JPH10292866A - ダブルメカニカルシール - Google Patents

ダブルメカニカルシール

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JPH10292866A
JPH10292866A JP11504597A JP11504597A JPH10292866A JP H10292866 A JPH10292866 A JP H10292866A JP 11504597 A JP11504597 A JP 11504597A JP 11504597 A JP11504597 A JP 11504597A JP H10292866 A JPH10292866 A JP H10292866A
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JP
Japan
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case
shaft
mechanical seal
axial direction
ring
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JP11504597A
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Hideki Maruyama
秀樹 丸山
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Eagle Industry Co Ltd
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Eagle Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機器の軸周への装着作業や前記軸周からの引
き抜き作業を容易にし、しかも密封摺動面の面圧の不確
定要素を排除可能とする。 【解決手段】 シャフト101の回転力は、環状シート
43を介してケース42に伝達され、その回転係合部4
21b,423bを介して、インペラ側メカニカルシー
ル20の回転摺動環23及びモータ側メカニカルシール
30における回転摺動環33に伝達される。回転摺動環
23,33を固定摺動環21,31に押し付けるコイル
スプリング41は、ケース42に開設した開口部425
aを通じて軸方向移動可能に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本考案は、密封空間側と反密
封空間側の間を軸方向に配列した二組のメカニカルシー
ルで軸封するダブルメカニカルシールを一体化するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば水中ポンプに装着される軸
封装置としては、典型的には図2に示すように、モータ
の駆動力によってインペラを回転させるシャフト1の軸
周を、インペラ室Aとモータ室Bとの間で軸方向に配列
した二組のメカニカルシール10A ,10B によって軸
封するダブルメカニカルシールがある。各メカニカルシ
ール10A ,10B は、それぞれインペラ側ハウジング
2及びモータ側ハウジング3に取り付けられた固定摺動
環11A ,11B と、シャフト1側に取り付けられて前
記固定摺動環11A ,11B に摺接することにより密封
摺動面SA ,SBを形成する回転摺動環13A ,13B
とを有する。インペラ側のメカニカルシール10A は、
インペラ室Aとモータ室Bとの間にハウジング1,2に
よって画成されたオイル室C内の潤滑油がシャフト3の
軸周からインペラ室Aへ漏出するのを防止すると共に、
インペラ室Aの流体(水)がオイル室Cへ侵入するのを
防止するものであり、モータ側のメカニカルシール10
B は、オイル室Cの潤滑油がシャフト1の軸周からモー
タ室Bへ漏れるのを防止するものである。
【0003】インペラ側のメカニカルシール10A の固
定摺動環11A は、外周にカップガスケット12A 及び
押さえリング18が焼き付け一体化され、前記カップガ
スケット12A を介してインペラ側ハウジング2の環状
凹部に密嵌されると共に、前記押さえリング18を介し
て前記ハウジング2にボルト19により固定されること
によって、インペラ室Aからの水圧による移動が不可能
な状態に取り付けられている。また、モータ側のメカニ
