JPH1031306A - キノンジアジドスルフォン酸エステル系感光剤の製造方法 - Google Patents

キノンジアジドスルフォン酸エステル系感光剤の製造方法

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JPH1031306A
JPH1031306A JP8189383A JP18938396A JPH1031306A JP H1031306 A JPH1031306 A JP H1031306A JP 8189383 A JP8189383 A JP 8189383A JP 18938396 A JP18938396 A JP 18938396A JP H1031306 A JPH1031306 A JP H1031306A
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chloride
quinonediazidosulfonyl
quinonediazidosulfonyl chloride
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naphthoquinonediazide
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Kenichiro Sato
健一郎 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料キノンジアジドスルフォニルクロリドを
残存させず、分解物等副反応物を含まない高純度のナフ
トキノンジアジドスルフォン酸エステルが得られ、更に
生成物のバッチ間の性能が安定し、それを含有してなる
ポジレジストの安定したレジスト性能が得られるキノン
ジアジドスルフォン酸エステル系感光剤の製造方法を提
供する。 【解決手段】 分子量1000以下で、フェノール性水
酸基を1〜10個有する芳香族ポリヒドロキシ化合物と
キノンジアジドスルフォニルクロリドとの混合溶液に、
特定量の脱酸剤を滴下し、次に特定量の酸を加え、さら
に特定量のpH調整剤を滴下するキノンジアジドスルフ
ォン酸エステル系感光剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キノンジアジドス
ルフォン酸エステル系感光剤の製造方法に関するもので
あり、更に詳しくは、原料のキノンジアジドスルフォニ
ルクロリドが残存せず、かつ副反応に伴う分解物が少な
いキノンジアジドスルフォン酸エステル系感光剤を製造
し、感度等の諸性能の安定したポジ型フォトレジストを
得るためのキノンジアジドスルフォン酸エステル系感光
剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポジ型印刷版およびフォトレジストの感
光剤として用いられるキノンジアジドスルフォン酸エス
テル系感光剤は、フェノール性水酸基を分子内に少なく
とも一つ有する芳香族ポリヒドロキシ化合物とキノンジ
アジドスルフォニルクロリドを、無機あるいは有機塩基
を脱酸剤存在下反応させることにより製造される。脱酸
剤の使用量に関しては、従来、キノンジアジドスルフォ
ニルクロリドに対して化学量論量用いる方法(特開昭6
1−185741号公報)、あるいは化学量論量の1.
13倍使用する方法(特公昭62−28457号公
報)、あるいは化学量論量の1.001〜1.1倍使用
する方法(特開平1−93735号公報)等が知られて
いる。
【0003】しかしながら脱酸剤を、キノンジアジドス
ルフォニルクロリドに対して化学量論量用いる方法で
は、完全に反応を終了させることは困難なため、生成す
るキノンジアジドスルフォン酸エステルに原料であるキ
ノンジアジドスルフォニルクロリドが含まれてしまう。
特開平1−93735号公報においては、この残存する
キノンジアジドスルフォニルクロリドが加水分解して塩
酸を生成するために装置を汚染するという問題が指摘さ
れている。また、この原料の残存の程度は、反応温度等
の他の要因により容易に変化する。そのために、製造バ
ッチごとに均一な生成物を得て、感度等の諸性能の安定
したポジ型フォトレジストを得ることは困難になる。
【0004】一方、大過剰の脱酸剤を使用する方法で
は、反応液の塩基性が高くなりすぎるため、系中に微量
存在する水によるキノンジアジドスルフォニルクロリド
の加水分解や、その他の分解反応が副反応として起こる
ため、特開平1−93735号公報記載のように、収率
の低下や、生成物の着色を伴うとともに、やはり、製造
バッチごとに均一な生成物を得て、感度等の諸性能の安
