JPH10288251A - 中空カムシャフトおよびその製造方法 - Google Patents

中空カムシャフトおよびその製造方法

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JPH10288251A
JPH10288251A JP2747798A JP2747798A JPH10288251A JP H10288251 A JPH10288251 A JP H10288251A JP 2747798 A JP2747798 A JP 2747798A JP 2747798 A JP2747798 A JP 2747798A JP H10288251 A JPH10288251 A JP H10288251A
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JP
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pipe
crushed
camshaft
parts
hollow camshaft
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JP2747798A
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Yoshimi Koma
由己 小間
Takashi Hattori
高志 服部
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パイプを鋳包む中空カムシャフトにおいて、
パイプ周囲への突出部の配設やパイプ端部への盲蓋、支
持棒などを固定する工程を不要とし、位置ずれを少なく
してパイプを鋳包み、カムシャフトの端部への加工部位
を確保でき、鋳造欠陥を少なくして、軽量化を達成でき
る中空カムシャフトおよびその製造方法を得る。 【解決手段】 パイプの両方の端部に閉口する押潰部を
形成、または押潰部の閉口する部位に蓋部材を設け、ま
たは一方の端部に開口部を形成して鋳包み材に埋設す
る。または更に、パイプの中間にも押潰部を形成し、カ
ムシャフトのカム部およびジャーナル部に相当する位置
で膨出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの動弁系
部品としての中空カムシャフトおよびその製造方法に関
し、より詳しくは、パイプを鋳包む中空カムシャフトに
おいて、パイプ周囲への突出部の配設やパイプ端部への
盲蓋、支持棒などを固定する工程を不要とし、位置ずれ
を少なくしてパイプを鋳包み、カムシャフトの端部への
加工部位を確保でき、鋳造欠陥を少なくして、軽量化を
達成できる中空カムシャフトおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】通常のカムシャフトの断面を図8に示
す。カムシャフト40には、複数のカム部6、シリンダ
ヘッドおよびカムカバー間で軸支される複数のジャーナ
ル部7、軸部8、カム歯車を取り付ける歯車取付部9、
カム歯車を固定するボルトが螺合するネジ穴10が形成
され、このネジ穴10の外端にはセンタ(図示せず)が
形成され、カムシャフト40の他端には、センタ穴12
が形成される。そして、前記カム部6およびジャーナル
部7などの切削加工、高周波焼入および研削加工など
は、通常、ネジ穴10のセンタ、および他端のセンタ穴
12を基準として行なわれる。
【0003】近年、エンジンの軽量化および高速化の要
望に応じて、カムシャフトを中空にして軽量化したり、
中空部に潤滑油を通してカム部の冷却と潤滑を行う構造
の中空カムシャフトの使用が増加している。中空カムシ
ャフトには、中空パイプに別部品のカム部やジャーナル
部を溶接や圧入などで組立て、一方の端部に盲蓋をし
て、センタ穴、ネジ穴、歯車取付部などの加工ができる
ようにしている。しかし、溶接や圧入で組立する中空カ
ムシャフトは、カム部、ジャーナル部、盲蓋などの多く
の部品を必要とし、また溶接や圧入などの工程が増えて
製造コストが増加する。
【0004】一方、鋳物一体化による中空カムシャフト
は、前述の中空パイプにカム部やジャーナル部を溶接や
