JPH10309073A - 電力変換器およびその製造方法 - Google Patents

電力変換器およびその製造方法

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JPH10309073A
JPH10309073A JP10054711A JP5471198A JPH10309073A JP H10309073 A JPH10309073 A JP H10309073A JP 10054711 A JP10054711 A JP 10054711A JP 5471198 A JP5471198 A JP 5471198A JP H10309073 A JPH10309073 A JP H10309073A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体スイッチング素子を用いた電力変換器に
おいて、配線導体に存在するインダクタンスを低減す
る。 【解決手段】回路構成部品を接続する第1の導体1と、
第2の導体2とを備え、第1の導体1の板厚方向に対す
る投影面と少なくとも一部で重なる部分と、重ならない
部分ができるように第2の導体2を、第1の導体1の一
部あるいは全区間である一定距離をおいて近接配置し、
さらに第2の導体2の少なくとも一点を第1の導体1と
電気的に接続する。 【効果】第2の導体2に誘導電流を生じさせ、第1の導
体1の磁束を打ち消すことで、第1の導体1の配線イン
ダクタンスを低減し、半導体スイッチング素子のターン
オフ時のサージ電圧を軽減するとともに、低損失の電力
変換器を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体スイッチング
素子を用いてなる電力変換器に関するものであり、特に
電力変換器回路内の配線インダクタンスを低減する配線
の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電力変換器では、例えば特開平3
−289346 号公報に示されるように、コンデンサ端子部
などの入出力電流、つまり絶対値が同一で逆向きに流れ
る電流に対して配線導体を近接することで、配線インダ
クタンスを低減していた。図26はこの様子を示したも
のである。コンデンサのプラス側端子とマイナス側端子
における各々の配線導体を近接して配置することによ
り、各々の配線導体間に逆向きの電流を流し、互いの磁
束を打ち消す作用を利用したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような電力変換
器においては、配線導体の近傍に絶対値が同一で逆向き
に流れる電流が必要不可欠であり、さらにこれらを確保
できた場合でも、インダクタンスの低減効果を高めるた
めに互いの配線導体間距離を短くしなければならない。
しかしながら、以下に述べるような理由により電流向き
が単一方向となる場合が大多数を占めている。例えば、
市場に出始めた6インチGTO(Gate Turn−Off)サイリ
スタ(以下GTOと略す)は電気定格が6kV,6kA
以上となる。このため、従来の4インチGTOなどより
も大きな絶縁距離を必要とする。また、変換器の大容量
化に伴いコンデンサにも高耐圧化が要求されており、コ
ンデンサの容積については定格電圧のほぼ2乗に比例す
るため大型化している。したがって、部品間の距離は必
然的に長くなってしまう。さらに、回路構成部品の大型
化により配線実装領域への制約も大きくなっている。以
上より、大容量変換器においては、部分的には絶対値が
同一で逆向きの電流が得られるものの、絶縁距離が増大
するため、配線インダクタンスの低減効果が減少する。
また、各部品間を接続する配線導体の近傍には絶対値が
同一で逆向きの電流が存在しない場合がほとんどであ
る。このため、実際の電力変換器では次のような配線イ
ンダクタンスに伴う問題点がある。
【0004】図22は電力変換器の一構成例であり、交
流電源101の交流電圧を直流電圧に変換するコンバー
タ102と、コンバータ102の出力電圧を平滑化する
平滑コンデンサ103と、直流電圧を交流電圧に変換す
るインバータ104と、インバータ104の出力する交
流電圧により駆動される交流電動機105により構成さ
れている。平滑コンデンサ103には前述の図26の配
線導体を適用できるが、インバータ部やコンバータ部に
は適用しにくく、配線インダクタンスに伴う過電圧等の
問題が起きる。ここでは、中性点クランプ方式を代表例
として示したが、半導体スイッチング素子により構成す
るコンバータあるいはインバータであれば、いかなる電
力変換器でも同様に配線インダクタンスに伴う問題は生
じる。また、コンバータ102およびインバータ104
に使用する半導体スイッチング素子は、どのような素子
でも同様である。
【0005】図23(1)は、自己消弧型半導体素子を
用いた従来のコンバータ回路あるいはインバータ回路の
一部分を示した図である。便宜上GTOを用いた回路を
示すが、GTOをIGBTに置き換えた回路が図22に
おけるIGBTを含むそのIGBT周辺の回路に対応す
る。図23(2)は、自己消弧型半導体素子の電流遮断
時におけるアノードカソード間電圧VAKアノードカソー
ド間電流IAKの波形である。ここでは自己消弧型半導体
素子として、便宜上GTO31を用いている。図23
(1)に示す回路において、GTO31がターンオフす
る際の動作について説明する。GTO31がON状態で
通電していた電流は、GTO31がターンオフ動作に入
りOFF状態に遷移する過程でスナバダイオード32,
スナバコンデンサ33などで構成されるスナバ回路にバ
イパスされる。このとき、バイパスされた電流によりス
ナバコンデンサ33に充電電圧VCSが発生する。ターン
オフ直後のスナバ回路に流れ込む電流変化率di/dt
はGTO31の電流下降率dIAK/dtと同じである。
さらにスナバ回路とGTO31を接続する配線中の配線
インダクタンスやスナバコンデンサ33の内部インダク
タンスなどの総和である寄生インダクタンス34におい
て、そのインダクタンスとIAKの電流変化率di/dt
との積で決まる電圧VLSが発生する。さらに、スナバダ
イオード32において電流変化率di/dtによる電圧
DSを発生する。したがって、GTO31には、スナバコン
デンサ33の充電電圧VCSとスナバ回路中の寄生インダ
クタンス34の誘起電圧VLSとスナバダイオード32の
過渡電圧VDSとの和として、スパイク状の電圧VDSP
印加される。このVDSPが大きくなるとGTO31が破
壊に至ることもあり、GTO31は安全動作領域内で使
用する必要がある。このため、寄生インダクタンス34
が大きい場合には、遮断電流を低減しなければならない
など、素子利用率が低下するという問題もある。したが
って、スナバ回路内の寄生インダクタンス34は小さく
抑制しなければならない。
【0006】さらに、GTO31がターンオフ動作を完
了すれば、上記のdi/dtに伴う電圧は発生しなくな
り、GTO31の両端に印加される電圧VAKはスナバコ
ンデンサ33の充電電圧VCSだけとなる。しかし、スナ
バ回路の寄生インダクタンス34に蓄積されたエネルギ
ーは、スナバコンデンサ33の過剰な充電電圧を発生さ
せ、クランプダイオード38やクランプコンデンサ36
などで構成されるクランプ回路内の寄生インダクタンス
と相まってGTO31に最大電圧VDMを印加することに
なる。つまり、各部の寄生インダクタンスの増加はスパ
イク状電圧VDSP や最大印加電圧VDMの増大を招く。G
TOの最大印加電圧VDMについても素子定格が決まって
おり、これを超えて電流を遮断した場合には素子破壊に
至る。このため、寄生インダクタンス37が大きい場合
にも、遮断電流を低減しなければならないなど、素子利
用率が低下するという問題があった。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、自己消弧型半導体素子の定格が
大きく、その保護回路として機能するスナバ回路やクラ
ンプ回路が大型化した場合でも、スナバ回路やクランプ
回路など回路内の寄生インダクタンスを低減できる電力
変換器を得ることが目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は次の各手段に
よって達成される。第1の手段は、配線用である第1の
導体の近傍に、第1の導体とは独立で、なお且つ第1の
導体の電流変化に応じて誘導電流を生じる第2の導体を
配置するものである。
【0009】第2の手段は、配線用の第1の導体の近傍
