JPH10306715A - エンジンオイルフィルター装置 - Google Patents

エンジンオイルフィルター装置

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Publication number
JPH10306715A
JPH10306715A JP13619797A JP13619797A JPH10306715A JP H10306715 A JPH10306715 A JP H10306715A JP 13619797 A JP13619797 A JP 13619797A JP 13619797 A JP13619797 A JP 13619797A JP H10306715 A JPH10306715 A JP H10306715A
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JP
Japan
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oil
filter
engine
chamber
passage
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Application number
JP13619797A
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English (en)
Inventor
Taku Noda
卓 野田
Masuhiko Kawamura
益彦 川村
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油を交換することなく長期間継続使用出来る
ようにして、捕捉した混合物を部屋の一部に貯留して、
フィルター材の交換を不要にすること。 【解決手段】 エンジン1に油を供給する油供給通路1
1に開口し前記エンジン1に供給される油の一部を導く
導入通路2と、目の粗いフィルター材によって包囲さ
れ、前記導入通路2によって導かれた前記油中の混合物
を捕捉して一部に貯留する第1の部屋31と、目の細か
いフィルター材によって包囲され、前記第1の部屋の前
記目の粗いフィルター材を通過した前記油中の混合物を
捕捉して一部に貯留する第2の部屋32とから成るフィ
ルター本体3と、該第1の部屋31に形成された戻り口
に連通し、前記油供給通路の前記導入口より下流側の静
圧のみ作用する部位に開口した戻り通路4と、前記第2
の部屋の目の細かいフィルター材を通過した前記油を排
出する排出通路5とから成るエンジンオイルフィルター
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、供給される油の動
圧と静圧によってエンジンに供給される油の一部が導か
れ、目の粗いフィルター材によって包囲された第1の部
屋において導かれた前記油中の混合物を捕捉して一部に
貯留され、目の細かいフィルター材によって包囲された
第2の部屋において前記目の粗いフィルター材を通過し
た前記油中の混合物を捕捉して一部に貯留され、前記目
の細かいフィルター材を通過した前記油が排出されるエ
ンジンオイルフィルター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のエンジンオイルフィルター装置
は、ガソリンエンジンに主として用いられるもので、図
15に示されるようにエンジンEに油を供給する油供給
通路Sに、濾紙によって構成されるオイルフィターエレ
メントFが配設され、エンジンに供給されるオイルの全
量を濾過し、オイル中の混合物その他の異物を捕捉する
フルフロータイプのものであった。
【0003】またその他の従来のエンジンオイルフィル
ター装置は、一部のディーゼルエンジンに用いられるも
ので、図16に示されるようにエンジンEに油を供給す
る油供給通路Sに、目の粗い濾紙によって構成される第
1のオイルフィターエレメント1Fが配設され、エンジ
ンに供給されるオイルのほぼ全量を濾過し、オイル中の
混合物その他の異物を捕捉するとともに、目の細かい濾
紙によって構成される第2のオイルフィターエレメント
2Fが配設され、エンジンに供給されるオイルの一部を
濾過し、オイル中の混合物その他の異物を捕捉するもの
で、所謂ツインエレメントタイプのものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のいずれのエ
ンジンオイルフィルター装置も、エンジンEに供給され
るオイルのほぼ全量を濾紙によって構成されるオイルフ
ィターエレメントF、1Fおよび2Fによって濾過し、
オイル中の混合物その他の異物を捕捉するものであるの
で、捕捉された異物が大量に堆積するため、一定期間の
定期的なオイルフィターエレメントの交換が必要である
という問題があった。
【0005】また前記オイルフィターエレメントF、1
F、2Fは、濾紙によって構成されているので、使用オ
イル中に含まれる燃焼生成物(硫酸塩、硝酸エステル、
スーツ)や、スラッジ(0.1〜1μm)等は完全に捕
捉することが出来ないため、オイルの劣化および汚れは
避けられないことより、定期的なオイルの交換が必要で
あるという問題があった。
【0006】そこで本発明者らは、エンジンに供給され
る油の一部が導かれ、目の粗いフィルター材によって包
囲された第1の部屋において導かれた前記油中の混合物
を捕捉して一部に貯留され、目の細かいフィルター材に
よって包囲された第2の部屋において前記目の粗いフィ
ルター材を通過した前記油中の混合物を捕捉して一部に
貯留され、前記目の細かいフィルター材を通過した前記
混合物が除去された前記油が排出されるという本発明の
技術的思想に着眼し、さらに研究開発を重ねた結果、油
