JPH10315459A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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Publication number
JPH10315459A
JPH10315459A JP13086597A JP13086597A JPH10315459A JP H10315459 A JPH10315459 A JP H10315459A JP 13086597 A JP13086597 A JP 13086597A JP 13086597 A JP13086597 A JP 13086597A JP H10315459 A JPH10315459 A JP H10315459A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
ink supply
supply chamber
recording head
bubbles
Prior art date
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Pending
Application number
JP13086597A
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English (en)
Inventor
Hideo Yasutomi
英雄 保富
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク供給室30、31内部で発生した気泡
を捕捉することでインクキャビティ26、27の圧力制
御を正確に行い、インク滴を良好に吐出するインクジェ
ット記録ヘッド1を提供する。 【解決手段】 インク供給室30、31と、インク供給
室30、31とインクインレット32、33によって連
通するインクを収容するインクキャビティ26、27
と、インクキャビティ26、27に設けられたノズル2
8、29とを有するインクジェット記録ヘッド1におい
て、インク供給室30、31の内面の一部に気泡捕捉部
71、73を形成し、インクに含まれる気泡を気泡捕捉
部71、73で捕捉した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像信号に応じて
複数のノズルからインク滴を吐出させ、記録用紙などの
記録媒体に付着させて画像を記録するインクジェット記
録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、インク供給室のインクをインクインレットを通じて
インクキャビティに供給して該インクキャビティに設け
られたノズルからインク滴を吐出し、このインク滴が紙
等の記録媒体に付着して形成されるインクドットにより
画像を記録するインクジェット記録ヘッドが知られてい
る。上記インクジェット記録ヘッドでは、インクが充填
されたインクタンクをインク供給室のインク供給口に接
続することでインク供給室にインクが供給されるように
なっている。
【0003】上記のようにしてインク供給室に供給され
るインクには、インク供給口で空気を抱き込むことによ
って気泡が発生する場合がある。また、インク供給室で
は、インクとインク供給室内壁との濡れ性が悪い部分に
おいて、インクがインク供給室内壁を濡らす前にインク
供給室内に流入して空気を抱き込むことによって気泡を
発生させる場合がある。上記のようにしてインク供給口
で発生した気泡は、インク供給口に設けられたフィルタ
で捕捉されるためインク供給室に侵入することはない
が、インク供給室内部で発生した気泡はインク供給室内
に留まってしまう。
【0004】インク供給室内に留まった気泡は、その大
きさがインクインレットの内径よりも大きい場合にはイ
ンクインレットを塞ぎ、インクキャビティへのインクの
侵入を妨げてインクの吐出不良を発生させるという問題
点があり、また、インクインレットの内径よりも小さい
気泡は、気泡同士が結合して大きくなり、上記問題点を
発生させる場合があった。
【0005】また、結合せずにインクインレットの内径
よりも小さいままで存在する気泡は、インクインレット
からインクキャビティ内に侵入してダンパーの役目を果
たすことから、インクキャビティ内の圧力制御を妨害
し、所望の大きさのインク滴の吐出を阻害するという問
題点があった。
【0006】上記問題点に対して、インクキャビティ内
に侵入した気泡をノズルから吸引することでキャビティ
