JPH10298301A - ポリカーボネートペレットの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートペレットの製造方法

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JPH10298301A
JPH10298301A JP10886797A JP10886797A JPH10298301A JP H10298301 A JPH10298301 A JP H10298301A JP 10886797 A JP10886797 A JP 10886797A JP 10886797 A JP10886797 A JP 10886797A JP H10298301 A JPH10298301 A JP H10298301A
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polycarbonate
water
powder
weight
organic solvent
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JP10886797A
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English (en)
Inventor
Toshimasa Tokuda
俊正 徳田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性の見地から成形品中に残存する塩素含
有量を著しく低減したポリカーボネートペレットを製造
する方法を提供する。 【解決手段】 ホスゲン法によって製造したポリカーボ
ネート粉粒体を溶融押出してペレット化するに当り、該
ポリカーボネート粉粒体はポリカーボネート微粉体の凝
集体であって且つ非及び/又は貧溶媒処理を施してなる
ポリカーボネート粉粒体であり、該ペレット化は、ベン
ト付き押出機を用い、ベント前の水の注入添加部から、
水を特定量注入添加し、ベントから脱揮しながらポリカ
ーボネート粉粒体を溶融押出する方法であるポリカーボ
ネートペレットの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素含有量が極め
て少いポリカーボネートペレットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホスゲン法によるポリカーボネー
トの製造法においては、有機溶媒としてハロゲン系の有
機溶媒、特に塩化メチレンが用いられており、ポリカー
ボネートは、塩化メチレンの溶液として得られ、この溶
液から塩化メチレンを分離除去する必要がある。しかし
ながら、塩化メチレンはポリカーボネートとの親和性が
強いため、これの十分な分離除去は極めて困難である。
近年、環境や安全等の問題の高まりから、ポリカーボネ
ート成形品中の塩化メチレンの残存量の規制が厳しくな
り、特に米国規格ではポリカーボネートボトルに保存し
た水中の塩素溶出容認量は0.005ppm以下という
極めて厳しい規制がだされている。
【0003】従来、ポリカーボネートの脱溶媒を容易に
するために、温水中で多孔質化する方法が提案されてい
る(特開昭60−54329号公報、特公昭46−37
424号公報)。しかしながら、この方法では脱溶媒が
十分でなく、しかも得られる粉粒体は嵩比重が低下し、
次いで行う溶融押出時の噛み込みが悪化するようにな
る。また、ポリカーボネートの有機溶媒溶液に、ポリカ
ーボネートの非溶媒を添加して造粒する方法(特公昭4
6−31468号公報、特公昭55−21773号公
報、特開昭64−31690号公報等)、ポリカーボネ
ートの水スラリーに非溶媒を添加する方法(特開平5−
32793号公報、特開平5−179003号公報)が
提案されている。しかしながら、これらの方法によって
も未だ脱溶媒は不十分である。ポリカーボネートの有機
溶媒溶液から得られたポリカーボネート粉粒体をベント
付押出機によってペレット化する際に、水を添加し、ベ
ントから脱揮する方法(特開昭62−294528号公
報、特公平5−48162号公報、特公平7−2364
号公報、特開平5−27647号公報)が提案されてい
る。しかしながら、この方法によっても未だ脱溶媒は不
十分である。また、特定量の有機溶媒と水とを含有する
ポリカーボネートを押出機に供給し、押出機内で微粉砕
した後溶融させることなく圧縮押出して微粉体の凝集体
とする乾燥性のよい粉粒体の製造法が提案されている
(国際公開番号WO95/08585)。特に、この方
法によって得られる微粉体の凝集体に、水と非溶媒を加
えてスラリーになし、撹拌した後分離乾燥すればある程
度脱溶媒された粉粒体が得られることが知られているが
