JPH10323096A - ベクトル制御方法およびその装置、ならびにセンサレスベクトル制御方法およびその装置 - Google Patents

ベクトル制御方法およびその装置、ならびにセンサレスベクトル制御方法およびその装置

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JPH10323096A
JPH10323096A JP9132330A JP13233097A JPH10323096A JP H10323096 A JPH10323096 A JP H10323096A JP 9132330 A JP9132330 A JP 9132330A JP 13233097 A JP13233097 A JP 13233097A JP H10323096 A JPH10323096 A JP H10323096A
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axis
current
frequency
induction machine
vector control
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JP9132330A
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English (en)
Inventor
Masaharu Ishiguro
正治 石黒
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Shinko Electric Co Ltd
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Shinko Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転速度ゼロを含む全運転範囲で、誘導機の
温度が変化しても、高精度でトルクを制御する。 【解決手段】 発振器5は、高周波電流△iq*を生成
し、該高周波電流を強制的に誘導機1に流し込む。非干
渉条件が成立していれば、電流制御回路4の動作によっ
て、電流指令値と実電流は一致する。これに対し、2次
抵抗R2の設定値が実際値と異なり、非干渉条件が損な
われると、d軸の検出電流i1dに高周波電流が現れ
る。そこで、乗算器7の出力である△idの直流成分が
正ならば、減算器8で、△idの符号を逆にした数値に
対して、増幅器9で、直流成分を増幅し、高周波成分を
減衰させた数値をすべり周波数ωsの調整量△ωsとす
る。逆に、△idの直流成分が負ならば、減算器8で、
△idの符号を逆にし、増幅器9で、直流成分を増幅
し、高周波成分を減衰させた数値を、すべり周波数の調
整量△ωsとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、誘導機の出力ト
ルクを制御するベクトル制御方法およびその装置、なら
びにセンサレスベクトル制御方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】
(1)ベクトル制御 ベクトル制御は、誘導機の1次電流i1を制御すること
で、誘導機の出力トルクτを検出することなく、指令ト
ルクτ*に一致させる技術である。図25に示す回路A
以外が従来の一般的なベクトル制御装置の基本構成であ
る。回路Aは、ベクトル制御を高精度に実現するための
従来技術である。
【0003】図25において、各諸量でqやdの添え字
が付いたものは、1次周波数ω1で回転する直交2軸
(d軸−q軸)の回転座標で表した電圧や電流・磁束で
ある。例えば、誘導機1の1次電流i1u、i1v、i
1wを回転座標で表すと、1次電流は、q軸成分のi1
qとd軸成分のi1dで表すことができる。この回転座
標を利用すると、本来、交流量である誘導機の電圧や電
流・磁束が直流量として扱えるメリットがある。この回
転座標からu軸−v軸−w軸の静止座標への変換は、座
標変換器2で行い、その変換式は、数式1、2となる。
【数1】
【0004】
【数2】
【0005】逆に、静止座標から回転座標への変換は、
座標変換器3で行い、その変換式は、数式3、4とな
る。
【0006】
【数3】
【0007】
【数4】
【0008】ベクトル制御の原理は、数式5に示す非干
渉条件に基づいてすべり周波数ωsを制御することによ
って、誘導機の2次回路に流れる電流i2と励磁回路に
流れる電流ioを非干渉に制御することである。2次電
流i2が回転座標のq軸にi1qとして現れ、励磁電流
ioがd軸にi1dとして現れる。
【数5】
【0009】また、i1qとi1dは直流量となるの
で、これらを指令値i1q*とi1d*に一致させること
は可能である。したがって、i1q*はi2に一致し、
i1d*はioに一致する。そこで、トルク指令τ*と磁
束指令φ*を受けて、i1q*とi1d*を制御すれば、
誘導機1の出力トルクτを指令値τ*で制御できる。つ
まり、ベクトル制御は、誘導機1のトルクを線形に制御
する技術である。
【0010】しかしながら、上述したベクトル制御にお
いては、図27の等価回路で示すように、誘導機1の2
次抵抗R2は、導体の温度によって変化する。この温度
は、誘導機1の運転状況と周囲温度に影響を受ける。例
えば、導体にアルミニウムを使用する場合、温度が0℃
→100℃に変わると、抵抗値は39%増加する。ベク
トル制御装置には、2次抵抗値として、固定値R2を設
定しているため、2次導体の抵抗値が変化して設定値と
違う値になると、数式5に示す非干渉条件が損なわれ
る。この結果、トルク指令τ*と出力トルクτの線形性
が損なわれ、トルクの制御精度が悪化するという問題が
あった。
【0011】そこで、従来技術では、上記問題を解決す
るために、図25に示す回路Aを設けている。ここで
は、数式5の非干渉条件が成立するとき、2次回路に鎖
交する2次磁束φ2のq軸成分φ2qが常にゼロになる
ことに着目している。非干渉条件は、言い換えると、周
波数ω1で回転する2次磁束φ2をd軸に一致させる条
件である。そこで、q軸に2次磁束φ2が現れると、こ
のφ2qをゼロにするようにすべり周波数ωsを調節す
る。この結果、設定値R2と実際の抵抗値が異なって
も、回路Aが△ωsを調節し、非干渉条件が成立するω
sを常にすべり周波数として与えられる。なお、2次磁
束φ2の検出は、誘導機の電圧方程式である数式6から
誘導した数式7に基づいている。
【0012】
【数6】
【0013】
【数7】
【0014】(2)センサレスベクトル制御 通常、ベクトル制御では、図25に示すように、誘導機
の回転速度を検出する速度センサ15が必要である。こ
の速度センサ15を省略して、ベクトル制御を実現する
技術がセンサレスベクトル制御である。図26は、セン
サレスベクトル制御装置の構成を示すブロック図であ
る。図において、回路A以外が従来のベクトル制御装置
の基本構成である。回路Aは、誘導機の回転速度を推定
する速度推定器である。
【0015】すべり周波数ωsを制御するためには、誘
導機1の回転速度ωrを検出し、これらの和である1次
周波数ω1=ωs+ωrを制御しなければならない。し
かし、速度センサ15を取り付けられないシステムや精
度と応答を若干低下させても低コストにしたいシステム
では、センサレスベクトル制御装置が要求される。
【0016】図26では、誘導機1の1次電流i1と1
次電圧v1とから速度の推定値ωr^を算出することに
よって、速度センサ15を省いたセンサレスベクトル制
御装置を実現している。ここでは、前述したように、上
記数式5の非干渉条件が成立するとき、2次回路に鎖交
する2次磁束φ2のq軸成分φ2qが常にゼロになるこ
とに着目している。非干渉条件は、言い換えると、1次
周波数ω1で回転する2次磁束φ2をd軸に一致させる
ための条件である。すなわち、q軸成分φ2qを常にゼ
ロにするための条件である。そこで、q軸に2次磁束φ
2が現れると、このq軸成分φ2qをゼロにするように
速度推定値ωr^を調節する。この結果、誘導機1のす
べり周波数ωsが数式5に示される数値に制御される。
なお、2次磁束φ2の検出は、誘導機1の電圧方程式で
ある数式6から導出した数式7に基づいている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図25に示
すベクトル制御、または図26に示すセンサレスベクト
ル制御においては、2次磁束φ2を検出するとき、積分
器Bが必要となる。しかしながら、実際の回路では、検
出信号i1やv1にオフセット誤差があるため、積分器
Bを次の数式8に示すように構成しなければならない。
【0018】
【数8】 この周波数特性を図28に示す。この疑似積分器Bは、
積分器として動作する周波数が固有周波数ωに対して十
分に高い周波数に制約される。例えば、トルクの制御精
度を3%として設計すると、積分器Bの使用可能周波数
が固有周波数ωの50倍以上に制約される。このため、
従来は、周波数ω1が8Hz以上のとき、回路Aを動作
させるが、8Hz以下のときは、回路Aの動作を停止さ
せていた。したがって、誘導機1の回転速度が低い領域
では、トルクの制御精度が悪化するという問題があっ
た。さらに言えば、従来のセンサレスベクトル制御装置
