JPH10338688A - 新規なスルホニウム塩及びこれを用いた感光性樹脂組成物 - Google Patents

新規なスルホニウム塩及びこれを用いた感光性樹脂組成物

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JPH10338688A
JPH10338688A JP9575298A JP9575298A JPH10338688A JP H10338688 A JPH10338688 A JP H10338688A JP 9575298 A JP9575298 A JP 9575298A JP 9575298 A JP9575298 A JP 9575298A JP H10338688 A JPH10338688 A JP H10338688A
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sulfonium salt
curing
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photosensitive resin
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JP9575298A
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Yoichi Matsuzaki
洋市 松崎
Atsushi Nogami
敦嗣 野上
Hironobu Kawasato
浩信 川里
Koichi Fujishiro
光一 藤城
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光カチオン重合開始剤としての用途が期待で
き、しかも分子吸光係数が大きく、高重合活性を有する
新規なスルホニウム塩及びこれを用いた感光性樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、式中、Rは共役五員環、又は、共役五員環と1
個以上のベンゼン環との縮合多環を示し、P及びQはそ
れぞれ独立に、アルキルを示すか、又は、PとQとSが
連結して炭素原子数4個または5個の環を形成し、X-
は求核性の弱いルイス酸残基を示す)で示されるスルホ
ニウム塩であり、光カチオン重合開始剤として感光性樹
脂組成物に使用した場合、分子吸光係数が大きく、高重
合活性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光カチオン重合開
始剤として、例えばエポキシ樹脂の硬化等に使用し得
る、新規なスルホニウム塩に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光カチオン重合開始剤は、紫外線エネル
ギー等のエネルギー線を吸収し、カチオン重合を開始さ
せる触媒成分を放出する物質であり、例えばエポキシ樹
脂の硬化や各種環状エーテル、環状エステル、環状有機
ケイ素化合物、多官能ビニルエーテル等の重合反応や硬
化反応に用いられている。
【0003】このような光カチオン重合開始剤の代表的
なものとしては、例えば、米国特許第3,205,15
7号明細書及び同第3,708,296号明細書に記載
のアリールジアゾニウム塩及びハロゲン含有錯アニオン
のアリールジアゾニウム塩や、米国特許第4,231,
951号明細書に記載のトリアリールスルホニウム錯体
塩や、米国特許第4,058,401号明細書及び同第
4,138,255号明細書に記載のVIa族元素の芳
香族オニウム塩や、特開昭59−147001号公報に
記載のジアルキルフェナシルスルホニウム塩等が挙げら
れる。
【0004】しかしながら、これら既知の光カチオン重
合開始剤は、例えばジアゾニウム塩系のものは、樹脂中
での貯蔵安定性が悪い、光照射により窒素が副生するた
めに塗膜に気泡が生じる等の欠点を有し、また、ジアル
キルフェナシルスルホニウム塩の場合には、分子吸光係
数がいずれも比較的小さいという問題がある。また、ト
リアリールスルホニウム塩、ヨードニウム塩等のオニウ
ム塩の場合には、実際にこれを例えばエポキシ樹脂等の
硬化に使用した場合、硬化速度の点で必ずしも十分に満
足し得るものであるとはいえない。
【0005】さらに、これらいずれの光カチオン重合開
始剤も、その極大吸収波長は300nm以下であるた
め、300nm以上の光源を用いる条件下では硬化速度
が低下するという問題がある。このようなことから、よ
り長波長域での感度が高く、より速硬化性に優れ、より
重合活性の高い更に新たな光カチオン重合開始剤の出現
が待ち望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した如
き現状に鑑みてなされたもので、光カチオン重合開始剤
としての用途が期待でき、しかも300nm以上での分