を交換することなく長期間継続して使用出来るようにす
るとともに、捕捉した混合物を前記第1および第2の部
屋の一部に貯留して有効フィルター面積を長期に亘り確
保することにより、フィルター材の交換を不要にすると
いう目的を達成するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記
載)のエンジンオイルフィルター装置は、エンジンに油
を供給する油供給通路と、供給される油の動圧と静圧が
作用するように前記油供給通路に開口し、エンジンに供
給される油の一部を導く導入口と、目の粗いフィルター
材によって包囲され、前記導入口によって導かれた前記
油中の混合物を捕捉して一部に貯留する第1の部屋と、
該第1の部屋に形成された戻り口に連通し、前記油供給
通路の前記導入口より下流側の静圧のみ作用する部位に
開口した戻り通路と、目の細かいフィルター材によって
包囲され、前記第1の部屋の前記目の粗いフィルター材
を通過した前記油中の混合物を捕捉して一部に貯留する
第2の部屋と、前記第2の部屋の目の細かいフィルター
材を通過した前記油を排出する排出口とから成るもので
ある。
【0008】(作用)上記構成より成る第1発明のエン
ジンオイルフィルター装置は、前記油供給通路がエンジ
ンに油を供給し、供給される油の動圧と静圧が作用する
ように前記油供給通路に開口した前記導入口がエンジン
に供給される油の一部を導き、前記目の粗いフィルター
材によって包囲された前記第1の部屋が前記導入口によ
って導かれた前記油中の混合物を捕捉して一部に貯留
し、前記第1の部屋に形成された戻り口に連通して前記
油供給通路の前記導入口より下流側の静圧のみ作用する
部位に開口した戻り通路が前記第1の部屋内の油を前記
油供給通路に戻し、前記目の細かいフィルター材によっ
て包囲された前記第2の部屋が前記第1の部屋の前記目
の粗いフィルター材を通過した前記油中の混合物を捕捉
して一部に貯留するとともに、前記第2の部屋の目の細
かいフィルター材を通過した前記油が前記排出口から排
出される。
【0009】
【発明の効果】上記作用を奏する第1発明のエンジンオ
イルフィルター装置は、前記油供給通路内を供給される
油の動圧と静圧により前記エンジンに供給される油の一
部が前記第1の部屋内に導かれ、前記第1の部屋の前記
目の粗いフィルター材によって導入された前記油中の混
合物を捕捉して一部に貯留するとともに、前記戻り通路
が前記第1の部屋内の油を前記油供給通路に戻し、前記
第2の部屋の前記目の細かいフィルター材によって前記
目の粗いフィルター材を通過した前記油中の混合物を捕
捉して一部に貯留するとともに、前記第2の部屋の目の
細かいフィルター材を通過した前記油が前記排出口から
排出されるので、油を交換することなく長期間継続して
使用出来るようにするとともに、捕捉した混合物を前記
第1および第2の部屋の一部に貯留して有効フィルター
面積を長期に亘り確保することにより、フィルター材の
交換を不要にするという効果を奏する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につき、
図面を用いて説明する。
【0011】(第1実施形態)本第1実施形態のエンジ
ンオイルフィルター装置は、図1ないし図7に示される
ようにエンジン1に油を供給する油供給通路11と、該
油供給通路11に開口し前記エンジン1に供給される油
の一部を導く導入通路2と、目の粗いフィルター材によ
って包囲され、前記導入通路2によって導かれた前記油
中の混合物を捕捉して一部に貯留する第1の部屋31
と、目の細かいフィルター材によって包囲され、前記第
1の部屋の前記目の粗いフィルター材を通過した前記油
中の混合物を捕捉して一部に貯留する第2の部屋32と
から成るフィルター本体3と、該第1の部屋31に形成
された戻り口に連通し、前記油供給通路の前記導入口よ
り下流側の静圧のみ作用する部位に開口した戻り通路4
と、前記第2の部屋の目の細かいフィルター材を通過し
た前記油を排出する排出通路5とから成るものである。
【0012】前記潤滑システムは、図1に示されるよう
に潤滑油が貯留されるタンク10と、潤滑油を利用する
潤滑油利用装置としてのエンジン1と、前記タンク10
と前記潤滑油利用装置1とを連絡する油供給通路11
と、該通路11に配設されたポンプ12とから成る。
【0013】本第1実施形態においては、前記潤滑油利
用装置が自動車用のエンジンであり、前記ポンプ12か
ら前記油供給通路11に配設されたメインフィルター1
4を介して供給された潤滑油がエンジン内のピストンお
よびシリンダー間、軸受けその他の各部を循環して該各
部の潤滑を図った潤滑油が通路13を介してオイルパン
によって構成される前記タンク10に戻るように構成さ
れている。
【0014】前記油供給通路11から分岐して前記タン
ク10に連通するバイパス通路としての導入通路2が形
成され、前記油供給通路11において供給される油の動
圧と静圧との全圧が作用するように前記油の流れの方向
に対向して開口部21が開口し、エンジン1に供給され
る油の一部を前記フィルター本体3の一端に配設された
導入口35を介して前記第1の部屋31内に導くように
接続されている。
【0015】前記フィルター本体3は、中空円筒体のケ
ース30によって構成され、前記導入口32側の一端に
配設された目の粗い第1の半球状のフィルター部材33
によって包囲され、前記導入口35から導かれた前記油
中の混合物を捕捉して下部に貯留する第1の部屋31が
形成されている。
【0016】前記第1の半球状のフィルター部材33
は、1μmの粒子を捕捉可能なフィルター網目に設定さ
れ、前記導入口35が接線方向になるように配設されて
いるので、導入された油は前記第1の半球状のフィルタ
ー部材33の球状の内壁面に沿って旋回するように構成
されている。