では、誘導機1の回転速度が低い領域において、センサ
レスでベクトル制御を実現することができないという問
題があった。
【0019】また、図25に示す従来のベクトル制御装
置の構成、または図26に示す従来のセンサレスベクト
ル制御装置では、誘導機1の1次抵抗値R1と、もれイ
ンダクタンス1とを高い精度で設定する必要があった。
これらの定数は、同じ設計の誘導機1でも製作されるご
とに個体差があるため、実機を試験することによって調
整していた。この調整は難しく、時間がかかるという問
題があった。
【0020】この発明は、上述した事情に鑑みてなされ
たもので、回転速度ゼロを含む全運転範囲で、速度セン
サを用いないセンサレスベクトル制御を行うことがで
き、また、時間のかかる調整を不要にできるベクトル制
御方法およびその装置、ならびにセンサレスベクトル制
御方法およびその装置を提供することを目的としてい
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るために、請求項1記載の発明では、誘導機の1次電流
を直交2軸の回転座標系のd軸−q軸で表し、該d軸お
よびq軸の直流電流に応じて前記誘導機のトルクを制御
するベクトル制御方法において、前記誘導機に高周波電
流を流すとともに、前記回転座標系のd軸に現れる電流
に含まれる高周波電流がゼロになるように、すべり周波
数を調節することを特徴とする。
【0022】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載のベクトル制御方法において、前記高周波電流は、
正弦波であることを特徴とする。
【0023】また、請求項3記載の発明では、請求項1
記載のベクトル制御方法において、前記高周波電流は、
矩形波であることを特徴とする。
【0024】また、請求項4記載の発明では、請求項1
記載のベクトル制御方法において、前記高周波電流は、
矩形波電圧によって発生することを特徴とする。
【0025】また、請求項5記載の発明では、誘導機の
1次電流を直交2軸の回転座標系のd軸−q軸で表し、
該d軸およびq軸の直流電流に応じて前記誘導機のトル
クを制御するベクトル制御装置において、高周波電流を
生成する生成手段と、前記高周波電流を、前記回転座標
系のq軸に対する電流指令に重畳し、前記誘導機に供給
する高周波電流重畳手段と、前記高周波電流と前記回転
座標系のd軸の電流に基づいて、該d軸に現れる制御誤
差を検出する制御誤差検出手段と、前記制御誤差の直流
成分を増幅する直流増幅手段と、前記直流増幅手段によ
って増幅された直流成分を、すべり周波数指令値に加算
することによって、すべり周波数を調整する調整手段と
を具備することを特徴とする。
【0026】また、請求項6記載の発明では、誘導機の
1次電流を直流2軸の回転座標系のd軸−q軸で表し、
該d軸およびq軸の直流電流に応じて前記誘導機のトル
クを制御するベクトル制御装置において、第1の矩形波
電圧と、該第1の矩形波電圧に対し位相が90度ずれた
第2の矩形波電圧とを生成する生成手段と、前記第1の
矩形波電圧を前記回転座標系のq軸に対する電圧指令に
重畳し、前記誘導機に供給する高周波電圧重畳手段と、
前記第2の矩形波電圧と前記回転座標系のd軸の電流を
乗算し、該d軸に現れる制御誤差を検出する制御誤差検
出手段と、前記制御誤差の直流成分を増幅する直流増幅
手段と、前記直流増幅手段によって増幅された直流成分
を、すべり周波数指令に加算することによって、すべり
周波数を調整する調整手段とを具備することを特徴とす
る。
【0027】また、請求項7記載の発明では、請求項5
または6記載のベクトル制御装置において、前記調整手
段は、前記直流増幅手段によって増幅された直流成分
を、すべり周波数指令値に乗算することによって、すべ
り周波数を調整することを特徴とする。
【0028】また、請求項8記載の発明では、請求項5
または6記載のベクトル制御装置において、前記調整手
段は、前記直流増幅手段によって増幅された直流成分
を、前記誘導機の1次周波数に加算することによって、
1次周波数を調整することを特徴とする。
【0029】また、請求項9記載の発明では、請求項5
または6記載のベクトル制御装置において、前記調整手
段は、前記直流増幅手段によって増幅された直流成分
を、前記誘導機の位相信号に加算することによって、位
相を調整することを特徴とする。
【0030】また、請求項10記載の発明では、請求項
5ないし9のいずれかに記載のベクトル制御装置におい
て、前記生成手段は、正弦波の高周波電流を生成するこ
とを特徴とする。
【0031】また、請求項11記載の発明では、請求項
5ないし9のいずれかに記載のベクトル制御装置におい
て、前記生成手段は、矩形波の高周波電流を生成するこ
とを特徴とする。
【0032】また、請求項12記載の発明では、請求項
5ないし9のいずれかに記載のベクトル制御装置におい
て、前記第1の矩形波電圧は、インバータのキャリア信
号の波高値で極性が変わることを特徴とする。
【0033】また、請求項13記載の発明では、誘導機
の1次電流を直交2軸の回転座標系のd軸−q軸で表
し、該d軸およびq軸の直流電流に基づいて算出した速
度推定値に応じて前記誘導機のトルクを制御するセンサ
レスベクトル制御方法において、前記誘導機に高周波電
流を流すとともに、該高周波電流によって前記回転座標
系のd軸に現れる電流に含まれる高周波電流がゼロとな
るように、前記誘導機の速度推定値を算出し、該速度推
定値により、すべり周波数を調節することを特徴とす
る。
【0034】また、請求項14記載の発明では、請求項
13記載のセンサレスベクトル制御方法において、前記
高周波電流は、正弦波であることを特徴とする。
【0035】また、請求項15記載の発明では、請求項
13記載のセンサレスベクトル制御方法において、前記
高周波電流は、矩形波であることを特徴とする。
【0036】また、請求項16記載の発明では、請求項
13記載のセンサレスベクトル制御方法において、前記
高周波電流は、矩形波電圧によって発生することを特徴
とする。
【0037】また、請求項17記載の発明では、誘導機
の1次電流を直交2軸の回転座標系のd軸−q軸で表
し、該d軸およびq軸の直流電流に基づいて算出した速
度推定値に応じて前記誘導機のトルクを制御するセンサ
レスベクトル制御装置において、高周波電流を生成する
生成手段と、前記高周波電流を、前記回転座標系の電流
指令に重畳し、前記誘導機に供給する高周波電流重畳手
段と、前記高周波電流と前記回転座標系のd軸の電流と
に基づいて、該d軸に現れる制御誤差を検出する制御誤
差検出手段と、前記制御誤差を増幅する増幅手段と、前
記増幅手段によって増幅された制御誤差を、前記誘導機
の速度推定値として、すべり周波数指令値に加算するこ
とによって、1次周波数を調整する調整手段とを具備す
ることを特徴とする。
【0038】また、請求項18記載の発明では、請求項
17記載のセンサレスベクトル制御装置において、前記
高周波電流重畳手段は、前記高周波電流を前記回転座標
系のq軸に対する電流指令に重畳することを特徴とす
る。
【0039】また、請求項19記載の発明では、誘導機
の1次電流を直交2軸の回転座標系のd軸−q軸で表
し、該d軸の直流電流に基づいて算出した速度推定値に
応じて前記誘導機のトルクを制御するセンサレスベクト
ル制御装置において、第1の矩形波電圧と、該第1の矩
形波電圧に対し位相が90度ずれた第2の矩形波電圧と
を生成する生成手段と、前記第1の矩形波電圧を前記回
転座標系の電圧指令に重畳し、前記誘導機に供給する高
周波電圧重畳手段と、前記第2の矩形波電圧と前記回転
座標系のd軸の電流を乗算し、該d軸に現れる制御誤差
を検出する制御誤差検出手段と、前記制御誤差を増幅す
る増幅手段と、前記増幅手段によって増幅された制御誤
差を、前記誘導機の速度推定値として、すべり周波数指
令に加算することによって、1次周波数を調整する調整
手段とを具備することを特徴とする。
【0040】また、請求項20記載の発明では、請求項
19記載のセンサレスベクトル制御装置において、前記
高周波電圧重畳手段は、前記第1の矩形波電圧を前記回
転座標系のq軸に対する電圧指令に重畳することを特徴
とする。
【0041】また、請求項21記載の発明では、請求項
17ないし20のいずれかに記載のセンサレスベクトル
制御装置において、前記増幅手段は、前記制御誤差を積
分して増幅することを特徴とする。
【0042】また、請求項22記載の発明では、請求項
17ないし21のいずれかに記載のセンサレスベクトル
制御装置において、前記調整手段は、前記増幅手段によ
って増幅された制御誤差を、すべり周波数指令値に加算
することによって、1次周波数を調整するとともに、前
記制御誤差を速度指令信号に帰還することによって、速
度を調整することを特徴とする。
【0043】また、請求項23記載の発明では、請求項
17ないし22のいずれかに記載のセンサレスベクトル
制御装置において、前記生成手段は、正弦波の高周波電
流を生成することを特徴とする。
【0044】また、請求項24記載の発明では、請求項
17ないし23のいずれかに記載のセンサレスベクトル
制御装置において、前記生成手段は、矩形波の高周波電
流を生成することを特徴とする。
【0045】この発明では、前記誘導機に高周波電流を