に、第1の導体とは独立で、なお且つ第1の導体の電流
変化に応じて誘導電流を生じる第2の導体を配置し、第
1の導体と第2の導体を少なくとも一点で電気的に接続
するものである。
【0010】第3の手段は、配線用の第1の導体の近傍
に、第1の導体とは独立な第2の導体を配置し、第1の
導体と第2の導体を少なくとも一点で電気的に接続する
ものである。
【0011】第4の手段は、幅広な配線用の第1の導体
の板厚方向に対する投影面と少なくとも一部で重なり且
つ一部で重ならない部分ができるように、第1の導体と
は独立な第2の導体を第1の導体に近接して配置し、な
お且つ第2の導体上の少なくとも一点を近接している第
1の導体と電気的に接続したものである。
【0012】第5の手段は、幅広な配線用の第1の導体
と同一幅の第2の導体を、第1の導体の板厚方向に対す
る投影面と重なる部分が全幅の10〜60%の範囲とな
るように第1の導体と近接して平行に配置し、なお且つ
第2の導体上の少なくとも一点を近接している第1の導
体と電気的に接続したものである。
【0013】第6の手段は、往復電流による磁束を互い
に打ち消すように幅広面を向き合わせた2枚の幅広な配
線用の第1の導体に対し、第1の導体の板厚方向に対す
る投影面と少なくとも一部で重なり且つ一部で重ならな
い部分ができるように第2の導体を第1の導体に近接し
て配置し、なお且つ第2の導体上の少なくとも一点を近
接している第1の導体と電気的に接続したものである。
【0014】第7の手段は、半導体スイッチング素子が
ターンオンあるいはターンオフする際に、電流が増減す
る幅広な配線用の第1の導体の板厚方向に対する投影面
と少なくとも一部で重なり且つ一部で重ならない部分が
できるように第1の導体とは独立な第2の導体を第1の
導体に近接して配置し、なお且つ第2の導体上の少なく
とも一点を近接している第1の導体と電気的に接続した
ものである。
【0015】上記各手段によれば、第1の導体の主電流
の変化によって第2の導体に主電流とは逆向きの誘導電
流が生じる。このため、第1の導体のインダクタンスが
低減される。
【0016】他の具体的手段については、以下の記述よ
り明らかになるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施例1 図1は本発明による第1の実施例である電力変換器にお
ける幅広配線導体を示したものである。回路構成部品を
接続し回路電流が流れる第1の導体1と、第1の導体1
とは独立で回路電流は流れない第2の導体2とで構成さ
れている。第1の導体1より幅広の第2の導体2を、第
1の導体1の板厚方向からの投影面が第2の導体2に含
まれるように、第1の導体1から一定距離をおいて平行
に配置している。また、第2の導体2は回路中の構成部
品接続導体とは別に設けた導体であり、この場合、電位
を固定するために導電性ネジ5により一点で第1の導体
1と接続している。これにより導体間のコロナ放電を防
止できる。なお、リング状のスペーサ7は、第1の導体
1と第2の導体2を一定距離だけ離すために設けてい
る。このスペーサ7は導体,絶縁体のいずれでもよい。
ここで、幅広な導体とは厚さの寸法よりも幅の寸法が大
きな導体と定義する。なお、導体1においては、自己イ
ンダクタンス低減のために、幅を厚さの2倍以上にする
ことが好ましい。
【0018】第1の導体1の自己インダクタンスをLs
1とし、第1の導体1と第2の導体2の間の相互インダ
クタンスをMとすると、第2の導体2を配置したときの
第1の導体1のインダクタンスLは、次式のようにな
る。
【0019】
【数5】 L=Ls1+M …(数3)
この式より相互インダクタンスMの符号がマイナス且つ
Mの絶対値が大きいほど第1の導体1のインダクタンス
Lは低減できることがわかる。
【0020】次に、第1の導体1に回路電流を通電した
ときの動作を説明する。第1の導体1の電流向きを図中
に示す矢印の向き(I1)とすると、第2の導体2に
は、第1の導体1の直下で第1の導体1の電流と逆向き
に、また、第1の導体1と遠く離れた部分では第1の導
体1と同一方向の電流が流れる。これは、電磁誘導と呼
ばれる現象で説明できる。つまり、第1の導体1の電流
により生じた磁束を打ち消そうとして、第1の導体1の
直下では第2の導体2に第1の導体1とは逆向きの電流
が生じている。電気的に導電性ネジ5の接続部以外の部
分と接続を持たない第2の導体2においては、誘導され
た電流が一巡ループを描いて出発点に戻る必要がある
が、第1の導体1の磁束を避けるように第1の導体1か
ら遠く離れた部分を流れてから戻っている(I2)。こ
の第2の導体2に生じる第1の導体1と同一方向の電流
は第1の導体1の磁束を増す効果がある。このことか
ら、第1の導体1の磁束を低減するためには、第1の導
体1と第2の導体2の電磁気的結合度を大きくし、さら
に第2の導体2の幅を広げることで第1の導体1の磁束
を増す効果を弱めることが必要となる。言い換えれば、
第2の導体2に誘導される逆向きの電流による効果が大
きく、同一方向の電流による効果が小さいことが、数3
におけるMの符号をマイナスとし、絶対値を大きくする
ことである。
【0021】これら導体間の距離と配線インダクタンス
の関係について、図2に示すモデルにより三次元解析し
た検証結果を図3に示す。図2のモデルでは第1の導体
1と第2の導体2を一定距離d、且つ幅方向の中心線を
揃えて配置している。図3は第1の導体1と第2の導体
2の間隔dと第2の導体2の幅による第1の導体1のイ
ンダクタンスLの関係を示したものである。この結果
は、第2の導体2の幅が第1の導体1と同一では第2の
導体なしの場合とインダクタンスの値が同じであれ、イ
ンダクタンスの低減効果がないこと、第2の導体2の幅
を第1の導体1の幅以上に広げれば広げるほどインダク
タンスの低減効果が大きくなること、さらに、第1の導
体1と第2の導体2の距離を短くするほどインダクタン
スの低減効果が大きいことを示している。これは、前述
した第1の導体1と第2の導体2の距離を短くすること
で両導体間の結合度を大きくし、第2の導体2の幅を広
げることで第1の導体1の磁束を増す効果を弱めること
に他ならない。図2のモデルでは一例として配線導体1
の幅を75mm,厚さを6mmとしたが、幅広導体であれ
ば図3とほぼ同等のインダクタンス低減効果がある。第
1の導体と第2の導体間の距離は3mm以下の領域でほぼ
飽和していることから、第1の導体1と第2の導体2の
距離は3mm以下とすればよい。但し、このとき距離を0
mmとした場合には、第1の導体1と第2の導体2が接触
してしまい第2の導体2の効果がなくなるため、薄い絶
縁性シートを挾むなどにより、距離を確保することが必
要である。なお、図2では第2の導体2と第1の導体1
とを接続していないが、両者を一点で接続した場合の特
性は図3の結果と同一である。接続方法としては導電性
ネジで固定したり、溶接,半田付けなども考えられる。
いずれにしても電気的に接続されていればよい。また、
第1の導体1の長さ方向の両端を第2の導体2と接続す
る場合のように両導体が複数個所で接続されると、第2
の導体2は第1の導体1の電流バイパスとなるため、接
続個所間では本発明による効果は十分発揮されない。し
かし、接続個所間では、第1の導体及び第2の導体のそ
れぞれの配線インダクタンスが並行接続されるので、自
己インダクタンスをある程度は低減できる。従って、第
1の導体と第2の導体において、部分的に複数個所で電
気的に接続されていてもよい。すなわち第2の導体にお
いて、部分的に回路電流が流れていてもよい。
【0022】なお本実施例の電力変換器の全体構成とし
ては、図22の構成が有る。この点、以下の各実施例に
ついても同様である。
【0023】実施例2 図4は本発明による第2の実施例である電力変換器にお
ける幅広配線導体を示す。第1の導体1と同一幅の第2
の導体2を第1の導体1の板厚方向に対する投影面で重
なる部分ができるように幅方向に平行移動し、さらに一
定距離において配置したものである。また、導電性ネジ
5により第1の導体1と第2の導体2を一点で接続し、
両者の間隔を保持するためにスペーサ7を設けている。
図4において図1と異なる点は、第2の導体2の幅であ
り、具体的には、図1では第1の導体1より幅広の第2
の導体2を配置しており、第1の導体1の板厚方向に対
する投影面が全て第2の導体2に重なるのに対し、図4
では第1の導体1と第2の導体2は同一幅で、第1の導
体1の投影面が第2の導体2の一部で重なるとともに、
重ならない部分をも有している。
【0024】第1の導体1に電流を通電したときの動作
は図1で示したものと同様であり、第2の導体2におい