内の圧力制御を正確に行うようにする方法があるが、気
泡同士はインクキャビティ内で結合する場合があり、ノ
ズル径よりも大きくなった気泡はノズルから吸引するこ
とができないため、キャビティ内の圧力制御を正確に行
うことができない場合がある。
【0007】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたものであって、インク供給室内部で発生した気泡を
捕捉することでインク滴を良好に吐出することができる
インクジェット記録ヘッドを提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に係るインクジェット記録ヘッドでは、イン
ク供給室と、該インク供給室とインクインレットによっ
て連通するインクを収容するインクキャビティと、該イ
ンクキャビティに設けられたノズルとを有するインクジ
ェット記録ヘッドにおいて、上記インク供給室の内面の
一部に複数の凹部を形成し、インクに含まれる気泡を上
記凹部で捕捉することを特徴としている。
【0009】請求項2に係るインクジェット記録ヘッド
では、インク供給室と、該インク供給室と複数のインク
インレットによってそれぞれ連通するインクを収容する
複数のインクキャビティと、該インクキャビティにそれ
ぞれ設けられたノズルとを有するインクジェット記録ヘ
ッドにおいて、上記インク供給室のインクインレットが
配置された方向の少なくとも一方の端部内面に複数の凹
部を形成し、インクに含まれる気泡を上記凹部で捕捉す
ることを特徴としている。
【0010】請求項3に係るインクジェット記録ヘッド
では、上記複数の凹部の深さ、凹部のピッチ間隔、イン
クインレットの内径及びノズル径が下記の数4、数5、
及び数6の関係にあることを特徴としている。
【数4】a≧c,d
【数5】b≧c,d
【数6】b≦6a a;凹部の深さ b;凹部のピッチ間隔 c;インクインレットの内径 d;ノズル径
【0011】請求項4に係るインクジェット記録ヘッド
では、上記インク供給室に排出口を設けるとともに、該
排出口に気泡を排出する排出手段を接続したことを特徴
としている。
【0012】
【発明の効果】請求項1に係るインクジェット記録ヘッ
ドでは、インク供給室内部で発生した気泡は、インク供
給室の内面の一部に形成された複数の凹部に捕捉され
る。したがって、気泡はインクインレットを塞ぐことが
無く、また、インクインレットからインクキャビティに
侵入してインクキャビティ内部の圧力制御を妨害するこ
とが無い。したっがって、インクジェット記録ヘッドで
は、インク滴の飛翔安定性を向上させることができ、所
望の大きさのインク滴を良好に吐出することができる。
【0013】請求項2に係るインクジェット記録ヘッド
では、インク供給室内部で発生した気泡は、インク供給
室のインクインレットが配置された方向の端部に移動す
ることから、インク供給室のインクインレットが配置さ
れた方向の少なくとも一方の端部内面に形成された複数
の凹部によって効率良く捕捉される。したがって、気泡
はインクインレットを塞ぐことが無く、また、インクイ
ンレットからインクキャビティに侵入してインクキャビ
ティ内部の圧力制御を妨害することが無い。このため、
インクジェット記録ヘッドでは、インク滴の飛翔安定性
を向上させることができ、所望の大きさのインク滴を良
好に吐出することができる。
【0014】請求項3に係るインクジェット記録ヘッド
では、インク供給室内部に形成された上記複数の凹部の
深さ及びピッチ間隔が、インクインレットの内径及びノ
ズル径と比較して大きくなっており、また、複数の凹部
のピッチ間隔が複数の凹部の深さの6倍の大きさ以下と
してある。したがって、インクインレットに侵入可能な
径を有する気泡はもちろんのこと、インクインレットを
塞ぐ径からなる気泡も複数の凹部に捕捉されるため、気
泡はインクインレットからインクキャビティに侵入して
インクキャビティ内部の圧力制御を妨害することが無
い。このため、インクジェット記録ヘッドでは、インク
滴の飛翔安定性が向上するので、所望の大きさのインク
滴を良好に吐出することができる。
【0015】請求項4に係るインクジェット記録ヘッド
では、上記インク供給室に排出口を設けるとともに、該
排出口に気泡を排出する排出手段を接続してあるので、
複数の凹部に捕捉された気泡を排出口から排出すること
ができる。したがって、大量に発生した気泡を捕捉した
場合、捕捉された気泡が自然消滅するか否かに拘わら
ず、気泡をインク供給室から完全に除去することができ