【0017】前記第1の半球状のフィルター部材33
は、前記導入口35に対向する上方領域33Cは、前記
油の流速が大きく、スラッジなどは貯まりにくく、後述
する戻り口41に対向する下方領域33Dにおいては下
方に行くに従い前記油の流速が小さくなり、かつ重力の
作用の作用でスラッジなどが貯まるように構成されてい
る。
【0018】前記中空円筒体のケース30の略中央部に
配設された目の細かい第2の半球状のフィルター部材3
4によって包囲され、前記第1の部屋31の前記目の粗
いフィルター部材33を通過した前記油中の混合物を捕
捉して下部に貯留する第2の部屋32とから成る。前記
第2の半球状のフィルター部材34は、0.1μmの粒
子を捕捉可能なフィルター網目に設定されている。
【0019】前記第2の半球状のフィルター部材34に
おける目の細かいフィルター網目においては、全体に油
の流速が小さいが、前記フィルター本体3を水平に配設
することにより、重力および前記エンジンの振動により
スラッジ等に下部に貯まるように構成されている。
【0020】前記戻り通路4は、前記中空円筒体のケー
ス30の一端に形成され、前記第1の部屋31に開口し
た戻り口41に連通し、前記第1の部屋31内に前記導
入口35より導入された前記油の積極的な流れを形成す
るために前記油供給通路11の前記開口部21より下流
側の静圧のみ作用する部位に戻り出口42が開口してい
る。前記戻り口41には、スラッジその他を吸い込まな
いようにバッフルプレート43が配設されている。
【0021】前記排出通路5は、前記中空円筒体のケー
ス30の他端に形成され、前記第2の部屋の目の細かい
フィルター部材34を通過した前記油を排出する排出口
51と、オイルパンのようなタンク10に濾過された油
を還流するように構成されている。
【0022】前記フィルター本体3内に並設される第1
および第2の半球状のフィルター部材33、34は、3
次元架橋構造を有する親油性ポリマー材料から成る濾過
膜6によって構成され、前記ポンプ12から前記導入通
路2を介して供給される潤滑油の一部を濾過して前記タ
ンク1に還流するように構成されている。
【0023】本第1実施形態における非水系有機液体用
の前記濾過膜6は、特願平7−317408に詳述され
るような三次元架橋構造を有する親油性ポリマー材料か
らなる。図6に示されるように、親油性ポリマー材料の
分子61は、それぞれ3個所以上の架橋点62で分子相
互間に架橋して上記三次元架橋構造を形成している。三
次元架橋構造の架橋間空隙63には、該架橋間空隙63
を通過可能な非水系有機液体の分子64が充填されてい
る。
【0024】親油性ポリマー材料は、図7に示すごと
く、高分子保持材66と、この裏面に貼着して、濾過膜
の形状を略一定に保持する裏打ち材67とからなる支持
部材により支持されている。高分子保持材66及び裏打
ち材67の内部には、親油性ポリマー材料の分子61が
含浸されている。親油性ポリマー材料は、ブタジエンゴ
ムである。
【0025】例えば圧力5kg/cm2 で加圧されるこ
とにより、所定の高圧が作用する高圧側を構成する高分
子保持材66としては、ガラス繊維濾紙(GC50,東
洋濾紙社製)を用いた。低圧側を構成する裏打ち材67
としては、CMF(Y100A,東洋濾紙社製)を用い
た。本例の非水系有機液体用濾過膜6の全体膜厚は、
0.4mmである。
【0026】次に、上記非水系有機液体用濾過膜6の製
造方法について以下説明する。まず、親油性ポリマー材
料としてのブタジエンゴム(JSR−BR71)と、架
橋剤としてのベンゾイルパーオキサイドと、非水系有機
液体としての合成潤滑油(SHF61,モービル石油社
製)とを準備した。この合成潤滑油の主成分は、ポリア
ルファオレフィンオリゴマーである。次いで、上記ブタ
ジエンゴム0.067gとベンゾイルパーオキサイド
0.007gとジビニルベンゼン0.03gと合成潤滑
油1.25gとをトルエンに溶解して、これをトルエン
溶液とした。
【0027】次いで、このトルエン溶液を、裏打ち材と
しての直径47mmのCMF及び高分子保持材としての
直径47mmのガラス繊維濾紙(GC50)と共に、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)製ペトリ皿に入
れた。このペトリ皿を2口セパラブルフラスコ中で水浴
上95℃で窒素を通しつつ4時間過熱した。これによ
り、ブタジエンゴムの架橋反応を行った。反応終了後、
硬化した濾過膜をペトリ皿から取り出した。
【0028】前記濾過膜6の透過流束と面積は、システ
ム中の全潤滑油量L(ml)と潤滑油の交換時間T(h
r)を考慮して決定される濾過流量F(ml/hr)を
実現するように設定されている。
【0029】すなわち、前記交換時間(T)は、自動車
エンジンのように、運転に伴って潤滑油中に異物が混入
したり、運転中に酸化等によってスラッジが生成する等
によってある指定時間(T)だけ運転すると交換しなけ
ればならない従来の交換時間がこれに相当する。
【0030】前記濾過流量F(ml/hr)は、前記半
球状のフィルター部材を構成する前記濾過膜6を通過し
て濾過される流量で、下記の数式の関係を満たすように
設定される。 F≧L/T 上記数式が満たされると、システム中の潤滑油は、使用
に伴う飛散および蒸発等による消失量を補うだけで、油
の交換無しで継続使用することが出来る。
【0031】上記構成より成る第1実施形態のエンジン
オイルフィルター装置は、前記タンク10と前記潤滑油
利用装置としてのエンジン1とを連絡する前記油連絡通
路11に配設された前記ポンプ12により前記タンク1
0から潤滑油が前記潤滑油利用装置1を構成する前記自
動車エンジン内のピストンおよびシリンダー間、軸受け
その他の各部を循環して該各部の潤滑を図り、この潤滑
