JPH10325812A - コンパクトプローブ及び斜め入射測定用コンパクトプローブ - Google Patents

コンパクトプローブ及び斜め入射測定用コンパクトプローブ

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JPH10325812A
JPH10325812A JP22703797A JP22703797A JPH10325812A JP H10325812 A JPH10325812 A JP H10325812A JP 22703797 A JP22703797 A JP 22703797A JP 22703797 A JP22703797 A JP 22703797A JP H10325812 A JPH10325812 A JP H10325812A
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宏之 新井
Manabu Teranishi
学 寺西
Makoto Ishikura
誠 石倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構造でもって精度良く電波吸収特性を
求めることができるコンパクトプローブを提供すること 【解決手段】 導電性帯板11を所定間隔をおいて平行
に配置し、その終端側にはスライダ12を介在させて両
帯板同士を短絡させる。帯板の先端部11aは、所定の
テーパ角で先端側の間隔が広くなるようにする。一方の
板部材に同軸コネクタ15を設け、その同軸コネクタに
接続された給電ピン15aの先端を他方の板部材に半田
付けして接続する。テーパ角は45度にすることにより
電波を最大放射させ、給電ピンとスライダとの距離を測
定中心周波数の波長の1/4にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトプロー
ブ及び斜め入射測定用コンパクトプローブに関するもの
で、より具体的には、電波吸収体の垂直入射及びまたは
斜め入射に対する吸収特性を測定する際に使用されるプ
ローブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電波吸収体の吸収特性を行う場合
には、同軸管や導波管を用いて行う方法がある。すなわ
ち、導波管等の内面に符合する形状に加工した測定対象
の試料を装着する。そして、導波管等から試料に対して
電波を放射し、その反射波を受信し反射損失を測定する
ものである。
【0003】また、実際に使用する電波吸収体(パネ
ル)をオープンサイト内に設置し、電波吸収体に向けて
電波を放射し、その反射波をアンテナを用いて測定し空
間定在波法やタイムドメイン法を用いて測定するものも
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たいずれの方法も以下に示す問題を有し、一長一短であ
る。まず前者の同軸管等の場合には、管内に電波吸収体
を挿入することから、所定の寸法形状に加工しなければ
ならない。そして、例えばTVゴースト対策用の電波吸
収体などの建造物の外壁や内壁に設置される電波吸収体
のパネルは、1辺が数mというような寸法となり、係る
パネルの大きさは導波管等の大きさに比べて遥かに大き
くなる。よって、その様に実際に使用する際の大きさ
と、測定する試料の大きさが大きく異なるので、必ずし
もパネルの特性を測定しているとはいいがたい。しか
も、導波管等の内部に試料を装着した際に、係る管の内
周面と試料が隙間なく密着していないと、試料のみの特
性ではなく、その試料と管の内周面間に存在する隙間内
の空間(空気)と試料を合わせた全体の反射損失を求め
ていることになる。つまり、幾ら高性能に測定しても、
試料の加工精度が低いと最終的な測定精度は低下する。
その結果、非常に高精度に試料を加工しなければなら
ず、処理が煩雑で加工に時間も要する。
【0005】一方、後者のアンテナを用いたものでは、
パネルをオープンサイト上に設置することから、周囲に
何もない非常に広い空間が必要となり、簡単に実験を行
うことはできない。また、設備が大掛かりなものとな
り、装置が大型化しコスト高となる。
【0006】また、測定対象物に対して斜めに入射した
電波の影響を測定する場合には、上記した同軸間や導波
管を用いた測定はできず、オープンサイトを利用した方
法を採らなければならない。しかも斜め入射させるため
には、上記した垂直入射のものに比べると、さらに大き
な空間が必要となり、上記問題がより顕著となる。