未だ十分ではなく、更に脱溶媒されたポリカーボネート
が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、安全
性の見地から成形品中に残存する溶媒量即ち塩素含有量
を著しく低減したポリカーボネートペレットを安定して
製造する方法を提供することである。
【0005】本発明者は、上記課題を達成せんとして鋭
意研究を重ねた結果、非及び/又は貧溶媒処理を施した
ポリカーボネート微粉体の凝集体であるポリカーボネー
ト粉粒体を、ベント付押出機を用い、ベント前で水を添
加し、ベントから脱揮しながら溶融押出してペレット化
することにより、ペレット中の残留塩素量を、夫々単独
では到達し得ない程度まで著しく低減し得ること、及び
このようにすると、その製造条件が異なっても、ペレッ
ト中の残留塩素量は略0.1ppmと安定することを見
出した。即ち、両者の相乗効果が得られることを見出
し、本発明を完成したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ホスゲン法に
よって製造したポリカーボネート粉粒体を溶融押出して
ペレット化するに当り、該ポリカーボネート粉粒体は、
ポリカーボネート微粉体の凝集体であって且つ非及び/
又は貧溶媒処理を施してなるポリカーボネート粉粒体で
あり、該ペレット化は、少なくとも一箇所のベントと少
なくとも一箇所のベントの前に水の注入添加部を設けた
押出機を用い、少なくとも一箇所の水の注入添加部か
ら、水を水の注入添加部一箇所当り、ポリカーボネート
粉粒体100重量部に対し0.2〜4重量部添加し、ベ
ントから脱揮しながらポリカーボネート粉粒体を溶融押
出する方法であることを特徴とするポリカーボネートペ
レットの製造方法である。
【0007】本発明でいう有機溶媒は、少くとも一種の
良溶媒を主たる対象とし、重合を阻害しない程度の量で
あれば、貧溶媒や非溶媒が混合されていてもよい。ここ
でいう良溶媒、貧溶媒及び非溶媒とは例えばビスフェノ
ールAとカーボネート前駆物質とから得られるポリカー
ボネートの場合、W.F.CHRISTOPHER,
D.W.FOX著「ポリカーボネート」1962年、3
2〜33頁の表3−1における分類中の“Good S
olvent”及び“Fair Solvent”に該
当する溶媒が良溶媒、“Poor Solvent”、
“Very Poor Solvent”及び“Wea
k precipitant”に該当する溶媒が貧溶
媒、“Strong precipitant”に該当
する溶媒が非溶媒である。良溶媒の代表例としては塩化
メチレン、テトラクロロエタン、トリクロロエタン等が
あげられ、なかでも塩化メチレンが好ましい。貧溶媒の
代表例としてはベンゼン、トルエン、アセトン、酢酸エ
チル等が挙げられる。本発明でいう非溶媒とは水以外の
溶媒であり、その代表例としてはヘキサン、シクロヘキ
サン、ヘプタン等があげられる。かかる貧溶媒や非溶媒
は単独で用いても、二種以上併用してもよく、特にシク
ロヘキサン、ヘプタン、酢酸エチルが好ましい。
【0008】本発明で対象とするポリカーボネートは、
二価フェノールとホスゲン又はホスゲン誘導体を有機溶
媒の存在下に反応させて得られる芳香族ポリカーボネー
トであり、これにジカルボン酸成分を共重合したポリエ
ステルカーボネートであってもよい。ここで用いる二価
フェノールとしては例えばハイドロキノン、レゾルシ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)フロパン、2,2−ビス(3,
5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、α,α′−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、
α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイ
ソプロピルベンゼン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルオキシド等があげられる。これらは単独で用いて
も、二種以上併用してもよい。また、少量の三官能以上
の化合物を分岐剤として用いても、脂肪族二官能性化合
物を少量共重合してもよい。
【0009】二価フェノールとホスゲンとの反応は、通
常酸結合剤及び有機溶媒の存在下に行う。酸結合剤とし
ては例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアル
カリ金属水酸化物、ピリジン等が用いられる。有機溶媒
としては前記の良溶媒が用いられる。また、反応促進の
ために例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の