定したポジ型フォトレジストを得ることは困難になる。
さらに、特開平1−93735号公報記載のように、キ
ノンジアジドスルフォニルクロリドに対し、若干量多い
化学量論量の脱酸剤を一度に滴下した場合においても、
副反応の抑制という観点では不十分であり、製造バッチ
ごとの生成物の均一性、それを含有するポジ型フォトレ
ジストの感度等の安定性という観点では、近年の半導体
の超微細化に対応しなければならないため必ずしも満足
いくものではなかった。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】すなわち、キノンジア
ジドスルフォン酸エステル系感光剤の製造に際し、原料
のキノンジアジドスルフォニルクロリドが残存せず、か
つ副反応に伴う分解物の少ないキノンジアジドスルフォ
ン酸エステル系感光剤を製造することに加え、製造バッ
チごとの感光剤の均一性、それを含有してなるポジ型フ
ォトレジストの感度等の諸性能の安定性を確保するため
の製造方法に関しては、必ずしも知られていなかった。
【0006】従って、本発明の目的は、上記従来技術の
課題を解決することであり、詳しくは、原料キノンジア
ジドスルフォニルクロリドを残存させず、分解物等副反
応物を含まない高純度のナフトキノンジアジドスルフォ
ン酸エステルが得られ、更に生成物のバッチ間の性能が
安定し、それを含有してなるポジレジストの安定したレ
ジスト性能が得られるキノンジアジドスルフォン酸エス
テル系感光剤の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記諸特
性に留意し鋭意検討した結果、脱酸剤の使用量のわずか
な相違と、途中加える酸の添加量を微妙に調節、さらに
最後にpH調整剤を滴下することにより、上記目的が達
成することを見出し、この知見に基づき本発明を完成さ
せるに到った。
【0008】すなわち、本発明の目的は下記構成により
達成される。分子量1000以下で、フェノール性水酸
基を1〜10個有する芳香族ポリヒドロキシ化合物とキ
ノンジアジドスルフォニルクロリドとを脂肪族あるいは
芳香族アミンを脱酸剤として用い縮合させるにさいし、
以下の工程(1)〜(3)を含有することを特徴とする
キノンジアジドスルフォン酸エステル系感光剤の製造方
法。 (1)上記ポリヒドロキシ化合物とキノンジアジドスル
フォニルクロリドの混合溶液に、化学量論量でキノンジ
アジドスルフォニルクロリドの1.00倍の脱酸剤を滴
下し、(2)次に、化学量論量でキノンジアジドスルフ
ォニルクロリドの0.10〜0.20倍の酸を加え、
(3)さらに、化学量論量でキノンジアジドスルフォニ
ルクロリドの0.11〜0.21倍のpH調整剤を滴下
する。但し、(3)におけるpH調整剤は(2)の酸の
添加量を超える量とする。
【0009】
【発明を実施するための形態】以下、本発明を詳細に説
明する。本発明で用いられる分子量1000以下で、フ
ェノール性水酸基を1〜10個有する芳香族ポリヒドロ
キシ化合物としては、例えば以下の一般式[I]〜[X
II]で表されるポリヒドロキシ化合物を挙げることが
できるが、これに限定されるものではない。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】R1 〜R10、R12〜R16、R23、R24、R
30〜R36、R40〜R43、R46〜R52;同一でも異なって
いても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シ
クロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキ
ル基、アシル基、R11、R17〜R22、R25〜R29、R37
〜R39、R44、R45、R53〜R57;同一でも異なってい
ても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ただ
し、R25とR26、R28とR29は互いに結合してシクロペ
ンチル基あるいはシクロヘキシル基を形成してもよい
【0013】a;0、1、2、3 b〜d、f、j、l〜p、bb、cc、hh〜ss、y
y、zz、aaa;0、1、2 e、g、k、q,r、w、x、aa、dd;0、1 h、i、u、v、y、z、ee〜gg、tt〜xx、b
bb、ccc;1、2s、t;1、2、3 α、β;0、1、2、3、4 A;単結合、−O−、−S−、−CO−、−CR5859
−、等2価の有機基(R 58、R59は水素原子、アルキル
基、、ただし、R58とR59は互いに結合してシクロペン
チル基あるいはシクロヘキシル基を形成してもよい X;O、S を表す。
