JPH1034477A - 主軸の駆動装置 - Google Patents

主軸の駆動装置

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JPH1034477A
JPH1034477A JP19492396A JP19492396A JPH1034477A JP H1034477 A JPH1034477 A JP H1034477A JP 19492396 A JP19492396 A JP 19492396A JP 19492396 A JP19492396 A JP 19492396A JP H1034477 A JPH1034477 A JP H1034477A
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spindle
main spindle
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auxiliary power
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Tetsuya Taguchi
哲也 田口
Hidehiro Manabe
秀弘 真鍋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主軸に高負荷が作用したときに当該主軸のト
ルクを補い、設備で行うべき作業の高速化を図り、設備
のサイクルタイムの短縮化を達成する。 【解決手段】 主軸の駆動装置70は、切削工具に接続
される主軸21を備えたタレット装置に組み込まれ、主
軸21を回転駆動する主軸駆動モータM2(駆動手段7
1)と、主軸21を加速するときなどの高負荷時に、主
軸21に接続されて当該主軸21に回転力を付加する空
気圧モータM3(補助動力手段72)と、を有する。こ
の空気圧モータM3はさらに、主軸21を減速するとき
などの高負荷時に、主軸21に接続されて当該主軸21
に制動力を付加する。空気圧モータM3は、タレット装
置側に設けたエア供給手段から給気され、加減速時など
の高負荷時に同期して作動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工工具などの負
荷部材に接続される主軸を備えた設備、例えばタレット
装置などに組み込まれる主軸の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車部品はプレス加工工程、機械加工
工程など種々の工程を経て製造されるが、生産効率を高
めるために、機械加工工程では従来よりタレット装置が
多用されている。
【0003】このタレット装置は、加工工具などの負荷
部材に接続される主軸を備えた設備の一つであり、非回
転のポストに回転自在に取り付けられたドラムと、ドラ
ムの円周上に設けられた複数のギヤヘッドとを有してい
る。各ギヤヘッドには切削工具が設けられ、ドラムを旋
回して複数のギヤヘッドのうちから加工目的にあった所
望のギヤヘッドをワークに向かい合う加工位置に割出し
つつ、順次、所定の機械加工を行うようになっている。
【0004】タレット装置には、加工位置に割出された
ギヤヘッドの切削工具に接続される主軸を備えた主軸系
が設けられ、また、前記主軸を回転駆動するため、スピ
ンドルモータからなる1つの主軸駆動モータが設けられ
ている。一般的に、主軸駆動モータの動力は、主軸系か
らクラッチ機構を介してギヤヘッドに伝達される。これ
により切削工具が回転して、タップ加工などの所定の機
械加工がワークに施される(特公昭63−9,923号
公報および特開昭63−47,003号公報参照)。
【0005】なお、近年では、タレットの回転割出し
を、主軸駆動モータの動力で行うようにしたものもあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】タレット装置などの主
軸を備えた設備において、主軸に作用する負荷が大きい
とき、例えば、加速および減速するときなどでは、主軸