油が前記通路13を介して前記タンク10に戻る。
【0032】前記ポンプ12から供給される潤滑油の一
部が、前記ポンプ12と前記エンジン1とを連通する前
記油連絡通路11中を供給される油の全圧を利用して、
前記油連絡通路11から分岐して前記タンク10に連通
する前記バイパス通路2、5に配設された前記フィルタ
ー本体3内に並設された3次元架橋構造を有する親油性
ポリマー材料から成るとともに前記設定された透過流束
と面積の前記濾過膜6により、前記油中の混合物が除去
される。
【0033】すなわち、前記導入口31側の一端に配設
された1μmの目の粗い第1の半球状のフィルター部材
33によって、前記導入口35から導かれ導入された油
が前記第1の半球状のフィルター部材33の球状の内壁
面に沿って旋回して、前記油中の混合物が捕捉され、前
記フィルター部材33によって包囲された前記第1の部
屋31の下部に捕捉された前記混合物が貯留される。
【0034】前記第1の半球状のフィルター部材33の
前記導入口35に対向する前記上方領域33Cにおいて
は、前記油の流速が大きく、スラッジなどは貯まりにく
く、前記戻り口41に対向する下方領域33Dにおいて
は、下方に行くに従い前記油の流速が小さくなり、かつ
重力の作用および前記エンジンの振動により下部にスラ
ッジなどが貯留される。
【0035】前記導入口35から導かれ導入され前記第
1の半球状のフィルター部材33の球状の内壁面に沿っ
て旋回した油が、前記中空円筒体のケース30の一端に
形成され、前記第1の部屋31に開口した戻り口41か
ら、前記戻り通路4を介して前記油供給通路11の前記
開口部21より下流側の静圧のみ作用する部位に開口し
ている前記戻り出口42に戻される。前記戻り口41に
は、前記バッフルプレート43が配設され、前記戻り通
路4および前記油供給通路11内にスラッジその他は吸
い込まれない。
【0036】前記中空円筒体のケース30の他端に形成
された前記排出口51から、前記第2の部屋の目の細か
いフィルター部材34を通過した前記油が排出され、前
記排出通路5を介して、前記オイルパンによって構成さ
れる前記タンク10に濾過された油を還流する。
【0037】システム中の全潤滑油量Lと潤滑油の交換
時間Tを考慮して決定される流量の前記潤滑油が濾過さ
れ、濾過された該潤滑油が前記バイパス通路5を介して
前記タンク1に還流される。
【0038】次に、上記非水系有機液体用濾過膜6を用
いてエンジンオイルの濾過を以下の方法により行った。
まず、上記濾過膜6を、前記裏打ち材67が低圧側にな
るように加圧濾過器内に設置した。そして、その高圧側
に、濾過原液として15000km車両走行に使用した
エンジンオイルを入れた。エンジンオイルとしては、潤
滑油(商品名キャッスルクリーンSG,トヨタ自動車
(株)製)を用いた。この状態で濾過膜を、圧力5kg
/cm2 の圧縮空気で加圧した。約1時間後に、該濾過
膜60によって使用したエンジンオイルが濾過され、そ
の低圧側から清浄な油が流出した。
【0039】上記本第1実施形態の非水系有機液体用濾
過膜6は、図8に示されるように分子量1000を境に
して、それよりも大きいものと、それよりも小さいもの
とを精度良く濾別することができることがわかる。
【0040】上記作用を奏する第1実施形態のエンジン
オイルフィルター装置は、前記油供給通路11内を供給
される油の動圧により前記エンジン1に供給される油の
一部が前記第1の部屋31内に導かれ、前記第1の部屋
31の前記目の粗いフィルター材33によって導入され
た前記油中の混合物を捕捉するとともに、前記戻り通路
4が前記第1の部屋31内の油を前記油供給通路11に
戻し、前記第2の部屋32の前記目の細かいフィルター
材34によって前記目の粗いフィルター材33を通過し
た前記油中の混合物を捕捉することにより、前記第2の
部屋の目の細かいフィルター材を通過した前記油が前記
排出口から前記タンク1に排出還流されるので、油を交
換することなく長期間半永久的に継続して使用出来るよ
うにするという効果を奏する。
【0041】すなわち、前記第1の半球状のフィルター
部材33は、1μmの粒子を捕捉可能なフィルター網目
に設定されるとともに、前記第2の半球状のフィルター
部材34は、0.1μmの粒子を捕捉可能なフィルター
網目に設定されているので、半球状に形成して表面積を
拡大するとともに、滑らかな流れを形成し、使用オイル
中に含まれる燃焼生成物(硫酸塩、硝酸エステル、スー
ツ)や、スラッジ(0.1〜1μm)等をほぼ完全に捕
捉することが出来るとともに、オイルの劣化および汚れ
を回避することが出来るため、定期的なオイルの交換を
不要にして、平均的車の寿命である15万km/12年
の間におけるエンジンオイルの交換を不要にするもので
ある。
【0042】また上述のように、オイルの劣化および汚
れを回避するので、オイルの劣化および汚れによるオイ
ルの粘度上昇を抑制するため、結果的に燃費の悪化を阻
止するものである。
【0043】また第1実施形態のエンジンオイルフィル
ター装置は、全体を水平に配置して、前記目の粗いフィ
ルター材33によって捕捉するされた前記油中の混合物
を前記第1の部屋31の下部に貯留するとともに、前記
目の細かいフィルター材34によって前記目の粗いフィ
ルター材33を通過した前記油中の混合物を捕捉して前
記第2の部屋32の下部に貯留することが出来るという
効果を奏するとともに、2段階で前記油中の混合物を捕
捉して、フィルターの寿命を長くすることによって、油
を交換することなく長期間継続して使用出来るようにす
るとともに、捕捉した混合物を前記第1および第2の部
屋の一部に貯留して有効フィルター面積を長期(例えば
15万km/12年)に亘り確保することにより、フィ
ルター材の交換を不要にするという効果を奏する。
【0044】さらに第1実施形態装置は、前記潤滑油の