触媒を用いることができ、分子量調節剤として例えばフ
ェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフ
ェノール等の末端停止剤を使用するのが好ましい。反応
温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間、反応
中のpHは10以上に保つのが好ましい。ポリカーボネ
ートの分子量は、溶媒として塩化メチレンを用い、0.
7g/100ml濃度で測定した溶液の比粘度が0.1
6〜1.3のものが好ましい。0.16未満のものは脆
くて実用性に劣り、1.3を越えるものは溶融流動性が
悪くなり、溶融成形し難くなる。
【0010】本発明では、ポリカーボネート微粉体を凝
集させた粉粒体を用いる。かかる微粉体の凝集体は、例
えば下記の方法で製造した凝集体が好ましい。
【0011】(1)先ず、工程aとしてポリカーボネー
トと有機溶媒と水からなるスラリー又は湿潤ペーストを
調製する。この際、有機溶媒量があまりに少いと、次の
微粉砕工程bにおける動力の負荷が大きくなり、目的と
する大きさの微粉体が得られ難くなり、その結果として
有機溶媒の含有量が極めて少いポリカーボネート粉粒体
が得られ難くなる。
【0012】有機溶媒量があまりに多いと、ポリカーボ
ネートを粒子として取扱うこと自体が困難になるので、
有機溶媒量は、ポリカーボネートと有機溶媒との合計量
に対して10〜65重量%であり、好ましくは15〜4
0重量%である。有機溶媒量が少い場合は、所定量にな
る量の有機溶媒又はポリカーボネートの有機溶媒溶液を
加えればよく、有機溶媒量が多い場合は、ポリカーボネ
ート粒子または有機溶媒含有量の少いスラリー又は湿潤
ペーストを加えればよく、また加熱して余分の有機溶媒
を除去してもよい。
【0013】水量は、あまりに少いとポリカーボネート
の微粉砕が困難になり、残留有機溶媒量の低減した粉粒
体が得られ難くなる。水量の上限は微粉砕装置によって
異なり一概に決められないが、極端に多くなると微粉砕
し難くなることがあり、またコスト上不利になるので、
次の微粉砕工程bにおける運転操作性や微粉砕された微
粉体の接着性を考慮して決定するのが好ましい。通常、
ポリカーボネートに対して5〜2000重量%の範囲が
好ましく、7〜1000重量%の範囲が特に好ましい。
水量が不足するときは、水又は水量の多いスラリーを加
えればよく、微粉砕時に加えてもよい。上記範囲におい
て、水量が多い場合は、概してスラリーの形態であり、
水量が少い場合は、湿潤ペーストの形態を呈する。この
スラリー又は湿潤ペースト中のポリカーボネート粒子の
大きさ及び粒度分布は特に制限する必要はなく、微粉砕
工程bに供給できるものであればよく、供給し難いとき
は粉砕すればよい。ホスゲン法によって得られたポリカ
ーボネートの有機溶媒溶液から有機溶媒を除去して形成
されたスラリーは、そのまま用いることができる。
【0014】(2)微粉砕工程bは、工程aで得たスラ
リー又は湿潤ペースト中のポリカーボネート粒子を、粒
径が50μm以下の微粉体になるようにシェアーをかけ
て粉砕する工程である。その操作は微粉砕化する機能を
備えた装置を用いる。その装置の形式は特に制限を受け
ないが、得られる微粉体の90%以上、特に95%以上
が50μm以下の粒径、好ましくは40μm以下の粒
径、特に好ましくは30μm以下の粒径になるように粉
砕する機能を有する装置が用いられる。粉砕された微粉
体の下限は制限されないが、一般的には約0.3μmで
ある。
【0015】工程bにおいて用いる粉砕機能を有する装
置としては、押出機形式のものが連続操作でき且つ目的
とする均質な微粉体が得られることから推奨される。押
出機の形式としては例えば単軸又は多軸のスクリュー式
押出機、プランジャー式押出機及びインナースクリュー
を有する射出成形機の如き機能を有する押出機があげら
れる。なかでも2軸のスクリュー式押出機が好ましい。
また、押出機の使用は、その中で工程a及び工程bを連
続的に実施し、更に次工程cも連続して実施することが
できるので工業的に有利である。押出機を用いて工程b
を実施する場合、ポリカーボネートの濃度及び操作条件
によっては、シリンダーの内温の上昇による内圧の上昇
によって、ポリカーボネートの溶解や溶融等のトラブル
が生じることがある。かかるトラブルを避けるために温
度調節機構を有するジャケット付シリンダー及び/又は
スクリューを用いるのが好ましい。また、押出機には圧
縮部付スクリューを設けてもよい。更に、押出機のシリ
ンダーの全域又は一部にパンチプレート又はスリットを
設けて排水し得るようにすることもでき、またグランド
側に排水機構を設けてもよい。工程aで得たスラリー又
は湿潤ペースト中の水量が大過剰にあるときは、その大
