JPH10340780A - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JPH10340780A
JPH10340780A JP14888997A JP14888997A JPH10340780A JP H10340780 A JPH10340780 A JP H10340780A JP 14888997 A JP14888997 A JP 14888997A JP 14888997 A JP14888997 A JP 14888997A JP H10340780 A JPH10340780 A JP H10340780A
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JP
Japan
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heated
specific position
food
mounting table
frequency heating
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JP14888997A
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English (en)
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Koji Yoshino
浩二 吉野
Akira Awane
明 阿波根
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は高周波加熱装置において、大量の被
加熱物の加熱効率を維持しながら軽量の被加熱物の加熱
効率を向上させることを課題とする。 【解決手段】 軽量の食品5を載置する特定位置4を上
面に形成した誘電体からなる軽量載置台6と、大量の食
品を載置するターンテーブル8とを加熱室3内に位置さ
せ、これらを位置させる場所は、それらに載置する食品
に対してマグネトロン1とインピーダンスの整合がとれ
る位置とし、マグネトロン1からマグネトロンアンテナ
2を介して加熱室3内に放射される電磁波が食品5に吸
収され易くして加熱を効率的にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波を放射して
被加熱物を加熱する高周波加熱装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の高周波加熱装置は、電磁
波としてマイクロ波を使用し、被加熱物としての食品
を、そのマイクロ波により加熱する電子レンジが一般的
であり、以下、その電子レンジについて、図19〜25
を参照して説明する。
【0003】電子レンジの要部構成側面図を示す図19
において、電磁波の代表的な放射手段であるマグネトロ
ン101が放射したマイクロ波は、導波管102によ
り、加熱室103との結合部にあたる給電口104より
加熱室103の内部に導かれ、食品105を載置して回
転するターンテーブル106に照射され、食品105を
加熱する。このとき、食品105の加熱むらを低減し、
均一な加熱が得られるように、モーター107によりタ
ーンテーブル106を回転させて食品105を回転さ
せ、食品105の加熱が、同心円状になるようにしてい
る。ここで、マグネトロン101がマイクロ波を放射す
るための放射アンテナとなるマグネトロンアンテナ10
8から見た加熱室103側のインピーダンス特性をリー
ケ線図で示すと図20のようになり、加熱室103内の
条件により、マグネトロン101の動作状態が変化して
いることがわかる。
【0004】マグネトロン101の等出力線は、出力が
高い順に等出力線a,b,c,d,e……のように表さ
れ、定格高周波出力は水2000ccを加熱した時の温
度上昇から定義している。そこで、一般的には、電子レ
ンジは加熱室103内に水2000ccを入れた時のイ
ンピーダンスが、等出力線aによる領域Aに入っている
ことを目標として設計されている。ところが、実際に電
子レンジを使用して調理する場合、加熱する食品には種
々の場合があり、例えば、ごはん一杯だけを温める場合
とか、コーヒー一杯だけを温める場合とか種々の場合が
あるが、食品は100g〜300g程度の軽量の負荷と
なる場合が多い。そして、水2000ccのインピーダ
ンスが領域Aに存在するように設計されている時、例え
ば、100gの食品を加熱する場合に相当する負荷とし
て水100ccを加熱する場合のインピーダンスを見る
と、等出力線fによる領域Fに入っていることになり、
出力および効率が低下することが知られている。
【0005】そこで、水の量を変化させた場合のそれぞ
れの出力を測定し、その出力について、水2000cc
での出力を100%として表わした負荷特性により示す
と図21のように特性hとなる。なお、図21において
横軸は水の量、縦軸は出力(%)を示している。図21
より、水の量が小さい程、すなわち加熱する食品が軽量
になるほど出力が低下し、水の量100ccの場合に
は、2000ccの時の半分程度に低下することがわか
る。同じ水という負荷に対して加熱する場合、出力が1
/2になると、効率も1/2になるので、加熱時間は2
倍かかることになり、軽量の食品を加熱するのは、エネ
ルギーや時間の面で不利になるという課題を有してい
た。
【0006】また、負荷特性を改善する方法として、特
開平5−21152号公報に開示されているような技術
があった。それについて、電子レンジの要部構成図を示
す図22を参照して説明する。
【0007】電界センサ(図示せず)の出力により加熱
室109内の食品の量を推定し、食品の量に応じて誘電
体110の移動量を制御し、その移動量により、導波管
111の開口部112を通過するマイクロ波の位相を調
整して食品の量に応じたインピーダンス整合を行う構成
にしている。このように構成することにより、インピー
ダンス特性図を示す図23のように、等出力線fによる
領域Fに存在した水100ccのインピーダンスを、等
出力線gによる領域Gに移動させることができ、水20
00ccのインピーダンスが存在する領域Aに近づける
ことができる。このとき、図24に示すように、負荷特
性は、図22に示す特性hの場合から特性iに改善され
る。
【0008】また、特開平5−21152号公報には、
