JPH10294307A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JPH10294307A
JPH10294307A JP10056060A JP5606098A JPH10294307A JP H10294307 A JPH10294307 A JP H10294307A JP 10056060 A JP10056060 A JP 10056060A JP 5606098 A JP5606098 A JP 5606098A JP H10294307 A JPH10294307 A JP H10294307A
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裕 奥村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良質のプラズマを供給。 【解決手段】プラズマ発生空間22がプラズマ処理空間
13に隣接し且つ連通しているプラズマ処理装置におい
て、プラズマ発生空間22が分散等して形成され、且つ
プラズマ発生空間22内に電子を封じる磁気回路25が
付設される。プラズマ成分比率の制御性がよい。プラズ
マ分布の均一性確保とプラズマ処理空間からプラズマ発
生空間へのガス流入阻止の両立が図れる。さらに、プラ
ズマ処理空間13を可動壁体40で囲んで、圧力制御性
も高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ICやLCDな
ど高精度の製造工程においてプラズマ処理を効率よく行
うときに好適なプラズマ処理装置に関し、詳しくは、電
界及び磁界を用いてプラズマを発生させるプラズマ処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CVDやエッチング,アッシング
等のプラズマ処理に用いられるプラズマ処理装置の例と
して、対向電極となる一対の平行平板を設けておいてこ
れらの平行平板間にプラズマ処理空間を形成してシリコ
ンウエハ等の基板を対象にエッチング処理を行ういわゆ
る平行平板形エッチャー(RIE)や成膜処理を行う平
行平板形PCVD等が知られている。図13に縦断面構
造図を示したが、平行平板形のプラズマ処理装置は、一
対の平行平板が真空チャンバ内に設けられていて、両平
板間に形成されたプラズマ処理空間にプラズマを発生さ
せ又は導入するとともにそのプラズマ処理空間内に所定
の処理ガス等も導入する。そして、プラズマ処理空間に
てプラズマ反応を行わせ、これによってプラズマ処理空
間内の基板表面に対してエッチング処理等を施すもので
ある。
【0003】エッチャーを例に詳述すると、この装置
は、真空チャンバ本体部2の上に真空チャンバ蓋部3が
開閉可能に取着された真空チャンバを備えており、被処
理物である基板1が平板状をしていることから、水平に
置かれたカソード部12が真空チャンバ本体部2内のほ
ぼ中央に設けられ、このカソード部12の上面が平坦に
形成されたうえ絶縁膜が張られて基板1を乗載しておく
ことが可能なようになっている。真空チャンバ本体部2
の内底中央には筒状のローアーサポート12aが貫通し
て立設されており、カソード部12はこのローアーサポ
ート12aの上端に固着して支持されており、これらに
よって構成された基板支持体は、真空チャンバ内に植設
され上面が基板乗載可能に形成されたものとなってい
る。
【0004】真空チャンバ蓋部3内のほぼ中央であって
カソード部12の上方にはアノード部11が筒状のアッ
パーサポート11aによって真空チャンバ蓋部3に垂設
されており、アノード部11とカソード部12とを互い
に対向した電極としてRF電源31によって高周波が印
加されると所定の真空圧の下でアノード部11とカソー
ド部12との間にプラズマが発生する。そこに、所定の
処理ガスが供給されるとカソード部12上面に載置され
た基板1にガス状態等に応じたプラズマ処理がなされ
る。これにより、アノード部11は、カソード部12の
上面との間にプラズマ処理空間13を形成するものとな
っている。
【0005】真空チャンバ本体部2には真空チャンバ内
ガスを吸い出して適度な真空度を保つために内外貫通し
た吸引口2aが加工形成され、この吸引口2aに対し順
にゲートバルブ4a、可変バルブ4、真空ポンプ5が連
結されている。ゲートバルブ4aは保守時等に仕切るた
めの手動弁であり通常動作時には開状態にされる。これ
とターボポンプ等の真空ポンプ5とに介挿された可変バ
ルブ4は、バルブ開度を可変駆動するモータ等が付設さ
れていてこれを電気信号で制御することで遠隔制御可能
な通過流体の可変絞りとして機能する。そして、真空チ
ャンバに付設された真空圧計4bによって真空チャンバ
内の真空圧が検出され、この検出値と所定の設定目標値
との差に基づいてPID制御回路4cによって制御信号
が生成出力されると、この制御信号に従って可変バルブ
4による絞り量が可変駆動される。このような真空圧計
4bを圧力検出器としPID制御回路4cを圧力制御回
路とし可変バルブ4を圧力制御機構とする圧力制御手段
によって、真空チャンバ内の真空圧が設定圧力になるよ
うに自動制御される。
【0006】ところで上述のようにプラズマ空間を挟む
平行平板に電界を加えるだけのプラズマ発生ではプラズ
マ密度が不足するので、磁界も加えてプラズマを封じる
ことで高密度プラズマ(HDP)を発生させるようにし
た物も知られている。これは、MRIE(マグネトロン
リアクティブイオンエッチャー)等に応用されており、
プラズマの高密度化に伴ってプラズマ成分におけるイオ
ン種の割合も増加させるものである。このタイプではプ
ラズマが偏在しがちなことに加えて、イオン種の割合が
高くなるとイオンによる被処理物へのダメージも強くな
る傾向がある。そこで、特開平3−79025号公報に
記載の如く平面状コイルを用いた磁場の一様化によって
ダメージを防止しようとした装置もあるが、この方式で
は、依然として、発生中の高密度プラズマに被処理物が
直接曝される。しかし、そのことに起因してのプラズマ
電流による被処理物のチャージアップ等その他の問題つ
いては、言及が無い。
【0007】これに対し、イオンによる被処理物へのダ
メージを低減させるとともに発生中の高密度プラズマに
被処理物が直接曝されないようにするために、プラズマ
空間を互いに連通したプラズマ処理空間とプラズマ発生
空間とに分離しておき、プラズマ発生空間内で高密度プ
ラズマを発生させてそこからプラズマ処理空間へプラズ
マを供給させる際にプラズマ成分のイオン種を抑制して
ラジカル種の割合を増加させるようにしたプラズマエッ
チング装置も知られている。これには、ラジカルフロー
を利用したECR(電子サイクロトロン共鳴)や特開平
4−81324号公報記載のもの等のように両空間を距
離的に引き離したものや、ICP(インダクティブカッ
プルプラズマ)等のように強力な磁場で高密度プラズマ
をプラズマ処理空間に隣接したプラズマ発生空間へ閉じ
こめるもの、さらにプラズマ処理空間にプラズマ発生空
間が隣接している点では同じであるが特開平4−290
428号公報記載のもの等のようにリングアンテナから
の円偏波電磁波を利用して高密度プラズマを閉じこめる
ものなどに分類される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のプラズマ処理装置のうち、上述したECRタイプ
のもの即ち距離的に引き離す方式では、プラズマ処理空
間およびプラズマ発生空間の両空間が適度な距離を保つ
ようにそれらの機構を実装するうえで制約が多い等のこ
とから、イオン種の割合が必要以上に抑制されてしまっ
てラジカル種が増えた割にはプラズマ処理効率の向上が
得られない。しかも、機構の実装等を工夫してプラズマ
におけるラジカル種の成分とイオン種の成分との比率を
プラズマ処理効率の高いところへ近づけたとしても、活
性ガスの種類や圧力さらには被処理物の材質などが変化
すると望ましい比率自体がずれて変動するうえ、両空間
の距離を可変制御しうる機構の具体化が困難なこともあ
って、この方式の下では、適正なプラズマ成分比率で処
理効率が良いというプラズマ処理装置を実現しきれてい
ない。
【0009】一方、ICPのタイプでは、コイルに流す
電流の時間変化に伴う磁界の変化が電子を加速してその
電子が周りの処理ガスを電離させるエネルギーを超える
とイオン化が起こりプラズマが発生し形成される。この
電離メカニズムは、コイルの合成磁界に依存して収束さ
れた状態で形成されるため、イオン化に役立つ高エネル
ギー電子の発生形状はドーナツ状となる。この電子エネ
ルギー分布はほぼボルツマン分布をするから、電離以上
のエネルギーを持つ電子は、プラズマ空間内のガスを電
離させ、それ以下の電子はラジカルを生成させる。この
ように、ICPプラズマではイオン形成とラジカル形成
とが同一のプラズマ形成手段に依存しているため、イオ
