JPH10300966A - 光ファイバ - Google Patents

光ファイバ

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JPH10300966A
JPH10300966A JP10045056A JP4505698A JPH10300966A JP H10300966 A JPH10300966 A JP H10300966A JP 10045056 A JP10045056 A JP 10045056A JP 4505698 A JP4505698 A JP 4505698A JP H10300966 A JPH10300966 A JP H10300966A
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正夫 加藤
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賢二 黒河
Tsuneo Horiguchi
常雄 堀口
Yoshiaki Miyajima
義昭 宮島
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光非線形現象の抑圧および誘起を容易に設計
する。光ファイバ内の光の電界密度を小さくして光非線
形現象の発生を抑制でき、波長間の位相整合条件を乱す
ことでFWMの発生を抑制する。光ファイバ内の光の電
界密度を大きくして光非線形現象を誘起する。 【解決手段】 屈折率がn0 のコア1と、このコアの周
囲に形成されて屈折率がn1 の第1のクラッド2と、こ
の第1のクラッド2の周囲に形成されて屈折率がn2
第2のクラッド3と、この第2のクラッド3の周囲に形
成されて屈折率がn3 の第3のクラッド4とを備え、上
記屈折率が、n1 >n2 >n3 かつn1 >n0 の関係を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバに関
し、特に光非線形現象を抑制することによって光通信に
おける伝送路として使用できる光ファイバ、および、光
非線形現象を誘起することによって光スイッチまたは波
長変換デバイスに使用できる光ファイバに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般的に光通信で使用されている石英系
のシングルモード光ファイバ(以下、SMFという)で
は、最小伝送損失を与える波長領域が1.4〜1.6μ
mの範囲にあるため、長距離光通信にはこのような波長
領域を使用するのが好ましいといえる。しかし、SMF
内を最低伝送損失波長の光信号が伝搬すると、波長分散
の影響によってその波形が劣化するため、伝送速度や伝
送距離が制限されるという問題がある。
【0003】ところで、このような光ファイバにおける
波長分散は、材料分散および構造分散の両者によって与
えられるものである。例えば、コア径が10μm、コア
とクラッドとの間の比屈折率差Δが0.3%である通常
のSMFにおいては、構造分散よりも材料分散の方が支
配的である。したがって、原料として使用されている石
英の波長分散が反映されて1.3μm帯に零分散波長が
現れるため、大容量光通信で使用される1.5μm帯の
波長領域におけるSMFは、+17ps/nm/km程
度の波長分散を持つことになる。
【0004】なお、+17ps/nm/kmと記述した
場合、スペクトル幅が1nm(半値全幅)である光パル
スが、1kmの光ファイバを伝搬した際に、時間波形が
17ps程度広がることを意味している(「光ファイバ
通信技術」山本 著,P.249(分散効果によるパル
ス広がり),日刊工業新聞社 発行を参照)。
【0005】そこで、従来より、このような波長分散に
よる伝送制限を低減し、伝送速度および伝送距離を拡大
することが求められている。そして、このような要求に
応えるために、1.5μm帯の通信波長で波長分散が最
小となる光ファイバとして、分散シフトファイバ(以
下、DSFという)と呼ばれるものがすでに開発されて
いる(Nobuo K.et al.,'Characteristics of dispersio
n-shifted dual shapecore single-mode fibers', J.L.
T.,LT-5,No.6,p.792(1987)を参照)。
【0006】このDSFとは、コアとクラッドとの屈折
率分布の設計において、材料分散に対して異符号である
とともに、材料分散と絶対値が等しくなるようにして構
造分散が設計されたものであり、その零分散波長は1.