【0007】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、簡易な構造でもって精度良く電波吸収特性を求める
ことができ、しかも、実際の使用する態様・大きさのま
ま測定することができ、試料の加工が不要で係る処理が
簡単に行うことができ、しかも、小さい測定空間で処理
をすることができるコンパクトプローブを提供すること
にある。さらに、斜め入射特性を小型かつ簡易な装置で
測定することができる斜め入射測定用コンパクトプロー
ブを提供することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係るコンパクトプローブでは、導電性の
帯状の板部材(実施の形態では、「導電性帯板」に対
応)を所定間隔をおいて平行に配置するとともに、その
終端側にはショート部材(実施の形態では、「スライ
ダ」に対応)を介在させて前記両板部材同士を短絡させ
る。前記板部材の先端部は、所定のテーパ角で先端側の
間隔が広くなるように構成される。前記一方の板部材に
同軸コネクタを設けるとともに、その同軸コネクタに接
続された給電ピンの先端を他方の板部材に電気的に接続
するように構成した(請求項1)。
【0009】給電ピンから発せられた電波は、板部材間
の空間を長手方向に進むが、ショート部材側は終端であ
るので、結局先端部から放射される。そこで、先端部を
測定対象物に絶縁状態で接触(近接)させると、先端部
から放射される電波が直に測定対象物に照射される。そ
して、その測定対象物で反射された電波はそのまま先端
部から給電ピンに向けて伝播し給電ピンに受波される。
すなわち、先端部を測定対象物に接触させるだけである
ので、測定対象物を所定の寸法形状に加工する必要はな
く、また、オープンサイトも必要がなく小型かつ簡易に
測定できる。また、テーパ角を適宜に設定することによ
り、電波を最大放射することができ、しかも負荷との整
合がとれる。同軸コネクタは、板部材ひいてはショート
部材と導通状態となっているので、測定時に同軸コネク
タに装着した同軸ケーブルは同軸コネクタを介して板部
材・ショート部材と導通されて整合がとられる。また、
給電ピンとショート部材(終端)との距離は、好ましく
は測定中心周波数の波長の1/4になるように設定する
ことである。
【0010】前記ショート部材が給電ピンに対して前後
進移動可能に設けられ、前記給電ピンからショート部材
までの距離を変更可能とすると好ましい(請求項2)。
すなわち、上記したように給電ピンとショート部材との
距離を測定中心周波数の波長の1/4になるようにする
と最も整合がとれる。したがって、測定周波数に応じて
調整可能となり、広範囲の周波数帯域に対応可能とな
る。
【0011】前記先端部は、板部材の本体に対して回転
自在に接続され、前記テーパ角を変更可能としてもよい
(請求項3)。すなわち、テーパ角を調整することによ
り負荷との整合をとることができ、また、電波の放射量
を調整できる。
【0012】また、前記両板部材間に形成される空間内
の少なくとも給電ピンより先端側を、空気よりも高い誘
電率の部材を配置するようにしてもよい(請求項4)。
その様にすると、誘電体等の高い誘電率の部材の中を進
む電波は、見かけ上波長が小さくなり小型化ができる。
【0013】前記先端部の少なくとも測定対象物に接触
する部分に弾性体を設けると好ましく、その場合の弾性
体としては、導電性としてもよく(請求項5)、或い
は、絶縁性としてもよい(請求項6)。すなわち、高精
度な測定を行うためには、先端部を密着させる必要があ
る。そこで、弾性体を設けると、測定対象物の表面に凹
凸などがあっても密着させることができ、高精度な測定
が可能となる。そして、導電性とした場合には、導電性
の板部材と同様の機能を発揮する。また、絶縁性とした
場合には、通常測定時に先端部と測定対象物との間に絶
縁物を介在させるため、係る絶縁物の機能を兼用させる
ことができるので、絶縁性の弾性体を直接測定対象物の
表面に接触・密着させることができ、作業性が向上す
る。さらに本発明で言う弾性体は、密着させることが目
的であるので、弾性変形すればよく、ばね等のように弾
性復元力を必ずしも有していなくてもよい。
【0014】本発明に係る斜め入射測定用コンパクトプ
ローブでは、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコン
パクトプローブを2個用い、一方のコンパクトプローブ
を送信用プローブとし、他方のコンパクトプローブを受
信用プローブとして使う。そして、前記送信用プローブ