カルシール10B の固定摺動環11B は、モータ側ハウ
ジング3の環状凹部にOリング12B を介して嵌着され
ている。
【0004】固定摺動環11A ,11B にそれぞれ軸方
向に対向配置された回転摺動環13A ,13B は、シャ
フト1の外周面に、軸方向に互いに背向したエラストマ
製のベローズ14A ,14B を介して支持されるととも
に、両回転摺動環13A ,13B の間に圧縮装着された
コイルスプリング15によって軸方向における相反する
方向へ弾性付勢され、各固定摺動環11A ,11B の端
面と適当な面圧で摺接している。前記各ベローズ14
A ,14B は、その内径筒状部がそれぞれドライブリン
グ16A ,16B により締め付けられてシャフト1の外
周面に対する適当な締め代が与えられると共に、回転摺
動環13A ,13B 側の端部がそれぞれケース17A
17B によって回転摺動環13A ,13B の背面に圧着
され、このケース17A ,17B とドライブリング16
A ,16B が互いに周方向に係合することによって、回
転摺動環13A ,13B がシャフト1と一体回転する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造のダブルメカニカルシールによれば、次のような
問題が指摘される。 (1) 各メカニカルシール10A ,10B を構成する回転
摺動環13A ,13B 、ベローズ14A ,14B 等の回
転側の各部品を、予め定められた手順にしたがって順次
嵌め込んで行かなければならないので、装着作業が煩雑
であり、未装着状態での各部品の管理や取り扱いが煩雑
である。 (2) モータ側メカニカルシール10B における回転摺動
環13B と一体のベローズ14B をシャフト1の外周の
所定位置まで圧入してから、コイルスプリング15を挿
入し、次にインペラ側メカニカルシール10A における
回転摺動環13Aと一体のベローズ14A を圧入する際
に、このベローズ14A がコイルスプリング15の圧縮
による反発力を受けて押し戻されるので、圧入抵抗が大
きくなると共に、所定位置へ正確に圧入することが困難
である。 (3) 上記組み込みの際にベローズ14A ,14B からド
ライブリング16A ,16B が脱落しやすい。 (4) 長期使用後のメンテナンス等のために回転摺動環1
A ,13B を掴んでシャフト1の外周から引き抜こう
とすると、シャフト1の外周面に圧着状態にあるベロー
ズ14A ,14B が破損を受けることがあり、このため
シャフト1の外周面からベローズ14A ,14B を引き
剥すようにしながら引き抜きを行わなければならず、作
業が煩雑である。 (5) 密封摺動面SA ,SB の面圧はシャフト1の外周に
おけるベローズ14A ,14B の固定位置によっても影
響を受けるため、装着の際のベローズ14A ,14B
位置決めは慎重に行わなければならない。
【0006】本発明は、上記のような事情のもとになさ
れたもので、その技術的課題とするところは、機器の軸
周への装着作業や前記軸周からの引き抜き作業が容易で
あり、しかも密封摺動面の面圧の不確定要素を排除可能
とすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
本発明に係るダブルメカニカルシールは、シャフトの外
周に軸方向に並んで配置された一対の回転環が、これら
両回転環の間に配置されたバネで相反する方向へ付勢さ
れ、各回転環の付勢方向に配置された一対の固定環と密
接衝合してなる二組のメカニカルシールを有するダブル
メカニカルシールにおいて、前記両メカニカルシールの
間に配置され前記各回転環と係合すると共に内周に円筒
部が形成されたケースと、前記ケースの円筒部の内周面
と前記シャフトの外周面との間に圧縮状態に介在される
エラストマからなる環状シートとを備え、前記ケースが
前記環状シートの圧接力により前記シャフトに対して円
周方向に固定されるようにしたものである。なお、ここ
でいう「固定環」とは、密封要素としての固定摺動環の
ほか、これをハウジングに固定するための環状部材を有
する場合はこの環状部材を含めて総称するものであり、
「回転環」とは、前記固定摺動環と密接摺動する密封要
素としての回転摺動環のほか、これに一体的に設けられ
る環状リテーナ等を有する場合は、これら環状リテーナ
等を含めて総称するものである。
【0008】この構成によれば、双方のメカニカルシー
ルの回転環と、その間に介在するバネと、環状シート
