JP2003090916A - 波長板および投射型表示装置 - Google Patents

波長板および投射型表示装置

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JP2003090916A
JP2003090916A JP2001285381A JP2001285381A JP2003090916A JP 2003090916 A JP2003090916 A JP 2003090916A JP 2001285381 A JP2001285381 A JP 2001285381A JP 2001285381 A JP2001285381 A JP 2001285381A JP 2003090916 A JP2003090916 A JP 2003090916A
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wave plate
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Hidefumi Sakata
秀文 坂田
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い波長帯域で使用することができ、投射型
表示装置等に使用する際にも優れた耐久性を発揮する波
長板を提供する。 【解決手段】 本発明の波長板1は、屈折率の波長分散
が異なる2種類の媒質A(2),媒質B(3)が光の波
長よりも短い周期で交互にストライプ状に配置されてな
る格子部4を有している。そして、媒質Aの屈折率が媒
質Bの屈折率よりも大きく、かつ、媒質Aの屈折率の波
長分散が媒質Bの屈折率の波長分散よりも小さくなるよ
うな媒質が選択されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長板および投射
型表示装置に関し、特に構造複屈折型の波長板の構成に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器の発達はめざましく、解
像度が高く、低消費電力でかつ薄型の表示装置の要求が
高まり、研究開発が進められている。中でも液晶表示装
置は液晶分子の配列を電気的に制御して、光学的特性を
変化させることができ、上記のニーズに対応できる表示
装置として期待され、大型の画面を持った液晶表示装置
も開発されている。このような液晶表示装置の一形態と
して、液晶パネルを用いた光学系からなる映像源から出
射される画像を、投射レンズを通してスクリーンに拡大
投射する投射型表示装置が知られている。この種の投射
型表示装置は光変調手段として液晶パネルを用いている
が、特にTN(Twisted Nematic)型の液晶パネルを用
いた場合、この液晶パネルは原理的に一方向の偏光のみ
を利用して表示を行うものであるため、光源から出射さ
れる不定偏光の光束が液晶パネルに入射される前にこの
光束を一方向の偏光に揃える目的で偏光変換手段が備え
られている。この偏光変換手段には、例えば1/2波長
板が用いられる。
【0003】波長板は位相差板とも呼ばれ、複屈折性を
有する部材で構成されている。複屈折性に起因する屈折
率差をΔn、厚みをdとすると、これらの積Δndをリ
タデーション(R)と呼ぶ。光の波長をλとしたとき、
R=λ/2を満足するものが1/2波長板であり、偏光
変換素子として用いることができる。複屈折性を得る方
法としては、例えば(1)高分子フィルムを延伸させる
ことによってフィルム中に複屈折性を生じさせる方法、
(2)もともと屈折率異方性を有する高分子前駆体を重
合してフィルム状に成形する方法、(3)表面を高密度
のレリーフ構造にして構造的に複屈折性を生じさせる方
法(特開昭62−170902号参照)などが提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、波長板はある特
定波長の光(単色光)に対してのみ波長板として機能す
るものである。例えば投射型表示装置の白色光源光のよ
うに、異なる波長の光を含む光束が1枚の波長板に入射
された場合、所望の偏光変換作用が得られるのはある一
つの波長の光に対してだけであって、その他の波長の光