ンとラジカルとの密度比率を任意に設定・制御すること
ができない。また、TCPプラズマ(トランスフォーム
ドカップルプラズマ)についても、コイル形状は異なる
が、ほぼ同一のメカニズムとなっている。
【0010】他方、円偏波電磁波を利用する方式では、
強力磁場の利用は避けても、大径の単一リングアンテナ
を用いていること等のため、プラズマ処理空間における
プラズマ分布の均一性を確保するために、プラズマ発生
空間が概ねプラズマ処理空間に匹敵する広がりを持って
おり、少なくとも被処理物以上の広がりを持っており、
その広い状態のまま両空間の隣接面のところで連通する
ものとなっている。
【0011】しかし、両空間連通部の面積が広いと、プ
ラズマ処理空間からプラズマ発生空間へ逆流するガスが
多くなる。このことは、プラズマ処理空間とプラズマ発
生空間とが分離されていても隣接している方式を採って
いる従来のプラズマ処理装置の場合すべてに共通して言
えることである。さらに、このことはECR等について
もほぼ同じと言える。このタイプの場合、一見すると、
TCPやICPプラズマと異なりプラズマ発生空間とプ
ラズマ処理空間とが離れているため、両者が分離されて
いるように見えるが、両空間の連通部における開口径が
大きいので、プラズマ成分に関しては見かけほど分離さ
れていないのである。
【0012】このような逆流ガスには被処理物の処理に
よって発生等した早急に排出すべき成分も一部ではあっ
ても含まれている。そして、かかる排出すべきガスは、
プラズマ発生空間に入ると高密度プラズマによって激し
く分解・電離させられるので、適正な処理を妨げたり装
置内部を汚染させたりする不所望なものに変質してしま
うことが多い。一応分割されていてもプラズマ成分に関
しては明確に分離しきれていないのである。このため、
プラズマ分布の均一性が確保できたとしても、不所望な
ガスの逆流を阻止できないのでは、良質の処理を提供す
ることが難しい。
【0013】なお、両空間が連通する隣接面のところに
連通面積を絞るバッフル板を設置して通過量を抑制する
ことも考えられるが、この場合、流入量が減っても流出
量も同様に減ることから、一旦プラズマ発生空間へ入っ
たガスはなかなか出ていかないので、高密度プラズマに
よって変質させられるガスの割合が高くなってしまう。
このため、単純に特開平4−290428号公報記載の
もの等とバッフル板等とを組み合わせても、ガス変質防
止という最終的な効果は期待できない。
【0014】そこで、プラズマ処理空間からプラズマ発
生空間へのガス流入を有効に阻止することができるよう
に両空間の構造等を工夫することが課題となる。ただ
し、プラズマダメージやチャージアップ低減の観点から
プラズマ空間をプラズマ発生空間とプラズマ処理空間と
に分離するとともに、プラズマにおけるラジカル種の成
分とイオン種の成分との比率を適正化するという観点か
ら、プラズマ発生空間とプラズマ処理空間とを隣接させ
るという条件は維持したい。
【0015】ところで、プラズマ処理の対象である基板
サイズが広がって大きくなるに連れて1枚ごとに処理す
る枚様処理がプラズマ処理装置でも一般的となってお
り、その場合、一対の平行平板のうち基板支持体となる
他方の平板についてその上面は概ね基板によって覆われ
ることから、それ以前のように基板支持体の中央に吸引
口を設けるということが難しいので、従来のプラズマ処
理装置では、吸引口が真空チャンバ本体部において基板
支持体植設部位を外したところに形成されている。そし
て、基板サイズが大きくなるに連れて平行平板も大きく
なり、さらにはチャンバ内容積や吸引口も拡大してきて
いる。
【0016】一方、基板サイズが大きくなったからとい
って、処理の精密度や均一性に対する要求は緩むことな
く厳しさを増すばかりである。そして、この要求に応え
るには、基板上面全域に亘ってプラズマ状態の均一性を
確保することが必要となる。ところが、吸引口が対称中
心からずれていたり、例え吸引口を対称位置に分散させ
たとしても各吸引口から真空ポンプまでの配管に長短が
あったりすると、プラズマ等の流れが偏向して、プラズ
マの均一性を確保するのが難しい。これに対しては、真
空チャンバにおいて吸引口の手前にバッフル板を設置し
てバッフル板より手前の流れを均一化することも考えら
れるが(図13における2b参照)、この場合、チャン
バ内容積の増加に加えて、バッフル板が流れの抵抗にな
ることから、圧力制御性が低下してしまう。すなわち、
プラズマの圧力状態を素早く制御することができなくな
って圧力変動が増加し、その結果、プラズマの圧力を所
望の設定状態に維持することが困難となる。
【0017】他方、プラズマの圧力制御性を高めるには
逆に真空チャンバの容積を減らすことが有効といえる。
具体的にはチャンバ内側壁が平行平板の辺縁部に接触し
そうなところまで真空チャンバを縮めることが考えられ
る(図14参照)。もっとも、このような強引な手法で
単純にチャンバ容積の削減を行ったのでは、吸引口をプ
ラズマ処理空間の真横に設けざるを得ないことから、プ
ラズマの流れが激しく偏ってプラズマの均一性が大きく
損なわれることになりかねない。この場合、緩衝用にバ
ッフル板を設ける空間的な余裕も無く、基板の搬入搬出
機構等の付設や平行平板の裏側等の保守作業も困難にな
ってしまう。
【0018】しかしながら、プラズマ処理の均一性に加
えて基板の大形化もプラズマ処理装置に対する重要な要
請であり、何れか一方にしか応えないのでは、装置の製
品価値を維持向上させることができない。そこで、これ
らの相反する要求に応えるべく、プラズマの圧力状態等
を一層均一に且つ一層素早く制御することが可能な構造
を案出することも、さらなる課題となる。
【0019】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたものであり、プラズマ空間をプラズマ発生
空間とプラズマ処理空間とに分離し且つこれらを隣接さ
せるという前提条件の下でプラズマ成分比率の適正化・
制御性を積極的に高めるとともに、プラズマ分布の均一
性確保とプラズマ処理空間からプラズマ発生空間へのガ
ス流入阻止の両立を図ることにより、良質のプラズマを
供給するプラズマ処理装置を実現することを目的とす
る。また、この発明は、均一で質の良いプラズマの供給
に加えて圧力制御性にも優れたプラズマ処理装置を実現
することも目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1乃至第14の解決手段につい
て、その構成および作用効果を以下に説明する。なお、
その骨子は、プラズマ空間をプラズマ発生空間とプラズ
マ処理空間とに分割するとともに、分割された両空間に
おけるプラズマ成分に関しての分離度を高めることにあ
る。
【0021】[第1の解決手段]第1の解決手段のプラ
ズマ処理装置は(、出願当初の請求項1に記載の如
く)、プラズマ処理空間が形成された第1機構と、前記
第1機構に取着して又はそれと一体的に設けられプラズ
マ発生空間が形成された第2機構とを具え、前記プラズ
マ発生空間が前記プラズマ処理空間に隣接し且つ連通し
ているプラズマ処理装置において、前記プラズマ発生空
間が分散等して形成されたものであることを特徴とする
ものである。
【0022】[第2の解決手段]第2の解決手段のプラ
ズマ処理装置は(、出願当初の請求項2に記載の如
く)、(真空チャンバ内に)対向電極となる一対の平行
平板(を具えこれら平行平板)間にプラズマ処理空間を
形成したプラズマ処理装置において、前記一対の平行平
板のうち一方の平板に又はその隣接機構部に、前記プラ
ズマ処理空間に隣接し且つ連通したプラズマ発生空間が
分散等して形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0023】すなわち、これら第1,2の解決手段のプ
ラズマ処理装置は、プラズマ空間がプラズマ発生空間と
プラズマ処理空間とに分割されているとともに、プラズ
マ発生空間がプラズマ処理空間に隣接し且つ連通してい
るプラズマ発生装置において、プラズマ発生空間が分散
等して形成されているものである。
【0024】ここで、上記の「分散等」とは、点状に分
かれて散在しているという文字通りの分散の他、密接と
は言えない程度に離れるように分割されている場合や、
線状,破線状,直・曲線状などで複数の又はそれらの混
在するものがプラズマ処理空間との隣接部・連通部に分
布している場合、さらには環状,円状,多角形状、スパ
イラル状のものが同心で若しくは非同心で多数が列設さ
れ又は単独で広く形成されている場合も該当する意味で
ある。
【0025】このような第1,2の解決手段のプラズマ
処理装置にあっては、プラズマ空間の分離および隣接連
通という条件を維持することにより、プラズマダメージ
やチャージアップの低減、及びプラズマにおけるラジカ