が、前記両回転環に係合したケースを介してひとつの回
転側組立体をなすものである。また、シャフトの回転力
をケースを介して回転環側へ伝達する環状シートが、従
来構造におけるベローズのように回転環と連結されるも
のではないので、ケース及び回転環ごとシャフト外周か
ら引き抜く際に破損する恐れがない。
【0009】本発明において一層好ましい構成として
は、ケースの円筒部の軸方向一端が、シャフトの外周面
に設けられた段差又は係止部材と衝合することによっ
て、前記ケースが軸方向に位置決めされるものとする。
したがってこの場合は、前記ケースをシャフトの外周に
嵌め込んでから、前記円筒部の一端が前記段差又は係止
部材と衝合するまで環状シートと共に軸方向へ強制移動
させるだけで装着位置が決まる。
【0010】また、本発明において一層好ましい他の構
成としては、ケースの円筒部の軸方向両端に、この円筒
部とシャフトとの間での径方向圧縮に伴って環状シート
が軸方向へ伸長変形するのを規制する内向き鍔部が形成
される。この構成によれば、シャフト外周への装着に伴
って、ケースの円筒部とシャフト外周面との間で径方向
に圧縮される環状シートは、軸方向への伸長を規制され
ることによって大きな圧縮応力を発生するので、シャフ
ト外周面に対する固定力(シャフトから回転環へのトル
ク伝達力)を増大することができる。しかも、環状シー
トが完全に円筒部の内周に保持されるので、ケースをシ
ャフト外周への圧入する際に環状シートが取り残された
り脱落するようなことがない。
【0011】また、本発明において一層好ましい更に他
の構成としては、バネが両メカニカルシールの共有であ
って、双方の回転環の間に配置されると共に、ケースに
開設された開口部を通じて軸方向移動可能に設けられ
る。このようにすれば、軸方向における前記ケースの装
着位置に誤差があっても固定環と回転環との摺動面圧が
変化しない。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るダブルメカ
ニカルシールを水中ポンプの軸封手段として装着した好
ましい一実施形態を示すもので、参照符号101はイン
ペラ室A内に配置されたインペラ(図示省略)をモータ
室B内に設置されたモータ(図示省略)の駆動力によっ
て回転させるシャフト、102はインペラ室Aとオイル
室Cとを区画するインペラ側ハウジング、103はオイ
ル室Cとモータ室Bとを区画するモータ側ハウジングで
ある。この実施形態によるダブルメカニカルシールは、
シャフト101の軸周に、両ハウジング102,103
の間で軸方向に並んだ二組のメカニカルシール20,3
0を備え、これらのメカニカルシール20,30は、そ
れぞれ例えば硬質摺動材料であるSiCからなる固定摺
動環21,31と、同じくSiC製であって前記固定摺
動環21,31の間に配列した回転摺動環23,33
と、この回転摺動環23,33を軸方向における相反す
る方向へ付勢して前記固定摺動環21,31に押し付け
るコイルスプリング41を有する。
【0013】インペラ側メカニカルシール20における
固定摺動環21は、インペラ側ハウジング102の内周
部にオイル室C側へ向けて形成された環状凹部102a
内にカップガスケット22を介して圧入嵌着されてい
る。そして、この固定摺動環21に軸方向に衝合されて
密封摺動面S20を形成する回転摺動環23は、モータ側
メカニカルシール30における回転摺動環33に対して
軸方向に背向した状態で配置された金属製の環状リテー
ナ24の先端内周の環状凹部24aにカップガスケット
25を介して装着されている。
【0014】モータ側メカニカルシール30における固
定摺動環31は、モータ側ハウジング103の内周部に
オイル室C側へ向けて形成された環状凹部103a内に
カップガスケット32を介して圧入嵌着されている。そ
してこの固定摺動環31に軸方向に衝合され密封摺動面
30を形成する回転摺動環33と、インペラ側メカニカ
ルシール20における回転摺動環23と一体の環状リテ
ーナ24は軸方向における相反する方向を向き、金属製
のケース42に収容されている。
【0015】ケース42は、断面略コ字形を呈する一対
の環状の金属プレス成形品を背中合わせの状態で溶接等
により互いに一体化したものであり、インペラ側ハウジ
ング102の方向に延びる第一の外周円筒部421及び
第一の内周円筒部422と、モータ側ハウジング103
の方向に延びる第二の外周円筒部423及び第二の内周
