JPH10311015A - 重力式護岸補修用目地材及び重力式護岸補修方法 - Google Patents

重力式護岸補修用目地材及び重力式護岸補修方法

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JPH10311015A
JPH10311015A JP11967797A JP11967797A JPH10311015A JP H10311015 A JPH10311015 A JP H10311015A JP 11967797 A JP11967797 A JP 11967797A JP 11967797 A JP11967797 A JP 11967797A JP H10311015 A JPH10311015 A JP H10311015A
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JP
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gravity
joint
type
diameter
seawall
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JP11967797A
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Inventor
Hiroyuki Tanaka
啓之 田中
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Toray Engineering Co Ltd
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Toyo Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーソンからなる護岸においては、ケーソン
の不等沈下等により、各種防砂部材が破損し、ケーソン
同士の隙間を通って陸側の土砂が漏出する場合があっ
た。また、これを補修しても、ケーソンがさらに不等沈
下した場合に、再補修が必要となった。 【解決手段】 耐候性ゴム製の管体21をケーソン1同
士の間の目地部分に上下方向に沿って挿入する。次い
で、ボルト22aとナット22bとからなる拡径部材に
より、管体21をケーソン1の並び方向に略直交する方
向から締め付ける。これによって、管体21が弾性変形
し、管体21の上記並び方向に沿った径が拡がり、ケー
ソン1の間の目地部分を閉塞できる。また、管体21を
十分に締め付ければ、補修後、ケーソン1の間隔がさら
に拡がっても、管体21がそれに追従して拡がるので、
再補修することなく対応することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重力式護岸におい
て、重力式護岸を構成する重力式構造物同士の間の目地
部分を補修するために用いられる重力式護岸補修用目地
材及び重力式護岸補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】重力式護岸は、図8に示すように、重力
式構造物(例えば、ケーソン1、1)を用いたものであ
り、基本的には、海2の岸部分に、基礎捨石マウンド3
を設け、この基礎捨石マウンド3上にケーソン1、1を
並べて設置したものである。また、図9に示すように基
礎捨石マウンド3の海側の上面は、被覆材4で覆われ、
ケーソン1、1の陸側には、裏込材(割石等)5が充填
され、さらにその上が裏埋め土6により覆われている。
また、ケーソン1、1内には、図示しない中詰め砂が充
填され、ケーソン1、1上には、エプロン舗装7が施さ
れている。
【0003】このような重力式護岸では、ケーソン1、
1が左右に並べて複数配置されているので、ケーソン
1、1同士の間の目地部分に間隙が生じることになり、
この間隙から海水が陸側に流入するとともに、陸側から
海側に土砂が吸い出されるように漏出する場合があり、
土砂が大量に漏出した場合には、陸側に陥没aが生じる
可能性があった。そこで、従来ケーソン1、1同士の間
の目地部分に、目地材8を配置して上記目地部分を閉塞
するとともに、ケーソン1、1の陸側側面及び上面を防
砂板9で覆い、さらに、ケーソン1、1の陸側の裏込材
