JPH10321198A - 電池用缶およびその製造方法 - Google Patents
電池用缶およびその製造方法Info
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- JPH10321198A JPH10321198A JP9144540A JP14454097A JPH10321198A JP H10321198 A JPH10321198 A JP H10321198A JP 9144540 A JP9144540 A JP 9144540A JP 14454097 A JP14454097 A JP 14454097A JP H10321198 A JPH10321198 A JP H10321198A
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Abstract
内圧強度および軸荷重強度が改善された電池用缶。 【解決手段】 底部4の厚さが0.130〜0.195
mmで、側壁部2の厚さが0.070〜0.195mm
であり、底部4の周縁部4aに環状のコイニング部6が
形成されている一体成形電池用缶1。厚さが0.130
〜0.195mmの鋼板をカップ体30に絞り加工した
後、1回以上の再絞り加工を行なってフランジ部33c
を形成する。次いでしごき加工して、均一な厚さの側壁
主部35a1を形成すると同時に、フランジ部35c直
下に側壁主部35a1より厚い側壁上部35a2を形成
し、その後側壁上部35a2をトリミングにより除去す
る。
Description
乾電池、充電式ニッケル・カドニウム電池、充電式リチ
ウムイオン電池、充電式ニッケル水素電池等の端子を兼
ねて容器として用いられる電池用缶およびその製造方法
に関する。
は携帯型コンピュータ等の普及が目覚ましく、これ等の
電源としての乾電池や充電式電池の軽量化および高電気
容量化(高寿命化)が望まれている。これ等のニーズに
対応するため、乾電池等の端子を兼ねて容器として用い
られる電池用缶として、底部の厚さが0.2〜0.7m
m、側部の厚さが0.1〜0.3mmの鉄製の一体成形
電池用缶が提案されている(特開昭60−180058
号公報)。しかしながら乾電池等は、単3形等のサイズ
別に外寸が規格で決められているので、上記厚さでは、
軽量化および高電気容量化のニーズに応えるには不十分
であるという問題を有する。
過放電時などにおけるガス発生による内圧の上昇(例え
ば20kg/cm2)によって底部が外方に膨らんだ
り、密封の際のかしめの時に加わる高い軸荷重によって
底部が内方に凹む(段落番号0026参照)等して平坦
性が失われるという問題があった。さらに従来の電池用
缶は、乾電池等を形成する時の密封のためのかしめの際
に、かしめ部に縦皺を生じたり、あるいはかしめ部が緩
んで内容液の漏洩を招き易いという問題があった。従来
の電池用缶は乾電池等を形成する時に、外径が電池用缶
の内径とほぼ等しい固状の正電極合剤等や封口体を挿入
する際に、正電極合剤等が電池用缶の端部に引っ掛って
正電極合剤等が傷付き易いという問題があった。
の目的は、軽量化および高電気容量化を可能にする電池
用缶を提供することにある。請求項2に係わる発明の目
的は、請求項1に係わる発明の目的に加えて、底部の耐
内圧強度および軸荷重強度が改善された電池用缶を提供
することにある。請求項3に係わる発明の目的は、請求
項1および請求項2に係わる発明の目的に加えて、かし
めの際に、かしめ部に縦皺を生じ難く、かつかしめ部が
緩み難い電池用缶を提供することにある。請求項4に係
わる発明の目的は、請求項1、請求項2および請求項3
に係わる発明の目的に加えて、正電極合剤等や封口体を
挿入する際に、正電極合剤等が傷付き難い電池用缶を提
供することにある。
よび高電気容量化を可能にする電池用缶の製造方法を提
供することにある。請求項6に係わる発明の目的は、請
求項5に係わる発明の目的に加えて、正電極合剤や封口
体を挿入する際に、正電極合剤等が傷付き難い電池用缶
の製造方法を提供することにある。請求項7に係わる発
明の目的は、請求項6に係わる発明の目的に加えて、乾
電池等に形成された後のかしめ部が緩み難い電池用缶の
製造方法を提供することにある。請求項8に係わる発明
の目的は、請求項5、請求項6および請求項7に係わる
発明の目的に加えて、底部の耐内圧強度および軸荷重強
度が改善された電池用缶の製造方法を提供することにあ
る。
池用缶は、鋼板より一体成形により形成された、底部お
よび円筒状の側壁部を有する電池用缶であって、底部の
厚さが0.130〜0.195mmで、側壁部の厚さが
0.070〜0.195mmであることを特徴とする。
鋼板としては、裸の低炭素鋼板、および少なくとも片面
が表面処理された表面処理鋼板等が挙げられる。一体成