る。これにより、インクジェット記録ヘッドでは、イン
クキャビティ内部の圧力制御を正確に行うことができる
ので、インク滴の飛翔安定性を向上させることができ、
所望の大きさのインク滴を良好に吐出することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る
インクジェット記録ヘッド1(以下、「記録ヘッド1」
と省略する。)を備えたプリンタ3の一部を示してい
る。上記プリンタ3は記録媒体である用紙5を副走査方
向(y方向)に送り出すための送り出し機構7と、キャ
リッジ11を主走査方向(x方向)に移動させるための
移動機構9とを備えており、記録ヘッド1は上記キャリ
ッジ11に取り付けられることで主走査方向(x方向)
に移動するように設けられている。
【0017】図2から図4は、上記記録ヘッド1を示し
ている。この記録ヘッド1は、その中央線34を挟んで
対向する第1ヘッド部12と第2ヘッド部14とからな
り、天板16、隔壁18、振動板20および基板22を
この順に重ね合わせて一体的に構成されている。
【0018】天板16は合成樹脂、または金属等からな
り、天板16と隔壁18との対向面には電鋳やフォトリ
ソグラフィ等の方法で微細加工して複数の溝状凹部等が
形成されている。これら凹部が隔壁18で覆われること
により、第1ヘッド部12と第2ヘッド部14のそれぞ
れに、インクを収容するインクキャビティ26、27、
補給用インクを収容するインク供給室30、31および
各インクキャビティ26、27とインク供給室30、3
1とをそれぞれ連通するインクインレット32、33が
形成される。
【0019】インクキャビティ26、27は、各ヘッド
部12、14が対向する方向に沿って延びるトラック形
状に、かつ記録ヘッド1の長手方向に等間隔でそれぞれ
が複数形成されている。また、インク供給室30、31
は、インクキャビティ26、27を挟んで中央線34の
反対側に記録ヘッド1の長手方向にそれぞれ形成されて
いる。インク供給室30、31の中央部は、記録ヘッド
1の背面側、すなわち、基板22側から貫通するインク
供給口50、51が連通してある。これらインク供給口
50、51の基板22側には、気泡を捕捉するための気
泡捕捉フィルタが取り付けてあり、また、インクタンク
が接続できるようになっている(図示せず)。なお、上
記インク供給室30、31の形状については後述する。
インクインレット32、33は、その幅がインクキャビ
ティ26、27側からインク供給室30、31側に向か
うにしたがって広くなるように形成してあり(断面ハの
字形状)、インクキャビティ26、27に供給されたイ
ンクがインク供給室30、31に逆流することが少なく
なるように構成している。
【0020】また、フッ素含有有機化合物を塗布するこ
とによって撥水処理された天板16には、各インクキャ
ビティ26、27に連通するノズル28、29がそれぞ
れ16個ずつ互いに千鳥状に配置されるように2列に設
けてある。このノズル28、29は、エキシマレーザ加
工等の方法でキャビティ26、27側からインク吐出側
に向かって次第に断面が小さくなるテーパ形状に形成さ
れている。隔壁18は金属、合成樹脂等の薄膜からな
り、天板16と振動板20との間に固定されている。
【0021】隔壁18と基板22との間に固定された振
動板20は、周知の圧電材料からなり、その上面と下面
にそれぞれ共通電極、個別電極として機能する導電性金
属層(図示せず)がスパッタリング等の方法で形成され
ている。また、振動板20はダイシング加工により縦方
向溝56と横方向溝57を形成することで分断され、各
インクキャビティ26、27に隔壁18を介して対向す
る圧電部材42、43と、隣接する圧電部材42、43
の間に位置する仕切壁44と、これらを囲む周囲壁46
とに分離されている。各圧電部材42、43は、高温下
で上下の共通電極と個別電極との間に高電圧を印加して
分極処理されている。なお、圧電部材42、43は単層
タイプに限らず、金属電極層をそれぞれ挟むように複数
の薄膜圧電シートを積層して形成した積層型圧電部材を
用いてもよい。
【0022】基板22は、セラミック、金属、合成樹脂
等からなり、その上面に振動板20を固定・支持してい
る。
【0023】ここで、本発明の特徴部分であるインク供
給室30、31について説明する。図5に示すように、
インク供給室30は、長手方向の両端部61、63の壁
面65が曲面で構成されており、一方の端部61にはイ
ンクを流入するための流入口67が形成され、他方の端
部63にはインクを排出するための排出口69が形成し
