JPH10323379A - 輸液容器及びその製造方法 - Google Patents

輸液容器及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10323379A
JPH10323379A JP9303065A JP30306597A JPH10323379A JP H10323379 A JPH10323379 A JP H10323379A JP 9303065 A JP9303065 A JP 9303065A JP 30306597 A JP30306597 A JP 30306597A JP H10323379 A JPH10323379 A JP H10323379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
infusion
thin film
neck
isolation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9303065A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3961646B2 (ja
Inventor
Nihe Kuroda
仁兵衛 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuso Pharmaceutical Industries Ltd
Original Assignee
Fuso Pharmaceutical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuso Pharmaceutical Industries Ltd filed Critical Fuso Pharmaceutical Industries Ltd
Priority to JP30306597A priority Critical patent/JP3961646B2/ja
Publication of JPH10323379A publication Critical patent/JPH10323379A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3961646B2 publication Critical patent/JP3961646B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D81/00Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents
    • B65D81/32Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents for packaging two or more different materials which must be maintained separate prior to use in admixture
    • B65D81/3205Separate rigid or semi-rigid containers joined to each other at their external surfaces
    • B65D81/3211Separate rigid or semi-rigid containers joined to each other at their external surfaces coaxially and provided with means facilitating admixture

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Package Specialized In Special Use (AREA)
  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)
  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解剤を収容する容器本体部の口部が、溶解
剤と混合して用いられる固形粉末剤や両頭針を収容する
小容器の底面部で密閉された輸液容器は、製造段階で本
体部と小容器とが組み合わされたときに、本体部側に収
容されている溶解剤が小容器の底面で汚染される可能性
があるため、この問題を解決する輸液容器を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなる容器本体14,1
6内に隔離用刺針部薄膜16bを一体的に設けることに
より、容器本体内に、溶解剤20を収容した第1収容空
間2と、固形粉末剤26を収容した第2収容空間4とを
形成する。第1収容空間2と第2収容空間4とは、単一
の容器本体から形成されており、独立した容器構成部材
の組み合わせから生じる汚染問題は生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つの異なった輸
液構成剤を収容すると共に使用時にこれらの輸液構成剤
を互いに混合して輸液を形成したり一方の収容空間に1
つの輸液構成剤を収容し他方の空間に両頭針を収納する
と共に使用時に両頭針を通して上記一方の収容空間と今
1つの輸液構成剤を収容するバイアルの収容空間とを互
いに連通させてこれらの輸液構成剤を互いに混合して輸
液を形成するための輸液容器及びその製造方法に関し、
特に、上記各輸液構成剤を収容する各収容空間や上記一
方の収容空間と上記他方の空間が互いに隣接した状態で
設けられた輸液容器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】少なくとも一方が液体である2種類の異
なった輸液構成剤、たとえば、抗生物質や腎疾患治療薬
等の粉末製剤(固形製剤)と、該粉末製剤を溶解するた
めの食塩水やブドウ糖等の溶解液とを互いに混合して点
滴注射等の輸液を準備するための輸液装置として、従来
より、たとえば、粉末製剤を収容するバイアルと、溶解
液を収容し円筒状拡径構成部を備えた口部を有する容器
本体と、バイアルの口部を密閉しているゴム栓と容器本
体の口部を密閉しているフィルムとを夫々貫通させるた
めの両頭針を備え上記円筒状拡径構成部の内周面に摺動
自在に装着されたスライダとからなる輸液装置が知られ
ている。
【0003】この輸液装置は、先ず、容器本体の円筒状
拡径構成部の内周面側に装着されている上記スライダを
押圧して、スライダの両頭針の一方の針をもって容器本
体の上記フィルムを貫通させる。次いで、バイアルの口
部を密閉しているゴム栓を両頭針の他方の針に対して位
置決めし、該他方の針がバイアルのゴム栓を貫通するま
でバイアルをスライダに対して押圧する。このとき、容
器本体内部とバイアル内部とが両頭針により連通せしめ
られ、このように相互に取り付けられたものを上下左右
に振ることにより、容器本体内の溶解液と、バイアル内
部の粉末製剤とが混合されるようになっている。
【0004】バイアルとは別体になっているこのセパレ
ート型輸液容器は、一般に、製造段階において、先ず、
容器本体の本体部と、容器本体の口部をなす上記円筒状
拡径構成部とが、夫々、別体(別工程)で準備される。
次いで、容器本体部内に輸液構成剤を所定量充填し、一
方、たとえば、円筒状拡径構成部の軸方向の一方の開口
部側に上記容器本体の口部を密閉する上記フィルムを設
けて該円筒状拡径構成部内に上記スライダを挿入した
後、円筒状拡径構成部の軸方向の他方の開口部に該円筒
状拡径構成部の内部を外部から密閉するための保護シー
ルが設けられる。次いで、円筒状拡径構成部は、保護シ
ールが外側になるように、つまり上記フィルムが容器本
体の本体部側に位置するように、該容器本体部に後付け
される。
【0005】しかし、このセパレート型輸液容器は、容
器本体部と円筒状拡径構成部とを互いに組み合わせたと
きに、たとえば、上記の如く製造段階において上記フィ
ルムの容器本体部側の面に付着している可能性がある雑
菌や異物等が、容器本体部内に収容されている輸液構成
剤を汚染する虞れがある。
【0006】ところで、このセパレート型の輸液装置
は、上記の如く、容器本体と、バイアルとが夫々別体で
準備されているため、輸液準備作業において、容器本体
とバイアルとの接続の手間を要するのみならず、たとえ
ば、数種類の粉末製剤と数種類の溶解液とから数種類の
輸液を準備する場合に、粉末製剤と溶解液との組み合わ
せを間違う虞れがある。
【0007】そこで、この問題点を解決するべく、たと
えば、特開昭63−29645号公報には、第1の輸液
構成剤が収容された第1容器の口部内周面に、第2の輸
液構成剤が収容された第2容器が密閉状態で内嵌せしめ
られた一体型の輸液容器が開示されている。この第2容
器の上壁(外面壁)と底面は、夫々、スパイク、つま
り、輸液を案内するためのニードル(針)を貫通させる
ことができる材料で形成されている。
【0008】また、たとえば、特公昭57−37511
号公報や、特開昭62−34575号公報には、夫々、
第1の輸液構成剤が収容された第1容器の口部に、第2
の輸液構成剤が収容された第2容器が密閉状態で内嵌せ
しめられた一体型の輸液容器が開示されている。この第
2容器は、破断可能な底面を備えた収容容器本体と、外
部側の操作部としての一端部が閉じられ該収容容器本体
の内周面に摺動自在に設けられた中空プランジャであっ
て操作部を底面側へ押圧して移動させることにより底面
を破断させるエッジを備えたプランジャとを有してい
る。
【0009】これらの容器は、いずれも、第1容器の内
側が該第1容器の口部に装着された第2容器の底面部に
より外部から密閉される構成になっている。
【0010】これらの一体型輸液容器は、製造段階にお
いて、先ず、第1容器と、第2容器とが、夫々、別体
(別工程)で準備され、次いで、第1,2容器に夫々上
記の如く粉末製剤や溶解液等が所定量づつ充填され、そ
して、このように充填された第1,2容器が互いに組合
わされて一体化される。
【0011】しかし、この一体型輸液容器は、第1,2
容器を互いに組み合わせたときに、たとえば、上記の如
く製造段階において第2容器の底面部に付着している可
能性がある雑菌や異物等が、第1容器内の溶解液等を汚
染する虞れがある。
【0012】すなわち、上記従来式セパレート型輸液容
器も、上記従来式一体型輸液容器も、上記の如く輸液容
器が収容する輸液構成剤を汚染する虞れがあり、当該汚
染問題を解消するセパレート型輸液容器及び一体型輸液
容器が夫々所望されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明が解決
すべき技術的課題は、上記従来式輸液容器が有している
収容物汚染の問題を解消するセパレート型輸液容器と一
体型輸液容器及びその製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段・作用・効果】本発明に係
る輸液容器は、容器本体内に一体的に隔離薄膜を形成し
てなる2つの収容空間を備え、混合して輸液を形成する
ための輸液構成剤が上記2つの収容空間のうちの少なく
とも一方の収容空間に密閉されたことを特徴としてい
る。
【0015】この輸液容器は、たとえば、他方の収容空
間内に上記輸液構成剤と混合して上記輸液を形成するた
めの今一つの輸液構成剤を収容すると共に該他方の収容
空間を密閉することにより、一体型輸液容器として構成
される。一方、この輸液容器は、たとえば、他方の収容
空間内に、上記一方の収容空間と上記輸液を形成するた
めの今一つの輸液構成剤を収容するバイアルの収容空間
とを連通させて上記一方の収容空間内に収容されている
輸液構成剤とバイアル内に収容されている今一つの輸液
構成剤とを混合して輸液を形成するための両頭針を収容
することにより、セパレート型輸液容器として構成され
る。
【0016】すなわち、一体型輸液容器の場合には、当
該容器は、少なくとも一方が液体である第1及び第2の
輸液構成剤、たとえば、生理食塩水等の溶解液と、抗生
物質や腎疾患治療薬等の粉末製剤(固形製剤/粉末乾燥
剤)、を夫々独立して収容すると共に該第1及び第2の
輸液構成剤を混合して輸液を形成するための輸液容器で
ある。この輸液容器は、容器本体内に一体的に形成され
た隔離薄膜を有しており、該隔離薄膜により、容器本体
の内部は、上記第1及び第2の輸液構成剤を夫々を密閉
するための第1及び第2の収容空間が形成されている。
【0017】この構成によれば、第1の収容空間と第2
の収容空間は、夫々、単一の容器本体から形成されてい
るため、つまり、前記従来例の如く一方の収容空間を密
閉するのに2つの独立した容器構成部材を協働させる必
要がないため、前記従来例が有している当該2つの独立
した容器構成部材の組み合わせから生じる汚染問題は効
果的に解消される。
【0018】この構成において、第1の収容空間内に収
容されている第1の輸液構成剤と、第2の収容空間内に
収容されている第2の輸液構成剤とを互いに混合するた
めに、容器外部から挿入して隔離薄膜を貫通させるため
の輸液案内用ニードルつまりスパイクを挿入するための
挿入部を容器本体に少なくとも1つ備えることが好まし
い。この構成により、スパイクを挿入部を通して容器本
体内部に挿入することができ、さらに、スパイクの先端
部を隔離薄膜を貫通させた状態にセットして第1,2の
輸液構成剤を互いに混合させることができる。この挿入
部は、たとえば、周知のゴム栓等から構成されることが
できる。
【0019】上記容器本体は、胴部と首部とを備え、首
部は、上記隔離薄膜を備え、上記第1の収容空間は、上
記隔離薄膜に対して胴部側に形成され、上記第2の収容
空間は、上記隔離薄膜に対して胴部の反対側に形成され
ることができる。この構成によれば、第1の収容容器の
容積は、第2の収容容器の容積よりも大きくなり、従っ
て、溶解液は第1の収容容器に収容される一方、粉末製
剤(固形剤/粉末乾燥剤)は第2の収容容器に収容され
ることが好ましい。また、この構成において、容器本体