形とは、成形品の底部と側壁部が一体となるような成形
をいい、絞り加工、再絞り加工、しごき加工等の何れ
か、またはこれらの適宜の組み合わせ等による加工をい
う。一体成形により形成された電池用缶は通常、側壁
部、底部および側壁部と底部を接続する曲率部を備えて
いる。底部は、平坦の場合、およびピップ(端子となる
中央突起部)が形成されている場合等がある。側壁部の
端面は、軸方向に垂直な環状平面であってもよく、また
内側下方に延びる環状斜面であってもよい。電池用缶と
は、正極、負極および電解剤からなる発電要素を内蔵す
る容器となり、かつ端子を兼ねる缶をいう。
0.195mm以下で、側壁部の厚さが0.195mm
以下であるので、軽量であり、内容積が大きい。従って
これを用いた電池は、軽量で、かつ電気容量が大きく、
高寿命となる。底部の厚さが0.130mmより小さく
なると、底部の耐内圧強度および軸荷重強度が低下し
て、実用に供することが困難になるので、底部の厚さの
下限を0.130mmとした。側壁部の厚さが0.07
0mmより小さくなると、製造の際に側壁部が破断し易
く、生産性が低下するので、下限を0.070mmにし
た。
状のコイニング部が形成されている請求項1に記載の電
池用缶である。コイニング部は圧縮により僅かに凹んで
強化され、硬度が高くなり変形し難い。このコイニング
部が、底部が膨らんだり、凹んだりする時の基部となる
底部周縁部に環状に形成されているので、底部の内圧ま
たは軸荷重による膨らみ、または凹みが起こり難くな
る。
マイクロビッカース硬さ(MHv、荷重:100g
r.;以下同じ)が、160〜240である請求項1ま
たは請求項2に記載の電池用缶である。口縁部とは、電
池用缶に発電要素等を充填した後、内側に向って曲げら
れて、封口体(ガスケット)に密接、係合する、すなわ
ちかしめられる側壁部の開口端部部分をいう。通常端面
より高さ方向5mm以内の部分をいう。上記硬さが24
0より高いと、かしめの際に、円周方向の圧縮力によっ
てかしめ部に縦皺が発生して、密封性が損なわれ易い。
硬さが160より低いと、かしめ部の強度が小さくなっ
て、内圧によってかしめ部が緩んで、密封性が損なわれ
易い。請求項3に係わる発明は、上記硬さが160〜2
40であるので、かしめ部の縦皺の発生や緩みが起こり
難い。
の側壁主部と、開口端部に形成された、側壁主部より内
径が大きい拡開部を有する請求項1、請求項2または請
求項3に記載の電池用缶である。拡開部はかしめ部とな
る口縁部を含んでいる。側壁主部より内径が大きい拡開
部が開口端部に形成されているので、発電要素等を充填
し易く、傷付け難く、かつかしめの際に円周方向の圧縮
量が大きくなる故、かしめ力が強くなり、密封性が向上
する。
法は、厚さが0.130〜0.195mmの鋼板を円筒
形のカップ体に絞り加工した後、1回以上の再絞り加工
を行なって縮径と同時にフランジ部を形成し、次いでし
ごき加工して、均一な厚さの側壁主部を形成すると同時
に、フランジ部直下に側壁主部より厚い側壁上部を形成
し、その後側壁上部をトリミングにより除去することを
特徴とする。
回数は、通常5回以下であり、好ましくは2回以上であ
る。本明細書において再絞り加工とは、有底成形体の側
壁部の直径を小さくする加工を含む加工いう。従って単
に再絞り加工という場合、比較的大きな曲率半径の加工
コーナのダイを用いて行なう通常の再絞り加工(本明細
書では単純再絞り加工とよぶ)の他に、特開平1−25
8822号公報に記載のような加工コーナの曲率半径R
のブランク厚さt0(すなわち図8のカップ体31の底
部31bの厚さt0)に対する比R/t0が1.0〜2.
9である曲率半径Rが極く小さいダイを用いて、側壁部
を延伸、薄肉化しながら再絞りする、所謂薄肉化再絞り
加工、および特開平7−275961号公報に記載のよ
うな薄肉化再絞り加工としごき加工を同工程で同時に行
なう薄肉化再絞り−しごき加工、および単純再絞り−し
ごき加工等を含むものとする。
ごき用リングダイを用いて有底成形体の側壁部の肉厚を
小さく、かつ高さ方向に均一にする加工を最後に含む加
工をいう。従って単にしごき加工という場合、しごき加
工のみよりなる単独のしごき加工(本明細書では単純し
ごき加工とよぶ)の他に、単純再絞りーしごき加工およ
び薄肉化再絞りーしごき加工等を含むものとする。再絞
り加工やしごき加工によって形成された成形体の底部の
厚さは、素材である鋼板の厚さと実質的に等しい。厚さ
が0.130〜0.195mmの鋼板を素材(ブラン
ク)とするので、底部の厚さが0.130〜0.195
mmの電池用缶を製造することができる。再絞り加工に
よって側壁部の厚さが底部の厚さ以上になることがあ
る。しかし最終工程でしごき加工が行なわれるので、側
壁部の厚さを、底部の厚さ以下である0.070〜0.