一部が、前記フィルター6の3次元架橋構造を有する親
油性ポリマー材料から成る前記濾過膜60により高い濾
過効率で濾過され、濾過された該潤滑油が前記タンク1
に還流されるので、潤滑油を長期間継続して使用出来る
ようにするという効果を奏する。
【0045】また第1実施形態装置は、前記バイパス通
路2、5に配設された前記濾過膜6の3次元架橋構造を
有する親油性ポリマー材料から成る前記膜により濾過さ
れ、濾過された該潤滑油が前記バイパス通路2、5を介
して前記タンク1に還流されるので、前記バイパス通路
2、5において前記潤滑油の濾過および還流を有効に行
うことが出来るという効果を奏する。
【0046】さらに第1実施形態装置は、前記濾過膜6
の透過流束と面積が、システム中の全潤滑油量Lと潤滑
油の交換時間Tを考慮して決定される濾過流量を実現す
るように設定されているので、濾過流量を制御する流量
制御弁その他の付加的手段を用いること無くシンプルな
構成により、潤滑油の交換を不要にするという効果を奏
する。
【0047】すなわち、上記数式に基づく濾過流量を実
現する前記透過膜6を備えたフィルター部材を用いれ
ば、図9において破線で示されるように使用期間が長期
にわたっても、使用している潤滑油中の不溶解分は一点
鎖線で示される使用限界値(従来のフィルターにおける
交換レベル)を越えることなく、半永久的に循環使用で
きるのである。
【0048】また第1実施形態装置は、前記タンク10
から潤滑油を利用する前記潤滑油利用装置1に供給され
る潤滑油の一部を3次元架橋構造を有する親油性ポリマ
ー材料から成る前記濾過膜6により高い濾過効率で濾過
し、該濾過した潤滑油を前記タンクに還流するので、潤
滑油を長期間継続して使用出来るようにするという効果
を奏する。
【0049】(第2実施形態)本第2実施形態のエンジ
ンオイルフィルター装置は、前記第1実施形態が前記第
1および第2のフィルター部材33、34を半球状の前
記濾過膜6によって構成するのに対して、図10に示さ
れるように楕円形状の濾過膜6を傾斜した上下領域とそ
の間を滑らかに接続する円弧状の領域が形成されるよう
に第1および第2のフィルター部材36、37を前記フ
ィルター本体3内に並設される点が主たる相違点であ
り、以下相違点を中心に説明する。
【0050】前記第1および第2のフィルター部材3
6、37は、図10に示されるように前記フィルター本
体3内に一定間隔で平行に並設され、一般に精密濾過
膜、ミクロ濾過膜と言われる有孔膜孔径1〜0.1μm
のメンブランフィルターによって構成されている。
【0051】上記作用を奏する第2実施形態のエンジン
オイルフィルター装置は、前記油供給通路11内を供給
される油の動圧と静圧により前記エンジンに1供給され
る油の一部が前記第1の部屋31内に導かれ、前記第1
の部屋31の前記目の粗いフィルター材36によって導
入された前記油中の混合物を捕捉するとともに、前記戻
り通路4が前記第1の部屋31内の油を前記油供給通路
11に戻し、前記第2の部屋32の前記目の細かいフィ
ルター材37によって前記目の粗いフィルター材36を
通過した前記油中の混合物を捕捉することにより、前記
第2の部屋の目の細かいフィルター材37を通過した前
記油が前記排出口51から前記タンク1に排出還流され
るので、油を交換することなく長期間半永久的に継続し
て使用出来るようにするという効果を奏する。
【0052】また第2実施形態のエンジンオイルフィル
ター装置は、前記目の粗いフィルター材36によって捕
捉するされた前記油中の混合物を前記第1の部屋31の
一部に貯留するとともに、前記目の細かいフィルター材
37によって前記目の粗いフィルター材36を通過した
前記油中の混合物を捕捉して前記第2の部屋32の一部
に貯留するので、油を交換することなく長期間継続して
使用出来るようにするとともに、捕捉した混合物を前記
第1および第2の部屋の一部に貯留して有効フィルター
面積を長期(例えば15万km/12年)に亘り確保す
ることにより、フィルター材の交換を不要にするという
効果を奏する。
【0053】さらに第2実施形態装置は、図10に示さ
れるように前記第1および第2のフィルター部材36、
37が、楕円形状の濾過膜6を傾斜した上下領域とその
間を滑らかに接続する円弧状の領域が形成されるように
前記フィルター本体3内に並設するものであるため、前
記半球状のフィルター部材を用いる前記第1実施形態に
比べて、フィルター部材の形状をシンプルにして、製造
を容易にして、コストダウンを可能にするという効果を
奏する。
【0054】(第3実施形態)本第3実施形態のエンジ
ンオイルフィルター装置は、前記第2実施形態が楕円形
状の濾過膜6を傾斜した上下領域とその間を滑らかに接
続する円弧状の領域が形成されるのに対して、図11に
示されるように第1および第2のフィルター部材38、
39を楕円形状の濾過膜6を直線的に傾斜した上下領域
より成る略V字状に前記フィルター本体3内に並設する
点が主たる相違点であり、以下相違点を中心に説明す
る。
【0055】前記第1および第2のフィルター部材3
8、39は、図11に示されるように前記フィルター本
体3内に一定間隔で平行に並設され、前記第1のフィル
ター部材38は、前記第2実施形態と同様に精密濾過
膜、ミクロ濾過膜と言われる有孔膜孔径約1μmのメン
ブランフィルターによって構成され、第2のフィルター
部材39は、孔径約0.1〜0.01μmの限外濾過膜
によって構成されている。
【0056】上記構成より成る第3実施形態のエンジン
オイルフィルター装置は、前記第2実施形態と同様に油
を交換することなく長期間半永久的に継続して使用出来
るようにするという効果を奏するとともに、捕捉した混
合物を前記第1および第2の部屋の一部に貯留して有効
フィルター面積を長期(例えば15万km/12年)に