と受信用プローブは、測定対象物の法線に対して線対称
で所定角度傾斜配置するとともに、その先端部を前記測
定対象物の表面から所定距離だけ離して配置するように
した(請求項7)。
【0015】最終的な配置・形状が請求項7のようにな
っていれば、必ずしも2個の分離したプローブを用いる
必要はなく、全部或いは一部が一体化したものでもよ
い。すなわち、例えば両プローブを構成する1つの板部
材同士を一体的に製造し、その一体化した板部材の両側
にそれぞれ別の板部材を所定の間隔をおいて取り付ける
ことにより、結果として2個のプローブを製造するよう
にしたものでもよい。
【0016】そして、好ましくは前記先端部は、先端先
細り状に形成することである(請求項8)。さらに、前
記両プローブの隣接する先端部同士を接触させるとよい
(請求項9)。この時、接触していれば、分離可能であ
っても、分離不能に一体化されたものでもよい。
【0017】さらには、前記先端部と前記測定対象物と
の間に、周囲の雰囲気の誘電率とほぼ等しい材質からな
る調整部材を介在させ、その調整部材の両面に前記先端
部と前記測定対象物を接触させるようにしてもよい(請
求項10)。このようにすると、先端部と測定対象物と
の間の距離を所望の距離に容易に設定できる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1,図2は、本発明に係るコン
パクトプローブの一実施の形態を示している。同図に示
すように、コンパクトプローブ10は、平行平板構造の
2枚の導電性帯板11,11を所定の間隔をおいて配置
し、それら2枚の導電性帯板11,11の一端(終端)
に、ショート部材たるスライダ12を介在させている。
導電性帯板11,11は、本例ではアルミを用いて形成
している。さらに、スライダ12も導電性材料からな
り、このスライダ12を介して両導電性帯板11,11
が終端でショートするようになっている。
【0019】また、導電性帯板11,11の所定位置に
は、ボルト13を挿入する孔部が形成されている。さら
にスライダ12にも長手方向に延びるようにして長孔が
形成されている。これにより、それら孔部及び長孔にボ
ルト13を挿入するとともに、ナットで締結することに
より、両導電性帯板11,11及びスライダ12は、挟
み込まれた状態で両側から圧力を受けるため、所定の位
置関係で固定される。そして、ボルト・ナットを緩める
(取り外しはしない)と、スライダ12が長孔に案内さ
れて長手方向に相対移動(導電性帯板11に対して)で
きるように構成している。
【0020】導電性帯板11は、スライダ12と反対側
の先端が開放されており、その先端部11aは先端に行
くにしたがって、間隔が広がるように所定のテーパ角
(広がり角度)θで傾斜配置されている。そして、導電
性帯板11の本体部分と、先端部11aは、回転軸11
bにて連結され、テーパ角θを自由に調整できるように
なっている。
【0021】さらに、一方の導電性帯板11には、同軸
コネクタ15が取り付けられ、その同軸コネクタ15の
内部導体である給電ピン15aが、反対側の導電性帯板
11に接触され短絡される。この給電ピン15aの先端
と導電性帯板11との接触部は、容易に離反しないよう
に、例えば半田付けなどにより電気的・機械的に強固に
接続している。そして、この給電ピン15aと、終端で
あるスライダ12との距離Lは、測定中心周波数の波長
の1/4になるように調整すると、最も感度が良くな
る。すなわち、本形態では、そのように測定波長に応じ
て最適な環境を得るため、スライダ12を移動可能にし
ている。よって、そのように最適な環境を得られなくて
も良い場合には、固定式としてももちろん良い。
【0022】また、先端開放部位での離反距離をA、先
端部11a(導電性帯板11)の幅をB、導電性帯板1
1,11間の間隔をbとした場合に、結線部(同軸コネ
クタ15)のインピーダンスZを50Ωとし、先端部1
1aのインピーダンスZ0 が、 Z=(b/A)・Z0 となるように設定し、さらに、空間のインピーダンスと
の整合を採るために、 A=B になるように調整している。しかも最大放射させるため
にテーパ角θは45度になるようにしている。
【0023】図3は、上記した構成のコンパクトプロー
ブ10を用いて反射特性を測定する装置構成を示してい
る。同図に示すように、コンパクトプローブ10の同軸
コネクタ15に同軸ケーブル18の一端を接続し、その
同軸ケーブル18の他端をベクトルネットワークアナラ
イザ19に接続する。そして、ベクトルネットワークア