円筒部424と、軸心に対してほぼ垂直な壁面をなす径
方向部425とからなる。インペラ側メカニカルシール
20における環状リテーナ24は第一の外周円筒部42
1及び第一の内周円筒部422と径方向部425とで囲
まれた空間に収容され、モータ側メカニカルシール30
における回転摺動環33は、第二の外周円筒部423及
び第二の内周円筒部424と径方向部425とで囲まれ
た空間に収容されている。
【0016】ケース42の径方向部425には、円周方
向所定間隔で複数の開口部425aが開設されている。
両メカニカルシール20,30の回転摺動環23,33
を軸方向における相反する方向へ付勢するコイルスプリ
ング41は、環状リテーナ24と回転摺動環33との間
に円周方向所定間隔で複数配設された、いわゆるマルチ
スプリング型の付勢形態となっている。各コイルスプリ
ング41は、それぞれ前記各開口部425aを通じて軸
方向移動可能に配置ており、また、各コイルスプリング
41の一端がそれぞれ前記環状リテーナ24の背面に前
記開口部425aに対応して円周方向所定間隔で形成さ
れた保持穴に収容されることによって、両メカニカルシ
ール20,30の軸方向取付長が短く設定されている。
【0017】ケース42の第一及び第二の外周円筒部4
21,423には抜け止め係合部421a,423a及
び回転係合部421b,423bが形成されている。イ
ンペラ側メカニカルシール20の環状リテーナ24は、
その外周面に形成された係合凹部24bがケース42の
回転係合部421bと円周方向に係合すると共に抜け止
め係合部421aによって抜け止めされており、同様
に、モータ側メカニカルシール30の回転摺動環33
は、その外周面に形成された係合凹部33aがケース4
2の回転係合部423bと円周方向に係合すると共に抜
け止め係合部423aによって抜け止めされている。図
示の装着状態では、前記環状リテーナ24及び回転摺動
環33は抜け止め係合部421a,423aとの干渉位
置よりも径方向部425側へ後退した位置にあり、密封
摺動面S20,S30の摩耗に伴って、コイルスプリング4
1の付勢力によりそれぞれ固定摺動環21,31側へ進
出移動可能となっている。
【0018】ケース42の第一及び第二の内周円筒部4
22,424の内周にはエラストマからなる環状シート
43が配置されており、この環状シート43は、シャフ
ト101の外周面と前記内周円筒部422,424の内
周面との間で径方向に適当な締め代を与えられた状態で
介在している。前記内周円筒部422,424の相反す
る方向の端部には、径方向に圧縮された環状シート43
が軸方向へ伸長変形するのを規制する内向き鍔部422
a,424aが形成されている。このため、環状シート
43には図示の装着状態において大きな圧縮応力を発生
するので、ケース42がシャフト101の外周面にしっ
かりと固定される。また、第二の内周円筒部424側の
内向き鍔部424aは、シャフト101の外周面にモー
タ側が大径となるように形成された環状段差部101a
に衝合し、これによってケース42の装着位置が規定さ
れている。
【0019】インペラ側メカニカルシール20における
環状リテーナ24の内周面とシャフト101の外周面と
の間はOリング26によってシールされており、前記イ
ンペラ側メカニカルシール20における回転摺動環23
は、このOリング26を介してシャフト101の外周に
軸方向移動可能に支持されている。一方、モータ側メカ
ニカルシール30における回転摺動環33は、ケース4
2の第二の内周円筒部424の外周にパッキン34を介
して軸方向移動可能に支持されており、前記回転摺動環
33とシャフト101の外周面との間は、前記パッキン
34及び環状シート43によってシールされている。ま
た、コイルスプリング41は、金属ワッシャ34aの埋
設によって補強された前記パッキン34を介して回転摺
動環33を押圧しており、すなわち前記コイルスプリン
グ41の付勢力によってパッキン34が回転摺動環33
に密接されている。
【0020】インペラ側メカニカルシール20は、圧力
的にはバランス型の構造となっている。すなわちインペ
ラ室Aからの流体圧力(この場合は水圧)は、固定摺動
環21及び回転摺動環23に対して軸方向に互いに相殺
するように作用する。インペラ側ハウジング102の環
状凹部102aと固定摺動環21との間に介在するカッ
プガスケット22には金属からなる補強ケース22aが
埋設されており、これによって前記環状凹部102aに