子吸光係数が大きく、高重合活性を有し、例えばこれを
エポキシ樹脂等の硬化剤として用いた場合には優れた速
硬化性を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0007】従って、本発明は、300nm以上での分
子吸光係数が大きく、高重合活性を有し、例えばこれを
エポキシ樹脂等の硬化剤として用いた場合に優れた速硬
化性を示し、光カチオン重合開始剤として有用な新規な
スルホニウム塩及びこれを用いた感光性樹脂組成物を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1)
【化2】 (但し、式中、Rは共役五員環、又は、共役五員環と1
個以上のベンゼン環との縮合多環を示し、P及びQはそ
れぞれ独立にアルキルを示すか、又は、PとQとSが連
結して炭素原子数4個又は5個の環を形成し、X- は求
核性の弱いルイス酸残基を示す)で示されるスルホニウ
ム塩である。
【0009】また、本発明は、光カチオン重合開始剤と
して少なくとも上記一般式(1)で示されるスルホニウ
ム塩を含有してなる感光性樹脂組成物である。
【0010】上記一般式(1)で示される本発明のスル
ホニウム塩において、X- は求核性の弱いルイス酸残基
であるが、この求核性の弱いルイス酸残基としては、求
核性の弱いルイス酸であって、遊離してブレンステッド
酸となるようなルイス酸の残基であればよく、例えば代
表的なものとしてはBF4 - 、PF6 - 、SbF6 -
AsF6 - 等を挙げることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のスルホニウム塩は、例え
ばBull. Chem. Soc. Jpn., 60, 1159 (1987)及びJ. Pol
ym. Sci. Polym. Chem. Ed.,17, 2877 (1979) に記載の
方法に準じて、一般に下記の如くして容易に合成され
る。
【0012】即ち、アセチル誘導体を適当な溶媒、例え
ばジクロルメタン、ジクロルエタン、クロロホルム、テ
トラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素とメタノール
等のアルコールとの混合溶媒に溶解し、これにテトラブ
チルアンモニウムトリブロマイドを室温で加えて、1時
間撹拌反応させる。反応終了後、溶媒を留去し、沈殿物
をエーテルで抽出する。エーテル層を硫酸マグネシウム
で乾燥し、溶媒を留去して得られる生成物をエタノール
―水の混合溶剤で再結晶させてブロモアセチル誘導体を
得る。
【0013】得られたブロモアセチル誘導体とジアルキ
ルスルフィド(一般式(1)においてP及びQがそれぞ
れ独立にアルキルを表す場合)、テトラヒドロチオフェ
ン(一般式(1)においてPとQが連結して隣接する硫
黄原子とともに五員環を形成する場合)、またはテトラ
ヒドロチオピラン(一般式(1)においてPとQが連結
して隣接する硫黄原子とともに六員環を形成する場合)
とをアセトンと水の混合溶媒中、25℃で1.5時間撹
拌し、生成したブロモ塩をジエチルエーテルで数回洗浄
し、濾別して風乾する。ブロモ塩の水溶液に求核性の弱
いルイス酸の銀塩又はアルカリ金属塩の水溶液を加え、
結晶化した塩を濾過して水で洗浄し、更に乾燥した後
に、水又は水―アルコールの混合溶剤で再結晶すれば、
目的とするスルホニウム塩が容易に得られる。
【0014】本発明のスルホニウム塩又はその溶媒付加
物は、モノマー、オリゴマー、低分子ポリマー等の光カ
チオン重合開始剤としての用途を有する。本発明のスル
ホニウム塩又はその溶媒付加物を光カチオン重合開始剤
として用いる場合、これらはそれぞれ単独で用いること
も、また、その2種以上を組み合わせて用いることも、
更に、他の光カチオン重合開始剤や光増感剤等と適宣組
み合わせて用いることも随意である。
【0015】本発明のスルホニウム塩又はその溶媒付加
物からなる光カチオン重合開始剤は、エポキシ樹脂中で
の貯蔵安定性に優れ、また、光照射により窒素を副生す
ることがないので塗膜に気泡を生じることもなく、しか
も、特に300nm以上での分子吸光係数が大きく硬化
速度も従来の光カチオン重合開始剤と比べて速いという
特長を有する。
【0016】本発明のスルホニウム塩からなる光カチオ
ン重合開始剤は、例えばビスフェノールAジグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂(DGEBA)、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、
脂環式エポキシ樹脂、メチル置換型エポキシ樹脂、グリ
シジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物や、
