JPH10284078A - 水素化物二次電池とその製造方法 - Google Patents

水素化物二次電池とその製造方法

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JPH10284078A
JPH10284078A JP9093273A JP9327397A JPH10284078A JP H10284078 A JPH10284078 A JP H10284078A JP 9093273 A JP9093273 A JP 9093273A JP 9327397 A JP9327397 A JP 9327397A JP H10284078 A JPH10284078 A JP H10284078A
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JP
Japan
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powder
nickel hydroxide
secondary battery
particle diameter
average particle
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JP9093273A
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English (en)
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Hiromi Tamakoshi
博美 玉腰
Hiroshi Fukunaga
浩 福永
Tatsu Nagai
龍 長井
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペ─スト式ニツケル正極の利用率を向上さ
せ、また高温時の貯蔵特性にすぐれ、サイクル特性にす
ぐれた水素化物二次電池を提供する。 【解決手段】 水酸化ニツケルを活物質とする正極と水
素吸蔵合金よりなる負極とアルカリ水溶液よりなる電解
液とセパレ─タを有する水素化物二次電池において、上
記の水酸化ニツケルは粒度が2〜40μm、平均粒径が
8±2μmの粉末で、この粉末は平均粒径以上の粒子が
球状でかつ平均粒径以下の粒子の95重量%以上も球状
であり、さらにこの水酸化ニツケル粉末を活物質とする
正極中に平均粒径1μm以下でBET吸着法による比表
面積が1〜10m2/gのコバルト粉末を含むことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極の活物質とし
てペ─スト式水酸化ニツケルを用いた水素化物二次電池
とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金を用いた水素化物二次電池
は、多量の水素を吸蔵、放出する能力を有し、アルカリ
水溶液中でも電気化学的に水素の吸蔵、放出を行うこと
が可能であり、ニツケル極を正極に用いた場合、次式の
ように電池反応が起こる。負極の反応式中、MはLaN
5 系やTi−Ni系などの水素吸蔵合金である。
【0003】正極および負極の反応式において、充電で
は、反応は右に進み、アルカリ水溶液中の水を電気分解
して、水素を吸蔵し、水酸基を生じ、この水酸基と正極
であるNi(OH)2 とが反応して、NiOOHとな
り、水を生じる。また、放電の場合は、反応は左に進
み、上記と逆の反応となる。つまり、負極では充電で水
素の吸蔵が起こり、放電で水素の放出となる。
【0004】ニツケル極としては、特開平1−2273
63号公報などに開示のように、高容量化や低価格化の
ために、空孔率が95%以上、孔径が数μm〜100μ
m程度の導電性多孔基材を用い、これに水酸化ニツケル
を主体とする活物質スラリ─を担持させる、いわゆるペ
─スト式が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ペ─スト式電
極は、焼結式電極に比べて孔径が大きいため、活物質の
集電体までの距離が長く、利用率や負荷特性に劣る。
「湯浅時報」No.65,第28頁(1988年)に
は、正極中にコバルト粉末やコバルト化合物粉末などの
導電助剤を加えて利用率を向上させることが提案されて
いるが、この種の電池のさらなる高容量化のためには、
活物質である水酸化ニツケル自体の利用率を向上させる
ことが必要であり、また導電助剤としてさらに適したも
のを用いて利用率のより一層の向上を図ることが望まれ
る。
【0006】本発明は、上記従来の事情にてらして、ペ
─スト式ニツケル正極の利用率を向上させ、また高温時
の貯蔵特性にすぐれ、サイクル特性にすぐれた水素化物
二次電池とその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対して、鋭意検討したところ、ペ─スト式電極に用
いられる従来の水酸化ニツケル粉末は、一般に、硫酸ニ
ツケル水溶液に水酸化ナトリウムを加えて水酸化ニツケ
ルの沈殿物を得、これを水洗、乾燥してつくられている
が、このものは通常数μm〜数10μm程度の粒子径を
有して、粒度分布の幅が広く、しかも、粒子径の大きな
ものは球状であるが、小さなものはダンゴ状のいびつな
形状を有しており、そのために、水酸化ニツケルの理想
的な利用率は110%程度であるにもかかわらず、実際
には95〜100%程度までの利用率しか得られていな
いことが判明した。