導波管内を移動させるスタブや、導波管の長さを変化さ
せる短絡板や、開口部の形状を変化させる金属板などに
よってインピーダンスを調整する方法が開示されてい
る。
【0009】また、負荷特性を改善する方法として、特
開平6−111932号公報に開示されているような技
術もあった。それについて、電子レンジの要部構成模式
図を示す図25を参照して説明する。
【0010】導波管113内の金属リフレクタ114の
角度を制御し、電界センサ115の出力により加熱室1
16からの反射電界強度を小さくすることで食品の量に
応じたインピーダンス整合を行う構成にしている。ま
た、電界センサ115で加熱室116内の食品の量に関
する情報を検出するのに数秒から10数秒かかるので、
調理開始時の金属リフレクタ114の角度は、軽量の食
品がターンテーブル上のほぼ中央に置かれた時にインピ
ーダンスの整合が取れる角度を基本とし、重量データ認
識後に移動させることとしている。
【0011】さらに、特開平5−21152号公報に
は、重量センサや設定プログラムによりスタブや金属リ
フレクタを移動させてインピーダンスを調整する方法が
開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の高周波加熱装置では、以下に説明するような課題を
有していた。
【0013】図19に示す電子レンジの場合、水200
0ccに整合する構成としているので、大量の食品、例
えば、容器を除き実際の食品自体の重量として1000
gを下回らない程度の場合には、加熱効率は良いが、軽
量の食品、例えば、容器を除き実際の食品自体の重量と
して500gを超えない程度の場合には、加熱効率が落
ちるという課題があった。
【0014】また、特開平5−21152号公報,特開
平6−111932号公報に開示されているように、電
界センサや重量センサや設定プログラムなど何らかの方
法で食品の量を特定し、食品の量に応じて、導波管内で
スタブや金属リフレクタを動かしたり、開口部の近くで
誘電体や金属板を動かしたり、短絡板で導波管の長さを
変化させたりする方法によって、インピーダンスを能動
的に整合させる場合は、つぎのような課題を有してい
た。
【0015】すなわち、上記のいずれの方法において
も、インピーダンスを変化させるスタブ,金属リフレク
タ,誘電体,金属板,短絡板などの部品と、それを駆動
するモータなどの部品とが新たに必要となり、コストが
かかる上、それを駆動するための余分な電力が必要にな
るという課題があった。さらに、インピーダンスを変化
させる部品は、マグネトロンと食品との間、もしくは導
波管内に位置するので、インピーダンスの整合が取れて
いるように見えたとしても、実は、マイクロ波が食品に
到達する前に、マグネトロンとインピーダンスを変化さ
せる部品との間やマグネトロンと導波管壁面との間で共
振して損失が発生している。この損失の発生により、図
24に示したように、負荷特性は特性hから特性iへと
改善されてはいるものの、水の量が100ccの時でも
出力は100%にならずに80%未満となっている。そ
こで、負荷特性は改善はされ、大量の食品の場合の加熱
効率は良くなるが、軽量の食品の場合の加熱効率は、依
然として改善できないという課題があった。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波加熱装置
は、上記の課題を解決するため、電磁波放射手段より放
射する電磁波によって加熱室内に設置した被加熱物を加
熱する場合、その被加熱物の量によって設置する位置を
変え、電磁波放射手段とインピーダンス整合させること
としている。そして、上記発明によれば、被加熱物の量
によって異なる負荷特性に対応した位置に被加熱物を置
いて電磁波放射手段とインピーダンス整合させ、種々の
量の被加熱物を効率的に加熱することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】請求項1にかかる高周波加熱装置
は、加熱室内に、被加熱物の量に応じた設置場所を設
け、この設置場所は、電磁波放射手段とインピーダンス
整合する位置に設けたものである。
【0018】そして、被加熱物の量によって被加熱物を
置く位置を変えているので、いろいろな量の被加熱物に
対して電磁波放射手段とインピーダンスを整合させるこ
とができ、効率的に加熱することができる。
【0019】また、請求項2にかかる高周波加熱装置
は、被加熱物の量に応じた設置場所を有する加熱室と、
この加熱室内に電磁波を放射して前記被加熱物を加熱す
る電磁波放射手段とを備え、前記設置場所は、軽量の被
加熱物を置く特定位置と、その他の被加熱物を置く載置
台とにより形成し、これらの特定位置および載置台は、
前記電磁波放射手段が、それぞれの被加熱物とインピー
ダンス整合する位置に設けたものである。なお、本発明
において、軽量とは、容器を除く実際の被加熱物自体の
重量として500gを超えないものを指し、大量とは、
同様の重量が1000gを下回らないものを指すことに
する。
【0020】そして、軽量の被加熱物は特定位置に置
き、大量の被加熱物は載置台に置くことになるので、そ
れぞれを決まった位置で容易にインピーダンスを整合さ
せることができて、被加熱物が軽量の場合でも大量の場
合でも効率的に加熱することができる。
【0021】また、請求項3にかかる高周波加熱装置
は、載置台を回転可能とし、特定位置を、前記載置台の
外周よりも外側に形成したものである。
【0022】そして、特定位置が、載置台の回転の外周
よりも外側に位置するので、大量の被加熱物を載置台に
置いて加熱する時に、特定位置が載置台の回転の妨げに
ならなく、また、間違って特定位置に大きな被加熱物を
置くようなミスが起こり難くなり、被加熱物を所定の位
置に置いて効率的に加熱することができる。
【0023】また、請求項4にかかる高周波加熱装置
は、特定位置を、載置台の上面より上方に形成したもの
である。
【0024】そして、軽量の被加熱物の形状が、特定位
置の大きさよりも大きく、載置台側に突出するような場
合でも、被加熱物を置く時に載置台が邪魔にならないの
で、所定の位置に被加熱物を置いて効率的に加熱するこ
とができる。
【0025】また、請求項5にかかる高周波加熱装置
は、特定位置を載置台の下方に形成し、この載置台は着
脱可能にしたものである。
【0026】そして、載置台を取り外した状態で軽量の
被加熱物を特定位置に置くので、軽量の被加熱物を特定