5の上を防砂シート10で覆うようにしていた。
【0004】これにより、ケーソン1、1同士の間から
の海水の陸側への流入と、陸側から海側への土砂の漏出
を防止するようになっていたが、例えば、図10に示す
ように、重量の大きなケーソン1、1が不等沈下した場
合には、ケーソン1、1同士の間の目地部分が拡がり、
目地材8、防砂板8、防砂シート10が破損する可能性
があり、これらが破損することにより、目地部分からの
土砂の漏出が発生する場合があった。なお、目地材8、
防砂板8、防砂シート10が破損する要因としては、不
等沈下以外にも様々な要因がある。
【0005】このように、既設の重量式護岸において、
土砂の漏出が発生した場合には、従来、護岸の形状や被
災程度に応じて以下に示すような補修が行われていた。
例えば、第一の補修方法は、図11に示すように、耐候
性ゴムからなる管状の中詰め充填型目地材11を海側か
ら潜水夫によってケーソン1同士の間の目地部分に上下
に渡って挿入し、次いで、図12に示すように、挿入さ
れた目地材11に中詰め砂12を充填することで、目地
部分を閉塞するものである。
【0006】また、第二の補修方法は、図13に示すよ
うに、ケーソン1、1同士の間の目地部分13の海側を
袋詰めコンクリート等で塞ぎ、さらに、目地部分13の
コンクリートで閉塞された部分の内側の空隙をアスファ
ルトマスチック等を充填して、防水した状態に目地部分
13全体を閉塞するものである。また、第三の補修方法
は、図14に示すように、ケーソン1の背面側の裏埋め
土6(埋立土)の部分に薬液注入を行い、裏埋め土の土
砂が漏出する可能性がある部分14を固化してしまう方
法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な従来の補修方法では、補修を施した時点において、上
述のような土砂の漏出を防止することが可能であるが、
いずれの補修方法も補修後の目地の挙動がないことを想
定しており、補修を施した後に、さらにケーソンの不等
沈下が生じた場合には、補修した部分が再び破損した
り、間隙が生じたりする可能性がある。すなわち、ケー
ソン1の沈下は持続する可能性があるが、従来の補修方
法では、補修後さらにケーソン1が沈下した場合に対応
することができず、再補修を行う必要がある。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、重力式構造物同士の間の目地部分を補修した後
に、重力式構造物の沈下等により目地部分に変動が生じ
ても目地部分の閉塞を維持することができる重力式護岸
補修用目地材及び重力式護岸補修方法を提供することを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
重力式護岸補修用目地材は、複数の重力式構造物を左右
に並べて配置することにより形成された既設の重力式護
岸の上記重力式構造物同士の間の目地部分を閉塞するた
めのものであり、上記重力式構造物同士の間の目地部分
に上下方向に沿って挿入され、かつ、弾性部材からなる
管体と、該管体の軸方向に沿って複数配置され、かつ、
該管体を上記重力式構造物の並び方向に略直交する方向
から挟み込んで締め付けることにより、管体の上記並び
方向に沿った径を拡げる拡径手段とを具備してなること
を特徴とする。
【0010】また、本発明の請求項2記載の重力式護岸
補修方法は、上記請求項1記載の重力式護岸補修用目地
材を用いたものであり、上記管体を上記重力式構造物同
士の間の目地部分に上下方向に沿って挿入し、次いで、
上記拡径手段により、上記管体を上記重力式構造物の並
び方向に略直交する方向から挟み込んで締め付けて、管
体の上記並び方向に沿った径を拡げることで、上記重力
式構造物同士の間の目地部分を閉塞することを特徴とす
る。
【0011】上記請求項1または2記載の構成によれ
ば、上記管体を上記重力式構造物同士の間の目地部分に
上下方向に沿って挿入し、次いで、上記拡径手段によ
り、上記管体を上記重力式構造物の並び方向に略直交す
る方向から挟み込んで締め付けて、管体の弾性変形によ
り管体の上記並び方向に沿った径を拡げることで、上記
重力式構造物同士の間の目地部分を閉塞することができ
る。また、拡径手段により十分に管体を締め付けた場合