195mmにすることができる。フランジ部を残すこと
により、しごき後の側壁部が薄くてもポンチの抜出しが
容易になる。
法は、厚さが0.130〜0.195mmの鋼板を円筒
形のカップ体に絞り加工した後、1回以上の再絞り加工
を行なって縮径と同時にフランジ部を形成し、次いでし
ごき加工して、均一な厚さの側壁主部を形成すると同時
に、フランジ部直下に側壁主部より厚い側壁上部を形成
し、その後側壁上部を除いて、ダイとポンチのクリアラ
ンスを側壁主部の厚さと同じにした単純再絞り加工を行
なって、側壁上部の下方に外側斜め上方に向う段差部を
形成し、次いで段差部の外面基部を通って軸方向にトリ
ミングして段差部とその上方の部分を除去することを特
徴とする。
を素材(ブランク)とするので、底部の厚さが0.13
0〜0.195mmの電池用缶を製造することができ
る。しごき加工後に行なう単純再絞り加工は、ダイとポ
ンチのクリアランスが側壁主部の厚さと等しい状態で行
なわれる。従って最終工程である単純再絞り加工によっ
て側壁主部の厚さが増大することがない。よって請求項
5の発明の場合と同様に、側壁部の厚さが0.070〜
0.195mmの電池用缶を製造することができる。
段差部の外面基部を通って軸方向にトリミングするの
で、環状斜面よりなる端面を有する電池用缶を製造する
ことができる。
法は、厚さが0.130〜0.195mmの鋼板を円筒
形のカップ体に絞り加工した後、1回以上の再絞り加工
を行なって縮径と同時にフランジ部を形成し、次いでし
ごき加工して、均一な厚さの側壁主部と、フランジ部直
下に側壁主部より厚い側壁上部を形成し、その後側壁上
部を除いて、ダイとポンチのクリアランスを側壁主部の
厚さと同じにした単純再絞り加工を行なって、側壁上部
の下方に短円筒部を残して外側斜め上方に向う第1の段
差部を形成し、短円筒部と第1の段差部を単純再絞り加
工して、第1の段差部に対応する部分と側壁上部との間
に外側斜め上方に向う第2の段差部を形成し、次いで第
2の段差部の外面基部を通って軸方向にトリミングして
第2の段差部とその上方の部分を除去することを特徴と
する。
る発明に加えて、短円筒部と第1の段差部を単純再絞り
加工して、第1の段差部に対応する部分と側壁上部との
間に外側斜め上方に向う第2の段差部を形成し、次いで
第2の段差部の外面基部を通って軸方向にトリミングす
るものである。厚さが0.130〜0.195mmの鋼
板を素材(ブランク)とするので、底部の厚さが0.1
30〜0.195mmの電池用缶を製造することができ
る。最終工程で短円筒部と第1の段差部を単純再絞り加
工し、側壁主部は加工されないから、側壁主部の厚さは
しごき加工後変化しない。従って請求項6の発明の場合
と同様に、側壁部の厚さが0.070〜0.195mm
の電池用缶を製造することができる。 第2の段差部の
外面基部を通って軸方向にトリミングするので、短円筒
部と第1の段差部に対応する部分、すなわち拡開部を開
口端部に形成された、かつ環状斜面よりなる端面を有す
る電池用缶を製造することができる。
項6または請求項7記載の電池用缶の製造方法に加え
て、トリミング直前またはトリミング後の工程で、側壁
部の下方外面を拘束した状態で、底部の周縁部をアンビ
ルとポンチ間でコイニングするものである。 従って
底部の周縁部に環状のコイニング部が形成されている電
池用缶を製造することができる。
の電池用缶の実施の1形態を示すものである。円筒形の
側壁部2は曲率部3を介して平坦な底部4に接続する。
側壁部2の厚さは全長にわたり均一であり、0.07〜
0.195mmの範囲内のある値である。底部4の厚t
さも均一であり、0.130〜0.195mmの範囲内
のある値である。側壁部2の厚さは底部3の厚さ以下で
ある。側壁部2の外径は20mm以下であることが好ま
しい。電池用缶1は、非金属介在物を実質的に含まない
清浄な連続鋳造鋼より製造された低炭素アルミニウムキ
ルド鋼板より形成されるのが好ましい。電池用缶1の内
面には防錆および導電性の点から、表1に示すようなニ
ッケル単独、コバルト単独またはニッケルを含むめっき
層が形成されている。ここで1、2、の数字はめっき種
別の番号(No.)を示し、「−」印は「存在しない」
こと、例えばNo.1のめっき層はニッケルのみよりな