部分は、押出し方向と反対側に分離されるか、前記パン
チプレート又はスリットにより分離される。その際、グ
ランド及びパンチプレートの目開きやスリットのクリア
ランスは特に制限されるものではないが、ポリカーボネ
ート粒子の粒子径によって適宜選択すればよい。
【0016】(3)工程cは、工程bで得たポリカーボ
ネート微粉体が凝集体になる圧力に加圧され、且つポリ
カーボネートと有機溶媒との合計量に対する有機溶媒の
割合が10〜65重量%、好ましくは15〜40重量%
の範囲に調整し、さらに水の割合がポリカーボネートに
対して5〜120重量%、好ましくは7〜70重量%の
範囲に調整することにより実施される。この工程cにお
ける加圧は、微粉体が部分的に結合して凝集体のブロッ
クが形成される圧力であり、この凝集体を形成する微粉
体の大きさは、その折った断面を電子顕微鏡による写真
を撮った場合、約1000倍の拡大写真で目視により容
易に確認できるものである。
【0017】工程cにおいて、ポリカーボネート微粉体
の90%以上が50μm以下の粒径を保持し得る温度で
実施することが好ましい。この温度は圧力、有機溶媒量
により変化し一概に決められないが、高温になると、微
粉体の膨潤、溶解により又は軟化、溶融によりその90
%以上が50μm以下の粒径を保持できず、微粉体が相
互に密着し連続層になり、残留有機溶媒量の少いポリカ
ーボネート粉粒体が得られなくなる。
【0018】この工程cにおける加圧手段は、工程bに
引続いて押出機中で連続して実施するのが有利である。
押出機中で微粉砕された微粉体が押出機の出口に移動す
るに従い、次第に加圧されて凝集体を形成し、凝集体が
押出される方法を採用するのが好ましい。
【0019】また工程cにおいて、有機溶媒の含有割合
は特に調整する必要はなく、工程bから得られた微粉体
中の有機溶媒含量であって差支えない。即ち、有機溶媒
の含有量はポリカーボネートと有機溶媒との合計量に対
して10〜65重量%、好ましくは15〜40重量%の
範囲であり、かかる量を保持することによって得られる
凝集体は適度な形状保持性を有する。10重量%未満に
なると凝集体がもろくなり、65重量%より多くなると
目的とする微粉体を保持できなくなる。
【0020】工程cにおける水の含有割合は、ポリカー
ボネートに対して5〜120重量%、好ましくは7〜7
0重量%の範囲であり、5重量%より少いと押出時に微
粉体の形状が破壊され凝集体が得られなくなり、120
重量%より多くなると凝集体がもろくなる。
【0021】ポリカーボネートの微粉体の凝集体を押出
す際、押出機出口に細孔又はスリットを有するダイを付
設し、押出されたストランド状又はリボン状に凝集され
たポリカーボネートを所望の長さに切断することにより
粒径の揃ったポリカーボネート凝集体が得られる。ダイ
としては、押出軸と同方向に押出す前押出型又は押出軸
と直角若しくは軸方向に押出す横押出型の何れでも用い
られる。形状は特に制限する必要はないが、孔の工作面
から円形が一般的である。ダイの孔の構造は、押出能力
と乾燥効率、取扱性の点から孔径は0.1〜5mm、好
ましくは0.5〜3mmである。ランドは、同一孔径で
ダイを貫通させても、同一孔軸で異なった孔径の多段式
連通孔であってもよい。得られる凝集体の強度と吐出圧
とダイの強度の点からランド長(L)と孔径(D)の比
L/D=1〜15 であることが好ましい。多段式連
通孔を有するダイを用いる場合、大孔の径及びランド長
は押出しに支障のない程度でよい。ダイより押出された
ストランド状又はリボン状のポリカーボネート凝集体は
任意の方法で切断できる。ダイ面に対して平行になるよ
うに取付けたプロペラを回転させて切断する方法は好ま
しい例である。凝集体の長さはプロペラの取付け位置や
回転速度等で調整可能である。また、ダイを用いずに押
出した塊状のポリカーボネート凝集体を、粉砕機等によ
り適当な大きさに粉砕してもよい。
【0022】本発明では、上記ポリカーボネート微粉体
の凝集体を特定の溶融押出工程に供する前に、非溶媒及
び/又は貧溶媒による処理を施すか、又は微粉体の凝集
体を製造する前に予め非及び/又は貧溶媒による処理を
施す。具体的には、 (1)ホスゲン法によって得られたポリカーボネート有
機溶媒溶液に非及び/又は貧溶媒を添加した後、かかる
ポリカーボネート有機溶媒溶液からポリカーボネートの
水スラリーを得、このスラリーを上記ポリカーボネート
微粉体の凝集体の製造に供する方法。 (2)ホスゲン法によって得られたポリカーボネート有
機溶媒溶液からポリカーボネートの水スラリーを得、こ
のスラリーに非及び/又は貧溶媒を添加した後このスラ
リーを上記微粉体の凝集体の製造に供する方法。 (3)ホスゲン法によって得られたポリカーボネート有
機溶媒溶液からポリカーボネートの水スラリーを得、こ