て第1の導体1の板厚方向に対する投影面が重なる部分
では第1の導体1とは逆向きの電流が、また重ならない
部分では同一方向の電流が誘導される。
【0025】図6は、図5のモデルにおいて、第2の導
体2における第1の導体1の板厚方向に対する投影面と
重なる部分の割合を変化させたときの、第1の導体1に
おけるインダクタンスを示したものである。この結果
は、a=0、すなわち第1の導体1の板厚方向に対する
投影面が第2の導体2と完全に重なる場合は第1の導体
1のインダクタンス低減効果は全くない(図3におい
て、導体2ないしかつW=75mmの場合を参照)。aの
値を増加させていくと、つまり幅方向に第2の導体2を
平行移動していくと、第1の導体1のインダクタンス低
減効果が徐々に強まり、ある点で最大となる。さらにa
を増加させ第1の導体1と同一幅、すなわち第1の導体
1の板厚方向に対する投影面が第2の導体2と全く重な
らない状態になるまでの間、第1の導体1のインダクタ
ンス低減効果が弱まっていく。言い換えると、第1の導
体1と同一幅の第2の導体2を、第1の導体1の板厚方
向に対する投影面で第2の導体2と10%〜60%の範
囲で重なるように近接して平行配置したときに、第1の
導体1のインダクタンス低減効果は大きくなる。図5の
モデルでは一例として第1の導体の幅を75mm,厚さを
6mmとしたが、幅広導体であれば図6とほぼ同等のイン
ダクタンス低減効果がある。
【0026】なお、図5のモデルにおいても第1の導体
1と第2の導体2の電気的な接続関係を省略している
が、電気的な接続部がある場合ではインダクタンス低減
効果があることは前述したとおりである。
【0027】実施例3 図7は本発明による第3の実施例である電力変換器にお
ける幅広配線導体の構造を示したものである。第1の導
体1と第2の導体2を一定距離をおいて、さらに第2の
導体2は第1の導体1の板厚方向に対する投影面で重な
る部分と重ならない部分ができるように配置している。
図7において図5と異なる点は第2の導体2の幅であ
り、具体的には、図5では第1の導体1と同一幅の第2
の導体2を配置しているのに対し、図7では第2の導体
2の幅は任意の幅としている。第2の導体2は第1の導
体1の板厚方向に対する投影面で重なる部分と重ならな
い部分ができるように配置している点については図5と
共通であり、重なる部分の幅をb、また重ならない部分
の幅をaとしている。
【0028】図7のモデルを用いて三次元解析した結果
を図8に示す。図8は図7におけるaとbを変化させた
ときの第1の導体1におけるインダクタンスを示したも
のである。この結果より、aは大きくした場合、すなわ
ち第1の導体1の板厚方向に対する投影面で第2の導体
2と重ならない部分を大きくすることでインダクタンス
低減効果が大きくなること、また、bについては全幅の
約半分、すなわち第1の導体1の板厚方向に対する投影
面で第2の導体2と重なる部分を第1の導体1の半分程
度まで広げればインダクタンス低減効果が十分得られる
ことがわかる。また、図より低減効果が現れるのは、第
1の導体1の幅に対して10%以上重なるように第2の
導体2を配置した時点と考えられる。さらに、第1の導
体1と第2の導体2とで重ならない部分の幅が、第1の
導体1における幅の1/2以上となるように配置しても
低減効果が現れると考えられる。したがって、インダク
タンスを低減するためには、第1の導体1の幅に対して
10%以上重なるように第2の導体2を配置するか、ま
たは、第1の導体1と第2の導体2とで重ならない部分
の幅が、第1の導体1における幅の1/2以上となるよ
うに配置するか、あるいはこれらを組み合わせてもよ
い。
【0029】なお、重なる部分を第1の導体1の半分と
して、第2の導体2を第1の導体1においてその幅を2
分する中心線を軸として対称に第2の導体2をもう1枚
追加した構成が図1と同一となる。したがって、図1の
構成では図7の構成の約2倍のインダクタンス低減効果
を持つことになる。しかし、実装空間の制約などにより
第1の導体1の片側にしか、第2の導体2を広げられな
い場合には、図7に示すような構成が有効である。な
お、図7のモデルにおいても第1の導体1と第2の導体
2の電気的な接続関係を省略しているが、電気的な接続
部がある場合でもインダクタンス低減効果があることは
前述したとおりである。
【0030】次に第2の導体2の厚さについて説明す
る。図11は第2の導体2の厚さを変化させたときの第
1の導体1のインダクタンスを示している。いずれの場
合も第1の導体1を幅75mm,厚さ6mm,長さ1000
mm、第2の導体2の長さを1000mmとし、(1)のケース
は、図2に示す配置関係で第2の導体2の幅wを150
mm、第1の導体1と第2の導体2の距離dを1mm、
(2)のケースは、図2に示す配置関係で第2の導体2
の幅wを150mm、第1の導体1と第2の導体2の距離
dを0.1mm、(3)のケースでは図5に示す配置関係で
第1の導体1と第2の導体2の距離dを1mm,a=3
7.5mm つまり第1の導体1の板厚方向に対する投影面
と第2の導体2の重なり部分が50%の場合を各々示し
ている。この結果より、いずれの場合も第2の導体2の
厚さが約1mmを境にしてインダクタンス低減効果が変化
しているため、第2の導体2の厚さは1mm以上あれば十
分であることがわかる。第2の導体2を薄くしたとき、
インダクタンス低減効果が弱まるのは、抵抗分が増大す
るためであると考えられる。この解析では第1の導体1
と第2の導体2には銅を使用することを想定している
が、銅よりも抵抗率の低い材料を第2の導体2に使用す
れば第2の導体2の厚さはさらに薄くすることが可能で
ある。
【0031】実施例4 図9は本発明による第4の実施例である電力変換器にお
ける幅広配線導体の構造を示した断面図及び平面図であ
る。第2の導体2は第1の導体1の板厚方向に対する投
影面において重なる部分と重ならない部分ができるよう
に、第1の導体1と一定距離をおいて平行に近接させ、
第1の導体1の中心線S−S′を軸として対称に第2の
導体2を2枚配置している。図9における断面図中の記
号91と92は電流の方向を示している。第1の導体1
の断面図中の記号91は紙面の裏側から表側へ流れるこ
とを、また、第2の導体2の断面図中の記号92は紙面
の表側から裏側へ流れることを示している。つまり、第
2の導体2においては第1の導体1の板厚方向に対する
投影面と重なる領域では第1の導体1と逆向きの電流、
また、重ならない領域でなお且つ第1の導体1と遠く離
れた部分では第1の導体1と同一方向の電流が誘導され
ていることを示している。
【0032】図9において図1と異なる点は、第2の導
体2の配置方法である。具体的には、図1では、1枚の
幅広の導体を配置しているのに対し、図9では第2の導
体2を2分割して各々を幅に対して外側方向に平行移動
しており、第1の導体1の板厚方向に対する投影面の中
央部が第2の導体2と重ならないようになっている。こ
の投影面の中央部分が第2の導体2と重ならなくても第
1の導体1における配線インダクタンスの低減効果があ
ることは図6,図8の結果より明らかである。なお、図
9においても第1の導体1と第2の導体2の電気的な接
続関係を省略している。また、図9に示す第2の導体2
は、図10に示すように図1に示した第2の導体2の中
央部にスリットを入れたものと等価であると言える。し
たがって、図1に示す第2の導体2にスリットを入れた
場合でも第1の導体1のインダクタンス低減効果があ
る。さらに、第1の導体1の板厚方向に対する投影面と
重なる部分において、第1の導体1の磁束漏れを上述の
スリットを入れた第2の導体2と同程度にできるなら
ば、第2の導体2をメッシュ状にした場合でも、図9の
場合と同様に第1の導体1に対するインダクタンス低減
効果がある。
【0033】次に、周波数とインダクタンス低減の関係
について解析した結果を図12に示す。いずれの場合も
第1の導体1を幅75mm,厚さ6mm,長さ1000mm、
第2の導体2の長さを1000mmとし、(0)のケース
は第2の導体2がない第1の導体1単独、(1)のケース
は図2に示す配置関係で第2の導体2の幅wを150m
m、第1の導体1と第2の導体2の距離dを1mm、
(2)のケースは図2に示す配置関係で第2の導体2の
幅wを150mm、第1の導体1と第2の導体2の距離d
を0.1mm、(3)のケースは図5に示す配置関係で第1
の導体1と第2の導体2の距離dを1mm、a=37.5m
m つまり第1の導体1の板厚方向に対する投影面と第2
の導体2の重なり部分が50%の場合を各々示してい
る。