に対しては必ずしも充分な偏光変換作用が得られない。
その結果、その他の波長の光の利用効率が低下し、投射
型表示装置として明るい画像が得られない、色再現範囲
(色バランス)が狭くなるなどの問題点が生じていた。
このような事情から、特定の波長のみならず、ある程度
広い波長域で波長板として機能するものが求められてい
た。
【0005】広い波長帯域で所望の特性を有する波長板
として機能するためには、例えば1/2波長板であれ
ば、波長が変化しても常にR=λ/2の関係を満足する
必要があるので、波長が長くなったときにそれに伴って
リタデーション値も大きくならなければならない。しか
しながら、一般の誘電体材料の屈折率の波長依存性(波
長分散)は、可視光の波長帯域では波長が長くなるに従
って屈折率が小さくなるというものであり、その結果、
従来の波長板は、波長が長くなるに従ってリタデーショ
ン値が小さくなるか、あるいはほとんど変わらないとい
う特性を有していた。
【0006】これに対し、近年、逆分散性を有する広帯
域位相差フィルムの提案がなされている("Wide-Band R
etardation Films with Reverse Wavelength Dispersio
n",A.Uchiyama et al., Proceedings of the seventh i
nternational display workshops(IDW), p.407-410, 20
00)。このフィルムは逆分散性、すなわち波長が長くな
るに従ってリタデーション値が大きくなる特性を有して
おり、上記の要求を満足するものである。ところが、こ
のフィルムは有機材料を用いたものであり、高輝度の光
源を使用する投射型表示装置においてはフィルムがかな
りの高温になるため、耐久性の面で問題があった。
【0007】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、広い波長帯域で使用することがで
き、投射型表示装置等に使用する際にも優れた耐久性を
発揮する波長板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の波長板は、屈折率の波長分散が異なる2
種類の媒質が光の波長よりも短い周期で交互にストライ
プ状に配置されてなる格子部を有し、前記2種類の媒質
のうちの一方の媒質の屈折率が他方の媒質の屈折率より
も大きく、かつ、前記一方の媒質の屈折率の波長分散が
前記他方の媒質の屈折率の波長分散よりも小さいことを
特徴とする。
【0009】本発明者は、波長板にとって必要な複屈折
性を得るために、近年、回折格子や偏光子などへの応用
例が提案されている構造複屈折型素子を波長板に適用す
ることを考えた。「構造複屈折」とは、屈折率が異なる
2種類の媒質を光の波長よりも短い周期で交互にストラ
イプ状に配置したとき、ストライプに平行な偏光成分
(TE波)とストライプに垂直な偏光成分(TM波)と
で光が実効的に感じる屈折率が異なり、複屈折作用が生
じることを言う。
【0010】例えば図2、図3に示すように、屈折率が
異なる2種類の媒質A,Bを交互にストライプ状に配置
した格子部を基板上に形成した素子を考える。ストライ
プに平行な偏光成分に対する実効屈折率とストライプに
垂直な偏光成分に対する実効屈折率は異なり、ストライ
プに平行な偏光成分に対する実効屈折率をnTE、ストラ
イプに垂直な偏光成分に対する実効屈折率をnTMとする
と、それぞれ次の式(1)、(2)のように表される。
【0011】
【数1】 ただし、式(1)、(2)中のa,bはそれぞれ媒質
A,Bの幅、n1,n2はそれぞれ媒質A,Bの屈折率で
ある。
【0012】ここで、媒質A,Bの屈折率と図2、図3
に示す構造複屈折素子のΔn(Δn=nTE−nTM)の関
係を図6に示す。図6において、横軸は媒質Bの屈折
率、縦軸はΔn、凡例は媒質Aの屈折率をそれぞれ示し
ている。図6の曲線の形状は媒質A,Bの幅a,bの比
によって変化するが、これはa=bの場合の例である。
式(1)、(2)より、n1=n2のときはnTE=nTM
なるので、Δn=0となる。つまり、媒質A,Bの屈折
率が等しいときにΔn=0の点を通り、媒質A,Bの屈
折率差が大きいほどΔnが大きくなるような曲線を描く