ることを示す。
ニッケル単独、錫単独またはニッケルを含むめっき層が
形成されている。
面処理鋼板を一体成形することによって形成されてもよ
いし、一体成形後にめっきすることによって形成されて
もよい。めっき層は、基体である鋼板と合金化したもの
でもよい。めっき層の厚さは、0.5〜7.0μmであ
るのが好ましい。側壁部2の端面5は実線で示すような
軸方向に垂直な環状平面、もしくは点線で示すような内
側斜め下方に向う環状斜面でもよい。点線5の端面の場
合は、断面が凸円弧状になっているが、断面が直線、も
しくは上部が直線、下部が円弧状であってもよい。
底部外面に形成された環状の、僅かに凹んだコイニング
部6を示す。図2の場合、コイニング部6の外周線6a
は、コイニング形成後の曲率部3(コイニングにより下
部が加工されてコイニング部6形成前に比べて僅かに短
くなっている)の下端に接続している。底部4の強度向
上の点からは、この態様が好ましい。しかしコイニング
部6の外周線6aと曲率部3とが若干離れていてもよ
い。すなわち外周線6aと曲率部3との距離が、0〜5
t(tは底部の厚さ)であってもよい。0の場合は、図
2の態様を含む。コイニング部6の幅wは、2t以上
で、15t以下であることが好ましい。特に上記距離が
0(mm)であること、すなわち外周線6aが、コイニ
ング形成前の曲率部に接するか、コイニング形成前の曲
率部の底部近傍部内にある(図2の場合)ことが望まし
い。コイニング部6の深さdは通常約10〜30μmで
あり、コイニング加工による硬度上昇は通常約5〜20
%である。
として電池用缶1を用いて作製された乾電池の例であ
る。電池用缶1の底部4が正極端子となり、8が負極端
子である。9が封口体(ガスケット)、10が正極合
剤、11が負極ゲルであり、セパレータ12が正極合剤
10と負極ゲル11を分離している。正極合剤10は通
常、中空円柱体形のペレットよりなり、その外径は側壁
部2の内径と実質的に等しく、正極合剤10は側壁部2
内面に密接可能になっている。集電体13が負極端子8
に接続している。14はプラスチック包装体であって、
通常は印刷を施した包装フィルムで、ラベルと呼ばれる
ものである。
る。正極合剤10を電池用缶1内に挿入した後、セパレ
ータ12を挿入し、負極ゲル11をセパレータ12内に
入れる。電池用缶1の側壁部2の正極合剤10の上面よ
りやや高い位置にビード部2aを形成した後、集電体1
3を溶接した負極端子8と封口体9を組み立てたものを
挿着し、封口体9の大径部の下部曲率部9aをビード部
2aに係合させる。次いで図5に示すように、電池用缶
1の下方部をぴったりと挿入可能な凹部16aを有する
アンビル16の凹部16aに電池用缶1を挿入した後、
上狭で、軸方向に垂直に延びるリング状押え面17a1
を上部に有する凹部17aを有するかしめ具17を下降
させて、電池用缶1の側壁部2の口縁部2bを押圧して
内方に向ってほぼ直角に曲げ、封口体9の上面に密接さ
せてかしめ部18を形成して密封する。なお図5におい
て、正極合剤10等の発電要素や封口体9等の記入を省
略した。かしめ部18に縦皺の発生や緩みが起こり難く
するため、口縁部2bのマイクロビッカース硬さが16
0〜240であるのが好ましい。このような硬さの口縁
部2bを有する電池用缶1の作製は、めっき前のマイク
ロビッカース硬さが、80〜140の鋼板をブランクと
することによって行なわれる。なお上記かしめ作業の際
に、側壁部2に軸荷重Fが加わる。この軸荷重Fが曲率
部3を介して底部4に半径方向内方に向う力を作用させ
るためと思われるが、底部4が一点鎖線4で示されるよ
うに凹み易い。この傾向は、底部4が薄い程形著であ
る。
わる発明の実施の1形態を示すもので、側壁部22が円
筒形の側壁主部22aと拡開部22bよりなっている。
拡開部22bは、側壁主部22aに接続する逆円錐台形
部22b2と、開口部となる短円筒形部22b1よりなっ
ている。短円筒形部22b1の端面25は、内側斜め下
方に延びる環状斜面となっている。そのため正極合剤1
0や封口体9を電池用缶22内に挿入の際に引っ掛かり
等のトラブルが起こり難く、上記挿入が容易である。環
状斜面の断面は、図6の場合円弧状であるが、全体が直
線、または上部が直線で下部が円弧状であってもよい。