ル種の成分とイオン種の成分との比率適正化という基本
的要請に応えている。
【0026】しかも、プラズマ発生空間が分散等して形
成されているので、プラズマ分布の均一性確保の要請に
応え得るばかりか、プラズマ処理空間との連通隣接面さ
らにはその面に沿ったプラズマ発生空間自身の断面積が
必然的にプラズマ処理空間のそれよりも小さくなる。こ
のことは、全断面についてだけでなく、中央部やその他
の部分断面についてもいえる。このように双方空間の面
積に差があると、連通隣接面の面積とこれに沿ったプラ
ズマ処理空間の断面積との比を第1比とし連通隣接面の
面積とこれに沿ったプラズマ発生空間の断面積との比を
第2比として、第1比が1未満で且つ第2比よりも小さ
いことになる。
【0027】そして、第1比が1未満の場合、プラズマ
処理空間からプラズマ発生空間へ流入するガス量が減少
する。一方、第2比が1の場合、プラズマ発生空間から
プラズマ処理空間へ流出するガス量は減少しない。ま
た、第2比が1未満で流出ガス量が減少する場合であっ
ても、第2比が第1比より大きければ、減少の程度が小
さくて済む。何れにしても、相対的には、プラズマ処理
空間からプラズマ発生空間へ流入するガスの割合よりも
プラズマ発生空間からプラズマ処理空間へ流出するガス
の割合の方が高くなる。これにより、不所望なガスのプ
ラズマ発生空間への流入が抑制されるばかりか、ガスが
プラズマ発生空間へ入ってしまったときでもそのガスは
プラズマ流とともに速やかにプラズマ処理空間へ出され
てしまうので、高密度プラズマによるガス変質を防止・
抑制することができる。
【0028】したがって、この発明によれば、所定の前
提条件の下でプラズマ成分比率の適正化・制御性を積極
的に高めるとともに、プラズマ分布の均一性確保とプラ
ズマ処理空間からプラズマ発生空間へのガス流入阻止と
いう両要請に応えることで、良質のプラズマを供給する
ことができる。その結果、良質のエッチング処理を提供
することができる。
【0029】[第3の解決手段]第3の解決手段のプラ
ズマ処理装置は(、出願当初の請求項3に記載の如
く)、(真空チャンバ内に)対向電極となる一対の平行
平板(を具えこれら平行平板)間にプラズマ処理空間を
形成したプラズマ処理装置において、前記一対の平行平
板のうち一方の平板に又はその隣接機構部に、前記プラ
ズマ処理空間に隣接し且つ連通したプラズマ発生空間が
形成されるとともに、前記プラズマ発生空間に対して磁
気回路が付設され、この磁気回路用の磁性部材が(少な
くとも一部は)前記プラズマ発生空間によって囲まれた
又は挟まれたところに配置されていることを特徴とする
ものである。
【0030】このような第3の解決手段のプラズマ処理
装置にあっては、プラズマ空間の分離および隣接連通と
いう条件を維持することにより、プラズマダメージやチ
ャージアップの低減、及びプラズマにおけるラジカル種
の成分とイオン種の成分との比率適正化という基本的要
請に応えている。しかも、プラズマ発生空間内にはプラ
ズマの発生およびそのイオン化に寄与する電子が磁気回
路によって封じられるが、この磁気回路用の磁性部材が
少なくとも一部はプラズマ発生空間によって囲まれた又
は挟まれたところに配置されているので、磁気回路が局
所化される。そうすると、磁力線の分布状態が凝縮され
たものとなり、漏れ磁束も少なくなる。
【0031】これにより、電子がプラズマ発生空間内に
高い確度で封じられる。そして、電子がプラズマ処理空
間へ迷い出てそこの低温プラズマをランダムにイオン化
したり、逆にその電子等と入れ替わりにプラズマ処理空
間から不所望な処理ガスがプラズマ発生空間に混入して
きたりすることが少なくなる。つまり、制御不能な混合
が減少することとなる。その結果、イオン種比率の高い
プラズマを適度にプラズマ処理空間へ送給してそこのイ
オン種比率の低いプラズマと混合させるに際して、エッ
チング処理に供するプラズマにおけるイオン種成分比率
が適正値になるように広い範囲に亘って制御することが
可能となる。
【0032】また、局所的な磁気回路は、並列化等によ
って容易に均一化の要請にも応える。しかも、局所化に
よって磁気回路全体としては磁力が弱くて済むので、個
々の磁性部材に小形・簡易なものが使えて実装が容易に
なるという利点がある。さらに、プラズマ発生空間の分
散等形成という上述の構成と組み合わせた場合には、プ
ラズマ発生空間へ逆流して高密度プラズマによってイオ
ン化された不所望なガスがさらなる変質をする前に高密
度プラズマと一緒になってプラズマ処理空間へ速やかに
押し戻されるという相乗効果も期待できる。
【0033】したがって、この発明によれば、所定の前
提条件の下でプラズマ成分比率の適正化・制御性を積極
的に高めるとともに、プラズマ分布の均一性確保とプラ
ズマ処理空間からプラズマ発生空間へのガス流入阻止と
いう両要請に応えることで、良質のプラズマを供給する
ことができる。その結果、良質のプラズマ処理を提供す
ることができる。
【0034】[第4の解決手段]第4の解決手段のプラ
ズマ処理装置は(、出願当初の請求項4に記載の如
く)、(真空チャンバ内に)対向電極となる一対の平行
平板(を具えこれら平行平板)間にプラズマ処理空間を
形成したプラズマ処理装置において、前記一対の平行平
板のうち一方の平板に又はその隣接機構部に、前記プラ
ズマ処理空間に隣接し且つ連通したプラズマ発生空間が
分散等して形成されており、且つ、前記プラズマ発生空
間に電子を封じる磁気回路が付設されていることを特徴
とする。
【0035】このような第4の解決手段のプラズマ処理
装置は、上述した第2,第3の解決手段の双方の作用効
果を併せ持つものとなる。
【0036】[第5の解決手段]第5の解決手段のプラ
ズマ処理装置は(、出願当初の請求項5に記載の如
く)、上記の第4の解決手段のプラズマ処理装置であっ
て、前記プラズマ発生空間が線状に形成されたものであ
り、前記磁気回路用の磁性部材が前記プラズマ発生空間
を(両側から)挟んで(多数)列設されたものであるこ
とを特徴とする。
【0037】このような第5の解決手段のプラズマ処理
装置にあっては、プラズマ発生空間を点在・散在させた
場合に比べて、プラズマ発生空間が分散等していながら
も連続したところで或る程度の容量を確保したものとな
る。特に、スパイラル状に形成した場合は、単一空間と
してのまとまりも持つ。これにより、プラズマ発生空間
が分散等していてもその中のプラズマはかなり均一化さ
れる。また、多重環状や多重矩形辺状に形成したり、さ
らにはこれらを一部で連結させることで、まとまりを保
持しつつ処理対象基板の形状に適合した分散を図ること
も容易である。しかも、プラズマ発生空間の形状が決ま
れば、磁気回路は小片に分けてこれに沿ってその両側等
に並べることで容易に、プラズマ発生空間に電子が封じ
られることとなる。これにより、磁気回路の具体化も容
易となる。
【0038】[第6の解決手段]第6の解決手段のプラ
ズマ処理装置は(、出願当初の請求項6に記載の如
く)、上記の第3〜第5の解決手段のプラズマ処理装置
であって、前記磁気回路が永久磁石または直流励磁コイ
ルによって形成されていることを特徴とする。
【0039】このような第6の解決手段のプラズマ処理
装置にあっては、強力な電磁石が不要なので、実装設計
が容易となり、装置を小形にすることができる。また、
強力電磁石に加えてその駆動用大電源も不要となるの
で、コストが削減される。特に永久磁石の場合は、同一
・類似形状の小片を列設することで各種形状に容易に適
合するので、原価削減ばかりか設計の自由度向上も大き
い。
【0040】[第7の解決手段]第7の解決手段のプラ
ズマ処理装置は(、出願当初の請求項7に記載の如
く)、上記の第1〜第6の解決手段のプラズマ処理装置
であって、プラズマの発生または強化に寄与する電界ま
たは磁界を前記プラズマ処理空間に印加する第1印加回
路と、プラズマの発生および強化に寄与する電界または
磁界を前記プラズマ発生空間に印加する第2印加回路と
を備えたことを特徴とする。
【0041】このような第7の解決手段のプラズマ処理
装置にあっては、第1印加回路の出力パワーを変えるこ
とでプラズマにおけるイオン種成分の比率を可変制御し
うるばかりか、第2印加回路の出力パワーも変えること
でプラズマにおけるイオン種成分の比率を変えることな
くプラズマ密度を可変制御することも可能となる。これ
により、プラズマ成分比率とプラズマ密度とを独立に設
定しうるものとなる。
【0042】[第8の解決手段]第8の解決手段のプラ
ズマ処理装置は(、出願当初の請求項8に記載の如
く)、上記の第7の解決手段のプラズマ処理装置であっ
て、前記第1印加回路および前記第2印加回路は、出力
が互いに独立して制御可能なものであることを特徴とす
る。ここで、「独立して制御可能」とは、両回路の出力
を別個に可変したければそのようにできるという意味で
あり、制御の内容が関連しないということまで意味する