【0014】キノンジアジドスルフォニルクロリドとし
ては、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニ
ルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スル
フォニルクロリド等が挙げられる。脂肪族あるいは芳香
族アミンとしての脱酸剤としては、トリエチルアミン、
N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メ
チルピペラジン、N−メチルモルホリン、4−ジメチル
アミノピリジン等を挙げることができる。酸としては、
蟻酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸、濃硫酸、メ
タンスルフォン酸等のスルフォン酸等を挙げることがで
きるが、カルボン酸がより好ましい。
【0015】pH調整剤としては有機塩基を加える。有
機塩基としては、脂肪族アミン、芳香族アミンを挙げる
ことができる。好ましくはトリエチルアミン、N−メチ
ルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペ
ラジン、N−メチルモルホリン、4−ジメチルアミノピ
リジン、ピリジンが好ましい。
【0016】反応時使用する溶媒としては、アセトン、
メチルエチルケトン、1,4−ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、ジメトキシエタン、ジグライム、酢酸エチ
ル、ジクロロメタン、クロロホルム、γ−ブチロラクト
ン等を挙げることができる。
【0017】芳香族ポリヒドロキシ化合物とキノンジア
ジドスルフォニルクロリドとの仕込み比に関しては、芳
香族ポリヒドロキシ化合物のフェノール性水酸基に対し
化学量論量以下のキノンジアジドスルフォニルクロリド
であれば一般によく、この値は、ポジ型フォトレジスト
を如何に設計するかにより適宜設定される。このため、
本発明においては、上記フェノール性水酸基とキノンジ
アジドスルフォニルクロリドの比率は、フェノール性水
酸基に対し化学量論量以下であれば何ら問題ない。
【0018】本発明を製造過程順に説明すると、(1)
まず、芳香族ポリヒドロキシ化合物とキノンジアジドス
ルフォニルクロリドを反応溶媒に溶解し、化学量論量で
キノンジアジドスルフォニルクロリドの1.00倍の脱
酸剤を滴下する。ここで、脱酸剤の量が化学量論量で1
倍未満の場合、原料が残存するなどのために本発明の効
果が得られない。また、該量が1倍を越える場合には生
成物のバッチ間差が生じるため本発明の効果が得られな
い。滴下時間は反応のスケールにより適宜設定される
が、500kgまでのスケールであれば30分以上が好
ましく、特に60分以上が好ましい。また、脱酸剤を滴
下中の反応温度は10℃〜40℃に調節する。好ましく
は12℃〜35℃であり、更に好ましくは15℃〜30
℃である。滴下時間が30分未満では、系の発熱が激し
くなるために、反応温度が高くなり、結果原料の分解反
応を伴うため、本発明の効果は得にくい。反応温度が1
0℃未満の場合には極端に反応が抑制されるため、原料
が残存するなどの結果、本発明の効果が得にくい。ま
た、反応時間が極端に長くなるために、現実的でない。
逆に反応温度が40℃を超えると、原料の加水分解等分
解反応が促進され、結果として本発明の効果が得にく
い。
【0019】(2)(1)の脱酸剤の滴下の後、化学量
論量でキノンジアジドスルフォニルクロリドの0.10
〜0.20倍のカルボン酸等の酸を加える。(1)の脱
酸剤の滴下終了後(2)の酸添加までの時間は原料のポ
リヒドロキシ化合物の反応性により適宜設定されるが、
通常1時間以上空けるのが好ましい。1.5時間空ける
のがさらに好ましい。加え方としては滴下が好ましく、
滴下時間はやはり滴下時間は反応のスケールにより適宜
設定されるが、500kgまでのスケールであれば10
分以上である。好ましくは20分以上であり、更に好ま
しくは30分以上である。滴下時間が10分未満の場
合、反応混合液の発熱が極端に激しくなるために、やは
り、分解が起こるため本発明の効果は得にくい。滴下以
外の添加方法としては、分割添加が挙げられる。分割添
加の場合、可能な限り分割回数を増やす方が好ましく、
5回以上が好ましい。更に好ましくは10回以上であ
る。滴下中の反応温度は40℃以下に調節する。好まし
くは35℃以下であり、更に好ましくは30℃以下であ
る。酸の添加量は化学量論量でキノンジアジドスルフォ
ニルクロリドの0.10〜0.20倍だが、好ましく
は、0.10〜0.18倍であり、更に好ましくは0.
