JPH1038490A - 高温熱交換器用フィン付き伝熱管 - Google Patents

高温熱交換器用フィン付き伝熱管

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JPH1038490A
JPH1038490A JP8191692A JP19169296A JPH1038490A JP H1038490 A JPH1038490 A JP H1038490A JP 8191692 A JP8191692 A JP 8191692A JP 19169296 A JP19169296 A JP 19169296A JP H1038490 A JPH1038490 A JP H1038490A
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JP
Japan
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heat
heat transfer
transfer tube
heat source
temperature
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JP8191692A
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Inventor
Kenji Yaegashi
賢司 八重樫
Takao Naruse
孝夫 成瀬
Yasushi Senba
保志 船場
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Hitachi Ltd
Hitachi Tsuchiura Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Tsuchiura Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換器の熱源入口から出口にかけて、それ
ぞれの位置における最適な熱吸収能力が確保され、高温
雰囲気下での使用による劣化等の恐れの無い信頼性の高
い高温熱交換器用フィン付き伝熱管を提供する。 【解決手段】 伝熱面積を増加させた伝熱管として、母
管には広い平面を有す扁平伝熱管5を用い、これに数多
くのフィン8をロ−付けしてフィン付き伝熱管を構成す
る。フィン8は、熱源3の入口側ではフィン長さおよび
フィンピッチを大きくし、熱源の出口側に向かってフィ
ン長さを逐次小さく、フィンピッチを小さく形成し、前
記フィンピッチの大小別に一枚の薄板素材11a,11
bからフィン長さの逐次異なる多数段のフィンを成形加
工してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温熱交換器用フ
ィン付き伝熱管に係り、特に高温域で使用される熱交換
器に好適な高温熱交換器用フィン付き伝熱管に関するも
ので、例えばボイラー等の高温熱交換器に利用される。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱交換器用の伝熱管およびフィ
ンは種々のタイプや形状のものが広く実用化されてい
る。これらは取扱う熱源の温度域という観点で見てみる
と、比較的高温域で使用される熱交換器、あるいは低温
域で使用される熱交換器という分類ができる。そして、
その代表製品に、前者は高温の熱風を熱交換するボイラ
−、後者は空気の流れを作って冷媒を冷し熱交換するエ
アコン,冷蔵庫等が挙げられる。
【0003】冷蔵庫に用いられる蒸発器用熱交換器とし
ては、例えば特開昭61−285395号公報記載のも
のが知られている。当該公報記載の熱交換器は、複数枚
の並行状部材を適当な間隔をもって積層して平板状冷媒
流路を構成し、その平板状冷媒流路を、気流方向に並行
に配置するとともに、上記平板状冷媒流路の外壁に、気
流の下流側ほど間隔が狭く、かつ気流方向の寸法が長い
複数のフィン部材を、気流方向に並行に取り付けたもの
である。
【0004】すなわち、気流の流れ方向に対して後段に
行くに従い、フィン長を長くして電熱面積を確保すると
ともに、冷媒流路の死水域の悪影響がフィンに及ぶこと
なく、着霜現象による気流通路の閉塞防止が図られてい
るものである。
【0005】これに対し本発明は、エアコン,冷蔵庫等