位置に置いた時には、載置台が加熱室内に存在しない状
態となり、加熱時に載置台が電磁波を吸収して損失する
ことがなく、より一層効率的に加熱することができる。
【0027】また、請求項6にかかる高周波加熱装置
は、特定位置を、加熱室の底面に形成したものである。
【0028】そして、加熱室の底面は多数の被加熱物を
置くことができる広さがあるので、多数の軽量の被加熱
物を効率的に加熱することができる。
【0029】また、請求項7にかかる高周波加熱装置
は、特定位置を、載置台の上に形成したものである。
【0030】そして、載置台は多数の被加熱物を置くこ
とができる広さがあるので、多数の軽量の被加熱物を効
率的に加熱することができる。
【0031】また、請求項8にかかる高周波加熱装置
は、載置台に窪み部を設け、この窪み部に特定位置を形
成したものである。
【0032】そして、特定位置を、載置台に設けた窪み
部に形成しているので、窪み部は載置台よりも小さくな
り、間違って大量の被加熱物を特定位置に置くようなミ
スが起こり難くなり、所定の位置に被加熱物を置いて効
率的に加熱することができる。
【0033】また、請求項9にかかる高周波加熱装置
は、載置台の上部に着脱可能な専用台を配置し、この専
用台に特定位置を形成したものである。
【0034】そして、特定位置は、載置台の上部に配置
した着脱可能な専用台に形成しているので、専用台の上
部の高さスペースは載置台の上部の高さスペースよりも
小さくなり、専用台に大きな被加熱物は置き難くなり、
間違って大量の被加熱物を置くようなミスが起こり難く
なり、所定の位置に被加熱物を置いて効率的に加熱する
ことができる。
【0035】また、請求項10にかかる高周波加熱装置
は、被加熱物を設置する加熱室と、この加熱室内に電磁
波を放射して前記被加熱物を加熱する電磁波放射手段
と、軽量の被加熱物を置く前記加熱室内の特定位置と、
その他の被加熱物を置く前記加熱室内の載置台とを備
え、前記特定位置は前記載置台よりも前記電磁波放射手
段に近い位置に形成したものである。
【0036】そして、特定位置に置く軽量の被加熱物
は、電磁波放射手段に近くなるので、電磁波が拡散する
前に被加熱物に吸収される割合が増え、より効率的に加
熱することができる。
【0037】また、請求項11にかかる高周波加熱装置
は、特定位置を、それに置く被加熱物と、電磁波放射手
段より放射する電磁波を加熱室内に供給する給電口との
距離が、電磁波の波長の1/4となる位置に形成したも
のである。
【0038】そして、軽量の被加熱物と給電口との距離
が電磁波の波長の1/4となるので、もっともインピー
ダンス整合し易くなって被加熱物に電磁波が効果的に吸
収され、効率的に加熱することができる。
【0039】また、請求項12にかかる高周波加熱装置
は、特定位置を、それに置く被加熱物と、電磁波放射手
段の電磁波を加熱室内に放射する放射アンテナとの距離
が電磁波の波長の1/2を超えない位置に形成したもの
である。
【0040】そして、軽量の被加熱物と放射アンテナと
の距離が電磁波の波長の1/2を超えないので、電磁波
が拡散する前に被加熱物に吸収される割合が増え、より
効率的に加熱することができる。
【0041】また、請求項13にかかる高周波加熱装置
は、被加熱物を設置する加熱室と、この加熱室内に電磁
波を放射して前記被加熱物を加熱する電磁波放射手段
と、軽量の被加熱物を置く前記加熱室内の特定位置と、
その他の被加熱物を置く前記加熱室内の回転可能な載置
台と、特定位置に被加熱物を置いたときに載置台の回転
を停止する手段とを有するものである。
【0042】そして、軽量な被加熱物を特定位置に置い
たときには、載置台の回転が停止されるので、回転のた
めに消費される電力の無駄を防ぐことができ、より効率
的に加熱することができる。
【0043】また、請求項14による高周波加熱装置
は、被加熱物の量が軽量かどうかを検知する検知手段を
有し、また、請求項15による高周波加熱装置は、被加
熱物が軽量かどうかを設定できる設定手段を有するもの
である。
【0044】そして、被加熱物が軽量であることを検知
した場合、あるいは軽量であることを指示した場合、容
易に載置台の回転を停止させることができるので、回転
のために消費される電力の無駄を防ぐことができ、より
効率的に加熱することができる。
【0045】さらに、請求項16による高周波加熱装置
は、特定位置に、被加熱物を置く位置を示す指示部を形
成したものである。
【0046】そして、被加熱物は、指示部にしたがって
電磁波を吸収し易い所定の位置に置くことができるの
で、効率的に加熱することができる。
【0047】以下、本発明の実施例について、図1〜1
8を参照して説明する。なお、実施例においては、高周
波加熱装置としては一般的な電子レンジについて説明す
る。電子レンジは、電磁波として2.45GHzのマイ
クロ波を使用し、被加熱物としての食品をマイクロ波に
より加熱するものであり、また、代表的な電磁波放射手
段としてマグネトロンを用い、放射アンテナとしてのマ
グネトロンアンテナからマイクロ波を放射させている。
しかし、本発明は、上記の構成のみに限定されるもので
はない。
【0048】また、本実施例において、軽量とは、容器
等を除いた実際の被加熱物自体の重量が500gを超え
ない場合とし、大量とは、容器等を除いた実際の被加熱
物自体の重量が1000gを下回らない場合として定義
する。
【0049】(実施例1)実施例1について、高周波加
熱装置の要部構成側面を示す図1および図3、同高周波
加熱装置の要部構成上面図を示す図2,図6および図
7,ならびに同高周波加熱装置の特性図を示す図4およ
び図5を参照して説明する。
【0050】図において、マグネトロン1は、マグネト
ロンアンテナ2からマイクロ波を放射し、加熱室3内の
特定位置4に置かれた軽量の食品5を加熱する。特定位
置4は、誘電体で構成された軽量載置台6の上面に形成
され、使用者が軽量の食品5を置く場所である。また、
軽量でない大量の食品7を置く載置台としてのターンテ
ーブル8、このターンテーブル8を回転駆動するモータ
9、前記ターンテーブル8に載置された食品の有無や食
品の重量を検知する検知手段としての重量センサ10、
マグネトロン1を冷却するファン11、使用者が加熱の
開始および停止を入力して設定できる設定手段12、制
御手段13などを備えている。
【0051】次に、軽量の食品5を加熱する場合の動作
について図1および図2を参照して説明する。まず、使