訳では無い。例えば、予め或る係数または関数を設定し
ておいて、この係数または関数によって両者が関連付け
られる場合でも、その係数または関数に基づくそれぞれ
の制御目標に対してそれぞれの回路がその出力を対応さ
せるとき、独立して制御可能に含まれる。
【0043】このような第8の解決手段のプラズマ処理
装置にあっては、各印加回路の出力パワーが独立に制御
される。これにより、プラズマ成分比率とプラズマ密度
とが独立して設定される。換言すればイオン種濃度とラ
ジカル種濃度とが独立に制御・設定される。そこで、広
い設定範囲の中から自由に処理条件を選択することがで
きるので、プラズマ処理の効率および質を一層向上させ
ることができる。
【0044】[第9の解決手段]第9の解決手段のプラ
ズマ処理装置は(、出願当初の請求項9に記載の如
く)、上記の第1〜第8の解決手段のプラズマ処理装置
であって、前記プラズマ発生空間は、前記プラズマ処理
空間に連通する又は開口するところの面積が(前記一対
の平行平板と平行な断面における)前記プラズマ発生空
間の面積よりも小さいものであることを特徴とするもの
である。
【0045】このような第9の解決手段のプラズマ処理
装置にあっては、プラズマ発生空間とプラズマ処理空間
との連通部分が絞られて、単にプラズマ発生空間をプラ
ズマ処理空間に開口させた場合よりも第1,第2の解決
手段について述べた第1比が小さくなるので、不所望な
ガスのプラズマ発生空間への流入が一層抑制される。さ
らに、これに加えて、プラズマ発生空間内で発生し膨張
したプラズマが面積比に応じた適度な速度でプラズマ処
理空間へ送り出されるので、そのプラズマ特にイオン種
に対して鉛直方向の速度成分を加味することもできる。
【0046】[第10の解決手段]第10の解決手段の
プラズマ処理装置は(、出願当初の請求項10に記載の
如く)、上記の第1〜第9の解決手段のプラズマ処理装
置であって、前記プラズマ発生空間にプラズマ用ガスを
導入する第1のガス導入路と、前記プラズマ処理空間に
処理ガスを導入する第2のガス導入路とが個別に設けら
れているものである。
【0047】このような第10の解決手段のプラズマ処
理装置にあっては、プラズマ用ガスが第1のガス導入路
を介してプラズマ発生空間に導入される一方、処理ガス
は、それとは別個に、第2のガス導入路を介してプラズ
マ処理空間に導入される。そして、高密度プラズマの発
生に必要なプラズマ用ガスと高密度プラズマに入ると好
ましくない処理ガスとが分離され、特に処理ガスはプラ
ズマ発生空間を経ることなくプラズマ処理に供され、こ
れらは最終段階に至って初めて混合される。これによ
り、処理ガスがプラズマ処理に供される前に高密度プラ
ズマによって変質させられるのを確実に回避することが
できる。
【0048】[第11の解決手段]第11の解決手段の
プラズマ処理装置は(、出願当初の請求項11に記載の
如く)、上記の第10の解決手段のプラズマ処理装置で
あって、前記第2のガス導入路へは反応ガス成分を含む
ガスを供給するとともに前記第1のガス導入路へは非反
応性ガスのみを供給するものである。
【0049】このような第11の解決手段のプラズマ処
理装置にあっては、処理ガスにはエッチング処理に必要
な反応ガス成分が含まれることとなる一方、プラズマ用
ガスには、高密度プラズマの発生に役立ち且つ高密度プ
ラズマとなっても不所望に変質することの無い非反応性
ガスのみが用いられる。これにより、反応ガス供給をプ
ラズマ発生空間経由で行った場合に比べて、より質の良
いプラズマを提供することができ、延いては反応ガスの
変質を気にすることなく高密度プラズマそしてイオン種
を所望量任意に例えば大量に生成することができる。
【0050】[第12の解決手段]第12の解決手段の
プラズマ処理装置は(、出願当初の請求項12に記載の
如く)、上記の第2〜第11の解決手段のプラズマ処理
装置であって、前記一対の平行平板を基準とした前記プ
ラズマ処理空間の開口部分を覆う形状の可動壁体と、前
記可動壁体が前記開口部分を覆う位置と前記可動壁体が
前記開口部分を解放する位置との両位置に亘って前記可
動壁体を進退させる壁体駆動機構とを備え、前記一対の
平行平板のうち他方の平板は、前記真空チャンバの内底
に直接又はサポート部材を介して間接的に植設され上面
が基板乗載可能に形成されたものであることを特徴とす
るものである。
【0051】ここで、上記の「一対の平行平板を基準と
したプラズマ処理空間の開口部分」とは、両平行平板を
両端面とする筒状空間の側面部分を意味する。また、
「開口部分を覆う」とは、完全に密閉して覆うのではな
く、少なくとも処理済みのプラズマやガス等を排気して
プラズマを維持しうる程度の隙間は残すようにして覆う
という意味である。
【0052】このような第12の解決手段のプラズマ処
理装置にあっては、真空チャンバの内部空間において他
方の平板の上面に基板が乗載させられその上方にプラズ
マ処理空間が形成されそこでその基板に対するプラズマ
処理が施されるが、プラズマ処理空間の開口部分が可動
壁体によって覆われることから、プラズマ処理空間は真
空チャンバ内で一対の平行平板と可動壁体とによって概
ね囲まれることとなる。そこで、真空チャンバ内空間の
一部がプラズマ処理空間に分割され、両者の圧力状態も
ほぼ分離されることとなる。その分離の程度は、可動壁
体による覆いから残された隙間の大きさに依存する。
【0053】そして、可動壁体を壁体駆動機構によって
進退させると、その隙間が広狭変化して、プラズマ処理
空間内圧力は素早く真空チャンバ内の真空圧に近づいた
りこれから離れて高くなったりするので、可動壁体の進
退駆動に基づいてプラズマの圧力状態を制御することが
可能となる。また、可動壁体の形状を平行平板の形状に
整合させてそれらとの間隙を出来るだけ一様に分散させ
ることでプラズマ処理空間から流出する流れの形態にお
ける偏りも減ることとなる。なお、基板を真空チャンバ
から出し入れする際には、プラズマ処理空間の開口部分
が解放される位置まで可動壁体を壁体駆動機構によって
進退移動させておけば、可動壁体を真空チャンバ内に設
けたことの不都合は何も無い。
【0054】これにより、直接の圧力制御対象がチャン
バ内圧力からその一部のプラズマ処理空間に分離されて
応答性の劣る大容積の物から応答性の優れた小容積の物
に絞り込まれる一方で、流れの形態が、真空チャンバ壁
の吸引口による支配を外れて、中心を基準に対称にする
等の一様分散化が比較的容易な可動壁体によってほとん
ど決せられるので、プラズマ処理空間内の圧力制御性を
向上させると同時にプラズマ処理空間内における流れの
状態を一様にさせることも容易となる。したがって、こ
の発明によれば、均一で質の良いプラズマの供給に加え
て圧力制御性にも優れたプラズマ処理装置を実現するこ
とができる。
【0055】[第13の解決手段]第13の解決手段の
プラズマ処理装置は(、出願当初の請求項13に記載の
如く)、上記の第12の解決手段のプラズマ処理装置で
あって、前記可動壁体は、前記開口部分を覆う位置に在
るとき前記他方の平板との間に通過流体の絞りとなる間
隙を生じさせる形状のものであることを特徴とするもの
である。
【0056】このような第13の解決手段のプラズマ処
理装置にあっては、プラズマ処理に際して、一般に基板
の無い一方の平板側からプラズマ処理空間へ供給される
処理ガス等が同じ一方の平板側からでなく別の他方の平
板側の隙間を経由してプラズマ処理空間から流出する。
これにより、流れが上方から下方へ揃い易くなるので、
逆流や滞留の発生が抑制される。したがって、この発明
によれば、プラズマ状態の均一性を一層高めることがで
きる。
【0057】[第14の解決手段]第13の解決手段の
プラズマ処理装置は(、出願当初の請求項14に記載の
如く)、上記の第12,第13の解決手段のプラズマ処
理装置であって、前記プラズマ処理空間の圧力に応じて
前記壁体駆動機構による前記可動壁体の進退量を制御す
る圧力制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0058】このような第14の解決手段のプラズマ処
理装置にあっては、プラズマ処理空間の圧力が圧力制御
手段によって所望の真空圧になるよう自動制御される。
しかも、その際に、プラズマ処理空間に対する圧力制御
性の良い可動壁体の進退量を制御することで自動制御が
なされるので、プラズマ処理装置の処理レシピ等の設定
目標に対してプラズマの圧力状態が速やかに且つ正確に
追従する。これにより、従来より木目細かな処理条件を
設定しても確実に設定通りのプラズマ反応が行われる。
したがって、この発明によれば、より精密なプラズマ処
理を基板に施すことができる。
【0059】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明のプラズマ処理装置は、一般に適宜の真空チャン