【0034】図12の結果より、いずれの場合も500
Hz付近でインダクタンス低減効果が大きく変化してお
り、表皮効果が現れる周波数領域から第2の導体2によ
る第1の導体1のインダクタンス低減効果が現れている
ことがわかる。表皮効果とは電流の周波数が高くなった
ときに、電流が表面に集まろうとして内部の電流は小さ
くなる現象である。このとき、内部の導体は電流の伝導
にはほとんど関与しなくなり、見かけ上断面積が減少
し、抵抗が大きくなる。磁束についても同様のことが言
える。磁束の浸透していく深さ(表皮深さ)δは次式で
表わせる。
【0035】
【数6】
【0036】ここで、ωは第1の導体1に通電される電
流の角周波数、σは第1の導体1の導電率、μは第1の
導体1の透磁率である。半導体スイッチング素子を使用
する電力変換器においては、半導体スイッチング素子の
スイッチング時に配線インダクタンスなどにより半導体
素子へのサージ電圧が印加される問題があることは前述
したとおりである。半導体素子のスイッチング周波数は
数10kHz以上と非常に高速であり、通常は表皮効果
が生じる周波数を上回る。したがって、上記の配線構造
は半導体スイッチング時にインダクタンス低減効果を発
揮することがわかる。
【0037】なお、図9に示す導体配置においては、2
枚の第2の導体2は対称に配置しているが、第1の導体
1の板厚方向に対する投影面と重なる部分と重ならない
部分が必ずできるように第2の導体2を配置すればイン
ダクタンス低減効果が得られるため、第2の導体2は対
称に配置する必要はなく、2枚の第2の導体2の幅につ
いても同一である必要はない。
【0038】実施例5 図13は本発明による第5の実施例である電力変換器に
おける幅広配線導体の構造を示した断面図である。第1
の導体1と第2の導体2を一定距離をおいて、第2の導
体2は第1の導体1の投影面において重なる部分と重な
らない部分があり、第1の導体1の中心線を軸として対
称に第2の導体2を2枚配置している。図13(1)は
図9と同一である。なお、図13においても第1の導体
1と第2の導体2の電気的な接続関係を省略している。
【0039】図3において第1の導体1と第2の導体2
の間の距離との解析結果を示し、この距離を近づけるほ
どインダクタンス低減効果は大きいことを示した。さら
に、図11において第2の導体2の厚さと第1の導体1
のインダクタンスとの関係を示し、第2の導体2に銅を
使用する場合、第2の導体2の厚さは1mm以上あればイ
ンダクタンス低減効果が大きいことを示した。第1の導
体1に薄い第2の導体2を近づけるとき、各々の導体を
空中で支持するのはたいへん難しく、とりわけ、第2の
導体2の支持方法は問題となる。そこで、図13の
(2)から(5)に、第1の導体1と第2の導体2を絶
縁物3を介して接着あるいはネジ止めなどにより固定す
る方法を示す。
【0040】(1)から(5)において第1の導体1と
第2の導体2の配置関係は同一であり、異なるのは第1
の導体1と第2の導体2の間に挾み込む絶縁物3の形状
である。絶縁物3に使用する材料としては、雲母,ガラ
スエポキシ,繊維強化樹脂などを絶縁特性、コストある
いは加工容易性などの観点から選択すればよい。いずれ
の方法でも第1の導体1と第2の導体2との距離を一定
に保つことができるため、第1の導体1のインダクタン
ス低減効果を発揮できる。
【0041】図13では第2の導体2として2枚の導体
を左右対称的な配置関係として示したが、第2の導体2
を第1の導体1の板厚方向に対する投影面で重なる部分
と重ならない部分ができるように配置できれば、第2の
導体2は左右対称でなくてもよく、同一幅である必要も
ない。また、図1や図5に示すように1枚の導体を固定
する場合にも、同様に絶縁物を挾み込むことで、第1の
導体1のインダクタンス低減効果を発揮できることは明
らかである。
【0042】実施例6 図14は本発明による第6の実施例である電力変換器に
おける幅広配線導体の構造を示した断面図である。幅広
な第1の導体1と第2の導体2を一定距離をおいて、第
2の導体2は第1の導体1の板厚方向に対する投影面に
重なる部分と重ならない部分がある。
【0043】図14(1)は第1の導体1と第2の導体
2を絶縁材4を介して接続している。絶縁材の端面には
複数のひだを形成し、沿面距離を増大させている。第1
の導体1と第2の導体2との間の距離が広い場合には絶
縁の沿面距離をかせぐ方法として有効である。また、第
1の導体1,第2の導体2及び絶縁材4を固定するため
絶縁性ネジ6によりネジ止めしている。絶縁性ネジに
は、繊維強化樹脂などを使用してもよい。
【0044】図14(2)は図13と同様に絶縁物3を
介して第1の導体1と第2の導体2を固定しており、図
14(1)と同様に絶縁性ネジ6によりネジ止めしてい
る。また、第2の導体2と絶縁物3の幅を同一幅として
図示しているが、絶縁の沿面距離を確保するために絶縁
物3を第2の導体2より幅広としてもよい。いずれの方
法も第2の導体2が複数のときでも適用でき、第1の導
体1のインダクタンス低減効果を発揮できることは明ら
かである。なお、この場合、第1の導体1と第2の導体
2を固定することが重要であり、絶縁性スペーサなどの
ような絶縁材や絶縁性ネジに限らず、電気的に絶縁でき
ればどのような接続手段でもよい。
【0045】実施例7 図15は本発明による第7の実施例である電力変換器に
おける幅広配線導体の構造を示した図である。第2の導
体2は幅広な第1の導体1より幅広の導体としている。
第1の導体1と第2の導体2との配置関係は図1と同一
であり、第1の導体1と第2の導体2を一定距離をおい
て配置している。図15において図1と異なるのは、第
1の導体1と第2の導体2の距離を保持する方法であ
る。図1では、スペーサ7を用いているのに対し、図1
5では絶縁性スペーサ8を用いている。図では、絶縁性
スペーサ8の幅を第1の導体1と同じ幅としているが、
第1の導体1と第2の導体2の距離が一定に保てれば、
絶縁性スペーサ8はどのような幅でもよい。
【0046】また、図15では図1と同様に導電性ネジ
5により第1の導体1の一部と第2の導体2を電気的に
接続している。
【0047】ここでは、両者間の電気的な接続の持つ意
味を説明する。第2の導体2の電位を浮動にしておく
と、第1の導体1への通電を繰り返すうちに、第2の導
体2の電位が上昇する。さらに、第2の導体2に蓄積さ
れた電荷が放電するコロナが発生し、半導体スイッチン
グ素子のゲート駆動回路に誤パルスを生じることによ
り、半導体スイッチング素子が誤動作する恐れがある。
また、コロナにより電力変換器を構成する部品の劣化が
進み寿命を著しく短縮してしまう問題もある。そこで、
このような問題を回避するために、第2の導体2の電位
を電気的に固定する必要が生じる。図15のように、第
2の導体2の一部を第1の導体1と電気的に接続できれ
ばコロナが発生する恐れはない。また、前述したように
第1の導体1の長さ方向に複数の接続点を持つ場合には
注意を要するが、幅方向に複数の接続点を設けることは
全く問題ない。例えば、第1の導体1の幅方向の両端
で、導電性ネジなどにより第2の導体2と接続する場合
などに相当する。
【0048】図16は第1の導体1と第2の導体2を固
定するための方法を示した図である。第1の導体1と第
2の導体2の配置方法については、図1と同一である。
また、導電性ネジ5で第1の導体1と第2の導体2をネ
ジ止めする点についても、図1と同一で、コロナを防止
するために第2の導体2を電位固定するためのものであ
る。
【0049】図16において、図1と異なる点は、絶縁
性ネジ6で第1の導体1と第2の導体2をネジ止めし、
さらに、第1の導体1と第2の導体2との距離を保持す
るために両導体間にリング状の絶縁性スペーサ8を挾み
ネジ6を挿入したことである。導電性ネジ5で一部を固
定しても第1の導体1と第2の導体2の固定方法として
は不安定である。そこで、第2の導体2の導電性ネジ6
でネジ止めした部分と別の場所を第1の導体1と固定す
る必要がある。これを導電性ネジでネジ止めした場合に
は、第2の導体2には第1の導体1と同一方向の電流が
流れることになる。つまり第2の導体2は第1の導体1
のバイパスとして機能してしまう。したがって、絶縁性
ネジ6によるネジ止めが必要となる。絶縁性ネジ6によ
りネジ止めするとき、第1の導体1と第2の導体2の間
に絶縁性を介してもインダクタンス低減効果が損なわれ
ないことは言うまでもない。このとき、絶縁物と第1の
導体1あるいは絶縁物と第2の導体2が接着されていて
もよい。
【0050】実施例8 図17は本発明による第8の実施例である電力変換器に