用者が軽量の食品5を特定位置4に置き、設定手段12
で加熱の開始を入力する。すると、制御手段13は、マ
グネトロン1からのマイクロ波の放射を開始させ、同時
に、ファン11によるマグネトロン1の冷却を開始さ
せ、モータ9によりターンテーブル8を回転駆動させて
始動する。わずかな時間遅れの後、重量センサ10によ
ってターンテーブル8の上には、食品が無いことが検知
されるので、制御手段13は、加熱室3内に存在するの
が軽量の食品5であると判断し、モータ9によるターン
テーブル8の回転を停止させるように制御し、以降加熱
終了までターンテーブル8は停止したままとなる。
【0052】また、軽量の食品5の代わりに大量の食品
7を加熱する場合について、図3を参照して説明する。
使用者が大量の食品7をターンテーブル8の上に置き、
設定手段12で加熱の開始を入力する。すると、制御手
段13は、マグネトロン1からのマイクロ波の放射を開
始させ、同時に、ファン11によるマグネトロン1の冷
却を開始させ、モータ9によりターンテーブル8を回転
駆動させて始動する。わずかな時間遅れの後、重量セン
サ10によってターンテーブル8の上に食品7が有るこ
とが検知されるので、制御手段13は、モータ9による
ターンテーブル8の回転が加熱終了まで続行するように
制御する。
【0053】この高周波加熱装置の特性を、マグネトロ
ンアンテナ2から見た加熱室3側のインピーダンスのリ
ーケ線図で表すと図4(指標は図20,図23と同じ)
に示すようになる。この実施例の高周波加熱装置は、大
量の食品7の重量に相当する水2000ccをターンテ
ーブル8の上に置いた時にインピーダンス整合するよう
に、すなわち、インピーダンスが等出力線jによる領域
Jに存在するように設計しているので、例えば、水20
0ccをターンテーブル8の上に置いた時のインピーダ
ンスは、図4における中心部から外れた等出力線kによ
る領域Kに存在することとなり、出力および効率が低下
していることがわかる。そこで、軽量の食品5の中でも
実際に良く使われるのは、水100ccから300cc
に相当する重量のものと仮定し、中心値となる200c
cの水を、特定位置4に置いた時のインピーダンスが、
領域Lとなるような位置に特定位置4を形成しているの
で、水2000ccの場合と同様にインピーダンスの整
合がとれるようになり、水200ccの場合でも出力お
よび効率は低下しなくなる。
【0054】また、この実施例では、水2000ccの
場合は、ターンテーブル8により回転させているため、
インピーダンスの領域が広がるが、特定位置4に置いた
水200ccの場合は停止しているので、インピーダン
スの領域が動かない。そこで、領域Jと領域Lとの面積
を比較すると、領域Lの方が小さくなり、より出力を安
定に維持することができるという効果がある。
【0055】また、この高周波加熱装置の特性を負荷特
性により表すと図5(指標は図24と同じ)に示すよう
になる。図4で説明したように、水200ccを特定位
置4に置いて整合をとった時、すなわち、インピーダン
スが領域Lにある時、水100cc,200cc,30
0ccをそれぞれ特定位置4に置いてターンテーブル8
を回転させたまま出力を測定し、水2000ccをター
ンテーブル8に置いた時の出力と比較すると、図5に示
す特性mとなり、特性hや特性iと比べても効率が良い
ことがわかる。ちなみに水200ccを加熱する場合、
特性hでは50%、特性iでは82%、特性mでは98
%とすると、出力比および効率の比は1:1.64:
1.96、逆に加熱終了までに要する加熱時間の比は
1:0.61:0.51となる。
【0056】この実施例によれば、軽量の食品5の場合
は特定位置4に置き、大量の食品7の場合はターンテー
ブル8に置いてそれぞれをインピーダンスを整合させる
ことができ、食品が軽量,大量のいずれの場合でも、効
率的に加熱することができる。特に、軽量の食品5の場
合には、従来の方法と比べて加熱時間を大幅に短縮し、
消費電力を減らして省エネルギー化を図ることができる
という効果がある。
【0057】また、水200ccを特定位置4に置いて
加熱する時に、ターンテーブル8を停止させた場合は、
モータ9がターンテーブル8を回転させるのに使用して
いた電力を、加熱のために使うことができるので、図5
の特性mの場合と入力を同じにしてその出力を測定する
と、特性nとなり、より一層、出力および効率が上がる
効果がある。
【0058】また、面積が大きい軽量の食品14を特定
位置4に置いた場合、軽量載置台6から食品14がはみ
だしてターンテーブル8にかかるようになるが(図6参
照)、特定位置8はターンテーブル8よりも高い位置に
形成しているので(図1参照)、ターンテーブル8が邪
魔になることはなく、食品14を特定位置4の所定の場
所に置くことができる。
【0059】なお、特定位置4をターンテーブル8とほ
ぼ同じ高さにすれば、大量の食品7の形状が、ターンテ
ーブル8よりはみ出すような形状であっても、特定位置
4が邪魔になることはなく、大量の食品7をターンテー
ブル8に安定して置くことができる。さらに、ターンテ
ーブル8が停止している場合に限るが、軽量の食品5,
14を特定位置4とターンテーブル8とにまたがって置
くこともできて、より大きな形状を有する軽量の食品
5,14を置くこともできる。
【0060】特定位置4には、軽量載置台6の上面をへ
こませて「小」という記号の指示部15を形成すると
(図7参照)、使用者が軽量の食品5,14を置く時の
目安となり、置き間違いを減らすことができるという効
果がある。
【0061】なお、ターンテーブル8に大量の食品7を
置く際の目安となるような記号をつけても同様の効果が
あり、特定位置4とターンテーブル8との両方に目安の
記号をつければ、より一層、置き間違いをなくすことが
できる。
【0062】また、食品の重量に応じて別々の個所に食
品を置くようにしているので、いろいろな重量の食品に
ついて、効率をカバーすることを考慮しながら一つの置
き場所を探して設計するよりも、設計が容易になるとい
う効果もある。
【0063】また、特定位置4はターンテーブル8の外
周よりも外側で加熱室3のコーナー部分に形成している
ので、特定位置4を設けてもターンテーブル8の邪魔に
ならない上、従来のデッドスペースを有効に利用できる
効果もある。使用者にとっては、間違って特定位置4に
大量の食品7を置くようなミスが起こり難く、所定の位