には、管体の弾性力により、管体を隣り合う重力式構造
物のそれぞれの側面に押さえつけた状態とすることがで
きる。従って、上記目地部分からの土砂の漏出を防止で
きる。
【0012】また、弾性部材からなる管体を拡径手段に
より締め付けて、管体の上記並び方向に沿った径を拡げ
ていった場合に、管体の上記並び方向に沿った径が重量
式構造物同士の間隔と同じになったところで、それ以上
管体を締め付けても重量式構造物に押さえられて径が拡
がることがない。しかし、この状態で、さらに、拡径手
段により管体を締め付けておけば、上述のように管体が
重量式構造物に押し付けられて十分にシールされた状態
となるとともに、重量式構造物同士の間隙が重量式構造
物同士の不等沈下等によりさらに拡がった場合に、管体
が追従して拡がり、目地部分がある程度拡がっても目地
部分を閉塞した状態に保つことができる。
【0013】また、目地部分がさらに拡がり、目地部分
の管体による閉塞が緩んだ状態となった場合には、拡径
手段を操作して、さらに管体を締め付け、管体の上記並
び方向に沿った径を拡げることにより対応することがで
きる。従って、補修後、さらに目地部分の幅が拡がって
も、管体が追従して拡がることか、もしくは拡径手段に
よる締め増しより対応できるので再補修をする必要がな
い。
【0014】本発明の請求項3記載の重力式護岸補修用
目地材は、複数の重力式構造物を並べて配置することに
より形成された既設の重力式護岸の上記重力式構造物同
士の間の目地部分を閉塞するためのものであり、上記重
力式構造物同士の間の目地部分に上下方向に沿って挿入
され、かつ、上記重力式構造物の並び方向に沿った長さ
が広い開状態から上記重力式構造物の並び方向に沿った
長さが狭い閉状態に弾性変形可能な拡径目地部材と、該
拡径目地部材を上記閉状態に保持可能で、かつ、保持を
解除して上記拡径目地部材を開状態とすることが可能な
保持部材とを具備してなることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項4記載の重力式護岸補修方
法は、上記請求項3記載の重力式護岸補修用目地材を用
いたものであり、上記拡径目地部材を保持部材により上
記閉状態に保持した状態で、上記重力式構造物同士の間
の目地部分に上下方向に沿って挿入し、次いで、上記保
持部材による保持を解除して上記拡径目地部材を上記開
状態とすることにより、上記拡径目地部材の上記重力式
構造物の並び方向に沿った長さを拡げることで、上記重
力式構造物同士の間の目地部分を閉塞することを特徴と
する。
【0016】上記請求項3または4記載の構成によれ
ば、上記拡径目地部材を保持部材により上記閉状態に保
持した状態で、上記重力式構造物同士の間の目地部分に
上下方向に沿って挿入し、次いで、上記保持部材による
保持を解除することで、保持部材を上記開状態に拡げる
ことで、上記重力式構造物同士の間の目地部分を閉塞す
ることができる。また、拡径目地部材の開状態における
重力式構造物の並び方向に沿った長さが重力式構造物同
士の間隔より十分に広いものとなっていれば、目地部分
の内側で保持部材による保持を解除しても、拡径目地部
材は完全に開いた状態とならず、重力式構造物同士の間
隔内で弾性変形した状態となっており、この拡径目地部
材の弾性力により、拡径目地部材を隣り合う重力式構造
物のそれぞれの側面に押さえつけた状態とすることがで
きる。
【0017】従って、上記目地部分からの土砂の漏出を
防止できる。また、上述のように、拡径目地部材の開状
態における重力式構造物の並び方向に沿った長さが重力
式構造物同士の間隔より十分に広いものとなっていれ
ば、重量式構造物同士の間隙が重量式構造物同士の不等
沈下等によりさらに拡がった場合に、拡径目地部材が追
従して拡がり、目地部分が拡がっても目地部分を閉塞し
た状態に保つことができる。従って、補修後、さらに目
地部分の幅が拡がっても再補修をする必要がない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の第
一例の重力式護岸補修用目地材及び重力式護岸補修方法
を図面を参照して説明する。図1、図2及び図3は、第
一例の重力式護岸補修用目地材(以下、目地材と省略す
る)20を示すものである。図1及び図2に示すよう
に、目地材20は、断面楕円状(小判状)で肉厚の管体