圧入などで組立て、また盲蓋をして歯車取付部の加工を
する構造に比較して、部品数や加工、組立の点では有利
であり、製造コストを比較的低く抑えることができる。
【0005】例えば、特開昭63−16851号公報に
は、予め成形された加工基準部材を中子に固着し、この
中子を主型に支持させて鋳造を行い、鋳造後のカムシャ
フトの外周に加工基準部材の一部を突出させることで、
鋳造におけるケレンと、カム部の仕上げのための加工基
準とを加工基準部材に兼用させる開示がある。この特開
昭63−16851号公報では、中空カムシャフトの素
材外形を形成する鋳型と中空部を形成する砂中子を用い
て鋳造し、その後、湯道、湯口などの鋳造方案部や中子
砂などを除去して、中空カムシャフトを得ている。しか
し、中子を用いて中空部を形成する中空カムシャフト
は、中子砂を除去したり、除去しきれない砂が残ってい
ないかのチェックを行う必要があり、工程が増えること
になる。
【0006】これを解決するため、中子に代えてパイプ
を鋳包む中空カムシャフトも用いられてきている。例え
ば特開昭61−9959号公報には、鋳型のキャビティ
に、軸方向複数箇所において外周面から突出する複数の
変形防止突起部を持ったパイプを配設して各変形防止突
起部の先端をキャビティに当接し、そしてキャビティ内
に注湯することで、鋳造時にパイプが曲がらず、位置ず
れの少ない中空カムシャフトが得られるとする開示があ
る。また、中空パイプの端部に盲蓋をして、鋳造後にカ
ムシャフトの端部へのはキー溝やネジ加工できるように
している。
【0007】更に特開昭63−12809号公報には、
中空カムシャフトの製造方法として、一端に支持棒が固
定されたスチールパイプを鋳ぐるむことで、カムシャフ
トの端部に小径を持つ中空カムシャフトとし、更に、カ
ムシャフトのカム部、ジャーナル部等に相当する位置で
スチールパイプをバルジ加工などの塑性加工により膨出
させ、この塑性加工したスチールパイプの一端に支持棒
を固定した後、スチールパイプを鋳ぐるむことで、大き
な空隙部を持たせて軽量化が図れるとする開示がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭61−9959号公報は、複数の突出部など部品数
が増加し、また突出部をパイプに配設する工程が必要が
あり、製造コストが増加する。また、中空パイプの端部
に盲蓋をして、鋳造後にキー溝やネジ加工ができるよう
にしているが、盲蓋などパイプ以外の部品を必要とす
る。
【0009】また、前記特開昭63−12809号公報
に開示のものは、カムシャフトの端部に小径を持つ中空
カムシャフトを対象としており、端部に小径を持たない
通常の中空カムシャフトに対しては適用することが難し
く、更に支持棒の製作やスチールパイプに固定する工程
が必要である。
【0010】加えて前記特開昭61−9959号公報お
よび前記特開昭63−12809号公報では、パイプ内
にあった空気が溶湯の熱で膨張してパイプ内にとどまり
きれず、キャビティ内に出ることによりガス欠陥などの
鋳鉄欠陥を発生させるおそれがある。本発明の課題は、
パイプを鋳包む中空カムシャフトにおいて、パイプ周囲
への突出部の配設やパイプ端部への盲蓋、支持棒などを
固定する工程を不要とし、位置ずれを少なくしてパイプ
を鋳包み、カムシャフトの端部への加工部位を確保で
き、鋳造欠陥を少なくして、軽量化を達成できる中空カ
ムシャフトおよびその製造方法を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第1発明の中空カムシャフトは、パイプを鋳包む中
空カムシャフトであって、前記パイプの少なくとも一方
の端部に閉口する押潰部を形成し、前記パイプが押潰部
の大径部を除き鋳包み材に埋設してなることを特徴とす
る。ここで、押潰部の大径部とは、パイプを押潰するこ
とにより径大となり、鋳包み材に埋設しない部位をい
う。
【0012】第2発明の中空カムシャフトは、パイプを
鋳包む中空カムシャフトであって、前記パイプの一方の
端部に閉口する押潰部を形成すると共に他方の端部に開
口部を形成し、前記パイプが前記押潰部の大径部近傍お
よび前記開口部端を除き鋳包み材に埋設してなることを
特徴とする。