特性を示す。
【0013】図6において、例えば媒質Aの屈折率が1
の曲線に着目すると、この曲線は図6に示す領域におい
て右上がりの勾配を有している(以下の説明では便宜
上、右上がりの勾配を正の勾配、右下がりの勾配を負の
勾配という)。今仮に光の波長が変化しても媒質Aの屈
折率が全く変化しない、すなわち、媒質Aの屈折率の波
長分散が0であるとすると、この曲線自体の勾配は変化
しない。これに対して、光の波長が長くなったときに媒
質Bの屈折率が小さくなる、すなわち、媒質Bが屈折率
の波長分散を有していたとすると、通常の波長分散では
光の波長が長くなったときに正の勾配の曲線上を媒質B
の屈折率が小さくなる方向(図における横軸の左方向)
に移動することになるので、Δnが小さくなる。媒質
A,Bの厚さdを一定とすると図6の縦軸はリタデーシ
ョン値とみなせるので、リタデーション値Rが小さくな
ることになる。つまりこの場合、光の波長が長くなると
リタデーション値Rが小さくなるので、従来の波長板と
同様、波長の変化に係わらず所望の特性を有する波長板
を実現するという目的を達成することができない。
【0014】次に、例えば媒質Aの屈折率が2.5の曲
線に着目すると、この曲線は図6に示す領域において負
の勾配を有している。上の場合と同様、媒質Aの屈折率
の波長分散が0であったとすると、この曲線自体の勾配
は変化しない。そして、媒質Bは通常の屈折率の波長分
散を有していたとすると、光の波長が長くなったときに
は負の勾配の曲線上を媒質Bの屈折率が小さくなる方向
(図における横軸の左方向)に移動することになるの
で、Δnが大きくなり、リタデーション値Rは大きくな
る。つまり、この場合は上の場合とは逆に、光の波長が
長くなるとリタデーション値Rが大きくなるので、波長
が変化しても所望の特性を有する波長板を実現できるこ
とになる。
【0015】以上まとめると、図6における各曲線の負
の勾配の領域を用いれば、光の波長が長くなるにつれて
リタデーション値Rが大きくなり、本発明の目的とする
波長板を得ることができる。図6の曲線の負の勾配の領
域とは、換言すれば、媒質Aの屈折率が媒質Bの屈折率
よりも大きい領域である。したがって、媒質Aの屈折率
が媒質Bの屈折率よりも大きくなるような媒質A、Bの
組み合わせを選択すれば、広い波長帯域で所望の特性を
有する波長板を得ることができる。
【0016】ただし、上記の説明の前提として、媒質A
の屈折率の波長分散が0であり、媒質Bの屈折率の波長
分散は有限の値であるとした。ここで、媒質Aの屈折率
の波長分散が大きくなると図6の曲線の勾配が緩くなる
傾向を示し、例えば媒質Aの屈折率の波長分散が非常に
大きな値であったとすると、図6の曲線の負の勾配が充
分に小さくなる。この時、媒質Bの屈折率の波長分散が
媒質Aの屈折率の波長分散よりも小さかったとすると、
曲線上を媒質Bの屈折率が小さくなる方向に移動する度
合よりも図6の曲線の勾配が小さくなる度合の方が大き
くなり、光の波長が長くなったときにΔnが大きくなる
特性を示さないことになる。したがって、光の波長が長
くなるにつれてリタデーション値Rが大きくなるために
は、媒質Aの屈折率の波長分散が媒質Bの屈折率の波長
分散よりも小さいことが必要条件となる。
【0017】このように、媒質Aの屈折率の波長分散は
0、あるいは充分に小さい値を取ることが望ましいが、
さらに、波長が長くなったときに屈折率が大きくなる特
性、いわゆる逆分散性を有している場合には図6の曲線
の勾配が急になる傾向を示すので、この場合も本発明の
目的を達成することができる。波長分散についてまとめ
ると、媒質Aに関しては「0」、「通常の分散」、「逆
分散」のいずれの特性でもよく、媒質Bに関しては「通
常の分散」を有する必要がある。そして、いずれの組み
合わせの場合であっても「媒質Aの屈折率の波長分散が
媒質Bの屈折率の波長分散よりも小さい」という条件を
常に満足する必要がある。
【0018】以上の条件から、本発明の波長板は、屈折
率の波長分散が異なる2種類の媒質(媒質A,B)が光
の波長よりも短い周期で交互にストライプ状に配置され
た格子部を有するものであって、媒質Aの屈折率が媒質
Bの屈折率よりも大きく、かつ、媒質Aの屈折率の波長