空気の流れを作って冷媒を冷し熱交換するものと熱源の
温度域が全く異なり、高温域を対象にした熱交換器用の
ものである。前述のボイラ−においては、燃焼室で作ら
れた熱源熱量を煙管式伝熱管の内側に導き、伝熱管外側
の水温を上昇させるように熱交換している。このような
技術は、例えば、「機械工学必携」馬場秋次郎編、19
76年2月三省堂発行、第3章、P820〜P821、
図3−3,3−4,3−5に記載されている。
【0006】この伝熱管に注目すると、従来、比較的厚
肉でフィンの無いベア管が用いられている。これは、フ
ィン無し厚肉管を用いることにより、熱の吸収能力は低
下しても、高温熱源にさらされる熱交換器の入口部にお
ける伝熱管の溶融劣化を防止しているものである。その
後、入口部分で熱吸収され温度の下がった熱源熱量は、
伝熱管の中間部に至り引き続き熱交換作用をして行く
が、中間部以降については、伝熱面積を増大したフィン
付き伝熱管の方がより高い熱吸収能力が得られる。この
点、一様にフィンの無いベア管は熱吸収能力が低いとい
う点で不利なものであった。
【0007】次に、伝熱管にフィンを螺旋状に巻きつけ
た事例として、例えば、「エネルギ−工学のための熱交
換技術入門」中山 恒著、1981年12月オ−ム社発
行、第2章、P45、図2.6が挙げられる。これは伝
熱管の内側に熱源を入れ、外側の気体や液体を昇温また
は冷却したりする伝熱管である。しかし、この場合にお
いても熱吸収能力が一様なフィン巻き伝熱管であるた
め、順次減少していく熱源温度に対応して伝熱面積を増
したフィン対策を講じていないため、最大限の熱量を吸
収するまでには至っていなかった。
【0008】一方、使用する温度域が異なるが、エアコ
ンの屋外機においては、アルミ製の薄板に細かな何段も
のフィンを設けたプレ−トフィン式熱交換器が使用され
ている。しかし、使用温度の点で本発明の要求する範囲
にない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】熱交換器の性能は、言
うまでもなく伝熱管の熱伝達率に影響され、適切な伝熱
面積の取り方に大きく左右されると言っても過言ではな
い。したがって、熱源に対し、熱交換器の上流側では伝
熱管あるいはフィンを溶融劣化させることのない、そし
て、熱交換器の中間以降下流に至るまでは、できるだけ
伝熱面積が多く、かつ高効率なフィンを設けることが好
ましい。すなわち、熱交換器の主眼点は、供給される熱
源の温度低下に反比例して、伝熱面積を効果的に増加さ
せ熱吸収能力を向上させることにある。
【0010】このような観点に立って、伝熱管に設ける
フィンは、熱源の入口側から出口側に至るまでそれぞれ
の位置でその配置,形状,数量,寸法を如何に設計すれ
ばよいか、またフィンを有する伝熱管の形状はどのよう
なものが最適か、ということが、高性能化を達成するた
めのフィン付き伝熱管の重要課題と言うことができる。
【0011】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、熱
交換器の熱源入口から出口にかけて、それぞれの位置に
おける最適な熱吸収能力が確保され、高温雰囲気下での
使用による劣化等の恐れの無い信頼性の高い高温熱交換
器用フィン付き伝熱管を提供することにある。
【0012】次に、伝熱管に接合されるフィンについて
供給熱源の熱の流路という点に注目してみると、それぞ
れフィンの寸法,ピッチ,間隔,位置など出来るだけ精
度の高いフィンを準備して伝熱管面に接合することが大
切である。その理由は、伝熱管とフィンとで構成された
伝熱面が、後述する境界層の影響を避け、熱源に常時触
れていることで初めて高い熱伝達率が得られるからで、
数多くのフィンを準備しても精度が悪く仮にフィンに位
置ずれが生じ、互いのフィン面が重なりあえば、その分
伝熱面は減少することになり熱伝達率は低下してしま
う。したがって、寸法精度の高いフィン付き伝熱管の製
造法を検討する必要がある。
【0013】さらに、熱源の供給に使用される燃料は、
一般的にはクリ−ンなガスが使用される場合が多いが、
まれに油の場合もありうる。この場合、運転時間が長期
に亘ると燃焼カスがフィンに固着して熱伝達率を低下さ
せる。そこで、その時点で清掃作業を余儀なくされる。
すなわち、前述の従来技術で開示したフィン巻き伝熱管
においては、密集した伝熱管群であるためブラッシング
清掃は殆ど不可能に近いものであった。