を吊り下げた時に首部が下になるようなハンガー部(吊
り下げ部)を胴部の所定位置に設けることが好ましい。
【0020】上記構成において、上記第2の収容空間
は、上記第2の輸液構成剤を密閉し上記隔離薄膜側に薄
膜を備えた小容器を収納する空間として構成されること
ができる。この構成において、スパイクの挿入部は、た
とえば、第2の収容空間を有する容器本体と小容器との
重なり部に備えることができる。この構成により、スパ
イクを挿入部を通して小容器の内部に挿入することがで
き、さらに、スパイクの先端部を小容器の上記薄膜と容
器本体の隔離薄膜とを共に貫通させた状態にセットして
小容器内の第2の輸液構成剤と、第1の輸液構成剤とを
互いに混合させることができる。この構成によれば、隔
離薄膜と薄膜の何れか一方にピンホールが形成されてい
たとしても、このピンホールは、他方の膜により塞がれ
ることになるため、第1の収容空間と、小容器内部とが
連通することは、確実に回避される。また、上記両膜に
このようなピンホールが形成されていたとしても、これ
らのピンホールが互いに重なり合う確率は極めて小さ
く、従って、第1の収容空間と、小容器内部とが連通す
ることは、効果的に防止される。
【0021】上記構成において、上記容器本体と上記小
容器は、夫々、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂から形成
され、上記小容器は、上記首部の内周面側に防湿フィル
ム、たとえば、アルミニウムをポリエチレンフィルムに
蒸着してなるラミネートフィルムを備え、上記小容器と
上記首部とは互いに溶着されて上記第2の収容空間は密
閉されることが好ましい。この構成によれば、小容器と
容器本体とは、互いに溶着され固定されているため、輸
液容器の持ち運び時等において容器本体に種々の振動が
加わった場合に小容器が首部から脱落することが確実に
防止される。また、この構成によれば、小容器や容器本
体を形成している熱可塑性樹脂が溶解液等に含まれてい
る水分を透過させる性質の樹脂から形成されている場合
であっても、たとえば、第1の収容空間から小容器内部
への水分の透過(浸透)が、バリア層として機能する上
記防湿フィルムにより遮断される。すなわち、たとえ
ば、小容器内に収容されている第2の輸液構成剤が、水
分と長時間接することによってその性質が変質劣化する
タイプの固形製剤であっても、上記防湿フィルムによ
り、そのような変質劣化等が確実に回避され防止され
る。さらに、また、この構成によれば、上記の如く、ス
パイクを挿入部を通して小容器の内部に挿入した後、さ
らに、スパイクの先端部を小容器の上記薄膜と容器本体
の隔離薄膜とを共に貫通させた状態にセットして小容器
内の第2の輸液構成剤と、第1の輸液構成剤とを互いに
混合させる操作において、たとえば、第1の収容空間に
収容されている第1の輸液構成剤としての溶解液が、ス
パイクと、容器本体の隔離薄膜との間の僅かな間隙を通
して、該隔離薄膜と小容器の薄膜との間、つまり、小容
器の外周面と首部の内周面との間、に漏れ出したとして
も、小容器と首部とは互いに溶着されて密閉されている
ため、上記漏出した溶解液が外部に漏れ出すことが確実
に防止される。
【0022】上記各構成の輸液容器は、容器本体が備え
る隔離薄膜を、上記の如く、たとえば、容器本体から別
体として準備されたスパイクで破断させるように構成さ
れているが、本願発明によれば、また、以下の如く、小
容器自らが備える破断手段によって容器本体が備えてい
る隔離薄膜を破断させる輸液容器が提供される。
【0023】すなわち、この輸液容器は、少なくとも一
方が液体である第1及び第2の輸液構成剤を夫々独立し
て収容すると共に該第1及び第2の輸液構成剤を混合し
て輸液を形成するための一体型輸液容器において、容器
本体内に一体的に隔離薄膜を形成して上記第1及び第2
の輸液構成剤を夫々を密閉するための第1及び第2の収
容空間を形成する。この容器本体は、胴部と首部とを備
え、首部は、上記隔離薄膜を備え、上記第1の収容空間
は、上記隔離薄膜に対して胴部側に形成され、上記第2
の収容空間は、上記隔離薄膜に対して胴部の反対側に形
成される。上記第2の収容空間は、上記第2の輸液構成
剤を密閉し上記隔離薄膜側に薄膜を備えた小容器を収納
する空間として構成される。そして、上記胴体部は、ス
パイクを挿入するための挿入部を備え、上記小容器は、
小容器本体の内周面に摺動自在に設けられかつ外側一端
が閉じられかつ内側他端が開いた中空プランジャであっ
て上記薄膜側へ移動させることにより上記薄膜と上記隔
離薄膜とを破断するエッジを上記他端側に有する中空プ
ランジャを備える。
【0024】この構成において、上記の如く中空プラン
ジャを小容器の薄膜側へ移動させることにより、該薄膜
と、容器本体の隔離膜とが共にプランジャのエッジで破
断せしめられ、この結果、小容器の内部と、容器本体の
第1の収容空間とが互いに連通して、本体容器の第1の
収容空間内に収容されていた第1の輸液構成剤と、小容
器内に収容された第2の輸液構成剤とが互いに混合され
る。このようにして混合され形成された輸液は、胴体部
が有する上記挿入部にスパイクを挿入することにより、
該スパイクを通して外部に案内される。
【0025】この構成によれば、第1の収容空間と第2
の収容空間は、夫々、単一の容器本体から形成されてい
るため、つまり、前記従来例の如く一方の収容空間を密
閉するのに2つの独立した容器構成部材を協働させる必
要がないため、前記従来例が有している当該2つの独立
した容器構成部材の組み合わせから生じる汚染問題は効
果的に解消される。
【0026】一方、セパレート型輸液容器の場合には、
当該容器は、第1の輸液構成剤と両頭針を夫々独立して
収容すると共に該第1の輸液構成剤とバイアルが収容す
る第2の輸液構成剤とを両頭針を通して互いに混合して
輸液を形成するようにした輸液容器である。この容器本
体内には、一体的に隔離薄膜が形成され、これにより、
上記第1の輸液構成剤を密閉するための第1の収容空間
と、上記両頭針を収容するための第2の収容空間とが形
成される。この容器本体は、たとえば、ポリエチレン等
の熱可塑性樹脂から好適に形成される。
【0027】この構成において、両頭針は、たとえば、
前記従来式セパレート型容器に用いられている如くスラ
イダに取り付けて使用したり、該両頭針を容器本体に支
持するための柔軟な支持部材に取り付けて使用したりす
ることができる。
【0028】この構成によれば、第1の収容空間と第2
の収容空間は、夫々、単一の容器本体から形成されてい
るため、つまり、前記従来式セパレート型容器の如く容
器本体の本体部側の収容空間を密閉するのに2つの独立
した容器構成部材として別体で準備されている当該本体
部と前記円筒状拡径構成部とを互いに協働させて固定す
る必要がないため、前記従来式セパレート型容器が有し
ている当該2つの独立した容器構成部材の組み合わせか
ら生じる汚染問題は効果的に解消される。
【0029】上記構成において、上記隔離薄膜は、上記
第1の収容空間側に位置する上記両頭針の一方の針先端
部を該針先端部が第1の収容空間側に突出した状態で受
け入れるように、第1の収容空間側に凸に形成すること
が好ましい。
【0030】この構成により、両頭針の一部である上記
一方の針先端部が第1の収容空間側に突出した状態で位
置せしめられることになり、つまり、両頭針全体が第1
の収容空間側に移動せしめられることになり、当該両頭
針全体の第1の収容空間内側方向への移動量に対応する
長さ分、両頭針の他方の針先端を含む輸液容器全体の長
さを短くすることができる。つまり、輸液容器のコンパ
クト化が実現される。
【0031】また、この構成によれば、使用時に両頭針
を隔離薄膜の方向に押圧して該両頭針の上記一方の針先
端部で隔離薄膜を貫通させるとき、該一方の針先端部
は、隔離薄膜の凸部つまり隔離薄膜の第2の収容空間側
の凹部内に案内・位置決めされた状態で、つまり上記一
方の針先端の隔離薄膜に対するスベリが効果的に防止さ
れた状態で、隔離薄膜を確実に貫通する。
【0032】上記容器本体は、胴部と首部とを備え、首
部は、上記隔離薄膜を備え、上記第1の収容空間は、上
記隔離薄膜に対して胴部側に形成され、上記第2の収容
空間は、上記隔離薄膜に対して胴部の反対側に形成され
ることができる。
【0033】この構成において、第1の収容空間内に収
容されている第1の輸液構成剤と、バイアルに収容され
ている第2の輸液構成剤との両頭針を介しての混合操作
の結果、第1の収容空間内に収容されてなる輸液を外部
に案内するためのスパイク挿入部(輸液案内用ニード
ル)を胴部に少なくとも1つ備えることが好ましい。こ
のスパイク挿入部は、たとえば、周知のゴム栓等から構
成されることができる。このスパイク挿入部は、たとえ
ば、容器本体に対して両頭針の装着位置と反対の位置、
つまり容器本体に対して首部と反対側に位置する胴部の
位置に設けることができる。そして、この構成におい
て、容器本体を吊り下げた時にスパイク挿入部が下にな
るようなハンガー部(吊り下げ部)を容器本体の所定位
置に設けることが好ましい。
【0034】上記容器本体は、上記両頭針を密閉するた
めの密閉保護部材を上記首部に備えることが好ましい。
【0035】この構成において、密閉保護部材は、シー
ル状部材や、キャップ状部材であることができる。
【0036】この構成により、両頭針は、外部から密閉
されて両頭針の汚染が確実に防止されるのみならず、両
頭針自体が密閉保護部材により外部から保護される。
【0037】なお、上記隔離薄膜によって隔離してなる
上記他方の収容空間(第2の収容空間)に収納されるも
のは、上記輸液構成剤(第2の輸液構成剤)や上記両頭
針に限定されるものではなく、たとえば、上記スパイク
挿入部であってもよく、この構成により、上記同様に、
一方の収容空間を密閉するのに2つの独立した容器構成
部材を協働させる必要がないため、内容物汚染の問題は
効果的に解消される。
【0038】本発明によれば、上記輸液容器を最適な状
態で製造するための以下の製造方法が提供される。
【0039】すなわち、この製造方法は、容器本体内に
一体的に隔離薄膜を形成して2つの収容空間を設けた熱
可塑性樹脂からなる輸液容器の製造方法にして、混合し
て輸液を形成するための輸液構成剤を収容すると共に大
気圧より低圧にした密閉容器本体を形成する容器本体形
成ステップと、容器本体の一部分を加熱して軟化させ該
一部分を大気圧と低圧との気圧差により内側に陥没させ
て陥没凹部を隔離薄膜として形成し、該隔離薄膜に対し
て容器本体の内側を上記輸液構成剤を密閉した第1の収
容空間として形成する一方、隔離薄膜に対して容器本体
の外側を第2の収容空間として形成する隔離薄膜形成ス
テップとを有する。
【0040】上記輸液容器は、この製造方法において、
たとえば、さらに、第2の輸液構成剤を第2の収容空間
に収容すると共に該第2の収容空間を密閉手段により外
部に対して密閉する密閉ステップを含めることにより、
一体型輸液容器として構成される。一方、上記輸液容器
は、この製造方法において、たとえば、さらに、第2の
収容空間に両頭針を収容する両頭針収容ステップを含め
ることにより、セパレート型輸液容器として構成され
る。
【0041】すなわち、一体型輸液容器の場合には、そ
の製造方法は、少なくとも一方が液体である第1及び第
2の輸液構成剤を夫々独立して収容すると共に該第1及
び第2の輸液構成剤を混合して輸液を形成するための熱
可塑性樹脂からなる一体型輸液容器の製造方法にして、
内側に第1の輸液構成剤を収容すると共に内側を大気圧
より低圧にした密閉容器本体を形成する容器本体形成ス
テップと、容器本体の一部分を加熱して軟化させ該一部
分を大気圧と低圧との気圧差により内側に陥没させて陥
没凹部を隔離薄膜として形成し、該隔離薄膜に対して容
器本体の内側を上記第1の輸液構成剤を収容した第1の
収容空間として形成する一方、隔離薄膜に対して容器本
体の外側を上記第2の輸液構成剤を収容する第2の収容
空間として形成する隔離薄膜形成ステップと、第2の輸
液構成剤を収容した第2の収容空間を密閉手段により外
部に対して密閉する密閉ステップとを有する。
【0042】この方法によれば、隔離薄膜は、容器本体
の上記一部分が上記加熱軟化により延伸せしめられてな
るものであり、隔離薄膜の膜厚は、上記加熱前における
一部分の膜厚よりも減じられる。従って、スパイクの隔
離薄膜への刺針時に、コアリング(隔離薄膜の膜厚が大
きい場合に、該薄膜にスパイクを挿入した時、該薄膜が
スパイクにより削られてなる微粒子状の破片が形成され
ること)が発生することが防止される。つまり、コアリ
ングにより容器内の輸液構成剤が当該破片により汚染さ
れることが防止される。
【0043】上記容器本体形成ステップは、具体的に
は、ブロー成形法により、加熱軟化したチューブ状パリ
ソンを第1金型内にセットした後にパリソン内部にエア
ー等を吹き込んで膨張させ金型に密着させると同時に冷
却して第1中間体容器を形成するステップと、上記第1
の輸液構成剤を第1中間体容器内に所定量充填するステ
ップと、上記第1金型に摺動自在に設けられた押し棒に
よって第1中間体容器の側面を内側に押圧して弾力的に
窪ませると共に、第2金型により上記第1中間体容器を
密閉してなる第2中間体容器を形成するステップと、第
2中間体容器に対して押し棒の押圧を解放すると共に第
1,2金型を開枠することにより、容器本体が有する弾
性復元力により容器本体の内側を大気圧に対して低圧に
させるステップとを有することができる。
【0044】上記容器本体形成ステップにおいて、上記
容器本体を胴部と首部とから構成し、上記第1の収容空
間を上記隔離薄膜に対して胴部側に形成しかつ上記第2
の収容空間を隔離薄膜に対して胴部の反対側に形成する
ように隔離薄膜を上記首部に備えることができる。
【0045】上記隔離薄膜形成ステップは、さらに、上
記隔離薄膜を内側に凹に垂下させた後に首部成形コアを
上記首部の内側に挿入して隔離薄膜を首部の内周面に沿
わせるように形状を整えると共に隔離薄膜の底面を成型
するステップを有することが好ましい。