のスラリーからポリカーボネート微粉体の凝集体を製造
し、この凝集体あるいはこの凝集体に水を添加した水ス
ラリーに非及び/又は貧溶媒を添加し、これよりポリカ
ーボネート粉粒体を分離する方法。 等の方法が考えられる。
【0023】本発明の方法において施される非及び/又
は貧溶媒処理とは、ポリカーボネート溶液、ポリカーボ
ネートスラリーあるいはポリカーボネート微粉体の凝集
体である粉粒体に非及び/又は貧溶媒を配合する処理で
ある。この処理において、ポリカーボネート粉粒体又は
そのスラリー中に存在する非及び/又は貧溶媒の含有割
合が重要であるが、非及び/又は貧溶媒を添加する時期
については特に限定されない。非及び/又は貧溶媒の含
有割合は、ポリカーボネート1重量部に対し0.001
〜1.2重量部であり、0.01〜1.0重量部の範囲
が好ましい。かかる所定量の非及び/又は貧溶媒を含有
するポリカーボネート粉粒体又はそのスラリーを乾燥す
ることにより、ポリカーボネート中の有機溶媒が、非及
び/又は貧溶媒に置換され、ある程度塩素含有量の低減
したポリカーボネート粉粒体を得ることができる。上記
非及び/又は貧溶媒の含有割合が0.001重量部未満
ではポリカーボネート中への浸透が不十分であり、塩素
含有量の低減の効果が低く、1.2重量部より多く含有
しても、効果の向上は見られず、また回収処理量も多く
なり好ましくない。なお、ポリカーボネートスラリー又
はポリカーボネート微粉体の凝集体である粉粒体に非及
び/又は貧溶媒を添加するに当り、かかる粉粒体に含有
される有機溶媒量が少なく、非及び/又は貧溶媒が粉粒
体中に十分に置換し難いときには、適当量の有機溶媒
を、予めスラリー又は粉粒体に添加しておくか、又は非
及び/又は貧溶媒に予め混合しておくのが好ましい。ま
た、ポリカーボネートスラリー又はポリカーボネート微
粉体の凝集体若しくはその水スラリーに非及び/又は貧
溶媒を添加する上記(2)および(3)の方法は、有機
溶媒を回収し易い点で好ましい方法である。
【0024】本発明においては、乾燥された非及び/又
は貧溶媒処理を施したポリカーボネート微粉体の凝集体
である粉粒体を、ベント付押出機によって溶融押出して
ペレット化する。この際、押出機として少なくとも一箇
所のベントと少なくとも一箇所のベントの前に水の注入
添加部を設けた押出機を用い、少なくとも一箇所の水の
注入添加部から、水を水の注入添加部一箇所当り、ポリ
カーボネート粉粒体100重量部に対し0.2〜4重量
部、好ましくは0.5〜3重量部添加し、ベントから脱
揮しながらペレット化する。水の添加はベント部の直前
で注入添加するのが好ましい。また、ベント付押出機と
しては、ベント部が二箇所以上設けられている多段ベン
ト付押出機が好ましく、ベント数と水の注入添加箇所共
に二箇所以上、特に二〜五箇所設けたものが好ましい。
また、押出機の形式としては二軸押出機が好ましい。水
の添加量は、あまりに少ないと十分な塩素含有量の低減
効果が得られ難く、またあまりに多いとベント部での脱
揮が不十分になり、ポリカーボネートの加水分解を生じ
易くなるので、一箇所での水の添加量を、前記範囲とす
ることが好ましい。
【0025】各ベントの真空度は、50Torr以下に
するのが好ましい。更に好ましくは30Torr以下で
ある。真空度が十分でないと添加した水がベント部で十
分に除去されず、ポリカーボネートに加水分解等の悪影
響を及ぼすようになるので好ましくない。その他の押出
条件は、格別な条件を採用する必要はなく、通常の溶融
押出条件が採用され、例えば樹脂温度は、ビスフェノー
ルAとカーボネート前駆物質から得られるポリカーボネ
ートの場合260〜320℃の範囲が好ましい。この溶
融押出工程に供する非及び/又は貧溶媒処理の施された
ポリカーボネート微粉体の凝集体は、溶融押出工程中に
おけるポリカーボネートの加水分解等を防止するため
に、十分に乾燥する必要があるが、この凝集体は極めて
乾燥性に優れているので、この乾燥には特別の手段を必
要とせず、任意の手段が採用される。
【0026】本発明で得られるポリカーボネートペレッ
トは、残留塩素量が極めて少く、しかも下記の実施例か
らも明らかなように、その製造条件が異なっても、ペレ
ット中の残留塩素量は略0.1ppmと安定した品質を
呈する等極めて優れたものである。
【0027】本発明で得られるポリカーボネートペレッ
トは、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、溶
液キャスティング法等任意の方法で成形することがで
き、そのガラス転移温度が特に高いものはキャスティン
グ法が好ましい。本発明の製造方法によって得られるポ
リカーボネートペレットから成形される成形品は、塩素
含有量が極めて少なく、特に大小種々の水ボトル(0.