21と、該管体21を締め付けるための拡径部材22…
とからなるものである。
【0019】上記管体21は、ワイヤー補強を施した耐
候性ゴムからなるものであり、弾性変形可能なものであ
るとともに、十分な強度と耐久性を有するものである。
また、上記管体21は、その長径が、後述する重力式護
岸を構成するケーソン1同士の間隔、すなわち、目地部
分の空隙の幅よりも、十分に広いものとされるととも
に、その短径が、上記目地部分の空隙の幅よりもわずか
に広いものとされている。
【0020】なお、上記管体21の短径方向を後述する
ケーソン1の並び方向に沿って配置した状態で、海側か
ら管体21を目地部分の空隙に押し込んだ場合には、容
易に管体21を目地部分に押し込めるようになってい
る。また、管体21は、ケーソン1、1の上下長さと略
同じか、それより長い長さを有するものである。また、
管体21には、その軸方向に沿って互いに間隔をあけて
多数のボルト孔(図示略)が形成されている。また、ボ
ルト孔は、管体21をその断面の長径方向に沿って貫通
するものである。
【0021】上記拡径部材22は、図2及び図3に示す
ように、ボルト22aと、ボルト22aの一端部側に螺
合するナット22bと、ボルト22aの他端部側に取り
付けられた第一の座金22cと、ボルト22aの一端部
側のナット22bの内側に外挿された状態の第二の座金
22dとを備えたものである。そして、上記ボルト22
aは、図1に示すように、管体21の各ボルト孔に挿通
させられるものであり、管体21を貫通した状態のボル
ト22aの他端部側には、管体21の外側から第一の座
金22cが取り付けられ、ボルト22aの一方の端部側
には、管体21の外側から第二の座金22cが外挿さ
れ、さらにその外側からナット22bがボルト22aに
螺合させられている。
【0022】従って、管体21は、拡径部材22の第一
の座金22cと第二の座金22dとに長径方向に沿って
挟み込まれた状態となっており、ボルト22aにナット
22bを螺合させて締め付けた場合には、管体21が第
一及び第二の座金22c、22dに挟まれた状態で締め
付けられて、図2に示すように、管体21の長径方向が
縮径し、逆に、管体21の短径方向が拡径するように管
体21が弾性変形するようになっている。なお、第一及
び第二の座金22c、22dは、図2に示すように、円
弧状の形状を有するとともに、管体21の外形の変形に
ともなって弾性変形するものとしても良い。このように
することで、管体21のボルト孔の部分における止水性
を高めることができる。また、拡径部材22は、海水に
接触する可能性があるので、防錆性を有することが好ま
しく、例えば、ステンレス製となっていることが好まし
い。
【0023】次に、上述のような第一例の目地材20を
用いた重力式護岸補修方法を説明する。まず、護岸の修
復にあたっては、目地材20を挿入する前に、ケーソン
同士の間の海側部分に漏出した裏込材等の土砂やその他
の付着物等をジェット噴流水により撤去しておく。次
に、図11に示される従来の第一の補修方法と同様に、
拡径部材22…が取り付けられた管体21、すなわち、
目地材20を海側から潜水夫によってケーソン1同士の
間の目地部分にケーソン1、1の下端部から上端部まで
押し込むようにして挿入する。
【0024】そして、図3に示すように、目地材20
が、ケーソン1、1同士の間の海側部分に挿入された状
態とする。なお、この際には、ケーソン1、1の並び方
向に管体21の短径方向が沿った状態とする。すなわ
ち、隣り合ったケーソン1、1の互いに対向する側面
と、管体1の長径方向が沿った状態とする。次いで、管
体21に取り付けられた全ての拡径部材22…におい
て、ナット22bをボルト22aに締め付けることで、
上述のように第一及び第二の座金22c、22dにより
管体21を締め付けて、管体21を短径方向に沿った方
向に拡径させる。
【0025】この際には、ケーソン1、1の並び方向に
管体21の短径方向が沿った状態となっているので、ケ
ーソン1、1同士の間隔を押し拡げるように管体21が
拡径することになるが、ケーソン1、1は動かないの
で、管体21は、短径方向に沿ってケーソン1、1同士
の間隔より広く拡径することがなく、ケーソン1、1に
押さえつけられた状態となる。この状態で、さらにナッ
ト22bを締め付けると、ケーソン1、1に押さえつけ
