JPH10286560A - 菌捕獲浮遊体 - Google Patents

菌捕獲浮遊体

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JPH10286560A
JPH10286560A JP9114432A JP11443297A JPH10286560A JP H10286560 A JPH10286560 A JP H10286560A JP 9114432 A JP9114432 A JP 9114432A JP 11443297 A JP11443297 A JP 11443297A JP H10286560 A JPH10286560 A JP H10286560A
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JP
Japan
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activated carbon
bacteria
carbon fiber
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float
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JP9114432A
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Inventor
Yoshiyuki Shimura
義之 志村
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SHIMURA SHOJI KK
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SHIMURA SHOJI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】浴槽水系に浮遊及び/又は浸漬させて、生物濾
過機能を喪失することなく、細菌類を捕獲、除去する菌
捕獲浮遊体を提供する。 【解決手段】活性炭繊維部材を主体とする不織布を織編
物等により被包状態とした袋体とし、かつ上部に浮子と
下部に錘とを備えた組み合わせによって浴槽水系に浮遊
及び/又は浸漬可能な構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は菌捕獲浮遊体に関し、2
4時間風呂の浴槽水系に浮遊及び/又は浸漬させ、生物
濾過機能を喪失することなく細菌類を捕獲、除去する活
性炭繊維部材を被包形態とした袋体からなる菌捕獲浮遊
体に関する。
【0002】
【従来の技術】古来、我が国でも風呂に入るというと湯
を浴び、湯に入ることを意味し、高温多湿の日本の気象
条件あって、いわゆるかま風呂と呼ばれる湯釜、湯ぶね
等の改良が行なわれて現在に至っているが、近年、特に
家庭用向けの風呂で、24時間浴槽に家庭用温水循環器
を取り付け、循環ポンプ、ヒ−タ−、濾過材、紫外線ラ
ンプ等の殺菌装置を備え、連続入浴が可能ないわゆる2
4時間風呂が登場し、常時通電して運転でき、かつ常に
清潔で適温の温湯がえられるとして、主として家庭向け
に急速に普及してきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近厚
生省、通産省、学会などにより、浴槽に危険なレジオネ
ラ菌が繁殖することが指摘され、各メ−カ−に対策を施
すよう通達がなされた。すなわち、従来、浄化制菌シス
テムはフィルタ−と生物濾過(微生物による汚れの分
解)によっており、たとえばメ−カ−側の対策は「塩素
系消毒材を浴槽温湯に混入させる」或いは「循環路に加
熱殺菌ヒ−タ−を取り付けること」等が中心に対応がな
されている。しかし、これらいずれの方法でも濾過材中
に居住する微生物が死滅せしめられ、ひいては24時間
風呂の最大の特色といって差し支えない生物濾過機能を
喪失してしまうといった問題点があった。本発明は活性
炭繊維部材を主体とする不織布を被包形態とした袋体か
らなり、かつ少なくとも浴槽水系に浮子と錘の組み合わ
せによって浮遊及び/又は浸漬可能としたことを特徴と
する菌捕獲浮遊体を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の菌捕獲浮遊体は、たとえば従来の自動洗
浄機構或いは浄化制菌システムで循環路に設置した濾過
材ケ−スを強制循環させる方式とは違って、少なくとも
浴槽水系に直接浮遊及び/又は浸漬可能とした構成と
し、かつ生物濾過或いは浄化の長所の維持、継続を可能