【0014】そこで、本発明の他の目的は、量産化に適
し、性能を保証するための精度の向上にも寄与している
とともに、清掃作業などメンテナンスの容易な高温熱交
換器用フィン付き伝熱管を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る高温熱交換器用フィン付き伝熱管の第
一の構成は、熱源からの熱量を伝熱管の内側に供給し、
伝熱管の外側の流体温度を熱交換作用により上昇させる
高温熱交換器用の伝熱管において、前記熱交換作用を行
う前記伝熱管に生じる熱源入口から熱源出口にかけての
温度勾配に対して、当該伝熱管の内表面に、当該伝熱管
の熱吸収能力を熱源入口から熱源出口に至るまで、それ
ぞれ熱源の温度低下に反比例して順次変化させるように
一枚板から多数段形成したフィンを設けて、当該伝熱管
全体として所要の熱吸収能力を保つように構成したもの
である。
【0016】また、上記目的を達成するために、本発明
に係る高温熱交換器用フィン付き伝熱管の第二の構成
は、熱源からの熱量を伝熱管の外側に供給し、伝熱管の
内側の流体温度を熱交換作用により変化させる高温熱交
換器用の伝熱管において、前記熱交換作用を行う前記伝
熱管に生じる熱源入口から熱源出口にかけての温度勾配
に対して、当該伝熱管の外表面に、当該伝熱管の熱吸収
能力を熱源入口から熱源出口に至るまで、それぞれ熱源
の温度低下に反比例して順次変化させるように一枚板か
ら多数段形成したフィンを設けて、当該伝熱管全体とし
て所要の熱吸収能力を保つように構成したものである。
【0017】これら第一,第二の構成において、伝熱管
の熱吸収能力を熱源入口から熱源出口に至るまでそれぞ
れ熱源の温度低下に反比例して順次変化させるように一
枚板から多数段形成したフィンは、熱源の入口側ではフ
ィン長さおよびフィンピッチを大きくし、熱源の出口側
に向かってフィン長さを逐次小さく、フィンピッチを小
さく形成し、前記フィンピッチの大小別に一枚の薄板素
材からフィン長さの逐次異なる多数段のフィンを成形加
工したものである。
【0018】前記伝熱管は、当該伝熱管の断面が略平行
楕円形状をなし平行な平面部を有する扁平管とし、この
扁平管の外表面もしくは内表面に、伝熱管の熱源入口か
ら熱源出口に至るまでそれぞれ熱吸収能力を変化させる
ように一枚板から多数段形成したフィンを接合するよう
にしたものである。
【0019】ここで、本発明を開発した考え方と、上記
構成による機能を説明する。フィン付き伝熱管の熱伝達
率を高めるには、まず伝熱面積の増加を図ることが必要
で、その手段は伝熱管においては熱源の流れに直接触れ
る面をできるだけ多く設けることである。その点、円筒
形伝熱管では前面半周は熱交換作用をするものの、後面
半周は作用が半減して不利である。そこで、熱源の流れ
に対し樹立した管群を合体させた形として、平行楕円構
造の扁平管を母管として採用することにより、伝熱面積
を確保しつつ部品点数の削減を図るようにした。
【0020】次に、フィンについても伝熱面積を増加さ
せることは同様であるが、熱源の入口側で熱吸収量が過
多になると、前述したようにフィン溶融の危険性が生じ
る。そこで、熱源入口側から出口側に至り、順次熱源の
温度低下に反比例して熱吸収能力を増大させたフィンを
究明することにした。フィンの設計にあたっては、先の
文献「エネルギ−工学のための熱交換技術入門」第1
章、P19、図1・12,図1・13を基礎にして、開
発を進めた。
【0021】図5,6は上記文献の図1・12,図1・
13を示したものである。図5は、一般的な平板の長さ
と熱伝達率との関係を示す線図、図6は、境界層と境界
層厚さを示す説明図である。図5は、横軸に平板(フィ
ン)の長さL(mm)、縦軸に平均熱伝達率(W/m2
k)と後縁における境界層厚さ(mm)をとったもので
ある。また、図6において、Lは平板(フィン)の長
さ、1は境界層、2はその厚さを示す。
【0022】熱源の流れ方向に対する平板(フィン)の
長さLと平均熱伝達率との関係が図5に実線の如く示さ
れている。また、図5に破線で示される平板(フィン)
後縁における境界層厚さからも、図6に示す如くフィン
の長さLは短い方が良い。そこで、供給熱源に対しフィ
ンの配置は、入口側高温部においてフィンピッチおよび
フィン長さを大きくし、伝熱管中央部から徐々に小さく
して、出口側低温部においては、できるだけ細かなピッ
チで短いフィン長さにすることで上記条件を達成する。