10〜0.16倍である。0.10倍未満では、本発明
の効果が得られず、逆に0.20倍を超えた場合にも、
副生成物が増えるため本発明の効果が得られない。反応
温度が40℃を超えると、分解反応が促進され、結果と
して本発明の効果が得られない。
【0020】(3)(2)の酸の添加の後、pH調製剤
を化学量論量でキノンジアジドスルフォニルクロリドの
0.11〜0.21倍滴下する。なお(2)で添加する
酸の当量より多いpH調製剤を添加する。pH調製剤の
添加量がこの範囲外の場合、詳細な理由は明らかではな
いが、本発明の効果が得られない。pH調節剤の添加に
よりpHは7〜9になる。好ましいpH範囲は7.1〜
8.5であり、更に好ましくは7.2〜8.2である。
滴下時間は反応のスケールにより適宜設定されるが、5
00kgまでのスケールであれば10分以上が好まし
く、より好ましくは20分以上であり、特に30分以上
が好ましい。また、pH調製剤を滴下中の反応温度は4
0℃以下に調節する。好ましくは35℃以下であり、更
に好ましくは30℃以下である。滴下時間が10分未満
では、系の発熱が激しくなるために、反応温度が高くな
り、分解反応を伴うため、本発明の効果は得にくい。反
逆に反応温度が40℃を超えると、副反応が促進され、
結果として本発明の効果が得にくい。
【0021】こうして得た反応混合液はしばらく撹拌
し、再度酸で中和後、水に晶析、あるいは酸性の水溶液
に晶析後、水洗し、乾燥する。
【0022】以上、製造工程にそって本発明を詳細に説
明したが、本発明の効果がなぜ発現したのかは明らかで
はないが、脱酸剤添加後、途中酸を添加し、さらにpH
調製剤でpHを調製することとそれぞれの添加量を微妙
に調節することで達成されたものと考えている。
【0023】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
なお、以下の例の中で使用する「%」は特にことわらな
い限り「重量%」である。 (1)合成例1 攪拌器、環流冷却管、温度計、滴下装置を取り付けた4
つ口フラスコに、下記芳香族ポリヒドロキシ化合物[I
I−1]32.0gと1,2−ナフトキノンジアジド−
5−スルフォニルクロリド64.5g、アセトン800
mLを仕込み、室温で攪拌、均一とした。溶液の温度は
20℃であった。この溶液にトリエチルアミン24.3
gを1時間かけて滴下した。滴下終了時点での反応温度
は25℃であった。滴下終了後90分後に、酢酸1.5
gを20分かけて滴下した。滴下終了時点での反応温度
はやはり25℃であった。次に再度トリエチルアミン
3.5gを20分かけて滴下、滴下終了時点での反応温
度はやはり25℃であった。滴下終了後、得られた反応
混合液を2時間攪拌したのち、これを1%塩酸水溶液
2.5Lに晶析、生じた沈殿をろ別、水洗、乾燥(40
℃)を行い、化合物[II−1]の1,2−ナフトキノ
ンジアジド−5−スルフォン酸エステル86.0gを得
た[感光物A]。
【0024】次に同様の手順で同じ化合物[II−1]
の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォン酸エ
ステルの合成を試みた。やはり、[II−1]の1,2
−ナフトキノンジアジド−5−スルフォン酸エステル8
2.9gを得た[感光物A’]。
【0025】
【化3】
【0026】(2)合成例2(比較例) 攪拌器、環流冷却管、温度計、滴下装置を取り付けた4
つ口フラスコに、上記芳香族ポリヒドロキシ化合物[I
I−1]32.0gと1,2−ナフトキノンジアジド−
5−スルフォニルクロリド64.5g、アセトン800
mLを仕込み、室温で攪拌、均一とした。溶液の温度は
20℃であった。この溶液にトリエチルアミン25.3
gを1時間かけて滴下した。滴下終了時点での反応温度