強制的に流し、回転座標系のd軸に現れる電流に高周波
電流が含まれると、該高周波電流がゼロになるように、
誘導機の速度推定値を算出し、該速度推定値により、す
べり周波数を調節する。したがって、回転速度ゼロであ
っても、非干渉条件が成立するすべり周波数を維持でき
るので、回転速度ゼロを含む全運転範囲で、速度センサ
を用いないセンサレスベクトル制御を行うことができ、
また、時間のかかる調整を不要にできる。
【0046】
【発明の実施の形態】
A.発明の第1原理 まず、本発明の第1原理について説明する。ここで、図
5は、本発明の第1原理を説明するための誘導機の基本
波以外の高周波に対する等価回路を示す回路図である。
この場合、1次電流i1に対する励磁電流ioや2次電
流i2の伝達関数は、数式9、10、11になる。
【0047】
【数9】
【0048】
【数10】
【0049】
【数11】 T2は、2次回路の時定数であり、この逆数が2次回路
の固有周波数ω2である。この固有周波数ω2に対し
て、十分に周波数の高い高周波電流においては、励磁回
路に流れず、2次回路に流れる。本発明では、この特徴
を利用し、数式5に示す非干渉条件を常に成立させるよ
うにしている。
【0050】この第1原理について説明する。誘導機1
に高周波電流を強制的に流し込んだ場合、この電流は2
次回路に流れる。非干渉条件が成立していれば、2次回
路回路の電流i2はi1qに現れるが、i1dには現れ
ない。しかし、非干渉条件が成立していなければ、2次
回路の電流i2はi1dにも現れる。このとき、i1d
には高周波電流が含まれる。そこで、この高周波電流を
ゼロにするように、すべり周波数ωsを調節する。この
とき、センサレスベクトル制御においては、非干渉条件
が常に成立するので、誘導機の回転速度を、ωr^=ω
1−ωs*として推定できる。
【0051】ここで、高周波電流の周波数について考え
る。誘導機1の2次時定数T2は、通常、0.1sec
以上である。したがって、この固有周波数ω2は、10
rad/sec以下、つまり、1.6Hz以下になる。
そこで、高周波電流の周波数としては、160Hz以上
を考える。また、機械系の特性も考慮すると、この共振
周波数は、通常、100Hz以下である。そこで、高周
波電流を300Hz以上とする。この周波数ならば、回
転数の変動も発生しない。
【0052】B.第1実施例 図1は、本発明の第1原理を用いた第1実施例によるベ
クトル制御装置の構成を示すブロック線図である。従来
技術との相違は、図25に示す回路Aを取り除き、回路
H1を追加したことである。図において、回路H1は、
発振器5、加算器6、乗算器7、減算器8、増幅器9か
ら構成されている。発振器5は、後述する高周波電流△
iq*を生成する。加算器6は、高周波電流△iq*を、
q軸の電流指令i1q*に加算する。乗算器7は、高周
波電流△iq*とi1dとを乗算し、△idを得る。減
算器8は、△id*(=0)から△idを減算し、△i
dの符号を逆にする。増幅器9は、符号が逆になった△
idの直流成分を増幅し、高周波成分を減衰させて、す
べり周波数ωsの調整量△ωsを得る。
【0053】このため、電流制御回路Zは、高周波電流
△iq*を強制的に誘導機1に流し込む。非干渉条件が
成立していれば、電流制御回路Zの動作によって、電流
指令値と実電流は一致する。ここで、図2は、この様子
を、電流波形とベクトル図で表した概念図である。但
し、ここでは、高周波電流△iq*を数式12に示す正
弦波としている。
【0054】
【数12】
【0055】このとき、電流ベクトルi1の軌跡は、 t=0 のとき、ベクトルi1 t=t1 ベクトルi1+ t=t2 ベクトルi1 t=t3 ベクトルi1- t=t4 ベクトルi1 となり、高周波電流の影響はd軸に現れない。
【0056】しかし、2次抵抗R2の設定値が実際値と
異なり、非干渉条件が損なわれると、理想のd軸(2次
磁束Ф2)と実際のd軸(制御回路が認識するd軸)が
ずれる。例えば、実際のd軸が理想のd軸より進んでい
ると、電流波形やベクトル図は、図3に示すものとな
る。φは、d軸のずれ角を示し、反時計回りを正として
いる。このとき、d軸の検出電流i1dに高周波電流が
現れる。しかし、電流制御回路Zが正常に動作していれ
ば、指令値と実電流とは一致するはずである。ところ
が、直流成分i1q*、i1d*は一致しているが、高周
波成分は一致しなくなる。これは、本来、実現不可能な
高周波電流指令△iq*を与えたので、高周波電流につ
いて制御誤差が発生しているためである。
【0057】このとき、図1に示す△idを計算する
と、数式13となる。
【数13】
【0058】該数式13の第1項に着目すると、ずれ角
φが直流量として現れる。その他の成分(第2項、第3
項)は、高周波ωHの交流量となる。そこで、第1項の
直流成分がゼロになるように、すべり周波数ωsを調整
する。図3に示す状態では、d軸が進んでいるので、ず
れ角はφ>0となり、数式13の第1項(△idの直流
成分)は正になる。この場合、位相θ1が遅れる方向
に、すべり周波数ωsを調整する。そこで、△idの直
流成分が正ならば、すべり周波数の調整量△ωsを負と
する。つまり、△idの符号を逆にした数値に対して、
直流成分を増幅し、高周波成分を減衰させた数値をすべ
り周波数ωsの調整量△ωsとする。
【0059】逆に、実際のd軸が理想のd軸より遅れて
いると、電流波形やベクトル図は、図4に示すものとな
る。このとき、ずれ角はφ<0となり、△idの直流成
分は負となる。この場合、位相θ1が進む方向に、すべ
り周波数ωsを調整する。そこで、すべり周波数の調整
量△ωsを正とする。つまり、前述した第1原理と同様
に、△idの符号を逆にした数値に対して、直流成分を
増幅し、高周波成分を減衰させた数値を、すべり周波数
の調整量△ωsとする。
【0060】C.第1実施例の第1変形例 次に、本発明の第1原理を用いた第1実施例の第1変形
例について説明する。ここで、図6は、本第1実施例の
第1変形例によるベクトル制御装置の構成を示すブロッ
ク線図である。なお、図1に対応する部分には同一の符
号を付けて説明を省略する。非干渉条件の誤差要因が、
2次抵抗R2の設定誤差にのみ影響されるシステムで
は、この設定値を調整するのが理想である。この考えに
基づけば、△idを増幅した数値は、2次抵抗R2の変
化量(1+△R2)となる。つまり、本第1変形例で
は、ωs=R2・(1+△R2)・i1q*/φ2d*
従って、図6に示す如く、すべり周波数ωsを調整す
る。
【0061】この場合、(1+△R2)は、2次抵抗R
2の変動に基づいて調整すればよいので、その応答はゆ
っくりでよい。このとき、調整量(1+△R1)は、ト
ルク指令τ*の影響を受けないので、トルク制御の過渡
特性を改善することができる。
【0062】D.第1実施例の第2変形例 次に、本発明による第1原理を用いた第1実施例の第2
変形例について説明する。ここで、図7は、本第1実施
例の第2変形例によるベクトル制御装置の構成を示すブ
ロック線図である。なお、図1に対応する部分には同一
の符号を付けて説明を省略する。非干渉条件の誤差要因
として、速度検出器の検出信号ωrに含まれる検出誤差
もある。また、信号ωr→ω1→θ1→v1の流れの中
で、周波数に影響を与える誤差も要因となる。そこで、
本第3実施例によるベクトル制御装置では、これらの誤
差と2次抵抗R2の設定誤差とをまとめて補正するため
に、1次周波数ω1を調整する。
【0063】E.第1実施例の第3変形例 次に、本発明による第1原理を用いた第1実施例の第3
変形例について説明する。ここで、図8は、本第1実施
例の第3変形例によるベクトル制御装置の構成を示すブ
ロック線図である。なお、図1に対応する部分には同一
の符号を付けて説明を省略する。数式13から、△id
の直流成分は、ずれ角φを示している。したがって、本
第3変形例では、この直流成分に基づいて、位相θ1を
直接調整する。
【0064】なお、発振器の波形△iq*は、数式12
の正弦波に限定する必要はない。例えば、図9(a)に
示す矩形波でもよい。この場合、実電流は、電流制御回
路の遅れによって、極性変換時の勾配が図9(b)に示
すように緩やかになる。しかし、d軸がずれると、図9
(c)に示すように△idに直流量が現れるので、前述
した第1原理が活用できる。
【0065】F.第2原理 次に、本発明の第2原理について説明する。なお、本第
2原理では、前述した第1原理において説明した数式5
に示す非干渉条件を常に成立させる点は同じである。し
たがって、i1dに含まれる高周波電流をゼロにするよ
うに、すべり周波数ωsを調節する。
【0066】次に、高周波(固有周波数ω2に対して十
分に高い周波数の高周波)について考える。上記高周波
において、1次電圧v1と2次電流i2との関係につい
て説明する。このとき、誘導機の等価回路は、励磁イン
ダクタンスMを取り外した回路に等しくなる。つまり、
数式14が成立し、1次電圧v1に対する2次電流i2
の伝達関数は、数式15、16になる。
【数14】
【0067】
【数15】
【0068】
【数16】
【0069】T3は、この回路の時定数であり、この逆
数を固有周波数ω3とする。この固有周波数ω3は、固
有周波数ω2に対して十分に高い周波数である。そこ
で、固有周波数ω3より周波数の高い矩形波交流を1次