電池を形成する時に、逆円錐台形部22b2がほぼビー
ド部(2a)となり、短円筒形部22b1がほぼ封口体
9を覆う部分となる。かしめの際に短円筒形部22b1
は縮径されて、側壁部22は全長が実質的に同じ外径に
なる。そのため短円筒形部22b1の外径と、側壁主部
22aの外径との差は約0.2〜0.5mmであること
が好ましい。
製造方法の実施の1形態について説明する。板厚0.1
30〜0.195mmの鋼板ブランク(図示されない)
を浅絞り加工して、図7に示すような円筒形の側壁部3
0aを有する、浅いカップ体30を形成する。次にカッ
プ体30を単純再絞り加工して、側壁部31aの高さが
底部31bの直径より若干小さい縮径されたカップ体3
1を形成する(図8)。更にカップ体31を単純再絞り
加工して、図9に示すような、側壁部32aの高さが底
部32bの直径のほぼ2倍で、フランジ部32cが付い
たカップ体32を形成する。次にカップ体32を単純再
絞り加工して、図10に示すような、側壁部33a、底
部33bおよびフランジ部33cを有する、縮径された
有底円筒体33を形成する。その後カップ体33を単純
再絞り加工して、図11に示すような、側壁部34a、
底部34bおよびフランジ部34cを有する、縮径され
た有底円筒体34を形成する。
うなアプローチ部36a、ランド部36bおよび逃げ部
36cを有するしごき用リングダイ36、およびポンチ
(図示されない)によってしごき加工して、高さが増大
した側壁部35aと、フランジ部35cを有する有底円
筒体35を形成する。側壁部35aは、均一な肉厚の側
壁主部35a1と、側壁主部35a1より肉厚が大きい側
壁上部35a2よりなっている。側壁上部35a2は、フ
ランジ部35c直下の肉厚が有底円筒体34の側壁部3
4aの肉厚に等しく、しごき加工を受けなかった短円筒
形部35a3と、側壁主部35a1に接続する外面が下向
き内方に傾斜し、軸線に対する傾斜角がアプローチ部3
6aの傾斜角に等しいテーパ部35a4よりなってい
る。最後に図13に示すように、側壁主部35a1の上
端近傍部をロータリカッター(図示されない)によって
軸線に垂直方向にトリミングして、側壁上部35a2を
除去して、端面5が軸線に垂直で平坦な電池用缶1を作
製する。
製造方法の実施の1形態について説明する。図11に示
す有底円筒体34をしごき加工して、有底円筒体35
(図12)と断面形状が同様な、図14に示す、均一な
肉厚で円筒形の側壁主部40a1と、側壁主部40a1よ
り肉厚が大きい側壁上部40a2よりなる側壁部40a
を有する有底円筒体40を形成する。側壁上部40a2
は、フランジ部40c直下の肉厚が有底円筒体34の側
壁部34aの肉厚に等しい短円筒形部40a3と、側壁
主部40a1に接続する外面が下向き内方に傾斜したテ
ーパ部40a4よりなっている。次に有筒円筒体40の
側壁主部40a1を、ダイ(図示されない)とポンチ
(図示されない)間のクリアランスが側壁主部40a1
の肉厚に等しい再絞り工具を用いて、単純再絞り加工し
て、図15に示す側壁部41a、底部41bおよびフラ
ンジ部41cを有する有底円筒状体41を形成する。側
壁部41aは、円筒形の側壁主部41a1、側壁主部4
1a1より全体として肉厚が大きい側壁上部41a2(側
壁上部40a2にほぼ対応する)、および側壁主部41
a1と側壁上部41a2の間の外側斜め上方に向う段差部
41a3よりなっている。段差部41a3の主部と側壁主
部41a1との間に曲率部41dがあるが、曲率部41
dは段差部41a3の一部を構成するものである。
0の底部40bの周辺部が側壁主部41a1の下方部を
形成する。そして有底円筒体40の底部40bの厚さ
は、側壁主部40a1の厚さより大きいが、上記クリア
ランスの工具を用いて再絞り加工を行なうので、側壁主
部41a1の下方部の厚さは、側壁主部41a1の他の部
分の厚さと実質的に等しくなる。次に段差部41a3の
外面の基部41a’3、すなわち側壁主部41a1の外面
上端を通って垂直方向に、すなわち一点鎖線42で示す
トリミング方向に、ポンチとダイ方式のカッターで段差
部41a3をトリミングし、側壁上部41a2と段差部4
1a3の大部分を除去する。この場合、トリミングによ