は25.5℃であった。滴下終了後、得られた反応混合
液を2時間攪拌したのち、これを1%塩酸水溶液2.5
Lに晶析、生じた沈殿をろ別、水洗、乾燥(40℃)を
行い、化合物[II−1]の1,2−ナフトキノンジア
ジド−5−スルフォン酸エステル85.4gを得た[感
光物B]。次に同様の手順で同じ化合物[II−1]の
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォン酸エス
テルの合成を試みた。やはり、[II−1]の1,2−
ナフトキノンジアジド−5−スルフォン酸エステル8
4.6gを得た[感光物B’]。
【0027】(3)合成例3(比較例) 攪拌器、環流冷却管、温度計、滴下装置を取り付けた4
つ口フラスコに、上記芳香族ポリヒドロキシ化合物[I
I−1]32.0gと1,2−ナフトキノンジアジド−
5−スルフォニルクロリド64.5g、アセトン800
mLを仕込み、室温で攪拌、均一とした。溶液の温度は
20℃であった。この溶液にトリエチルアミン29.1
gを1時間かけて滴下した。滴下終了時点での反応温度
は27.5℃であった。滴下終了後、得られた反応混合
液を2時間攪拌したのち、これを1%塩酸水溶液2.5
Lに晶析、生じた沈殿をろ別、水洗、乾燥(40℃)を
行い、化合物[II−1]の1,2−ナフトキノンジア
ジド−5−スルフォン酸エステル78.7gを得た[感
光物C]。次に同様の手順で同じ化合物[II−1]の
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォン酸エス
テルの合成を試みた。やはり、[II−1]の1,2−
ナフトキノンジアジド−5−スルフォン酸エステル7
9.9gを得た[感光物C’]。
【0028】(4)合成例4(比較例) 攪拌器、環流冷却管、温度計、滴下装置を取り付けた4
つ口フラスコに、上記芳香族ポリヒドロキシ化合物[I
I−1]32.0gと1,2−ナフトキノンジアジド−
5−スルフォニルクロリド64.5g、アセトン800
mLを仕込み、室温で攪拌、均一とした。溶液の温度は
20℃であった。この溶液にトリエチルアミン24.3
gを1時間かけて滴下した。滴下終了時点での反応温度
は24℃であった。得られた反応混合液を2時間攪拌し
たのち、これを1%塩酸水溶液2.5Lに晶析、生じた
沈殿をろ別、水洗、乾燥(40℃)を行い、化合物[I
I−1]の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフ
ォン酸エステル84.0gを得た[感光物D]。次に同
様の手順で同じ化合物[II−1]の1,2−ナフトキ
ノンジアジド−5−スルフォン酸エステルの合成を試み
た。やはり、[II−1]の1,2−ナフトキノンジア
ジド−5−スルフォン酸エステル85.2gを得た[感
光物D’]。ただし、D、D’とも原料1,2−ナフト
キノンジアジド−5−スルフォニルクロリドの残存が確
認できた。
【0029】(5)合成例5 攪拌器、環流冷却管、温度計、滴下装置を取り付けた4
つ口フラスコに、上記芳香族ポリヒドロキシ化合物[I
I−1]32.0gと1,2−ナフトキノンジアジド−
5−スルフォニルクロリド64.5g、アセトン800
mLを仕込み、室温で攪拌、均一とした。溶液の温度は
20℃であった。この溶液にトリエチルアミン24.3
gを40分かけて滴下した。滴下終了時点での反応温度
は26℃であった。滴下終了後40分撹拌し、次に、酢
酸1.5gを15分かけて滴下した。滴下終了時点での
反応温度は26℃であった。次に再度トリエチルアミン
3.5gを20分かけて滴下、滴下終了時点での反応温
度は26℃であった。滴下終了後、得られた反応混合液
を2時間攪拌したのち、これを1%塩酸水溶液2.5L
に晶析、生じた沈殿をろ別、水洗、乾燥(40℃)を行
い、化合物[II−1]の1,2−ナフトキノンジアジ