分散が媒質Bの屈折率の波長分散よりも小さいものであ
れば、光の波長が長くなるにつれてリタデーション値R
が大きくなり、広い波長帯域で所望の特性が得られる波
長板が実現できる。なお、「媒質Aの屈折率が媒質Bの
屈折率よりも大きい」という条件に関しては、光の波長
が変わって各媒質の屈折率が変化しても常にこの関係を
満たしていなければならない。また、上記の条件を満足
する媒質として無機材料を選択することができるので、
有機フィルムを用いた従来の波長板に比べて耐熱性を向
上させることができる。
【0019】また、前記一方の媒質、前記他方の媒質の
少なくともいずれか一方が複屈折性を有していてもよ
い。今までの説明では、入射光の各偏光成分に対する実
効屈折率nTE、nTMは式(1)、(2)に従うものとし
たが、これは媒質A,Bとして屈折率n1,n2が一義的
に決定する、いわゆる屈折率等方性の材料を想定してい
る。しかしながら、媒質A,Bの少なくともいずれか一
方が複屈折性を有していてもよく、その場合、式
(1)、(2)中の屈折率n1,n2がそれぞれ常光に対
する屈折率no、異常光に対する屈折率neに置き換わる
のみである。この構成によれば、波長が長くなるに伴っ
て媒質の屈折率が小さくなる場合でも、常光屈折率と異
常光屈折率の差が大きくなればリタデーション値が大き
くなる。等方性の材料であっても延伸させることによっ
て複屈折性を持たせることができるため、様々な材料の
選択が可能になる。これによって、耐光性、耐湿性、耐
熱性などを高めることが可能になる。
【0020】本発明の投射型表示装置は、光源と、該光
源からの光を変調する光変調手段と、該光変調手段によ
って変調された光を投射する投射手段とを備えた投射型
表示装置であって、上記本発明の波長板を備えたことを
特徴とする。この構成によれば、広い波長帯域で所望の
偏光特性が得られ、耐熱性に優れた波長板を備えたこと
によって表示画面が明るく、信頼性の高い投射型表示装
置を実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
1〜図4を参照して説明する。図1は本実施の形態の波
長板を示す斜視図、図2は同平面図、図3は図1のA−
A’線に沿う断面図、図4は同波長板の製造工程を順を
追って示す工程断面図である。なお、以下の各図におい
ては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさ
とするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0022】本実施の形態の波長板は、図1に示すよう
に、屈折率が異なる2種類の媒質A(2)(一方の媒
質)、媒質B(3)(他方の媒質)を交互にストライプ
状に配置した格子部4が透光性基板5上に形成されてい
る。2種類の媒質のうち、媒質A(2)の屈折率が媒質
B(3)の屈折率よりも大きく、かつ、媒質A(2)の
屈折率の波長分散が媒質B(3)の屈折率の波長分散よ
りも小さくなるように各媒質が選択されている。
【0023】図2に示すように、媒質A(2)、媒質B
(3)のピッチPは入射光の波長よりも小さい値であ
り、例えば100〜150nm程度に設定されている。
製造上の都合もあるが、入射光の波長の1/10程度に
するとより好ましい。媒質A(2)、媒質B(3)の厚
みdについては、例えば所望の波長板が1/2波長板で
あれば、使用する光の波長においてR=Δnd=λ/2
を満足するように、1/4波長板であれば、使用する光
の波長においてR=Δnd=λ/4を満足するように厚
みdを設定すればよい。
【0024】本実施の形態では、媒質A(2)の材料と
してガラス材料の一種であるGFK70(商品名、住田
ガラス社製)が用いられている。また、透光性基板5と
媒質B(3)とが一体の構成であり、その材料としてガ
ラス材料の一種であるLLF8(商品名、住田ガラス社
製)が用いられている。各ガラス材料の物性値について
は、GFK70の屈折率が1.56907、アッベ数が
71.3、LLF8の屈折率が1.53256、アッベ
数が46.0である。なお、「アッベ数」とは、ガラス
等の透明媒質中の光の波長分散に関する性質を規定する
量であって、分散能の逆数であり、逆分散能とも呼ばれ