【0046】上記容器本体を胴部と首部とから構成し、
上記第1の収容空間を上記隔離薄膜に対して胴部側に形
成しかつ上記第2の収容空間を隔離薄膜に対して胴部の
反対側に形成するように隔離薄膜を上記首部に備える上
記容器本体形成ステップにおいて、該容器本体形成ステ
ップは、上記首部の内側に上記第2の輸液構成剤を所定
量充填するステップと、スパイク挿入用ゴム栓を上記密
閉手段として首部に備えるステップとを有することがで
きる。このように形成された輸液容器は、たとえば、ス
パイクを首部に設けられたゴム栓を通して容器本体内部
に挿入することができ、さらに、スパイクの先端部を容
器本体の隔離薄膜を貫通させた状態にセットして第1,
2の輸液構成剤を互いに混合させることができる。
【0047】或いは、上記容器本体を胴部と首部とから
構成し、上記第1の収容空間を上記隔離薄膜に対して胴
部側に形成しかつ上記第2の収容空間を隔離薄膜に対し
て胴部の反対側に形成するように隔離薄膜を上記首部に
備える上記容器本体の密閉ステップは、上記第2の輸液
構成剤を密閉状態で収容し上記隔離薄膜側に薄膜を有し
隔離薄膜と反対側の外面に上記密閉手段としてのスパイ
ク挿入用ゴム栓を備えた小容器を上記首部の内側に挿入
して固定するステップを有することができる。このよう
に形成された輸液容器は、たとえば、スパイクを挿入部
を通して小容器の内部に挿入することができ、さらに、
スパイクの先端部を小容器の上記薄膜と容器本体の隔離
薄膜とを共に貫通させた状態にセットして小容器内の第
2の輸液構成剤と、容器本体の第1の収容空間に収容さ
れた第2の輸液構成剤とを互いに混合させることができ
る。
【0048】この小容器は、上記首部の内周面側に防湿
フィルムを備え、上記密閉ステップは、小容器と首部と
を互いに溶着させて上記第2の収容空間を密閉するステ
ップを有することが好ましい。
【0049】一方、セパレート型輸液容器の場合には、
当該容器は、第1の輸液構成剤と両頭針を夫々独立して
収容すると共に該第1の輸液構成剤とバイアルが収容す
る第2の輸液構成剤とを両頭針を通して互いに混合して
輸液を形成するための熱可塑性樹脂からなる輸液容器で
あって、その製造方法は、内側に第1の輸液構成剤を収
容すると共に内側を大気圧より低圧にした密閉容器本体
を形成する容器本体形成ステップと、容器本体の一部分
を加熱して軟化させ該一部分を大気圧と低圧との気圧差
により内側に陥没させて陥没凹部を隔離薄膜として形成
し、該隔離薄膜に対して容器本体の内側を上記第1の輸
液構成剤を収容した第1の収容空間として形成する一
方、隔離薄膜に対して容器本体の外側を上記両頭針を収
容する第2の収容空間として形成する隔離薄膜形成ステ
ップと、上記第2の収容空間内に両頭針を収容する両頭
針収容ステップとを有する。
【0050】この製造方法によれば、隔離薄膜は、容器
本体の上記一部分が上記加熱軟化により延伸せしめられ
てなるものであり、隔離薄膜の膜厚は、上記加熱前にお
ける一部分の膜厚よりも減じられる。従って、両頭針の
隔離薄膜への刺針時に、コアリング(隔離薄膜の膜厚が
大きい場合に、該薄膜に両頭針を挿入した時、該薄膜が
スパイクにより削られてなる微粒子状の破片が形成され
ること)が発生することが防止される。つまり、コアリ
ングにより容器内の輸液構成剤が当該破片により汚染さ
れることが防止される。
【0051】上記容器本体形成ステップは、具体的に
は、ブロー成形法により、加熱軟化したチューブ状パリ
ソンを第1金型内にセットした後にパリソン内部にエア
ー等を吹き込んで膨張させ金型に密着させると同時に冷
却して第1中間体容器を形成するステップと、上記第1
の輸液構成剤を第1中間体容器内に所定量充填するステ
ップと、上記第1金型に摺動自在に設けられた押し棒に
よって第1中間体容器の側面を内側に押圧して弾力的に
窪ませると共に、第2金型により上記第1中間体容器を
密閉してなる第2中間体容器を形成するステップと、第
2中間体容器に対して押し棒の押圧を解放すると共に第
1,2金型を開枠することにより、容器本体が有する弾
性復元力により容器本体の内側を大気圧に対して低圧に
させるステップとを有する。
【0052】上記容器本体形成ステップにおいて、上記
容器本体を胴部と首部とから構成し、上記第1の収容空
間を上記隔離薄膜に対して胴部側に形成しかつ上記第2
の収容空間を隔離薄膜に対して胴部の反対側に形成する
ように隔離薄膜を上記首部に備えることができる。
【0053】上記隔離薄膜形成ステップは、さらに、上
記隔離薄膜を内側に凹に垂下させた後に首部成形コアを
上記首部の内側に挿入して隔離薄膜を首部の内周面に沿
わせるように形状を整えると共に隔離薄膜の底面を成型
するステップを有することが好ましい。
【0054】上記両頭針収容ステップは、さらに、上記
首部に密閉保護部材を備えることにより上記第2の収容
空間を密閉するステップを有することが好ましい。
【0055】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1〜4の実施
形態を添付図面に従って詳細に説明する。先ず、第1の
実施形態に係る輸液容器とその製造方法を図1〜24に
従って説明する。
【0056】この第1の実施形態の輸液容器は、一体型
輸液容器である。この輸液容器は、該容器の首部にスパ
イクがワンタッチで装着され、これにより、該容器内に
収容されている2薬剤は、速やかに混合される状態に設
定される。
【0057】図1は、この2薬剤混合システムの大略構
成を示している。図において、参照符号10は、溶解剤
20を密閉状態で内側に収容した第1収容空間2と、該
溶解剤20に混合(溶解)させて用いる固形粉末剤26
を密閉状態で内側に収容した第2収容空間4とを夫々内
側に形成した一体型輸液容器であり、200は、この一
体型輸液容器の首部16に挿入して用いられるスパイク
である。
【0058】図に示すように、この一体型輸液容器10
は、上記首部16に設けられ容器本体と一体的に形成さ
れた隔離薄膜16bによって、容器内部が第1,2収容
空間2,4に区分けされている。この輸液容器10の胴
部14の端部には、ハンガー(吊り下げ部)6が設けら
れており、不図示の支持部材にこのハンガー6を引っか
けることにより、輸液容器10を首部16を下にした状
態で吊り下げることができるようになっている。この輸
液容器10の首部16の端部には、ゴム栓35が設けら
れている。このゴム栓35には、図に示す如く先細りに
形成されているスパイク200の先端202が挿入(刺
針)される。
【0059】このスパイク200には、点滴筒204が
備えられている。この点滴筒204には、図に示すよう
に、輸液案内チューブ206と、該輸液案内チューブ2
06の流路を開閉するクランプ(バルブ装置)208
と、他の輸液案内チューブ210と、人体に刺針するた
めの注射針212が順次接続されている。
【0060】以下に、この一体型輸液容器の構成を製造
方法を交えながら説明する。
【0061】この一体型輸液容器は、ブロー成形法によ
り、以下の製造工程を経て作られる。すなわち、先ず、
図2に示す如く、熱可塑性樹脂からなる加熱軟化したチ
ューブ状パリソンを第1対称金型100内にセットした
後にパリソン内部にエアーを吹き込んで膨張させ第1対
称金型100に密着させると同時に冷却して、胴部14
と首部16とを有する第1中間体容器10Aを形成した
後に、第1溶解剤20が第1中間体容器10A内に所定
量充填される。本実施形態において、上記チューブ状パ
リソンを形成する熱可塑性合成樹脂として、ポリエチレ
ンを用いているが、使用材料は、このポリエチレンに限
定されるものではない。
【0062】次いで、図3に示す如く、第1対称金型1
00に摺動自在に設けられた押し棒102によって第1
中間体容器10Aの側面を内側に押圧して弾力的に窪ま
せる。
【0063】次いで、図4に示す如く、第2対称金型1
04により、上記第1中間体容器10Aの首部16を密
閉してなる第2中間体容器10Bを形成する。つまり、
このステップで、天壁としての密閉膜16aが形成され
る。
【0064】次いで、図5に示す如く、第2中間体容器
10Bに対して押し棒102の押圧を解放して、容器本
体が有する弾性復元力により容器本体の内部を大気圧に
対して低圧にさせる。
【0065】図6に示す如く第1,2対称金型100,
104を押し棒102と共に開枠して、図7に示す如く
第2中間体容器10Bを金型から取り出す。第2中間体
容器10Bは、上記の如く、第1,2対称金型100,
104によって形成されているため、該第2中間体容器
10Bの首部16が有する密閉膜16aには、センター
・パーティングライン30が首部直径方向に形成されて
いる。
【0066】次いで、この密閉膜16aがセンター・パ
ーティングライン30により区分けされた第1部分16
yと第2部分16zとを、図8に示す如く、第1部分1
6yの延伸量が第2部分16zの延伸量よりも多くなる
ように、加熱部材106により加熱軟化して、大気圧に
対して負圧になっている容器内部へ部分的に陥没させ
る。この第1部分16yの延伸量と、第2部分16zの
延伸量との相違により、センター・パーティングライン
30は、密閉膜16aの中心に対して上記加熱前の第2
部分16z側へ偏心せしめられる。本実施形態において
は、図に示すように、均一に加熱された加熱部材106
が用いられており、該加熱部材106により、第1部分
16yの加熱面積が第2部分16zの加熱面積よりも大
きくなるように第1,2部分16y,16zが加熱され
ている。この加熱により、第1部分16yの延伸量を、
第2部分16zの延伸量よりも大きくしている。このス
テップで加熱された密閉膜16aの上面の状態を図12
に示している。図中、偏心せしめられたセンター・パー
ティングラインは、破線30aで示している。このステ
ップでの加熱前に密閉膜16aに形成されていたセンタ
ー・パーティングラインは、一点鎖線30で示してい
る。なお、上記加熱部材106の温度や、加熱時間や、
密閉膜16aの表面温度等は、パリソンの形成材料や、
容器本体と加熱部材106との間隔によって、任意に設
定される。
【0067】次いで、図9に示す如く、上記密閉膜16
aの全面を加熱部材107により均一に加熱して軟化さ
せ密閉膜16a全体を負圧になっている容器の内側に陥
没させる。第2中間体容器10Bの内部は外部に対して
負圧になっているため、密閉膜16aは、全体的に均一
に該中間体容器10Bの内方向に引っ張られて、密閉膜
16a全体がムラなく延伸せしめられる。これにより、
内方向に引っ張られて形成される陥没凹部を隔離用刺針
部薄膜16bとして形成する。この隔離用刺針部薄膜1
6bに対して、容器本体の内側は、溶解剤20を収容し
た第1収容空間2として形成される一方、薄膜16bに
対して、容器本体の外側は、固形粉末剤26を収容する
第2収容空間4として形成される。本実施例において、
密閉膜16aは、図に示すように、均一に加熱された加
熱部材107により、全体的に均一に加熱される。この
加熱により、上記隔離用刺針部薄膜16bは、該薄膜1
6bが全体的に容器内方に延伸して凹となるにつれて、
その膜厚は減じられていく。また、これと共に、隔離用
刺針部薄膜16bに形成されていたパーティングライン
30aは、該薄膜16bの中心に対してさらに偏心せし
められる。図中、このようにさらに偏心せしめられたパ
ーティングラインを30bとしてとして示している。こ
のステップ完了時における隔離用刺針部薄膜16bの上
面の状態を図13に示している。なお、上記加熱部材1
07の温度や、加熱時間や、密閉膜16aの表面温度等
は、パリソンの形成材料や、容器本体と加熱部材との間
隔によって、任意に設定される。
【0068】次いで、上記隔離用刺針部薄膜16bを上
記の如く容器本体内側に凹に垂下させた後に、図10に
示す如く、首部成形コア109を上記首部16の内側に
挿入して隔離用刺針部薄膜16bを首部16の内周面に
沿わせるように形状を整えると共に、隔離用刺針部薄膜
16bの底面を成型する。つまり、このステップで、隔
離用刺針部薄膜16bより上に位置する首部16の周壁
は容器本体側の首部の部分と、該首部の部分の開口側端
部で一体的に接続し該首部の部分の内周面沿いに折り込
まれた隔離用刺針部薄膜16bとからなる2重壁として
構成される。
【0069】次いで、図11に示す如く、この首部成型
コア109を首部16から抜き取って第3中間体容器1
0Cを形成する。
【0070】ところで、隔離用刺針部薄膜が一定の厚さ
以上の厚さを有している場合、該隔離用刺針部薄膜に、
後に詳しく説明するところのスパイクを挿入したとき
に、刺針部薄膜の一部がスパイクにより削られる(この
現象は、「コアリング」と称される)可能性が高くなる
ことが知見されている。しかし、上記の如く形成された
隔離用刺針部薄膜16bは、パーティングライン30b
に対応しない部分つまりスパイク200が挿入される部
分の肉厚が上記一定の厚さ以下となり、上記コアリング
の発生の可能性は有意に低減する。つまり、隔離用刺針
部薄膜へのスパイクの刺針時にコアリングが発生して隔
離用刺針部薄膜が削られてなる破片が輸液容器本体の第
1収容空間2内に混入する可能性は低減する。
【0071】さて、このように形成された第3中間体容
器10Cの首部16の上記第2収容空間4には、固形粉
末剤26を密閉し上記隔離用刺針部薄膜16b側に薄膜
を備えた別体の小容器が嵌入され固定されて、この第1
実施形態の一体型輸液容器が完成する。この小容器は、
以下のように準備され、そして、第3中間体容器10C
の首部16に固定される。
【0072】すなわち、先ず、図14,15に示す如
く、上部所定位置に複数の切り欠き32aを備え底壁が
薄膜32bとして形成されると共に一端側が開口した熱
可塑性樹脂製の小容器構成部材32が準備される。この
薄膜32bは、パーティングラインを有していない。図
14,15は、夫々、この小容器構成部材32の上面及
び側面断面を示している。
【0073】次いで、図16に示す如く、この小容器構
成部材32の中に、凍結乾燥させることにより上記固形
粉末剤26を形成するような薬剤溶液26aが所定量充
