JPH10334982A - グロメット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の配線部材の引き回し方向が異なる方向
に引き出し案内されたとしても、配線部材の引き回し方
向に沿ってグロメットを良好に撓みやすく追従するよう
に構成し、防塵性や防水性を良好に保つことにできるグ
ロメットを提供することを目的とする。 【解決手段】 パネルやケースなどの取付部材１に取付
固定されるグロメット３と、このグロメット３に水密を
保ちながら引き回し配設される複数の電気コードやケー
ブルなどの配線部材２とを備え、前記グロメット３から
一体に前記複数の配線部材２を取り巻き、かつ、隣り合
う前記配線部材２に対してそれぞれ互い違いとなるよう
に千鳥状にグロメット３の表裏面に向けて突き出し配設
された柔軟性を有する筒部６を備えたことを特徴とする
グロメット。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、外部雰囲気に晒さ
れやすい農耕機械、土木機械、オートバイなどの指示計
器のケースや回路基板などを収納するケースあるいは外
部雰囲気中に晒されるパネルなどの内外との間に複数の
電気コードやケーブルなどの配線部材を防塵、防水性を
保ちながら引き回し配設するようにしたグロメットの改
良構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、複数の電気コードやケーブルなど
の配線部材を水密に保ちながら引き回し配設するグロメ
ットの構造として、たとえば本願出願人は実開昭５９ー
１０２５７号公報や実開平１ー１７３９８６号公報など
で提案している。従来例のグロメットの取付構造の概要
を図３に示すと、そのグロメットの取付構造として一般
的にパネルやケースなどの取付部材Ｓには電気コードや
ケーブルなどからなる配線部材Ｃを引き出し案内するた
めの開口孔が設けられ、この開口孔にグロメットＧの外
周端縁に設けた環状凹部によるフランジ部分を嵌め込む
とともに、グロメットＧに設けた挿通孔Ｈに複数本の配
線部材Ｃを挿通して引き回し配設している。

【０００３】この場合、前記従来技術においては、複数
本の配線部材Ｃを引き回し配設する際、特にそれぞれの
配線部材Ｃの引き回し方向を揃えて引き回し配設したり
あるいは配線部材Ｃの引き回し方向がそれぞれ異なる方
向に引き出し案内したり、その使い勝手の問題で配線部
材Ｃの引き回し方向が変化することが予測される。

【０００４】また、特に近年では計器装置あるいは電気
回路製品の電気的な接続などのための実装密度が高まっ
ている傾向の中で、その外部を覆うケースや取付用のパ
ネルなども小型化あるいは薄型化し、結果として前記グ
ロメットＧに挿通配設される電気コードやケーブルなど
の配線部材Ｃの本数が増えれば増えるほど隣接する配線
部材Ｃの間隔も狭まってきていることが実情である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うに複数本の前記配線部材Ｃの引き回しの際に、その引
き回しの方向が異なって引き出されると、間隔が狭くな
っている複数の配線部材Ｃが挿通されているグロメット
Ｇが配線部材Ｃに加わる引っ張り力などの負荷によって
同体的に移動してしまい、結果としてグロメットＧに設
けた配線部材Ｃの挿通孔Ｈ箇所と配線部材Ｃとの間にお
いて隙間が生じてしまい、この隙間から水気や塵埃など
が浸入してしまうという問題を有していた。

【０００６】そこで本発明は、前記従来例の問題を解決
するものであって、複数の配線部材の引き回し方向が異
なる方向に引き出し案内されたとしても、配線部材の引
き回し方向に沿ってグロメットを良好に撓みやすく追従
するように構成し、防塵性や防水性を良好に保つことに
できるグロメットを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、パネ
ルやケースなどの取付部材に取付固定されるグロメット
と、このグロメットに水密を保ちながら引き回し配設さ
れる複数の電気コードやケーブルなどの配線部材とを備
え、前記グロメットから一体に前記複数の配線部材を取
り巻き、かつ、隣り合う前記配線部材に対してそれぞれ
互い違いとなるように千鳥状にグロメットの表裏面に向
けて突き出し配設された柔軟性を有する筒部を備えたこ
とを特徴とするグロメットである。また請求項２の発明
は、前記請求項１において、前記筒部の内面部分に前記
配線部材との間を水密に保つ環状リブを設けたことを特
徴とするグロメットである。

【０００８】

【発明の実施の形態】前記請求項１の構成によって、電
気コードやケーブルなどの配線部材を引き回し案内する
向きが各配線部材によって異なったとしても、それぞれ
の配線部材を取り巻いて配設された柔軟性の筒部によっ
て独立して良好に撓み、かつ、隣接する配線部材の間隔
も狭まったとしても、隣り合う前記配線部材に対してそ
れぞれ互い違いとなるように千鳥状にグロメットの表裏
面に向けて筒部を突き出し配設したことにより、密接す
ることなく筒部を突き出し形成でき、この筒部を配線部
材の引き出し方向に沿わせて良好に撓みを持たせつつ引
き出し案内することができる。また前記請求項２の構成
によって、前記筒部の内面部分に設けた環状リブによっ
て前記配線部材と環状リブとの間の緊密度を高めること
ができ、グロメットと配線部材との間を水密に保つこと
が可能となる。

【０００９】

【実施例】以下本発明の実施例を添付図面に基づいて説
明する。図１および図２は本発明の一実施例を示すもの
であり、たとえば車輌用の計器装置に用いられる計器ケ
ースからなる取付部材１の内部には、図示しないが速度
計，エンジン回転計，燃料計，水温計などの車輌運転状
況を指示する電気式の計器類やその計器類を駆動するた
めの回路基板などが収納されており、計器ケースからな
る取付部材１の内部側から外部に向けて複数の配線コー
ドからなる配線部材２が引き回し配設され、この配線部
材２を図示しない車載のバッテリ側へと電気的に接続し
ており、取付部材１と配線部材２との間は防塵性や防水
性を保つためのグロメット３を取付固定して前記配線部
材２を引き出し案内するように構成している。