とし、加熱殺菌等により生物濾過機能を喪失する方式を
排除し、細菌類の捕獲、離脱を反復繰り返すことにより
浴槽水系の菌汚染を改善するための構成を採択したもの
である。
【0005】上記構成において、本発明者は、天然繊
維、合成繊維などを出発原料とし、炭化、賦活工程を経
て製造される活性炭繊維に着目した。しかし従来、該活
性炭繊維は、一般に低分子量のガス体、たとえば塩素
臭、石油系溶剤臭の主成分ガス分子等の吸着除去や、溶
液中の不純物、たとえば水質汚染を起こす染料分子等の
除去に著しい効果があることは当業者の慣用技術として
知られているが、一方ホコリやコロイド粒子あるいは高
分子物質等の大きな粒子に対する吸着力は弱い難点があ
る。そこで、本発明者は、24時間風呂の普及に伴うレ
ジオネラ属菌等の汚染への対応として鋭意検討を行った
ところ、該活性炭繊維の一種または二種以上より選ばれ
た素材を、いわゆる不織布組織の形態を採択することに
より、たとえば腸炎ビブリオ菌、肺炎桿菌、酵母等の捕
獲、除去のため有効であることに着目し、このような構
成によって初めて細菌類を捕獲し除去、浄化するための
条件を具備するものである構成として本発明に到達し
た。この構成ならびに手段によれば、従来の当業者の一
般的な慣用手段といえる低分子物質吸着能の定説の常識
からでは到底想定されない現象である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で使用する活性炭繊維部材
としては、天然繊維、合成繊維または加工繊維を出発原
料とし、炭化、賦活工程を経て、定法により製造された
一種または二種以上から選ばれたものから採択すること
ができ、吸着能において優れている。本発明で、使用す
る活性炭繊維は、炭素繊維を水蒸気下で賦活焼成して得
られるものであって、フェノ−ル系、またはアクリル
系、レ−ヨン系等より選ばれた一種又は二種以上の組み
合わせのいずれかより選択されたものを使用することが
できる。また、前記活性炭繊維は、繊維径(μ)6〜2
0、表面積(m2 /g)800〜2000、細孔(Å)
10〜35であり、比表面積が大きく、吸着量が大、細
孔径が大きく吸着範囲が広く、吸着、脱臭速度が早いほ
か、使用するときに炭塵の発生、分離流失等が抑制され
ているものが適当である。
【0007】また、その使用形態は、該活性炭繊維部材
を不織布の形態としたシ−ト状、或いはマット状、又は
これらの積層体を使用することができる。すなわち、本
発明での不織布、すなわち繊維同志を接合物質によって
接合したウェッブ、或いはマット状の構造をもつ布状物
質、例えば日本不織布工業会で定義する乾式ウェッブの
機械的、熱的或いはそれらの組み合せの方法によらない
布状のものであり、繊維シ−トを製造する工程と、次に
必要に応じてこれを接合する工程とからなり、繊維シ−
トを作る方法としては乾式法と湿式法があるがいずれで
もよい。
【0008】本発明において、不織布の形態とした該活
性炭繊維部材を主体とし、さらに、これをポリエステル
繊維等の合成繊維から選ばれた抗菌性編織物で、通水性
の袋体で被包した長方形薄箱シ−ト型の構成とし、浴槽
水系に浮遊及び/又は浸漬可能とするが、被包した袋体
の周壁部は吸着力の妨げにならない透水性が必要であ
り、また、該活性炭繊維部材の粉粒体や炭塵等の分離流
出を抑制した被包体に収納した構成とすることが適当で
ある。
【0009】また、浴槽水系に浮遊及び/又は浸漬可能
とするため、浴槽水の水面に浮かせる浮子体に該活性炭
繊維部材を主材とする被包体を懸垂状に吊り下げた構成
とすることができる。さらに、合成樹脂を成形材料とし
て射出成形、押出成形、吹込成形等の成形法で成形し、
周面外壁部に通気孔を多数形成した球状体、或いは上下
半円形状で嵌め合わせとした球状体のいずれの構成とも
することもできる。
【0010】本発明において、被包形態とした袋体は、
浴槽水系に投入し使用に供される用具類として、好まし
くは該袋体の少なくとも周面外壁部を形成する部材につ
いては、例えばエポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等の熱
硬化性樹脂、或いはアクリル系樹脂の単独または二種以
上の組み合わせ、或いはアクリル系−エポキシ系、アク
リル系−アミノ系等の種々の組み合わせの抗菌剤含有樹
脂組成物を用い、ディップコ−ティング、スプレ−塗布
等の公知の方法により塗膜層を形成し、一般雑菌類の増
殖、カビ発生等の抗菌作用を持続できる構成とすること
ができる。
【0011】本発明での菌捕獲浮遊体で、該用具を被包
形態とする袋体或いは周面外壁部を形成する材料として