おける配線導体の構造を示した図である。図17におい
て図1と異なる点は、図1では第2の導体2の形状を折
曲げ加工をしない1枚板としているのに対し、図17で
は第2の導体2において第1の導体1の板厚方向に対す
る投影面で第2の導体2と重ならない部分を垂直に折曲
げている。図17において折曲げている部分は、第2の
導体2に生じた誘導電流の戻り路として機能する部分で
あり、折曲げても第1の導体1との距離に変わりはない
ので、図1に示す構成と同様のインダクタンス低減効果
がある。
【0051】この場合にも、第1の導体1と第2の導体
2の間に絶縁物を挾んだり、あるいは絶縁物を挾み込ん
だ第1の導体1と第2の導体2を導電性ネジや絶縁性ネ
ジでネジ止めしても、第1の導体1のインダクタンス低
減効果は発揮できることは明らかである。また、第2の
導体2の折曲げ部については、第1の導体1の板厚方向
に対する投影面で第2の導体2と重なる部分が一部でも
あれば、どこで折曲げても第1の導体1のインダクタン
ス低減効果がある。なお、図では垂直に折曲げた場合に
ついて説明したが、折曲げ方法は垂直でなくてもよく、
また複数回折曲げてもよい。
【0052】実施例9 図18は本発明による第9の実施例である電力変換器に
おける幅広配線導体の断面を示した図である。往復電流
による磁束を打ち消すために電流方向が互いに逆向きの
第1の導体11と第1の導体12の広幅面を向かい合わ
せ、さらに第1の導体11と第1の導体12に対し配線
導体より幅広の第2の導体21及び第2の導体22を各
々第1の導体から一定距離をおいて配置している。図中
の記号91,92は各導体中の電流の向きを示してい
る。
【0053】第1の導体11と第1の導体12を広幅面
で向かい合わせることで、第1の導体11及び第1の導
体12のインダクタンスを低減することは知られてい
る。これらの第1の導体に第2の導体21及び第2の導
体22を各々近接配置することでさらにインダクタンス
を低減することができる。
【0054】また、第2の導体については、各々の第1
の導体に対して設ける場合を示しているが、どちらか一
方に対して設けてもよい。もちろん、このような配置方
法を適用する際に第1の導体と第2の導体の間に絶縁物
を挿入したり、第1の導体と第2の導体あるいは第1の
導体と第2の導体と絶縁物を導電性ネジや絶縁性ネジに
より固定してもインダクタンス低減効果を損なわないこ
とは明らかである。なお、図18においても第2の導体
21,22の電位を固定するためには、各々近接してい
る第1の導体11,12と電気的に接続することが必要
となるが、図では省略している。
【0055】実施例10 図19は本発明による第10の実施例であり、半導体ス
イッチング素子のターンオフ時に半導体スイッチング素
子をサージから保護するスナバ回路の配線実装を示した
図である。半導体スイッチング素子としては電極面が平
型のGTOを例として示している。31はGTO、32
はスナバダイオード、33はスナバコンデンサ、39は
冷却フィンである。GTO31とスナバダイオード32
は電極面が平型の素子であり、冷却フィン39を介して
一体型のスタックを形成している。第1の導体1により
スタックとスナバコンデンサ33を接続しているが、こ
の第1の導体1のスナバコンデンサ33の入出力端子部
においては互いの第1の導体1の広幅面を近接配置する
ことでインダクタンス低減を図っている。さらに、第1
の導体1の一部区間で、この第1の導体1よりも幅の広
い第2の導体2を、第1の導体1の板厚方向に対する投
影面を包含するように近接して配置している。このよう
な実装により、第1の導体1同士で磁束を打ち消し合う
ことができない区間はもちろんのこと、第1の導体1同
士で磁束を打ち消し合うことが可能な区間においてもイ
ンダクタンスの低減効果を発揮する。また、第2の導体
2と第1の導体1とを導電性ネジ5により接続し、第2
の導体2の電位を固定している。
【0056】なお、この場合の半導体スイッチング素子
としては、電極面が平型であれば、逆導通型GTOサイ
リスタ,IGBT,SIサイリスタ,SICなどでもよ
い。また、GTO31とスナバダイオード32を同一の
スタックに圧接した場合について示したが、GTO31
とスナバダイオード32の素子の大きさが異なるなどの
理由により別々のスタックに圧接した場合についても、
スナバ回路を形成する構成部品間を接続する第1の導体
に上述したような第2の導体を配置することでスナバ回
路内の寄生インダクタンス低減効果を発揮する。つま
り、スナバ回路を構成する部品配置の如何を問わず、ス
ナバ回路構成部品間を接続する第1の導体に上記の第2
の導体を配置することでスナバ回路内の寄生インダクタ
ンス低減効果を発揮できる。また、図19に示すような
側面図がL字型となる第1の導体や、あるいは特殊な場
合として不均一な幅を持つ第1の導体にも上記の第2の
導体は適用できる。いずれの場合も、第1の導体の板厚
方向に対する投影面と少なくとも一部で重なり、且つ一
部で重ならないように第2の導体を配置すればよい。な
お、図19では、フリーホィールダイオード,スナバ抵
抗あるいはスナバエネルギー回生回路などに用いられる
補助的な構成要素及び絶縁物や圧接用部材などについて
は省略しているが、ここに示す基本構造に適用できるこ
とは明らかである。
【0057】実施例11 この発明の第11の実施例を図20,図21に基づいて
説明する。図21(1)は、半導体スイッチング素子がタ
ーンオフした際に発生するサージから半導体スイッチン
グ素子を保護するスナバ回路及びクランプ回路を示した
図である。この部分を実装した場合の側面図を図20に
示す。半導体スイッチング素子としては、図19と同様
に電極面が平型のGTOを例として示している。スナバ
ダイオード32及びスナバコンデンサ33を含むスナバ
回路については、図19と同じ構成であり、スナバ回路
内の幅広な第1の導体1に近接して第2の導体2を配置
している。
【0058】図20では、図19の回路構成にさらにダ
イオード35,クランプコンデンサ36,クランプダイ
オード38を追加してある。このクランプ回路の第1の
導体1に対しても第2の導体2を近接配置している。第
2の導体2の第1の導体1に対する配置方法は、いずれ
の場合も第1の導体1の板厚方向からの投影面で互いに
重なる部分を少なくとも一部分で有し、なお且つ重なら
ない部分をも兼ね備えるようにすることが重要である。
また、第2の導体2の電位を固定するために第1の導体
1との間を導電性ネジ5により接続し、さらに両者間の
距離を保持するためにスペーサ7を挿入している。クラ
ンプコンデンサ36に接続する第1の導体1に寄生する
インダクタンス分が、図21(1)中の寄生インダクタ
ンス37及び42に相当する。寄生インダクタンスに
は、クランプコンデンサの内部インダクタンスも含まれ
るが、通常の実装では配線導体のインダクタンス成分の
占める割合の方が大きい。
【0059】なお、図20でも、フリーホィールダイオ
ード,スナバ抵抗あるいはスナバエネルギー回生回路な
どに用いられる補助的な構成要素は省略しているが、こ
こに示す基本構造に適用できることは明らかである。ま
た、絶縁物や圧接用部材などについても省略している。
【0060】通常は、自己消弧型半導体素子のサージ吸
収部としてスナバ回路を最優先して実装する。これは、
自己消弧型半導体素子がターンオフする際に発生するス
パイク状電圧VDSP を抑制できるように、スナバ回路内
の寄生インダクタンス34を十分小さくする必要がある
ためである。したがって、図20ではスナバ回路を構成
するGTO31とスナバダイオード32を隣接して同一
スタック内に圧接している。
【0061】VDSP の次に注意しなければならないの
は、GTO31に印加される最大電圧VDMである。図2
0に示す回路において、VDMを決定するのはクランプコ
ンデンサ36及びスナバコンデンサ33で構成される直
列コンデンサ群とクランプ回路内の寄生インダクタンス
37とスナバ回路内の寄生インダクタンス34で構成さ
れる直列インダクタンス群によるLC共振である。これ
らのLC回路において、もしインダクタンス成分が存在
しなければ、共振現象は発生しないためコンデンサへの
過剰充電は生じない。したがって、GTOの印加電圧も
コンデンサの印加電圧と同様にある一定の値に達する
と、そのまま定常状態となり、一定の値を保持する。
【0062】しかし、通常の実装では寄生インダクタン
スを皆無にすることは不可能である。寄生インダクタン
スがある場合には、GTOに印加される最大電圧から定
常値を差し引いた分が寄生インダクタンスによる電圧上