対する嵌合力を高め、インペラ室Aからの水圧に対処し
ている。
【0021】上述の実施形態のダブルメカニカルシール
によれば、シャフト101の回転力は、環状シート43
を介してケース42に伝達され、更にこのケース42の
回転係合部421b,423bを介して、インペラ側メ
カニカルシール20における回転摺動環23と一体の環
状リテーナ24及びモータ側メカニカルシール30にお
ける回転摺動環33に伝達される。これによってシャフ
ト101と一体的に回転される前記回転摺動環23,3
3が、コイルスプリング41の付勢力によって固定摺動
環21,31と密接摺動し、軸封機能を奏するものであ
る。
【0022】またこの実施形態によれば、二組のメカニ
カルシール20,30における回転側の全構成部品が、
シャフト101の軸周への未装着の時点で予め一つの組
立体となっている。これは、インペラ側メカニカルシー
ル20における回転摺動環23と一体の環状リテーナ2
4及びモータ側メカニカルシール30における回転摺動
環33と、その間に介在されたコイルスプリング41や
パッキン34などが、ケース42によって抜け止めされ
た状態に保持されているからである。
【0023】当該ダブルメカニカルシールの組み込みに
際しては、まずモータ側ハウジング103にモータ側メ
カニカルシール30における固定摺動環31をカップガ
スケット32を介して装着する。そして次にシャフト1
01の外周に、両メカニカルシール20,30の回転側
構成部品を一体に保持したケース42を、その第一及び
第二の内周円筒部422,424に保持された環状シー
ト43とシャフト101の外周面との摩擦抵抗に抗し
て、インペラ側の端部(図における下側の端部)から圧
入する。このとき、環状シート43は前記第一及び第二
の内周円筒部422,424の内周に、内向き鍔部42
2a,424aによって確実に保持されているので、ケ
ース42から脱落したり、シャフト101の外周面との
摩擦抵抗によって前記内周円筒部422,424の内周
から外れて取り残されたりすることがない。
【0024】上記圧入過程で、モータ側メカニカルシー
ル30の回転摺動環33が、モータ側ハウジング103
に装着された固定摺動環31に当接すると、これに伴っ
てコイルスプリング41がケース42の開口部425a
を通じて圧入方向と反対側へ相対移動するので、コイル
スプリング41が大きく圧縮されるのに伴う反発力によ
ってケース42の押し込みが困難になることがない。し
たがって、ケース42を、第二の内周円筒部424の内
向き鍔部424aがシャフト101の環状段差部101
aに衝合する位置まで圧入することができる。
【0025】上記圧入完了後、カップガスケット22を
介して固定摺動環21が装着されたインペラ側ハウジン
グ102をモータ側ハウジング103に組み付けて結合
する。これによって、コイルスプリング41が所定の圧
縮長さまで圧縮されて、インペラ側メカニカルシール2
0における固定摺動環21と回転摺動環23及びモータ
側メカニカルシール30における固定摺動環31と回転
摺動環33が互いに所定の面圧で衝合し、図示の装着状
態となる。
【0026】また、長期使用後のメンテナンス等のため
に、このダブルメカニカルシールを取り外す必要がある
場合は、インペラ側ハウジング102をモータ側ハウジ
ング103から取り外してから、ケース42を掴んで引
き抜けば、回転摺動環23,33、環状リテーナ24、
コイルスプリング41、パッキン34等の回転側構成部
品が一度に取り外され、しかもこれらの部品が引き抜き
による損傷を受けることはない。
【0027】なお、本発明は、図示の一実施形態に限定
されるものではない。例えば、ケース42は切削等によ
って製作されたものを用いることもできる。また、本発
明は、上述のような水中ポンプ以外の機器の軸封装置と
して使用されるダブルメカニカルシールにも適用可能で
ある。
【0028】また、ケース42には開口部425aを開
設せず、コイルスプリング41をインペラ側メカニカル
シール20用とモータ側メカニカルシール30用とに別
々に設けても良く、この場合は、インペラ側メカニカル
シール20の密封摺動面S20の面圧とモータ側メカニカ
ルシール30の密封摺動面S30の面圧を異なる値に調整
することができる。但しこの場合は、回転側のケースを
シャフト101の外周に圧入する過程で、モータ側メカ
ニカルシール30の回転摺動環33が、モータ側ハウジ