の加減速性能は主軸駆動モータによって定まり、主軸の
立ち上がり時間すなわち加速時間や、主軸の立ち下がり
時間すなわち減速時間は、その大部分が、モータのロー
タ慣性とトルクとの関係に基づいて決まっている。
【0007】このため、主軸駆動モータの出力が大きく
なると、これに伴ってモータのロータ慣性も大きくなる
ので、加速時間および減速時間が長くなってしまう。ま
た、主軸に接続される切削工具などの負荷部材の負荷側
慣性が大きくなると、加減速時間はさらに長くなってし
まう。このように主軸の加速時間および減速時間が長い
と、タレット装置によるタップ加工などの個々の加工時
間や、タレット装置による一連の機械加工のサイクルタ
イムが長くなるという問題がある。
【0008】本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決
するためになされたものであり、主軸に高負荷が作用し
たときに当該主軸のトルクを補い、設備で行うべき作業
の高速化を図り、設備のサイクルタイムの短縮化を達成
し得る主軸の駆動装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に記載の発明は、加工工具などの負荷部材に
接続される主軸を備えた設備に組み込まれる主軸の駆動
装置であって、前記主軸を回転駆動する駆動手段と、前
記主軸を加速するときなどの高負荷時に、前記主軸に接
続されて当該主軸に回転力を付加する補助動力手段と、
を有することを特徴とする主軸の駆動装置である。
【0010】この主軸の駆動装置では、主軸を加速する
ときなどの高負荷時には、主軸は、駆動手段による回転
力に加えて、当該主軸に接続された補助動力手段からも
回転力が付加されて回転駆動される。このため、駆動手
段の出力が補助され高負荷時のトルク不足が補われるた
め、主軸の加速時間が短くなる。したがって、主軸の加
速性が向上し、負荷部材で行うべき作業に要する時間
や、設備のサイクルタイムが短くなる。また、駆動手段
の出力を大きくしたり、負荷部材の負荷側慣性が大きく
なったりしても、補助動力手段が回転力を付加するた
め、加速時間が長くなることが抑えられる。
【0011】また、請求項2に記載の発明では、前記補
助動力手段は、前記主軸を減速するときなどの高負荷時
に、前記主軸に接続されて当該主軸に制動力を付加する
ことを特徴とする。
【0012】かかる構成では、主軸を減速するときなど
の高負荷時には、主軸は、当該主軸に接続された補助動
力手段から制動力が付加されて減速されるため、主軸の
減速時間が短くなる。したがって、主軸の減速性が向上
し、負荷部材で行うべき作業に要する時間や、設備のサ
イクルタイムが短くなる。また、駆動手段の出力を大き
くしたり、負荷部材の負荷側慣性が大きくなったりして
も、補助動力手段が制動力を付加するため、減速時間が
長くなることが抑えられる。
【0013】また、請求項3に記載の発明では、前記補
助動力手段は、前記主軸の前記高負荷時に同期して作動
することを特徴とする。
【0014】かかる構成では、補助動力手段は、主軸の
加速または減速など補助が必要な高負荷時にのみ作動す
るので、当該補助動力手段を駆動させるための動力の無
駄な消費が抑制される。
【0015】また、請求項4に記載の発明では、補助動
力手段は、圧縮空気のエネルギを回転力として変換する
と共に正逆両方向に回転自在な空気圧モータから構成し
たことを特徴とする。
【0016】かかる構成では、同出力の電動モータと比
べて小型かつ軽量であるという空気圧モータの利点か
ら、補助動力手段の小型、軽量化を通して、主軸の駆動
装置の全体が軽量で小型なものとなる。
【0017】また、請求項5に記載の発明では、前記空
気圧モータに供給される圧縮空気は、前記設備に設けら
れた圧縮空気供給源から取ることを特徴とする。
【0018】かかる構成では、空気圧モータを駆動させ
るために圧縮空気供給源を別途設けたり、複雑な配管系
を設けたりする必要がなくなり、主軸の駆動装置の構成
は簡素なものとなる。
【0019】また、請求項6に記載の発明では、前記空
気圧モータは、前記主軸の前記高負荷時以外のときに