電圧v1として誘導機に印加すると、1次電圧v1と2
次電流i2(=1次電流i1)の波形は、図10に示す
ものとなる。
【0070】次に、高周波電流の周波数について考え
る。誘導機の2次時定数T2は、前述した第1原理で説
明したように、通常、0.1sec以上である。したが
って、この固有周波数ω2は10rad/sec以下、
つまり、1.6Hz以下になる。また、時定数T3は、
通常、1msec以上である。したがって、固有周波数
ω3は1000rad/sec以下、つまり、160H
z以下になる。そこで、高周波電流の周波数として、1
60Hz以上を考える。また、機械系の特性も考慮する
と、この共振周波数は、前述した第1原理で説明したよ
うに、通常、100Hz以下であるので、高周波電流の
周波数を300Hz以上とし、回転数の変動を防止す
る。
【0071】なお、高周波電流は、高周波電圧を電流制
御回路Zの外乱として加えることで発生させる。このた
め、電流制御回路Zが高周波電流を抑制しないように設
計する必要がある。そこで、上記周波数のAND条件と
して、高周波電流の周波数を電流制御回路Zの応答周波
数よりも高く設定する。
【0072】G.第2実施例 図11は、本発明の第2原理を用いた第2実施例による
ベクトル制御装置の構成を示すブロック線図である。従
来技術との相違は、図25に示す回路Aを取り除き、回
路H2を追加したことである。図において、回路H2
は、発振器10、加算器11、乗算器12、減算器1
3、増幅器14から構成されている。発振器10は、位
相の異なる矩形波交流α、βを生成する。なお、詳細は
後述する。加算器11は、矩形波交流αを、q軸の増幅
器の出力に加算する。乗算器12は、矩形波交流βとi
1dとを乗算し、△idを得る。減算器13は、△id
*(=0)から△idを減算し、△idの符号を逆にす
る。増幅器14は、符号が逆になった△idの直流成分
を増幅し、高周波成分を減衰させて、すべり周波数ωs
の調整量△ωsを得る。
【0073】ここで、高周波信号の周波数を電流制御回
路の応答周波数より高く設定すると、この高周波電圧に
基づく高周波電流が誘導機の2次回路に流れる。ここ
で、非干渉条件が成立していれば、この高周波電流はi
1qに現れるが、i1dには現れない。ここで、図12
は、この様子を、電流波形とベクトル図で表した概念図
である。
【0074】このとき、電流ベクトルi1の軌跡は、 t=0 のとき、ベクトルi1 t=t1 ベクトルi1+ t=t2 ベクトルi1 t=t3 ベクトルi1- t=t4 ベクトルi1 となり、高周波電流の影響はd軸に現れない。
【0075】しかし、2次抵抗R2の設定値が実際値と
異なり、非干渉条件が損なわれると、理想のd軸(2次
磁束Ф2)と実際のd軸(制御回路が認識するd軸)が
ずれる。例えば、実際のd軸が理想のd軸より進んでい
ると、電流波形やベクトル図は、図13に示すものとな
る。φは、d軸のずれ角を示し、反時計回りを正として
いる。このとき、d軸の検出電流i1dに高周波電流が
現れる。
【0076】上記i1dに矩形波交流αより位相が90
度遅れた矩形波交流βを乗算すると、△idは、図14
に示す波形となる。ここで、△idの直流成分(平均
値)に着目すると、i1dに含まれる高周波電流の振幅
が大きくなると、△idの直流成分も大きくなる。そこ
で、この直流成分がゼロになるように、すべり周波数ω
sを調整する。また、図13に示すように、d軸が進ん
でいる状態では、△idの直流成分が正になる。この場
合、位相θ1が遅れる方向に、すべり周波数ωsを調整
する。そこで、△idの直流成分が正ならば、すべり周
波数の調整量△ωsを負とする。つまり、△idの符号
を逆にした数値に対して、直流成分を増幅し、高周波成
分を減衰させた数値をすべり周波数の調整量△ωsとす
る。
【0077】逆に、実際のd軸が理想のd軸より遅れて
いると、電流波形やベクトル図は図15となる。このと
き、△idは、図16に示す波形となり、△idの直流
成分(平均値)は負になる。この場合、位相θ1が進む
方向に、すべり周波数ωsを調整する。そこで、すべり
周波数の調整量△ωsを正とする。つまり、前述した第
2原理と同様に、△idの符号を逆にした数値に対し
て、直流成分を増幅し、高周波成分を減衰させた数値を
すべり周波数の調整量△ωsとする。
【0078】ここで、発振器10の矩形波交流αの波形
について説明する。インバータの出力電流には、主素子
のスイッチングによるリップル電流が重畳される。これ
は、インバータの主素子がパルス幅制御されるためであ
る。この制御信号は、PWM制御回路で1次電圧指令v
*とキャリア信号を大小比較して作成する。このキャ
リア信号には、図17に示す三角波が使用される。PW
Mの特徴として、キャリア信号が波高値になった瞬間
は、線間の出力電圧がゼロになる。このとき、1次電流
の変化率が最小になる。そこで、この瞬間に同期させて
矩形波交流αの極性を変更すれば、リップル電流に起因
する△idの検出誤差を抑制できる。図17の(1)に
キャリア周期に同期させた場合のαを示す。また、図1
7の(2)にキャリア周期の2倍に同期させた場合のα
を示す。さらに、図17の(3)にキャリア周期の3倍
に同期させた場合のαを示す。αの波形は、図17に示
すように、キャリア周期の整数倍に同期させた矩形波交
流が望ましい。βについては、常に、αより位相が90
度遅れた矩形交流とする。なお、βはαより位相が90
度進んだ矩形波交流でもよい。このときは、△idの符
号が逆になるので、減算器13を省き、△idをそのま
ま増幅器14で増幅する。
【0079】H.第2実施例の第1変形例 次に、本発明の第2原理を用いた第2実施例の第1変形
例について説明する。ここで、図18は、本第2実施例
の第1変形例によるベクトル制御装置の構成を示すブロ
ック線図である。なお、図11に対応する部分には同一
の符号を付けて説明を省略する。本第2原理を用いた第
2実施例の第1変形例における制御原理は、前述した第
1原理を用いた第1実施例の第1変形例と同じであり、
△idを増幅した数値は、2次抵抗R2の変化量(1+
△R2)となるので、ωs=R2・(1+△R2)・i
1q*/Ф2d*に従って、図18に示す如く、すべり周
波数ωsを調整する。
【0080】この場合、前述したように、(1+△R
2)は、2次抵抗R2の変動に基づいて調整すればよい
ので、その応答はゆっくりでよい。調整量(1+△R
1)は、トルク指令τ*の影響を受けないので、トルク
制御の過渡特性が改善される。
【0081】I.第2実施例の第2変形例 次に、本発明による第2原理を用いた第2実施例の第2
変形例について説明する。ここで、図19は、本第2実
施例の第2変形例によるベクトル制御装置の構成を示す
ブロック線図である。なお、図11に対応する部分には
同一の符号を付けて説明を省略する。本第2原理を用い
た第2実施例の第2変形例における制御原理は、前述し
た第1原理を用いた第1実施例の第2変形例と同じであ
り、速度検出器の検出信号ωrに含まれる検出誤差、信
号ωr→ω1→θ1→v1の流れの中で、周波数に影響
を与える誤差と2次抵抗R2の設定誤差とをまとめて補
正するため、1次周波数ω1を調整する。
【0082】J.第3変形例 次に、本発明による第2原理を用いた第2実施例の第3
変形例について説明する。ここで、図20は、本第2実
施例の第3変形例によるベクトル制御装置の構成を示す
ブロック図である。なお、図11に対応する部分には同
一の符号を付けて説明を省略する。本第2原理を用いた
第2実施例の第3変形例における制御原理は、前述した
第1原理を用いた第1実施例の第3変形例と同じであ
り、前述した図13〜図16より、△idの直流成分
は、ずれ角φを示すので、この直流成分に基づいて、位
相θ1を直接調整すればよい。
【0083】(2)センサレスベクトル制御 K.第3実施例 図21は、本発明の第1原理を用いた第3実施例による
センサレスベクトル制御装置の構成を示すブロック線図
である。従来技術との相違は、図26に示す回路Aを取
り除き、回路H1を追加したことである。図において、
回路H1は、発振器5、加算器6、乗算器7、減算器
8、増幅器9から構成されている。発振器5は、後述す
る高周波電流△iq*を生成する。加算器6は、高周波
電流△iq*を、q軸の電流指令i1q*に加算する。乗
算器7は、高周波電流△iq*とi1dとを乗算し、△
idを得る。減算器8は、△id*(=0)から△id
を減算し、△idの符号を逆にする。増幅器9は、符号
が逆になった△idの直流成分を増幅し、高周波成分を
減衰させて、誘導機1の速度推定値ωr^を得る。
【0084】このため、電流制御回路Zは、高周波電流
△iq*を強制的に誘導機1に流し込む。非干渉条件が
成立していれば、電流制御回路Zの動作によって、電流
指令値と実電流は一致する。この様子は、前述した図2
に示す電流波形とベクトル図で表したものと同じであ
る。但し、ここでは、高周波電流△iq*を、前述した
数式12に示す正弦波としている。
【0085】このとき、電流ベクトルi1の軌跡は、 t=0 のとき、ベクトルi1 t=t1 ベクトルi1+ t=t2 ベクトルi1 t=t3 ベクトルi1- t=t4 ベクトルi1 となり、高周波電流の影響はd軸に現れない。
【0086】しかし、速度推定値ωr^が実際の速度ω
