1に照射して、図7
の(c)に示すように、層G2,層B2をフィルター剤
1に形成する。
【0025】従来の干渉型カラーフィルターでは、特定
の波長に対して一義的に設計を行うため、複数の光を同
時にフィルタリングする構造にすることは困難であっ
た。しかし、本実施形態の製造方法によれば、上記した
ように、定着,固定工程Fの前であれば、フィルター剤
1を複数のレーザー光で多重に露光することができるの
で、複数の光を同時にフィルタリングする構造の干渉型
カラーフィルター31を容易に製造することができる。
【0026】ところで、図7に示すように、白色光wを
照射すると、干渉型カラーフィルター31〜33が、赤
色光R及び緑色光G,赤色光R及び青色光B,緑色光G
及び青色光Bを表面側に反射するということは、青色光
B,緑色光G,赤色光Rが、干渉型カラーフィルター3
1〜33を透過して裏面側に出てくることを意味する。
したがって、図9に示すように、干渉型カラーフィルタ
ー31〜33の一方側から白色光wを照射すると、青色
光B,緑色光G,赤色光Rを他方側で取り出せることと
なり、干渉型カラーフィルター31〜33を透過型カラ
ーフィルターとして使用することができる。すなわち、
本実施形態の製造方法は、干渉型カラーフィルター31
〜33だけでなく、透過型カラーフィルター31〜33
をも製造することができる。このように製造された透過
型カラーフィルター31〜33は、反射,干渉を利用し
て光を取り出すものではなく、カラーフィルターを透過
した青色光B,緑色光G,赤色光Rを取り出すので、視
角依存性がほとんど無い。その他の構成,作用効果は上
記第1の実施形態と同様であるので、その記載は省略す
る。
【0027】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変
形や変更が可能である。例えば、上記実施形態では、レ
ーザー光をフィルター剤1内で干渉させるホログラム光
学系として、図2のホログラム装置2を適用したが、図
10に示すようなホログラム光学系を適用しても良い。
このホログラム光学系は、一般的に使用されているもの
で、カラーフィルターの使用方法(視認方向など)に対
応させて、レーザー光の干渉させ方を調整することがで
きるようになっている。すなわち、レーザー光源40か
らのレーザー光Lをシャッタ41を介してハーフミラー
42に送出し、ハーフミラー42で反射したレーザー光
Lを参照光Lとし、ハーフミラー42を透過したレーザ
ー光Lを物体光Lとする。そして、参照光Lをスペーシ
ャルフィルター43で広げ、コリメーションレンズ44
で平行光にして、ミラー45に入射させる。一方、物体
光Lは、ミラー46で反射させて、スペーシャルフィル
ター47,コリメーションレンズ48,投影レンズ49
を介して、集光レンズ50に送出する。これにより、物
体光Lが集光レンズ50を介してフィルター剤1の一方
側に照射し、参照光Lがミラー45の角度でフィルター
剤1の他方側に照射する。したがって、物体光Lと参照
光Lとがフィルター剤1内で干渉するが、ミラー45の
角度を変化させることで、干渉のさせ方を調整すること
ができる。また、上記第1の実施形態では、R露光工程
C,G露光工程D,B露光工程Eの順序で露光を行った
が、これらの工程の順序は任意である。同様に、上記第
2の実施形態における2つのレーザー光の照射順序も任
意である。さらに、上記実施形態では、感光性高分子材
料として、デュポン社製の「OMNI−DEX」を用い
たが、これに限るものではなく、光の干渉部分の屈折率
が変化し、材料内の屈折率の差を固定,定着することが
できる材料であるならば良い。
【0028】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1の
発明によれば、感光性高分子材料に特定波長の光を照射
して、固定するだけで、干渉部分に屈折率が異なる層を
一度に形成することができるので、カラーフィルター製
造工程の削減を図ることができ、この結果、製造コスト
の低廉化を図ることができるという優れた効果がある。
また、カラーフィルターの表面にオーバーコート剤など
を塗布しないので、このカラーフィルターを使用すれ
ば、高速応答性など、LCDの高性能化が可能となる。
【0029】請求項2の発明によれば、従来の干渉型カ
ラーフィルターの製造方法では、困難とされていた複数
光の同時フィルタリングが可能な干渉型カラーフィルタ
ーを容易に製造することができるという効果がある。ま
た、視角依存性がほとんど無い透過型カラーフィルター
をも製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液晶ディスプレ
イ用カラーフィルターの製造方法の工程図である。
【図2】図1の露光工程で適用されるホログラム装置の
概略図である。
【図3】露光時におけるレーザー光の干渉を示す断面図
である。
【図4】フィルター剤の重合状態を示す説明図であり、
図4の(a)は初期状態を示し、図4の(b)は露光時
の状態を示し、図4の(c)は固定,定着時の状態を示
す。
【図5】製造された干渉型カラーフィルターのフィルタ
リング作用を示す概略断面図である。
【図6】干渉型カラーフィルターの分光特性図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る液晶ディスプレ
イ用カラーフィルターの製造方法で製造された干渉型カ
ラーフィルターのフィルタリング作用を示す概略断面図
であり、図7の(a)は赤色光及び緑色光のフィルタリ
ングを示し、図7の(b)は赤色光及び青色光のフィル
タリングを示し、図7の(c)は緑色光及び青色光のフ
ィルタリングを示す。
【図8】赤色光及び緑色光用の干渉型カラーフィルター
が示す分光特性図である。
【図9】透過型カラーフィルターのフィルタリング作用
を示す概略断面図であり、図9の(a)は青色光のフィ
ルタリングを示し、図9の(b)は緑色光のフィルタリ
ングを示し、図9の(c)は赤色光のフィルタリングを
示す。
【図10】ホログラム光学系の他の例を示す概略図であ
る。
【図11】従来の干渉型カラーフィルターを示す概略図
である。
【図12】図11の干渉型カラーフィルターの分光特性
図である。
【図13】従来の干渉型カラーフィルターの製造方法を
示す工程図である。
【符号の説明】
1・・・フィルター剤、 1a・・・モノマー、 1a
´・・・重合済みモノマー、 10・・・基盤、 30
・・・干渉型カラーフィルター、 A・・・フィルター
剤塗布工程、 C・・・R露光工程、 D・・・G露光
工程、 E・・・B露光工程、 F・・・定着,固定工
程、 L1,L2,L3・・・レーザー。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性高分子材料に特定波長の光を照射
    して、この光を上記感光性高分子材料内で干渉させるこ
    とにより、非干渉部分の屈折率と異なる屈折率を有した
    層を光が強められる干渉部分に形成する露光工程と、 上記露光工程で形成した上記層を固定する固定工程と、 を具備することを特徴とする液晶ディスプレイ用カラー
    フィルターの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液晶ディスプレイ用カ
    ラーフィルターの製造方法において、 上記露光工程は、 異なる波長の複数の光を順次照射して、各光を上記感光
    性高分子材料内で各々干渉させることにより、屈折率が
    異なる複数の層を各光の干渉部分に形成するものであ
    る、 ことを特徴とする液晶ディスプレイ用カラーフィルター
    の製造方法。
JP19490196A 1996-07-24 1996-07-24 液晶ディスプレイ用カラーフィルターの製造方法 Pending JPH1039132A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014019309A1 (zh) * 2012-07-30 2014-02-06 京东方科技集团股份有限公司 用于制作彩色滤光片的掩模板及彩色滤光片的制作方法
US9441809B2 (en) 2011-10-20 2016-09-13 3M Innovative Properties Company Illumination systems with sloped transmission spectrum front reflector

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