は、前記主軸とは別個に自由に回転自在であることを特
徴とする。
【0020】かかる構成では、主軸の加速または減速な
ど補助が必要な高負荷時にのみ空気圧モータを作動で
き、当該空気圧モータを駆動させるための圧縮動力の無
駄な消費が抑制される。
【0021】
【発明の効果】請求項1に記載の主軸の駆動装置によれ
ば、主軸を加速するときなどの高負荷時には、補助動力
手段が駆動手段の出力を補助して高負荷時のトルク不足
を補うため、主軸の加速性が向上し、負荷部材で行うべ
き作業に要する時間や、設備のサイクルタイムの短縮化
を図ることが可能となる。また、駆動手段の出力を大き
くしたり、負荷部材の負荷側慣性が大きくなったりして
も、補助動力手段が回転力を付加するため、加速時間が
長くなることを抑制できる。
【0022】請求項2に記載の発明によれば、主軸を減
速するときなどの高負荷時には、補助動力手段が主軸に
制動力を付加するため、請求項1による主軸の加速性に
加えて、主軸の減速性も向上し、負荷部材で行うべき作
業に要する時間や、設備のサイクルタイムの一層の短縮
化を図ることが可能となる。また、駆動手段の出力を大
きくしたり、負荷部材の負荷側慣性が大きくなったりし
ても、補助動力手段が制動力を付加するため、減速時間
が長くなることを抑制できる。
【0023】請求項3に記載の発明によれば、主軸の高
負荷時に同期して補助動力手段を作動させるため、当該
補助動力手段を駆動させるための動力の無駄な消費を抑
制することができる。
【0024】請求項4に記載の発明によれば、同出力の
電動モータと比べて小型かつ軽量であるという空気圧モ
ータの利点から、補助動力手段の小型、軽量化を通し
て、主軸の駆動装置の全体の軽量化および小型化を図る
ことが可能となる。
【0025】請求項5に記載の発明によれば、空気圧モ
ータを駆動させるために圧縮空気供給源を別途設けた
り、複雑な配管系を設けたりする必要がなくなり、主軸
の駆動装置の構成の簡素化を図ることが可能となる。
【0026】請求項6に記載の発明によれば、主軸の高
負荷時にのみ空気圧モータを作動させ、当該空気圧モー
タを駆動させるための圧縮空気の無駄な消費を抑制する
ことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0028】図1および図2は、本発明に係る主軸の駆
動装置を組み込んだタレット装置の外観を示す正面図お
よび内部構造を概略示す要部断面図、図3は、主軸の駆
動装置の要部を示す断面図である。
【0029】加工工具などの負荷部材に接続される主軸
を備えた設備の一つとして、前述したように、タレット
装置がある。図1および図2に示すように、タレット装
置10は、非回転のポスト11に回転自在に取り付けら
れたドラム12と、ドラム12の円周上に設けられた複
数のギヤヘッド13とを有している。各ギヤヘッド13
には切削工具14が設けられ、ドラム12を旋回して複
数のギヤヘッド13のうちから加工目的にあった所望の
ギヤヘッド13をワークに向かい合う加工位置に割出し
つつ、順次、所定の機械加工を行うようになっている。
タレット装置10には、加工位置に割出されたギヤヘッ
ド13の切削工具14に接続される主軸21を備えた主
軸系が設けられ、主軸21を回転駆動するために、主軸
駆動装置70が組み込まれている。また、タレット装置
10には、複数のギヤヘッド13のそれぞれに対して切
削油、エアおよび潤滑油を分配し供給する流体分配装置
15も組み込まれている。
【0030】さらに詳述すれば、タレット装置10は、
傾斜面(傾斜角度45度)が形成されベース16に固定
されたユニット本体17を有し、この本体17の傾斜面
から直交する方向に突出するようにポスト11が取り付
けられている。ドラム12は、そのボス部12aがポス
ト11に挿通され、軸受18を介してポスト11に回動
自在に支持されている。ギヤヘッド13の回転割出し
は、ユニット本体17に取り付けた割出しモータM1
(図1参照)によりドラム12を正逆適宜方向に旋回駆
動してなされる。
【0031】図示例のタレット装置10では、ドラム1