ナライザ19内のタイムドメイン機能を使って測定す
る。
【0024】測定を行うには、図示するように、測定対
象(図示の例では、金属板20の上に電波吸収体21を
貼り合わたもの)の表面に、先端部11aを接触させ
る。この時、両導電性帯板11,11の先端部11a,
11aがともに測定対象面に線接触するようにセットす
る。この時、その測定対象の表面を介して両先端部11
a,11aが短絡するのを防止するため、実際には、先
端部11aと測定対象物の表面との間には、絶縁性シー
ト(例えば「紙」)を介在させる。
【0025】この状態で、給電ピン15aから電力を供
給すると、両導電性帯板11,11が一種の導波管とし
て機能し、両者11,11間の空間内を先端部11a側
に向けて電波が進み、測定対象物である電波吸収体21
に直接放射される。そして、電波吸収体21で反射され
た反射波が上記と逆の経路を通って給電ピン15aに至
り、ベクトルネットワークアナライザ19に伝送され
る。このようにアナライザ19に戻ってくる電波は、上
記したように測定対象物(電波吸収体21)の表面で反
射されてきた正規のものに限られず、終端部での反射
や、途中で反射して戻ってきたものも含まれている。
【0026】そこで、ベクトルネットワークアナライザ
19では、まず、与えられた信号をフーリエ逆変換をし
て時間領域に変更する。電波の速度並びに給電ピン15
aから先端部11a(測定対象物)までの距離が既知で
あるので、測定用の電波を発してから正規の反射波が戻
ってくるまでにかかる時間も一義的に決まる。そこで、
その時間に一定のマージンをかけた時間領域だけ通過す
るゲートを設け、不要な波を除去する。この後、周波数
領域にフーリエ変換することで測定対象物からの反射波
のみの周波数−反射損失(リターンロス)特性を抽出す
ることができる。
【0027】*実験結果 本発明品を用いて正しく反射特性を測定できることを実
証するため、以下に示す実験を行った。両導電性帯板1
1,11間の間隔bを4[mm]、給電ピン15aから
先端部11aの回転中心(回転軸11b)までの距離を
100[mm]、先端部11aの長さを20[mm]、
テーパ角θを45度とし、2.3[GHz]と4[GH
z]付近でそれぞれ吸収特性がある電波吸収体について
の反射損失を求めた。なお、給電ピン15aと終端部ま
での距離Lはλ/4となるように調整した。
【0028】まず、4[GHz]付近に吸収特性を有す
る電波吸収体について実験を行った。上記したようにま
ずフーリエ逆変換を行い、金属板のみの場合と金属板の
上に電波吸収体を貼り合わせたものについてそれぞれ時
間に対する電界強度の特性を求めた。これにより、図4
に示すような時間に対する電界強度の特性が求められ
る。なお、図中破線は測定対象物が金属板のみの場合で
あり、同図中実施線が、図3に示すように金属板の上に
電波吸収体を重ねたものについての特性図である。
【0029】次に、図4に示す特性から不要な波を除去
すべく、545[ps]〜800[ps]の範囲のみ通
過するゲートをかけた。これにより、図4の特性図は、
図5のように一定の時間領域のみピークが抽出された図
となる。もちろん実線及び破線の意味は図4のものと同
様である。
【0030】この図5に示す特性から周波数領域に対し
てフーリエ変換して反射の周波数特性を求める。そし
て、金属板単体のものと電波吸収体のレベルの差をとる
ことにより、図6中実線で示すような周波数に対する反
射損失が求められた。図から明らかなように、4[GH
z]の周囲で電波吸収されていることが確認でき、正し
く測定できていることが確認できる。さらに、同一の電
波吸収体を所定形状に加工し、従来法である同軸管を用
いて反射損失の測定を行った。その結果、図6中破線で
示すような特性が得られ、本発明に係るコンパクトプロ
ーブ10を用いた測定結果とほぼ一致していることが確
認できた。
【0031】同様に、試料を2.3[GHz]付近に吸
収特性を有する電波吸収体に替えて同様の実験を行った
ところ、最終的な周波数に対する反射損失は図7に示す
ような結果が得られた。同図から明らかなように、本発
明方法による結果(実線)と、同軸管による測定結果
(破線)はほぼ一致した特性が得られることが確認でき
た。
【0032】図8は、同一の試料に対しテーパ角θを変
えて測定した結果を示している。同図から明らかなよう
に、実線で示すテーパ角45度のものが最も感度が高く
なり、破線で示す30度のものや一点鎖線で示す60度
のものは45度よりは感度が悪くなる。但し、いずれの