【００１０】またケースやパネルなどの取付部材１には
開口孔１Ａが設けられ、この開口孔１Ａに前記グロメッ
ト３の外周端縁に設けた環状凹部によるフランジ４部分
が取付固定されており、このグロメット３には、グロメ
ット３の基部側に前記複数の電気コードなどからなる配
線部材２を挿通する挿通孔５が設けられ、このグロメッ
ト３の基部側から一体に前記複数の配線部材２をそれぞ
れ取り巻き、かつ、隣り合う前記配線部材２に対してそ
れぞれ互い違いとなるように千鳥状にグロメット３の表
裏面に向けて柔軟性を有する筒部６が突き出し配設され
ている。

【００１１】またこの実施例では、グロメット３の筒部
６の内面部分、特に筒部６の先端側の内周面箇所には前
記配線部材２との間において防塵性あるいは防水性を保
つための環状リブ７が突設されて全体のグロメット３を
構成している。

【００１２】従って、グロメット３から引き回し配設さ
れる複数の配線部材２は、それぞれの配線部材２を柔軟
性を有する筒部６のよって覆われているため、それぞれ
の配線部材２を撓ませながら引き出し案内する際に、そ
の配線部材２の一つ一つが筒部６とともに独立して引き
回し方向に沿って柔軟に撓みつつ引き出されるものであ
り、これにより防塵，防水性を良好にして配線部材２を
引き出し案内することができる。

【００１３】また前述したように、筒部６の先端側内周
面箇所に突設された環状リブ７によって、前記配線部材
２とグロメット３の筒部６との間をさらに水密に保つこ
とができるものであり、また前記グロメット３に挿通配
設される複数の電気コードやケーブルなどの配線部材２
の本数が増えれば増えるほど隣接する配線部材Ｃの間隔
も狭まってしまうが、隣り合う配線部材２に対してそれ
ぞれ互い違いとなるように千鳥状にグロメット３の表裏
面に向けて柔軟性を有する筒部６を突き出し配設するこ
とにより、グロメット３から一体に設けられる筒部６同
志が干渉することなく金型によって成形でき、これによ
り実装密度の高い配線処理を行うことができる。

【００１４】なお、上述した実施例では、グロメット３
の筒部６の全てを、隣り合う配線部材２に対してそれぞ
れ互い違いとなるように千鳥状にグロメット３の基部側
から表裏面に向けて突き出し配設していたが、配線部材
２の間隔が狭い箇所のみをグロメット３から表裏面に向
けて千鳥状に突き出し形成するようにしてもよいもので
あり、配線部材２の線径や柔軟度合いなどの要因によっ
て筒部６の長さの設定あるいは柔軟性の度合いや筒部６
の肉厚寸法などは適宜設定すればよい。

【００１５】

【発明の効果】以上詳述したように、請求項１の発明
は、パネルやケースなどの取付部材に取付固定されるグ
ロメットと、このグロメットに水密を保ちながら引き回
し配設される複数の電気コードやケーブルなどの配線部
材とを備え、前記グロメットから一体に前記複数の配線
部材を取り巻き、かつ、隣り合う前記配線部材に対して
それぞれ互い違いとなるように千鳥状にグロメットの表
裏面に向けて突き出し配設された柔軟性を有する筒部を
備えてグロメットを構成することにより、電気コードや
ケーブルなどの配線部材を引き回し案内する向きが各配
線部材によって異なったとしても、それぞれの配線部材
を取り巻いて配設された柔軟性の筒部によって独立して
良好に撓み、かつ、隣接する配線部材の間隔も狭まった
としても、隣り合う前記配線部材に対してそれぞれ互い
違いとなるように千鳥状にグロメットの表裏面に向けて
筒部を突き出し配設したことにより、密接することなく
筒部を突き出し形成でき、この筒部を配線部材の引き出
し方向に沿わせて良好に撓みを持たせつつ引き出し案内
することができる。また請求項２の発明は、前記請求項
１において、前記筒部の内面部分に前記配線部材との間
を水密に保つための環状リブを設けてグロメットを構成
することにより、筒部の内面部分に設けた環状リブによ
って配線部材と環状リブとの間の緊密度を高めることが
でき、グロメットと配線部材との間をさらに水密に保つ
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例であるグロメットと配線部材の
引き回し構造を示す要部の断面図である。

【図２】図２は図１のグロメット構造を示した正面図で
ある。

【図３】図３は従来例のグロメットと配線部材との引き
回し構造を示す要部の断面図である。

【符号の説明】

１ 取付部材 ２ 配線部材 ３ グロメット ４ フランジ ５ 挿通孔 ６ 筒部 ７ 環状リブ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネルやケースなどの取付部材に取付固
   定されるグロメットと、このグロメットに水密を保ちな
   がら引き回し配設される複数の電気コードやケーブルな
   どの配線部材とを備え、前記グロメットから一体に前記
   複数の配線部材を取り巻き、かつ、隣り合う前記配線部
   材に対してそれぞれ互い違いとなるように千鳥状にグロ
   メットの表裏面に向けて突き出し配設された柔軟性を有
   する筒部を備えたことを特徴とするグロメット。
2. 【請求項２】 前記筒部の内面部分に前記配線部材との
   間を水密に保つ環状リブを設けたことを特徴とする請求
   項１に記載のグロメット。