填される。
【0074】次いで、図17に示す如く、この小容器構
成部材32の口部に、熱可塑性樹脂製密閉用フレーム部
材35aを備えたゴム栓35を、上記切り欠き32aを
密閉しないように内嵌して小容器中間体を構成する。
【0075】次いで、図18に示す如く、周知の凍結乾
燥法により、薬剤溶液26aの水分を切り欠き32aか
ら逃がすようにして該薬剤溶液26aを蒸発/乾燥さ
せ、該薬剤溶液26aから固形粉末剤26を形成する。
【0076】次いで、図19に示す如く、上記密閉用フ
レーム部材35aを備えたゴム栓35を、小容器構成部
材32の内周面沿いに切り欠き32aを越えて薄膜32
b側へ加圧挿入して、上記固形粉末剤26を収容してい
る空間を密閉する。
【0077】次いで、図20に示す如く、ゴム栓35の
密閉用フレーム部材35bと、小容器構成部材32とを
共に加熱して互いに溶着させる。
【0078】次いで、図21に示す如く、小容器構成部
材32の底面(つまり、上記薄膜32bの表面)とその
周囲とに防湿フィルム37を一体的に設けて(ラミネー
トして)小容器を完成する。
【0079】次いで、図22に示す如く、上記完成した
小容器38を一体型輸液容器10の上記首部16内に嵌
入する。すなわち、このステップで、固形粉末剤26を
収容している小容器38の収容空間と、第1収容空間2
とは、容器本体側の隔離用刺針部薄膜16bと、小容器
38側の薄膜32bとからなる2重壁で区分けされるこ
とになる。
【0080】次いで、図23に示す如く、さらに、小容
器38の口部と、一体型輸液容器10の首部16とを熱
溶着して互いに固定し密閉する。
【0081】次いで、一体型輸液容器10の首部口部に
保護フィルム(封止フィルム)39を貼着して完成す
る。このようにして形成されてなる一体型輸液容器10
の首部16の要部拡大断面を図24に示している。
【0082】上記小容器は、薬剤溶液を凍結乾燥させて
固形粉末剤26を形成・密閉する目的で準備されたもの
であるが、この変形形態に係るものとして、小容器構成
部材の中に、初めから固形粉末剤であるものを収容して
密閉してもよいことはいうまでもない。
【0083】すなわち、この変形形態に係る小容器は、
先ず、図25に示す如く、底壁が薄膜41bとして形成
された小容器構成部材であって、上方が解放された熱可
塑性樹脂から形成された小容器構成部材41が準備され
る。この薄膜41bは、パーティングラインを有してい
ない。図25は、この小容器構成部材41の側面断面を
示している。
【0084】次いで、図26に示す如く、この小容器構
成部材41の中に、固形粉末剤26が所定量充填され
る。
【0085】次いで、図27に示す如く、この小容器構
成部材41の口部に、熱可塑性樹脂製密閉用フレーム部
材42aを備えたゴム栓42を内嵌して小容器中間体を
構成する。
【0086】次いで、図28に示す如く、上記密閉用フ
レーム部材42aを備えたゴム栓42を、小容器構成部
材41の内周面沿いに薄膜41b側へ加圧挿入して上記
固形粉末剤26を収容している空間を密閉した後に、ゴ
ム栓42の密閉用フレーム部材42aと、小容器構成部
材41とを共に加熱して互いに溶着させる。
【0087】次いで、図29に示す如く、小容器構成部
材41の底面(つまり、上記薄膜41bの表面)とその
周囲とに防湿フィルム43を設けて(ラミネートして)
小容器44を完成する。
【0088】次いで、図30に示す如く、上記完成した
小容器44を一体型輸液容器10の上記首部16内に嵌
入する。すなわち、このステップで、固形粉末剤26を
収容している小容器38の収容空間と、第1収容空間と
は、容器本体側の隔離用刺針部薄膜16bと、小容器4
4側の薄膜41bとからなる2重壁で区分けされること
になる。
【0089】次いで、図31に示す如く、さらに、小容
器44の口部と、一体型輸液容器10の首部16とを熱
溶着して互いに固定し密閉する。
【0090】次いで、一体型輸液容器10の首部口部に
保護フィルム(封止フィルム)を貼着して完成する。こ
のようにして形成されてなる一体型輸液容器10の首部
16の構成は、図24に示したものと基本的に同一であ
る。
【0091】上記第1の実施の形態及びその変形形態に
係る輸液容器は、夫々、一体型輸液容器の第2収容空間
4を、固形粉末剤26を密閉した小容器38,44を夫
々収納するための収納空間として構成されている。これ
らの各形態に対して、第2収容空間4を、固形粉末剤2
6を直接密閉するための空間として構成することができ
る。以下に、この後者のタイプに対応する第2の実施形
態に係る一体型輸液容器とその製造方法を、図32〜3
5に従って説明する。
【0092】先ず、上記第1の実施形態に係る一体型輸
液容器の製造過程で形成される第3中間体容器10Cと
同様の中間体容器10Cが準備される。そして、図32
に示す如く、この中間体容器10Cの第2収容空間4に
対応する首部内側に、薬液充填ノズル45により、薬液
46を充填する。
【0093】次いで、図33に示す如く、上記第1の実
施形態で用いられるのと同様の密閉用フレーム部材47
aを備えたゴム栓47をこの首部16の内周面沿いに隔
離用刺針部薄膜16b側へ加圧挿入して、薬液46を収
容している第2収容空間4を密閉する。
【0094】次いで、図34に示す如く、ゴム栓47の
密閉用フレーム部材47aと、上記首部の口部とを共に
加熱して互いに溶着させる。
【0095】次いで、この口部に保護フィルム48を貼
着して一体型輸液容器を完成する。図35は、このよう
にして完成した一体型輸液容器の要部拡大断面を示して
いる。
【0096】次に、上記各第1及び第2の実施形態及び
変形形態に係る各一体型輸液容器に適用されるスパイク
200を図36に従って説明する。
【0097】図において、214は中空針本体、216
は該中空針本体214の中空部内に設けられかつ軸方向
に延在して2流路215を形成する仕切り壁、そして、
217は中空針本体214の基部に固定された位置決め
フランジである。この仕切り壁216は先端方向に先細
りに形成され、中空針本体214は仕切り壁216の先
端側両側で切り欠かれて2つの細長開口218,219
が形成されている。この中空針本体214の他端は、上
記2つの細長開口218,219に連通する他端側開口
220を有している。図に示すように、この位置決めフ
ランジ217は、中空針本体214の基端側外周に設け
られている。
【0098】このスパイク200は、該スパイク200
が上記第1の実施形態の輸液容器に適用される場合に
は、中空針本体214の先端202は、上記一体型容器
のゴム栓35,42と、第2収容空間4と、隔離用刺針
部薄膜16b側に設けられた薄膜32b,41bと、隔
離用刺針部薄膜16bとに順次貫通せしめられる。この
ようにスパイク200の先端202が隔離用刺針部薄膜
16bを貫通して第1収容空間2側に露出している状態
を、図24中、1点鎖線で示している。
【0099】一方、該スパイク200が上記第2の実施
形態の輸液容器に適用される場合には、中空針本体21
4の先端202を上記一体型容器のゴム栓47と、第2
収容空間4と、隔離用刺針部薄膜16bとに順次貫通せ
しめられる。このようにスパイク200の先端202が
隔離用刺針部薄膜16bを貫通して第1収容空間2側に
露出している状態を、図35において1点鎖線で示して
いる。
【0100】この中空針本体214の先端202をこの
ようにゴム栓側から挿入して隔離用刺針部薄膜16bま
で貫通させ該先端202を第1収容空間2に臨ませると
共に、位置決めフランジ217を容器本体に当接させた
たとき、上記2つの細長開口218,219は、第1,
2の収容空間2,4に跨がって位置するように構成され
ている。
【0101】また、このスパイク200は、仕切り壁2
16の両側に、上記細長開口218,219に臨みかつ
上記基端側に設けられた液拡散用突起221,222を
夫々備えている。上記の如く、スパイク200の位置決
めフランジ217を容器本体に当接させたとき、上記液
拡散用突起221,222は、第2収容空間4内の所定
位置に位置せしめられるようになっている。
【0102】図36に示すように、中空針本体214の
基端側外周に設けられている上記位置決めフランジ21
7の上記他端側開口220に対応する端面217aに
は、上記他端側開口220に連通する点滴筒204が密
閉状態で固定されている。この点滴筒204は、後述の
如くポンピング操作が可能なように可撓性樹脂から形成
されている。この点滴筒204の一端部は、上記位置決
めフランジ217の端面217aに固定される一方、こ
の点滴筒204の他端側には、前記の如く、輸液案内チ
ューブ206と、該輸液案内チューブ206の流路を開
閉するクランプ(バルブ装置)208と、他の輸液案内
チューブ210と、人体に刺針するための注射針212
が順次接続されている。
【0103】さて、このスパイク200は、上記第1,
2の実施形態の各一体型輸液容器10に対して、次のよ
うにして用いられる。
【0104】先ず、一体型輸液容器10の首部16に設
けられている保護フィルム39,48(図24,35参
照)を、首部16の口部から剥離させる。
【0105】次いで、図37に示す如く、スパイク20
0の先端202を、首部16を上に向けた状態の一体型
輸液容器10のゴム栓35に対して、挿入準備(刺針準
備)位置にセッティングする。このステップで、点滴筒
200に接続されているクランプ208は、閉じ状態に
設定しておく。
【0106】次いで、図38に示す如く、スパイク20
0の先端202を一体型輸液容器10の上記ゴム栓35
にスパイク200の位置決めフランジ217が容器本体
に当接するまで挿入する。このとき、スパイク200の
先端202は、隔離用刺針部薄膜16bを貫通して第1
収容空間2の内側に臨むと共に、上記液拡散用突起22
1,222は、第2収容空間4の内部の所定位置に位置
せしめられる。つまり、このステップでのスパイク20
0のこの一体型輸液容器本体への装着作業、つまり、こ
の輸液容器内の2薬剤を速やかにかつ確実に混合可能な
状態に設定するための作業は、ワンタッチで行うことが
できる。刺針部に形成されている各パーティングライン
30bは、図24,35に示すように、該刺針部の中心
部分から偏心した位置に形成されているため、この一体
型輸液容器に対して、上記スパイク200が刺針部の中
心に挿入された場合、パーティング・ライン30bに対
応する隔離用刺針部薄膜16bにスパイク200が挿入
されることが回避され、従って、当該刺針(挿入)時
に、隔離用刺針部薄膜16bを形成している材料が削ら
れて微粒子状となった破片が容器の第1収容空間2内の
溶解剤20に混入することは防止される。
【0107】次いで、図39に示す如く、スパイク20
0が上記ステップで一体型輸液容器に装着された状態の
ものを反転させる。この状態で、点滴筒204を図中の
矢印で示す如く手動操作でポンピングすることにより、
この輸液容器の第1収容空間2内に収容されている溶解
剤20を第2収容空間4及び点滴筒204側へ案内す
る。このポンピング操作において、先ず、点滴筒204
を圧搾した場合、上記の如くクランプ208は閉じられ
ているため、点滴筒204内のエアーは圧縮され、図4
1の矢印で示す如く、点滴筒204内の該エアーは、ス
パイク200の基部側開口220から2流路215を通
り、2つの細長開口218,219から第1収容空間2
内の溶解剤20内に泡となって放出される。この状態で
点滴筒204の上記圧搾動作を停止して手を離すと、第
1収容空間2側の容器内圧力が点滴筒204内の容器内
圧力よりも大きくなって、図42の矢印で示す如く、第
1収容空間2内の溶解液20は、スパイク先端部の2つ
の細長開口218,219から2流路215を通り、上
記他端側開口220から点滴筒204内に収容される。
溶解剤20のこの流動時に、図42中、矢印で示すよう
に、第1収容空間2側から案内されてきた溶解剤20
は、仕切り壁216に設けられている液拡散用突起22
1,222に当たってその流路を変更し、溶解剤20
は、第2収容空間4の内部に全体的に均一に拡散せしめ
られる。溶解剤20のこの拡散流により、この第2収容
空間4内に収容されている固形粉末剤26は、該第2収
容空間4内で溶解剤20と速やかに混合せしめられる。
このようにして混合された混合薬剤は、液拡散用突起2
21,222の基端側に位置する上記2つの細長開口2
18,219を通って上記2流路215内に案内され、
上記他端側開口220より点滴筒204内に収容され
る。第1収容空間2から溶解剤20が点滴筒204内に
案内されるにつれて、第1収容空間2内の容器内圧力は
徐々に低下し、この結果、溶解剤20の流動速度は遅く
なる。このような場合には、図39の矢印で示す如く、
容器本体側をポンピング(圧搾)して、第1収容空間2
内の容器内圧力を上げたり、或いは、上記の如く点滴筒
204をポンピング(圧搾)することにより、上記操作
を再度繰り返す。
【0108】次いで、上記操作により、混合薬剤が点滴
筒204内に一杯になったとき、図40に示す如く、輸
液容器を首部4が上になるように再度反転させる。この
状態で、輸液容器10を手動操作でポンピングすること
により、点滴筒204内に上記の如く収容された混合薬
剤を輸液容器10側へ案内する。このポンピング操作に
おいて、先ず、輸液容器10を圧搾した場合、輸液容器
10の第1収容空間2内のエアーは圧縮され、図43の
矢印で如く、該輸液容器10の第1収容空間2内のエア
ーは、スパイク先端部の2つの細長開口218,219
から混合薬剤に満たされている第2収容空間4を通り、
さらに、基端側の2流路215を経て他端側開口220
から点滴筒204内の混合薬剤中に泡となって放出され
る。この状態で上記圧搾動作を停止して輸液容器10に
対する付勢圧(外力)を解放すると、点滴筒204内の
容器内圧力が輸液容器10の第1収容空間2の容器内圧
力がより大きくなるため、図44に示す如く、点滴筒2
04内の混合薬剤は、スパイク200の他端側開口22
0内に案内され上記2流路215を通ってスパイク20
0の先端側に位置する上記2つの細長開口218,21