5μm帯に設けられている。また、このような条件を満
たすために、コアとクラッドとの間の比屈折率差Δは
0.7以上にされ、すなわち構造分散を大きくする手法
がとられている。しかし、Δが大きいと後述のシングル
モード条件を満足させるためにコア径を小さくする必要
があり、その結果、光の電界分布が狭くなって実効コア
断面積(以下、Aeffという)がSMFよりも小さい
という問題がある。
【0007】ここで、シングルモード条件について説明
する。ステップ型の屈折率分布を有する光ファイバの場
合、使用する波長をλとすると使用する波長における正
規化周波数Vは、次式で与えられる。 V=(2π/λ)・a・n1(2Δ)0.5 (1) Δ=(n1−n2)/n1 (2) なお、aはコア径、n1はコアの屈折率、n2はクラッド
の屈折率、Δはコアとクラッドとの間の比屈折率差を示
し、シングルモード条件を満足するためには、Vの値を
2.405以下にしなければならない。
【0008】したがって、構造分散を大きくするため比
屈折率差Δを大きくすると、その代償としてコア径aを
小さく設計する必要が生じる。ところが、コア径aを小
さくして比屈折率差Δを大きくすると、コアへの光の閉
じ込め効果が大きくなるため、SMFと比べてAeff
が小さくなり、さらには曲げ損失が小さくなるという特
性を呈することになる。
【0009】さて、このようなDSFを伝送路に使用
し、エルビウム光ファイバ増幅器(以下、EDFAとい
う)を中継器として使用することにより、再生中継距離
が320km、伝送速度が10Gb/sという伝送シス
テムが、すでに実用化されている。
【0010】また、伝送容量を拡大する方式としては、
従来より波長多重伝送(以下、WDMという)が国内外
で注目されており、このWDMでは1本の通信用の光フ
ァイバに複数の信号波長を混在して使用することができ
る。そのため、これまでの単一波長伝送よりも容量の大
きい伝送システムを実現できるという利点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したようにD
SFを伝送路に用いた場合、通常のDSFはAeffが
小さいため、光ファイバ内での光の電界密度(すなわ
ち、ファイバ断面における単位面積あたりの光パワー)
が高くなる。その一方、信号光の光強度の増加にともな
い光ファイバ内では一般的に光非線形現象と呼ばれる症
状が発生し易くなる。特に光の電界密度が高いDSFに
おいては誘発されやすいといえる。
【0012】この光非線形現象は、S/N比の劣化をも
たらすため、DSFを用いた伝送システムでは伝送容量
および伝送距離の大きな制限要因として問題となってい
る。したがって、DSFを用いた実際の伝送システムで
は、光増幅器の利得を抑えて伝送しなければならないと
いう問題がある。
【0013】ところが、伝送速度を上げると信号1ビッ
トあたりのタイムスロットが短くなり、受信できる受光
レベルを確保するためには1ビットあたりの信号光パワ
ーを上げる必要がある。このことは、光非線形現象の抑
制とは相反するものであり、その結果光非線形現象を抑
えるためには伝送パワーを下げて伝送速度を制限せざる
を得ない。
【0014】一方、伝送容量を拡大するためにWDMを
採用した場合、WDMでは複数の波長が光ファイバ内に
存在するため、4光波混合(以下、FWM:Four WaveMi
xing という)と呼ばれる光非線形現象が発生し、伝送
容量および伝送距離が制限される。
【0015】このFWMは、三次の非線形光学過程によ
り、信号波長間で干渉が起こって新しい光が発生する現
象であり、波長間の位相整合条件が満たされるほどFW
Mの発生効率が高くなるため、信号波長が零分散波長に
近いほど、また信号波長の間隔が狭いほど発生しやすく
なる。したがって、信号波長帯に零分散波長のあるDS
Fでは、SMFと比較してFWMが発生しやすく、信号
の波長間隔を広くする必要がある。しかし、EDFAの
増幅帯域幅は数十nm程度であるため、波長間隔を広げ
ると、信号チャネル数が減って伝送容量が制限されると
いう問題がある。
【0016】ところで、DSFの用途は伝送路に限られ
るものではない。伝送システムの高機能化にともなって
より高速な光スイッチおよび波長変換デバイスの研究も
盛んに行われているが、これら光スイッチおよび波長変
換デバイスは、伝送路の場合とは逆に光非線形現象を利
用してスイッチングや波長変換を行うものであり、いか
にして光非線形現象を誘起させるかが課題となってい
る。そこで、このような光スイッチおよび波長変換デバ
イスを、Aeffが小さくて光非線形現象が誘起しやす
いDSFを用いて実現した例がすでに報告されている。
【0017】しかし、20Gb/s以上の伝送速度で
は、信号処理に要求される応答信号を電気で対応するこ
とはできなくなるため、光スイッチや波長変換デバイス
を使用する必要があるが、DSFを光スイッチおよび波
長変換デバイスに用いた場合、変換効率が悪いためその
長さを数十kmにする必要があり、また大きな入射光電
力が必要である等の問題がある。
【0018】本発明はこのような課題を解決するもので
あり、光非線形現象の抑圧および誘起を容易に設計する
ことができる光ファイバを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、光ファイバ内の光の電界密
度を小さくして光非線形現象の発生を抑制でき、波長間
の位相整合条件を乱すことでFWMの発生を抑制するこ