てある。これら流入口67と排出口69とには、ポンプ
機構と気泡除去フィルタを備えた図示しないインク循環
装置が接続してあり、インク供給室30内のインクを排
出・流入してインクに含まれる気泡が除去できるように
なっている。
【0024】また、図6に示すように、上記両端部6
1、63の内面にはインク供給室30内で発生した気泡
を捕捉するための気泡捕捉部71、73がそれぞれ形成
してある。これら気泡捕捉部71、73は、インク供給
室30の厚み方向に垂直な平面で切った断面が波形形状
からなるように複数の凹部75からなっている。この気
泡捕捉部71、73の始端部79は、インクインレット
32が接続された面77と上記壁面65との境界部であ
り、終端部81は、端部61、63からインク供給室3
0の全長の4分の1の長さだけ隔てた位置である。な
お、気泡捕捉部71、73の終端部81は、気泡捕捉部
71、73の長さlに対してインク供給室の全長Lが下
記の数7に示す関係を満足すればよい。
【0025】
【数7】(1/24)L≦l≦(1/4)L
【0026】また、上記複数の凹部75の深さaは80
μm、凹部75のピッチ間隔bは160μm、インクイ
ンレット32、33の内径cは60μm、及びノズル2
8、29の径は60μmに形成してある。なお、上記複
数の凹部75の深さa、凹部75のピッチ間隔b、イン
クインレット32、33の内径c及びノズル28、29
の径dは下記の数8、数9、及び数10に示す関係を満
足すればよい。また、気泡捕捉部71、73の始端部7
9及び終端部81に向かうにしたがって、凹部75の深
さが浅くなるように形成されている。なお、インク供給
室31は、インク供給室30と同一構成であるため同一
部分には同一符号を付してその構成の説明を省略する。
【0027】
【数8】a≧c,d
【0028】
【数9】b≧c,d
【0029】
【数10】b≦6a a;凹部の深さ b;凹部のピッチ間隔 c;インクインレットの内径 d;ノズル径
【0030】上記構成からなるインクジェット記録ヘッ
ド1では、インク供給口50、51にインクタンクを接
続することによってインク供給室30、31にインクが
供給される。この際、インク供給口50、51に流入す
るインクは空気を抱き込むことによって気泡を発生させ
る場合があるが、発生した気泡はインク供給口50、5
1に設けられた気泡捕捉フィルタによって捕捉されるた
めインク供給室30、31に侵入することが防止され
る。
【0031】インク供給室30、31に供給されたイン
クは、このインク供給室30、31の内部を広がり、イ
ンクインレット32、33を介して第1ヘッド部12と
第2ヘッド部14のインクキャビティ26、27に分配
される。なお、インク供給室30、31に形成された気
泡捕捉部71、73の気泡捕捉機能については後述す
る。インクキャビティ26、27にインクが供給された
状態で、画像信号制御回路(図示せず。)から各圧電部
材42、43に駆動電圧が印加されると、これらが瞬時
に変形して隔壁18をインクキャビティ26、27に向
かって押し込む。これにより加圧されたインクがノズル
28及び29からインク滴となって吐出される。このイ
ンク滴が記録媒体上に付着してドットを形成し、これら
ドットの集合により画像が記録される。この際、プリン
タ3の送り出し機構7にセットされた用紙5を副走査方
向yに送り出すとともに、移動機構9により記録ヘッド
1を主走査方向xに移動させることで所望の画像を形成
する。
【0032】また、画像信号制御回路により駆動電圧を
変化させると、圧電部材42、43の変形量の減少また
は増加により加圧が変化する。これにより、各ノズル2
8、29からそれぞれ吐出されるインク滴の大きさも変
化して異なる大きさのドットが形成され階調表現ができ
る。また、上記記録ヘッド1は、天板15の表面がフッ
素含有機化合物を塗布することによって撥水処理されて
いるので、インク滴がノズル28、29から良好に吐出
する。
【0033】ここで、インク供給室30、31に形成さ
れた気泡捕捉部71、73の気泡捕捉機能について説明
する。例えば、インク供給室30、31内壁が乾燥して
いる場合等であって、インクがインク供給室30、31
の内壁を濡らす前にインク供給室30、31内を広がる
場合には、インクが空気を抱き込むことによって気泡が
発生する場合がある。
【0034】上記のようにして発生した気泡はインクの
流れとともにインク供給室30、31の両端部に移動
し、気泡捕捉部71、73の凹部75に捕捉される。記