昇分となる。したがって、LC共振回路内の寄生インダ
クタンスを最小限に抑制する必要がある。ところが前述
したとおりスナバ回路の実装を最優先するため、GTO
やダイオードを一体型のスタックとして圧接した場合、
クランプコンデンサに接続する半導体素子側の端子間の
距離が長くなること、図では省略したフリーホィールダ
イオードなどの半導体素子をスタック内に追加すること
でさらにクランプコンデンサに接続する半導体素子側の
端子間の距離が長くなること、及びクランプコンデンサ
容量はスナバコンデンサ容量に比べ大きくなるためクラ
ンプコンデンサの容積が大きくなることなどの理由によ
り、クランプ回路を形成する一巡ループは大きくなる。
したがって、クランプ回路の寄生インダクタンスはスナ
バ回路の寄生インダクタンスと比較すると、必然的に大
きな値となる。さらに、クランプ回路を形成する一巡ル
ープが大きくなることで、往復電流を利用した磁束打ち
消し効果を利用できる部分が少なくなり、寄生インダク
タンス増加に拍車をかける。そこで、クランプ回路の第
1の導体1に第2の導体2を上述のように近接配置する
ことで、寄生インダクタンスの低減を図ることが可能と
なる。
【0063】また、図20では、GTO31とダイオー
ド32,35,38を同一径とし、さらに同一スタック
に圧接した場合について示しているが、径が異なり別々
のスタックに構成した場合でも上記と同様に第2の導体
2を適用することでインダクタンスの低減効果がある。
このように、従来インダクタンスの低減効果を持ち合わ
せていなかった部位へ本発明を適用することにより、半
導体スイッチング素子の印加電圧を軽減でき、安全に電
力変換器を運転することが可能となる。さらに遮断電流
を定格以下に低減していた場合に対しては素子利用率の
向上につながる。
【0064】次に寄生インダクタンスの低減効果が大き
い部分を具体的な回路に基づいて説明する。図21は、
半導体スイッチング素子を使用したインバータ回路また
はコンバータ回路の一部を示したものである。図示した
インダクタンスは全て寄生インダクタンスであり、GT
O31の電流変化率を軽減するアノードリアクトルや負
荷などについては省略している。図21(1)では、ク
ランプコンデンサ36は平滑コンデンサ40のマイナス
端子側に接続している。図21(2)では、クランプコ
ンデンサ36は平滑コンデンサ40のプラス端子側に接
続している。まず、図21(1)においてGTO31が
ターンオフする際の動作を説明する。GTO31がオン
状態で通電しているとき、平滑コンデンサ40のプラス
端子側からGTO31を介して負荷へ電流供給してい
る。GTO31がターンオフ動作に入ると、GTO31
の電流はスナバダイオード32およびスナバコンデンサ
33に流れ込みスナバコンデンサ33を充電する。な
お、クランプコンデンサ36は所定の電圧に充電されて
おり、スナバコンデンサ33の充電電圧がこのクランプ
コンデンサ36の充電電圧に達するまではクランプコン
デンサ36側には電流は流れ込まない。このとき、スナ
バ回路内の寄生インダクタンス34によりスパイク電圧
が発生するため、スナバ回路内の寄生インダクタンス3
4は素子仕様を満足する程度に抑制しなければならない
のは前述したとおりである。さらに、スナバコンデンサ
33の充電が進みクランプコンデンサ36の充電電圧を
超えた時点で、クランプコンデンサ36の充電が開始さ
れる。このとき、図示した各寄生インダクタンスとクラ
ンプコンデンサ36およびスナバコンデンサ33で構成
する閉路において、LC共振が発生し、クランプコンデ
ンサ36とスナバコンデンサ33との間で充放電を繰り
返す。このとき変動するスナバコンデンサ33の電圧が
GTO31にも印加されるため、GTO31の最大印加
電圧はこのLC共振のモードで決定されることになる。
LC共振の振幅は、寄生インダクタンスの値に大きく依
存しており、GTO31の最大印加電圧を抑制するため
には、この閉ループ内の寄生インダクタンス値を抑制す
ることが必要となる。
【0065】図21(2)においては、閉路が平滑コン
デンサ40を含むようになるため、考慮すべき寄生イン
ダクタンスが増大する。図21(1)に示すクランプコ
ンデンサは、平滑コンデンサ40より高い電圧に充電す
る必要があるのに対し、図21(2)に示すクランプコ
ンデンサは、平滑コンデンサ40より低い電圧に充電す
るだけでよく、コストを含めた実装という観点からいう
と、図21(2)の方式が有利となる。しかし、寄生イ
ンダクタンスについては、図21(1)の方式より、大
きくなる傾向があるため、本発明をこのような閉ループ
を構成する配線導体に適用することは極めて有用とな
る。
【0066】このように、半導体スイッチング素子を直
接含まない閉路上の配線導体に対しても本発明は適用可
能である。特に、クランプコンデンサ部など接続先の両
端が離れてしまい、往復電流による磁束打ち消しすなわ
ち寄生インダクタンスの低減を期待できない配線導体に
対して、インダクタンス低減効果を発揮する。もちろ
ん、直列多重で使用する半導体スイッチング素子の場合
は、他の半導体スイッチング素子がターンオフする際
に、電流変化を生じ半導体スイッチング素子の最大印加
電圧を決定する閉ループを構成する配線導体に対し、配
線導体の板厚方向に対する投影面と重なる部分と重なら
ない部分をもつ導体を配置することで、配線導体上の寄
生インダクタンスを低減することができ、この結果とし
て半導体スイッチング素子の最大印加電圧を抑制するこ
とが可能となる。このとき、導体上に残留電荷が生じる
ことを防ぐために、少なくとも一点で近接した配線導体
あるいは他の電位と固定してもよく、さらに、配線導体
と導体を固定するために絶縁物を挾み込んでもよいこと
は言うまでもない。
【0067】実施例12 この発明の第12の実施例を図24に基づいて説明す
る。図24はアノードリアクトルを設けない3レベルイ
ンバータの構成図であり、GTO31a〜31dと、サ
ージ電圧を吸収するためのスナバダイオード32a,3
2d及びスナバコンデンサ33a,33dからなるスナ
バ回路と、平滑コンデンサ40a,40bと、クランプ
ダイオード38a,38bとから構成される。図ではフ
リーホィールダイオードを省略している。また、半導体
スイッチング素子としてGTOを図示しているが、アノ
ードリアクトルを設けない回路でdi/dtが定格以内
であれば、IGBTなど如何なる素子でもよい。
【0068】平滑コンデンサと半導体スイッチング素子
との間の配線に寄生する配線インダクタンス43a〜4
3cの値をLとし、半導体スイッチング素子がターンオ
フした際に許可できるLの値を考える。このとき、スナ
バ回路に設けたスナバコンデンサ33aの容量をCs,
平滑コンデンサ40a,40bの直流入力電圧を各々V
dcとする。また、半導体スイッチング素子を介して負
荷に供給する電流をIとし、図24(1)のようにGTO3
1a,31b がon状態にあるとすると、GTO31aをターンオ
フした際に、スナバコンデンサ33aに充電される充電
電圧Vcsは、
【0069】
【数7】
【0070】と表わせる。これは、ターンオフ直後の電
流経路が(2)のようになり、寄生インダクタンス43
aのエネルギーが全てコンデンサの充電電圧となる。さ
らに、定常状態に近づくと、今度は寄生インダクタンス
43bにエネルギーを蓄積することになるため、この分
もまたVcsに加算される。また、このVcsがGTO31a
に印加されることになるため、GTO31aの最大定格電圧を
Vmax とすると、
【0071】
【数8】
【0072】を満足する必要があることになる。具体的
には、Vdc=3000V,遮断電流I=6000A,
Cs=3μF,Vmax =6000Vとすると、Vcs≦
Vmaxを満たすためには、L≦0.75μH となる。こ
のようにVdcが高い場合、絶縁距離を確保するため直
流電源部の配線同士を近づけることができない。このよ
うな場合に、本発明の配線方式を用いれば、インダクタ
ンスの低減が可能である。もちろん、2レベルインバー
タを初めとする他のマルチレベルインバータにも適用可
能であることは言うまでもない。
【0073】なお本発明によれば、Vdc≧3000V
かつI/Csが1000A/1μF以上の場合、すなわ
ち従来、配線インダクタンスの低減により、半導体スイ
ッチング素子に印加される電圧を抑えることができなか
った場合において、(数1)を満たすLの値以下に配線
インダクタンスを小さくすることができる。
【0074】実施例13 この発明の第13の実施例を図25に基づいて説明す
る。図25はスナバ回路を設けない3レベルインバータ