ド−5−スルフォン酸エステル82.8gを得た[感光
物A"]。次に同様の手順で同じ化合物[II−1]の
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォン酸エス
テルの合成を試みた。やはり、[II−1]の1,2−
ナフトキノンジアジド−5−スルフォン酸エステル8
2.9gを得た[感光物A''']。
【0030】(6)合成例6 攪拌器、環流冷却管、温度計、滴下装置を取り付けた4
つ口フラスコに、上記芳香族ポリヒドロキシ化合物[I
I−1]32.0gと1,2−ナフトキノンジアジド−
5−スルフォニルクロリド64.5g、アセトン800
mLを仕込み、室温で攪拌、均一とした。溶液の温度は
20℃であった。この溶液にトリエチルアミン24.3
gを1時間かけて滴下した。滴下終了時点での反応温度
は25℃であった。滴下終了後60分撹拌し、次に、酢
酸2.2gを20分かけて滴下した。滴下終了時点での
反応温度は25.5℃であった。次に再度トリエチルア
ミン5.0gを20分かけて滴下、滴下終了時点での反
応温度はやはり25.5℃であった。滴下終了後、得ら
れた反応混合液を2時間攪拌したのち、これを1%塩酸
水溶液2.5Lに晶析、生じた沈殿をろ別、水洗、乾燥
(40℃)を行い、化合物[II−1]の1,2−ナフ
トキノンジアジド−5−スルフォン酸エステル82.9
gを得た[感光物A'''']。 次に同様の手順で同じ化
合物[II−1]の1,2−ナフトキノンジアジド−5
−スルフォン酸エステルの合成を試みた。やはり、[I
I−1]の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフ
ォン酸エステル83.1gを得た[感光物A''''']。
【0031】(7)感光剤の評価1 上記合成例(1)〜(6)で得られた感光剤の高速液体
クロマトグラフィー測定を行った。高速液体クロマトグ
ラフィーの検出は254nmの紫外線を利用し行った。
上記感光剤の完全エステル体(トリエステル体)の、芳
香族ポリヒドロキシ化合物[II−1]の全キノンジア
ジドスルフォン酸エステル体および原料キノンジジドス
ルフォニルクロリドにしめる割合を高速液体クロマトグ
ラフィーの面積%で表し、その結果を下記表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】感光剤C、C’およびD、D’は特に製造
バッチごとの安定性が低いことが判明した。また、D、
D’に関しては原料キノンジジドスルフォニルクロリド
が残存しており、前記のように塩化水素発生等の別の意
味で問題である。さらに、感光剤A〜A'''''とB、
B’を比較しても、本願の製造方法が高いバッチ安定性
を与えることが明らかとなった。
【0034】(8)感光剤の評価2 後述の方法で得たノボラック樹脂100gと上で得た感
光剤25g、溶剤375gを混合し、均一溶液とした
後、孔径0.10μのテフロンフィルターを用い濾過
し、フォトレジストを調整した。このレジスト組成物を
スピナーを用い、回転数を換えてシリコンウエハー上に
塗布し、真空密着式ホットプレートで90℃、60秒間
乾燥し、膜厚0.98μのレジスト膜を得た。この膜に
縮小投影露光装置(ニコン社製NSR−2005i9
C)を用い露光した後、110℃、60秒間PEBを行
い、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
水溶液で1分間現像、30秒間水洗し、乾燥した。この
様にして得られたシリコンウエハー上のレジストパター
ンを走査型電子顕微鏡で観察、レジストの評価を行っ
た。結果を下表2に示す。なお、評価結果は感度変化
量、即ち、例えば感光剤Aを含むレジストと感光剤A'
を含むレジスト間の感度変化量で表現した。感度は0.