って形成された端面5は、曲率部41dの内面側によっ
て大部分が占められる。従って図16に示すような環状
凸曲面よりなる端面5を有する電池用缶1が作製され
る。曲率部41dの内面側曲率半径が極めて小さい時
は、端面5の断面は実質的に直線になる。曲率部41d
の内面側曲率半径が前記の時よりやや大きい場合は、端
面5の断面は上部が直線、下部がこの直線となだらかに
接続する円弧状になる。
製造方法の実施の1形態について説明する。図9に示す
フランジ部32cが付いたカップ体32を単純再絞り加
工して、図17に示すような側壁部50aの高さが底部
50bの直径のほぼ3倍で、フランジ部50cが付いた
有底円筒体50を形成する。 有底円筒体50をしごき
加工して、有底円筒体35(図12)と断面形状が同様
な、図18に示す均一な肉厚で円筒形の側壁主部51a
1と、側壁主部51a1より肉厚が大きい側壁上部51a
2よりなる側壁部51aを有する有底円筒体51を形成
する。側壁上部51a2は、フランジ部51c直下の肉
厚が有底円筒体50の側壁部50aの肉厚に等しい短円
筒形部51a3と、側壁主部51a1に接続する外面が下
向き内方に傾斜したテーパ部51a4よりなっている。
次に有筒円筒体51の側壁主部51a1を、ダイ(図示
されない)とポンチ(図示されない)間のクリアランス
が側壁主部51a1の肉厚に等しい再絞り工具を用い
て、単純再絞り加工して、図19に示す側壁部52a、
底部52bおよびフランジ部52cを有する有底円筒状
体52を形成する。側壁部52aは、円筒形の側壁主部
52a1、側壁主部52a1より肉厚が大きい側壁上部5
2a2(側壁上部51a2に対応する)、側壁上部52a
2より垂下する短円筒部52a3、および側壁主部52a
1と短円筒部52a3の間の外側斜め上方に向う段差部5
2a4よりなっている。
a3および段差部52a4を、側壁主部52a1と側壁上
部52a2の直径を保持したまま再絞り加工して、図2
0に示すような2段段差部を有する円筒状体53を形成
する。すなわち図20において、53a1は側壁主部、
53a2は側壁上部、53a3は上段差部、53a4は短
円筒部であり、53a5は軸線となす角αが比較的小さ
い下段差部であって、下段差部53a5は側壁主部53
a1に接続する。次に上段差部53a3の外面の基部53
a’3、すなわち短円筒部53a4の外面上端を通って垂
直方向に、すなわち一点鎖線54で示すトリミング方向
に、ポンチとダイ方式のカッターで上段差部53a3を
トリミングし、側壁上部53a2と上段差部53a3の大
部分を除去する。このようにして図21に示すような、
断面凸円弧状の環状曲面よりなる端面25を有する電池
用缶21を作製する。
ついて説明する。図22において、60はアンビル、6
1はリング体、62は、エア抜き孔62aを備えるポン
チである。アンビル60は、外径が電池用缶1の側壁部
2の外径に等しく、幅がコイニング部6の幅wより僅か
に大きく、上面が平坦な環状突起部60aを備えてい
る。リング体61は内径が環状突起部60aの外径より
僅かに大きく、環状突起部60aおよび側壁部2をぴっ
たりと挿入可能の孔部61aを有している。ポンチ62
の直径は側壁部2の内径より僅かに小さく、ポンチ62
と側壁部2間のクリアランスは、ポンチ62が電池用缶
1内にスムースに挿入することが可能の範囲内で小さく
なっている。
うにして行なわれる。アンビル60の環状突起部60a
にリング体61を外挿して、リング体61をアンビル6
0上に載置した状態で、電池用缶1の側壁部2をリング
体61に挿入する。次にポンチ62を電池用缶1内に挿
入して底部4の周縁部4aをポンチ62と環状突起部6
0aの間で押圧する。この押圧によって、図23に示す
ように僅かに凹んだコイニング部6が形成される。コイ
ニング部6の形成は、トリミング直前またはトリミング
後に行なわれる。
施した、厚さ0.190mmで、めっき前のマイクロビ
ッカース硬さ(MHv)が110の連続鋳造アルミニウ
ムキルド低炭素鋼板を、図7〜図13に示すような順序
で、絞り加工、再絞り加工、しごき加工、およびトリミ
ングを行なって電池用缶1を作製した。ブランクの直径
は45mmで、カップ体30(図7)形成時の絞り比が
1.5、カップ体31(図8)形成時の再絞り比が1.