ング103に装着された固定摺動環31に当接するのに
伴って、モータ側メカニカルシール30のコイルスプリ
ングが圧縮を受けるので、その反発力によって圧入抵抗
が大きくなる。
【0029】
【発明の効果】本発明によると、次のような効果が実現
できる。 (1) 両メカニカルシールの回転側構成部品がケースによ
って一体化されているので、これらの回転側構成部品の
シャフトへの装着や取り外しを一度に行うことができ、
作業性が良い。 (2) 両メカニカルシールの回転側構成部品を保持するケ
ースが環状シートの圧縮反力によってシャフトに固定さ
れ、セットスクリュ等を用いないので、装着の際の煩雑
さがない。 (3) 両メカニカルシールの回転環を付勢するバネが、ケ
ースを貫通して軸方向移動可能に配置されることによっ
て、装着の際に、前記バネの圧縮反力によって所定位置
への圧入が困難になるのを防止することができる。 (4) 両メカニカルシールの回転環を付勢するバネが、ケ
ースを貫通して軸方向移動可能に配置されることによっ
て、ケースの固定位置による摺動面圧の誤差が生じな
い。 (5) 両メカニカルシールの回転側構成部品をシャフトに
装着する際に部品の脱落が生じない。 (6) 長期使用後のメンテナンス等の際には、ケースを掴
んでシャフトの外周から引き抜くことによって、回転側
構成部品を損傷させることなく取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダブルメカニカルシールを水中ポ
ンプの軸封手段として装着した好ましい一実施形態を、
軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図2】水中ポンプの軸封手段として装着した従来技術
に係るダブルメカニカルシールを、軸心を通る平面で切
断して示す半断面図である。
【符号の説明】
20,30 メカニカルシール 21,31 回転摺動環(回転環) 23,33 固定摺動環(固定環) 24 環状リテーナ(回転環) 41 コイルスプリング(バネ) 42 ケース 422 第一の円筒部(円筒部) 422a,424a 内向き鍔部 424 第二の円筒部(円筒部) 43 環状シート 101 シャフト 102,103 ハウジング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトの外周に軸方向に並んで配置さ
    れた一対の回転環がバネで相反する方向へ付勢され、各
    回転環の付勢方向に配置された一対の固定環と密接衝合
    してなる二組のメカニカルシールを有するダブルメカニ
    カルシールにおいて、 前記両メカニカルシールの間に配置され前記各回転環と
    円周方向に係合すると共に内周に円筒部が形成されたケ
    ースと、 前記ケースの円筒部の内周面と前記シャフトの外周面と
    の間に圧縮状態に介在されるエラストマからなる環状シ
    ートとを備え、 前記ケースが前記環状シートの圧接力により前記シャフ
    トに対して円周方向に固定されることを特徴とするダブ
    ルメカニカルシール。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、 ケースの円筒部の軸方向一端が、シャフトの外周面に設
    けられた段差又は係止部材と衝合することによって、前
    記ケースが軸方向に位置決めされることを特徴とするダ
    ブルメカニカルシール。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の記載において、 ケースの円筒部の軸方向両端に、この円筒部とシャフト
    との間での径方向圧縮に伴って環状シートが軸方向へ伸
    長変形するのを規制する内向き鍔部が形成されたことを
    特徴とするダブルメカニカルシール。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかの記載におい
    て、 バネが両メカニカルシールの共有であって、双方の回転
    環の間に配置されると共に、ケースに開設された開口部
    を通じて軸方向移動可能に設けられたことを特徴とする
    ダブルメカニカルシール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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