場合もピーク時で20dB以上であり、十分使用に耐え
られるものである。
【0033】図9は、本発明に係るコンパクトプローブ
の変形例を示している。同図に示すように、導電性帯板
11の先端部11aの先端に、弾性体25を装着してい
る。このように弾性体を設けたことにより、仮に測定対
象の表面に凹凸などがあっても、密着させることがで
き、高感度な測定ができる。この弾性体25としては、
例えば、導電性ゴムのように導電性の弾性体を用いるこ
とができる。このように導電性の弾性体を用いた場合に
は、弾性体25も図1に示す実施の形態における先端部
の一部として作用する。
【0034】また、逆に導電性を有しない通常のゴムや
スポンジ等を用いても良い。すなわち、上記した測定方
法で説明したように、先端部11aと測定対象物の表面
との間に絶縁性シートを設けている。そこで、係る絶縁
性シートの替わりに絶縁性の弾性体を取り付けることに
より、先端部11aと測定対象物とが直接接触して短絡
しないようにしている。つまり、絶縁シートを介在させ
る手間がなくなり、操作性が良好となる。しかも、弾性
体であるので、測定対象部の表面形状に関係なく密着さ
せることができる。
【0035】なお、上記した例ではいずれも両導電性帯
板11,11間は、開放させられて空気が存在している
が、本発明はこれに限ることはなく、例えば図10に示
すように、誘電体26等の空気よりも誘電率の高い材質
を介在させるようにしても良い。そのようにすると、よ
り小型化が図れ、また同一の寸法形状であれば、より低
い周波数領域の特性が行えるようになる。
【0036】図11は、本発明に係る斜め入射測定用コ
ンパクトプローブの一実施の形態を示している。同図に
示すように、本形態では、上記した図1に示すようなコ
ンパクトプローブを2個用意し、一方のコンパクトプロ
ーブを送信用プローブ10aとし、他方のコンパクトプ
ローブを受信用プローブ10bとする。この時使用する
両プローブ10a,10bは、同一の寸法形状のものを
用いている。
【0037】そして、個々の形態は、図1と比較すると
わかるように、基本的に同一である(対応する部材には
同一符号を付している)が、導電性帯板11の先端部1
1a′の形状を先端先細り状にしている点で異なる。具
体的には、導電性帯板11の先端部11aは、所定角度
範囲(本形態では0度から180度)で回転可能となっ
ており、所定の角度θで先端が開くように形成され、そ
の広がり角度θは、例えば45度にすると電波が最大放
射されるので好ましい。そして、スライダ12の位置を
調整することにより、給電ピンとショート部(スライダ
12の給電部側端面)までの距離を測定中心周波数の1
/4になるように設定する。
【0038】また、先端開放部位での離反距離をA、先
端部11a(導電性帯板11)の幅をB、導電性帯板1
1,11間の間隔をbとした場合に、結線部(同軸コネ
クタ15)のインピーダンスZを50Ωとし、先端部1
1a′のインピーダンスZ0が、 Z=(b/A)・Z0 となるように設定し、さらに、空間のインピーダンスと
の整合を採るために、 A=B になる(開口面が正方形)ように調整している。しかも
最大放射させるためにテーパ角θは45度になるように
している。係る点でも、上記した垂直入射特性を測定す
るための単体のコンパクトプローブと同様である。
【0039】そして、両プローブ10a,10bは、測
定対象物30の法線に対して線対称で所定角度αだけ傾
斜配置するとともに、その先端部11a′を測定対象物
30の表面から所定距離だけ離して配置している。しか
も、両プローブ10a,10bの隣接する先端部11
a′同士は接触させている。
【0040】そして、上記の構成において実際に斜め入
射の特性を測定する場合には、例えば両プローブ10
a,10bを同軸ケーブル18を介して図外のベクトル
ネットワークアナライザに接続し、送信用プローブ10
aから所定の電波を放射し、タイムドメイン法を用いて
前記電波の放射から一定時間経過後に受信用プローブ1
0bに受信された電波(反射波)のみを抽出するように
している。
【0041】*実験結果 本発明品を用いて正しく反射特性を測定できることを実
証するため、以下に示す実験を行った。両導電性帯板1
1,11間の間隔bを4[mm]、給電ピン15aから
先端部11aの回転中心(回転軸11b)までの距離を
100[mm]、先端部11aの長さを50[mm]、
テーパ角θを45度とし、各プローブの傾斜角度(入射
角)αは20度とした。金属板20の上面に4[GH
z]付近に吸収特性を有する電波吸収体21を張り合わ