バに装着して使用される。そのために、プラズマ処理空
間に隣接したプラズマ発生空間が形成される平行平板の
うちの一方の平板やその隣接機構などの各機構部は、真
空チャンバ内への組み込み等の容易性と真空度の必要性
とのバランスを図る等の観点から、別個に形成してから
取着されることが多いが、例えば密着して固設されるこ
とが多いが、一部又は全部が同一・単一の部材たとえば
クラッド材を加工等することで一体的に形成されてもよ
い。
【0060】
【実施例】本発明のプラズマ処理装置の一実施例として
のプラズマエッチング装置について、その具体的な構成
を、図面を引用して説明する。図1は、その主要部の縦
断面図であり、図2は、そのプラズマ発生チャンバ周り
の縦断面斜視図であり、図3は、その中の一のプラズマ
発生空間についての拡大図であり、図5は、真空チャン
バへの装着状態を示す断面図である。
【0061】このプラズマエッチング装置は、概ね、プ
ラズマ処理空間を確保するための平行平板部(第1機
構)と、プラズマ発生空間を確保するための隣接機構部
(第2機構)およびその付加部と、各プラズマに電界又
は磁界を印加するための印加回路部とで構成されてい
る。平行平板部は、一対の平行平板となる共に金属製の
アノード部11及びカソード部12を有していて、アノ
ード部11が上方に配置され、エッチング対象のウエハ
等の基板1を乗載するために上面の絶縁処理された基板
支持体となるカソード部12が下方に配置されて、これ
らによって挟まれたところに低温プラズマ10用のプラ
ズマ処理空間13が形成されるものとなっている。ま
た、アノード部11は、予め、多数の連通口14が貫通
して穿孔されるとともに、プラズマ処理空間13へ向け
て開口した第2のガス導入路としての処理ガス供給口1
5も形成されたものとなっている。この例では、連通口
14の横断面積とプラズマ処理空間13の有効な横断面
積との比すなわち第1比が0.05になっている。な
お、処理ガス供給口15を介してプラズマ処理空間13
へ供給される処理ガスBとしては、シランガス等の反応
ガスに適量の希釈ガスを混合させたもの等が供給される
ようにもなっている。
【0062】隣接機構部すなわち一対の平行平板のうち
の一方の平板11に隣接する機構は、絶縁物製のプラズ
マ発生チャンバ21が主体となっており、このプラズマ
発生チャンバ21には、プラズマ発生空間22となる複
数の(図では4個の)環状溝が同心に彫り込まれて形成
されている。これにより、プラズマ発生空間22が分散
等したものとなっている。そして、プラズマ発生チャン
バ21は、プラズマ発生空間22の開口側(図では下
面)をアノード部11の上面に密着した状態で固設され
る。その際、プラズマ発生空間22の開口がアノード部
11の連通口14に重なるように位置合わせがなされ
る。これにより、プラズマ発生空間22とプラズマ処理
空間13とが互いに隣接し且つ連通しているものとな
る。この例では、連通口14の横断面積とプラズマ発生
空間22の横断面積との比すなわち第2比が0.5にな
っている。これにより、プラズマ発生空間22がプラズ
マ処理空間13に連通するところの面積がプラズマ発生
空間22の面積よりも小さくて少し絞られた状態とな
る。なお、これらの比の値は大小関係が逆転しない限り
自由に変えてよいものである。
【0063】また、プラズマ発生チャンバ21は、プラ
ズマ発生空間22のさらに奥に第1のガス導入路として
のプラズマ用ガス送給路23がやはり環状に形成され、
両者が多数の***またはノズルで連通されていて、プラ
ズマ発生空間22は底部(図では上方)からアルゴン等
の非反応性ガス成分だけのプラズマ発生用ガスAの供給
を受けて高密度プラズマ20を発生させ連通口14を介
してプラズマ処理空間13へそれを送り込むものとなっ
ている。さらに、プラズマ発生チャンバ21は、プラズ
マ発生空間22を囲む側壁と底部とを残すようにしてプ
ラズマ発生空間22開口側の裏の面(図では上面)が削
り取られる。そして、プラズマ発生空間22の両側壁を
挟むようにして、コイル24及び永久磁石片25が環状
に付加される。
【0064】永久磁石片25は、縦の長さがプラズマ発
生空間22のそれにほぼ等しくされ、且つ横のプラズマ
発生空間22方向へ磁極が向くようにされ、さらに環状
の不所望な誘起電流を断つために小片に分けて形成され
ている。そして、多数の永久磁石片25がプラズマ発生
空間22側壁に沿って列設されることで、プラズマ発生
空間22に対応した環状の磁気回路が構成される。これ
により、磁気回路用の磁性部材25は最外周以外のもの
がプラズマ発生空間22によって挟まれたところに配置
されたものとなっている。この磁気回路の磁力は、質量
の小さい電子を捕捉可能な程度の強さで十分であり、質
量の大きいイオンまで捕捉する程度の強さは不要であ
る。
【0065】この磁気回路の一断面について詳述すると
(図3参照)、縦長の永久磁石片25のほぼ上半分から
出た磁束線26は永久磁石片25の上端近くを中心とし
た略同心円を描いて戻ることから、永久磁石片25のほ
ぼ上端を頂上とする磁気の山ができる。永久磁石片25
の下端のところにもほぼ同様の磁気の山ができる。永久
磁石片25はプラズマ発生空間22を挟んで両側に付設
されているので、プラズマ発生空間22の周りには磁気
の山が4つできる。そこで、プラズマ発生空間22に
は、磁気の山に囲まれた言わば磁気の盆地ができる。そ
して、ここに電子が補足されることとなる。なお、ポテ
ンシャル場風に説明したが実際はベクトル場なので正確
に述べると複雑になるが、要するに全体としては環状の
プラズマ発生空間22の中でドーナツ状に電子が封じら
れるようになっているのである。なお、磁極が上下にな
った永久磁石片を上下に並べることによっても(図4参
照)プラズマ発生空間22の断面を囲む4つの磁気の山
を作ることが可能である。また、図示は割愛したが、5
つ以上の磁気の山で囲むようにしてもよい。
【0066】印加回路部は、RF電源31を中心とする
第1印加回路と、RF電源32を中心とする第2印加回
路とに分かれる。RF電源31は、その出力パワーが可
変のものであり、接地されたアノード部との間に交番電
界を印加するとともにバイアス電圧も発生させるため
に、その出力はブロッキングキャパシタを介してカソー
ド部12へ送給される。また、これには、周波数500
KHz〜2MHzのものがよく用いられる。これによ
り、第1印加回路は、低温プラズマ10の強化に或る程
度寄与する電界をプラズマ処理空間13に印加するもの
となっている。
【0067】RF電源32は、やはり出力パワーが可変
のものであり、プラズマ発生空間22を挟む両コイル2
4を駆動してプラズマ発生空間22に交番磁界を印加す
るようになっている。その最大出力パワーは大きく、そ
の周波数は13MHz〜100MHzとされることが多
い。これにより、第2印加回路は、高密度プラズマ20
の発生および強化に寄与する磁界をプラズマ発生空間2
2に印加するものとなっている。
【0068】圧力制御手段については、従来装置(図1
3参照)における可変バルブ4が省かれ、その代わり
に、可動壁体40、及びこれを上下動させる壁体駆動機
構41〜44が設けられている(図5参照)。
【0069】可動壁体40は、金属製の筒状体からな
り、内径がカソード部12の外径より僅かに大きくて内
腔にカソード部12が緩く上下動可能に嵌合されるよう
になっている。その上端はアノード部11に接近したと
きに全周縁のところにほぼ同一の隙間ができるようにな
っている。そして、そのときに、可動壁体40は上部が
プラズマ処理空間13の側面周辺を塞ぐとともに下部が
カソード部12との嵌合が外れないところまで届くよう
な長さに形成されている。これにより、可動壁体40
は、真空チャンバ2,3内に設けられ一対の平行平板1
1,12を基準としたプラズマ処理空間13の開口部分
を覆う形状のものとなっている。なお、この可動壁体4
0は不所望にチャージアップしないように接地等される
ようにもなっている。
【0070】壁体駆動機構は、気密性及び伸縮性を持っ
たベローズ41が吸引口2aと重ならない位置で真空チ
ャンバ本体部2の底面と可動壁体40とを連結し、この
ベローズ41内にボールネジ42が縦に遊挿され、その
上端が可動壁体40に連結されていて、可動壁体40を
上下動可能に支持するものである。さらに、ボールネジ
42は、サポート43によって真空チャンバ本体部2に
対して固定されたモータ44の回転軸に対して下端が連
結されている。そして、モータ44が回転すると、これ
に応じてボールネジ42が進退駆動され、それに伴って
可動壁体40が上下に駆動されて、上はアノード部11
にほぼ当接するまで下はカソード部12の上面より低い
ところまで可動壁体40が移動する。これにより、壁体
駆動機構41〜44は、可動壁体40がプラズマ処理空
間13の開口部分を覆う上方位置と、可動壁体40がプ