2は円錘台形状に形成され、円錘面上の4つの割出面の
それぞれにギヤヘッド13が取り付けられている。な
お、1つのギヤヘッド13のみを図示し、他の3つのギ
ヤヘッドは図示省略してある。各ギヤヘッド13は、切
削工具14と駆動軸20とを備え、駆動軸20が水平と
なる加工位置においては、その駆動軸20とユニット本
体17内に水平支持された主軸系との軸心が一致する。
主軸系は、主軸21と、主軸21に対して軸方向にのみ
進退自在で主軸21とともに回転するクラッチ軸21a
とを備えている。クラッチ軸21aと駆動軸20との間
にはクラッチ機構22が設けられ、クラッチ軸21aを
回転自在に保持したスリーブ23が駆動軸20に対して
進退移動することにより、主軸21と駆動軸20との連
結または連結解除がなされる。前記スリーブ23はシフ
タ24を介してシリンダ25に連結され、シリンダ25
の作動により進退移動する。後述する主軸駆動装置70
の駆動力が、主軸系からクラッチ機構22を介してギヤ
ヘッド13に伝達され、これにより切削工具14が回転
して、タップ加工などの所定の機械加工がワークに施さ
れる。
【0032】流体分配装置15は、4つのギヤヘッド1
3に対して、切削油、エアおよび潤滑油などの流体の分
配を行うものであり、ドラム11に取り付けられて当該
ドラム11とともに回転するロータリジョイント30を
有する。このロータリジョイント30は中空筒形状をな
し、その内周面が、円柱形状をなすポスト11の外周面
に対して摺動自在に嵌合している。各流体はロータリジ
ョイント30に接続した複数の配管Pを介してギヤヘッ
ド13に供給されるが、切削油は加工位置に割出された
ギヤヘッド13にのみ供給され、エアおよび潤滑油は非
加工位置にあるギヤヘッドにも常時供給されるようにな
っている。
【0033】ロータリジョイント30には、各ギヤヘッ
ド13ごとに、切削油分配口31、第1エア分配口3
5、第2エア分配口36および潤滑油分配口37が形成
されている。ポスト11には、加工位置に割出されたギ
ヤヘッド13用の切削油分配口31に連通する切削油供
給孔32が形成されている。また、ポスト11には、第
1エア分配口35、第2エア分配口36および潤滑油分
配口37に図示しないリング溝を介して常時連通する第
1エア供給孔44、第2エア供給孔45および潤滑油供
給孔46が形成されている。切削油供給孔32は、配管
P5を介して切削油供給手段34に接続された切削油供
給ポート33に連通している。第1エア供給孔44およ
び第2エア供給孔45は、配管P6を介してエア供給手
段48に接続された第1エア供給ポート47および第2
エア供給ポート(不図示)に連通している。また、潤滑
油供給孔46は、配管P7を介して潤滑油供給手段50
に接続された潤滑油供給ポート51に連通している。
【0034】そして、ドラム12を旋回して加工位置に
所望のギヤヘッド13を割出すと、当該ギヤヘッド13
用の切削油分配口31が切削油供給孔32に連通して、
切削油が割出されたギヤヘッド13に供給される。ま
た、各第1エア分配口35が第1エア供給孔44に連通
してエアが各ギヤヘッド13に供給され、各第12エア
分配口36が第2エア供給孔45に連通してエアが各ギ
ヤヘッド13に供給される。潤滑油も同様にして各ギヤ
ヘッド13に供給される。
【0035】前述したように、ギヤヘッド13には主軸
駆動装置70の駆動力が伝達されるが、本実施形態の主
軸駆動装置70は、主軸21を回転駆動する駆動手段7
1と、主軸21を加速するときなどの高負荷時に、前記
主軸21に接続されて当該主軸21に回転力を付加する
補助動力手段72と、を有している。この補助動力手段
72は、主軸21を減速するときなどの高負荷時には、
主軸21に接続されて当該主軸21に制動力を付加する
ようになっている。
【0036】さらに詳述すれば、前記駆動手段71は、
ユニット本体17に取り付けた主軸駆動モータM2から
構成されている。主軸駆動モータM2は、スピンドルモ
ータからなり、その出力軸26に主軸21が連結されて
いる。図3に拡大して示すように、主軸21の端部に設