られた状態で管体21が拡径しようとするので、管体2
1の弾性力により、管体21が左右のケーソン1、1に
押し付けられた状態となり、管体21とケーソン1、1
との間に大きな摩擦力が作用し、ケーソン1、1同士の
間の目地部分が管体21により強固に閉塞された状態と
なる。
【0026】なお、ナット22bの締め付けに際して
は、ナット22bの締め付けに要するトルクが予め設定
された所定値となるまで、ナット22bを締め付けるよ
うにする。そして、全ての拡径部材22を締め付けるこ
とにより補修を完了することになるが、補修後、再びケ
ーソン1、1の不等沈下等により、ケーソン1、1同士
の間隔がひらいた場合に、拡径手段のナット22bがボ
ルト22aに対して十分に締め付けてあれば、管体21
がケーソン1、1の間隔の変動に追従して短径方向に拡
径するので、目地部分を閉塞した状態に保持することが
でき、再補修を必要としない。
【0027】また、ケーソン1、1同士の間隔が大きく
ひらいた場合には、管体21が追従して拡径しきれなく
なる可能性があるが、このような場合には、ナット22
bを締め増すことにより、管体21をさらに拡径するこ
とで容易に対応することができる。すなわち、第一例の
重力式護岸補修用目地材及び重力式護岸補修方法によれ
ば、補修後、ケーソン1、1同士の間隔がさらに開いて
も、最初から補修をやりなおす必要がない。
【0028】なお、上記第一例では、各拡径部材22…
のボルト22a毎に、第一及び第二の座金22c、22
dを配置したが、第一及び第二の座金をそれぞれ、管体
21の軸方向に沿って、管体21と略同じ長さを有する
長尺なものとし、このような第一及び第二の座金を管体
21一本に対して一つずつ用いるものとしても良い。こ
のようにすれば、上下に長く延在する第一の座金と第二
の座金との間に管体21を挟み込んだ状態とすることが
できるので、上記第一例より少ない数のボルト22aと
ナット22dにより、管体21を締め付けることが可能
となり、作業性を向上することができる。
【0029】なお、上述のように長尺な第一の座金と第
二の座金とを管体21に取り付けた場合には、管体21
の柔軟性が損なわれ、ケーソン1、1同士の間に海側か
ら管体21を挿入することが難しくなるので、管体21
の短径をケーソン1、1同士の間隔より短くして、管体
21をケーソン1、1の上方からケーソン1、1の間に
挿入することが好ましい。この際には、柔軟性を有する
管体21が長尺な第一の座金と第二の座金とにより棒状
に略固定された状態となるので、管体21をケーソン
1、1の間に容易に挿入することができる。
【0030】次に、本発明の実施の形態の第二例の重力
式護岸補修用目地材及び重力式護岸補修方法を図面を参
照して説明する。図4は第二例の重力式護岸補修用目地
材(以下、目地材と省略する)30を示すものであり、
図5は目地材30の拡径目地部材31を示すものであ
る。図4及び図5に示すように、目地材30は、実質的
に目地材として作用する拡径目地部材31と、拡径目地
部材31を設置するための治具となる保持部材32、3
2とを備えたものである。
【0031】上記拡径目地部材31は、図4及び図5に
示すように、断面X字状を有するものであり、断面の中
心点から放射状に四枚の拡翼部31a…が延出した形状
となっている。また、拡径目地部材31は、ケーソン1
の上端から下端までの上下長さに対応する長さを有する
ものとなっている。
【0032】また、拡径目地部材31は、板バネとして
作用する断面X字状の薄い鉄材の表面を耐候性ゴムで覆
ったものとなっている。従って、拡径目地部材31の拡
翼部31a…は、弾性変形可能とされるとともに、大き
な弾性力を有するものとなっている。そして、拡径目地
部材31の拡翼部31a…は、図4に示すように、X字
状の開いた状態から、四枚の拡翼部31a…を隣り合う
二枚ずつにまとめ、それぞれ二枚の拡翼部31a同士を
互いに略接触するように沿わせた状態に弾性変形するこ
とで、断面略H字状に閉じた状態とすることができるよ
うになっている。
【0033】上記保持部材32、32は、断面コ字状
で、かつ、拡径目地部材31とほぼ同様の長さを有する
ものとなっている。そして、保持部材32、32は、そ
の凹部内に、上述のように閉じられた二枚の拡翼部31