ラズマ処理空間13の開口部分を解放する下方位置との
両位置に亘って、可動壁体40を上下に進退させるもの
となっている。
【0071】また、図示は割愛したが、真空圧計4bは
可動壁体40に取着されてプラズマ処理空間13内の圧
力を直接検出するようになっており、その検出信号はベ
ローズ41内腔等を介して真空を破らずに取り出せるよ
うになっている。そして、その検出信号を受けたPID
制御回路4cによってモータ44の回転量や回転速度が
制御される。これにより、このプラズマエッチング装置
は、プラズマ処理空間13の圧力に応じて壁体駆動機構
41〜44による可動壁体40の進退量を制御する圧力
制御手段を備えたものとなっている。
【0072】この実施例のプラズマエッチング装置につ
いて、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明す
る。図5は、上述した主要部を真空チャンバに装着した
状態を示す断面図であり、図6は、プラズマ内電子のエ
ネルギー分布を示すグラフであり、図7は、プラズマに
おけるイオン比率の制御可能範囲を示す図である。
【0073】使用に先だって、プラズマエッチング装置
のカソード部12は、上が解放した箱状の真空チャンバ
本体部2の中央にローアーサポート12aを介して植設
される。真空チャンバ本体部2は、プラズマ発生チャン
バ21やアノード部11が取着され、水冷も可能であ
り、これを閉めると、真空チャンバ本体部2の内部さら
にはプラズマ処理空間13及びプラズマ発生空間22も
密閉される。それから、可動壁体40がカソード部12
よりも下方へ下げられ、その状態で真空チャンバ2,3
内へ横から水平状態の基板1が搬入され、この基板1が
カソード部12の上面に載置される。そして、基板搬入
口等が閉められると同時に真空ポンプ5による真空引き
が行われる。このとき、ゲートバルブ4aは開状態にさ
れたままであり、可変バルブ4も存在しないので、真空
チャンバ2,3内は速やかに真空状態となる。
【0074】それから、モータ44を回転させて可動壁
体40をアノード部11に当接しない程度に上昇させ、
さらにプラズマ用ガス送給路23を介するプラズマ用ガ
スAの供給,さらに処理ガス供給口15を介する処理ガ
スBの供給などを適宜に開始すると、可動壁体40の上
端とアノード部11の下面との間に形成される絞り部4
9によってプラズマ処理空間13内の圧力が適度に保た
れる。すなわち、可動壁体40に付設された真空圧計4
bによってプラズマ処理空間13内の真空圧が検出さ
れ、この検出値と所定の設定目標値との差に基づいてP
ID制御回路4cによって制御信号が生成出力され、こ
の制御信号に従ってモータ44が回転してボールネジ4
2を進退させることで可動壁体40が上下動する。
【0075】具体的には、プラズマ処理空間13の真空
度が低下して絶対圧力が上がり過ぎると、可動壁体40
が下降するように駆動されて、絞り部49が開き気味に
なってプラズマ処理空間13の圧力が速やかに下がって
所定圧になる。逆に、プラズマ処理空間13の真空度が
高くなって絶対圧力が下がり過ぎると、可動壁体40が
上昇するように駆動されて、絞り部49が閉まり気味に
なってプラズマ処理空間13の圧力が速やかに上がって
所定圧になる。こうして、可動壁体40及び壁体駆動機
構41〜44を圧力制御機構とする圧力制御手段によっ
て、真空チャンバ内の真空圧が速やかに設定圧力になる
よう自動制御される。
【0076】また、絞り部49はプラズマ処理空間13
の上部周辺にほぼ一様に展開して形成され、プラズマ処
理空間13内圧力とその外側の真空チャンバ内圧力との
差に応じて、絞り部49の何処でもガス等の通過流体の
流れが概ね同様の状態となるので、プラズマ処理空間1
3内のガス状態はほぼ対称形で均一性の高いものとな
る。さらに、このような圧力制御状態はプラズマ処理空
間13にプラズマが形成されたときにも継続するので、
以下に述べるエッチング処理における低温プラズマ10
の状態も、ほぼ対称形で均一性の高いものとなる。これ
で、カソード部12上に乗載された基板1に対するプラ
ズマエッチング処理の準備が調う。
【0077】次に、RF電源32を作動させると、プラ
ズマ発生空間22内にコイル24を介してRF電磁界が
印加され、プラズマ用ガスAの電子が激しく運動させら
れる。このとき、電子は、永久磁石片25による磁気回
路の働きによってプラズマ発生空間22に長く留まり、
環状空間内を螺旋運動しながら飛び回ってプラズマ用ガ
スAを励起させる。こうして、高密度プラズマ20が発
生するが、プラズマ発生空間22に封じられた電子には
イオン種生成に大きく寄与する10〜15eV以上の高
いエネルギーのものが多く含まれているので(図6
(a)の二点鎖線グラフを参照)、高密度プラズマ20
はイオン種成分の比率が高い。そして、プラズマ発生空
間22で膨張した高密度プラズマ20は、特にそのラジ
カル種およびイオン種成分は、膨張圧力によって速やか
にプラズマ処理空間13へ運ばれる。
【0078】また、RF電源31を作動させると、プラ
ズマ処理空間13にもアノード部11及びカソード部1
2を介してRF電界が印加される。こちらには電子を封
じ込める磁気回路等がないので、処理ガスB等が励起さ
れても高密度プラズマができないで、低温プラズマ10
となる。RF電源31からのパワーだけの場合、低温プ
ラズマ10は、10〜15eV以上のエネルギーを持っ
た電子が少ないので(図6(a)の一点鎖線グラフを参
照)、ラジカル種成分の比率が高くなる。もっとも、こ
の装置における低温プラズマ10の場合は、上述の高密
度プラズマ20が混合されるので、実際のラジカル種成
分とイオン種成分との比率は、両者の中間における何れ
かの比率となる。
【0079】そして、RF電源32の出力をアップさせ
ると、プラズマ発生空間22内における10〜15eV
以上の電子が増える(図6(b)参照)。そして、高密
度プラズマ20の生成量が増加する。その混合の結果、
低温プラズマ10は、イオン種成分の割合が引き上げら
れる。一方、RF電源32の出力をダウンさせると、プ
ラズマ発生空間22内における10〜15eV以上の電
子が減ってくる(図6(c)参照)。そして、高密度プ
ラズマ20の生成量が減少する。その混合の結果、低温
プラズマ10は、イオン種成分の割合が引き下げられ
る。
【0080】さらに、RF電源31の出力をアップさせ
る一方でRF電源32の出力を少しダウンさせると、次
のようになる。先ずRF電源31の出力アップによって
プラズマ処理空間13における電子密度が高密度および
高エネルギー側に移行し(図6(d)一点鎖線参照)、
プラズマ処理空間13内の低温プラズマが増える。これ
によってそこのラジカル濃度が上がるのだが、同時にイ
オン比率も少し上がる。次に、RF電源32の出力ダウ
ンによってプラズマ発生空間22における電子密度が低
密度および低エネルギー側に移行し(図6(d)二点鎖
線参照)、プラズマ発生空間22内の高密度プラズマが
少し減る。これによってそこのラジカル濃度およびイオ
ン比率が下がるが、こちらは高エネルギー成分が元々大
きいので少しの出力ダウンであってもイオン比率が大き
く下がる。そして、このような高密度プラズマ20がプ
ラズマ処理空間13内の低温プラズマ10に混合される
と、イオン比率の増減が概ね相殺される一方ラジカル濃
度は増加する。すなわち、低温プラズマ10は、ラジカ
ル種成分とイオン種成分との比率があまり変わらずにプ
ラズマ濃度が引き上げられる。同様にして、RF電源3
1,32の出力を逆方向にアップ・ダウンさせると、低
温プラズマ10のプラズマ濃度が引き下げられる。
【0081】こうして、低温プラズマ10は、容易にラ
ジカル種成分とイオン種成分との比率が可変制御され、
その可変範囲が従来のほとんど総ての機種をカバーしう
るほど広範に亘っている(図7参照、なお、この図7や
上述の図6は定性的・相対的な性質を説明するための模
式図的なものである)。そして、そのときのエッチング
にとって最適な条件の下で即ち従来では設定困難だった
条件下で効率よくエッチング処理が進む(図7における
a点を参照)。さらに、処理ガスBの成分変更などによ
って最適条件が変化した場合は、RF電源31,32の
出力を適宜調節する。しかも、この調節はいわゆるレシ
ピとして予め設定しておけば自動的に行われる。その結
果、再び最適条件下で効率よくエッチング処理が進む
(図7におけるb点を参照)。これで、エッチング処理
を常に効率よく行うことができる。
【0082】また、この装置では、プラズマ発生空間2
2の断面積がプラズマ処理空間13の断面積よりも遥か
に小さくなっていて、第1比が第2比より桁違いに小さ
いことから、高密度プラズマ20がプラズマ発生空間2
2からプラズマ処理空間13へ速やかに送り出されるう
えに、そもそもプラズマ処理空間13からプラズマ発生
空間22へ逆流して入り込むガス量が少ないので、処理