50μの線幅を再現する最適露光量である。
【0035】
【表2】
【0036】また、本発明の製造方法を適用した感光剤
A〜A'''''を含有するレジストの感度を比較したが、
やはりそれらの感度変化量は<1mJ/cm2 であっ
た。この様に本発明の製造法を適用し合成した感光剤は
高収率で得られる上に、バッチごとの物性安定性、性能
安定性が高いため、特に超微細加工用ポジ型フォトレジ
スト用感光剤として好適である。
【0037】(9)ノボラック樹脂の合成 m−クレゾール50g、p−クレゾール3g、2,5−
キシレノール52.6gおよびホルマリン53g、蓚酸
0.15gを3つ口フラスコに仕込み、撹拌しながら1
00℃まで昇温し14時間反応させた。その後反応温度
を200℃まで上げて、徐々に1mmHgまで減圧し、
未反応モノマー等を留去した。次いで、溶融したノボラ
ック樹脂を室温まで冷却し回収した。得られた樹脂の分
子量は重量平均分子量3500(ポリスチレン換算)で
あった。得られた樹脂20gをアセトン60gに完溶さ
せ、これにヘキサン60gを加え、2時間静置させた
後、上層を除き、沈殿した樹脂分を回収、濃縮し、乾燥
し、実施例で使用するノボラック樹脂を合成した。得ら
れた樹脂の分子量は重量平均分子量7500(ポリスチ
レン換算)、分散度3.10であった。
【0038】
【発明の効果】本発明のナフトキノンジアジドスルフォ
ン酸エステル系感光剤の製造方法は、原料キノンジアジ
ドスルフォニルクロリドを残存させず、分解物等副反応
物を含まない高純度のナフトキノンジアジドスルフォン
酸エステルが得られ、生成物のバッチ間の性能およびそ
れを含有してなるポジレジストのレジスト性能が安定す
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量1000以下で、フェノール性水
    酸基を1〜10個有する芳香族ポリヒドロキシ化合物と
    キノンジアジドスルフォニルクロリドとを脂肪族あるい
    は芳香族アミンを脱酸剤として用い縮合させるにさい
    し、以下の工程(1)〜(3)を含有することを特徴と
    するキノンジアジドスルフォン酸エステル系感光剤の製
    造方法。 (1)上記ポリヒドロキシ化合物とキノンジアジドスル
    フォニルクロリドの混合溶液に、化学量論量でキノンジ
    アジドスルフォニルクロリドの1.00倍の脱酸剤を滴
    下し、(2)次に、化学量論量でキノンジアジドスルフ
    ォニルクロリドの0.10〜0.20倍の酸を加え、
    (3)さらに、化学量論量でキノンジアジドスルフォニ
    ルクロリドの0.11〜0.21倍のpH調整剤を滴下
    する。但し、(3)におけるpH調整剤は(2)の酸の
    添加量を超える量とする。
JP8189383A 1996-07-18 1996-07-18 キノンジアジドスルフォン酸エステル系感光剤の製造方法 Pending JPH1031306A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5753074B2 (ja) * 2009-12-28 2015-07-22 株式会社 マイクロプロセス 感光性樹脂組成物、感光性ドライフィルムおよびパターン形成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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