けた締め付けリング73により、当該主軸21は出力軸
26に対して強固に連結されている。
【0037】前記補助動力手段72は、図3に拡大して
示すように、圧縮空気のエネルギを回転力として変換す
ると共に正逆両方向に回転自在な空気圧モータM3から
構成されている。この空気圧モータM3はベーン形であ
り、ハウジング74に形成されたシリンダ部の内周面に
摺接するベーン75が入力軸76に設けられ、この入力
軸76は、軸受77を介して主軸21に対して相対的に
回転自在に保持されている。
【0038】空気圧モータM3を駆動する圧縮空気の給
排気のため、Aポート78およびBポート79の2つの
エア系統がハウジング74やユニット本体17などに形
成されている。A、B各ポート78,79は、タレット
装置10に設けた前記エア供給手段48(図2参照)に
接続され、当該エア供給手段48から空気圧モータM3
にエアを供給するようにしてある。
【0039】空気圧モータM3は正逆両方向に回転駆動
されるようになっており、主軸21の回転方向と同じ回
転方向を空気圧モータM3の正転時とすると、この正転
時には、Aポート78から給気され、Bポート79から
排気される。一方、空気圧モータM3の逆転時には、B
ポート79から給気され、Aポート78から排気され
る。空気圧モータM3の所望の回転方向に対応してAポ
ート78またはBポート79から選択的に給気するた
め、エア供給路を切換える図示しない流路切換弁が設け
られている。さらに、A、B各ポート78,79には、
空気圧モータM3への給気量を制御する流量制御用電磁
弁80,81が設けられている。
【0040】入力軸76の基端外周面とハウジング内周
面との間には、これら両面で挟持され、入力軸76の回
転に伴って当該入力軸76の回りを遊星運動する複数個
の遊星ローラ82が配置されている。なお、入力軸76
の基端外周面を太陽歯車とし、ハウジング内周面に内歯
車を形成し、遊星ローラ82を遊星歯車としてもよい。
前記遊星ローラ82にピン83を介して連結されたコレ
ット型ロータ84が入力軸76の軸方向に隣接して配置
されている。コレット型ロータ84には、主軸21が挿
通される中心孔84aと、外周がテーパ面となったコレ
ット部84bとが形成されている。コレット部84b
は、内周がテーパ面となったロックリング85に挿通さ
れ、当該ロックリング85を軸方向に沿って図中右行さ
せると、コレット部84bが主軸21に締め付けられ、
入力軸76のトルクは、遊星ローラ82、ピン83、コ
レット型ロータ84を経て主軸21に伝達される。この
状態からロックリング85を図中左行させると、コレッ
ト部84bの締め付けが解除され、入力軸76から主軸
21へのトルクの伝達が遮断される。このときには、入
力軸76は回転フリーの状態になる。したがって、ロッ
クリング85の移動を制御すれば、主軸21の回転駆動
や制動を補助する必要があるときにのみ、補助動力手段
72を作動させることができることになる。
【0041】ロックリング85の上記移動制御のため、
ロックリング85を磁性体から形成し、このロックリン
グ85を所定隙間を隔てて挟むように、図中右側には強
力な永久磁石86を配置し、図中左側には電磁石87を
配置してある。電磁石87のコイルへ通電すると、磁性
ロックリング85は電磁石87によって引き付けられて
図中左行し、入力軸76は回転フリーの状態になる。一
方、コイルへの通電を遮断すると、磁性ロックリング8
5は永久磁石86に引き寄せられて図中右行し、入力軸
76のトルクを主軸21に伝達する状態になる。
【0042】入力軸76から主軸21へ回転力を付加す
るときには、コレット型ロータ84の回転数が主軸21
の回転数と同期するように、空気圧モータM3は回転制
御される。この回転制御は空気圧モータM3への給気量
を調整することによりなされ、A、B各ポート78,7
9に設けた流量制御用電磁弁80,81によって前記給
気量が調整される。
【0043】次ぎに、本実施形態の作用を、図4に示す
動作タイムチャートを参照して説明する。
【0044】図4(A)は主軸21のトルク変化を、