録ヘッド1では、上記のように、凹部75の深さa及び
ピッチ間隔bが、インクインレット32、33の内径c
及びノズル28、29の径dと比較して大きくなってお
り、また、複数の凹部75のピッチ間隔bが複数の凹部
75の深さの6倍の大きさ以下としてある。したがっ
て、インクインレット32、33に侵入可能な径を有す
る気泡が複数の凹部75に捕捉されることはもちろんの
こと、インクインレット32、33を塞ぐ径からなる気
泡も複数の凹部75に捕捉されるため、気泡はインクイ
ンレット32、33からインクキャビティ26、27に
侵入してインクキャビティ26、27内部の圧力制御を
妨害することが無い。
【0035】このようにして、インクジェット記録ヘッ
ド1では、インクキャビティ26、27内部の圧力制御
を正確に行うことができるので、インク滴の飛翔安定性
を向上させることができ、所望の大きさのインク滴を良
好に吐出することができる。なお、インク供給室30、
31内においては、中央部に比較して両端部61、63
におけるインクの流れが速い。このため、壁面65を濡
らす前にインクが広がり、インクが空気を抱き込むこと
によって気泡を発生させることから、気泡の発生確率が
中央部に比較して両端部61、63では高くなる。しか
しながら、記録ヘッド1のインク供給室30、31にお
いては、両端部61、63の壁面65が曲面で構成さ
れ、かつ気泡捕捉部71、73が形成されているため、
両端部61、63のインクに対する濡れ性が良好になっ
ている。このため、インク供給室30、31内のどの部
分であっても気泡の発生確率が中央部の発生確率と同程
度になる、すなわち気泡が発生することが殆ど無い。し
たがって、インク供給室30、31では上記のように気
泡を捕捉することができるうえに気泡の発生を防止する
ことができる。
【0036】また、インクジェット記録ヘッド1では、
インク供給室30、31にはインク循環装置が接続して
あるので、所定時間経過毎に気泡捕捉部71、73に捕
捉された気泡を除去することができる。したがって、捕
捉された気泡が自然消滅するか否かに拘わらず、気泡を
インク供給室30、31から完全に除去することができ
る。これにより、インクジェット記録ヘッド1では、イ
ンクキャビティ26、27への気泡の侵入を完全に防止
することができる。したがって、インクキャビティ2
6、27内部の圧力制御をより正確に行うことができる
ので、インク滴の飛翔安定性をさらに向上させることが
でき、所望の大きさのインク滴を良好に吐出することが
できる。
【0037】なお、第1ヘッド部12、第2ヘッド部1
4の両端のノズル28、29はインク供給室30、31
の端部61、63近傍に設けられていることから、イン
クの流入による圧力変化の影響を受け易い。このため、
第1ヘッド部12、第2ヘッド部14の両端に位置する
ノズル28、29はダミーノズルとしてインク滴を吐出
させることを禁止するようにしてもよい。
【0038】インクジェット記録ヘッド1では、上記の
ように、インク供給室30、31に形成した気泡捕捉部
71、73は、インク供給室30、31の厚み方向に垂
直な平面で切った断面が波形形状からなるように複数の
凹部75で構成してあるが、気泡捕捉部71、73の形
状は上記の形状に限るものではなく、図7に示す記録ヘ
ッド75のように、インク供給室30、31の厚み方向
に垂直な平面で切った断面が複数の凸ブロック部78で
構成されるもの、または図8に示す記録ヘッド85のよ
うに、インク供給室30、31の厚み方向に垂直な平面
で切った断面が複数の任意の曲線形状からなる凹部86
で構成されるものであってもよい。さらに、気泡捕捉部
71、73は、凹部75、凸ブロック部78、または任
意の曲線形状からなる凹部81を複数形成したものに限
らず、また、これら複数形成された凹部等が互いに異な
る形状であってもよい。
【0039】なお、上記記録ヘッド75と85の気泡捕
捉部71、73の始端部79及び終端部81についても
インクジェット記録ヘッド1と同様であり、その始端部
79は、インクインレット32、33が接続された面7
7と上記壁面65との境界部であり、終端部81は、端
部61、63からインク供給室30の全長の約10分の
1の長さだけ隔てた位置である。また、記録ヘッド75
と85の気泡捕捉部71、73の終端部81に関して
も、気泡捕捉部の長さlに対してインク供給室の全長L
が上記の数7に示す関係を満足すればよい。さらに、凸
ブロック部78及び任意の曲線形状からなる凹部86の
深さa及びピッチ間隔bと、インクインレット32、3