9に導かれ、該2つの細長開口218,219から輸液
容器10の第1収容空間2内に流下して収容される。こ
の混合剤の流動時において、上記2流路215を通って
第2収容空間4側に案内されてきた混合薬剤は、図中、
矢印で示すように、上記液拡散用突起221,222に
当たって第2収容空間4に、再度、全体的に拡散せしめ
られる。これにより、前記ステップで第2収容空間4内
の固形粉末剤26が溶解剤20と完全に混合されていな
かった場合でも、それらの未溶解(未混合)固形粉末剤
は、再度、この混合薬剤が含む溶解剤と混合(溶解)せ
しめられることになり、再混合された混合薬剤が輸液容
器の第1収容空間2内に戻されることになる。点滴筒2
04内から混合薬剤が容器本体側に流動するにつれて、
点滴筒204内の容器内圧力は低下し、この結果、混合
薬剤の容器本体側への流動速度は遅くなる。このような
場合には、点滴筒204をポンピング(圧搾)して、該
点滴筒204内の容器内圧力を上げたり、或いは、上記
の如く輸液容器10の本体を圧搾して、上記操作を再度
繰り返す。これにより、上記前記ステップで第2収容空
間4内の固形粉末剤26が溶解剤20と完全に混合され
ていなかった場合でも、それらの未溶解(未混合)固形
粉末剤は、再度、この混合薬剤が含む溶解剤と混合(溶
解)せしめられる。
【0109】上記各混合操作、つまり、図39及び図4
0を参照して説明した上記各操作を数回繰り返すことに
より、輸液容器の第2収容空間4内に収容されている固
形粉末剤26は、第1収容空間2内に収容されている溶
解剤20と略完全に混合(溶解)せしめられる。
【0110】このようにして、第1収容空間2内の溶解
剤20と、第2収容空間4内の固形粉末剤26とが相互
に混合(溶解)せしめられた後に、この一体型輸液容器
10は、ハンガー6を不図示の支持部材に吊り下げて、
点滴準備状態にセッティングされることになる。点滴時
には、クランプ208が開かれ、輸液容器10の第1収
容空間2内に収容されている混合薬剤が注射針212を
通して人体に案内される。
【0111】上記第1,2の実施形態に係る一体型輸液
容器は、該容器本体が備える隔離用刺針部薄膜を、容器
本体から別体として準備されたスパイクの先端で破断
(貫通)させるように構成されているが、本願発明によ
れば、また、以下の如く、輸液容器本体に設けられた小
容器が備える破断手段によって、輸液容器本体に一体的
に形成されている隔離用刺針部薄膜を破断させるように
した第3の実施形態に係る一体型輸液容器が提供され
る。以下に、この一体型輸液容器を図47,48に従っ
て説明する。
【0112】この一体型輸液容器は、図47に示すよう
に、容器本体内に一体的に隔離用刺針部薄膜316bが
形成されており、該隔離用刺針部薄膜316bにより、
容器本体内には、溶解剤320を密閉状態で収容する第
1収容空間302と、固形粉末剤326を密閉状態で収
容する小容器350を収納した第2収容空間304とが
形成されている。この一体型輸液容器は、胴部314と
首部316とを備えており、隔離用刺針部薄膜316b
は、首部316側に形成されている。上記胴部314の
所定位置には、不図示のスパイク挿入部(ゴム栓)が設
けられており、溶解剤320と固形粉末剤326とを混
合(溶解)する混合操作後に、スパイクを該スパイク挿
入部に挿入して、その混合薬剤を容器本体外部に案内す
ることができるようになっている。
【0113】上記第1収容空間302は、隔離用刺針部
薄膜316bに対して胴部314側に形成されており、
一方、上記第2収容空間304は、隔離用刺針部薄膜3
16bに対して胴部314の反対側側に形成されてい
る。
【0114】上記小容器350は、上記隔離用刺針部薄
膜316b側に破断可能な薄膜352を備え一端部が開
口した小容器本体354と、該小容器本体354の内周
面に摺動自在に設けられた中空プランジャ360とを備
えている。この中空プランジャ360は、小容器本体3
54の上記薄膜352側へ移動させたときに上記薄膜3
52と上記隔離用刺針部薄膜316bとを破断(貫通)
するエッジ部356と、該エッジ部356の反対側に位
置する操作部とを備えている。該操作部側は密閉されて
おり、中空プランジャ360の中空部362と、容器本
体354の内周面とから形成された密閉空間内に上記固
形粉末剤326が収容されている。
【0115】この構成において、上記操作部を操作し
て、上記の如く中空プランジャ360を小容器本体35
4の薄膜352側へ移動させたとき、図48に示すよう
に、該薄膜352と、容器本体354の隔離用刺針部薄
膜とがこの中空プランジャ360のエッジ部356によ
り破断せしめられ、この結果、小容器350の内部と、
輸液容器本体の第1収容空間302とが互いに連通して
小容器350内に収容されていた固形粉末剤326が輸
液容器本体の第1収容空間302内に収容されている溶
解剤内に落下して互いに混合(溶解)せしめられる。
【0116】この第3の実施形態の一体型輸液容器は、
前記第1,2の実施形態の一体型輸液容器と同様に製造
することができる。
【0117】すなわち、輸液容器本体部側は、前記ブロ
ー成型法により、図11に示す如く第3中間体容器10
Cに対応する中間体容器を準備する。一方、この中間体
容器10Cからは独立して、上記構成の小容器350を
準備する。そして、これらの中間体容器10Cと小容器
350とを互いに組み合わせて密閉することにより、図
47に示す如く一体型輸液容器が完成する。
【0118】
【実施例】上記パリソンの形成材料として、ポリエチレ
ンを使用した。
【0119】上記密閉膜16aがセンター・パーティン
グライン30により区分けされた第1部分16yと第2
部分16zとを、図8に示す如く、第1部分16yの延
伸量が第2部分16zの延伸量よりも多くなるように、
加熱部材106により加熱軟化して、該加熱部分を大気
圧に対して負圧になっている容器内部へ陥没させるステ
ップにおいて、上記加熱部材106の温度は450°C
に設定された。密閉膜16aは、該密閉膜16aの表面
温度が90°Cに達したときに、変形し始め容器内側に
陥没し始めた。密閉膜16aは、この加熱部材106に
より、表面温度が90〜100°Cに保たれた状態で、
30秒間加熱された。これにより、密閉膜16aは、上
記の如く部分的に容器内側へ陥没した。
【0120】次いで、上記密閉膜16aの全面を、図9
に示す如く、加熱部材107により均一に加熱して軟化
させ密閉膜16aを負圧になっている容器の内側に全体
的に均一に陥没させて隔離用刺針部薄膜16bを形成す
るステップにおいて、上記加熱部材107の温度は、4
50°Cに設定された。密閉膜16aは、この加熱部材
107により、表面温度が90〜100°Cに保たれた
状態で、30秒間加熱された。これにより、密閉膜16
aは、上記の如く全体的に均一に容器内方へ陥没した。
【0121】上記各ステップを経て形成された上記隔離
用刺針部薄膜16bは、パーティングライン30bに対
応する部分の膜厚が0.5〜0.6mm、パーティング
ライン30bに対応しない部分つまりスパイク200が
挿入される部分の膜厚が約0.3mmであった。この膜
厚は、従来の刺針部薄膜の厚さ(0.5〜0.6mm)
と比較して、有意に小さいものである。
【0122】次に、本発明の第4の実施形態に係る輸液
容器とその製造方法を図47〜62に従って説明する。
【0123】この第4の実施形態の輸液容器はセパレー
ト型輸液容器である。この輸液容器410は、図47に
示す如く、胴部414と、1対の首部416a,416
bとを備えている。その一方の首部(第1の首部)41
6aには、該輸液容器410が収容している1つの輸液
構成剤である溶解剤420と混合するべき別体で準備さ
れている不図示の周知のバイアル内に収容された今1つ
の輸液構成剤である固形粉末剤を混合するための周知の
両頭針417aを備えたスライダ417が収納されてい
る。このスライダ417は、図に示す如く、両頭針41
7aを支持する支持部417dを備えており、該支持部
417dは、第1の首部416aの内周面に摺動自在に
備えられている。なお、参照符号417b,417c
は、夫々、両頭針417aの胴部414側の先端部と、
該両頭針417aの外部側の先端部である。また、この
第1の首部416aには、上記スライダ417を外部か
ら密閉するためのキャップ418を備えている。
【0124】一方、他方の首部(第2の首部)416b
には、上記溶解剤420と上記固形粉末剤とを混合して
なる輸液を外部に案内するための周知の先細りの先端を
備えたスパイク500を刺針するための周知の刺針部4
50が設けられている。このスパイク500には、たと
えば、前記第1の実施形態で用いたものと同様に、不図
示の点滴筒と輸液案内チューブと該輸液案内チューブの
流路を開閉するクランプ(バルブ装置)と他の輸液案内
チューブと人体に刺針するための注射針が順次接続され
ている(図1参照)。なお、図中、参照符号406は、
第1の首部416aに設けられたハンガーであり、不図
示の支持部材にこのハンガー406を引っかけることに
より、輸液容器410を第2の首部416bを下にした
状態で吊り下げることができるようになっている。
【0125】図に示すように、このセパレート型輸液容
器410は、第1の首部416aに設けられ容器本体と
一体的に形成された第1の隔離薄膜(第1の隔離用刺針
部薄膜)419cによって、容器内部が第1の収容空間
402と、第2の収容空間404に区分けされている。
【0126】以下に、このセパレート型輸液容器の構成
を製造方法を交えながら説明する。
【0127】このセパレート型輸液容器は、ブロー成形
法により、以下の製造工程を経て作られる。
【0128】すなわち、先ず、図48に示す如く、熱可
塑性樹脂からなる加熱軟化したチューブ状パリソンを第
1対称金型600内にセットした後にパリソン内部にエ
アーを吹き込んで膨張させ第1対称金型600に密着さ
せると同時に冷却して、胴部414と、螺合部415を
備えた第1の首部416aと、第2の首部416bとを
有する第1中間体容器410Aを形成した後に、溶解剤
420を第1中間体容器410A内に所定量充填する。
本実施形態において、上記チューブ状パリソンを形成す
る熱可塑性合成樹脂として、ポリエチレンを用いている
が、使用材料は、このポリエチレンに限定されるもので
はない。なお、当該ステップにおいて、第1の首部41
6a側は外部に対して解放されており、一方、第2の首
部416b側は外部に対して密閉されている。つまり、
当該ステップで、第2の首部416b側の天壁としての
第2の密閉膜421aが形成される。
【0129】次いで、図49に示す如く、第1対称金型
600に摺動自在に設けられた押し棒602によって第
1中間体容器410Aの側面を内側に押圧して弾力的に
窪ませる。
【0130】次いで、図50に示す如く、第2対称金型
604により、上記第1中間体容器410Aの第1の首
部416aを密閉してなる第2中間体容器410Bを形
成する。つまり、このステップで、第1の首部416a
側の天壁としての第1の密閉膜419aが形成される。
【0131】次いで、この第2中間体容器410Bに対
して押し棒602の押圧を解放し、第1対称金型600
と第2対称金型604とを開枠して、容器本体が有する
弾性復元力により容器本体の内部を大気圧に対して低圧
にした状態で第2中間体容器410Bを第1,2対称金
型600,604から取り出す。
【0132】次いで、図51に示す如く、第1の密閉膜
419aの全面を第1の加熱部材607により均一に加
熱して軟化させ、図52に示す如く、該第1の密閉膜4
19a全体を負圧になっている容器の内側に陥没させ
る。第2中間体容器410Bの内部は外部に対して負圧
になっているため、第1の密閉膜419aは、全体的に
均一に該中間体容器410Bの内方向に引っ張られて、
該第1の密閉膜419a全体がムラなく延伸せしめられ
る。このステップで、第1の密閉膜419aは、第1の
中間体隔離薄膜419bとして形成される。この第1の
中間体隔離薄膜419bに対して、容器本体の内側は、
溶解剤420を収容した第1の収容空間402として形
成される一方、第1の中間体隔離薄膜419bに対し
て、容器本体の外側は、スライダ417を収容する第2
の収容空間404として形成される。本実施形態におい
て、第1の密閉膜419aは、図に示すように、均一に
加熱された第1の加熱部材607により、全体的に均一
に加熱される。この加熱により、第1の密閉膜419a
は、該第1の密閉膜419aが全体的に容器内方に延伸
して凹となるにつれて、その膜厚は減じられていく。な
お、上記第1の加熱部材607の温度や、加熱時間や、
密閉膜419aの表面温度等は、パリソンの形成材料
や、容器本体と加熱部材との間隔等によって、任意に設
定される。
【0133】次いで、上記第1の中間体隔離薄膜419
bを上記の如く容器本体内側に凹に垂下させた後に、図
53に示す如く、首部成形コア609を第1の首部41
6aの内側に挿入する。この首部成形コア609は、図
に示すように、当該輸液容器410の中心軸を略中心と
し胴部414側に凸に形成された凸成形部611を有し
ている。従って、当該ステップにおいて、首部成形コア
609を第1の首部416aの内側に挿入することによ
り、上記第1の中間体隔離薄膜419bは、第1の首部
416aの内周面に沿わせるように形状が整えられると
共に、首部成形コア609の上記凸形成部611の形状
に対応して中央部の一部が胴部414の方向に凸に、つ
まり第2の収容空間404に対して凹に成形される。こ
の凹部419dには、後述するように、両頭針417a
の一方の先端部417bが部分的に収納される。つま
り、このステップにおいて、上記第1の中間体隔離薄膜
419bは、凹部419dを備えた第1の隔離薄膜つま
り第1の隔離用刺針部薄膜419cとして形成される。
なお、このステップで、第1の隔離用刺針部薄膜419
cより上に位置する第1の首部416aの部分の周壁
は、容器本体側の首部の部分と、該首部の部分の開口側
端部に一体的に接続し該首部の部分の内周面沿いに折り