イソブチレン、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジ
エン、ビニルアルキルエーテル等のビニル単量体又はこ
れらのオリゴマー若しくは低分子ポリマー等や、環状有
機エーテル、環状有機エステル、環状有機スルフィド、
環状アミン、環状有機ケイ素化合物、多官能ビニルエー
テル等のカチオン重合性化合物等の光重合性や光硬化性
を有する物質に対して効果的に使用し得る。
【0017】また、本発明の感光性樹脂組成物は、上述
のカチオン重合性化合物に本発明のスルホニウム塩を必
須成分として配合してなることを特徴としている。スル
ホニウム塩は、カチオン重合性化合物100重量部に対
して0.1〜15重量部、より好ましくは3〜10重量
部配合させることができる。0.1重量部より少ないと
重合反応率が極端に低下し、良好な塗膜を形成しづらく
なり好ましくない。また、15重量部を越えると、光透
過性が低下して重合反応率が低下するとともに、未反応
物の開始剤や分解物が塗膜中に多量に残るため好ましく
ない。
【0018】さらに、本発明の感光性樹脂組成物は、カ
チオン重合性化合物としてエポキシ樹脂を使用した場
合、重合反応率をより高くする目的で、無水フタル酸、
ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸等の酸無水物を
エポキシ樹脂に対して90%当量未満添加することも可
能である。この酸無水物がエポキシ樹脂に対して90%
当量以上となると、未反応の酸無水物が塗膜中に残存
し、塗膜の耐湿性や強度を低下させるため好ましくな
い。
【0019】また、本発明の感光性樹脂組成物には粘度
を適正にする目的で、非重合性希釈剤を添加することも
可能である。このような非重合性希釈剤としては、例え
ば酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセルソルブ、エチル
セルソルブ、メチルセルソルブアセテート、エチルセル
ソルブアセテート、イソプロピルアルコール、トルエ
ン、キシレン等が挙げられる。塗料の適正粘度は、塗装
方法、塗料の種類、塗装スピード、膜厚によって大きく
変化するので、希釈剤の使用量は任意の割合にすること
ができる。しかし、これらの非重合性希釈剤は加熱乾燥
過程によって大部分が揮発しなければならない。多量に
残存した場合には塗膜の表面硬度、密着性に重大な欠陥
が生ずることが多い。
【0020】更に、本発明の感光性樹脂組成物には、上
記以外にも用途に応じて、他の成分、例えば、着色、隠
蔽効果などを目的とする顔料、充填剤、界面活性剤、分
散剤、可塑剤、酸化防止剤等を加えることも可能であ
る。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び試験例に基づいて、本発明
のスルホニウム塩を具体的に説明する。但し、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。
【0022】実施例1 6弗化アンチモン酸ジアルキルチエノイルスルホニウム
塩〔一般式(1)においてRがチエニル基、PとQが一
緒になって、隣接する硫黄原子とともにテトラヒドロチ
オフェン環を形成、X- =SbF6 - の物質〕を以下の
ようにして合成した。アセチルチオフェン10gをジク
ロルメタン―メタノール混合溶媒1300mlに溶解
し、室温下にテトラブチルアンモニウムトリブロマイド
42gを加えて攪拌下に1時間反応させた後、溶媒を留
去し、沈殿物をエーテルで抽出した。エーテル層を硫酸
マグネシウムで乾燥して溶媒を留去し、エタノール―水
混合溶剤で再結晶させ、ブロモメチルチエニルケトンを
得た。
【0023】得られたブロモメチルチエニルケトン10
gとテトラヒドロチオフェン4.3gとをアセトン―水
混合溶媒50ml中、25℃で1.5時間撹拌し、生成
したブロモ塩をジエチルエーテルで数回洗浄し、濾別し
て風乾した。得られたブロモ塩10gの水溶液70ml
に等モル量の6弗化アンチモン酸銀水溶液34mlを加
え、結晶化した塩を濾過して水で洗浄し、乾燥した後、
水―アルコール混合溶剤で再結晶し、目的の結晶(6弗
化アンチモン酸ジアルキルチエノイルスルホニウム塩)
15gを得た。
【0024】得られた結晶について、融点、元素分析、
UV、IR、及びNMRの測定を行った。結果は次の通
りであった。 融点(mp):152〜154℃ 元素分析値(C1013OF6 SSb): 計算値(%) C:26.7、H:2.90 実測値(%) C:26.4、H:2.67 UV(λmax ):295nm(ε=8582)、265
nm(ε=9147) IR(cm-1):1660(C=O)、650(SbF
6 - ) NMR(DMSO−d6 ;δppm):7.38(1H,
dd, J=1.5, 4.9Hz)、7.22(1H, dd, J=1.5, 3.5H