【0013】第1発明または第2発明において、前記押
潰部の閉口する部位に蓋部材を設けることを特徴とし、
また、前記パイプは中間に押潰部を形成させ、またはカ
ムシャフトのカム部およびジャーナル部に相当する位置
で膨出してなることを特徴とする。
【0014】次に第3発明の中空カムシャフトの製造方
法は、パイプを鋳包む中空カムシャフトの製造方法であ
って、(1)少なくとも一端に閉口する押潰部を形成し
たパイプを準備する工程、(2)前記押潰部の大径部お
よび/またはその近傍で位置決めして鋳型に配置する工
程、(3)前記鋳型を型合わせしてキャビティを形成す
る工程、(4)前記キャビティに溶湯を注入する工程を
含むことを特徴とする。第4発明の中空カムシャフトの
製造方法は、パイプを鋳包む中空カムシャフトの製造方
法であって、(1)パイプを、その一端に閉口する押潰
部を形成すると共に、他方の端部に開口部を有し鋳型の
幅木となる長さまで形成する工程、(2)前記パイプ
を、前記押潰部の大径部および/またはその近傍、およ
び幅木で位置決めして鋳型に配置する工程、(3)鋳型
を型合わせしてキャビティを形成する工程、(4)前記
キャビティに溶湯を注入する工程を含むことを特徴とす
る。
【0015】第3発明および第4発明において、前記パ
イプの押潰部の閉口する部位に蓋部材を設ける工程を含
み、前記押潰部は中空カムシャフト鋳造後の加工の位置
決めとなることを特徴とする。
【0016】第1発明および第2発明の中空カムシャフ
トによれば、パイプの端部に閉口する押潰部を形成し、
パイプを鋳包み材に埋設しているので、中空パイプに盲
蓋をする必要がなく、歯車取付部や、歯車固定のネジ穴
加工などを直接施すことができる。また、前記押潰部の
閉口する部位に蓋部材を設けることで、パイプを鋳包む
際にパイプ内の空気が膨張して閉口する部位から出るの
を防ぎ、ガス欠陥などの鋳造欠陥のない中空カムシャフ
トとなる。また、パイプの中間に押潰部を形成すれば、
鋳型に対してパイプを正確に配置でき、カムシャフトを
高速回転で使用してバランスが保てる。カムシャフトの
カム部およびジャーナル部に相当する位置の少なくとも
一部のパイプを膨出することで、より軽量の中空カムシ
ャフトとなる。
【0017】次に、第3発明の中空カムシャフトの製造
方法によれば、押潰部の大径部が鋳型への位置決め部と
なり、また機械加工時のカムシャフトのカム部、ジャー
ナル部ほかの回転方向や軸方向の正確な位置決めとな
る。パイプ一端の開口部を鋳型への幅木となる長さまで
形成して鋳型で保持することで、鋳包む際にパイプ内の
空気が膨張しても、この開口部から鋳型側に膨張した空
気が逃げてガス欠陥などの発生を防止する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づき詳細に説明する。 (実施の形態1)図1は、実施の形態1の中空カムシャ
フトを示す断面図である。図1で、中空カムシャフト1
は、鉄材質の電縫管からなるパイプ3を球状黒鉛鋳鉄
(JIS)FCD700相当組成のカムシャフト本体2
で鋳包んでいる。パイプ3は断面が円形で全長にわたり
同じ直径の電縫管を用いており、左右の端部4、4には
閉口した押潰部4a、4bを形成している。そしてパイ
プ3は鋳包み材であるカムシャフト本体2に埋設させて
いる。
【0019】図1に示す中空カムシャフト1は以下
(1)〜(4)の工程で容易に製造することができる。 (1)端部に閉口する押潰部を形成したパイプを準備す
る工程 鉄材質の電縫管で外径φ22mm×厚さ1.0のパイプ
3を長さ550mmに切断加工する。その後、パイプ3
の端部4、4を5mmに渡ってパイプ中心が閉口するよ
うに押潰部4a、4bを形成する。図1のA−A断面お
よびC−C断面で示すとおり、押潰部4a、4bの閉口
方向を直交させている。直交させることで後工程の鋳型
へ載置するときの回転を含めた位置決めが容易となる。
【0020】(2)鋳型にパイプを配設する工程 図2は、図1の中空カムシャフト1の鋳造に用いる鋳型
の断面図である。図3は、下型12にパイプ3を載置し
ている状態を示す斜視図であり、図4および図5は、パ
イプ3の端部4、4の押潰部4a、4bを、下型12へ
配設する状態を示す斜視図である。なお図2から図5