(B)は主軸21の速度変化を、(C)は送り軸の速度
変化を、(D)はポートの切換状態を、(E)は電磁石
87のオン/オフ状態をそれぞれ示すタイムチャートで
ある。なお、同図(A)(B)においては、補助動力手
段72を備えた本実施形態の場合の変化を実線で示し、
補助動力手段72を作動させない比較例の場合の変化を
点線で示してある。さらに、同図(A)においては、補
助動力手段72で補うトルク領域をハッチングで示して
ある。
【0045】本実施形態では、図4(A)(D)(E)
に示すように、流量制御用電磁弁80,81の開閉によ
る給気(オン)/給気停止(オフ)動作、電磁石87の
オン/オフ動作は、主軸21のトルクの上限設定値aお
よび下限設定値bで定まる範囲を越えたタイミングに同
期してなされるようになっている。主軸駆動モータM2
のトルク変動は、当該モータM2に印加される電流値に
基づいて監視できるが、トルクセンサなどの検出手段を
別途設けて監視してもよい。
【0046】また、流路切換弁によるエア供給路の切換
え(Aポート78から給気するか、Bポート79から給
気するかの切換え)は、ギヤヘッド13の中に設けられ
切削工具14を前後進させる送り軸の位置に基づいて行
われ、送り軸が後進限位置にあるときにはAポート78
をエア供給路とし、送り軸が前進限位置に達するとBポ
ート79をエア供給路とすべく切換えられる。送り軸が
後進限位置および前進限位置に達したか否かは送り軸に
取り付けたリミットスイッチなどにより検知される。
【0047】まず、ドラム12を旋回して加工目的にあ
ったギヤヘッド13が割出されると、図2に示したよう
に、シリンダ25の作動によりスリーブ23が前進移動
し、主軸21が、クラッチ軸21aおよびクラッチ機構
22を介して、ギヤヘッド13の駆動軸20に連結され
る。
【0048】主軸駆動モータM2を始動する前に、図4
(E)に示すように、電磁石87のコイルへの通電を遮
断(オフ)する。これにより、電磁石87に引き付けら
れていた磁性ロックリング85が永久磁石86に引き寄
せられて図3中右行し、コレット部84bが主軸21に
締め付けられる。主軸駆動モータM2のトルク変動は当
該モータM2に印加される電流値に基づいて監視してお
り、主軸駆動モータM2の始動に伴って電流値が急増す
ると、図4(D)に示すように、流路切換弁を作動させ
てAポート78を給気系、Bポート79を排気系とし、
Aポート78の流量制御用電磁弁80を開いて給気を開
始(オン)する。Aポート78からの給気に伴って空気
圧モータM3が正転(主軸21の回転方向と同じ方向)
し、空気圧モータM3における入力軸76のトルクは、
遊星ローラ82、ピン83、コレット型ロータ84を経
て主軸21に伝達される。
【0049】すると、主軸21は、図4(A)に示すよ
うに、主軸駆動モータM2自体のトルクに加えて、空気
圧モータM3から伝達されるトルクがさらに付加され
て、回転駆動されることになる。このように主軸21の
加速時という高負荷時において、空気圧モータM3から
主軸21に対してトルクが補われることから、図4
(B)に示すように、主軸速度が所定速度V0 に達する
までの立上がり時間(t1−0)は、補助動力手段72
を作動させない比較例に比べて短くなる。
【0050】主軸速度が所定速度V0 に達するまで加速
するときには、空気圧モータM3は、コレット型ロータ
84の回転数が主軸21の回転数と同期するように、A
ポート78に設けた流量制御用電磁弁80により給気量
が調整されつつ回転制御されている。
【0051】主軸速度が所定速度V0 に達すると、主軸
21の回転駆動を補助する必要がなくなるので、補助動
力手段72の作動を停止する。つまり、主軸駆動モータ
M2に印加される電流値が安定域になったことを検知す
ると、流量制御用電磁弁80を閉じ、Aポート78から
の給気を停止(オフ)する。さらに、電磁石87のコイ
ルへ通電(オン)する。これにより、永久磁石86に引
き寄せられていた磁性ロックリング85が電磁石87に
引き付けられて図3中左行し、コレット部74bの締め
付けが解除され、空気圧モータM3の入力軸76が回転