る。数値が大きいほど波長分散が小さく、数値が小さい
ほど波長分散が大きいことを示す。よって、上記の場
合、GFK70(媒質A)の屈折率の波長分散の方がL
LF8(媒質B)の屈折率の波長分散よりも小さいこと
になる。
【0025】上記構成の波長板1を製造する際には、図
4(a)に示すように、媒質B(3)の材料となるLL
F8の基板5を準備し、図4(b)に示すように、フォ
トレジスト6を塗布する。次にフォトレジスト6を露光
するが、媒質A、媒質Bのピッチが光の波長よりも小さ
いような微細パターンを形成するため、フォトマスクを
用いた通常の露光は不可能であり、図4(c)に示すよ
うに、レーザ光を用いた2光束干渉露光を行う。次い
で、現像を行い、図4(d)に示すようなレジストパタ
ーン7を得る。そして、図4(e)に示すように、レジ
ストパターン7をマスクとして基板5のエッチングを行
い、基板表面に多数の溝を形成する。その後、図4
(f)に示すように、ガラスプレス加工を行うことによ
り媒質A(2)の材料となるGFK70を前記溝に埋め
込むように埋め込む。以上の工程により本実施の形態の
波長板1が完成する。なお、図4(f)の形状は、図1
や図3に示したものと異なり、格子部4の上にGFK7
0からなる媒質A(2)が全体にわたって位置している
が、この部分の媒質A(2)は必ずしも除去する必要は
ない。
【0026】本実施の形態の波長板1においては、「課
題を解決するための手段」の項に原理を説明したよう
に、媒質A(2)の屈折率が媒質B(3)の屈折率より
も大きく、かつ、媒質A(2)の屈折率の波長分散が媒
質B(3)の屈折率の波長分散よりも小さくなるような
媒質A(2)、媒質B(3)からなる微細なピッチの格
子部4を備えたことによって、光の波長が長くなるにつ
れてリタデーション値Rが大きくなる特性を得ることが
でき、広い波長帯域で所望の特性が得られる波長板を実
現することができる。また、媒質A(2)、媒質B
(3)の材料としてガラス等の無機材料を選択すること
ができるので、有機フィルムを用いた従来の波長板に比
べて耐熱性を向上させることができ、高輝度の光源を有
する投射型表示装置等に用いて好適なものとすることが
できる。
【0027】図5は、上記実施の形態の波長板、特に1
/2波長板を備えた投射型表示装置の一例を示す概略構
成図である。図中、符号11は光源、12はインテグレ
ーター、13は偏光変換素子、14、15は1/2波長
板、16,17はダイクロイックミラー、18,19,
20は反射ミラー、21,22はリレーレンズ、23,
24,25は液晶ライトバルブ(光変調手段)、26は
合成プリズム、27は投射レンズ(投射手段)を示して
いる。
【0028】光源11はメタルハライド等のランプ28
とランプの光を反射するリフレクタ29とからなる。光
源11から出射される光は照度分布を有しているため、
照度を均一化するために、光源11の後段に例えば2枚
のフライアイレンズ30a,30bからなるインテグレ
ータ12が配置されている。この投射型表示装置10は
光変調手段としてTN型液晶パネルを用いており、一方
向の偏光のみを表示に利用するため、光源11から出射
される不定偏光の光束が液晶パネルに入射される前にこ
の光束を一方向の偏光に揃える目的で偏光変換素子13
が備えられている。ここではその偏光変換素子13に1
/2波長板14が用いられている。
【0029】赤色光・緑色光反射のダイクロイックミラ
ー16は、偏光変換素子13を出射した光束のうちの青
色光LBを透過させるとともに、赤色光LRと緑色光LG
とを反射させる。透過した青色光LBは反射ミラー18
で反射されて、青色光用液晶ライトバルブ23に入射す
る。一方、ダイクロイックミラー16で反射した色光の
うち、緑色光LGは緑色光反射用のダイクロイックミラ
ー17によって反射し、緑色光用液晶ライトバルブ24
に入射する。一方、赤色光LRはダイクロイックミラー
17を透過し、リレーレンズ21、反射ミラー19、リ
レーレンズ22、反射ミラー20を経て赤色光用液晶ラ
イトバルブ25に入射する。
【0030】各液晶ライトバルブ23,24,25によ
って変調された3つの色光は、合成プリズム26に入射
する。この合成プリズム26はクロスダイクロイックプ