で、13は上型であり、14は下型12、上型13およ
びパイプ3で形成されるキャビティであり、図3での1
5は溶湯中のノロなどを除去するフィルター、16は湯
道、18は堰である。
【0021】下型12には、パイプ3の左側の押潰部4
aの幅、深さに合わせガイドする案内部12aと、パイ
プ3の右側の押潰部4bの幅、深さに合わせガイドする
案内部12bを形成している。一方、上型13には、下
型12と同様の案内部12a、12bと、これに加え湯
口(図示せず)を形成している。パイプ3の鋳型への配
置は、パイプ3の左側の端部4の押潰部4a、4bは下
型11の見切面17と平行に、またパイプ3の右側の端
部4の押潰部4bは下型11の見切面17と直角にして
いる。なお、パイプ3の鋳型への配置は、押潰部4a、
4bとも見切面17と平行または直角にしても同様の効
果を得ることができる。押潰部4a、4bと案内部12
a、12bは、中空カムシャフト1の最小径となる図1
での小径部5に設け、小径部5は鋳造のままで機械加工
を施さないようにすることもできる。
【0022】(3)鋳型を型合わせしてキャビティを形
成する工程 下型12と上型13を型合わせすることによりキャビテ
ィ14が形成される。
【0023】(4)キャビティに溶湯を注入する工程 次に、上型13の湯口から(JIS)FCD700相当
で、カム部、ジャーナル部を高周波焼入れ時のフェライ
ト残りを少なくするためSn:0.03〜0.05質量
%添加した組成の溶湯を注入する。注入された溶湯は、
フィルター15で濾過され、湯道16、堰18を通っ
て、キャビティ14に充填される。ここでパイプ3の押
潰部4a、4bは閉口しており、溶湯はパイプ3内部に
は浸入しないようにしている。
【0024】注入した溶湯が凝固後、下型12と上型1
3を型割りして中空カムシャフト1の素材を取り出す。
そして先ずセンタ穴11およびセンタ付きのネジ穴10
を機械加工する。続いてセンタ穴11およびセンタ付き
のネジ穴10を回転中心の基準とし、また押潰部4a、
4bを回転角方向の基準として、カム部6、ジャーナル
部7、歯車取付部9などの切削加工、カム部6およびジ
ャーナル部7の高周波焼入および研削加工を行い、中空
カムシャフト1を完成させる。
【0025】実施の形態1の中空カムシャフトは、パイ
プ3が中心軸に対して対象であるため回転バランスがよ
く、ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンに適用
することが可能である。
【0026】(実施の形態2)図6は、実施の形態2の
中空カムシャフトを示す断面図である。図6で、中空カ
ムシャフト21は、鉄材質の電縫管からなるパイプ23
を球状黒鉛鋳鉄(JIS)FCD700相当組成のカム
シャフト本体22で鋳包んでいる。パイプ23は、素材
として断面が円形で全長にわたり同じ直径の電縫管を用
い、右側の端部4には閉口した押潰部4cを形成し、更
に押潰部4cの閉口する部位に蓋部材18を設け、左側
の端部4dには直径を絞って開口部24を形成してい
る。図6に示す中空カムシャフト21は以下(1)〜
(4)の工程で容易に製造することができる。
【0027】(1)端部に閉口する押潰部を形成したパ
イプを準備する工程 鉄材質の電縫管で外径22mm×厚さ1.0のパイプ2
3を長さ620mmに切断加工する。その後、パイプ2
3の右側の端部4を4mmに渡ってパイプ中心が閉口す
るように押潰部4cを形成する。そして、押潰部4cが
閉口する部位に蓋部材18を溶接により取り付け密閉し
ている。パイプ23の左側は、開口部24を持たせたま
ま外径が12mmで長さ30mmとして鋳型が保持でき
る長さに延長して幅木25を形成している。
【0028】(2)鋳型にパイプを配設する工程 鋳型へのパイプ23の配設は先の実施の形態1と略同様
に行うが、蓋部材18、開口部24のパイプ23の延長
部分(図示せず)外径を幅木25をガイドとして鋳型に
保持する。
【0029】(3)鋳型を型合わせしてキャビティを形
成する工程 下型と上型を型合わせすることによりキャビティを形成
する。
【0030】(4)キャビティに溶湯を注入する工程 次いで(JIS)FCD700相当で、カム部、ジャー
ナル部を高周波焼入れ時のフェライト残りを少なくする