a、31aの側縁部を挟み込むことにより、二枚の拡翼
部31a、31aを閉じた状態に保持できるようになっ
ている。
【0034】すなわち、図4に示すように、拡径目地部
材31の四枚の拡翼部31a…を二枚ずつとじた状態
で、二枚ずつ閉じられた拡翼部31a…の側縁部をそれ
ぞれ保持部材32、32で挟み込むことにより、拡径目
地材31を断面略H状に閉じた状態に保持できるように
なっている。また、図4に示すように、保持部材32、
32により拡径目地部材31を断面略H字状に閉じた状
態で、保持部材32、32を拡径目地部材31から外す
と、拡径目地部材31が弾性復帰して断面X字状に開い
た状態となるようになっている。
【0035】すなわち、拡径目地部材31は、断面略H
字状に閉じて幅が狭くなった閉状態から、断面X字状に
開いて幅が広くなった開状態まで拡径することが可能と
なっている。そして、拡径目地部材31は、保持部材3
2、32により閉じた状態に保持された際には、ケーソ
ン1、1同士の隙間より狭い幅を有し、保持部材32、
32を外して、拡径目地部材31を開いた際には、ケー
ソン1、1同士の間隙より広い幅を有するようになって
いる。
【0036】従って、拡径目地部材31を保持部材3
2、32により閉じた状態では、ケーソン1、1同士の
間隙に拡径目地部材31を挿入することが可能であり、
ケーソン1、1同士の間隙内に挿入された拡径目地部材
31から保持部材32、32を外した際には、拡径目地
部材31がX字状に開くことになるが、拡径目地部材3
1がX字状に完全に開いた状態の幅が、ケーソン1、1
同士の間隙の幅より広いので、拡径目地部材31は、完
全に開いた状態とならず、拡径目地部材31、31を挟
んだ状態のケーソン1、1を拡径目地部材31の拡翼部
31a…がその弾性力により押した状態となるようにな
っている。これにより、拡翼部31aとケーソン1、1
との間に大きな摩擦力が作用することになり、拡径目地
部材31がケーソン1、1同士の間でケーソン1、1の
互いに対向する側面に圧着された状態となるようになっ
ている。
【0037】次に、上述のような第二例の目地材30を
用いた重力式護岸補修方法を説明する。まず、ケーソン
1、1上において、ケーソン1、1同士の間の目地材3
0を挿入する位置において、ケーソン1、1上を覆った
状態のエプロン舗装7を必要最小限の範囲で開削する。
次に、ケーソン1、1同士の間の目地材30を挿入する
部分に漏出した裏込材や、付着物をジェット噴流水によ
り吹き飛ばして撤去する。
【0038】次に、保持部材32、32により略H字状
に閉じた状態の拡径目地部材31をクレーン33で吊り
上げ、次いで、拡径目地部材31を上述の開削部分から
降下させてケーソン1、1同士の間に挿入する。次に、
拡径目地部材31から保持部材32、32を外すことに
より、ケーソン1、1同士の間に上述のように拡径目地
部材31を固定した状態とする。次に、ケーソン同士の
間隙の拡径目地部材31より陸側に充填材として砕石等
を充填する。
【0039】これにより、上述のように拡径目地部材3
1が、ケーソン1、1同士の間隙を閉塞し、ケーソン
1、1同士の間隙において、海側から陸側への海水の流
入を抑止するとともに、陸側から海側への土砂の漏出を
抑止することになる。また、上述のように目地材30を
用いてケーソン1、1同士の間隙の補修を行った後に、
ケーソン1の不等沈下等によって、ケーソン1、1同士
の間隔が再び拡がった場合には、上述のように予め拡径
目地部材31がX字状に開いた際の幅が、補修時のケー
ソン1、1同士の間隔より広く設定されているので、さ
らに拡径目地部材31が弾性復帰により拡がることが可
能である。
【0040】すなわち、補修後に、ケーソン1、1同士
の間隔が拡がった場合には、拡径目地部材31が弾性復
帰により追従して拡がることで対応することができる。
さらに、ケーソン1、1同士の間に挿入された状態の拡
径目地部材は、図7に示すように、四枚の拡翼部31a
のうちの二枚の隣り合う拡翼部31a、31aを海側に
開き、残りの二枚の隣り合う拡翼部31a、31aを陸
側に開いた状態となっており、海側に開いた隣り合う二
枚の拡翼部31a、31aには、海側からの波圧や水圧
が、二枚の拡翼部31a、31aをさらに開くように作
用し、陸側に開いた隣り合う二枚の拡翼部31a、31