の構成図であり、GTO31a〜31d と、平滑コンデンサ40
a,40bと、クランプダイオード38a,38bとか
ら構成される。図ではフリーホィールダイオードを省略
している。また、半導体スイッチング素子としてGTO
を図示しているが、IGBTなど如何なる素子でもよ
い。
【0075】平滑コンデンサと半導体スイッチング素子
との間の配線に寄生する配線インダクタンス43a〜4
3cの値をLとし、半導体スイッチング素子がターンオ
フした際に許容できるLの値を考える。このとき、平滑
コンデンサ40a,40bの直流入力電圧を各々Vd
c、また、半導体スイッチング素子のターンオフ時にお
ける電流下降率の最大傾きをdi/dtとし、図25
(1)のようにGTO31a,31bがon状態にあるとする
と、GTO31aをターンオフした際に、スナバコンデンサ3
3aに印加される電圧の最大値をVmax とすると、
【0076】
【数9】
【0077】を満足する必要がある。この場合も図24
と同様にGTO31aのターンオフ後は、寄生インダクタンス
43bにエネルギー蓄積されるため、この分の電圧も半
導体スイッチング素子に印加される。具体的には、Vd
c=3000V,di/dt=3×1010A/s,Vma
x =6000Vとすると、半導体スイッチング素子に印
加される電圧をVmax以下とするためには、L≦0.5μ
Hとなる。このように大幅なインダクタンス低減が必要
な場合には、往復導体を近接させる配線方式に加え本発
明の配線方式を用いれば実現可能である。もちろん、2
レベルインバータを初めとする他のマルチレベルインバ
ータにも適用可能である。
【0078】なお本発明によれば、Vdc≧3000V
かつI/Csが1000A/1μF以上の場合、すなわ
ち従来、配線インダクタンスの低減により、半導体スイ
ッチング素子に印加される電圧を抑えることができなか
った場合において、(数2)を満たすように配線インダ
クタンスを小さくすることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、配線インダクタンスを
低減でき、自己消弧型半導体素子のターンオフ時におけ
るサージ電圧を抑制できる。このため、コンデンサ容量
を小さくできることになり、損失を低減することができ
る。また、誘導電流により磁束を打ち消すため、シール
ド効果があり、周辺への磁束漏れを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である電力変換器の配線
導体を示す。
【図2】第1の導体に近接して第2の導体を配置した構
造モデルである。
【図3】第1の導体と第2の導体間距離によるインダク
タンス特性を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例である電力変換器の配線
導体を示す。
【図5】第1の導体に近接して第2の導体を配置した構
造モデルである。
【図6】第1の導体と第2の導体の配置方法によるイン
ダクタンス特性を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施例である電力変換器の配線
導体を示す。
【図8】第1の導体と第2の導体の配置方法によるイン
ダクタンス特性を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施例である電力変換器の配線
導体を示す。
【図10】スリットを入れた第2の導体を第1の導体に
近接した配線導体配置図である。
【図11】第2の導体厚さとインダクタンスの関係を示
す図である。
【図12】第1の導体と第2の導体の配置方法によるイ
ンダクタンスの周波数特性を示す図である。
【図13】本発明の第5の実施例である電力変換器の配
線導体を示す。
【図14】本発明の第6の実施例である電力変換器の配
線導体を示す。
【図15】本発明の第7の実施例である電力変換器の配
線導体を示す。
【図16】第1の導体と第2の導体の固定方法を示す配
線導体実装図である。
【図17】本発明の第8の実施例である電力変換器の配
線導体を示す。
【図18】本発明の第9の実施例である電力変換器の配
線導体を示す。
【図19】本発明の第10の実施例であるスナバ回路に
おける実装図である。
【図20】本発明の第11の実施例であるクランプ回路
における実装側面図である。
【図21】半導体スイッチング素子をターンオフした際
に電流変化が生じる配線部分を示す回路図である。
【図22】従来の電力変換器の構成例を示す図である。
【図23】自己消弧型半導体素子に適用する従来のスナ
バ回路及びクランプ回路の動作を説明する図である。
【図24】アノードリアクトルを必要としない自己消弧
型半導体素子のターンオフ時のスナバ回路を含めた回路
動作を説明する図である。
【図25】スナバ回路を必要としない自己消弧型半導体
素子のターンオフ時の回路動作を説明する図である。
【図26】インダクタンスを低減するための従来の配線
実装を示す図である。
【符号の説明】
1,11,12…第1の導体、2,21,22…第2の
導体、3…絶縁物、4…絶縁材、5…導電性ネジ、6…
絶縁性ネジ、7…スペーサ、8…絶縁性スペーサ、3
1,31a〜31d…GTO、32,32a,32d…
スナバダイオード、33,33a,33d…スナバコン
デンサ、34…スナバ回路内寄生インダクタンス、35
…ダイオード、36…クランプコンデンサ、37…クラ
ンプ回路内寄生インダクタンス、38,38a,38b
…クランプダイオード、39…冷却フィン、40,40
a,40b…平滑コンデンサ、41…平滑回路内寄生イ
ンダクタンス、42…クランプダイオード部寄生インダ
クタンス、43a〜43c…直流電源−半導体スイッチ
ング素子間寄生インダクタンス、91…電流方向(紙面
裏側から表側方向)、92…電流方向(紙面表側から裏
側方向)、101…交流電源、102…コンバータ(1
相分)、103…平滑コンデンサ、104…インバータ
(1相分)、105…交流電動機。

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体スイッチング素子により負荷電流を
    制御する電力変換器において、前記半導体スイッチング
    素子を通電または遮断する制御に伴い電流変化を生じる
    第1の導体に近接して、前記第1の導体の電流変化に応
    じて誘導電流を生じる第2の導体を、近接配置する配線
    を備えることを特徴とする電力変換器。
  2. 【請求項2】半導体スイッチング素子により負荷電流を
    制御する電力変換器において、前記半導体スイッチング
    素子を通電または遮断する制御に伴い電流変化を生じる
    第1の導体に近接して、前記第1の導体の電流変化に応
    じて誘導電流を生じる第2の導体を配置し、さらに前記
    第1の導体と前記第2の導体を少なくとも一点で電気的
    に接続したことを特徴とする電力変換器。
  3. 【請求項3】半導体スイッチング素子により負荷電流を
    制御する電力変換器において、前記半導体スイッチング
    素子を通電または遮断する制御に伴い電流変化を生じる
    第1の導体に近接して第2の導体を配置し、さらに前記
    第1の導体と前記第2の導体を少なくとも一点で電気的
    に接続したことを特徴とする電力変換器。
  4. 【請求項4】交流を直流に変換する、第1の半導体スイ
    ッチング素子を備えたコンバータ部と、前記直流を平滑
    する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサにより平滑
    された直流を交流に逆変換する、第2の半導体スイッチ
    ング素子を備えたインバータ部とを有する電力変換器に
    おいて、 前記平滑コンデンサと前記コンバータ部または前記イン
    バータ部とを直接または他の部材を介して接続する幅広
    な第1の導体の一部または全区間で、前記第1の導体の
    板厚方向に対する投影面と少なくとも一部で重なり且つ
    少なくとも一部で重ならない部分を有する第2の導体を
    前記第1の導体に近接して配置し、前記第2の導体の少
    なくとも一点を前記第1の導体と電気的に接続したこと
    を特徴とする電力変換器。
  5. 【請求項5】交流を直流に変換する、第1の半導体スイ
    ッチング素子を備えたコンバータ部と、前記直流を平滑
    する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサにより平滑
    された直流を交流に逆変換する、第2の半導体スイッチ