ためSn:0.03〜0.05質量%添加した組成の溶
湯をキャビティ内に注入する。押潰部4cを蓋部材18
で密閉しているので、溶湯はパイプ23内部には浸入し
ない。また、溶湯が注入されたときのパイプ23内で膨
張した空気は、パイプ23左側の開口部24から鋳型側
に逃げるのでキャビティ内に入ることが少なく、ガス欠
陥などの鋳造欠陥を防止する。
【0031】注入した溶湯が凝固後、下型と上型を型割
りして中空カムシャフト23の素材を取り出す。そして
先ず、パイプ3の開口部24を延長した幅木25を切断
する。また、センタ穴11およびセンタ10a付きのネ
ジ穴10を機械加工する。続いてセンタ穴11およびセ
ンタ10aを回転中心の基準とし、また押潰部4aを回
転角方向の基準として、カム部、ジャーナル部、歯車取
付部9などの切削加工、カム部およびジャーナル部の高
周波焼入および研削加工を行い、中空カムシャフト21
を完成させる。
【0032】実施の形態2の中空カムシャフト21は、
パイプ23が中心軸に対して対象であるため回転バラン
スがよく、ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジン
に適用することが可能である。また、押潰部4cを蓋部
材18で密閉しているので、溶湯はパイプ23内部には
浸入しない。更に、パイプ23の一端の開口部24を鋳
型と接続しているので、鋳包む際にパイプ23内の空気
が膨張してもこの開口部24から鋳型側に逃げてガス欠
陥などの発生が防止される。
【0033】(実施の形態3)図7は、実施の形態3の
中空カムシャフトを示す断面図である。図7で、中空カ
ムシャフト31は、鉄材質の電縫管からなり屈曲して膨
出部35を持つパイプ33を球状黒鉛鋳鉄(JIS)F
CD700相当組成のカムシャフト本体32で鋳包んで
いる。パイプ33は、素材として断面が円形で全長にわ
たり同じ直径の電縫管を用い、左側の端部4に閉口した
押潰部4eを形成し、更に押潰部4eの閉口する部位に
蓋部材18を設け、カムシャフト31のカム部6および
ジャーナル部7に相当する位置に複数の膨出部35を形
成し、右側の端部は直径を絞りかつ開口した開口部34
を形成している。
【0034】図7に示す中空カムシャフト31は以下
(1)〜(4)の工程で容易に製造することができる。 (1)端部に閉口する押潰部を形成したパイプを準備す
る工程 鉄材質の電縫管で外径22mm×厚さ1.0のパイプ2
3を長さ650mmに切断加工する。その後、パイプ3
3の左側の端部4を5mmに渡ってパイプ中心が閉口す
るように押潰部4eを形成する。そして、押潰部4eが
閉口する部位に蓋部材18を溶接により取り付け押潰部
4eの閉口する部位を密閉している。また、パイプ33
は、カムシャフト31のカム部6およびジャーナル部7
の位置に膨出部35を形成すると共に、中間部36に鋳
型に接触して3方で保持する押潰部4cを形成してい
る。また、パイプ33の右側は、開口部24を持たせた
まま外径が12mmで長さ30mmとして鋳型が保持で
きる長さに延長して幅木を形成している。
【0035】(2)鋳型にパイプを配設する工程 鋳型へのパイプ33の配設は先の実施の形態1および実
施の形態2と略同様に行うが、蓋部材18、押潰部4
c、開口部34のパイプ33外径の延長部分(図示せ
ず)の幅木をガイドとして鋳型に保持する。
【0036】(3)鋳型を型合わせしてキャビティを形
成する工程 下型と上型を型合わせすることによりキャビティが形成
される。
【0037】(4)キャビティに溶湯を注入する工程 次いで、(JIS)FCD700相当で、カム部、ジャ
ーナル部を高周波焼入れ時のフェライト残りを少なくす
るためSn:0.03〜0.05質量%添加した組成の
溶湯をキャビティに注入する。押潰部4eが蓋部材18
で密閉しているので、溶湯はパイプ23内部には浸入し
ない。また、溶湯が注入されたときのパイプ内で膨張し
た空気は、パイプ33右側の開口部24から鋳型側に逃
げてキャビティに入ることがなく、ガス欠陥などの鋳造
欠陥を防止する。
【0038】注入した溶湯が凝固後、下型と上型を型割
りして中空カムシャフト33の素材を取り出す。そして
先ず、パイプ3の開口部を延長した幅木を切断する。ま