とができる光ファイバを提供することを目的とする。ま
た、本発明の他の目的は、光ファイバ内の光の電界密度
を大きくして光非線形現象を誘起することができる光フ
ァイバを提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバは、
上記の目的を達成するため、屈折率がn0 のコアと、こ
のコアの周囲に形成されて屈折率がn1 の第1のクラッ
ドと、この第1のクラッドの周囲に形成されて屈折率が
2 の第2のクラッドと、この第2のクラッドの周囲に
形成されて屈折率がn3 の第3のクラッドとを備え、前
記屈折率が、n1 >n2 >n3 かつn1 >n0 の関係を
有するものである。このように構成することにより本発
明は、光非線形現象を抑圧または誘起する光ファイバを
提供することができる。したがって、光非線形現象を抑
圧する光ファイバであれば伝送路に使用でき、光非線形
現象を誘起する光ファイバであれば光スイッチまたは波
長変換デバイス等に使用できる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に本発明の一つの実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。まず、光非線形現象を
抑制することによって伝送路に使用することができる光
ファイバ(以下、光非線形現象抑圧光ファイバという)
について説明する。
【0021】図1は、光非線形現象抑圧光ファイバの断
面図、および、その屈折率分布を示すグラフである。同
図に示すように、光非線形現象の発生を抑制するために
DSFのコア中心部における屈折率を低くした。すなわ
ち、本実施の形態は、屈折率がn0のコア1と、屈折率
がn1のクラッド2(以下、第1のクラッドという),
屈折率がn2のクラッド3(以下、第2のクラッドとい
う)および屈折率がn3のクラッド4(以下、第3のク
ラッドという)とで形成され、各屈折率が少なくともn
1 >n2 >n3 かつn1 >n0 の関係を有するものであ
る。特にここでは、光非線形現象を抑制するためにn1
>n2 >n3 ≧n0 としている。こうすることにより、
第1のクラッドが実効的にコアの役割を果たすことにな
り、光の電界分布は光ファイバの径方向に広がってAe
ffが大きくなり、光非線形現象を抑制することができ
る。
【0022】また、このような光非線形現象抑圧光ファ
イバは、光の電界密度は小さくなるものの、材料的には
既存の光ファイバと同じ(例えば、石英等)であるた
め、既存の伝送路との融着接続が可能である。したがっ
て、伝送路中の光パワーを強力にすることができ、光非
線形現象が誘起されやすい光増幅器の直後に本ファイバ
を割り入れることにより、光非線形現象による伝送劣化
を抑制することができる。
【0023】ところで上記でも述べたように、伝送容量
を拡大するためにWDMを採用した場合、WDMでは複
数の波長が光ファイバ内に存在するため、FWMと呼ば
れる光非線形現象が発生し、伝送容量および伝送距離が
制限される。そこで、光ファイバの波長分散を、その長
手方向に沿って変動させることによってFWM発生を抑
制する。すなわち、波長分散が光ファイバの長手方向に
沿って変化すると、信号光の伝搬速度は伝送路中で局所
的に異なるようになる。そのため、WDM伝送において
は、隣り合ったチャネル間での位相整合条件が乱される
ことになり、伝送制限となるFWMの発生を抑制するこ
とができる。
【0024】波長分散を変動させる方法としては、いく
つかがあり例えば次のようなものがある。すなわち、コ
アと第3のクラッドとの比屈折率差αを光ファイバ製造
時に長手方向で連続的に変化させることにより、波長
1.55μmにおける波長分散を連続的に変動させるこ
とが可能となる。
【0025】図2は、図1に係る光ファイバにおいて、
コアと第3のクラッドとの比屈折率差αを変化させたと
きの波長1.55μmにおける波長分散の変化を示すグ
ラフであり、第1および第3のクラッドとの比屈折率差
βは1.5%としている。なお、図中のαは次式によっ
て与えられる。 α=n0 −n3 /n0 同様にβは次式によって与えられる。 β=(n1 −n3 )/n1
【0026】なお、図2に示した+12ps/nm/k
mから−12ps/nm/kmまで変動する光ファイバ
(波長分散変動幅24ps/nm/km)の例は、波長
分散値が±12ps/nm/kmでなければならないと
いう意味から提示したものではなく、例えばαを0%か
ら−0.4%まで変化させるとどの程度の波長分散変動
幅が得られるかの一例を示したに過ぎない。
【0027】ところで、第1のクラッドと第3のクラッ
ドとの比屈折率差βを変化させることによっても、連続
的に波長1.55μmにおける波長分散を変動させるこ
とができる。例えば、図3はβを変化させたときの波長
1.55μmにおける波長分散の変化を示すグラフであ
り、αは−0.4%としている。
【0028】あるいは、第2のクラッド径を光ファイバ
の長手方向に沿って変化させることでも、波長分散を変
動させることができる。例えば、図4は第2のクラッド
の径を変化させたときの波長1.55μmにおける波長
分散の変化を示すグラフであり、αは−0.4%、βは
1.44%としている。
【0029】なお、図5はそれぞれα,β,第2のクラ
ッドの径をそれぞれ変化させたときのファイバ長と波長
分散との関係を示すグラフである。図5(a)は波長が
1.55μm,βが1.5%、図5(b)は波長が1.