せたプレートを測定対象物30とし、その電波吸収体2
1についての反射損失を求めた。なお、給電ピン15a
と終端部までの距離Lはλ/4となるように調整した。
【0042】まず、上記した垂直入射の時と同様にフー
リエ逆変換を行い、金属板のみの場合と金属板の上に電
波吸収体を貼り合わせたものについてそれぞれ時間に対
する電界強度の特性を求めた。これにより、図12に示
すような時間に対する電界強度の特性が求められる。な
お、図中破線は測定対象物が金属板のみの場合であり、
同図中実施線が、図11に示すように金属板20の上に
電波吸収体21を重ねたものについての特性図である。
【0043】次に、図12に示す特性から不要な波を除
去すべく200〜500の範囲のみ通過するゲートをか
けて得られた特性から周波数領域に対してフーリエ変換
して反射の周波数特性を求める。そして、金属板単体の
ものと電波吸収体のレベルの差をとることにより、図1
3中実線で示すような周波数に対する反射損失が求めら
れた。図から明らかなように、4[GHz]の周囲で電
波吸収されていることが確認でき、正しく測定できてい
ることが確認できる。さらに、同一の電波吸収体を所定
形状に加工し、同軸管測定法で材料定数を測定しそれか
ら反射特性を算出すると、図13中破線で示すような特
性(理論値)が得られ、本発明に係るコンパクトプロー
ブを用いた測定結果と最大損失レベルがほぼ一致してい
ることが確認できた。
【0044】また、入射角αを変えて上記と同様の実験
を行い、測定結果(反射損失の実測値と理論値)を求め
た。その結果、図14〜図16に示すような結果が得ら
れ(実線が測定値で波線が理論値)、いずれの角度であ
ってもほぼ理論値通りの結果が得られた。
【0045】図17は、本発明の別の実施の形態を示し
ている。同図に示すように、本形態では、プローブ10
a,10bの先端と測定対象物30の間に調整部材31
を挿入している。この調整部材31は、誘電率εが空気
(1)に近く、絶縁性のあるものが好ましい。これによ
り、係る調整部材31を測定対象物30の上面においた
状態でプローブの先端部11aを調整部材31の表面に
接触されることにより、所望の間隔が得られるので、操
作性が良好となる。
【0046】また、上記した実施の形態では、先端部1
1a′が先端先細り状のものを用いたが、上記した図1
のものと同様に、矩形状となっていてもよい。但し、そ
の場合に測定対象物30との離反距離は、図18に示す
ように先端部11aの下端からの距離Lが所望の距離に
なるように設定する必要がある。
【0047】さらにまた、図示省略するが、上記した垂
直入射で用いた各プローブをそのまま斜め入射用の送信
・受信プローブとして用いることができるのはもちろん
である(例えば、導電性帯板11,11間に誘電体を介
在させて小型化を図るなど)。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るコンパクト
プローブでは、簡易な構造でもって精度良く垂直入射並
びに斜め入射のいずれの電波吸収特性を求めることがで
きる。しかも、プローブの先端部を測定対象物に接触さ
せればよいので、実際に使用する態様・大きさのまま測
定することができ、試料の加工が不要で係る処理が簡単
に行うことができる。しかも、直接電波を放射し、反射
波を受けるので、オープンサイトにする必要がなく小さ
い測定空間で処理をすることができる。その結果、例え
ば既設の建造物等に対する測定も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンパクトプローブの好適な一実
施の形態を示す図である。
【図2】その先端部分を示す図である。
【図3】測定装置全体を示す外観図である。
【図4】実験結果を示す図である。
【図5】実験結果を示す図である。
【図6】実験結果を示す図である。
【図7】実験結果を示す図である。
【図8】実験結果を示す図である。
【図9】本発明に係るコンパクトプローブの好適な他の
実施の形態の要部を示す図である。
【図10】本発明に係るコンパクトプローブの好適な他
の実施の形態を示す図である。
【図11】本発明に係る斜め入射測定用コンパクトプロ
ーブの好適な一実施の形態を示す図である。
【図12】実験結果を示す図である。
【図13】実験結果を示す図である。
【図14】実験結果を示す図である。
【図15】実験結果を示す図である。
【図16】実験結果を示す図である。
【図17】本発明に係るコンパクトプローブの好適な他
の実施の形態の要部を示す図である。
【図18】本発明に係るコンパクトプローブの好適なさ