ガスBが高密度プラズマ20で直接に励起されて不所望
なまで分解・電離するということはほとんど無くなる。
【0083】このようにして良質なプラズマによるエッ
チング処理が効率よく進むと、低温プラズマ10が基板
1と反応してできる反応生成物の発生速度すなわち単位
時間当たりに発生する反応生成物の量も増加する。そし
て、これが真空チャンバ内に滞留するとこの反応生成物
と処理ガスとの反応等によってプラズマ処理の質が低下
してしまいかねないが、上述したようにプラズマエッチ
ング処理に必要なガス圧とされる範囲がアノード部11
とカソード部12と可動壁体40とによる最小限の空間
に絞り込まれていて、その周りを取り囲む真空チャンバ
2,3内は十分に吸引されて真空状態となっていること
から、反応生成物は発生量が増加してもプラズマ処理空
間13に長く留まることなく速やかに排気される。こう
して、プラズマ発生空間等からの良質なプラズマの供給
と、可動壁体等による反応生成物の速やかな排出とが相
まって、質も処理速度も優れたプラズマエッチング処理
が継続されるのである。
【0084】次に、プラズマ成膜装置(CVD)につい
て説明するが、基本的には上述したものとほぼ同様の構
成のものでよく、相違点は、対向電極におけるカソード
とアノードとが入れ替わることと、成膜処理ガスBとし
てモノシランその他の活性ガスが用いられることと、プ
ラズマ処理空間の圧力が少し高い(真空度は低い)とこ
ろに設定されること等である。この場合も、低温プラズ
マ10は、容易にラジカル種成分とイオン種成分との比
率が可変制御され、その可変範囲が従来のほとんど総て
の機種をカバーしうるほど広範に亘っている(図8参
照)。
【0085】そして、そのときの成膜にとって最適な条
件の下で即ち従来では設定困難だった条件下で効率よく
成膜処理が進む(図8におけるa点を参照)。 さら
に、処理ガスBの成分変更などによって最適条件が変化
したときにRF電源31,32の出力を適宜調節するこ
とで何時でも最適条件下で効率よく成膜処理を進めるこ
とができる(図8におけるb点を参照)ことも同様であ
る。こうして、ポリシリコンや,アルミやタングステン
等のメタル,酸化膜,窒化膜など種々のものが成膜の対
象とされたときであっても、本発明のプラズマ成膜装置
ではプラズマ成膜時のイオンとラジカルとの比を広範に
変えることが可能なので、成膜対象の膜質やその他の用
途に応じて最適な成膜条件を自由に選択・設定すること
ができて、良質な成膜が高い生産性で行なわれる。
【0086】このようにこれらのプラズマ処理装置は、
プラズマにおけるイオン比率の制御可能範囲が広くて、
従来のプラズマエッチング装置やプラズマCVDのほぼ
総てに亘るとともにそれらの間隙をもカバーすることか
ら(図9参照)、最適なプラズマ処理条件を自由に選択
・設定することができる。その結果、良質なプラズマ処
理を効率良く行うことが可能となる。
【0087】最後に、本発明のプラズマ処理装置につい
ての他の構成例を説明する。図10〜図12に示したプ
ラズマ処理装置は、上述の装置における可動壁体40に
ついての各種変形例であり、何れも、可動壁体40が、
上昇させられてプラズマ処理空間13の開口部分を覆う
位置に在るときにカソード部(基板支持体)12との間
に通過流体の絞りとなる間隙を生じさせるような形状に
加工されたものである。なお、アノード部11もカソー
ド部12と外径が同一にされて可動壁体40の内腔に嵌
挿されるものとなっている。
【0088】図10に示した第1変形例の可動壁体40
aは、内腔の下方が広げられて段付き状態に形成されて
おり、ボールネジ42等がカソード部12と干渉し合わ
ないように最下端のところがボールネジ42によって支
持されるとともに、内腔の小径部下端部分とカソード部
12の上辺縁部分とによって流体に対する絞り部49a
が形成されるようになっている。
【0089】図11に示した第2変形例の可動壁体40
bは、カソード部12の上辺縁に対応した高さのところ
に開口49bが多数穿孔形成されていて、それらの開口
49bのところに分散して絞りが形成されるものであ
る。
【0090】図12に示した第3変形例の可動壁体40
cは、さらに可動壁体内側面49cに丸みを持たせるこ
とで、プラズマ処理空間13の角張ったところが少なく
なるようにしたものであり、これによって開口49b近
傍における流れの急激な変化によってプラズマ処理空間
13内部にまで及びうる不均一性の影響が緩和されるこ
とを期したものである。
【0091】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1,第2の解決手段のプラズマ処理装置にあって
は、プラズマ発生空間とプラズマ処理空間との断面積比
を変えてプラズマ発生空間にイオン種が長時間止まらな
いで済むようにしたことにより、プラズマ成分比率の適
正化・制御性を積極的に高めるとともにプラズマ分布の
均一性確保とプラズマ処理空間からプラズマ発生空間へ
のガス流入阻止という両要請に応えられて、その結果、
良質のプラズマを供給するプラズマ処理装置を実現する
ことができたという有利な効果が有る。
【0092】また、本発明の第3の解決手段のプラズマ
処理装置にあっては、プラズマ発生空間に電子を確実に
封じるようにしたことにより、プラズマ成分比率の適正
化・制御性を積極的に高めるとともにプラズマ分布の均
一性確保とプラズマ処理空間からプラズマ発生空間への
ガス流入阻止という両要請に応えられて、その結果、良
質のプラズマを供給するプラズマ処理装置を実現するこ
とができたという有利な効果を奏する。
【0093】さらに、本発明の第4の解決手段のプラズ
マ処理装置にあっては、プラズマ発生空間とプラズマ処
理空間との断面積比を変えてプラズマ発生空間にイオン
種が長時間止まらないで済むようにしたことに加えてプ
ラズマ発生空間に電子を確実に封じるようにもしたこと
により、プラズマ成分比率の適正化・制御性を積極的に
高めるとともにプラズマ分布の均一性確保とプラズマ処
理空間からプラズマ発生空間へのガス流入阻止という両
要請に応えられて、その結果、良質のプラズマを供給す
るプラズマ処理装置を実現することができたという有利
な効果が有る。
【0094】また、本発明の第5の解決手段のプラズマ
処理装置にあっては、まとまりを保ちつつ分散させるよ
うにしたことにより、発生プラズマの均一化および磁気
回路の設計・製造の容易化を達成することまでもできた
という有利な効果を奏する。
【0095】さらに、本発明の第6の解決手段のプラズ
マ処理装置にあっては、強力電磁石が不要となるように
したことにより、設計容易化・装置小形化・コスト削減
を達成することができたという有利な効果が有る。
【0096】また、本発明の第7及び第8の解決手段の
プラズマ処理装置にあっては、プラズマ成分比率とプラ
ズマ濃度とを独立して設定しうるようにしたことによ
り、プラズマ処理の効率を一層向上させることができた
という有利な効果を奏する。
【0097】また、本発明の第9の解決手段のプラズマ
処理装置にあっては、単にプラズマ発生空間をプラズマ
処理空間に開口させた場合よりもプラズマ処理空間から
プラズマ発生空間の方を見た面積比が小さくなるように
したことにより、不所望なガスのプラズマ発生空間への
流入が一層抑制されるとともに、イオン種に対して鉛直
方向の速度成分を加味することもできるようになったと
いう有利な効果が有る。
【0098】また、本発明の第10の解決手段のプラズ
マ処理装置にあっては、処理ガスがプラズマ発生空間を
経ることなくプラズマ処理に供されるようにしたことに
より、処理ガスがプラズマ処理に供される前に高密度プ
ラズマによって変質させられるのを確実に回避すること
ができたという有利な効果が有る。
【0099】また、本発明の第11の解決手段のプラズ
マ処理装置にあっては、反応ガスが直接に高密度プラズ
マに曝されることの無いようにしたことにより、より質
の良いプラズマを提供することができ、さらにはイオン
種を任意に生成することもできるようになったという有
利な効果が有る。
【0100】また、本発明の第12の解決手段のプラズ
マ処理装置にあっては、圧力制御対象が大容積のチャン
バ内圧力から小容積のプラズマ処理空間に絞り込まれる
一方で流れの形態が真空チャンバ壁の吸引口による支配
を外れて一様分散化容易な可動壁体に依存するようにし
たことにより、均一で質の良いプラズマの供給に加えて
圧力制御性にも優れたプラズマ処理装置を実現すること
ができたという有利な効果が有る。
【0101】また、本発明の第13の解決手段のプラズ
マ処理装置にあっては、流れが一方向へ揃うようにした
ことにより、プラズマの均一性を一層高めることができ
たという有利な効果を奏する。
【0102】また、本発明の第14の解決手段のプラズ
マ処理装置にあっては、プラズマ処理空間に対する圧力
制御性の良い可動壁体の進退量を制御することで自動制