55μm,αが−0.4%、図5(c)は、波長が1.
55μm,αが−0.4%,βが1.44%のときのも
のである。何れの場合も波長分散は、ファイバ長が長く
なるにつれて連続的に低下し、光ファイバの中では位置
によって波長分散が異なることがわかる。また、コアと
第3のクラッドとの比屈折率差αおよび第1のクラッド
と第3のクラッドとの比屈折率差βの両方を、光ファイ
バの製造時に長手方向に沿って周期的に変動させること
により、位相整合条件を乱してFWMの発生を抑止して
もよい。
【0030】以上のような光非線形現象抑圧光ファイバ
は次のようにして使用するとよい。図6は、図1に係る
光ファイバを用いたときの伝送路構成を示すブロック図
および伝送距離と光出力レベルとの関係を示すグラフで
ある。同図に示すように、送信部5は光源5aと光増幅
器5bとで構成され、受信部7は受光器7aと光増幅器
7bで構成されている。そして、送信部5と受信部7と
の間には光増幅器6が設置され、送信部5と受信部7と
は、この光増幅器6、光非線形現象抑圧光ファイバ8お
よび既存の光ファイバ9によって接続されている。
【0031】このような構成は次のような理由に基づく
ものである。実際の光ファイバには必ず伝送損失がある
ため、伝送中の光信号は徐々にその光パワーが弱まって
くる。すなわち、光ファイバ伝送路中で光非線形現象が
最も強く発生するのは、光増幅器の直後である(図中の
A,B)。そこで、既存の伝送路中の特に光増幅器直後
に、図1に係る光非線形現象抑圧光ファイバを挿入する
ことにより、効果的に光非線形現象を抑制することがで
きる。
【0032】次に、光非線形現象を誘起することによ
り、光スイッチまたは波長変換デバイスに使用できる光
ファイバ(以下、光非線形現象誘起光ファイバという)
について説明する。図7は、光非線形現象誘起光ファイ
バの断面図、および、その屈折率分布を示すグラフであ
る。同図に示すように、光非線形現象を誘起するためコ
アの屈折率n0 を第3のクラッドの屈折率n3 よりも高
く、かつ第1のクラッドの屈折率n1 よりも低くするこ
とでファイバ中心への光の閉じ込め効果を強め、Aef
fを小さくした(すなわち、n1 >n2 >n3 かつn1
>n0 >n3 )。したがって、光ファイバ内の光の電界
密度が高くなる。光非線形現象は光の電界密度(パワ
ー)と作用長との積に応じて発生するため、この光ファ
イバは高効率で非線形現象を起こすことができる。
【0033】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。図
8は、コアと第3のクラッドとの比屈折率差αを変化さ
せたときのモードフィールド径(以下、MFDという)
の変化を示すグラフである。ここで、MFDとは、ファ
イバ中の光の電界分布の広がりを示すパラメータであ
り、Aeffとは比例関係にあることが知られている
(Namihira et al.,'Nonlinear Kerr Coefficient Meas
urements for Dispersion Shifted Fibersusing Self-P
hase Modulation method at 1.55μm',Oec '94,p.135,
(1994) を参照)。
【0034】図8(a)に示すように本実施例に係る光
ファイバは、αを負の方向にその絶対値を大きくする
と、光の電界分布が広がって電界密度が小さくなるの
で、光非線形現象の発生を抑圧する光非線形現象抑圧光
ファイバとなる。なお、製造上の観点からすると、コア
の屈折率を小さくする際に添加するフッ素の量には限界
があるため、実際にはαの下限値は−0.7〜−0.8
%程度となる。
【0035】一方、図8(b)示すように、αを正の方
向に大きくするとMFDの値が小さくなっていることが
わかる。一般的な階段型分散シフトファイバのMFD
は、実効的に7.4〜8.4μm(Aeff=41〜5
3μm2 )程度であるため、αが正になるとDSFより
も電界分布が狭くなって電界密度が高くなるので、光非
線形現象誘起光ファイバとなることがわかる。
【0036】なお、電界分布がガウス形状の場合、Ae
ff=π×(MFD/2)2 が成立する。したがって、
MFDが大きくなるとAeffも大きくなるが、本発明
に係る光ファイバは、光非線形現象抑圧ファイバ構造で
ある場合(すなわち、α<0)、ガウス形状からずれて
いるため上記等式の右辺に補正係数c(ただし、c>
1)を掛ける必要がある。