【0023】次に、信頼性に富むフィン付き伝熱管の製
作には、接合前の部品精度を高めておく必要がある。こ
こで伝熱管は広い平面部を有する扁平管(平行楕円構
造)を採用することによってロ−付け面を確保し、これ
に接合する各種寸法のフィンに付いては、1枚の薄板素
材から(後述するフィンピッチ毎の)1ショットで成形
加工できる高精度で量産性の高いフィン構造とする。
【0024】また、フィンに付着した燃焼カスを除去す
るには、ワイヤブラシ等でフィン面をブラッシングする
方法および化学洗浄液を使用し燃焼カスを分解する方法
がある。前者は熱源の出口側から入口側に至りフィン隙
間に、極細ブラシを挿入して清掃することになるのでフ
ィンの配列を考慮した構造が必要になる。また、後者は
特に制約条件はなく、ブラッシング法が可能であればい
ずれも問題はない。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例を図
1ないし図4を参照して説明する。図1は、本発明の一
実施の形態に係る熱源を伝熱管内に通す煙管式伝熱管の
構成を模式的に示す斜視図、図2は、本発明の他の実施
の形態に係る熱源を伝熱管外に通す液管式伝熱管の構成
を模式的に示す斜視図、図3は、図1および図2の伝熱
管に形成されるフィンの形状,配列を示す図で、(a)
は平面図、(b)は側面図、(c)は、(a)のイ−イ
断面図、(d)は、(a)のロ−ロ断面図、図4は、成
形加工前のフィン素材の展開図で、(a)は熱源入口側
のフィン素材の展開図、(b)は熱源通過(出口)側の
フィン素材の展開図である。
【0026】図1において、5は扁平伝熱管、8は、扁
平伝熱管5の内表面に形成したフィン、6は、フィン付
き伝熱管に係る煙管式伝熱管である。9はロー付け部、
10は溶接部を示す。図1に示すフィン付き伝熱管は、
太い矢印に示す熱源3(熱風)を煙管式伝熱管6の内側
に導入し、煙管式伝熱管6の外側に細い矢印で示す液体
または気体4と熱交換させるものである。この煙管式伝
熱管6は、実機においては複数本組み合わせて使用し熱
交換器を構成する。
【0027】扁平伝熱管5は、ロ−付け部9に示すフィ
ン8とのロ−付け作業における接合品質の信頼性を向上
するとともに熱伝達面を確保できるように、広い平面を
持つ平行楕円形の扁平な伝熱管としたものである。この
扁平伝熱管5は、薄板曲げ鋼板5a,5bを溶接部10
に示すように溶接して製作したもので、前面および両側
面が全て熱源3の有効伝熱面となり得るものであり、従
来の円筒伝熱管に比べ大巾に熱伝達率の向上に寄与して
いる。
【0028】扁平伝熱管5の内表面にロ−付けされるフ
ィン8は、図3に示す寸法および配列を採用している。
このフィン8の設計方針の一つは、熱源3の熱交換作用
により生じる熱源の温度低下に反比例して、フィン8の
熱吸収能力を順次変化させることである。また、前記フ
ィン8の設計方針の他の一つは、前述の図5,図6に示
した如く、フィン(平板)の長さは短い程熱伝達率は高
く境界層厚さも小さいことに鑑みたものである。
【0029】すなわち、熱源3の入口側で、フィン8の
溶融が生じない程度の熱吸収量を有するフィン寸法8a
〜8d〔図3(b)に示すフィン長さl1〜l4、および
イ−イ´面から見た図3(c)に示すフィンピッチXは
いずれも大きめ〕、中間部で、それぞれ通過熱源の温度
低下に沿ってフィン寸法8e〜8g〔図3(b)に示す
フィン長さl5〜l7、およびロ−ロ´面から見た図3
(d)に示すフィンピッチX/2はいずれも小さめ)、
そして後半から出口部においては、熱源温度はかなり低
下しフィン溶融の心配は皆無なので、フィン8hは最大
限の熱吸収量を確保すべく伝熱面積の増加を図って、フ
ィンピッチをX/2,フィン長さを最短のl8としてフ
ィン設計を行なっている。また、熱源3からの熱流束に
ついては、境界層厚さによる熱伝達率の低下を避けるよ
うに、フィン8の配列を千鳥配列としている。
【0030】一方、図2に示すフィン付き伝熱管は、太
い矢印に示す熱源3を液管式伝熱管7の外側に導入し、
液管式伝熱管7の内側に細い矢印で示す液体4と熱交換
させるものである。この液管式伝熱管7は、実機におい
ては複数本組合わせて使用し熱交換器を構成する。
【0031】図2に示す扁平伝熱管5は、図1のものと
溶接部10の方向が違うのみで、ロ−付け9に示すフィ
ン8とのロ−付け作業における接合品質の信頼性を向上