御がなされるようにしたことにより、従来より精密なプ
ラズマ処理を基板に施すことが可能になったという有利
な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプラズマ処理装置の一実施例とし
てのプラズマエッチング装置について、その主要部の縦
断面図である。
【図2】 そのプラズマ発生空間周りの縦断面斜視図
である。
【図3】 そのうち一のプラズマ発生空間についての
拡大図である。
【図4】 磁気回路の変形例である。
【図5】 真空チャンバへの装着状態を示す断面図で
ある。
【図6】 プラズマ内電子のエネルギー分布である。
【図7】 プラズマエッチャでのイオン比率の制御可
能範囲を示す。
【図8】 プラズマCVDでのイオン比率の制御可能
範囲を示す。
【図9】 プラズマにおけるイオン比率の制御可能範
囲を示す。
【図10】 可動壁体の第1変形例である。
【図11】 可動壁体の第2変形例である。
【図12】 可動壁体の第3変形例である。
【図13】 従来のプラズマ処理装置である。
【図14】 チャンバ縮小時の予想構造図である。
【符号の説明】
1 基板(被処理物、ウエハ) 2 真空チャンバ本体部(真空チャンバ) 2a 吸引口 2b バッフル板 3 真空チャンバ蓋部(真空チャンバ) 4 可変バルブ(可変絞り、圧力制御機構、圧力制御
手段) 4a ゲートバルブ(仕切弁) 4b 真空圧計(圧力検出器、圧力制御手段) 4c PID制御回路(圧力制御回路、圧力制御手
段) 5 真空ポンプ 10 低温プラズマ 11 アノード部(平行平板の一方、第1印加回路、第
1機構) 11a アッパーサポート 12 カソード部(平行平板の他方、第1印加回路、第
1機構、基板支持体) 12a ローアーサポート 13 プラズマ処理空間 14 連通口 15 処理ガス供給口(第2のガス導入路) 20 高密度プラズマ 21 プラズマ発生チャンバ(隣接機構部、第2機構) 22 プラズマ発生空間 23 プラズマ用ガス送給路(第1のガス導入路) 24 コイル(第2印加回路) 25 永久磁石片(磁気回路用の磁性部材) 26 磁束線(磁気回路) 31 RF電源(第1印加回路) 32 RF電源(第2印加回路) 40,40a,40b,40c 可動壁体(可変絞り) 41 ベローズ(蛇腹、壁体駆動機構) 42 ボールネジ(進退駆動軸、壁体駆動機構) 43 サポート(支柱、壁体駆動機構) 44 モータ(電動機、壁体駆動機構) 49,49a 絞り部 49b 開口 49c 可動壁体内側面

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ処理空間が形成された第1機構
    と、前記第1機構に取着して又はそれと一体的に設けら
    れプラズマ発生空間が形成された第2機構とを具え、前
    記プラズマ発生空間が前記プラズマ処理空間に隣接し且
    つ連通しているプラズマ処理装置において、前記プラズ
    マ発生空間が分散等して形成されたものであることを特
    徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】対向電極となる一対の平行平板間にプラズ
    マ処理空間を形成したプラズマ処理装置において、前記
    一対の平行平板のうち一方の平板に又はその隣接機構部
    に、前記プラズマ処理空間に隣接し且つ連通したプラズ
    マ発生空間が分散等して形成されていることを特徴とす
    るプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】対向電極となる一対の平行平板間にプラズ
    マ処理空間を形成したプラズマ処理装置において、前記
    一対の平行平板のうち一方の平板に又はその隣接機構部
    に、前記プラズマ処理空間に隣接し且つ連通したプラズ
    マ発生空間が形成されるとともに、前記プラズマ発生空
    間に対して磁気回路が付設され、この磁気回路用の磁性
    部材が前記プラズマ発生空間によって囲まれた又は挟ま
    れたところに配置されたものであることを特徴とするプ
    ラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】対向電極となる一対の平行平板間にプラズ
    マ処理空間を形成したプラズマ処理装置において、前記
    一対の平行平板のうち一方の平板に又はその隣接機構部
    に、前記プラズマ処理空間に隣接し且つ連通したプラズ
    マ発生空間が分散等して形成されており、且つ、前記プ
    ラズマ発生空間に電子を封じる磁気回路が付設されてい
    ることを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】前記プラズマ発生空間が線状に形成された
    ものであり、前記磁気回路用の磁性部材が前記プラズマ
    発生空間を挟んで列設されたものであることを特徴とす
    る請求項4記載のプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】前記磁気回路用の磁性部材が永久磁石また
    は直流励磁コイルであることを特徴とする請求項3乃至
    請求項5の何れかに記載されたプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】プラズマの発生または強化に寄与する電界
    または磁界を前記プラズマ処理空間に印加する第1印加
    回路と、プラズマの発生および強化に寄与する電界また
    は磁界を前記プラズマ発生空間に印加する第2印加回路
    とを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何
    れかに記載されたプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】前記第1印加回路および前記第2印加回路
    は、出力が互いに独立して制御可能なものであることを
    特徴とする請求項7記載のプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】前記プラズマ発生空間は、前記プラズマ処
    理空間に連通する又は開口するところの面積が前記プラ
    ズマ発生空間の面積よりも小さいものであることを特徴
    とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載されたプラ
    ズマ処理装置。
  10. 【請求項10】前記プラズマ発生空間にプラズマ用ガス
    を導入する第1のガス導入路と、前記プラズマ処理空間
    に処理ガスを導入する第2のガス導入路とが個別に設け
    られていることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何
    れかに記載されたプラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】前記第2のガス導入路へは反応ガス成分
    を含むガスを供給するとともに前記第1のガス導入路へ
    は非反応性ガスのみを供給するものであることを特徴と
    する請求項10記載のプラズマ処理装置。
  12. 【請求項12】前記一対の平行平板を基準とした前記プ
    ラズマ処理空間の開口部分を覆う形状の可動壁体と、前
    記可動壁体が前記開口部分を覆う位置と前記可動壁体が
    前記開口部分を解放する位置との両位置に亘って前記可
    動壁体を進退させる壁体駆動機構とを備え、前記一対の
    平行平板のうち他方の平板は、前記真空チャンバの内底
    に直接又はサポート部材を介して間接的に植設され上面
    が基板乗載可能に形成されたものであることを特徴とす
    る請求項2乃至請求項11の何れかに記載されたプラズ
    マ処理装置。
  13. 【請求項13】前記可動壁体は、前記開口部分を覆う位
    置に在るとき前記他方の平板との間に通過流体の絞りと
    なる間隙を生じさせる形状のものであることを特徴とす
    る請求項12記載のプラズマ処理装置。
  14. 【請求項14】前記プラズマ処理空間の圧力に応じて前
    記壁体駆動機構による前記可動壁体の進退量を制御する
    圧力制御手段を備えたことを特徴とする請求項12又は
    請求項13に記載されたプラズマ処理装置。
  15. 【請求項15】上記プラズマ処理装置がデポジション処
    理装置/エッチング処理装置であることを特徴とする請
    求項1乃至請求項14の何れかに記載されたプラズマ処
    理装置。
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