置に置いて効率的に加熱することができる効果がある。
さらに、場合によっては、軽量の食品5と大量の食品7
との置き場所が重ならないように、同時に置いて一度に
加熱できるなど、利便性が向上できる効果もある。
【0064】また、特定位置4とターンテーブル8とを
比べると、特定位置4の方がマグネトロン1に近く設け
ているので、特定位置4に置く軽量の食品5がマグネト
ロン1に近くなり、マイクロ波が拡散する前に食品に吸
収される割合が増え、より効率的に加熱することができ
る効果がある。
【0065】なお、この実施例では、軽量の食品の中で
も実際に良く使われるのは、水100ccから300c
cに相当すると仮定し、特定位置4は水200ccの場
合にインピーダンスの整合を取っているが、これは用途
に応じて最適化すれば良いので、加熱室3の形状,マイ
クロ波の入れ方,実際に使用する食品の量や形状,容器
や載置台などを形成する誘電体の構成等によって変更す
れば良く、これらの条件の許容範囲内でインピーダンス
を考慮して特定位置を決めることができる。
【0066】なお、軽量の食品5のみを特定位置4に置
くのではなく、食品の量によって特定位置4を細かく変
えれば、いろいろな量の食品に対してマグネトロン1と
整合させることができ、図5の負荷特性は完全にフラッ
トになり、すべての食品を効率的に加熱することができ
る。理想的には、食品の量にこだわらなくても、インピ
ーダンスをリアルタイムで検知しながら食品を移動さ
せ、整合が合う位置に来た時に停止させれば良く、これ
を瞬時に行うことができれば、より加熱時間を短縮する
ことができ、省エネルギー化を図ることができる。
【0067】また、この実施例では、重量センサ10に
より食品が軽量であることを検知してターンテーブル8
の回転を停止しているが、重量に限らず、電界強度や、
ターンテーブル8のモータ9のトルク,食品の温度上昇
の仕方,食品の形状など、食品の重量と相関がある情報
を検知する検知手段を用いれば同様のことが実現でき
る。
【0068】また、軽量の食品5が特定位置4にあると
判断した段階で、ターンテーブル8の回転を停止するだ
けでなく、加熱室3の庫内灯を消すなど他の消費電力を
削減すれば、より一層効率を上げることができる。
【0069】(実施例2)実施例2について、高周波加
熱装置の要部構成側面図を示す図8、同高周波加熱装置
の要部構成上面図を示す図9および図10、ならびに同
高周波加熱装置の特性図を示す図11を参照して説明す
る。
【0070】なお、実施例1の場合と同一の構成につい
ては、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0071】実施例1の場合と構成上で異なる点は、マ
グネトロン1のマグネトロンアンテナ2から出たマイク
ロ波が、導波管16により給電口17を介して加熱室3
に導かれる点と、特定位置18を加熱室3の底面に形成
し、軽量の食品5と給電口17との距離が電磁波の波長
の1/4となるような位置に特定位置18を形成してい
る点である。また、図8,図9では軽量の食品5を置く
ためにターンテーブルを除去して図示しておらなく、ま
た、制御手段19、設定手段20の動作が異なる。な
お、21は給電口17を覆うカバーで、軽量の食品5と
給電口17との間に位置させ、マイクロ波にとっては低
損失の誘電体からなり、厚みを小さくして損失が無視で
きるレベルとしている。
【0072】次にその動作について説明する。まず、使
用者はターンテーブルを取り外し、軽量の食品5を特定
位置18に置き、設定手段20で情報を入力する。入力
する情報としては、例えば、設定手段20にあらかじめ
「牛乳一杯」という選択キーがあり、このキーを押すと
軽量であると判断し、また「100g」のような重量を
入力するキーにより設定した場合も軽量を判断すること
ができ、さらに「30秒」などの加熱時間を設定できる
キーを押した場合もわずか30秒の加熱なら軽量である
という判断ができる。よって制御手段19は、設定手段
20の情報から、軽量の食品5であると判断し、最初か
らモータ9は停止させたままで駆動しないように制御
し、以降加熱終了まで停止したままの状態を継続する。
制御手段19は、その後、マグネトロン1からのマイク
ロ波の放射を開始させ、同時に、ファン11によりマグ
ネトロン1の冷却を開始させるが、モータ9は停止した
ままである。一方、軽量でない食品の場合は、使用者は
ターンテーブルを取り付けて食品を置き、設定手段20
からは軽量の食品とは判断できない情報を入力するの
で、制御手段19はモータ9を加熱中は回転駆動するよ
うに制御する。
【0073】設定手段20の情報により、食品が軽量な
らばモータ9の回転は停止させるので、回転のために消
費される電力が不要となり、より効率的に加熱すること
ができるという効果がある。
【0074】また、特定位置18は、着脱可能なターン
テーブルよりも下部に位置し、ターンテーブルを取り外
してから軽量の食品を特定位置18に置くようになるの
で、軽量の食品5の加熱時に、ターンテーブルが電磁波
を吸収して損失することがなく、より一層効率的に加熱
することができる。
【0075】なお、この実施例では、設定手段20によ
り加熱する食品が軽量かどうかを判断しているが、軽量
の食品を加熱する時には、ターンテーブルを外し、食品
を加熱室底面の特定位置18に置くことになるので、タ
ーンテーブルの有無を検知して食品が軽量かを判断した
り、食品の高さを検知する検知手段を用いて高さが低い
時は軽量であると判断することもできる。
【0076】また、特定位置18には、加熱室3の底面
と異なる色の指示部23を形成すると(図10参照)、
使用者が軽量の食品5を置く時の目安、例えば、指示部
23に、少なくとも食品5の一部がかかるように置くよ
うにする目安とすれば、指示部23にしたがって軽量の
食品5をねらいどおりの位置に置けるので、効率的に加
熱することができる。
【0077】このような高周波加熱装置の特性図を、マ
グネトロンアンテナ2から見た加熱室3側のインピーダ
ンスのリーケ線図で表すと図11に示すようになる。図
11では、軽量の食品5に相当する負荷として用いる水
200ccの位置を変え、給電口17との距離をパラメ
ータとして測定したものである。距離が0の時は領域
P、距離が50mmを超えると領域Q、おおよそマイク
ロ波の波長の1/4に相当する距離が35mmの時は領
域Rとなり、給電口17よりの距離が変化すると、軌道