3の内径c及びノズル28、29の径dに関しても上記
数8、数9、及び数10に示す関係を満足すればよい。
【0040】次に、上記記録ヘッド1、75、85、記
録ヘッド1の気泡捕捉部71、73の形成領域を増加し
た記録ヘッド90(気泡捕捉部71、73の終端部81
がインク供給室30、31の両端部61、63からイン
ク供給室30、31の全長の1/4隔てた位置)、91
(気泡捕捉部71、73の終端部81がインク供給室3
0、31の両端部61、63からインク供給室30、3
1の全長の1/3隔てた位置)、記録ヘッド1の気泡捕
捉部71、73の形成領域を減少させた記録ヘッド93
(気泡捕捉部71、73の終端部81がインク供給室3
0、31の両端部61、63からインク供給室30、3
1の全長の1/24隔てた位置)、インク供給室に気泡
捕捉部を形成していない記録ヘッド95、及びインク供
給室の内壁全面に気泡捕捉部71、73を形成した記録
ヘッド97について、(i)気泡発生の有無、(ii)吸
引後の気泡の有無、(iii)インク飛翔性、及び(iv)
クロストーク発生の有無について行った実験について説
明する。
【0041】(i)気泡発生の有無 気泡発生の有無におけるテストでは、上記各記録ヘッド
は、振動板20及び基板22を取り外して、天板16と
ガラス板からなる隔壁18のみで構成してインク供給室
30、31内部が外部から見えるものとし、インク供給
室30、31にインクを供給して気泡が発生するか否か
を確認した。評価は、気泡が発生しない場合は◎、気泡
が発生した場合であって、気泡がインクインレット及び
ノズルを通過する場合は〇、気泡が発生した場合であっ
て、気泡がインク供給室に留まる場合は△、発生した気
泡が5個以上であって、それらがインク供給室30、3
1に留まる場合は×により表した。
【0042】(ii)吸引後の気泡の有無 気泡の抜けに関するテストにおいても、上記(i)気泡
発生の有無におけるテストで使用した記録ヘッドを使用
する。このテストにおいては、インクをインク供給室3
0、31に供給する際に複数の気泡をインク供給室3
0、31に入れて、ノズル28、29に接続したキャッ
プ吸引装置により気泡がノズル28、29から排出され
るか否か調べた。評価は、インク供給室30、31内の
気泡が全て吸引された場合は〇、吸引されずインク供給
室30、31に残った気泡が4個以下である場合は△、
5個以上である場合は×で表している。
【0043】(iii)インク飛翔性 インク飛翔性に関するテストでは、上記各記録ヘッドを
使用して100ドット連続パルス印字を行い、ドットが
欠落するかどうかを調べた。評価は、ドットの欠落が無
く100ドット印字できた場合は〇、ドットの欠落が3
個以下である場合は△、ドットの欠落が4個以上である
場合は×で表した。
【0044】(iv)クロストーク発生の有無 クロストークとは、印字に使用されるノズル以外のノズ
ルからインク滴が吐出する現象のことをいう。したがっ
て、クロストークの発生は良好な画像を形成する妨げに
なる。クロストークに関するテストでは、第1ヘッド部
12を使用し、この記録ヘッド部12に設けられたノズ
ル28の中で、一方の端部から2つ目のノズルを含めて
他方の端部側に設けられた9つのノズルを使用し、9つ
のノズルの中で中央部のノズルのみを除いてインク滴を
吐出させて上記中央部のノズルからインクが吐出するか
否かを調べた(図5参照)。評価は、上記中央のノズル
からインクが吐出しない場合は〇、メニスカスが振動す
る場合は△、インクが吐出する場合は×で表している。
【0045】図9に示す上記実験(i)〜(iv)の結果
から明らかなように、本実施の形態に係る記録ヘッド
1、75、85、及び、上記数7に規定される気泡捕捉
部71、73の形成領域を有する記録ヘッド90、93
においては、実験(i)〜(iv)の評価に関して◎、
〇、△が得られ、他方、上記数7に規定されない気泡捕
捉部71、73の領域を有する記録ヘッド91では、
〇、△、×の評価であり、インク供給室30、31に気
泡捕捉部71、73を形成していない記録ヘッド95、
及びインク供給室の内壁全面に気泡捕捉部71、73を
形成した記録ヘッド97については、△、×の評価しか
得られなかった。このように、記録ヘッド1、75、8
5、90、及び93における上記実験(i)〜(iv)の
結果が良好であり、他の記録ヘッド91、95及び97
における実験結果が良好でないことから、上記数7に示
される範囲に気泡捕捉部71、73が形成されることが
適当であることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェット記録ヘッドを備