するとともに、前面および両側面が全て熱源3の有効伝
熱面となり得る広い平面を持つ平行楕円形の扁平な伝熱
管としたものである。また、扁平伝熱管5の外表面にロ
−付けされるフィン8は、図3に示す寸法および配列を
採用しているもので、図1の実施の形態で説明したもの
と全く同等であるから、その説明を省略する。
【0032】前述の方針で設計された高性能の煙管式伝
熱管6および液管式伝熱管7であっても、その性能を保
証するためには、精度の高い製法が必要である。次に、
上記図1,図2の各実施の形態に共用できるフィン8の
製法について図4を参照して説明する。図4は、成形加
工前のフィン素材展開図を示し、(a)はフィン寸法8
a〜8dの範囲、(b)はフィン寸法8e〜8gの範囲
の素材展開図である。
【0033】フィン8は、1枚の薄板鋼板(厚さ0.5
〜1.0mmt)から成形加工されるように構成したも
ので、フィンピッチX,X/2毎に、それぞれ1枚の薄
板鋼板のフィン素材11a,11bから、第一工程でフ
ィン素材11a,11bの中ほどに実線で示す多数の切
込み線12の切込み加工を行い、第二工程で破線で示す
折曲げ線13の曲げ加工を行う。
【0034】量産時には、フィン長さとフィンピッチを
標準寸法にして、切込みおよび折曲げの総金型を準備
し、幅切りしたフィン素材11aおよび11bを供給す
ることでプレス成形機による順送り自動生産を行う。こ
れにより種々のサイズのフィン8を、扁平伝熱管5に正
確な配列寸法でロ−付け作業できることになり、フィン
の重なりによる熱伝達率の低下など不良品の発生を防止
することができる。
【0035】また、燃料の違いによる燃焼カスに対する
配慮については、極細のワイヤ−ブラシをフィン間に挿
入して定期的に清掃作業を行うことにした。作業の仕方
は、フィンピッチの小さな熱源出口側から極細のワイヤ
−ブラシを挿入し、入口側へ向かってブラシを出し入れ
するので、それに適する構造として、入口側で最小のフ
ィンピッチX/2をブラシの出入り可能な隙間とし、出
口側をその2倍のXとして、フィン厚さを基準に千鳥配
列に形成した。フィン長さを短くして千鳥配列したこと
は、フィン面に付着した燃焼カスのブラッシング作業
(カスが簡単に脱落する)を容易にしたばかりでなく、
熱伝達率を高く取れるフィン長さの範囲内で製作できる
ようにしたことも、高性能フィン付き伝熱管として大き
な特徴である。
【0036】上記各実施の形態によれば、次の効果があ
る。従来、比較的高温域で使用されている熱交換器の伝
熱管は、その殆どが円筒管で構成されており、供給熱源
の約半分の熱量しか熱交換に活用されていない。そこ
で、ここに提供するフィン付き扁平伝熱管は、(1)扁
平管とフィンにより伝熱面積の増加を図ったこと、
(2)入口から出口に至る熱源温度に対応してそれぞれ
熱吸収能力を変化させたフィンにしたこと、(3)フィ
ン寸法,配列は境界層と厚さを考慮して最適値で設計し
ていること、などにより、従来に比べ約2倍の熱伝達率
を有する伝熱管となっている。
【0037】さらに、フィン構造は1枚の鋼板から加工
でき量産性に富むばかりでなく、性能を保証するための
精度の向上にも寄与している。また、燃焼カスの清掃作
業では、従来の螺旋状フィン巻き管では不可能であった
ブラッシング作業を、短かなフィンを千鳥配列したこと
で十分可能にしたものである。
【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、熱交換器の熱源入口から出口にかけて、それぞれ
の位置における最適な熱吸収能力が確保され、高温雰囲
気下での使用による劣化等の恐れの無い信頼性の高い高
温熱交換器用フィン付き伝熱管を提供することができ
る。また、本発明によれば、量産化に適し、性能を保証
するための精度の向上にも寄与しているとともに、清掃
作業などメンテナンスの容易な高温熱交換器用フィン付
き伝熱管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る熱源を伝熱管内に
通す煙管式伝熱管の構成を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る熱源を伝熱管外
に通す液管式伝熱管の構成を模式的に示す斜視図であ
る。
【図3】図1および図2の伝熱管に形成されるフィンの
形状,配列を示す図である。
【図4】成形加工前のフィン素材展開図である。