s,tの上を移動することがわかった。よって、軽量の
食品5と給電口17との距離がマイクロ波の波長の1/
4程度になるような位置に特定位置18を形成するのが
好ましく、もっともインピーダンスが整合し易く効率的
に加熱することができる。
【0078】なお、カバー21の材質は、損失は小さい
が誘電率εが高いものにすると、マイクロ波にとって波
長が1/√εに圧縮され、実際の距離よりも長く見える
ので、軽量の食品5と給電口17との距離を若干短くす
るなどの補正が必要となる。
【0079】(実施例3)実施例3について、高周波加
熱装置の要部構成側面図を示す図12および同高周波加
熱装置の要部構成上面図を示す図13を参照して説明す
る。
【0080】なお、実施例1および2の場合と同一の構
成については、同一の符号を付してその説明は省略す
る。
【0081】実施例1または実施例2の場合と構成上で
異なる点は、給電口17がターンテーブル8の下方で、
加熱室3の底面中央部付近に形成されている点と、軽量
の食品5をターンテーブル8の上の特定位置24に置く
点である。また、特定位置24には、ターンテーブル8
上にドーナツ状のシールからなる指示部25を貼り付け
ており、軽量の食品5が、この指示部25からはみ出さ
ないように置くことで位置を特定することとしている。
【0082】次にその動作について説明する。使用者
が、ターンテーブル8の上の特定位置24に軽量の食品
5を置き、設定手段12で加熱の開始を入力する。制御
手段13は、マグネトロン1からのマイクロ波の放射を
開始させ、同時に、ファン11によりマグネトロン1の
冷却を開始させ、食品が軽量であろうと無かろうと加熱
終了までモータ9によりターンテーブル8を回転駆動さ
せる。
【0083】そして、軽量の食品5を載置する特定位置
24をターンテーブル8の上に設け、指示部25により
表示しているので、指示部25にしたがって軽量の食品
5をねらいどおりの位置に置くことができ、効率的に加
熱することができる。
【0084】また、軽量の食品を加熱する時も、ターン
テーブル8は回転させているので、食品5と給電口17
との距離が変化してインピーダンスが変わるが、給電口
17がターンテーブル8の下方で、かつ加熱室3の底面
中央部近傍に形成されており、回転中でも、食品5と給
電口17との距離は余り変化することがなく、効率の低
下をある程度防止しつつ、回転によって加熱分布を均一
化することができる。
【0085】(実施例4)実施例4について高周波加熱
装置の要部構成側面図を示す図14および図15を参照
して説明する。
【0086】なお、実施例1〜3の場合と同一の構成に
ついては、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0087】実施例1〜3の場合と構成上で異なる点
は、特定位置26に軽量の食品5を置いて加熱するもの
で、特定位置26はターンテーブル8の中央部に形成し
た窪み部27に形成している点にあり、また、ターンテ
ーブル8の上の食品が軽量のものかどうかは、高さが異
なるように配置した発光部28と受光部29とからなる
高さセンサ30により検知し、制御手段13により制御
している。
【0088】次に、その動作について説明する。まず、
使用者が軽量の食品5を特定位置26に置き、設定手段
12により加熱の開始を入力する。軽量の食品5の場合
には特定位置26に置かれることになるので、窪み部2
7の存在により、高さが低くなり、発光部28から受光
部29への光の送信を邪魔することはなくなる。よって
制御手段13は、高さセンサ30によってターンテーブ
ル8の上の食品が軽量であることを検知できるので、モ
ータ9によりターンテーブル8を停止させるように制御
し、以降加熱終了までターンテーブル8を停止した状態
を続行する。
【0089】軽量の食品5の代わりに大量の食品7を置
いた場合は、図15に示すようになり、使用者が大量の
食品7をターンテーブル8の上に置き、設定手段12で
加熱の開始を入力する。大量の食品7の場合にはサイズ
が大きくなるため、窪み部27の特定位置26には置け
なくなる。よって、食品7の高さが高くなり、発光部2
8から受光部29への光の送信が邪魔されるので、制御
手段13は、高さセンサ30によってターンテーブル8
の上の食品7が大量であることを検知することができ、
モータ9により加熱終了までターンテーブル8の回転を
続けるように制御する。
【0090】そして、軽量な食品5を載置する特定位置
26は、ターンテーブル8の窪み部27に形成している
ので、窪み部27はターンテーブル8よりも小さくな
り、大量の食品7を窪み部27に置くようなミスが起こ
り難く、食品7をねらい通りの位置に置いて効率的に加
熱することができる。
【0091】また、マグネトロンアンテナ2と特定位置
26との距離が、マイクロ波の波長の1/2を超えない
ように構成しているので、軽量の食品について、特定位
置26に置いた場合は、放射アンテナの距離は、電磁波
の波長の1/2を超えないので、電磁波が拡散する前に
軽量の食品に吸収される割合が増え、より効率的に加熱
することができる。
【0092】なお、放射アンテナとしては、マグネトロ
ンアンテナ2に限定されるものではなく、マグネトロン
アンテナが放射したマイクロ波をいったん導波管を介し
てから他の放射アンテナに結合することもでき、この場
合は、マグネトロンから離れた位置に構成できるので、
取り付け位置に自由度を有する効果がある。
【0093】(実施例5)実施例5について、高周波加
熱装置の要部構成側面図を示す図16を参照して説明す
る。
【0094】なお、実施例1〜4の場合と同一の構成に
ついては、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0095】実施例1〜4の場合と構成上で異なる点
は、給電口17が加熱室3の側壁面の比較的高いところ
に位置している点と、軽量の食品5を加熱する場合、使
用者がターンテーブル8の上に低損失の誘電体からなる
着脱自在な専用台31を配置し、軽量の食品5を専用台
31の上面に形成した特定位置32に置く点である。
【0096】そして、軽量な食品5を載置する特定位置
32が、ターンテーブル8の上に着脱自在に配置された
専用台31の上面に形成されているので、専用台31の
上部の高さスペースがターンテーブル8の上部の高さス
ペースよりも小さくなる。そこで大きな食品は、特定位
置32に載置し難くなり、また、専用台31の上面の面