亘り確保することにより、フィルター材の交換を不要に
するという効果を奏する。
【0057】さらに第3実施形態装置は、図11に示さ
れるように前記第1および第2のフィルター部材38、
39が、楕円形状の濾過膜6を直線的に傾斜した上下領
域より成る略V字状に前記フィルター本体3内に並設す
るものであるため、3つの領域より成るフィルター部材
を用いる前記第2実施形態に比べて、フィルター部材の
形状を一層シンプルにして、製造を容易にして、コスト
ダウンを可能にするという効果を奏する。
【0058】(第4実施形態)本第4実施形態のエンジ
ンオイルフィルター装置は、前記第1実施形態が前記第
1および第2のフィルター部材33、34を半球状のフ
ィルター部材によって構成されているのに対して、図1
2に示されるように前記第1および第2のフィルター部
材71、72を円錐状部71C、72Dと小径の筒状部
71T、72Tより成るフィルター部材によって構成す
る点が主たる相違点であり、以下相違点を中心に説明す
る。
【0059】前記第1および第2のフィルター部材7
1、72は、図12に示されるように上下方向に配設さ
れた前記フィルター本体3内に一定間隔で上下に平行に
並設され、前記第1のフィルター部材71は、前記第2
実施形態と同様に精密濾過膜、ミクロ濾過膜と言われる
有孔膜孔径約1μmのメンブランフィルターによって構
成され、第2のフィルター部材72は、孔径約0.1μ
mの前記濾過膜6の3次元架橋構造を有する親油性ポリ
マー材料から成る濾過膜によって構成されている。
【0060】上記構成より成る第4実施形態のエンジン
オイルフィルター装置は、前記フィルター本体3の上部
側壁に接線的に開口した導入口35より第1の部屋31
内に接線的に導入された油が、前記第1の部屋31内を
旋回し、前記第1のフィルター部材71によって1μm
以上の前記油の混合物が捕捉され、前記第2のフィルタ
ー部材72によって前記第1のフィルター部材71を油
とともに通過した混合物が捕捉され、前記第2のフィル
ター部材72を通過した油が前記タンク10に還流され
る。
【0061】上記作用を奏する第4実施形態のエンジン
オイルフィルター装置は、前記実施形態と同様に油を交
換することなく長期間半永久的に継続して使用出来るよ
うにするという効果を奏するとともに、捕捉した混合物
を前記第1および第2の部屋31、32の下部の筒状部
71T、72Tに貯留して有効フィルター面積を長期に
亘り確保することにより、フィルター材の交換を不要に
するという効果を奏する。
【0062】前記第2の円錐状のフィルター部材72
は、0.1μmの粒子を捕捉可能な3次元架橋構造を有
する親油性ポリマー材料から成るフィルター網目に設定
されているので、使用オイル中に含まれる燃焼生成物
(硫酸塩、硝酸エステル、スーツ)や、スラッジ(0.
1〜1μm)等をほぼ完全に捕捉することが出来るとと
もに、オイルの劣化および汚れを回避することが出来る
ため、定期的なオイルの交換を不要にして、平均的車の
寿命である15万km/12年の間におけるエンジンオ
イルの交換を不要にするものである。
【0063】また図12から明かなように前記フィルタ
ー本体3の上部側壁の中心に上下方向にパイプ状の戻り
通路4を配設し、下端41の戻り口41から上方に油を
戻すので、下部の筒状部71T、72Tに貯留されてい
るスラッジが戻されることはない。
【0064】(第5実施形態)本第5実施形態のエンジ
ンオイルフィルター装置は、前記第1ないし第4実施形
態が前記フィルター本体3内の長手方向に第1および第
2の部屋が前後して並設されるのに対して、図13およ
び図14に示されるように第1および第2のフィルター
部材73、74を前記フィルター本体3内に同軸的に径
の異なる筒状のフィルター部材で構成する点が主たる相
違点であり、以下相違点を中心に説明する。
【0065】筒状の前記第1および第2のフィルター部
材73、74は、図13および図14に示されるように
軸方向が水平に配設された前記フィルター本体3内に一
定間隔で平行に並設され、前記第1のフィルター部材7
3は、前記第2実施形態と同様に精密濾過膜、ミクロ濾
過膜と言われる有孔膜孔径約1μmのメンブランフィル
ターによって構成され、第2のフィルター部材74は、
孔径約0.1μmの前記濾過膜6の3次元架橋構造を有
する親油性ポリマー材料から成る濾過膜によって構成さ
れている。
【0066】上記構成より成る第5実施形態のエンジン
オイルフィルター装置は、前記フィルター本体3の一端
側壁を貫通して前記第1のフィルター部材73に接線通
路75の一端の接線的に開口した導入口35より第1の
部屋31内に接線的に導入された油が、前記第1の部屋
31内を旋回して一端から他端に移行し、前記第1のフ
ィルター部材73によって1μm以上の前記油の混合物
が捕捉され、筒状の前記第2のフィルター部材74によ
って前記第1のフィルター部材73を旋回による遠心力
により油とともに通過した混合物が捕捉され、前記第2
のフィルター部材74を通過した油が前記排出通路5を
介して前記タンク10に還流される。
【0067】上記作用を奏する第5実施形態のエンジン
オイルフィルター装置は、前記実施形態と同様に油を交
換することなく長期間半永久的に継続して使用出来るよ
うにするという効果を奏するとともに、捕捉した混合物
を前記第1および第2の部屋31、32の下部に貯留し
て有効フィルター面積を長期に亘り確保することによ
り、フィルター材の交換を不要にするという効果を奏す
る。
【0068】前記第2の円筒状のフィルター部材74
は、0.1μmの粒子を捕捉可能な3次元架橋構造を有
する親油性ポリマー材料から成るフィルター網目に設定
されているので、使用オイル中に含まれる燃焼生成物
(硫酸塩、硝酸エステル、スーツ)や、スラッジ(0.