1〜50リットル程度の飲料水や清涼飲料水ボトル)に
用いた場合に保存水中に溶出する塩素化合物の量が極め
て少なく安全性に優れるため、水ボトル用途として好適
に用いることができる。また、得られるポリカーボネー
トペレットには、必要に応じて熱安定剤、酸化防止剤、
光安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤等の添加
剤を加えることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を更
に説明する。なお、実施例中の部及び%は重量部及び重
量%であり、塩素含有量、非又は貧溶媒の残留量は下記
の方法によって測定した。 (1)塩素含有量:三菱化学(株)製の塩素イオウ分析
装置TSX10型を用いて燃焼法により測定した。 (2)非又は貧溶媒の残留量:ヘッドスペース法(25
0℃、2時間)によりFID−GCにて測定した。
【0029】[参考例1] (A)溶液供給口、水蒸気導入口、温水導入口、蒸気排
出口及び溢流口を設けたニーダーに、嵩密度が0.6g
/mlのポリカーボネート粒子と温水を仕込み、これに
ビスフェノールAとホスゲンから常法により合成し、精
製した比粘度0.426のポリカーボネートの塩化メチ
レン溶液(濃度15%)を撹拌下一定速度で連続的に供
給し、同時に圧力2.7kg/cm2 の水蒸気と41℃
の温水を導入し、水温を41℃に維持しながらポリカー
ボネート濃度が50%の水スラリーを連続的に排出し
た。このスラリー中のポリカーボネートの塩化メチレン
含有量は40%であった。これをポリカーボネートスラ
リーAとする。
【0030】(B)径が40mm、L/Dが9.25、
圧縮なし、スクリュー先端とダイスとの距離が20m
m、溝深さ6mmのスクリューを内蔵し、シリンダーに
温度調節用ジャケットを設けた単軸押出機を用い、押出
機の出口に孔径が2mmでランドが5mmの穴を82個
有するダイを設け、ダイの正面に4mmの間隔をおいて
切断機(長さ50mmの1枚翼のプロペラ)を配置し、
ジャケット温度を15℃、スクリュー回転数を20rp
m、切断機回転数を80rpmに設定した。上記(A)
で得たポリカーボネートスラリーAを押出機のホッパー
に連続的に供給し、押出機内で脱水し、微粉砕し、押出
して微粉体の凝集体を得た。スラリーの供給量は2.6
kg/時、スクリューグランド側への分離水は0.68
リットル/時、押出量は1.8kg/時、約2時間の運
転中ホッパー内でのブリッジング等のトラブルは発生し
なかった。この微粉体の凝集体の含水率は14%、塩化
メチレン含有量は35%であった。この凝集体の折った
面を電子顕微鏡により1,000倍に拡大したところ9
0%以上の粒子の粒径が2〜20μmの微粉体の凝集体
であることが確認された。この微粉体の凝集体をポリカ
ーボネート粉粒体Bとする。
【0031】[参考例2] (A)参考例1(A)で得たポリカーボネートスラリー
A(ポリカーボネート濃度50%)に、ヘプタンをポリ
カーボネート1部に対して0.3部になる量添加し、6
0分撹拌した。このスラリーをポリカーボネートスラリ
ーCとする。
【0032】(B)上記(A)で得たヘプタン処理した
ポリカーボネートスラリーCを用いる以外は参考例1
(B)と同様にして微粉体の凝集体を得た。約2時間の
運転中ホッパー内でのブリッジング等のトラブルは発生
しなかった。この微粉体の凝集体の含水率は13%、塩
化メチレン含有量は33%であり、またヘプタン含有量
はポリカーボネート1部に対しヘプタン0.28部であ
った。この凝集体の折った面を電子顕微鏡により1,0
00倍に拡大したところ90%以上の粒子の粒径が2〜
20μmの微粉体の凝集体であることが確認された。こ
の微粉体の凝集体をポリカーボネート粉粒体Dとする。
【0033】[参考例3]参考例1(A)で得たポリカ
ーボネートスラリーA(ポリカーボネート濃度50%)
を用い、参考例1(B)で用いた単軸押出機からダイと
切断機を取除く以外は参考例1(B)と同様にして押出
機内で脱水し、微粉砕し、押出し、次いで粉砕機にて湿
式粉砕して微粉体の凝集体を得た。この微粉体の凝集体
の含水率は15%、塩化メチレン含有量は36%であっ
た。この凝集体の破砕面を電子顕微鏡により1,000
倍に拡大したところ90%以上の粒子の粒径が2〜20
μmの微粉体の凝集体であることが確認された。この微
粉体の凝集体をポリカーボネート粉粒体Eとする。
【0034】[実施例1] (A)参考例1(B)で得たポリカーボネート粉粒体B
に水を加えて濃度が30%の水スラリーを調整し、この
水スラリーに、ポリカーボネート1部に対し0.2部に
なる量のヘプタンを加え、60分撹拌した後70℃で3
0分、95℃で30分撹拌しながら溶媒を留去してポリ
カーボネート粉粒体を分離し、145℃で7時間乾燥し
た。乾燥後のポリカーボネート粉粒体の塩素含有量は
1.3ppm、ヘプタン残存量は88ppmであった。
【0035】(B)かかる乾燥後のポリカーボネート粉
粒体を、3箇所のベントと夫々のベントの直前に水の注
入添加部を設けた神戸製鋼(株)製46φ二軸押出機K
TX−46(エレメント構成:溶融ゾーン、水添ゾーン