【図5】一般的な平板の長さと熱伝達率との関係を示す
線図である。
【図6】境界層と境界層厚さを示す説明図である。
【符号の説明】
3…熱源、4…気体または液体、5…扁平伝熱管、6…
煙管式伝熱管、7…液管式伝熱管、8,8a〜8h…フ
ィン、9…ロ−付け部、10…溶接部、11,11a,
11b…フィン素材、12…切込み線、13…折曲げ
線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船場 保志 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社日 立製作所土浦工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源からの熱量を伝熱管の内側に供給
    し、伝熱管の外側の流体温度を熱交換作用により上昇さ
    せる高温熱交換器用の伝熱管において、 前記熱交換作用を行う前記伝熱管に生じる熱源入口から
    熱源出口にかけての温度勾配に対して、当該伝熱管の内
    表面に、当該伝熱管の熱吸収能力を熱源入口から熱源出
    口に至るまで、それぞれ熱源の温度低下に反比例して順
    次変化させるように一枚板から多数段形成したフィンを
    設けて、当該伝熱管全体として所要の熱吸収能力を保つ
    ように構成したことを特徴とする高温熱交換器用フィン
    付き伝熱管。
  2. 【請求項2】 熱源からの熱量を伝熱管の外側に供給
    し、伝熱管の内側の流体温度を熱交換作用により変化さ
    せる高温熱交換器用の伝熱管において、 前記熱交換作用を行う前記伝熱管に生じる熱源入口から
    熱源出口にかけての温度勾配に対して、当該伝熱管の外
    表面に、当該伝熱管の熱吸収能力を熱源入口から熱源出
    口に至るまで、それぞれ熱源の温度低下に反比例して順
    次変化させるように一枚板から多数段形成したフィンを
    設けて、当該伝熱管全体として所要の熱吸収能力を保つ
    ように構成したことを特徴とする高温熱交換器用フィン
    付き伝熱管。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のもののいずれか
    において、 伝熱管の熱吸収能力を熱源入口から熱源出口に至るまで
    それぞれ熱源の温度低下に反比例して順次変化させるよ
    うに一枚板から多数段形成したフィンは、 熱源の入口側ではフィン長さおよびフィンピッチを大き
    くし、熱源の出口側に向かってフィン長さを逐次小さ
    く、フィンピッチを小さく形成し、前記フィンピッチの
    大小別に一枚の薄板素材からフィン長さの逐次異なる多
    数段のフィンを成形加工したものであることを特徴とす
    る高温熱交換器用フィン付き伝熱管。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3記載のもののいずれか
    において、 前記伝熱管は、当該伝熱管の断面が略平行楕円形状をな
    し平行な平面部を有する扁平管とし、 この扁平管の外表面もしくは内表面に、伝熱管の熱源入
    口から熱源出口に至るまでそれぞれ熱吸収能力を変化さ
    せるように一枚板から多数段形成したフィンを接合する
    ようにしたことを特徴とする高温熱交換器用フィン付き
    伝熱管。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3記載のもののいずれか
    において、 前記伝熱管を円筒管とし、この円筒管の外表面もしくは
    内表面に、伝熱管の熱源入口から熱源出口に至るまでそ
    れぞれ熱吸収能力を変化させるように一枚板から多数段
    形成したフィンを接合するようにしたことを特徴とする
    高温熱交換器用フィン付き伝熱管。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5記載のもののいずれか
    において、 フィンの配列を千鳥配列とするとともに、 伝熱管の熱源出口側から熱源出口側に至るフィン隙間に
    極細ブラシを挿入しうるフィン構成としたことを特徴と
    する高温熱交換器用フィン付き伝熱管。
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