rと異なると、実際のすべり周波数ωsに誤差が含まれ
る。これを数式で説明すると、ω1=ωs+ωr=ωs
*+ωr^、ゆえに、ωs=ωs*+(ωr^−ωr)と
なり、速度推定誤差がすべり周波数の誤差になる。この
とき、実際のすべり周波数ωsが非干渉条件を満足して
いなければ、理想のd軸(2次磁束φ2)と実際のd軸
(制御回路が認識するd軸)がずれる。例えば、実際の
d軸が理想のd軸より進んでいると、電流波形やベクト
ル図は、前述した図3に示すものとなる。φは、d軸の
ずれ角を示し、反時計回りを正としている。このとき、
d軸の検出電流i1dに高周波電流が現れる。しかし、
電流制御回路Zが正常に動作していれば、指令値と実電
流とは一致するはずである。ところが、直流成分i1q
*、i1d*は一致しているが、高周波成分は一致しなく
なる。これは、本来、実現不可能な高周波電流指令△i
*を与えたので、高周波電流について制御誤差が発生
しているためである。このとき、図21に示す△id
は、前述した数式13となる。
【0087】該数式13の第1項に着目すると、ずれ角
φが直流量として現れる。その他の成分(第2項、第3
項)は、高周波ωHの交流量となる。そこで、第1項の
直流成分がゼロになるように、速度推定値ωr^を調整
する。図3に示す状態では、d軸が進んでいるので、ず
れ角はφ>0となり、数式13の第1項(△idの直流
成分)は正になる。この場合、位相θ1が遅れる方向
に、速度推定値ωr^を調整する。そこで、△idの直
流成分が正ならば、速度推定値ωr^が小さくなる方向
へ調整する。つまり、△idの符号を逆にした数値に対
して、直流成分を増幅し、高周波成分を減衰させた数値
を速度推定値ωr^とする。一例として、△idの符号
を逆にした信号を積分して速度推定値ωr^とする。△
idの高周波成分は、積分によって十分に減衰されるの
で、速度推定値ωr^には現れない。
【0088】逆に、実際のd軸が理想のd軸より遅れて
いると、電流波形やベクトル図は、前述した図4に示す
ものと同じになる。このとき、ずれ角はφ<0となり、
△idの直流成分は負となる。この場合、位相θ1が進
む方向に、速度推定値ωr^を調整する。そこで、△i
dの直流成分が負ならば、速度推定値ωr^が大きくな
る方向へ調整する。つまり、前述した第1原理と同様
に、△idの符号を逆にした数値に対して、直流成分を
増幅し、高周波成分を減衰させた数値を、速度推定値ω
r^とする。
【0089】L.第3実施例の第1変形例 次に、本発明の第1原理を用いた第3実施例の第1変形
例について説明する。ここで、図22は、本第3実施例
の第1変形例によるセンサレスベクトル制御装置の構成
を示すブロック線図である。なお、図1に対応する部分
には同一の符号を付けて説明を省略する。本第1原理を
用いた第3実施例の第1変形例では、システムに与える
指令値を速度指令値ωr*とし、減算器Sを介してセン
サレスベクトル制御装置で得た速度推定値ωr^を帰還
させる構成とすることにより、速度センサ15なしで速
度制御を実現している。
【0090】なお、上述した第3実施例およびその第1
変形例において、発振器5の波形△iq*は、数式12
の正弦波に限定する必要はなく、第1実施例と同様に、
例えば、図9(a)に示す矩形波でもよい。この場合
も、実電流は、電流制御回路の遅れによって、極性変換
時の勾配が図9(b)に示すように緩やかになる。しか
し、d軸がずれると、図9(c)に示すように△idに
直流量が現れるので、前述した第1原理が活用できる。
【0091】M.第4実施例 図23は、本発明の第2原理を用いた第4実施例による
センサレスベクトル制御装置の構成を示すブロック線図
である。従来技術との相違は、図26に示す回路Aを取
り除き、回路H2を追加したことである。図において、
回路H2は、発振器10、加算器11、乗算器12、減
算器13、増幅器14から構成されている。発振器10
は、位相の異なる矩形波交流α、βを生成する。なお、
詳細は後述する。加算器11は、矩形波交流αを、q軸
の増幅器の出力、すなわちq軸の電圧指令値v1q*
加算する。乗算器12は、矩形波交流βとi1dとを乗
算し、△idを得る。減算器13は、△id*(=0)
から△idを減算し、△idの符号を逆にする。増幅器
14は、符号が逆になった△idの直流成分を増幅し、
高周波成分を減衰させて、速度推定値ωr^を得る。
【0092】ここで、高周波信号の周波数を電流制御回
路の応答周波数より高く設定すると、この高周波電圧に
基づく高周波電流が誘導機の2次回路に流れる。ここ
で、非干渉条件が成立していれば、この高周波電流はi
1qに現れるが、i1dには現れない。この様子は、前
述した図12に示す電流波形とベクトル図で表した概念
図となる。
【0093】このとき、電流ベクトルi1の軌跡は、 t=0 のとき、ベクトルi1 t=t1 ベクトルi1+ t=t2 ベクトルi1 t=t3 ベクトルi1- t=t4 ベクトルi1 となり、高周波電流の影響はd軸に現れない。
【0094】しかし、速度推定値ωr^が実際の速度ω
rと異なると、前述したように、実際のすべり周波数ω
sに誤差が含まれる。これを数式で説明すると、ω1=
ωs+ωr=ωs*+ωr^、ゆえに、ωs=ωs*
(ωr^−ωr)となり、速度推定誤差がすべり周波数
の誤差になる。このとき、実際のすべり周波数ωsが非
干渉条件を満足していなければ、理想のd軸(2次磁束
φ2)と実際のd軸(制御回路が認識するd軸)がずれ
る。例えば、実際のd軸が理想のd軸より進んでいる
と、電流波形やベクトル図は、前述した図13に示すも
のとなる。φは、d軸のずれ角を示し、反時計回りを正
としている。このとき、d軸の検出電流i1dに高周波
電流が現れる。
【0095】上記i1dに矩形波交流αより位相が90
度遅れた矩形波交流βを乗算すると、△idは、前述し
たように図14に示す波形となる。ここで、△idの直
流成分(平均値)に着目すると、i1dに含まれる高周
波電流の振幅が大きくなると、△idの直流成分も大き
くなる。そこで、この直流成分がゼロになるように、速
度推定値ωr^を調整する。また、図13に示すよう
に、d軸が進んでいる状態では、△idの直流成分が正
になる。この場合、位相θ1が遅れる方向に、速度推定
値ωr^を調整する。そこで、△idの直流成分が正な
らば、速度推定値ωr^が小さくなる方向へ調整する。
つまり、△idの符号を逆にした数値に対して、直流成
分を積分増幅し、高周波成分を減衰させた数値を速度推
定値ωr^とする。一例として、△idの符号を逆にし
た信号を積分して速度推定値ωr^とする。△idの高
周波成分は積分によって十分に減衰されるので、速度推
定値ωr^には現れない。
【0096】逆に、実際のd軸が理想のd軸より遅れて
いると、電流波形やベクトル図は、前述した図15とな
る。このとき、△idは、前述した図16に示す波形と
なり、△idの直流成分(平均値)は負になる。この場
合、位相θ1が進む方向に、速度推定値ωr^を調整す
る。そこで、△idの直流成分が負ならば、速度推定値
ωr^が大きくなる方向へ調整する。つまり、前述した
第2原理と同様に、△idの符号を逆にした数値に対し
て、直流成分を積分増幅し、高周波成分を減衰させた数
値を速度推定値ωr^とする。
【0097】ここで、発振器10の矩形波交流αの波形
について説明する。インバータ4の出力電流には、主素
子のスイッチングによるリップル電流が重畳される。こ
れは、インバータ4の主素子がパルス幅制御されるため
である。この制御信号は、PWM制御回路20で1次電
圧指令v1*とキャリア信号を大小比較して作成する。
このキャリア信号には、図17に示す三角波が使用され
る。PWMの特徴として、キャリア信号が波高値になっ
た瞬間は、線間の出力電圧がゼロになる。このとき、1
次電流の変化率が最小になる。そこで、この瞬間に同期
させて矩形波交流αの極性を変更すれば、リップル電流
に起因する△idの検出誤差を抑制できる。図17の
(1)にキャリア周期に同期させた場合のαを示す。ま
た、図17の(2)にキャリア周期の2倍に同期させた
場合のαを示す。さらに、図17の(3)にキャリア周
期の3倍に同期させた場合のαを示す。αの波形は、図
17に示すように、キャリア周期の整数倍に同期させた
矩形波交流が望ましい。βについては、常に、αより位
相が90度遅れた矩形交流とする。なお、βはαより位
相が90度進んだ矩形波交流でもよい。このときは、△
idの符号が逆になるので、減算器13を省き、△id
をそのまま増幅器14で増幅する。
【0098】N.第4実施例の第1変形例 次に、本発明の第2原理を用いた第4実施例の第1変形
例について説明する。ここで、図24は、本第4実施例
の第1変形例によるセンサレスベクトル制御装置の構成
を示すブロック線図である。なお、図23対応する部分
には同一の符号を付けて説明を省略する。本第2原理を
用いた第4実施例の第1変形例における制御原理は、前
述した第1原理を用いた第3実施例の第1変形例と同じ
であり、システムに与える指令値を速度指令値ωr*
し、減算器Sを介してセンサレスベクトル制御装置で得
た速度推定値ωr^を帰還させる構成とすることによ
り、速度センサ15なしで速度制御を実現している。
【0099】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1記載の