z)、6.54(1H, dd, J=3.5, 4.9Hz)、4.39(2
H, s, -CH2-)、2.6〜3.0,1.3〜1.6(8H,
m,テトラヒドロチオフェン)
【0025】実施例2 6弗化アンチモン酸ジアルキルフルオレノイルスルホニ
ウム塩〔一般式(1)においてRがフルオレニル基、P
とQが一緒になって、隣接する硫黄原子とともにテトラ
ヒドロチオフェン環を形成、X- =SbF6 - の物質〕
を以下のようにして合成した。アセチルフルオレン10
gをジクロルメタン―メタノール混合溶媒1300ml
に溶解し、室温下にテトラブチルアンモニウムトリブロ
マイド42gを加えて攪拌下に1時間反応させた後、溶
媒を留去し、沈殿物をエーテルで抽出した。エーテル層
を硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を留去し、エタノー
ル―水混合溶剤で再結晶させ、ブロモメチルフルオレニ
ルケトンを得た。
【0026】得られたブロモメチルフルオレニルケトン
10gとテトラヒドロチオフェン4.3gとをアセトン
―水混合溶媒50ml中、25℃で1.5時間撹拌し、
生成したブロモ塩をジエチルエーテルで数回洗浄し、濾
別して風乾した。得られたブロモ塩10gの水溶液70
mlに等モル量の6弗化アンチモン酸銀水溶液34ml
を加え、結晶化した塩を濾過して水で洗浄し、乾燥した
後、水―アルコール混合溶剤で再結晶し、目的の結晶
(6弗化アンチモン酸ジアルキルフルオレノイルスルホ
ニウム塩)15gを得た。
【0027】得られた結晶について、融点、元素分析、
UV、IR、及びNMRの測定を行った。結果は次の通
りであった。 融点(mp):138〜143℃ 元素分析値(C1919OSF6 Sb): 計算値(%) C:43.0、H:3.60 実測値(%) C:42.8、H:3.48 UV(λmax ):322nm(ε=24687) IR(cm-1):1670(C=O)、650(SbF
6 - ) NMR(DMSO−d6 ;δppm):7.4〜8.3
(7H, m, Aromatic H)、5.4(2H, s, -CH2-)、
4.1(2H, s,フルオレン)、3.4〜3.7,2.1
〜2.4(8H, m,テトラヒドロチオフェン)
【0028】実施例3 表1に示す市販のエポキシ樹脂〔即ち、ダイセル化学社
製商品名セロキサイド2021P(2021P)、油化
シェル社製商品名エピコート828(#828)、及び
新日鐵化学社製商品名ESF300(F−E)〕に対し
て、実施例1で得られた本発明のスルホニウム塩を3重
量%混和した後、ガラス板上に厚さ約30μmとなるよ
うに塗布し、高圧水銀灯(120W/cm)を備えた紫
外線照射装置を用い、表1に示す照射時間で紫外線照射
して硬化させ、硬化後の表面状態をアセトンラビング法
〔即ち、アセトンに浸した綿布を用いて500g/cm
2程度の圧力で表面をこすり、表面の変化を観察する方
法〕で試験し、◎:極めて良好、○:良好、□:タック
感が残る、△:しわが発生、及び×:べとつく、の5段
階評価で評価した。結果を表1に示す。
【0029】また、同様に、表1に示す市販のエポキシ
樹脂に対して、実施例1で得られたスルホニウム塩を3
重量%混和した後、ガラス板上に厚さ約30μmとなる
ように塗布し、100℃で60分、150℃で30分、
及び200℃で20分の各条件で熱硬化を行い、硬化後
の表面状態をアセトンラビング法で試験して評価した。
結果を表1に示す。
【0030】更に、表1に示す市販のエポキシ樹脂に実
施例1で得られたスルホニウム塩を3重量%混和した
後、ガラス板上に厚さ約30μmとなるように塗布し、
上記と同様にして表1に示す照射時間で紫外線照射した
後、次いで150℃、30分の条件で熱硬化を行い、硬
化後の表面状態をアセトンラビング法で試験して評価し
た。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例4 表2に示す市販のエポキシ樹脂〔即ち、ダイセル化学社
製商品名セロキサイド2021P(2021P)、油化
シェル社製商品名エピコート828(#828)〕に対
して、実施例2で得られた本発明のスルホニウム塩を3
重量%混和した後、ガラス板上に厚さ約30μmとなる
ように塗布し、高圧水銀灯(120W/cm)を備えた
紫外線照射装置を用い、表2に示す照射時間で紫外線照
射して硬化させ、硬化後の表面状態をアセトンラビング
法で試験し、実施例3と同様に評価した。結果を表2に
示す。
【0033】また、同様に、表2に示す市販のエポキシ
樹脂に実施例2で得られたスルホニウム塩を3重量%混
和した後、ガラス板上に厚さ約30μmとなるように塗
布し、100℃で60分、150℃で30分、及び20
0℃で30分の各条件で熱硬化を行い、硬化後の表面状
態をアセトンラビング法で試験して評価した。結果を表
2に示す。
【0034】更に、表2に示す市販のエポキシ樹脂に実