    ング素子を備えたインバータ部とを有する電力変換器に
    おいて、 前記平滑コンデンサと前記コンバータ部または前記イン
    バータ部を直接または他の部材を介して接続する幅広な
    第1の導体の一部または全区間で、前記第1の導体と同
    一幅の第2の導体を、前記第1の導体の板厚方向に対す
    る投影面と前記第1の導体の幅に対して10%から60
    %の範囲で重なるように、前記第1の導体に近接して配
    置し、前記第2の導体の少なくとも一点を前記第1の導
    体と電気的に接続したことを特徴とする電力変換器。
  6. 【請求項6】交流を直流に変換する、第1の半導体スイ
    ッチング素子を備えたコンバータ部と、前記直流を平滑
    する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサにより平滑
    された直流を交流に逆変換する、第2の半導体スイッチ
    ング素子を備えたインバータ部とを有する電力変換器に
    おいて、 前記平滑コンデンサと前記コンバータ部あるいは前記イ
    ンバータ部とを直接または他の部材を介して接続し且つ
    電流が逆向きで互いに磁束を打ち消し合うように平行に
    配置された2枚の幅広な第1の導体の一部または全区間
    で、前記第1の導体の板厚方向に対する投影面と少なく
    とも一部で重なり且つ少なくとも一部で重ならない部分
    を有する少なくとも1枚の第2の導体を、前記第1の導
    体に近接して配置し、前記第2の導体の少なくとも一点
    を前記第1の導体と電気的に接続したことを特徴とする
    電力変換器。
  7. 【請求項7】交流を直流に変換する、第1の半導体スイ
    ッチング素子を備えたコンバータ部と、前記直流を平滑
    する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサにより平滑
    された直流を交流に逆変換する、第2の半導体スイッチ
    ング素子を備えたインバータ部とを有する電力変換器に
    おいて、 前記半導体スイッチング素子のターンオン時あるいはタ
    ーンオフ時に、電流変化を生じる幅広な第1の導体の一
    部または全区間で、前記第1の導体の板厚方向に対する
    投影面と少なくとも一部で重なり且つ少なくとも一部で
    重ならない部分を有する第2の導体を近接して配置し、
    前記第2の導体の少なくとも一点を前記第1の導体と電
    気的に接続したことを特徴とする電力変換器。
  8. 【請求項8】直流入力電圧Vdcが3kV以上で、且つ
    定格電圧Vmax の半導体スイッチング素子の遮断電流I
    sと前記半導体スイッチング素子のサージ電圧を吸収す
    るスナバコンデンサ容量Csとの比Is/Csが1kA
    /1μF以上である請求項1から7のうちいずれか1項
    に記載の電力変換器において、直流電源と前記半導体ス
    イッチング素子との間の配線インダクタンスL及び前記
    スナバコンデンサ容量Csの比が 【数1】 を満足する電力変換器。
  9. 【請求項9】定格電圧Vmax 及び遮断時における電流下
    降率の最大傾きがdi/dtである半導体スイッチング
    素子を有し、直流入力電圧Vdcが3kV以上である請
    求項1から7のうちいずれか1項に記載の電力変換器に
    おいて、直流電源と前記半導体スイッチング素子との間
    の配線インダクタンスLが 【数2】 を満足する電力変換器。
  10. 【請求項10】前記第2の導体は、前記第1の導体との
    最短距離が3mm以下であることを特徴とする請求項1か
    ら9のうちいずれか1項に記載の電力変換器。
  11. 【請求項11】前記第1の導体の板厚方向に対する投影
    面で前記第2の導体と重なる幅が前記第1の導体幅の1
    0%以上であることを特徴とする請求項1〜4及び6〜
    10のうちいずれか1項に記載の電力変換器。
  12. 【請求項12】前記第1の導体の板厚方向に対する投影
    面で前記第2の導体と重ならない幅が前記第1の導体幅
    の1/2以上であることを特徴とする請求項1から11
    のうちいずれか1項に記載の電力変換器。
  13. 【請求項13】前記第2の導体は厚さが1mm以上である
    ことを特徴とする請求項1から12のうちいずれか1項
    に記載の電力変換器。
  14. 【請求項14】前記第2の導体の厚さは、前記第1の導
    体の厚さよりも薄いことを特徴とする請求項1から13
    のうちいずれか1項に記載の電力変換器。
  15. 【請求項15】前記第2の導体は、前記第1の導体の板
    厚方向に対する投影面で、少なくとも一部で重なる部分
    を有し且つ前記第1の導体の板幅方向に対する少なくと
    も一方の端部を折曲げたことを特徴とする請求項1から
    14のうちいずれか1項に記載の電力変換器。
  16. 【請求項16】請求項1から15のうちいずれか1項に
    記載の前記第2の導体において、少なくとも一つのスリ
    ットを設けたことを特徴とする電力変換器。
  17. 【請求項17】前記第2の導体と前記第1の導体は絶縁
    物を介して固定することを特徴とする請求項1から16
    のうちいずれか1項に記載の電力変換器。
  18. 【請求項18】前記第2の導体と前記第1の導体は、導
    電性の接続手段と絶縁性の接続手段とを併用して固定す
    ることを特徴とする請求項17項に記載の電力変換器。
  19. 【請求項19】直流入力電圧Vdcが3kV以上で、且
    つ定格電圧Vmax の半導体スイッチング素子の遮断電流
    Isと前記半導体スイッチング素子のサージ電圧を吸収
    するスナバコンデンサ容量Csとの比Is/Csが1k
    A/1μF以上である電力変換器において、直流電源と
    前記半導体スイッチング素子との間の配線インダクタン
    スL及び前記スナバコンデンサ容量Csの比が 【数3】 を満足する電力変換器。
  20. 【請求項20】定格電圧Vmax 及び遮断時における電流
    下降率の最大傾きがdi/dtである半導体スイッチン
    グ素子を有し、直流入力電圧Vdcが3kV以上である
    電力変換器において、直流電源と前記半導体スイッチン
    グ素子との間の配線インダクタンスLが 【数4】 を満足する電力変換器。
  21. 【請求項21】半導体スイッチング素子により負荷電流
    を制御する電気機器において、前記半導体スイッチング
    素子の通電または遮断する制御に伴い電流変化を生じる
    第1の導体に近接して、前記第1の導体の電流変化に応
    じて誘導電流を生じる第2の導体を配置し、さらに前記
    第1の導体と前記第2の導体を少なくとも一点で電気的
    に接続したことを特徴とする電気機器。
  22. 【請求項22】前記第1の導体の板厚方向に対する投影
    面で前記第2の導体と重なる幅が前記第1の導体幅の1
    0%以上であることを特徴とする請求項21に記載の電
    気機器。
  23. 【請求項23】前記第2の導体と前記第1の導体は絶縁
    物を介して固定することを特徴とする請求項21または
    請求項22に記載の電気機器。
  24. 【請求項24】前記第2の導体と前記第1の導体は絶縁
    物を介して固定することを特徴とする請求項21または
    請求項22または請求項23に記載の電気機器。
  25. 【請求項25】交流を直流に変換する、第1の半導体ス
    イッチング素子を備えたコンバータ部と、前記直流を平
    滑する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサにより平
    滑された直流を交流に逆変換する、第2の半導体スイッ
    チング素子を備えたインバータ部とを有する電力変換器
    の製造方法において、回路構成部品を接続する幅広な第
    1の導体の一部または全区間で、前記第1の導体の板厚
    方向に対する投影面で少なくとも一部で重なり且つ少な
    くとも一部で重ならない部分を有する第2の導体を前記
    第1の導体に近接して配置,固定し、前記第1の導体と
    前記第2の導体とを電気的に接続することを特徴とする
    電力変換器の製造方法。
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