発明によれば、誘導機に高周波電流を流し、前記回転座
標系のd軸に現れる電流に含まれる高周波電流がゼロに
なるように、すべり周波数を調節するようにしたので、
回転速度ゼロを含む全運転範囲で、非干渉条件が成立す
るように、すべり周波数を維持できるので、誘導機の温
度が変化しても、高精度でトルクを制御でき、また、誘
導機の1次抵抗値R1ともれインダクタンスLの設定を
不要にしたので、時間のかかる調整を不要にできるとい
う利点が得られる。さらに、回路構成が簡単になるの
で、コストを低減することができるという利点が得られ
る。
【0100】また、請求項2記載の発明によれば、前記
高周波電流を正弦波としたので、非干渉条件が成立する
ように、すべり周波数を維持できるので、誘導機の温度
が変化しても、高精度でトルクを制御でき、また、誘導
機の1次抵抗値R1ともれインダクタンスLの設定を不
要にしたので、時間のかかる調整を不要にできるという
利点が得られる。さらに、回路構成が簡単になるので、
コストを低減することができるという利点が得られる。
【0101】また、請求項3記載の発明によれば、前記
高周波電流を矩形波としたので、非干渉条件が成立する
ように、すべり周波数を維持できるので、誘導機の温度
が変化しても、高精度でトルクを制御でき、また、誘導
機の1次抵抗値R1ともれインダクタンスLの設定を不
要にしたので、時間のかかる調整を不要にできるという
利点が得られる。さらに、回路構成が簡単になるので、
コストを低減することができるという利点が得られる。
【0102】また、請求項4記載の発明によれば、前記
高周波電流を矩形波電圧によって発生するようにしたの
で、誘導機の温度が変化しても、高精度でトルクを制御
でき、また、誘導機の1次抵抗値R1ともれインダクタ
ンスLの設定を不要にしたので、時間のかかる調整を不
要にできるという利点が得られる。さらに、回路構成が
簡単になるので、コストを低減することができるという
利点が得られる。
【0103】また、請求項5記載の発明によれば、生成
手段により、高周波電流を生成し、高周波電流重畳手段
により、該高周波電流を回転座標系のq軸に対する電流
指令に重畳し、誘導機に供給し、このとき、制御誤差検
出手段により、前記高周波電流と前記回転座標系のd軸
の電流に基づいて、該d軸に現れる制御誤差を検出し、
直流増幅手段により、制御誤差の直流成分を増幅し、調
整手段により、直流増幅手段によって増幅された直流成
分を、すべり周波数指令値に加算することによって、す
べり周波数を調整するようにしたので、回転速度がゼロ
でも、非干渉条件が成立するように、すべり周波数を維
持できるので、誘導機の温度が変化しても、高精度でト
ルクを制御でき、また、誘導機の1次抵抗値R1ともれ
インダクタンスLの設定を不要にしたので、時間のかか
る調整を不要にできるという利点が得られる。さらに、
回路構成が簡単になるので、コストを低減することがで
きるという利点が得られる。
【0104】また、請求項6記載の発明によれば、生成
手段により、高周波電流を生成し、高周波電流重畳手段
により、前記高周波電流を、前記回転座標系のq軸に対
する電流指令に重畳し、前記誘導機に供給し、制御誤差
検出手段により、前記高周波電流と前記回転座標系のd
軸の電流に基づいて、該d軸に現れる制御誤差を検出
し、直流増幅手段により、前記制御誤差の直流成分を増
幅し、調整手段により、前記直流増幅手段によって増幅
された直流成分を、すべり周波数指令値に加算すること
によって、すべり周波数を調整するようにしたので、回
転速度がゼロでも、非干渉条件が成立するように、すべ
り周波数を維持できるので、誘導機の温度が変化して
も、高精度でトルクを制御でき、また、誘導機の1次抵
抗値R1ともれインダクタンスLの設定を不要にしたの
で、時間のかかる調整を不要にできるという利点が得ら
れる。さらに、回路構成が簡単になるので、コストを低
減することができるという利点が得られる。
【0105】また、請求項7記載の発明によれば、前記
調整手段によって、前記直流増幅手段によって増幅され
た直流成分を、すべり周波数指令値に乗算することによ
って、すべり周波数を調整するようにしたので、回転速
度がゼロでも、非干渉条件が成立するように、すべり周
波数を維持できるので、誘導機の温度が変化しても、高
精度でトルクを制御でき、また、誘導機の1次抵抗値R
1ともれインダクタンスLの設定を不要にしたので、時
間のかかる調整を不要にできるという利点が得られる。
さらに、回路構成が簡単になるので、コストを低減する
ことができるという利点が得られる。
【0106】また、請求項8記載の発明によれば、前記
調整手段によって、前記直流増幅手段によって増幅され
た直流成分を、前記誘導機の1次周波数信号に加算する
ことによって、1次周波数を調整するようにしたので、
回転速度がゼロでも、非干渉条件が成立するように、す
べり周波数を維持できるので、誘導機の温度が変化して
も、高精度でトルクを制御でき、また、誘導機の1次抵
抗値R1ともれインダクタンスLの設定を不要にしたの
で、時間のかかる調整を不要にできるという利点が得ら
れる。さらに、回路構成が簡単になるので、コストを低
減することができるという利点が得られる。
【0107】また、請求項9記載の発明によれば、前記
調整手段によって、前記直流増幅手段によって増幅され
た直流成分を、前記誘導機の位相信号に加算することに
よって、位相を調整するようにしたので、回転速度がゼ
ロでも、非干渉条件が成立するように、すべり周波数を
維持できるので、誘導機の温度が変化しても、高精度で
トルクを制御でき、また、誘導機の1次抵抗値R1とも
れインダクタンスLの設定を不要にしたので、時間のか
かる調整を不要にできるという利点が得られる。さら
に、回路構成が簡単になるので、コストを低減すること
ができるという利点が得られる。
【0108】また、請求項10記載の発明によれば、前
記生成手段によって、正弦波の高周波電流を生成するよ
うにしたので、回転速度がゼロでも、非干渉条件が成立
するように、すべり周波数を維持できるので、誘導機の
温度が変化しても、高精度でトルクを制御でき、また、
誘導機の1次抵抗値R1ともれインダクタンスLの設定
を不要にしたので、時間のかかる調整を不要にできると
いう利点が得られる。さらに、回路構成が簡単になるの
で、コストを低減することができるという利点が得られ
る。
【0109】また、請求項11記載の発明によれば、前
記生成手段によって、矩形波の高周波電流を生成するよ
うにしたので、回転速度がゼロでも、非干渉条件が成立
するように、すべり周波数を維持できるので、誘導機の
温度が変化しても、高精度でトルクを制御でき、また、
誘導機の1次抵抗値R1ともれインダクタンスLの設定
を不要にしたので、時間のかかる調整を不要にできると
いう利点が得られる。さらに、回路構成が簡単になるの
で、コストを低減することができるという利点が得られ
る。
【0110】また、請求項12記載の発明によれば、前
記第1の矩形波電圧の極性を、インバータのキャリア信
号の波高値で変えるようにしたので、回転速度がゼロで
も、非干渉条件が成立するように、すべり周波数を維持
できるので、誘導機の温度が変化しても、高精度でトル
クを制御でき、また、誘導機の1次抵抗値R1ともれイ
ンダクタンスLの設定を不要にしたので、時間のかかる
調整を不要にできるという利点が得られる。さらに、回
路構成が簡単になるので、コストを低減することができ
るという利点が得られる。
【0111】また、請求項13記載の発明によれば、誘
導機に高周波電流を流し、前記回転座標系のd軸に現れ
る電流に含まれる高周波電流がゼロになるように、前記
誘導機の速度推定値を算出し、該速度推定値により、す
べり周波数を調節するようにしたので、回転速度ゼロを
含む全運転範囲で、非干渉条件が成立するように、すべ
り周波数を維持できるので、速度センサを用いないセン
サレスベクトル制御を行うことができ、また、誘導機の
1次抵抗値R1ともれインダクタンスLの設定を不要に
したので、時間のかかる調整を不要にできるという利点
が得られる。さらに、回路構成が簡単になるので、コス
トを低減することができるという利点が得られる。
【0112】また、請求項14記載の発明によれば、前
記高周波電流を正弦波としたので、回転速度ゼロを含む
全運転範囲で、非干渉条件が成立するように、すべり周
波数を維持できるので、速度センサを用いないセンサレ
スベクトル制御を行うことができ、また、誘導機の1次
抵抗値R1ともれインダクタンスLとの設定を不要にし
たので、時間のかかる調整を不要にできるという利点が
得られる。さらに、回路構成が簡単になるので、コスト
を低減することができるという利点が得られる。
【0113】また、請求項15記載の発明によれば、前
記高周波電流を矩形波としたので、回転速度ゼロを含む
全運転範囲で、非干渉条件が成立するように、すべり周
波数を維持できるので、速度センサを用いないセンサレ
スベクトル制御を行うことができ、また、誘導機の1次
抵抗値R1ともれインダクタンスLとの設定を不要にし
たので、時間のかかる調整を不要にできるという利点が
得られる。さらに、回路構成が簡単になるので、コスト
を低減することができるという利点が得られる。
【0114】また、請求項16記載の発明によれば、前