た、センタ穴11およびセンタ付きのネジ穴10を機械
加工する。続いてセンタ穴11およびセンタ付きのネジ
穴10を回転中心の基準とし、また押潰部4aを回転角
方向の基準として、カム部6、ジャーナル部7、歯車取
付部9などの切削加工、カム部6およびジャーナル部7
の高周波焼入および研削加工を行い、中空カムシャフト
31を完成させる。
【0039】実施の形態3の中空カムシャフトは、膨出
部35を形成しているので更に軽量となり、パイプ23
が中心軸に対して対象であるため回転バランスがよく、
ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンに適用する
ことが可能である。また、押潰部4dを蓋部材18で密
閉しているので、溶湯はパイプ23内部には浸入しな
い。また、パイプ3の一端の開口部を鋳型と接続するこ
とで、鋳包む際にパイプ内の空気が膨張してもこの開口
部から鋳型側に逃げてガス欠陥などの発生が防止され
る。
【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明のとおり、 第1発明お
よび第2発明の中空カムシャフトによれば以下の優れた
効果を奏する。 (1)パイプの端部に閉口する押潰部を形成し、パイプ
を鋳包み材に埋設しているので、中空パイプに盲蓋をす
る必要がなく、歯車取付部や、歯車固定のネジ穴加工な
どを直接施すことができる。 (2)パイプの中間に押潰部を形成すれば、鋳型に対し
てパイプを正確に位置できて、カムシャフトを高速回転
で使用してもバランスが保てる。 (3)カムシャフトのカム部およびジャーナル部に相当
する位置の少なくとも一部のパイプを膨出することで、
より軽量の中空カムシャフトとなる。
【0041】次に、第3発明および第4発明の中空カム
シャフトの製造方法によれば以下の優れた効果を奏す
る。 (4)押潰部が鋳型への位置決め部となり、また機械加
工時のカムシャフトのカム部、ジャーナル部ほかの回転
方向や軸方向の正確な位置決めとなる。 (5)パイプの押潰部を蓋部材で密閉しているので、溶
湯はパイプ内部には浸入しない。 (6)パイプの一端の開放部で鋳型で保持することで、
鋳包む際にパイプ内の空気が膨張しても、この開口部か
ら鋳型側に膨張した空気が逃げてガス欠陥などの発生が
防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の中空カムシャフトの断面図であ
る。
【図2】実施の形態1の中空カムシャフトを製造する鋳
型の断面図である。
【図3】実施の形態1の中空カムシャフトを製造する鋳
型の見取り図である。
【図4】パイプの左端部の押潰部の下型に配設する状態
を示す斜視図である。
【図5】パイプの右端部の押潰部の下型に配設する状態
を示す斜視図である。
【図6】実施の形態2の中空カムシャフトの断面図であ
る。
【図7】実施の形態3の中空カムシャフトの断面図であ
る。
【図8】従来のカムシャフトの断面図である。
【符号の説明】
1、21、31:中空力ムシヤフト、 2、22、32カムシャフト本体、 3、23、33:パイプ、 4、4、4d:端部、 4a、4b、4c、4e:押潰部、 4f:大径部、 5:小径部、 6:カム部、 7:ジャーナル部、 8:軸部、 9:歯車取付部、 10:ネジ穴、 11:センター穴 12:下型、 12a、12b:案内部、 13:上型、 14:キャビティ、 15:フィルター、 16:湯道、 17:見切面、 18:堰、 24、34:開口部、 35:膨出部、 36:中間部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプを鋳包む中空カムシャフトであっ
    て、前記パイプの少なくとも一方の端部に閉口する押潰
    部を形成し、前記パイプが押潰部の大径部を除き鋳包み
    材に埋設してなることを特徴とする中空カムシャフト。
  2. 【請求項2】 パイプを鋳包む中空カムシャフトであっ
    て、前記パイプの一方の端部に閉口する押潰部を形成す
    ると共に他方の端部に開口部を形成し、前記パイプが前
    記押潰部の大径部近傍および前記開口部端を除き鋳包み
    材に埋設してなることを特徴とする中空カムシャフト。