25、カップ体32(図9)形成時の再絞り比が1.2
5、有底円筒体33(図10)形成時の再絞り比が1.
24、有底円筒体34(図11)形成時の再絞り比が
1.16、有底円筒体35(図12)形成時のしごき率
が50%であった。日本工作油(株)製の水溶性潤滑剤
(G2700NT:商品名)をブランクとしごき前の有
底円筒体34に塗布した後成形を行なった。洗浄は40
℃の温水を60秒間スプレーすることによって行なっ
た。電池用缶1の高さは50.3mm、側壁部外径は1
3.8mm、底部4の厚さは0.190mm、側壁部2
の厚さは0.095mmであった。電池用缶1の平坦な
底部4に、図22に示す工具を使用して、図2に示すよ
うな曲率部3に隣接する幅wが1.2mm、深さdが1
7μmのコイニング部6を、60トンの汎用プレスで押
圧形成した。
および側壁部の口縁部2bの硬さ、20kgf/cm2
の内圧を加えた時の底部4の膨らみ高さ、および100
kgfの軸荷重を加えた時の底部4の凹み深さを試験し
た結果を、表3に実験例1として示す。なお上記内圧の
印加は、電池用缶1の開口部を密閉した状態で、油圧ポ
ンプで加圧することにより行なった。 実験例2:コイニング部を形成しない点を除いては、実
験例1の電池用缶1と同様な電池用缶1について同様な
試験を行なった結果を、実験例2として表3に示す。表
3において、対応部とは、底部のコイニング対応部をい
い、括弧内の数値はコイニング対応部の硬さを示す。
で、マイクロビッカース硬さが112であり、しごき率
が47%である点を除いては、実験例1の場合と同様に
して作製され、同様な試験を行なった結果を、実験例3
として表3に示す。 実験例4:コイニング部を形成しない点を除いては、実
験例3の電池用缶1と同様な電池用缶1について同様な
試験を行なった結果を、実験例4として表3に示す。
50mmで、マイクロビッカース硬さが95であり、か
つコイニング部を形成しない点、およびブランクの直径
が51mmで、カップ体30(図7)形成時の絞り比が
1.62、カップ体31(図8)形成時の再絞り比が
1.31、有底円筒体35(図12)形成時のしごき率
が28%である点を除いては、実験例1の場合と同様に
して作製され、同様な試験を行なった結果を、実験例5
として表3に示す。 実験例6:さらに比較のため鋼板の厚さが0.210m
mで、マイクロビッカース硬さが97であり、かつコイ
ニング部を形成しない点、およびブランクの直径が60
mmで、カップ体30(図7)形成時の絞り比が1.9
1、カップ体31(図8)形成時の再絞り比が1.3
1、有底円筒体35(図12)形成時のしごき率が0%
である点を除いては、実験例1の場合と同様にして作製
され、同様な試験を行なった結果を、実験例6として表
3に示す。なお乾電池作製のためのかしめによる縦皺の
発生状況をも試験したが、縦皺は何の実験例1〜6の場
合にも発生しなかった。
量化および高電気容量化が可能であるという効果を奏す
る。請求項2に係わる発明の電池用缶は、請求項1に係
わる発明の効果に加えて、底部の耐内圧強度および軸荷
重強度が改善されるという効果を奏する。請求項3に係
わる発明の電池用缶は、請求項1および請求項2に係わ
る発明の効果に加えて、かしめの際に、かしめ部に縦皺
を生じ難く、かつかしめ部が緩み難いという効果を奏す
る。請求項4に係わる発明の電池用缶は、請求項1、請
求項2および請求項3に係わる発明の効果に加えて、正
電極合剤等や封口体を挿入する際に、正電極合剤等が傷
付き難いという効果を奏する。
法は、軽量化および高電気容量化を可能にする電池用缶
を製造できるという効果を奏する。請求項6に係わる発
明の電池用缶の製造方法は、請求項5に係わる発明の効
果に加えて、正電極合剤や封口体を挿入する際に、正電
極合剤等が傷付き難い電池用缶を製造できるという効果
を奏する。請求項7に係わる発明の電池用缶の製造方法
は、請求項6に係わる発明の効果に加えて、乾電池等に
形成された後のかしめ部が緩み難い電池用缶を製造でき
るという効果を奏する。請求項8に係わる発明の電池用
缶の製造方法は、請求項5、請求項6および請求項7に
係わる発明の効果に加えて、底部の耐内圧強度および軸
荷重強度が改善された電池用缶を製造できるという効果
を奏する。
説明用縦断面図である。
る、図1の電池用缶の拡大底面図である。
縦断面図である。
状態を示す説明用要部縦断面図である。
説明用縦断面図である。
て、第1の工程で形成されたカップ体の縦断面図であ
る。
て、第2の工程で形成されたカップ体の縦断面図であ
る。
て、第3の工程で形成されたカップ体の縦断面図であ