積はターンテーブル8の上面の面積よりも小さいので、
間違って大量の食品を置くようなミスが起こり難くな
り、軽量の食品5を所定の位置に置いて効率的に加熱す
ることができる。
【0097】さらに、給電口17が加熱室3の側壁面に
おいて、比較的高いところに位置しているので、専用台
31の高さにより特定位置32と給電口17との距離を
限定することが可能となり、専用台31の高さを最適化
することで、インピーダンスを所定の値にし易い効果が
ある。
【0098】(実施例6)実施例6について、高周波加
熱装置の要部構成側面図を示す図17および同高周波加
熱装置の要部構成上面図を示す図18を参照して説明す
る。
【0099】なお、実施例1〜5の場合と同一の構成に
ついては、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0100】実施例1〜5の場合と構成上で異なる点
は、給電口17が加熱室3の天面に位置している点と、
軽量の食品5を加熱する場合、使用者は加熱室3の側壁
面でターンテーブル8の上方に設けたリブ状のレール3
3に、誘電体や金属などからなる専用台34を着脱自在
に配置し、専用台34の上面に形成した複数の指示部3
5を有する特定位置36に軽量の食品5を置く点であ
る。
【0101】そして、特定位置36には複数の指示部3
5を有するので、軽量の食品5を複数個同時に置くこと
ができ、また、軽量の食品5を載置する特定位置36
は、ターンテーブル8の上部に着脱可能に配置した専用
台34に形成しているので、専用台34の上部の高さス
ペースは、ターンテーブル8の上部の高さスペースより
も小さくなり、大きな食品は置き難く、間違って大量の
食品を置くようなミスも起こり難く、軽量の食品5を所
定の位置に置いて効率的に加熱することができる。
【0102】なお、実施例1〜6においては、ターンテ
ーブルを用いた電子レンジについて説明したが、本発明
は、回転アンテナ,スタラー,回転導波管などを用いた
場合にも適用することができ、ターンテーブルを用いた
ものに限定されない。
【0103】また、給電口についても1個だけの場合に
限定されることはなく、複数個有する場合にも適用する
ことができ、この場合、給電口から一定の距離に食品を
置くようにすれば、複数箇所に食品の置き場所を形成す
ることができる。
【0104】さらに、指示部は、以上の実施例で説明し
たように、文字の形にへこませて形成したり、色を変え
て形成したり、シールを貼って形成したりする以外に、
突起を付けたり、***を開けたりして他の部分と区別が
つくようにすれば良いものである。
【0105】
【発明の効果】以上説明したような形態で実施される本
発明の高周波加熱装置によれば、次の効果が得られる。
【0106】請求項1によれば、被加熱物の量によって
被加熱物を置く位置を変えているので、いろいろな量の
被加熱物に対して電磁波放射手段とインピーダンスを整
合させることができ、効率的に加熱することができ、よ
って加熱時間を短縮したり、省エネルギー化が図れる効
果がある。
【0107】また、請求項2によれば、軽量の被加熱物
を特定位置に置き、大量の被加熱物を載置台に置くの
で、それぞれを決まった位置で容易にインピーダンスを
整合させることができて、軽量,大量の被加熱物の場合
でも効率的に加熱することができる効果がある。
【0108】また、請求項3によれば、特定位置が、載
置台の回転の外周よりも外側になるので、大量の被加熱
物を載置台に置いて加熱する時に、特定位置が載置台の
回転の妨げにならない上、間違って特定位置に大きな被
加熱物を置くようなミスが起こり難く、所定の位置に置
いて効率的に加熱することができる効果がある。また、
特定位置と載置台とが互いに邪魔にならず、同時に両方
に被加熱物を置くこともできるので、軽量の被加熱物と
大量の被加熱物とを一度に加熱することができて、利便
性が向上する効果がある。
【0109】また、請求項4によれば、特定位置が、載
置台の上面を下回らない位置にあるので、軽量の被加熱
物の形状が特定位置よりも大きくて載置台にはみ出すよ
うな場合も、置く時に載置台が邪魔にならなく、所定の
位置に置いて効率的に加熱することができる効果があ
る。
【0110】また、請求項5によれば、特定位置は、着
脱可能な載置台の下部に位置し、載置台を取り外した状
態で軽量の被加熱物を特定位置に置くので、軽量の被加
熱物の加熱時に載置台が電磁波を吸収して損失すること
がなく、より一層効率的に加熱することができる効果が
ある。
【0111】また、請求項6および7によれば、特定位
置を、加熱室の底面または、載置台の上に形成している
ので、多数の被加熱物を所定の位置に置いて効率的に加
熱することができる効果がある。
【0112】また、請求項8によれば、特定位置を、載
置台に設けた窪み部に形成しているので、窪み部は載置
台よりも小さくなり、間違って大量の被加熱物を置くよ
うなミスが起こり難く、所定の位置に置いて効率的に加
熱することができる効果がある。
【0113】また、請求項9によれば、特定位置を形成
した着脱可能な専用台を、載置台の上部に配置している
ので、専用台の上部の高さスペースは、載置台の上部の
高さスペースよりも小さくなり、大きな被加熱物は専用
台に置き難く、間違って大量の被加熱物を置くようなミ
スが起こり難くなり、所定の位置に置いて効率的に加熱
することができる効果がある。
【0114】また、請求項10によれば、特定位置を、
載置台よりも電磁波放射手段に近づけているので、特定
位置に置く軽量の被加熱物が電磁波放射手段に近くな
り、電磁波が拡散する前に被加熱物に吸収される割合が
増え、より効率的に加熱することができる効果がある。
【0115】また、請求項11によれば、特定位置を、
軽量の被加熱物と給電口との距離が、電磁波の波長の1
/4となる位置に形成しているので、もっともインピー
ダンスが整合し易くなって電磁波を効果的に吸収し、効
率的に加熱することができる効果がある。
【0116】また、請求項12によれば、特定位置を、
軽量の被加熱物と放射アンテナとの距離が、電磁波の波
長の1/2を超えない位置に形成しているので、電磁波
が拡散する前に被加熱物に吸収される割合が増え、より
効率的に加熱することができる効果がある。
【0117】また、請求項13によれば、被加熱物が軽
量の場合には、載置台の回転を停止するので、回転のた
めに消費される電力の無駄を防ぐことができ、より効率