  3. 【請求項3】 前記押潰部の閉口する部位に蓋部材を設
    けてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の中空カムシャフト。
  4. 【請求項4】 前記パイプは、更に中間に押潰部を形成
    してなることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか
    1項に記載の中空カムシャフト。
  5. 【請求項5】 前記パイプは、カムシャフトのカム部お
    よびジャーナル部に相当する位置の少なくとも一部に膨
    出部を形成してなることを特徴とする請求項1乃至請求
    項4何れか1項に記載の中空カムシャフト。
  6. 【請求項6】 パイプを鋳包む中空カムシャフトの製造
    方法であって、(1)少なくとも一端に閉口する押潰部
    を形成したパイプを準備する工程、(2)前記押潰部の
    大径部および/またはその近傍で位置決めして鋳型に配
    置する工程、(3)前記鋳型を型合わせしてキャビティ
    を形成する工程、(4)前記キャビティに溶湯を注入す
    る工程を含むことを特徴とする中空カムシャフトの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 パイプを鋳包む中空カムシャフトの製造
    方法であって、(1)パイプを、その一端に閉口する押
    潰部を形成すると共に、他方の端部に開口部を有し鋳型
    の幅木となる長さまで形成する工程、(2)前記パイプ
    を、前記押潰部の大径部および/またはその近傍、およ
    び幅木で位置決めして鋳型に配置する工程、(3)鋳型
    を型合わせしてキャビティを形成する工程、(4)前記
    キャビティに溶湯を注入する工程を含むことを特徴とす
    る中空軸の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記押潰部の閉口する部位に蓋部材を設
    ける工程を含むことを特徴とする請求項6または請求項
    7に記載の中空カムシャフトの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記押潰部および/または蓋部材は、中
    空カムシャフト鋳造後の加工の位置決めとなることを特
    徴とする請求項6乃至請求項8何れか1項に記載の中空
    カムシャフトの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1213071A2 (de) * 2000-12-07 2002-06-12 Fritz Winter Eisengiesserei GmbH & Co. KG Verfahren, Vorrichtung und Eisengusslegierung zum Herstellen einer Nockenwelle sowie Nockenwelle mit angegossenen Nocken

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1213071A2 (de) * 2000-12-07 2002-06-12 Fritz Winter Eisengiesserei GmbH & Co. KG Verfahren, Vorrichtung und Eisengusslegierung zum Herstellen einer Nockenwelle sowie Nockenwelle mit angegossenen Nocken
EP1213071A3 (de) * 2000-12-07 2004-12-15 Fritz Winter Eisengiesserei GmbH & Co. KG Verfahren, Vorrichtung und Eisengusslegierung zum Herstellen einer Nockenwelle sowie Nockenwelle mit angegossenen Nocken

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