は、合成繊維等の編織物を挙げたが、これに限らずステ
ンレス、真鍮、アルミニウム等の成形素材からなるもの
であってもよい。
【0012】上記活性炭繊維部材を、不織布の組織、構
成とする場合、ウェッブの接合方式に接着剤による方
法、或いは機械的接合方法のいずれでもよいが、接着剤
(バインダ−)として合成ゴムまたはポリアクリル酸エ
ステル系等の合成樹脂エマルジョンを使用する方式が適
当である。
【0013】本発明の菌捕獲浮遊体は、たとえば連続2
〜3ケ月使用の後、性能低下を防ぐ必要の生じた場合に
は、購入時に数個の積み重ね状態で包装された容器等を
使用して塩素水による処理等を施し、付着した老廃物或
いは細菌類を除去、洗浄し再使用に供するか、或いは使
い捨て廃棄焼却処分とする場合も何ら妨げはない。
【0014】
【作用】上記のように構成された本発明の菌捕獲浮遊体
は、浴槽水系に浮遊及び/又は浸漬可能とし使用上も常
時又は随時に使用できる簡便性を備えた構成であり、細
菌類を捕獲、吸着し、除菌脱離が可能であって、加熱殺
菌などによる方式とは違って、生物濾過、或いは分解バ
クテリアを生存させたまま浴槽中の細菌等を捕捉し、或
いは浄化の長所の維持、継続を可能とするように働く。
また、従来の生物濾過機能を喪失する方式を排除し、細
菌類の捕獲、離脱を反復繰り返すことにより浴槽水系の
菌汚染を改善すると共に、該菌捕獲浮遊体は使用後の塩
素処理によるリサイクル使用、或いはそのまま廃棄処理
のいずれでも可能であるように働く。さらに該菌捕獲浮
遊体の周面外壁部に、所望のカラ−リングを施すことに
より浴槽室内の雰囲気の醸成、対応を図ることができ、
さらに抗菌剤処理加工によって雑菌類の増殖或いは繁殖
を防止し得ると共に、最近問題となっているレジオネラ
類菌の捕捉(除菌)に機能を発揮し、他の様々な菌種の
除菌を簡便に行ない得るように働く。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。図1は本発明に係る菌捕獲浮遊体の全体斜視説明
図、図2は浴槽水系に浮遊又は浸漬状態の一例を示す側
面説明図である。図1および図2において、本発明に係
る菌捕獲浮遊体1は、浴槽2に満たされた浴槽水系3
に、その上端位置に浮子4ならびに下端位置に錘5を備
えた浮子4と錘5との組み合わせによって浮遊及び/又
は浸漬状態として使用されるが、該菌捕獲浮遊体1は、
ポリエステル繊維の編織物素材7からなる袋体9で被包
された薄型長方形の形態の構成となっている。本発明で
活性炭繊維部材6は、カイノ−ル(商標),フェノ−ル
系活性炭繊維、品番ANCグレ−ド10を採択した。
【0016】該菌捕獲浮遊体1を、図2に示すように浴
槽水系3に投入し、装着した浮子4と錘5との組み合わ
せによって浮遊及び/又は浸漬させ状態として使用する
が、該浴槽水系3は24時間風呂装置本体10では吸水
口11、及び吐出口12により循環がが行われており、
浴槽水系3中の細菌類は菌捕獲浮遊体1の周面外壁部8
を通過して内蔵された活性炭繊維部材6により捕獲され
て除菌を行う構成となっている。上記周面外壁部8に
は、浴室内の雰囲気、趣味感に応じた適宜カラ−リング
を施した用具とすることができる。本発明の菌捕獲浮遊
体1は、浴槽水系3の充填水量とも影響あるが、常時ま
たは適宜たとえば2〜3ケ、或いは多人数の入浴後の浄
化の場合には、必要により使用数を追加し細菌類の捕
捉、除去のための浄化作用を行うこともできる。
【0017】菌捕獲浮遊体1の袋体9に被包し内蔵状態
に配置した活性炭繊維部材6は、浴槽2の浴槽水系3の
中に発生、存在する細菌や雑菌などを活性炭繊維部材6
により吸着または捕獲される構成となっているが、濾過
材中の汚れ分解バクテリアを生存させたまま、浴槽2中
の細菌および雑菌類を捕捉し、その除去、離脱により浄
化作用を行うことができる構成となっている。
【0018】実施例では、活性炭繊維部材として、カイ
ノ−ル(商標),フェノ−ル系活性炭繊維,品番ANC
グレ−ド10を採択したが、浴槽水系で自動洗浄方式に
おいて、細菌などの吸着、捕捉効果につき、各種の活性
炭として、活性炭繊維ペ−パ−、備長炭、ヤシ殻活性
炭、ピッチ系活性炭繊維、レ−ヨン系活性繊維と比較し
た。試験方法の対象とした菌株は下記のとおりである。 肺炎桿菌:Klebsiella pneumonia
e 腸炎ビブリオ:Vibro parahaemolyt
icus 酵母:Saccharomyces cerevisi
ae
【0019】試験1:生菌数の測定 試験菌液の調製 試験菌液を804培地で30゜Cで1夜振盪培養した
後、同培地で1ml当たりの菌数が1.5〜3.0×1