込まれた第1の隔離用刺針部薄膜419cとからなる2
重壁として構成される。当該ステップにおいて、第2中
間体容器410Bは、第3中間体容器410Cとして形
成される。
【0134】次いで、図54に示す如く、この首部成型
コア609を第1の首部416aから抜き取る。
【0135】ところで、第1の隔離用刺針部薄膜が一定
の厚さ以上の厚さを有している場合、該第1の隔離用刺
針部薄膜に、後述するところの両頭針417aの先端部
417bを挿入したときに、第1の隔離用刺針部薄膜の
一部が該先端部417bにより削られる(この現象は、
「コアリング」と称される)可能性が高くなることが知
見されている。しかし、本実施形態の第1の隔離用刺針
部薄膜419cは、上記の如く、第1の密閉膜419a
を第1の中間体隔離薄膜419bとして形成するステッ
プにおいて、その膜厚が有意に低減せしめられる。この
結果、両頭針417aの先端部417bが挿入される第
1の隔離用刺針部薄膜419cの部分の肉厚が上記一定
の厚さ以下となり、上記コアリングの発生の可能性は有
意に低減する。つまり、第1の隔離用刺針部薄膜419
cへの両頭針417aの先端部417bの刺針時にコア
リングが発生して第1の隔離用刺針部薄膜419cが削
られてなる破片が輸液容器本体の第1収容空間402内
に混入する可能性は低減する。
【0136】次いで、図55に示す如く、第1の首部4
16aが有する第2の収容空間404内に、両頭針41
7aの一方の先端部417bが第1の上記隔離用刺針部
薄膜419cの凹部419d内に位置するように、上記
スライダ417を装着する。このスライダ417の支持
部417dは、第1の首部416aに対して摩擦的に支
持されており、従って、当該スライダ417は、上記の
如く第1の首部416aに対して摺動自在である。
【0137】次いで、図56に示す如く、別体で準備さ
れた密閉保護部材としてのキャップ418を第1の首部
416aに装着してスライダ417を外部から密閉す
る。このキャップ418には、輸液容器410の第1の
首部416aに形成されている上記螺合部415に螺合
する螺合部418aが設けられており、当該螺合部41
5,418aを互いに螺合させることにより、キャップ
418は、第1の首部416aに固定される。
【0138】次いで、図56に示す第3中間体輸液容器
410Cを図57に示す如く反転させて、第2の首部4
16bが有している上記第2の密閉膜421aの全面を
第2の加熱部材609により均一に加熱して軟化させ
る。当該ステップにおいて、第3中間体容器410Cの
内部は、外部に対して負圧を維持しており、従って、こ
の負圧を利用して、図58に示す如く該第2の密閉膜4
21a全体を負圧になっている容器の内側に陥没させ
る。このように、第3中間体容器410Cの内部は、上
記の如く外部に対して負圧になっているため、第2の密
閉膜421aは、全体的に均一に該第3中間体容器41
0Cの内方向に引っ張られて、該第2の密閉膜421a
全体がムラなく延伸せしめられる。このステップで、第
2の密閉膜421aは、第2の中間体隔離薄膜421b
として形成される。この第2の中間体隔離薄膜421b
に対して、容器本体の内側は、上記溶解剤420を収容
した第1の収容空間402として形成される一方、該第
2の中間体隔離薄膜421bに対して、容器本体の外側
は、上記刺針部450を構成するための別体として設け
られた密閉部材700(後述)を収容する第3の収容空
間460として形成される。
【0139】より具体的には、この密閉部材700は、
図58に示す如く、熱可塑性樹脂製の密閉用フレーム部
材704の内側にゴム栓703を固定してなるものであ
る。
【0140】本実施形態において、第2の密閉膜421
aは、図57に示すように、均一に加熱された第2の加
熱部材609により、全体的に均一に加熱される。この
加熱により、第2の密閉膜421aは、該密閉膜421
aが全体的に容器内方に延伸して凹となるにつれて、そ
の膜厚は減じられていく。なお、この第2の加熱部材6
09の温度や、加熱時間や、第2の密閉膜421aの表
面温度等は、パリソンの形成材料や、容器本体と加熱部
材との間隔等によって、任意に設定される。
【0141】次いで、上記第2の中間体隔離薄膜421
bを上記の如く容器本体内側に凹に垂下させた後に、図
59に示す如く、上記密閉部材700を第2の首部41
6bの第3の収容空間460内に挿入する。このステッ
プにおいて、密閉部材700を第3の収容空間460内
に挿入することにより、上記第2の中間体隔離薄膜42
1bは、第2の首部416bの内周面に沿わせるように
形状が整えられると共に底面の形状が整えられる。つま
り、このステップにおいて、第2の中間体隔離薄膜42
1bは、第2の隔離薄膜つまり第2の隔離用刺針部薄膜
421cとして形成される。なお、このステップで、第
2の隔離用刺針部薄膜421cより上に位置する第2の
首部416bの部分の周壁は、容器本体側の首部の部分
と、該首部の部分の開口側端部に一体的に接続し該首部
の部分の内周面沿いに折り込まれた第2の隔離用刺針部
薄膜421cとからなる2重壁として構成される。
【0142】ところで、第2の隔離用刺針部薄膜が一定
の厚さ以上の厚さを有している場合、該第2の隔離用刺
針部薄膜に、該膜に刺針する上記スパイク500の先端
部を挿入したときに、第2の隔離用刺針部薄膜の一部が
スパイク500の先端部により削られる(この現象は、
「コアリング」と称される)可能性が高くなることが知
見されている。しかし、本実施形態の第2の隔離用刺針
部薄膜421cは、上記の如く、第2の密閉膜421a
を第2の中間体隔離薄膜421bとして形成するステッ
プにおいて、その膜厚が有意に低減せしめられる。この
結果、スパイク500の先端部が挿入される第2の隔離
用刺針部薄膜421cの部分の肉厚が上記一定の厚さ以
下となり、上記コアリングの発生の可能性は有意に低減
する。つまり、第2の隔離用刺針部薄膜421cへのス
パイク500の刺針時にコアリングが発生して第2の隔
離用刺針部薄膜421cが削られてなる破片が当該輸液
容器本体の第1収容空間402内に混入する可能性は低
減する。
【0143】次いで、図60に示す如く、密閉部材70
0の上記密閉用フレーム704と、容器の第2の首部4
16bの口部とを互いに熱溶着により固定する。つま
り、このステップにおいて、第4中間体容器410D
は、第5中間体容器410Eとして形成される。
【0144】次いで、上記互いに熱溶着されてなる第2
の首部416bの口部の端面に、図61に示す如く保護
フィルム(保護シール)702を設ける。
【0145】次いで、図62に示す如く、第1の首部4
16aの所定位置に上記ハンガー406を容器本体に対
して回動自在に取り付けるためのハンガー支持部材70
5を固定した後、該支持部材705にハンガー406を
取り付けて、図47に示す如く当該セパレート型輸液容
器の完成品を得る。
【0146】上記各ステップを経て形成されたこの第4
の実施形態に係るセパレート型輸液容器は、周知のセパ
レート型輸液容器と同様にして用いられる。
【0147】すなわち、この輸液容器の第1の首部41
6aからキャップ418を取り外して、両頭針417a
の外部側の先端部417cを別体として準備されている
不図示の周知のバイアルの口部(刺針部)に対して位置
決めする。
【0148】次いで、バイアルの本体部をこの輸液容器
本体部に対して押圧する。このとき、両頭針417aの
1対の先端部417c,417bは、バイアルの刺針部
と、この輸液容器410の第1の首部416a側に設け
られている上記第1の隔離薄膜419cの凹部419d
を夫々貫通する。このとき、輸液容器410の第1の収
容空間402と、バイアル内部とが両頭針により連通せ
しめられる。
【0149】次いで、このように互いに接続されたもの
を上下左右に振ることにより、第1の収容空間402内
に収容されている溶解剤420と、バイアル内に収容さ
れている固形粉末剤とが互いに混合される。
【0150】次いで、不図示の点滴筒のスパイク500
をこの輸液容器410の刺針部450に挿入(刺針)し
た状態で、ハンガー406を不図示の支持部材に引っ掛
けて点滴作業の準備を完了する。
【0151】この第4の実施形態に係るセパレート型輸
液容器410は、第1の首部416a側に構成されてい
る第1の収容空間402と第2の収容空間404、及
び、第2の首部416b側に構成されている第1の収容
空間402と第3の収容空間460が、夫々、容器本体
と一体的に形成された第1及び第2の隔離薄膜419
c,421cにより画定されているため、製造段階にお
いて第1の収容空間402内に一旦充填(密閉)された
溶解剤は、輸液容器が完成するまで外部との接触が完全
に遮断されることになり、従って、前記従来式セパレー
ト型輸液容器が有していた2つの独立した容器構成部材
の組み合わせから生じる汚染問題は、効果的に解消され
る。
【0152】なお、上記第4の実施形態においては、第
1,2金型600,604に夫々対称金型を用いている
ため、第1,第2の隔離用刺針部薄膜419c,421
cは、その形成段階(図48,図50参照)において夫
々センター・パーティングラインが形成されるが、この
センター・パーティングラインを偏心させるために、前
記第1の実施形態で用いたセンター・パーティングライ
ンの偏心方法をこの第4の実施形態の製造ステップに適
用してもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る一体型輸液容器が適
用された2薬剤混合システムの全体斜視図である。
【図2】 第1の実施形態に係る一体型輸液容器の製造
方法を示す1製造工程図である。
【図3】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図4】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図5】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図6】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図7】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図8】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図9】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図10】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図11】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図12】 図8に示した中間体容器の上面図である。
【図13】 図9に示した中間体容器の上面図である。
【図14】 本発明の一体型輸液容器本体の首部に嵌入
される小容器の構成部材の上面図である。
【図15】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図16】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図17】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図18】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図19】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図20】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図21】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図22】 図21に示した小容器が輸液容器本体の首
部に挿入された状態を示す1製造工程図である。
【図23】 図22に示した小容器と輸液容器本体の首
部とが互いに溶着された状態を示す1製造工程図であ
る。
【図24】 図23に示した輸液容器本体の首部に保護
フィルムが設けられた状態を示す拡大断面図である。
【図25】 第1の実施形態の変形形態に係る一体型輸
液容器本体の首部に嵌入される小容器の製造方法を示す
1製造工程である。
【図26】 図25の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図27】 図25の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図28】 図25の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図29】 図25の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図30】 図29に示した小容器が輸液容器本体の首
部に挿入された状態を示す1製造工程図である。
【図31】 図30に示した小容器と輸液容器本体の首
部とが互いに溶着された状態を示す1製造工程図であ
る。
【図32】 第2の実施形態に係る一体型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図33】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図34】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図35】 図34に示した輸液容器本体の首部に保護
フィルムが設けられた状態を示す拡大断面図である。
【図36】 図1に示した2薬剤混合システムに適用さ
れるスパイクの要部断面図である。
【図37】 スパイクが輸液容器の首部口部に装着され
る前の状態を示す使用状態図である。
【図38】 スパイクが輸液容器の首部口部に装着され
た状態を示す使用状態図である。