【0037】図9は、コア径と第1のクラッドの径との
比を変化させたときのMFDの変化を示すグラフであ
る。図中の黒丸はコアと第3のクラッドとの比屈折率差
αが0%、白丸はαが+0.3%のときのものである。
同図に示すように、αが0%の場合、コア径と第1のク
ラッドの径との比が0.4以下ではDSFよりもMFD
が小さくなり、電界密度がより高くなるので光非線形現
象誘起光ファイバとなることがわかる。また、αを+
0.3%とした場合、コア径と第1のクラッドの径との
比が0.5以下になれば、光非線形現象誘起光ファイバ
となることが予測される。
【0038】次に、FWMの抑制効果について説明す
る。図10は、FWMの抑制効果を示すグラフであり、
光ファイバの長手方向に沿って波長分散を変動させるこ
とによってFWMが抑圧できることを示す。これは波長
分散が光ファイバの長手方向に沿って線形に増加する波
長分散変動ファイバ(長さが40kmの場合)における
FWM発生効率(分散変動が0のときの発生効率を1と
して規格化)の、波長分散変動幅(入り口と出口での波
長分散の差の大きさ)に対する依存性を示したものであ
る(図11参照)。
【0039】波長分散変動幅を4ps/nm/kmとす
ると、波長分散変動幅が0である通常の光ファイバと比
べて、FWMの発生効率は10分の1以下となり、十分
な抑圧効果が得られることがわかる。さらに、波長分散
変動幅を大きくすることにより、抑圧効果は大きくなっ
ている。また、図10からわかるように、波長分散変動
幅が20ps/nm/kmでFWMの発生効率を約0.
03程度に抑制することができ、24ps/nm/km
の場合においてはさらに大きなFWM抑圧効果が得られ
ることが期待できる。
【0040】図12は、コアと第3のクラッドとの比屈
折率差αを変化させた時の、シングルモード条件を満足
するコア径と、第1のクラッドと第3のクラッドとの比
屈折率差βとの関係を示す図である。図中の斜線部分は
波長1.55μm においてシングルモードを実現できな
い領域である。αが小さい程シングルモード条件を満足
するコア径とβとの組合せが多いことが分かる。
【0041】また、図13に示す光ファイバにおいて
は、αを約−0.3%、βを1%程度にすることで零分
散波長が1.55μmでAeffを150μm2 程度ま
で広げることができた。図14に、n1 >n2 >n3
つn1 >n0 の屈折率の関係を維持して、おのおのの比
屈折率差を変化させたときの零分散波長の変化を示す。
同図より1.4μm〜1.5μm帯の零分散が実現する
ことがわかる。零分散波長は比屈折率差の組み合わせを
変えることにより1.3μm〜1.6μm帯およびさら
に長波長帯にすることが可能である。
【0042】上記の光ファイバを実際に伝送路等に使用
する際の取扱い特性を考慮すると、光ファイバには曲げ
損失が小さいことが必要である。本実施例の光ファイバ
においては、βを大きくすることにより曲げ損失特性を
向上させることができた。そして、本実施例による光フ
ァイバの曲げ半径に対する曲げ損失特性を図15に示
す。同図より曲げ損失はβを大きくするに従って小さく
なることが分かる。また、本実施例の光ファイバでは、
βを約1.5%にすることにより、従来のDSFと同程
度(曲げ半径1cmで数dB/m程度、ただしAeff
は約50μm2 )の曲げ損失特性を得ることができ、そ
の時のAeffは約120μm2 になった。
【0043】
【発明の効果】本発明の光ファイバによれば、零分散波
長が1.55μm帯になるように設計しても電界分布が
光ファイバの中心に集中しないので、既存のDSFと比
較して曲げ損失特性を同程度に維持しながら、Aeff
を2倍以上大きくすることができた。すなわち、光の電
界密度が小さくなって光非線形現象が抑制されるため、
信号波形の劣化が軽減され、伝送速度および伝送距離を
拡大することができる。また、光ファイバの長手方向に
沿って零分散波長を1.5μm帯で変動させることによ
って波長間の位相整合条件を乱し、FWMの発生効率を
低くすることができ、WDMの波長間隔を小さくしてチ
ャネル数を増加させることができる。一方、Aeffを
小さくすることにより、光ファイバ内の電界密度を高く
することができ、効率的に光非線形現象を発生させるこ
とができるため、光スイッチまたは波長変換デバイスに
適した光ファイバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光非線形現象抑圧光ファイバの