0 となるように調製した。次に、この菌液をリン酸緩
衝液を用いて1000倍に希釈し、試験菌液とした。 試験操作 坂口フラスコに、リン酸緩衝液70ml、試験菌液5m
lを入れ、各種活性炭0.75gを加えて試験液とし
た。これを30゜Cで振盪(100rpm)した後、生
菌数を測定した。その結果は、表1に示すとおりであ
り、カイノ−ルでは、肺炎桿菌、腸炎ビブリオ、酵母の
いずれも生菌数(数/ml)は、<10または10を示
し、また、レ−ヨン系活性炭繊維も10の数値を得た。
【0020】
【表1】
【0021】試験2:生菌数の測定 試験菌株として、腸炎ビブリオ、酵母を用い、カイノ−
ル(フェノ−ル系活性炭素繊維)品番ACNグレ−ド2
5につき、試験1と同様の試験操作を行った。 試験菌液の調製 上記試験1と同様。 試験操作 坂口フラスコにリン酸緩衝液70ml、試験菌液5ml
を入れ、カイノ−ル0.75gを加えな試験液とした。
これを30゜Cで1時間振盪後、カイノ−ルだけを分離
し、それを新しいリン酸緩衝液70mlに加え、30゜
Cで1時間浸透した。さらに同じ操作を繰り返した後、
それぞれリン酸緩衝液中の菌数を測定した。その結果は
表2に示すとおりであり、1時間振盪後の生菌数は、1
ml当たり<10を示した。なお、3回目の振盪が終了
した後のカイノ−ルを培地に置いたところ、それぞれの
カイノ−ルから腸炎ビブリオおよび酵母が生育してき
た。
【0022】
【表2】
【0023】次に、本発明に係る菌捕獲浮遊体による液
相中での細菌類補足テストを行った結果は下記のとおり
である。
【0024】実験1:シェ−クフラスコ法による減菌率
測定 試験菌株 腸炎ビブリオ、酵母 実験方法 上記の菌を植え付けた試験菌液を30゜Cに
保って、1夜振盪培養した後、1ml当たりの菌数が表
3のようになるよう調整した。次に、この菌液を、10
00倍に希釈し、坂口フラスコに5ml取って、リン酸
緩衝液70mlを加えた後、カイノ−ル活性炭繊維除菌
不織布0.75gを入れ、これを試験液とした。この試
験液を30゜Cで1時間振盪した後、生菌数を測定し
た。この実験により、上記活性炭繊維除菌不織布が、大
きな除菌効果を持つことが判った。
【0025】
【表3】
【0026】実験2:細菌類の吸着力テスト 上記実験1により該活性炭繊維除菌不織布による除菌効
果を確認したが、一度捕獲された細菌類が簡単に離脱し
てしまえば意味がない。この為、細菌類に対する吸着力
の強さを確認するために、細菌類の吸着力テストを行っ
た。 試験菌株 腸炎ビブリオ、酵母 実験方法 実験1と同様の方法で試験液を調整し、同じ
方法で上記の活性炭繊維除菌不織布に、細菌類を捕獲さ
せる。この試験液から該除菌不織布だけを分離し、それ
を新しいリン酸緩衝液70mlに加え、30゜Cで1時
間振盪した。この操作を3回繰り返して、それぞれのリ
ン酸緩衝液中の菌数(振盪によって除菌不織布から脱離
した細菌数)を測定した。その結果を表4に示す。この
実験で、除菌不織布が、一旦菌類を捕獲すれば、簡単に
ははなさないことが判った。しかし菌類を捕獲した除菌
不織布を、そのまま培地に置いたところ、腸炎ビブリオ
菌および酵母が生育してきたことから、捕獲された菌類
は生きたままであることが判った。
【0027】
【表4】
【0028】次に、本発明の実施例で採択したカイノ−
ルへの死菌吸着試験を行ない、該カイノ−ルが死菌を吸
着するかどうかにつき試験した。 実験3:死菌吸着試験−1 肉眼では死菌を確認できないので、糸状菌のグルコサミ
ン含量により死菌を定量することにした。 試験方法 紅麹粒(湿体)を5ml生理食塩水に懸濁し、10分間
ソニックをかけた後、紅麹粒を除いたものに70ml生
理食塩水を加え、0.75gのカイノ−ル、或いは活性
炭を加えて30゜Cで1時間振盪した。100メッシュ
ふるいでカイノ−ル、或いは活性炭を除去し、濾液中の
生菌量を測定した。一方、5ml生理食塩水に懸濁した
紅麹粒をオ−トクレ−ブしたものに対しても同様に実施
し、濾液中の死菌量を測定した。その結果は表5に示す
とおりであるが、カイノ−ルを添加した区では、明らか
にグルコサミン含量が減少していたので、カイノ−ルは
糸状菌の死菌を吸着していたと考えられる。
【0029】
【表5】
【0030】実験4:死菌吸着試験−2 上記実験3の結果を踏まえ、明確なデ−タ−を得るた
め、菌体の遺伝子の有無により死菌体の存在を判断でき
るかどうかにつき試験を行った。 試験方法 大腸菌(E.coli JM109)を804培地で3
0゜Cで一夜培養した後、オ−トクレ−ブし、大腸菌を
完全に死滅させた。同培地で1ml当たりの菌数が1.