フリーの状態になる。
【0052】主軸速度が所定速度V0 に達した状態にお
いて、主軸駆動モータM2からの駆動力でギヤヘッド1
3の切削工具14が回転駆動されつつ前進限に向けて送
られ、タップ加工などの機械加工をワークに行う。
【0053】切削工具14の送りが前進限に達すると
(図4(C)の時間t2)、切削工具14の後退移動が
開始される。
【0054】機械加工が完了すると、主軸駆動モータM
2の駆動を停止するが(時間t3)、主軸駆動モータM
2のロータ部分が慣性力で回転しているために、主軸2
1は依然として回転している。主軸駆動モータM2の停
止に伴って電流値が急減すると、図4(E)に示すよう
に、電磁石87のコイルへの通電を再び遮断(オフ)し
て、コレット部84bを主軸21に締め付ける。さら
に、図4(D)に示すように、流路切換弁を作動させて
Bポート79を給気系、Aポート78を排気系とし、B
ポート79の流量制御用電磁弁81を開いて給気を開始
(オン)する。Bポート79からの給気に伴って空気圧
モータM3が逆転(主軸21の回転方向とは逆の方向)
し、空気圧モータM3における入力軸76のトルクは、
遊星ローラ82、ピン83、コレット型ロータ84を経
て主軸21に伝達される。このとき、逆転する空気圧モ
ータM3は主軸21の回転抵抗となる。
【0055】すると、主軸21は、図4(A)に示すよ
うに、空気圧モータM3から伝達されるトルクが制動力
して付加されて、回転を停止することになる。このよう
に主軸21の減速時という高負荷時において、空気圧モ
ータM3から主軸21に対して制動力が付加されること
から、図4(B)に示すように、主軸速度が所定速度V
0 からゼロ(停止)になるまでの立下がり時間(t4−
t3)は、補助動力手段72を作動させない比較例に比
べて短くなる。
【0056】主軸21を減速するときには、急激な制動
力が主軸21に付加されないように、流量制御用電磁弁
81により給気量が適宜調整される。
【0057】主軸速度がゼロになると(時間t4)、主
軸21の回転停止を補助する必要がなくなるので、補助
動力手段72の作動を停止する。つまり、流量制御用電
磁弁81を閉じてBポート79からの給気を停止(オ
フ)し、電磁石87のコイルへ通電(オン)する。これ
により、磁性ロックリング85によるコレット部84b
の締め付けが解除され、空気圧モータM3の入力軸76
が回転フリーの状態になる。
【0058】なお、主軸21の加速時におけるBポート
79からの排気および減速時におけるAポート78から
の排気を、図示しないサイレンサで消音しつつ図示しな
いポートや配管などを通して切削工具14に吹き付け、
当該切削工具14の冷却風として利用し、エアを無駄に
消費しないようにしてある。
【0059】以上説明したように、本実施形態では、補
助動力手段72としての空気圧モータM3によって、主
軸駆動モータM2の立上げ時にはモータM2のトルク不
足が補われるので主軸21の加速時間が短くなる一方、
主軸駆動モータM2の立下げ時には主軸21の回転を制
動するトルクが付加されるので主軸21の減速時間が短
くなる。したがって、主軸21の加速性および減速性が
向上し、タレット装置10によるタップ加工などの個々
の加工時間や、タレット装置10による一連の機械加工
のサイクルタイムが短縮され、加工効率を向上させるこ
とができる。また、主軸駆動モータM2の出力を大きく
したり、切削工具14などの負荷部材の負荷側慣性が大
きくなったりした場合でも、加減速時間が長くなること
を抑制できる。
【0060】また、主軸駆動モータM2のトルク変動を
監視しつつ流路切換弁や流量制御用電磁弁80,81を
バルブ制御し、主軸21の加減速などの高負荷時に同期
して空気圧モータM3を作動させるようにしたため、補
助が必要なときにのみ空気圧モータM3が作動すること
になり、当該空気圧モータM3を駆動させるための動力
すなわち圧縮空気の無駄な消費を抑制することができ
る。
【0061】また、一般に空気圧モータは同出力の電動
モータと比べて小型かつ軽量であるという利点があるの
で、補助用の駆動源として電動モータを用いる場合に比