【図39】 図38に示すスパイクと輸液容器とを反転
させて、容器本体胴部内の溶解液と、容器首部内の粉末
製剤とを混合させている状態を示す使用状態図である。
【図40】 図39に示すスパイクと輸液容器とを更に
反転させた状態を示す使用状態図である。
【図41】 図39に示す状態において、スパイク側か
ら輸液容器側へエアーが送られている状態を示す説明図
である。
【図42】 図39に示す状態において、輸液容器側か
らスパイク側へ溶解液が送られている状態を示す説明図
である。
【図43】 図40に示す状態において、輸液容器側か
らスパイク側へエアーが送られている状態を示す説明図
である。
【図44】 図40に示す状態において、一旦固形粉末
剤が溶解剤に混合されてなる混合剤がスパイク側から輸
液容器側へ送られている状態を示す説明図である。
【図45】 第3の実施形態に係る一体型輸液容器を示
す要部断面図である。
【図46】 図45に示した一体型輸液容器の使用状態
図である。
【図47】 第4の実施形態に係るセパレート型輸液容
器の全体図である。
【図48】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図49】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図50】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図51】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図52】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図53】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図54】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図55】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図56】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図57】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図58】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図59】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図60】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図61】 図47に示したセパレート型輸液容器の製
造方法を示す1製造工程図である。
【図62】 図61に示したセパレート型輸液容器を該
容器の縦軸を中心として90°回転させた状態を示す側
面図である。
【符号の説明】
2 第1収容空間 4 第2収容空間 6 ハンガー(吊り下げ部) 10 一体型輸液容器 10A 第1中間体容器 10B 第2中間体容器 10C 第3中間体容器 14 胴部 16 首部 16a 密閉膜 16b 隔離用刺針薄膜 16y 第1部分 16z 第2部分 20 溶解剤 26 固形粉末剤 26a 薬剤溶液 30 センター・パーティングライン 30a パーティングライン 30b パーティングライン 32 小容器構成部材 32a 切り欠き 32b 薄膜 35 ゴム栓 35a 密閉用フレーム部材 37 防湿フィルム 38 小容器 39 保護フィルム 41 小容器構成部材 41b 薄膜 42 ゴム栓 42a 密閉用フィルム部材 43 防湿フィルム 44 小容器 45 薬剤充填ノズル 46 薬液 47 ゴム栓 47a 密閉用フィルム部材 48 保護フィルム 100 第1金型 102 押し棒 104 第2金型 106 加熱部材 107 加熱部材 109 首部成型コア 200 スパイク 202 先端 204 点滴筒 206 チューブ 208 クランプ(バルブ装置) 210 チューブ 212 注射針 214 中空針本体 215 2流路 216 仕切り壁 217 位置決めフランジ 217a 端面 218 細長開口 219 細長開口 220 開口 221 液拡散用突起 222 液拡散用突起 302 第1収容空間 304 第2収容空間 314 胴部 316 首部 316b 隔離用刺針部薄膜 320 溶解剤 326 固形粉末剤 350 小容器 352 薄膜 354 小容器本体 356 エッジ部 360 中空プランジャ 362 中空部 402 第1の収容空間 404 第2の収容空間 406 ハンガー 410 セパレート型輸液容器 410A 第1中間容器 410B 第2中間容器 410C 第3中間容器 410D 第4中間容器 410E 第5中間容器 414 胴部 415 螺合部 416a 第1の首部 416b 第2の首部 417 スライダ 417a 両頭針 417b 先端部 417c 先端部 417d 支持部 418 キャップ 418a 螺合部 419a 第1の密閉膜 419b 第1の中間体隔離薄膜 419c 第1の隔離薄膜(第1の隔離用刺針部薄膜) 419d 凹部 420 溶解剤 421a 第2の密閉膜 421b 第2の中間体隔離薄膜 421c 第2の隔離薄膜(第1の隔離用刺針部薄膜) 450 刺針部 460 第3の収容空間 500 スパイク 600 第1対称金型 602 押し棒 604 第2対称金型 607 第1の加熱部材 609 第2の加熱部材 611 凸形成部 700 密閉部材 702 保護フィルム(保護シール) 703 ゴム栓 704 密閉用フレーム部材 705 ハンガー支持部材

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が液体である第1及び第
    2の輸液構成剤(20,26;320,326)を夫々
    独立して収容すると共に該第1及び第2の輸液構成剤
    (20,26;320,326)を混合して輸液を形成
    するための一体型輸液容器において、 容器本体内に一体的に隔離薄膜(16b,316b)を
    形成して上記第1及び第2の輸液構成剤(20,26;
    320,326)を夫々を密閉するための第1及び第2
    の収容空間(2,4;302,304)を形成したこと
    を特徴とする輸液容器。
  2. 【請求項2】 上記容器本体は、胴部(14;314)
    と首部(16;316)とを備え、 首部(16;316)は、上記隔離薄膜(16b;31
    6b)を備え、 上記第1の収容空間(2;302)は、上記隔離薄膜
    (16b;316b)に対して胴部(14;314)側
    に形成され、 上記第2の収容空間(4;304)は、上記隔離薄膜
    (16b;316b)に対して胴部(14;314)の
    反対側に形成されたことを特徴とする請求項1記載の輸
    液容器。
  3. 【請求項3】 上記第2の収容空間(4;304)は、
    上記第2の輸液構成剤(26;46;326)を密閉し
    上記隔離薄膜(16b;316b)側に薄膜(32b;
    41b;352)を備えた小容器(38;44;35
    0)を収納する空間として構成されたことを特徴とする
    請求項2記載の輸液容器。
  4. 【請求項4】 上記容器本体と上記小容器(38;4
    4;350)は、夫々、熱可塑性樹脂から形成され、 上記小容器(38;44;350)は、上記首部(1
    6;316)の内周面側に防湿フィルム(37;43)
    を備え、 上記小容器(38;44)と上記首部(16)とは互い
    に溶着されて、上記第2の収容空間(4)は密閉された
    ことを特徴とする請求項3記載の輸液容器。
  5. 【請求項5】 上記胴部(14;314)は、スパイク
    (200)を挿入するための挿入部(35;42;4
    7)を備え、 上記小容器(350)は、小容器本体の内周面に摺動自
    在に設けられかつ外側一端が閉じられかつ内側他端が開
    いた中空プランジャであって上記薄膜(352)側へ移
    動させることにより上記薄膜(352)と上記隔離薄膜
    (316b)とを破断するエッジ(356)を上記他端
    側に有する中空プランジャ(360)を備えたことを特
    徴とする請求項3記載の輸液容器。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方が液体である第1及び第
    2の輸液構成剤(20,26;320,326)を夫々
    独立して収容すると共に該第1及び第2の輸液構成剤
    (20,26;320,326)を混合して輸液を形成
    するための熱可塑性樹脂からなる一体型輸液容器の製造
    方法にして、 内側に第1の輸液構成剤(20)を収容すると共に内側
    を大気圧より低圧にした密閉容器本体を形成する容器本
    体形成ステップと、 容器本体の一部分を加熱して軟化させ該一部分を大気圧
    と低圧との気圧差により内側に陥没させて陥没凹部を隔
    離薄膜(16b)として形成し、該隔離薄膜(16b)
    に対して容器本体の内側を上記第1の輸液構成剤(2
    0)を収容した第1の収容空間(2)として形成する一
    方、隔離薄膜(16b)に対して容器本体の外側を上記
    第2の輸液構成剤(26)を収容する第2の収容空間
    (4)として形成する隔離薄膜形成ステップと、 第2の輸液構成剤(26)を収容した第2の収容空間
    (4)を密閉手段により外部に対して密閉する密閉ステ
    ップとを有することを特徴とする製造方法。
  7. 【請求項7】 上記容器本体形成ステップは、ブロー成
    形法により、加熱軟化したチューブ状パリソンを第1金
    型(100)内にセットした後にパリソン内部にエアー
    等を吹き込んで膨張させ金型(100)に密着させると
    同時に冷却して第1中間体容器(10A)を形成するス
    テップと、 上記第1の輸液構成剤(20)を第1中間体容器(10
    A)内に所定量充填するステップと、 上記第1金型(100)に摺動自在に設けられた押し棒
    (102)によって第1中間体容器(10A)の側面を
    内側に押圧して弾力的に窪ませると共に、第2金型(1
    04)により上記第1中間体容器(10A)を密閉して
    なる第2中間体容器(10B)を形成するステップと、 第2中間体容器(10B)に対して押し棒の押圧(10
    2)を解放すると共に第1,2金型(100,104)
    を開枠することにより、容器本体が有する弾性復元力に
    より容器本体の内側を大気圧に対して低圧にさせるステ
    ップとを有することを特徴とする請求項6記載の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 上記容器本体形成ステップにおいて、上
    記容器本体を胴部(14)と首部(16)とから構成
    し、 上記第1の収容空間(2)を上記隔離薄膜(16b)に
    対して胴部(14)側に形成しかつ上記第2の収容空間
    (4)を隔離薄膜(16b)に対して胴部(14)の反
    対側に形成するように隔離薄膜(16b)を上記首部
    (16)に備えたことを特徴とする請求項7記載の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 上記隔離薄膜形成ステップは、さらに、
    上記隔離薄膜(16b)を内側に凹に垂下させた後に首
    部成形コア(109)を上記首部(16)の内側に挿入
    して隔離薄膜(16b)を首部(16)の内周面に沿わ
    せるように形状を整えると共に隔離薄膜(16b)の底
    面を成型するステップを有することを特徴とする請求項
    8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記容器本体形成ステップは、上記首
    部(16)の内側に上記第2の輸液構成剤(26)を所
    定量充填するステップと、 スパイク挿入用ゴム栓(35;42;47)を上記密閉
    手段として首部に備えるステップとを有することを特徴
    とする請求項8記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記密閉ステップは、上記第2の輸液
    構成剤(26)を密閉状態で収容し上記隔離薄膜(16
    b)側に薄膜(32b;41b)を有し隔離薄膜(16
    b)と反対側の外面に上記密閉手段としてのスパイク挿
    入用ゴム栓(35;42)を備えた小容器(38;4
    4)を上記首部(16)の内側に挿入して固定するステ
    ップを有することを特徴とする請求項8記載の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 上記小容器(38;44)は、上記首
    部(16)の内周面側に防湿フィルム(37;43)を
    備え、 上記密閉ステップは、小容器(38;44)と首部(1
    6)とを互いに溶着させて上記第2の収容空間(4)を
    密閉するステップを有することを特徴とする請求項11
    記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 第1の輸液構成剤(420)と両頭針
    (417a)を夫々独立して収容すると共に該第1の輸
    液構成剤(420)とバイアルが収容する第2の輸液構
    成剤とを両頭針(417a)を通して互いに混合して輸
    液を形成するためのセパレート型輸液容器において、 容器本体内に一体的に隔離薄膜(419c)を形成し
    て、上記第1の輸液構成剤(420)を密閉するための
    第1の収容空間(402)と、上記両頭針(417a)