記高周波電流を矩形波電圧によって発生するようにした
ので、誘導機の温度が変化しても、高精度でトルクを制
御でき、また、誘導機の1次抵抗値R1ともれインダク
タンスLの設定を不要にしたので、時間のかかる調整を
不要にできるという利点が得られる。さらに、回路構成
が簡単になるので、コストを低減することができるとい
う利点が得られる。
【0115】また、請求項17記載の発明によれば、生
成手段により、高周波電流を生成し、高周波電流重畳手
段により、該高周波電流を回転座標系の電流指令に重畳
した後、誘導機に供給し、このとき、制御誤差検出手段
により、前記高周波電流と前記回転座標系のd軸の電流
に基づいて、該d軸に現れる制御誤差を検出し、増幅手
段により、制御誤差を増幅し、調整手段により、増幅手
段によって増幅された制御誤差を、前記誘導機の速度推
定値として、すべり周波数指令値に加算することによっ
て、1次周波数を調整するようにしたので、回転速度が
ゼロでも、非干渉条件が成立するように、すべり周波数
を維持できるので、誘導機の温度が変化しても、高精度
でトルクを制御でき、また、誘導機の1次抵抗値R1と
もれインダクタンスLの設定を不要にしたので、時間の
かかる調整を不要にできるという利点が得られる。さら
に、回路構成が簡単になるので、コストを低減すること
ができるという利点が得られる。
【0116】また、請求項18記載の発明によれば、前
記高周波電流重畳手段によって、前記高周波電流を前記
回転座標系のq軸に対する電流指令に重畳するようにし
たので、回転速度がゼロでも、非干渉条件が成立するよ
うに、すべり周波数を維持できるので、誘導機の温度が
変化しても、高精度でトルクを制御でき、また、誘導機
の1次抵抗値R1ともれインダクタンスLの設定を不要
にしたので、時間のかかる調整を不要にできるという利
点が得られる。さらに、回路構成が簡単になるので、コ
ストを低減することができるという利点が得られる。
【0117】また、請求項19記載の発明によれば、前
記生成手段によって、第1の矩形波電圧と、該第1の矩
形波電圧に対し位相が90度ずれた第2の矩形波電圧と
を生成し、前記第1の矩形波電圧を、前記回転座標系の
電圧指令に重畳した後、前記誘導機に供給し、一方、第
2の矩形波を、前記制御誤差検出手段で制御誤差を検出
する際に用いられる前記高周波電流として供給し、制御
誤差検出手段によって、前記第2の矩形波電圧と前記回
転座標系のd軸の電流を乗算して該d軸に現れる制御誤
差を検出し、調整手段によって、増幅手段によって増幅
された制御誤差を、前記誘導機の速度推定値として、す
べり周波数指令に加算することによって1次周波数を調
整するようにしたので、回転速度ゼロを含む全運転範囲
で、非干渉条件が成立するように、すべり周波数を維持
できるので、速度センサを用いないセンサレスベクトル
制御を行うことができ、また、誘導機の1次抵抗値R1
ともれインダクタンスLの設定を不要にしたので、時間
のかかる調整を不要にできるという利点が得られる。さ
らに、回路構成が簡単になるので、コストを低減するこ
とができるという利点が得られる。
【0118】また、請求項20記載の発明によれば、前
記高周波電圧重畳手段によって、前記第1の矩形波電圧
を前記回転座標系のq軸に対する電圧指令に重畳するよ
うにしたので、回転速度ゼロを含む全運転範囲で、非干
渉条件が成立するように、すべり周波数を維持できるの
で、速度センサを用いないセンサレスベクトル制御を行
うことができ、また、誘導機の1次抵抗値R1ともれイ
ンダクタンスLの設定を不要にしたので、時間のかかる
調整を不要にできるという利点が得られる。さらに、回
路構成が簡単になるので、コストを低減することができ
るという利点が得られる。
【0119】また、請求項21記載の発明によれば、前
記増幅手段において、前記制御誤差を積分して増幅する
ようにしたので、回路構成が簡単になるので、コストを
低減することができるという利点が得られる。
【0120】また、請求項22記載の発明によれば、前
記調整手段によって、前記増幅手段によって増幅された
制御誤差を、すべり周波数指令値に加算することによっ
て、1次周波数を調整するとともに、前記制御誤差を速
度指令信号に帰還することによって、速度を調整するよ
うにしたので、回転速度ゼロを含む全運転範囲で、非干
渉条件が成立するように、すべり周波数を維持できるの
で、速度センサを用いないセンサレスベクトル制御を行
うことができ、また、誘導機の1次抵抗値R1ともれイ
ンダクタンスLの設定を不要にしたので、時間のかかる
調整を不要にできるという利点が得られる。さらに、回
路構成が簡単になるので、コストを低減することができ
るという利点が得られる。
【0121】また、請求項23記載の発明によれば、前
記生成手段によって、正弦波の高周波電流を生成するよ
うにしたので、回転速度がゼロでも、非干渉条件が成立
するように、すべり周波数を維持できるので、誘導機の
温度が変化しても、高精度でトルクを制御でき、また、
誘導機の1次抵抗値R1ともれインダクタンスLの設定
を不要にしたので、時間のかかる調整を不要にできると
いう利点が得られる。さらに、回路構成が簡単になるの
で、コストを低減することができるという利点が得られ
る。
【0122】また、請求項24記載の発明によれば、前
記生成手段によって、矩形波の高周波電流を生成するよ
うにしたので、回転速度ゼロを含む全運転範囲で、非干
渉条件が成立するように、すべり周波数を維持できるの
で、速度センサを用いないセンサレスベクトル制御を行
うことができ、また、誘導機の1次抵抗値R1ともれイ
ンダクタンスLの設定を不要にしたので、時間のかかる
調整を不要にできるという利点が得られる。さらに、回
路構成が簡単になるので、コストを低減することができ
るという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1原理を用いた第1実施例による
ベクトル制御装置の構成を示すブロック線図である。
【図2】 電流波形とベクトル図で表した概念図であ
る。
【図3】 実際のd軸が理想のd軸より進んでいる場合
の電流波形やベクトル図を示す概念図である。
【図4】 実際のd軸が理想のd軸より遅れている場合
の電流波形やベクトル図を示す概念図である。
【図5】 本発明の第1原理を説明するための誘導機の
基本波以外の高周波に対する等価回路を示す回路図であ
る。
【図6】 第1実施例の第1変形例によるベクトル制御
装置の構成を示すブロック線図である。
【図7】 第1実施例の第2変形例によるベクトル制御
装置の構成を示すブロック線図である。
【図8】 第1実施例の第3変形例によるベクトル制御
装置の構成を示すブロック線図である。
【図9】 発振器によって生成される高周波信号の他の
波形例、そのときの実電流を説明するための概念図であ
る。
【図10】 固有周波数ω3より周波数の高い矩形波交
流を1次電圧v1として誘導機に印加した場合の1次電
圧v1と2次電流i2の波形を示す波形図である。
【図11】 本発明の第2原理を用いた第2実施例によ
るベクトル制御装置の構成を示すブロック線図である。
【図12】 高周波信号の周波数を電流制御回路の応答
周波数より高く設定した場合における、非干渉条件が成
立しるときの電流波形とベクトル図で表した概念図であ
る。
【図13】 実際のd軸が理想のd軸より進んでいる場
合の電流波形やベクトル図を示す概念図である。
【図14】 i1dに矩形波交流αより位相が90度遅
れた矩形波交流βを乗算した場合の△idの波形を示す
波形図である。
【図15】 実際のd軸が理想のd軸より遅れている場
合の電流波形やベクトル図を示す概念図である。
【図16】 実際のd軸が理想のd軸より遅れている場
合の△idの波形を示す波形図である。
【図17】 PWM制御回路におけるキャリア信号を示
す波形図である。
【図18】 第2実施例の第1変形例によるベクトル制
御装置の構成を示すブロック線図である。
【図19】 第2実施例の第2変形例によるベクトル制
御装置の構成を示すブロック線図である。
【図20】 第2実施例の第3変形例によるベクトル制
御装置の構成を示すブロック図である。
【図21】 本発明の第1原理を用いた第3実施例によ
るセンサレスベクトル制御装置の構成を示すブロック線
図である。
【図22】 第3実施例の第1変形例によるベクトル制
御装置の構成を示すブロック線図である。
【図23】 本発明の第2原理を用いた第4実施例によ
るベクトル制御装置の構成を示すブロック線図である。
【図24】 第4実施例の第1変形例によるベクトル制
御装置の構成を示すブロック線図である。
【図25】 従来のベクトル制御装置の基本構成を示す
ブロック線図である。
【図26】 従来のセンサレスベクトル制御装置の基本
構成を示すブロック線図である。
【図27】 誘導機の等価回路を示す回路図である。
【図28】 従来のベクトル制御装置における積分器B
の周波数特性を示す概念図である。
【符号の説明】
1 誘導機 2,3 座標変換器 4 インバータ 5,10 発振器(生成手段) 6,11 加算器(高周波電流重畳手段) 7,12 乗算器(制御誤差検出手段) 8,13 減算器(反転手段) 9,14 増幅器(直流増幅手段) 15 速度センサ H1 回路 H2 回路