aには、陸側からの土圧が、二枚の拡翼部31a、31
aをさらに開くように作用する。
【0041】従って、上述のように補修後にケーソン
1、1の間隔が開いてしまった場合に、拡径目地部材3
0は、弾性復帰により拡翼部31a…を拡げて幅が広く
なるだけではなく、上述の水圧や土圧により拡翼部31
a…が拡げられて幅が広くなるようになっており、補修
後にケーソン1、1の間隔が開いてもケーソン1、1同
士の間を閉塞した状態に保持することができる。すなわ
ち、第二例の目地材30によれば、ケーソン1、1同士
の間を容易に閉塞して補修ができるとともに、補修後に
ケーソン1、1同士の間隔が開いても、拡径目地部材3
0が追従して開くことにより対応することができるの
で、再補修を必要としない。
【0042】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の重力式護岸補修
用目地材及び請求項2記載の重力式護岸補修方法によれ
ば、上記管体を上記重力式構造物同士の間の目地部分に
上下方向に沿って挿入し、次いで、上記拡径手段によ
り、上記管体を上記重力式構造物の並び方向に略直交す
る方向から挟み込んで締め付けて、管体の弾性変形によ
り管体の上記並び方向に沿った径を拡げることで、上記
重力式構造物同士の間の目地部分を閉塞することができ
る。従って、上記目地部分からの土砂の漏出を防止でき
る。
【0043】また、拡径手段により管体を十分に締め付
けておけば、重量式構造物同士の間隙が重量式構造物同
士の不等沈下等によりさらに拡がった場合に、管体が追
従して拡がり、目地部分がある程度拡がっても目地部分
を閉塞した状態に保つことができる。また、目地部分が
さらに拡がり、目地部分の管体による閉塞が緩んだ状態
となった場合には、拡径手段を操作して、さらに管体を
締め増すことにより、管体の上記並び方向に沿った径を
拡げることで対応することができる。従って、補修後、
さらに目地部分の幅が拡がっても、再補修を行う必要が
なく重力式護岸の補修作業を省力化することができる。
【0044】本発明の請求項3記載の重力式護岸補修用
目地材及び請求項4記載の重力式護岸補修方法によれ
ば、上記拡径目地部材を保持部材により上記閉状態に保
持した状態で、上記重力式構造物同士の間の目地部分に
上下方向に沿って挿入し、次いで、上記保持部材による
保持を解除することで、保持部材を上記開状態に拡げる
ことにより、上記重力式構造物同士の間の目地部分を閉
塞することができる。従って、上記目地部分からの土砂
の漏出を防止できる。
【0045】また、拡径目地部材の開状態における重力
式構造物の並び方向に沿った長さが重力式構造物同士の
間隔より十分に広いものとなっていれば、重量式構造物
同士の間隙が重量式構造物同士の不等沈下等によりさら
に拡がった場合に、拡径目地部材が追従して拡がり、目
地部分が拡がっても目地部分を閉塞した状態に保つこと
ができる。従って、補修後、さらに目地部分の幅が拡が
っても、再補修をする必要がなく、重力式護岸の補修作
業を省力化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第一例の重力式護岸補修
用目地材を示す斜視図である。
【図2】上記第一例の重力式護岸補修用目地材の作用を
説明するための図面である。
【図3】上記第一例の重力式護岸補修方法を説明するた
めの図面である。
【図4】本発明の実施の形態の第二例の重力式護岸補修
用目地材の作用を説明するための図面である。
【図5】上記第二例の重力式護岸補修用目地材の拡径目
地部材を示す斜視図である。
【図6】上記第二例の重力式護岸補修方法を説明するた
めの図面である。
【図7】上記第二例の重力式護岸補修用目地材の作用を
説明するための図面である。
【図8】従来の重力式護岸を説明するための斜視図であ
る。
【図9】従来の重力式護岸の土砂の漏出を説明するため
の図面である。
【図10】従来の重力式護岸の土砂の漏出を説明するた
めの図面である。
【図11】従来の重力式護岸補修方法を説明するための
図面である。
【図12】従来の重力式護岸補修方法を説明するための
図面である。
【図13】従来の重力式護岸補修方法を説明するための
図面である。
【図14】従来の重力式護岸補修方法を説明するための
図面である。
【符号の説明】