えたプリンタの部分斜視図である。
【図2】 本発明に係るインクジェット記録ヘッドの部
分正面図である。
【図3】 図2のII−II線断面図である。
【図4】 図3のIII−III線部分断面図である。
【図5】 インク供給室におけるインク捕捉領域を示す
説明図である。
【図6】 インク供給室におけるインク捕捉領域の断面
図である。
【図7】 インク捕捉領域の変形例を示す断面図であ
る。
【図8】 インク捕捉領域の変形例を示す断面図であ
る。
【図9】 実験結果を示す図表である。
【符号の説明】
1…インクジェット記録ヘッド、28、29…ノズル、
30、31…インク供給室、50、51…インク供給
口、71、73…気泡捕捉部、75…凹部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク供給室と、該インク供給室とイン
    クインレットによって連通するインクを収容するインク
    キャビティと、該インクキャビティに設けられたノズル
    とを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、 上記インク供給室の内面の一部に複数の凹部を形成し、
    インクに含まれる気泡を上記凹部で捕捉することを特徴
    とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 インク供給室と、該インク供給室と複数
    のインクインレットによってそれぞれ連通するインクを
    収容する複数のインクキャビティと、該インクキャビテ
    ィにそれぞれ設けられたノズルとを有するインクジェッ
    ト記録ヘッドにおいて、 上記インク供給室のインクインレットが配置された方向
    の少なくとも一方の端部内面に複数の凹部を形成し、イ
    ンクに含まれる気泡を上記凹部で捕捉することを特徴と
    するインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記複数の凹部の深さ、凹部のピッチ間
    隔、インクインレットの内径及びノズル径が下記の数
    1、数2、及び数3の関係にあることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。 【数1】a≧c,d 【数2】b≧c,d 【数3】b≦6a a;凹部の深さ b;凹部のピッチ間隔 c;インクインレットの内径 d;ノズル径
  4. 【請求項4】 上記インク供給室に排出口を設けるとと
    もに、該排出口に気泡を排出する排出手段を接続したこ
    とを特徴とする請求項1、2または3に記載のインクジ
    ェット記録ヘッド。
JP13086597A 1997-05-21 1997-05-21 インクジェット記録ヘッド Pending JPH10315459A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008207460A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Seiko Epson Corp 液体流通装置およびプリンタ
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US8079673B2 (en) 2006-09-07 2011-12-20 Ricoh Company, Ltd. Droplet discharging head, liquid cartridge, droplet discharging device, and image formation apparatus, configured with additional flow path connecting commom liquid chamber and liquid flow paths
JP2013071293A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Fujifilm Corp インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
CN108215497A (zh) * 2016-12-21 2018-06-29 东芝泰格有限公司 液体喷头和液体喷出装置

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