らに他の実施の形態の要部を示す図である。
【符号の説明】
10 コンパクトプローブ 10a 送信プローブ 10b 受信プローブ 11 導電性帯板 11a,11a′ 先端部 11b 回転軸 12 スライダ(ショート部材) 15 同軸コネクタ 15a 給電ピン 20 金属板(測定対象物) 21 電波吸収体(測定対象物) 25 弾性体 26 誘電体 30 測定対象物 31 調整部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石倉 誠 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の帯状の板部材(11)を所定間
    隔をおいて平行に配置するとともに、その終端側にはシ
    ョート部材(12)を介在させて前記両板部材同士を短
    絡させ、 前記板部材の先端部(11a)は、所定のテーパ角で先
    端側の間隔が広くなるように構成され、 前記一方の板部材に同軸コネクタ(15)を設けるとと
    もに、その同軸コネクタに接続された給電ピン(15
    a)の先端を他方の板部材に電気的に接続するように構
    成したことを特徴とするコンパクトプローブ。
  2. 【請求項2】 前記ショート部材が給電ピンに対して前
    後進移動可能に設けられ、前記給電ピンからショート部
    材までの距離を変更可能としたことを特徴とする請求項
    1に記載のコンパクトプローブ。
  3. 【請求項3】 前記先端部は、板部材の本体に対して回
    転自在に接続され、前記テーパ角を変更可能としたこと
    を特徴とする請求項1または2に記載のコンパクトプロ
    ーブ。
  4. 【請求項4】 前記両板部材間に形成される空間内の少
    なくとも給電ピンより先端側を、空気よりも高い誘電率
    の部材(26)を配置したことを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載のコンパクトプローブ。
  5. 【請求項5】 前記先端部の少なくとも測定対象物に接
    触する部分に導電性の弾性体を設けたことを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンパクトプロー
    ブ。
  6. 【請求項6】 前記先端部の少なくとも測定対象物に接
    触する部分に絶縁性の弾性体を設けたことを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンパクトプロー
    ブ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のコ
    ンパクトプローブを2個用いるとともに、一方のコンパ
    クトプローブを送信用プローブ(10a)とし、他方の
    コンパクトプローブを受信用プローブ(10b)とし、 前記送信用プローブと受信用プローブは、測定対象物
    (30)の法線に対して線対称で所定角度傾斜配置する
    とともに、その先端部を前記測定対象物の表面から所定
    距離だけ離して配置するようにしたことを特徴とする斜
    め入射測定用コンパクトプローブ。
  8. 【請求項8】 前記先端部は、先端先細り状にしたこと
    を特徴とする請求項7に記載の斜め入射測定用コンパク
    トプローブ。
  9. 【請求項9】 前記両プローブの隣接する先端部同士を
    接触させたことを特徴とする請求項7から8のいずれか
    1項に記載の斜め入射測定用コンパクトプローブ。
  10. 【請求項10】 前記先端部と前記測定対象物との間
    に、周囲の雰囲気の誘電率とほぼ等しい材質からなる調
    整部材(31)を介在させ、その調整部材の両面に前記
    先端部と前記測定対象物を接触させるようにしたことを
    特徴とする斜め入射測定用コンパクトプローブ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005332994A (ja) * 2004-05-20 2005-12-02 Kyocera Corp 電波吸収体の特性評価方法および特性評価装置
CN115236144A (zh) * 2022-07-22 2022-10-25 北京芯宸科技有限公司 一种用于液体介电常数测量的单端探头校准的短路装置

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