5〜3.0×10 になるように希釈し、試験死菌数と
した。次に、坂口フラスコに同様の培地70mlを入
れ、上記死菌液5ml、さらにカイノ−ル0.75gを
加えて、30゜Cで1時間振盪した。濾過によりカイノ
−ルを完全に除去し、濾液中の死菌体を回収した後、常
法により死菌体中の遺伝子を抽出した。その結果は、電
気泳動写真で観察され、コントロ−ル区では遺伝子を検
出できたが、カイノ−ル添加区では遺伝子を全く検出で
きなかったことから、明らかにカイノ−ルは死菌体を吸
着することが判明した。上記の試験中、カイノ−ルが菌
体だけでなく、他の粒子も同様に吸着しているか否かに
つき観察する為、可溶性でんぷん(球状)、とうもろこ
しでんぷん(多角形、球状13〜15μm)、デキスト
リン(部分分解物<でんぷん径)、寒天(繊維状,数1
00μm)、カゼイン(カゼインミセル0.03〜0.
3μm)につき、吸着試験を行ったところ、形態により
吸着の度合いが異なるものと考えられるが、カイノ−ル
は、デキストリン、寒天を除き、他のものはすべて吸着
することを確認した。
【0031】なお、本発明の一実施例について説明した
が、勿論本発明の菌捕獲浮遊体は、上述した例に限定さ
れず、例えば多角形状、球体や楕円体或いはその他の任
意の形状を取り得る等、本発明は上記した実施例に限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0032】
【発明の効果】本発明の菌捕獲浮遊体は、浴槽水系に浮
遊及び/又は浸漬し、使用上も常時又は随時に適応で
き、取扱上も簡便性を備えた構成であり、例えばレジオ
ネラ菌の他、様々な菌類を吸着、捕獲し、除菌の機能を
発揮でき、かつ加熱殺菌等による方式とは違って、生物
濾過での浄化の長所を維持、継続することができる。使
用上も、再生リサイクル或いは使い捨てのいずれにも対
応でき、また、該周面外壁部には所望のカラ−リングを
施す等により浴槽室内の雰囲気、趣味感の醸成を図るこ
とができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の菌捕獲浮遊体の一部欠切斜視全体説明
図である。
【図2】本発明の菌捕獲浮遊体の浮遊又は浸漬状態の使
用例を示す側面説明図である。
【符号の説明】
1 菌捕獲浮遊体 2 浴槽 3 浴槽水系 4 浮子 5 錘 6 活性炭繊維部材 7 編織物素材 8 周面外壁部 9 袋体 10 24時間風呂装置本体 11 吸水口 12 吐出口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭繊維部材を主体とする不織布を被
    包形態とした袋体からなり、かつ少なくとも浴槽水系に
    浮子と錘の組み合わせによって浮遊及び/又は浸漬可能
    としたことを特徴とする菌捕獲浮遊体。
  2. 【請求項2】 前記活性炭繊維部材が、フェノ−ル系ま
    たはアクリル系、レ−ヨン系活性炭繊維の一種または二
    種以上のいずれかより選ばれたものである請求項1記載
    の菌捕獲浮遊体。
  3. 【請求項3】 前記活性炭繊維部材が抗菌加工不織布ま
    たは織編物等の袋体に充填状に被包収納されてなる請求
    項1ないし2記載の菌捕獲浮遊体。
JP9114432A 1997-04-16 1997-04-16 菌捕獲浮遊体 Pending JPH10286560A (ja)

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