    を収容するための第2の収容空間(404)とを形成し
    たことを特徴とする輸液容器。
  14. 【請求項14】 上記隔離薄膜(419c)は、上記第
    1の収容空間(402)側に位置する上記両頭針(41
    7a)の一方の針先端部(417b)を該針先端部(4
    17b)が第1の収容空間(402)側に突出した状態
    で受け入れるように、第1の収容空間(402)側に凸
    に形成したことを特徴とする請求項13記載の輸液容
    器。
  15. 【請求項15】 上記容器本体は、胴部(414)と首
    部(416a)とを備え、 首部(416a)は、上記隔離薄膜(419c)を備
    え、 上記第1の収容空間(402)は、上記隔離薄膜(41
    9c)に対して胴部(414)側に形成され、 上記第2の収容空間(404)は、上記隔離薄膜(41
    9c)に対して胴部(414)の反対側に形成されたこ
    とを特徴とする請求項13記載の輸液容器。
  16. 【請求項16】 上記容器本体は、上記両頭針(417
    a)を密閉するための密閉保護部材(418)を上記首
    部(416a)に備えたことを特徴とする請求項15記
    載の輸液容器。
  17. 【請求項17】 容器本体内に一体的に隔離薄膜(41
    9c)を形成して2つの収容空間(402,404)を
    設けた輸液容器にして、 混合して輸液を形成するための輸液構成剤(420)
    が、上記2つの収容空間(402,404)のうちの少
    なくとも一方の収容空間(402)に密閉されたことを
    特徴とする輸液容器。
  18. 【請求項18】 第1の輸液構成剤(420)と両頭針
    (417a)を夫々独立して収容すると共に該第1の輸
    液構成剤(420)とバイアルが収容する第2の輸液構
    成剤とを両頭針(417a)を通して互いに混合して輸
    液を形成するための熱可塑性樹脂からなるセパレート型
    輸液容器において、 内側に第1の輸液構成剤(420)を収容すると共に内
    側を大気圧より低圧にした密閉容器本体(410B)を
    形成する容器本体形成ステップと、 容器本体の一部分(419a)を加熱して軟化させ該一
    部分(419a)を大気圧と低圧との気圧差により内側
    に陥没させて陥没凹部を隔離薄膜(419b,419
    c,419d)として形成し、該隔離薄膜(419b,
    419c,419d)に対して容器本体の内側を上記第
    1の輸液構成剤(420)を収容した第1の収容空間
    (402)として形成する一方、隔離薄膜(419b,
    419c,419d)に対して容器本体の外側を上記両
    頭針(417a)を収容する第2の収容空間(404)
    として形成する隔離薄膜形成ステップと、 上記第2の収容空間(404)内に両頭針(417a)
    を収容する両頭針収容ステップとを有することを特徴と
    する製造方法。
  19. 【請求項19】 上記容器本体形成ステップは、ブロー
    成形法により、加熱軟化したチューブ状パリソンを第1
    金型(600)内にセットした後にパリソン内部にエア
    ー等を吹き込んで膨張させ第1金型(600)に密着さ
    せると同時に冷却して第1中間体容器(410A)を形
    成するステップと、 上記第1の輸液構成剤(420)を第1中間体容器(4
    10A)内に所定量充填するステップと、 上記第1金型(600)に摺動自在に設けられた押し棒
    (602)によって第1中間体容器(410A)の側面
    を内側に押圧して弾力的に窪ませると共に、第2金型
    (604)により上記第1中間体容器(410A)を密
    閉してなる第2中間体容器(410B)を形成するステ
    ップと、 第2中間体容器(410B)に対して押し棒(602)
    の押圧を解放すると共に第1,2金型(600,60
    4)を開枠することにより、容器本体が有する弾性復元
    力により容器本体の内側を大気圧に対して低圧にさせる
    ステップとを有することを特徴とする請求項18記載の
    製造方法。
  20. 【請求項20】 上記容器本体形成ステップにおいて、
    上記容器本体を胴部(414)と首部(416a)とか
    ら構成し、 上記第1の収容空間(402)を上記隔離薄膜(419
    b,419c,419d)に対して胴部(414)側に
    形成しかつ上記第2の収容空間(404)を隔離薄膜
    (419b,419c,419d)に対して胴部(41
    4)の反対側に形成するように隔離薄膜(419b,4
    19c,419d)を上記首部(416a)に備えたこ
    とを特徴とする請求項19記載の製造方法。
  21. 【請求項21】 上記隔離薄膜形成ステップは、さら
    に、上記隔離薄膜(419b,419c,419d)を
    内側に凹に垂下させた後に首部成形コア(609)を上
    記首部(416a)の内側に挿入して隔離薄膜(419
    b,419c,419d)を首部(416a)の内周面
    に沿わせるように形状を整えると共に隔離薄膜(419
    b,419c,419d)の底面を成型するステップを
    有することを特徴とする請求項20記載の製造方法。
  22. 【請求項22】 上記両頭針収容ステップは、さらに、
    上記首部(416a)に密閉保護部材(418)を備え
    ることにより上記第2の収容空間(404)を密閉する
    ステップを有することを特徴とする請求項20記載の製
    造方法。
  23. 【請求項23】 容器本体内に一体的に隔離薄膜(41
    9b,419c,419d)を形成して2つの収容空間
    (402,404)を設けた熱可塑性樹脂からなる輸液
    容器の製造方法にして、 混合して輸液を形成するための輸液構成剤(420)を
    収容すると共に大気圧より低圧にした密閉容器本体(4
    10B)を形成する容器本体形成ステップと、 容器本体の一部分(419a)を加熱して軟化させ該一
    部分(419a)を大気圧と低圧との気圧差により内側
    に陥没させて陥没凹部を隔離薄膜(419b,419
    c,419d)として形成し、該隔離薄膜(419b,
    419c,419d)に対して容器本体の内側を上記輸
    液構成剤(420)を密閉した第1の収容空間(40
    2)として形成する一方、隔離薄膜(419b,419
    c,419d)に対して容器本体の外側を第2の収容空
    間(404)として形成する隔離薄膜形成ステップとを
    有することを特徴とする製造方法。
JP30306597A 1997-03-27 1997-11-05 輸液容器及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3961646B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30306597A JP3961646B2 (ja) 1997-03-27 1997-11-05 輸液容器及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-74923 1997-03-27
JP7492397 1997-03-27
JP30306597A JP3961646B2 (ja) 1997-03-27 1997-11-05 輸液容器及びその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006278947A Division JP2007054643A (ja) 1997-03-27 2006-10-12 輸液容器及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10323379A true JPH10323379A (ja) 1998-12-08
JP3961646B2 JP3961646B2 (ja) 2007-08-22

Family

ID=26416088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30306597A Expired - Lifetime JP3961646B2 (ja) 1997-03-27 1997-11-05 輸液容器及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3961646B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013172449A1 (ja) * 2012-05-17 2013-11-21 味の素株式会社 針付き接続部材、薬剤溶解キット
CN103690363A (zh) * 2013-12-23 2014-04-02 山东齐都药业有限公司 直配型塑料输液瓶及生产工艺
WO2017114247A1 (zh) * 2015-12-29 2017-07-06 胡绍勤 一种输液容器
KR20180011139A (ko) * 2015-05-22 2018-01-31 코허-플라스틱 마쉬넨바우 게엠베하 플라스틱 컨테이너 제품

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013172449A1 (ja) * 2012-05-17 2013-11-21 味の素株式会社 針付き接続部材、薬剤溶解キット
CN104271104A (zh) * 2012-05-17 2015-01-07 味之素株式会社 带针的连接部件、药剂溶解套件
CN103690363A (zh) * 2013-12-23 2014-04-02 山东齐都药业有限公司 直配型塑料输液瓶及生产工艺
KR20180011139A (ko) * 2015-05-22 2018-01-31 코허-플라스틱 마쉬넨바우 게엠베하 플라스틱 컨테이너 제품
JP2018519881A (ja) * 2015-05-22 2018-07-26 コッヒャー−プラスティック マシーネンバウ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング プラスチック容器製品
EP3297595B1 (de) 2015-05-22 2020-05-06 Kocher-Plastik Maschinenbau GmbH Kunststoff-behältererzeugnis
WO2017114247A1 (zh) * 2015-12-29 2017-07-06 胡绍勤 一种输液容器
WO2017114246A1 (zh) * 2015-12-29 2017-07-06 胡绍勤 一种输液容器
WO2017114248A1 (zh) * 2015-12-29 2017-07-06 胡绍勤 一种输液容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP3961646B2 (ja) 2007-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11292640B2 (en) Preparation of therapeutic foam
US4632244A (en) Multiple chamber flexible container
JP4243590B2 (ja) 分配するための媒体が充填された分配容器の製造のための成形方法、特にはブロー及び/又は真空成形方法
US5662642A (en) Instillator with medicator-connecting mouth
JP2000501967A (ja) 無針注射器の薬物カプセル及びその充填方法
US4307059A (en) Method of making blow molded thermoplastic container having sterile needle puncture site
JP3961646B2 (ja) 輸液容器及びその製造方法
JP4022280B2 (ja) 2薬剤混合用スパイク
JP3821907B2 (ja) 医療用容器の刺針部膜に形成されたセンター・パーティングラインの偏心方法
JP2007054643A (ja) 輸液容器及びその製造方法
JPH07275324A (ja) 輸液用容器及びその溶解液容器の製造方法
JP3483218B2 (ja) 輸液容器
JPH09290456A (ja) 輸液用合成樹脂製容器の薄膜一体化口部および口部薄膜成形方法
JPH07213587A (ja) 輸液用容器およびその製造方法
JP2007144231A (ja) 複室容器
JP3834158B2 (ja) 複室容器
JP3517919B2 (ja) 医療用容器及び成形金型
JP3175127B2 (ja) 輸液容器
JP2000060970A (ja) 薬剤入りシリンジ
JPH09201396A (ja) 薬剤溶解キット及び薬剤溶解・注入システム
JPH01198547A (ja) 液体等の収納容器とその開栓器具
JP4118305B2 (ja) 複室容器
JPH11104213A (ja) 薬剤容器のキャップ
JPH10328269A (ja) 医療用容器
JPH09248328A (ja) 医療用容器及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060815

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061013

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070207

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140525

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term