リズムで構成され、4つの直角プリズムが貼り合わさ
れ、その内面に赤色光LRを反射する誘電体多層膜と青
色光LBを反射する誘電体多層膜とが十字状に形成され
ている。緑色光LGについては赤色光LRおよび青色光L
Bとは直交する偏光がこれら誘電体多層膜を透過するよ
うに構成されているので、緑色光用液晶ライトバルブ2
4に入射する前に偏光方向を90°回転させるための1
/2波長板15が配置されている。
【0031】この合成プリズム26の誘電体多層膜によ
って3つの色光が合成されてカラー画像を表す光が形成
される。合成された光は投射光学系である投射レンズ2
7により図示しないスクリーン上に投射され、拡大され
た画像が表示される。
【0032】従来の投射型表示装置に使用されていた波
長板は、ある特定波長の光(色光)において所望の特性
を得るように設計されており、例えば最も強度が高い緑
色光に合わせた設計となっていた。そのため、赤色光と
青色光については所望の偏光変換が得られずに光損失が
生じる結果、表示が暗くなったり、色バランスが悪くな
る等の欠点があった。その点、本実施の形態の投射型表
示装置10の場合、広い波長帯域で所望の偏光特性が得
られる1/2波長板14,15を備えたことによって明
るく、色バランスの良い画像を得ることができる。ま
た、耐熱性に優れた波長板を用いたことにより、信頼性
の高い投射型表示装置を実現することができる。
【0033】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば上記実施の形態の波長板における媒質A、Bの材
料、ピッチ等の具体的な記載については適宜変更が可能
である。また、上記実施の形態では媒質A、Bに屈折率
等方性の材料を用いたが、少なくともいずれか一方に屈
折率異方性を有する材料を用いてもよい。その場合、材
料選択の幅が広がるため、耐熱性、耐光性を高めること
ができる。
【0034】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、広い波長帯域で所望の特性が得られ、耐久性に
優れた波長板を実現することができる。また、この波長
板を用いることによって、表示品位に優れ、信頼性の高
い投射型表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の波長板を示す斜視図
である。
【図2】 同、平面図である。
【図3】 図1のA−A’線に沿う断面図である。
【図4】 同、波長板の製造工程を順を追って示す工程
断面図である。
【図5】 同、波長板を備えた本発明の一実施の形態の
投射型表示装置の概略構成図である。
【図6】 本発明の原理を説明するための図であって、
2種類の媒質の屈折率と構造複屈折素子のΔnの関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 波長板 2 媒質A 3 媒質B 4 格子部 5 透光性基板 10 投射型表示装置 14,15 1/2波長板 23,24,25 液晶ライトバルブ(光変調手段) 27 投射レンズ(投射手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率の波長分散が異なる2種類の媒質
    が光の波長よりも短い周期で交互にストライプ状に配置
    されてなる格子部を有し、前記2種類の媒質のうちの一
    方の媒質の屈折率が他方の媒質の屈折率よりも大きく、
    かつ、前記一方の媒質の屈折率の波長分散が前記他方の
    媒質の屈折率の波長分散よりも小さいことを特徴とする
    波長板。
  2. 【請求項2】 前記一方の媒質、前記他方の媒質の少な
    くともいずれか一方が複屈折性を有していることを特徴
    とする請求項1に記載の波長板。
  3. 【請求項3】 光源と、該光源からの光を変調する光変
    調手段と、該光変調手段によって変調された光を投射す
    る投射手段とを備えた投射型表示装置であって、 請求項1または2に記載の波長板を備えたことを特徴と
    する投射型表示装置。
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