にニーディングスクリューエレメント使用)により、ス
クリュー回転数を150rpm、吐出量を50kg/
時、シリンダー温度を250〜290℃、水の注入添加
量をポリカーボネート100部に対し、第1ベントの直
前の水の注入添加量を0、第2ベント直前の水の注入添
加量を1.0部、第3ベント直前の水の注入添加量を
1.0部にし、第1ベントの真空度を25Torr、第
2ベントの真空度を10Torr、第3ベントの真空度
を9Torrにし、溶融押出してペレット化した。得ら
れたペレットの塩素含有量は0.1ppm、ヘプタン残
存量は9ppmであった。
【0036】[実施例2] (A)ヘプタンの使用量をポリカーボネート1部に対し
0.3部にする以外は実施例1(A)と同様にヘプタン
処理及び乾燥を行った。乾燥後のポリカーボネート粉粒
体の塩素含有量は0.6ppm、ヘプタン残存量は11
5ppmであった。
【0037】(B)この乾燥後のポリカーボネート粉粒
体を用い、水の注入添加量をポリカーボネート100部
に対し、第1ベントの直前で1.0部、第2ベントの直
前で1.5部、第3ベントの直前で1.5部にする以外
は実施例1(B)と同様に溶融押出してペレットを得
た。このペレットの塩素含有量は0.1ppm、ヘプタ
ン残存量は6ppmであった。
【0038】[実施例3] (A)ヘプタンの使用量をポリカーボネート1部に対し
0.4部にする以外は実施例1(A)と同様にヘプタン
処理及び乾燥を行った。乾燥後のポリカーボネート粉粒
体の塩素含有量は0.3ppm、ヘプタン残存量は90
ppmであった。
【0039】(B)この乾燥後のポリカーボネート粉粒
体を用い、水の注入添加量をポリカーボネート100部
に対し、第1ベントの直前で1.0部、第2ベントの直
前で1.5部、第3ベントの直前で1.5部にする以外
は実施例1(B)と同様に溶融押出してペレットを得
た。このペレットの塩素含有量は0.1ppm、ヘプタ
ン残存量は5ppmであった。
【0040】[実施例4] (A)ヘプタンに代えてシクロヘキサンをポリカーボネ
ート1部に対し0.3部用いる以外は実施例1(A)と
同様にシクロヘキサン処理及び乾燥を行った。乾燥後の
ポリカーボネート粉粒体の塩素含有量は0.5ppm、
シクロヘキサン残存量は42ppmであった。
【0041】(B)この乾燥後のポリカーボネート粉粒
体を用い、実施例1(B)と同様に溶融押出してペレッ
トを得た。このペレットの塩素含有量は0.1ppm、
シクロヘキサン残存量は7ppmであった。
【0042】[実施例5] (A)ヘプタンに代えて酢酸エチルをポリカーボネート
1部に対し0.3部用いる以外は実施例1(A)と同様
に酢酸エチル処理及び乾燥を行った。乾燥後のポリカー
ボネート粉粒体の塩素含有量は0.5ppm、酢酸エチ
ル残存量は20ppmであった。
【0043】(B)この乾燥後のポリカーボネート粉粒
体を用い、実施例1(B)と同様に溶融押出してペレッ
トを得た。このペレットの塩素含有量は0.1ppm、
酢酸エチル残存量は3ppmであった。
【0044】[実施例6]参考例2(B)で得たポリカ
ーボネート粉粒体Dを用いて実施例1(B)と同様に溶
融押出してペレットを得た。このペレットの塩素含有量
は0.1ppm、ヘプタン残存量は6ppmであった。
【0045】[実施例7]参考例3で得たポリカーボネ
ート粉粒体Eに水を加えて濃度が30%の水スラリーを
調整し、この水スラリーに、ポリカーボネート1部に対
し0.3部になる量のヘプタンを加え、60分撹拌した
後70℃で30分、95℃で30分撹拌しながら溶媒を
留去してポリカーボネート粉粒体を分離し、145℃で
7時間乾燥した。乾燥後のポリカーボネート粉粒体の塩
素含有量は0.6ppm、ヘプタン残存量は92ppm
であった。この乾燥後の粉粒体を用いて実施例1(B)
と同様に溶融押出してペレットを得た。このペレットの
塩素含有量は0.1ppm、ヘプタン残存量は6ppm
であった。
【0046】[比較例1]参考例1(B)で得たポリカ
ーボネート粉粒体Bを70℃で30分、95℃で30分
撹拌しながら溶媒を留去してポリカーボネート粉粒体を
分離し、145℃で7時間乾燥した。乾燥後の粉粒体の
塩素含有量は5.8ppmであった。この乾燥後の粉粒
体を用い、実施例1(B)と同様に水を注入添加し溶融
押出してペレットを得た。このペレットの塩素含有量は
3.7ppmであった。
【0047】[比較例2]実施例2(B)において、溶
融押出工程で水の注入添加をしない以外は実施例2と同
様にしてペレットを得た。このペレットの塩素含有量は
0.4ppm、ヘプタン残存量は18ppmであった。
【0048】[比較例3]比較例1において、溶融押出
工程で水の注入添加をしない以外は比較例1と同様にし
てペレットを得た。このペレットの塩素含有量は4.5
ppmと高かった。
【0049】[比較例4]参考例2(A)で得たポリカ
ーボネートスラリーCを70℃で30分、95℃で30
分撹拌しながら溶媒を留去してポリカーボネート粉粒体
を分離し、145℃で7時間乾燥した。この粉粒体の塩
素含有量は10ppm、ヘプタン残存量は550ppm