断面図、および、その屈折率分布を示すグラフである。
【図2】 コアと第3のクラッドとの比屈折率差αと、
波長分散との関係を示すグラフである。
【図3】 第1のクラッドと第3のクラッドとの比屈折
率差βと、波長分散との関係を示すグラフである。
【図4】 第2のクラッドの径と波長分散との関係を示
すグラフである。
【図5】 ファイバ長と波長分散との関係を示すグラフ
である。
【図6】 図1に係る光非線形現象抑圧光ファイバを用
いた伝送路構成を示すブロック図、および、伝送距離と
光出力レベルとの関係を示すグラフである。
【図7】 本発明に係る光非線形現象誘起光ファイバの
断面図、および、その屈折率分布を示すグラフである。
【図8】 コアと第3のクラッドとの比屈折率差αとM
FDの関係を示すグラフである。
【図9】 コア径と第1のクラッドの径との比とMFD
の関係を示すグラフである。
【図10】 波長分散変動幅とFWM発生効率との関係
を示すグラフである
【図11】 ファイバ長と波長分散との関係を示すグラ
フである。
【図12】 第1のクラッドと第3のクラッドとの比屈
折率差βとコア径の関係を示すグラフである。
【図13】 第1のクラッドと第3のクラッドとの比屈
折率差βとAeffの関係を示すグラフである。
【図14】 波長と波長分散との関係を示すグラフであ
る。
【図15】 曲げ半径と曲げ損失との関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1…コア、2…第1のクラッド、3…第2のクラッド、
4…第3のクラッド、5…送信部、5a…光源、5b,
6,7b…光増幅器、7…受信部、7a…受光器、8…
光非線形現象抑圧光ファイバ、9…既存の光ファイバ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮島 義昭 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率がn0 のコアと、 このコアの周囲に形成されて屈折率がn1 の第1のクラ
    ッドと、 この第1のクラッドの周囲に形成されて屈折率がn2
    第2のクラッドと、 この第2のクラッドの周囲に形成されて屈折率がn3
    第3のクラッドとを備え、前記屈折率は、n1 >n2
    3 かつn1 >n0 の関係を有することを特徴とする光
    ファイバ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記屈折率は、さらにn3≧n0の関係を有することを特
    徴とする光ファイバ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記屈折率は、さらにn0>n3の関係を有することを特
    徴とする光ファイバ。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、 前記コアと前記第3のクラッドとの比屈折率差αは、前
    記光ファイバの長手方向に沿って連続的に変化するよう
    に構成されていることを特徴とする光ファイバ。
  5. 【請求項5】 請求項1または2において、 前記第1のクラッドと前記第3のクラッドとの比屈折率
    差βは、前記光ファイバの長手方向に沿って連続的に変
    化するように構成されていることを特徴とする光ファイ
    バ。
  6. 【請求項6】 請求項1または2において、 前記第2のクラッドの径は、前記光ファイバの長手方向
    に沿って連続的に変化するように構成されていることを
    特徴とする光ファイバ。
  7. 【請求項7】 請求項4において、 前記コアと前記第3のクラッドとの比屈折率差αは、前
    記光ファイバの長手方向に沿って単調増加または単調減
    少するように構成されていることを特徴とする光ファイ
    バ。
  8. 【請求項8】 請求項5において、 前記第1のクラッドと前記第3のクラッドとの比屈折率
    差βは、前記光ファイバの長手方向に沿って単調増加ま
    たは単調減少するように構成されていることを特徴とす
    る光ファイバ。
  9. 【請求項9】 請求項6において、 前記第2のクラッドの径が、前記光ファイバの長手方向
    に沿って単調増加または単調減少するように構成されて
    いることを特徴とする光ファイバ。
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