1〜1μm)等をほぼ完全に捕捉することが出来るとと
もに、オイルの劣化および汚れを回避することが出来る
ため、定期的なオイルの交換を不要にして、平均的車の
寿命である15万km/12年の間におけるエンジンオ
イルの交換を不要にするものである。
【0069】また第5実施形態装置は、前記接線通路7
5によって前記フィルター本体3の一端側壁を貫通して
筒状の前記第1のフィルター部材73の一端に接線的に
開口した導入口35より第1の部屋31内に接線的に導
入され他端に配設された接線通路76の一端の接線的に
開口した戻り口41に至る油が、前記第1の部屋31内
を旋回し、旋回により作用する遠心力により前記第1の
フィルター部材73を通過させるものであるので、遠心
力を利用したフィルター機能を実現するとともに、旋回
によりフィルター部材とのトータルの接触長さを大きく
するため、フィルター面積を実質的に充分大きくするこ
とが出来るという効果を奏する。
【0070】(実施例)次に上記実施形態のエンジンオ
イルフィルター装置に使用出来る高分子ゲルタイプフィ
ルターの実施例について、以下に述べる。含油量は、ポ
リマー1gに対する含油量であり、透過流束は、フィル
ター面積1cm2 当たり1時間に透過する液体量(m
l)である。
【0071】実施例1は、親油性ポリマー材料がブタジ
エンゴムであり、含油量が20倍であり、透過流束が
0.018ml/cm2 ・hである。実施例2は、親油
性ポリマー材料がエチレンプロピレンゴムであり、含油
量が20倍であり、透過流束が0.016ml/cm2
・hである。実施例3は、親油性ポリマー材料がスチレ
ンブタジエンゴムであり、含油量が9倍であり、透過流
束が0.010ml/cm2 ・hである。実施例4は、
親油性ポリマー材料がシリコーンゴムであり、含油量が
1.25倍であり、透過流束が0.0082ml/cm
2 ・hである。各実施例のフィルターは、数10nmの
すすと、数100nm以上有機成分を捕捉することが出
来る。
【0072】通常のガソリンエンジン車にSG級のエン
ジン油を用いた場合、15000km走行毎にエンジン
油を交換するように推奨されている。この車を使用した
時の平均時速を25km/hとすると、15000km
走行するのに600時間を要する。エンジン油使用量を
4000mlとすると、上記数式よりフィルターの濾過
流量Fは、4000/600=6.7(ml/h)以上
となる。
【0073】この車のエンジンの潤滑経路に前記第1実
施形態におけるフィルターとして、透過流束0.018
ml/cm2 ・hの性能の上記実施例1のフィルターを
用いた場合、上記6.7ml/hの濾過流量を実現する
ためには372cm2 以上のフィルター面積があればよ
いことになる。
【0074】上述の実施形態は、説明のために例示した
もので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無
く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記
載から当業者が認識することができる本発明の技術的思
想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0075】本発明のエンジンオイルフィルター装置
は、上記実施形態の非水系有機液体用濾過膜以外にも以
下の形態を採用することが出来る。本例の非水系有機液
体用濾過膜は、架橋後の親油性ポリマーを裏打ち材に塗
布したものである。親油性ポリマーとしてはエチレンプ
ロピレンゴムを、裏打ち材としてはポリエステル不織布
を用いている。
【0076】本例の非水系有機液体用濾過膜を製造する
に当たっては、まず、エチレンプロピレンゴム0.07
g,過酸化ベンゾイル0.007g,ジビニルベンゼン
0.06g及び油1.5mlのトルエン溶液を、90
℃、3時間窒素中で過熱して、架橋反応を行った。架橋
反応後のポリマーを裏打ち材としてのポリエステル不織
布に塗り付けた。これにより、本例の非水系有機液体用
濾過膜を得た。本例の非水系有機液体用濾過膜は、架橋
後の親油性ポリマーを裏打ち材に塗布したものである
が、上記第1および第2実施形態のように容器内に裏打
ち材と高分子保持材と共に親油性ポリマーを入れて架橋
させたものと、同様の性能を示した。
【0077】本発明は、上述以外にも濾過抵抗が低く、
濾過効率が高く、かつ濾過性能を自由に設定することが
できる、非水系有機液体用濾過膜及びその製造方法、並
びに非水系有機液体の濾過装置および濾過方法を採用す
ることができる。
【0078】上記第1実施形態においては、一例として
潤滑油利用装置としての自動車エンジンにおいて、前記
第1および第2のフィルター部材を三次元架橋構造を有
する親油性ポリマー材料によって構成する例について説
明したが、本発明はそれに限るものでは無く、両者また
は前記第1のフィルター部材を精密濾過膜、ミクロ濾過
膜または限外濾過膜等の微多孔膜フィルターによって構
成する実施形態を採用することが出来る。すなわち、オ
イルの酸化によるカルボニルの増加がスラッジの原因で
あり、スラッジの粒子サイズは小さいため、本発明の装
置が有効である。
【0079】また、上記第1、第4、第5実施形態にお
いて用いられた濾過膜における架橋間空隙は、通常のメ
ンブレンフィルターの場合のように、膜体に対して物理