べて、補助動力手段72の小型、軽量化を通して、主軸
駆動装置70全体の軽量化および小型化を図ることが可
能となる。
【0062】また、空気圧モータM3に供給されるエア
はタレット装置10に設けたエア供給手段48から取る
ようにしたので、別途エア供給源を設けたり、複雑な配
管系を設けたりする必要がなく、主軸駆動装置70の構
成の簡素化を図ることが可能となる。
【0063】また、空気圧モータM3は、主軸21の高
負荷時以外のときには、主軸21とは別個に自由に回転
自在であるので、主軸21の高負荷時にのみ空気圧モー
タM3を作動させて、エアの無駄な消費を抑制すること
ができる。
【0064】なお、本発明に係る主軸の駆動装置70を
タレット装置10に組み込んだ実施形態について説明し
たが、本発明は、負荷部材に接続される主軸を備えた設
備であればタレット装置10以外にも適用できることは
言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る主軸の駆動装置を組み込んだタ
レット装置の外観を示す正面図である。
【図2】 同タレット装置の内部構造を概略示す要部断
面図である。
【図3】 主軸の駆動装置の要部を示す断面図である。
【図4】 実施形態の作用の説明に供する動作タイムチ
ャートである。
【符号の説明】
10…タレット装置(設備) 14…切削工具(負荷部材) 21…主軸 48…エア供給手段(圧縮空気供給源) 70…主軸の駆動装置(71…駆動手段、72…補助動
力手段) 75…ベーン 76…入力軸 78,79…A、Bポート 80,81…流量制御用電磁弁 82…遊星ローラ 83…ピン 84…コレット型ロータ 85…ロックリング 86…永久磁石 87…電磁石 M2…主軸駆動モータ(71…駆動手段) M3…空気圧モータ(72…補助動力手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工工具などの負荷部材に接続される主
    軸を備えた設備に組み込まれる主軸の駆動装置であっ
    て、 前記主軸を回転駆動する駆動手段と、 前記主軸を加速するときなどの高負荷時に、前記主軸に
    接続されて当該主軸に回転力を付加する補助動力手段
    と、を有することを特徴とする主軸の駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記補助動力手段は、前記主軸を減速す
    るときなどの高負荷時に、前記主軸に接続されて当該主
    軸に制動力を付加することを特徴とする請求項1に記載
    の主軸の駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記補助動力手段は、前記主軸の前記高
    負荷時に同期して作動することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の主軸の駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記補助動力手段は、圧縮空気のエネル
    ギを回転力として変換すると共に正逆両方向に回転自在
    な空気圧モータから構成したことを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれかに記載の主軸の駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記空気圧モータに供給される圧縮空気
    は、前記設備に設けられた圧縮空気供給源から取ること
    を特徴とする請求項4に記載の主軸の駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記空気圧モータは、前記主軸の前記高
    負荷時以外のときには、前記主軸とは別個に自由に回転
    自在であることを特徴とする請求項4または請求項5に
    記載の主軸の駆動装置。
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