る。
おいて、第4の工程で形成された有底円筒体の縦断面図
である。
おいて、第5の工程で形成された有底円筒体の縦断面図
である。
おいて、第6の工程で形成された有底円筒体の縦断面図
である。
おいて、電池用缶が形成された直後の状態を示す縦断面
図である。
おいて、第4の工程で形成された有底円筒体の縦断面図
である。
おいて、第5の工程で形成された有底円筒体の縦断面図
である。
おいて、電池用缶が形成された直後の状態を示す縦断面
図である。
おいて、第4の工程で形成された有底円筒体の縦断面図
である。
おいて、第5の工程で形成された有底円筒体の縦断面図
である。
おいて、第6の工程で形成された有底円筒体の縦断面図
である。
おいて、第7の工程で形成された有底円筒体の縦断面図
である。
おいて、電池用缶が形成された直後の状態を示す縦断面
図である。
ング部を形成している状態を示す縦断面図である。
材) 62 ポンチ
Claims (8)
- 【請求項1】 鋼板より一体成形により形成された、底
部および円筒状の側壁部を有する電池用缶であって、底
部の厚さが0.130〜0.195mmで、側壁部の厚
さが0.070〜0.195mmであることを特徴とす
る電池用缶。 - 【請求項2】 底部の周縁部に環状のコイニング部が形
成されている請求項1記載の電池用缶。 - 【請求項3】 側壁部の口縁部のマイクロビッカース硬
さが、160〜240である請求項1または請求項2記
載の電池用缶。 - 【請求項4】 側壁部が円筒形の側壁主部と、開口端部
に形成された、側壁主部より内径が大きい拡開部を有す
る請求項1、請求項2または請求項3記載の電池用缶。 - 【請求項5】 厚さが0.130〜0.195mmの鋼
板を円筒形のカップ体に絞り加工した後、1回以上の再
絞り加工を行なって縮径と同時にフランジ部を形成し、
次いでしごき加工して、均一な厚さの側壁主部を形成す
ると同時に、フランジ部直下に側壁主部より厚い側壁上
部を形成し、その後側壁上部をトリミングにより除去す
ることを特徴とする電池用缶の製造方法。 - 【請求項6】 厚さが0.130〜0.195mmの鋼
板を円筒形のカップ体に絞り加工した後、1回以上の再
絞り加工を行なって縮径と同時にフランジ部を形成し、
次いでしごき加工して、均一な厚さの側壁主部を形成す
ると同時に、フランジ部直下に側壁主部より厚い側壁上
部を形成し、その後側壁上部を除いて、ダイとポンチの
クリアランスを側壁主部の厚さと同じにした単純再絞り
加工を行なって、側壁上部の下方に外側斜め上方に向う
段差部を形成し、次いで段差部の外面基部を通って軸方
向にトリミングして段差部とその上方の部分を除去する
ことを特徴とする電池用缶の製造方法。 - 【請求項7】 厚さが0.130〜0.195mmの鋼
板を円筒形のカップ体に絞り加工した後、1回以上の再
絞り加工を行なって縮径と同時にフランジ部を形成し、
次いでしごき加工して、均一な厚さの側壁主部と、フラ
ンジ部直下に側壁主部より厚い側壁上部を形成し、その
後側壁上部を除いて、ダイとポンチのクリアランスを側
壁主部の厚さと同じにした単純再絞り加工を行なって側
壁上部の下方に短円筒部を残して外側斜め上方に向う第
1の段差部を形成し、短円筒部と第1の段差部を単純再
絞り加工して第1の段差部に対応する部分と側壁上部と
の間に外側斜め上方に向う第2の段差部を形成し、次い
で第2の段差部の外面基部を通って軸方向にトリミング
して第2の段差部とその上方の部分を除去することを特
徴とする電池用缶の製造方法。 - 【請求項8】 トリミング直前またはトリミング後の工
程で、側壁部の下方外面を拘束した状態で、底部の周縁
部をアンビルとポンチ間でコイニングする請求項5、、
請求項6または請求項7記載の電池用缶の製造方法。
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JP14454097A Expired - Fee Related JP3759553B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 電池用缶およびその製造方法 |
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1997
- 1997-05-20 JP JP14454097A patent/JP3759553B2/ja not_active Expired - Fee Related
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