であった。かかるポリカーボネート粉粒体を用い、実施
例1(B)と同様に水を注入添加し溶融押出してペレッ
トを得た。このペレットの塩素含有量は0.7ppm、
ヘプタン残存量は35ppmであった。
【0050】以上の結果をまとめて表1に示した。表1
中の非又は貧溶媒の種類を示す記号は下記のものを示
す。 HP:ヘプタン CH:シクロヘキサン EA:酢酸エチル
【0051】
【表1】
【0052】[実施例8]実施例1で得たペレットを用
いて射出吹込み成形により1リットルの水ボトルを成形
し、FDA規格に準拠してイオン交換水を満たして35
℃での塩化メチレンの水中への平衡溶出量をテクマー社
製のパージアンドトラップ装置を用い、GC−MSで測
定(検出限界;0.002mg/リットル)したとこ
ろ、0.002mg/リットル以下であった。
【0053】[比較例5]比較例1で得たペレットを用
いて実施例8と同様にして1リットルの水ボトルを成形
し、平衡溶出量を求めたところ0.020mg/リット
ルであった。
【0054】
【発明の効果】本発明によって得られるポリカーボネー
トペレットは、塩素含有量が極めて少なく、それから得
られる成形品に残存する塩素量も極めて少なく、特に大
小種々の水ボトルに用いた場合に、保存水中に溶出する
塩素化合物の量は極めて少なく好適である。このよう
に、本発明は特に安全性の高いポリカーボネートが得ら
れるので極めて有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスゲン法によって製造したポリカーボ
    ネート粉粒体を溶融押出してペレット化するに当り、該
    ポリカーボネート粉粒体は、ポリカーボネート微粉体の
    凝集体であって且つ非及び/又は貧溶媒処理を施してな
    るポリカーボネート粉粒体であり、該ペレット化は、少
    なくとも一箇所のベントと少なくとも一箇所のベントの
    前に水の注入添加部を設けた押出機を用い、少なくとも
    一箇所の水の注入添加部から、水を水の注入添加部一箇
    所当り、ポリカーボネート粉粒体100重量部に対し
    0.2〜4重量部添加し、ベントから脱揮しながらポリ
    カーボネート粉粒体を溶融押出する方法であることを特
    徴とするポリカーボネートペレットの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリカーボネート微粉体の凝集体である
    粉粒体が、下記の方法によって得られる粉粒体である請
    求項1記載のポリカーボネートペレットの製造方法。 (1)ポリカーボネートと有機溶媒と水からなるスラリ
    ー又は湿潤ペーストであって、ポリカーボネートと有機
    溶媒との合計量に対する有機溶媒の割合が10〜65重
    量%で且つポリカーボネートに対する水の割合が5重量
    %以上であるポリカーボネートを含有するスラリー又は
    湿潤ペーストを調製する工程a、(2)前記スラリー又
    は湿潤ペーストにシェアーをかけて、90%以上が50
    μm以下の粒径のポリカーボネート微粉体を形成させる
    微粉砕工程b及び(3)工程bで得たポリカーボネート
    微粉体を加圧して、ポリカーボネートと有機溶媒との合
    計量に対する有機溶媒の割合が10〜65重量%で且つ
    ポリカーボネートに対する水の割合が5〜120重量%
    である凝集体を形成させる工程cから得られるポリカー
    ボネート微粉体の凝集体である粉粒体。
  3. 【請求項3】 非及び/又は貧溶媒が、シクロヘキサ
    ン、ヘプタン及び酢酸エチルよりなる群から選ばれる少
    くとも一種の非及び/又は貧溶媒である請求項1記載の
    ポリカーボネートペレットの製造方法。
  4. 【請求項4】 該ペレット化が、少くとも二箇所のベン
    トと少くとも二箇所のベントの直前に水の注入添加部を
    設けた押出機を用い、少くとも二箇所の水の注入添加部
    から、水を水の注入添加部一箇所当り、ポリカーボネー
    ト粉粒体100重量部に対し0.2〜4重量部になる量
    注入添加し、各ベントから50Torr以下の真空度で
    脱揮しながらポリカーボネート粉粒体を溶融押出する方
    法である請求項1記載のポリカーボネートペレットの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の方法のいずれかによ
    って製造された塩素含有量が0.3ppm以下のポリカ
    ーボネートペレットを成形してなる成形品。
  6. 【請求項6】 成形品が、ボトルである請求項5記載の
    成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002240033A (ja) * 2001-02-22 2002-08-28 Teijin Chem Ltd ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法

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