1 ケーソン(重力式構造物) 20 目地材(重力式護岸補修用目地材) 21 管体 22 拡径部材(拡径手段) 22a ボルト 22b ナット 22c 第一の座金 22d 第二の座金 30 目地材(重力式護岸補修用目地材) 31 拡径目地部材 31a 拡翼部 32 保持部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の重力式構造物を左右に並べて配置
    することにより形成された既設の重力式護岸の上記重力
    式構造物同士の間の目地部分を閉塞するための重力式護
    岸補修用目地材であって、 上記重力式構造物同士の間の目地部分に上下方向に沿っ
    て挿入され、かつ、弾性部材からなる管体と、 該管体の軸方向に沿って複数配置され、かつ、該管体を
    上記重力式構造物の並び方向に略直交する方向から挟み
    込んで締め付けることにより、管体の上記並び方向に沿
    った径を拡げる拡径手段とを具備してなることを特徴と
    する重力式護岸補修用目地材。
  2. 【請求項2】 上記請求項1記載の重力式護岸補修用目
    地材を用いた重力式護岸補修方法であって、 上記管体を上記重力式構造物同士の間の目地部分に上下
    方向に沿って挿入し、 次いで、上記拡径手段により、上記管体を上記重力式構
    造物の並び方向に略直交する方向から挟み込んで締め付
    けて、管体の上記並び方向に沿った径を拡げることで、
    上記重力式構造物同士の間の目地部分を閉塞することを
    特徴とする重力式護岸補修方法。
  3. 【請求項3】 複数の重力式構造物を並べて配置するこ
    とにより形成された既設の重力式護岸の上記重力式構造
    物同士の間の目地部分を閉塞するための重力式護岸補修
    用目地材であって、 上記重力式構造物同士の間の目地部分に上下方向に沿っ
    て挿入され、かつ、上記重力式構造物の並び方向に沿っ
    た長さが広い開状態から上記重力式構造物の並び方向に
    沿った長さが狭い閉状態に弾性変形可能な拡径目地部材
    と、 該拡径目地部材を上記閉状態に保持可能で、かつ、保持
    を解除して上記拡径目地部材を開状態とすることが可能
    な保持部材とを具備してなることを特徴とする重力式護
    岸補修用目地材。
  4. 【請求項4】 上記請求項3記載の重力式護岸補修用目
    地材を用いた重力式護岸補修方法であって、 上記拡径目地部材を保持部材により上記閉状態に保持し
    た状態で、上記重力式構造物同士の間の目地部分に上下
    方向に沿って挿入し、 次いで、上記保持部材による保持を解除して上記拡径目
    地部材を上記開状態とすることにより、上記拡径目地部
    材の上記重力式構造物の並び方向に沿った長さを拡げる
    ことで、上記重力式構造物同士の間の目地部分を閉塞す
    ることを特徴とする重力式護岸補修方法。
JP11967797A 1997-05-09 1997-05-09 重力式護岸補修用目地材及び重力式護岸補修方法 Pending JPH10311015A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012246646A (ja) * 2011-05-26 2012-12-13 Seibu Polymer Corp コンクリート製および鋼製構造物の目地部の吸出し防止材、その施工方法および施工用治具
JP2013060702A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Kajima Corp 構造物目地の止水構造および止水方法
JP6283765B1 (ja) * 2017-08-03 2018-02-21 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 ケーソン堤体構造物の防砂構造
JP6327691B1 (ja) * 2017-09-28 2018-05-23 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 ケーソン堤体構造物に隣接した臨海部の補修方法

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