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導機の1次電流を直交2軸の回転座標
    系のd軸−q軸で表し、該d軸およびq軸の直流電流に
    応じて前記誘導機のトルクを制御するベクトル制御方法
    において、 前記誘導機に高周波電流を流すとともに、前記回転座標
    系のd軸に現れる電流に含まれる高周波電流がゼロにな
    るように、すべり周波数を調節することを特徴とするベ
    クトル制御方法。
  2. 【請求項2】 前記高周波電流は、正弦波であることを
    特徴とする請求項1記載のベクトル制御方法。
  3. 【請求項3】 前記高周波電流は、矩形波であることを
    特徴とする請求項1記載のベクトル制御方法。
  4. 【請求項4】 前記高周波電流は、矩形波電圧によって
    発生することを特徴とする請求項1記載のベクトル制御
    方法。
  5. 【請求項5】 誘導機の1次電流を直交2軸の回転座標
    系のd軸−q軸で表し、該d軸およびq軸の直流電流に
    応じて前記誘導機のトルクを制御するベクトル制御装置
    において、 高周波電流を生成する生成手段と、 前記高周波電流を、前記回転座標系のq軸に対する電流
    指令に重畳し、前記誘導機に供給する高周波電流重畳手
    段と、 前記高周波電流と前記回転座標系のd軸の電流に基づい
    て、該d軸に現れる制御誤差を検出する制御誤差検出手
    段と、 前記制御誤差の直流成分を増幅する直流増幅手段と、 前記直流増幅手段によって増幅された直流成分を、すべ
    り周波数指令値に加算することによって、すべり周波数
    を調整する調整手段とを具備することを特徴とするベク
    トル制御装置。
  6. 【請求項6】 誘導機の1次電流を直流2軸の回転座標
    系のd軸−q軸で表し、該d軸およびq軸の直流電流に
    応じて前記誘導機のトルクを制御するベクトル制御装置
    において、 第1の矩形波電圧と、該第1の矩形波電圧に対し位相が
    90度ずれた第2の矩形波電圧とを生成する生成手段
    と、 前記第1の矩形波電圧を前記回転座標系のq軸に対する
    電圧指令に重畳し、前記誘導機に供給する高周波電圧重
    畳手段と、 前記第2の矩形波電圧と前記回転座標系のd軸の電流を
    乗算し、該d軸に現れる制御誤差を検出する制御誤差検
    出手段と、 前記制御誤差の直流成分を増幅する直流増幅手段と、 前記直流増幅手段によって増幅された直流成分を、すべ
    り周波数指令に加算することによって、すべり周波数を
    調整する調整手段とを具備することを特徴とするベクト
    ル制御装置。
  7. 【請求項7】 前記調整手段は、前記直流増幅手段によ
    って増幅された直流成分を、すべり周波数指令値に乗算
    することによって、すべり周波数を調整することを特徴
    とする請求項5または6記載のベクトル制御装置。
  8. 【請求項8】 前記調整手段は、前記直流増幅手段によ
    って増幅された直流成分を、前記誘導機の1次周波数に
    加算することによって、1次周波数を調整することを特
    徴とする請求項5または6記載のベクトル制御装置。
  9. 【請求項9】 前記調整手段は、前記直流増幅手段によ
    って増幅された直流成分を、前記誘導機の位相信号に加
    算することによって、位相を調整することを特徴とする
    請求項5または6記載のベクトル制御装置。
  10. 【請求項10】 前記生成手段は、正弦波の高周波電流
    を生成することを特徴とする請求項5ないし9のいずれ
    かに記載のベクトル制御装置。
  11. 【請求項11】 前記生成手段は、矩形波の高周波電流
    を生成することを特徴とする請求項5ないし9のいずれ
    かに記載のベクトル制御装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の矩形波電圧は、インバータ
    のキャリア信号の波高値で極性が変わることを特徴とす
    る請求項5ないし9のいずれかに記載のベクトル制御装
    置。
  13. 【請求項13】 誘導機の1次電流を直交2軸の回転座
    標系のd軸−q軸で表し、該d軸およびq軸の直流電流
    に基づいて算出した速度推定値に応じて前記誘導機のト
    ルクを制御するセンサレスベクトル制御方法において、 前記誘導機に高周波電流を流すとともに、該高周波電流
    によって前記回転座標系のd軸に現れる電流に含まれる
    高周波電流がゼロとなるように、前記誘導機の速度推定
    値を算出し、該速度推定値により、すべり周波数を調節
    することを特徴とするセンサレスベクトル制御方法。
  14. 【請求項14】 前記高周波電流は、正弦波であること
    を特徴とする請求項13記載のセンサレスベクトル制御
    方法。
  15. 【請求項15】 前記高周波電流は、矩形波であること
    を特徴とする請求項13記載のセンサレスベクトル制御
    方法。
  16. 【請求項16】 前記高周波電流は、矩形波電圧によっ
    て発生することを特徴とする請求項13記載のセンサレ
    スベクトル制御方法。
  17. 【請求項17】 誘導機の1次電流を直交2軸の回転座
    標系のd軸−q軸で表し、該d軸およびq軸の直流電流
    に基づいて算出した速度推定値に応じて前記誘導機のト
    ルクを制御するセンサレスベクトル制御装置において、 高周波電流を生成する生成手段と、 前記高周波電流を、前記回転座標系の電流指令に重畳
    し、前記誘導機に供給する高周波電流重畳手段と、 前記高周波電流と前記回転座標系のd軸の電流とに基づ
    いて、該d軸に現れる制御誤差を検出する制御誤差検出
    手段と、 前記制御誤差を増幅する増幅手段と、 前記増幅手段によって増幅された制御誤差を、前記誘導
    機の速度推定値として、すべり周波数指令値に加算する
    ことによって、1次周波数を調整する調整手段とを具備
    することを特徴とするセンサレスベクトル制御装置。
  18. 【請求項18】 前記高周波電流重畳手段は、前記高周
    波電流を前記回転座標系のq軸に対する電流指令に重畳
    することを特徴とする請求項17記載のセンサレスベク
    トル制御装置。
  19. 【請求項19】 誘導機の1次電流を直交2軸の回転座
    標系のd軸−q軸で表し、該d軸の直流電流に基づいて
    算出した速度推定値に応じて前記誘導機のトルクを制御
    するセンサレスベクトル制御装置において、 第1の矩形波電圧と、該第1の矩形波電圧に対し位相が
    90度ずれた第2の矩形波電圧とを生成する生成手段
    と、 前記第1の矩形波電圧を前記回転座標系の電圧指令に重
    畳し、前記誘導機に供給する高周波電圧重畳手段と、 前記第2の矩形波電圧と前記回転座標系のd軸の電流を
    乗算し、該d軸に現れる制御誤差を検出する制御誤差検
    出手段と、 前記制御誤差を増幅する増幅手段と、 前記増幅手段によって増幅された制御誤差を、前記誘導
    機の速度推定値として、すべり周波数指令に加算するこ
    とによって1次周波数を調整する調整手段とを具備する
    ことを特徴とするセンサレスベクトル制御装置。
  20. 【請求項20】 前記高周波電圧重畳手段は、前記第1
    の矩形波電圧を前記回転座標系のq軸に対する電圧指令
    に重畳することを特徴とする請求項19記載のセンサレ
    スベクトル制御装置。
  21. 【請求項21】 前記増幅手段は、前記制御誤差を積分
    して増幅することを特徴とする請求項17ないし20の
    いずれかに記載のセンサレスベクトル制御装置。
  22. 【請求項22】 前記調整手段は、前記増幅手段によっ
    て増幅された制御誤差を、すべり周波数指令値に加算す
    ることによって、1次周波数を調整するとともに、前記
    制御誤差を速度指令信号に帰還することによって、速度
    を調整することを特徴とする請求項17ないし21のい
    ずれかに記載のセンサレスベクトル制御装置。
  23. 【請求項23】 前記生成手段は、正弦波の高周波電流
    を生成することを特徴とする請求項17ないし22のい
    ずれかに記載のセンサレスベクトル制御装置。
  24. 【請求項24】 前記生成手段は、矩形波の高周波電流
    を生成することを特徴とする請求項17ないし23のい
    ずれかに記載のセンサレスベクトル制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008092657A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Hitachi Ltd 永久磁石モータのインダクタンス同定制御装置及びインバータモジュール
JP2012055041A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd ベクトル制御装置、及び電動機制御システム

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