的に形成した孔ではなく、高分子架橋構造における構造
空隙そのものである。従って、濾過の原理は、「孔を通
過する」というよりは、濃度勾配や圧力差によって「浸
透・拡散する」というものである。上述のように通常の
濾過膜との原理的な相違から、前記濾過膜は、一般的に
以下の利点を指摘することができる。
【0080】 極めて高度の濾過の能力、例えば分子
レベルのサイズの物質を濾過することができる性能に設
定することが容易である。即ち、架橋密度を調整するこ
とによって、非水系有機液体の分子サイズをやや上回る
程度の非常に微細な濾過性能を設定することができる。
また、使用目的に応じて濾過性能を自由に設定すること
ができる。従って、微粒分散相を含む非水系有機液体の
分離、分析にも、有効に活用することができる。
【0081】 架橋間空隙よりも小さなサイズの物質
でも、濾過膜との親和性のない物質(例えば、親水性物
質)に対しては比較的大きな濾過抵抗を示すため、分離
することができる。例えば、架橋間空隙が200〜70
0nmの場合には、潤滑油に含まれる20nmオーダー
のすすや、100nmオーダーの潤滑油の摩耗粉あるい
は塵埃を容易に分離することができる。
【0082】上記非水系有機液体の濾過に用いる非水系
有機液体用濾過膜の製造方法は、架橋点を有する未架橋
の親油性ポリマー分子と、該親油性ポリマー分子と架橋
反応しない非水系有機液体とを混合して、上記架橋点に
おいて上記未架橋の親油性ポリマー分子に架橋反応を行
わせて三次元架橋構造を形成するものである。
【0083】また、ディーゼルエンジンで使用した潤滑
油には多量のすすが混入している。このすすのサイズは
数十〜数百nmと小さいため、これも通常のフィルター
では分離することができない。しかし、すすは、非水系
有機液体とはその性質及びサイズ共に著しく異なるた
め、上記非水系有機液体用濾過膜を通過することができ
ない。従って、上記の濾過方法によれば、サイズの小さ
なすすをも分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のエンジンオイルフィル
ター装置が用いられるエンジン潤滑系を示すブロック図
である。
【図2】本第1実施形態における油供給通路からの油の
導入および戻しにおける位置関係および動圧および静圧
の圧力関係を説明するための説明図である。
【図3】本第1実施形態のエンジンオイルフィルター装
置を示す断面図である。
【図4】本第1実施形態の第1の部屋におけるスラッジ
の貯留状態を示す断面図である。
【図5】本第1実施形態のエンジンオイルフィルター装
置のエンジンへの配設形態を示す側面図である。
【図6】本第1実施形態における非水系有機液体用濾過
膜を説明する説明図である。
【図7】本第1実施形態における非水系有機液体用濾過
膜の断面を示す断面図である。
【図8】本第1実施形態の濾過膜における濾過原液の分
子量と濾過量との関係を示す線図である。
【図9】本第1実施形態および従来の濾過膜における使
用に伴う潤滑油中の不溶解分の変化を示す線図である。
【図10】本発明の第2実施形態のエンジンオイルフィ
ルター装置を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態のエンジンオイルフィ
ルター装置を示す断面図である。
【図12】本発明の第4実施形態のエンジンオイルフィ
ルター装置を示す断面図である。
【図13】本発明の第5実施形態のエンジンオイルフィ
ルター装置を示す縦断面図である。
【図14】本第5実施形態のエンジンオイルフィルター
装置を示す横断面図である。
【図15】従来のエンジンオイルフィルター装置が用い
られるエンジン潤滑系を示すブロック図である。
【図16】その他の従来のエンジンオイルフィルター装
置が用いられるエンジン潤滑系を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 11 油供給通路 2 導入通路 3 フィルター本体 31 第1の部屋 32 第2の部屋 4 戻り通路 5 排出通路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに油を供給する油供給通路と、 供給される油の動圧と静圧が作用するように前記油供給
    通路に開口し、エンジンに供給される油の一部を導く導
    入口と、 目の粗いフィルター材によって包囲され、前記導入口に
    よって導かれた前記油中の混合物を捕捉して一部に貯留
    する第1の部屋と、 該第1の部屋に形成された戻り口に連通し、前記油供給
    通路の前記導入口より下流側の静圧のみ作用する部位に
    開口した戻り通路と、 目の細かいフィルター材によって包囲され、前記第1の
    部屋の前記目の粗いフィルター材を通過した前記油中の
    混合物を捕捉して一部に貯留する第2の部屋と、 前記第2の部屋の目の細かいフィルター材を通過した前
    記油を排出する排出口とから成ることを特徴とするエン
    ジンオイルフィルター装置。
JP13619797A 1997-05-08 1997-05-08 エンジンオイルフィルター装置 Pending JPH10306715A (ja)

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