施例2で得られたスルホニウム塩を3重量%混和した
後、ガラス板上に厚さ約30μmとなるように塗布し、
上記と同様にして表2に示す照射時間で紫外線照射した
後、次いで150℃、30分の条件で熱硬化を行い、硬
化後の表面状態をアセトンラビング法で試験して評価し
た。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表1及び表2から明らかなように、本発明
のスルホニウム塩は、いずれのエポキシ樹脂に対しても
紫外線照射による優れた速硬化性を示すと共に、熱硬化
性にも優れている。更に、紫外線照射と熱硬化を併用し
た場合には、いずれのエポキシ樹脂においても、より優
れた硬化性(鉛筆硬度5H)が得られ、ガラスへの密着
性及び耐屈曲性(2mmφ)が共に良好であった。
【0037】ここで、一般式(1)においてPとQが連
結して炭素原子数4個のシクロアルキルを形成するスル
ホニウム塩の合成について述べたが、既に説明したよう
に、テトラヒドロチオフェンに代えてテトラヒドロチオ
ピラン及びジアルキルスルフィドを用いることにより、
同様にして容易に、一般式(1)においてPとQが連結
して炭素原子数5個のシクロアルキルを形成するスルホ
ニウム塩、及び、PとQがそれぞれ独立したアルキルで
あるスルホニウム塩を合成することができる。また、一
般式(1)において、このようにP及びQを代えた異な
るスルホニウム塩の重合活性は、それらが同一のR及び
- を有する場合にはほとんど等しいことも、フェナシ
ルスルホニウム塩における同様な比較実験の結果(Macr
omolecules, 16,864(1983))から容易に類推される。
【0038】また、ここでは、一般式(1)においてR
がチエニル基及びフルオレニル基であるスルホニウム塩
の合成について述べたが、その他の共役五員環及び縮合
多環化合物のアセチル誘導体を用いることにより、それ
ぞれをRとして有するスルホニウム塩を、既に述べた方
法で同様に合成することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明は、光カチオン重合開始剤として
の用途を有する新規なスルホニウム塩を提供するもので
あり、特にこれを光カチオン重合開始剤として用いた場
合には、従来より長波長域での重合活性が高く、例えば
エポキシ樹脂の硬化等に用いた場合に優れた速硬化性を
示す等の優れた性能を発揮するものであって、斯業に貢
献するところ大なる発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川里 浩信 神奈川県川崎市中原区井田3丁目35番1 号、新日本製鐵株式会社技術開発本部内 (72)発明者 藤城 光一 神奈川県川崎市中原区井田3丁目35番1 号、新日本製鐵株式会社技術開発本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、式中、Rは共役五員環、又は、共役五員環と1
    個以上のベンゼン環との縮合多環を示し、P及びQはそ
    れぞれ独立にアルキルを示すか、又は、PとQとSが連
    結して炭素原子数4個又は5個の環を形成し、X- は求
    核性の弱いルイス酸残基を示す)で示されるスルホニウ
    ム塩。
  2. 【請求項2】 光カチオン重合開始剤として少なくとも
    請求項1記載のスルホニウム塩を含有してなる感光性樹
    脂組成物。
JP9575298A 1997-04-09 1998-04-08 新規なスルホニウム塩及びこれを用いた感光性樹脂組成物 Withdrawn JPH10338688A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011040531A1 (ja) 2009-10-01 2011-04-07 日立化成工業株式会社 有機エレクトロニクス用材料、有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロルミネセンス素子、及びそれを用いた表示素子、照明装置、表示装置
WO2011132702A1 (ja) 2010-04-22 2011-10-27 日立化成工業株式会社 有機エレクトロニクス材料、重合開始剤及び熱重合開始剤、インク組成物、有機薄膜及びその製造方法、有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロルミネセンス素子、照明装置、表示素子、並びに表示装置
WO2014136900A1 (ja) 2013-03-08 2014-09-12 日立化成株式会社 イオン性化合物を含有する処理液、有機エレクトロニクス素子、及び有機エレクトロニクス素子の製造方法

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