的に加熱することができる効果がある。
【0118】また、請求項14および15によれば、被
加熱物が軽量かどうかを検知する検知手段や、被加熱物
が軽量かどうかを設定できる設定手段を有するので、被
加熱物が軽量の時に容易に載置台の回転を停止できる効
果がある。
【0119】さらに、請求項16によれば、特定位置に
おいて、被加熱物が電磁波を最も吸収し易い位置に、被
加熱物を置くことができるので、効率的に加熱すること
ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における高周波加熱装置の要
部構成側面図
【図2】同高周波加熱装置の要部構成上面図
【図3】同高周波加熱装置の要部構成側面図
【図4】同高周波加熱装置のインピーダンス特性図
【図5】同高周波加熱装置の負荷特性図
【図6】同高周波加熱装置の要部構成上面図
【図7】同高周波加熱装置の要部構成上面図
【図8】本発明の実施例2における高周波加熱装置の要
部構成側面図
【図9】同高周波加熱装置の要部構成上面図
【図10】同高周波加熱装置の要部構成上面図
【図11】同高周波加熱装置のインピーダンス特性図
【図12】本発明の実施例3における高周波加熱装置の
要部構成側面図
【図13】同高周波加熱装置の要部構成上面図
【図14】本発明の実施例4における高周波加熱装置の
要部構成側面図
【図15】同高周波加熱装置の要部構成側面図
【図16】本発明の実施例5における高周波加熱装置の
要部構成側面図
【図17】本発明の実施例6における高周波加熱装置の
要部構成側面図
【図18】同高周波加熱装置の要部構成上面図
【図19】従来における電子レンジの要部構成側面図
【図20】同電子レンジのインピーダンス特性図
【図21】同電子レンジの負荷特性図
【図22】従来における他の電子レンジの要部構成図
【図23】同電子レンジのインピーダンス特性図
【図24】同電子レンジの負荷特性図
【図25】従来における別の電子レンジの要部構成模式
【符号の説明】
1 マグネトロン(電磁波放射手段) 2 マグネトロンアンテナ(放射アンテナ) 3 加熱室 4,18,24,26,32,36 特定位置 5,7,14 食品(被加熱物) 8 ターンテーブル(載置台) 10 重量センサ(検知手段) 12,20 設定手段 13,19 制御手段(停止手段) 15,23,25,35 指示部 17 給電口 27 窪み部 31,34 専用台

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱室内に被加熱物の量に応じた設置場所
    を設け、この設置場所は、電磁波放射手段とインピーダ
    ンス整合させる位置に設けた高周波加熱装置。
  2. 【請求項2】被加熱物の量に応じた設置場所を有する加
    熱室と、この加熱室内に電磁波を放射して前記被加熱物
    を加熱する電磁波放射手段とを備え、前記設置場所は軽
    量の被加熱物を置く特定位置と、その他の被加熱物を置
    く載置台とにより形成し、これらの特定位置および載置
    台は、前記電磁波放射手段がそれぞれの被加熱物とイン
    ピーダンス整合する位置に設けた高周波加熱装置。
  3. 【請求項3】載置台は回転可能とし、特定位置は、前記
    載置台の外周よりも外側に形成した請求項2記載の高周
    波加熱装置。
  4. 【請求項4】特定位置は、載置台の上面より上方に形成
    した請求項2または3記載の高周波加熱装置。
  5. 【請求項5】載置台は着脱可能とし、特定位置は、前記
    載置台の下方に形成した請求項2記載の高周波加熱装
    置。
  6. 【請求項6】特定位置を、加熱室の底面に形成した請求
    項2または5記載の高周波加熱装置。
  7. 【請求項7】特定位置を、載置台の上に形成した請求項
    2記載の高周波加熱装置。
  8. 【請求項8】載置台に窪み部を設け、この窪み部に特定
    位置を形成した請求項2または7記載の高周波加熱装
    置。
  9. 【請求項9】載置台の上部に、着脱可能な専用台を配置
    し、この専用台に特定位置を形成した請求項2記載の高
    周波加熱装置。
  10. 【請求項10】被加熱物を設置する加熱室と、この加熱
    室内に電磁波を放射して前記被加熱物を加熱する電磁波
    放射手段と、軽量の被加熱物を置く前記加熱室内の特定
    位置と、その他の被加熱物を置く前記加熱室内の載置台
    とを備え、前記特定位置は前記載置台よりも前記電磁波
    放射手段に近い位置に形成した請求項1ないし9のいず
    れかに記載の高周波加熱装置。
  11. 【請求項11】特定位置は、それに置く被加熱物と、電
    磁波放射手段より放射する電磁波を加熱室内に供給する
    給電口との距離が、電磁波の波長の1/4となる位置に
    形成した請求項10記載の高周波加熱装置。
  12. 【請求項12】特定位置は、それに置く被加熱物と、電
    磁波放射手段よりの電磁波を加熱室内に放射する放射ア
    ンテナとの距離が、電磁波の波長の1/2を超えない位
    置に形成した請求項10記載の高周波加熱装置。
  13. 【請求項13】被加熱物を設置する加熱室と、この加熱
    室内に電磁波を放射して前記被加熱物を加熱する電磁波
    放射手段と、軽量の被加熱物を置く前記加熱室内の特定
    位置と、その他の被加熱物を置く前記加熱室内の回転可
    能な載置台と、特定位置に被加熱物を置いたときに載置
    台の回転を停止する手段とを有する請求項1または2記
    載の高周波加熱装置。
  14. 【請求項14】被加熱物の量を検知する検知手段を有す
    る請求項13記載の高周波加熱装置。
  15. 【請求項15】被加熱物の量が設定できる設定手段を有
    する請求項13記載の高周波加熱装置。
  16. 【請求項16】特定位置に、被加熱物を置く位置を示す
    指示部を形成した請求項2ないし13のいずれかに記載
    の高周波加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007227282A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd マイクロ波加熱装置

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