【0008】本発明者らは、この知見をもとにさらに検
討を加えた結果、水酸化ニツケル粉末の上記製造に際し
て反応、水洗、乾燥、粉砕などの諸条件を適宜選択する
と、粒度分布が狭くてかつ粒子径の小さいものまで球状
を呈するような特定の水酸化ニツケル粉末が得られ、こ
のものを正極の活物質として用いることにより、またこ
の活物質を用いた正極中に導電助剤として特定粒径およ
び特定比表面積のコバルト粉末を含ませたときに、正極
の利用率が飛躍的に向上し、しかも高温時の貯蔵特性に
すぐれ、サイクル特性にすぐれた高容量の水素化物二次
電池が得られることを見い出し、本発明を完成するに至
つた。
【0009】すなわち、本発明は、水酸化ニツケルを活
物質とする正極と水素吸蔵合金よりなる負極とアルカリ
水溶液よりなる電解液とセパレ─タを有する水素化物二
次電池において、上記の水酸化ニツケルは粒度が2〜4
0μm、平均粒径が8±2μmの粉末で、この粉末は平
均粒径以上の粒子が球状でかつ平均粒径以下の粒子の9
5重量%以上も球状であり、さらにこの水酸化ニツケル
粉末を活物質とする正極中に平均粒径1μm以下でBE
T吸着法による比表面積が1〜10m2/gのコバルト粉
末を含むことを特徴とする水素化物二次電池に係るもの
である。
【0010】また、本発明は、水酸化ニツケルを活物質
とする正極と水素吸蔵合金よりなる負極とアルカリ水溶
液よりなる電解液とセパレ─タを有する水素化物二次電
池の製造方法において、上記の水酸化ニツケルとして、
粒度が2〜40μm、平均粒径が8±2μmであつて、
平均粒径以上の粒子が球状でかつ平均粒径以下の粒子の
95重量%以上も球状である粉末を使用し、この水酸化
ニツケル粉末とさらに平均粒径1μm以下でBET吸着
法による比表面積が1〜10m2/gのコバルト粉末を含
むペ─ストを導電性多孔基材に担持させ、これを乾燥
し、圧縮成形したのち、アルカリ水溶液中に浸漬処理す
ることにより、正極を作製することを特徴とする水素化
物二次電池の製造方法に係るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる水酸化ニツケ
ルは、マイクロトラツプ法により測定される粒度が2〜
40μm、平均粒径が8±2μmの粉末であつて、この
粉末はSEM(走査型電子顕微鏡)による観察で平均粒
径以上の粒子が球状でかつ平均粒径以下の粒子の95重
量%以上も球状である、つまり、従来のものに比べて、
粒度分布の幅が狭くて均一な粒子からなり、かつ粒径の
大きいものだけでなく粒径の小さい粒子までもが球状で
あることを特徴とする。本発明では、このような水酸化
ニツケル粉末を正極の活物質として用いることにより、
水酸化ニツケル自体の利用率が飛躍的に向上して、これ
と特定のコバルト粉末からなる導電助剤との相互作用に
より、高容量でかつ高温貯蔵特性、サイクル特性にすぐ
れた水素化物二次電池が得られることを見い出したもの
である。
【0012】従来のように小さい粒子が均一な球状とな
らずダンゴ状となる水酸化ニツケル粉末では、結晶性が
低いため、電気化学的反応の効率が悪くなり、そのぶん
正極の利用率が低くなる。これに対して、本発明の上記
水酸化ニツケル粉末は結晶性が高く、電気化学的反応の
効率が良くなり、正極の利用率が向上するとともに、粒
度分布が狭いため、上記反応が各粒子で均一に起こりや
すく、これも利用率の向上や長寿命化に寄与しているも
のと考えられる。
【0013】本発明の水酸化ニツケル粉末は、ニツケル
を含む水溶液に通常コバルトや亜鉛を溶解させた硫酸溶
液を混合した液とアルカリ水溶液とアンモニウムイオン
供給体を同時にかつ連続的に供給して反応液とし、この
液中のニツケルイオンの濃度を40mg/リツトル以下と
し、これを5〜20℃に保持し、水酸化ナトリウムを加
えてpH9〜12に調整し、熟成は反応浴を撹拌しなが
ら12時間以上行い、その際のpHは9〜12の範囲に
調整して、水酸化ニツケルの沈澱物を得、この沈澱物を
吸引ろ過し、水洗後80〜120℃で乾燥することによ
り、調製することができる。この方法は、従来の調製方
法と比べると、大きくは低温(5〜20℃)で水酸化ニ
ツケルを調製している点で異なつている。
【0014】このように調製される水酸化ニツケル粉末
は、BET吸着法により測定される細孔半径が従来の水
酸化ニツケル粉末と同じ7〜8Åにピ─クを有するとと
もに、5〜6Åの範囲にもピ─クを有するという特異な
性状を示し、通常、7〜8Åのピ―クの強度(la)と
上記の5〜6Åのピ―クの強度(lb)との比(la:
lb)が100:50以上となるものである。また、こ
の水酸化ニツケル粉末は、上記小さな細孔のために、粒
子表面に凹凸がなく、水酸化ニツケル自体がいびつでな
く、球状に近い形態をとるものである。
【0015】また、通常は、BET吸着法により測定さ
れる比表面積が5〜20m2/g、BET吸着法により測
定される細孔容積が0.015〜0.030cc/g、平
均細孔半径が25〜50Åの範囲に入つている。BET
吸着法により測定される比表面積とは、窒素吸着法(ユ
アサアイオニクス、オ─トソ─プ1)で1〜100Å、
試料1g、測定時間127分、吸着側での測定値であ
る。
【0016】本発明において導電助剤として用いられる
コバルト粉末は、平均粒径が1μm以下、好ましくは
0.5〜0.8μmで、かつBET吸着法による比表面
積が1〜10m2/g、好ましくは1〜5m2/gとなるも
のである。また、原子吸光分析により、コバルト含有量
が90〜99重量%の範囲にあるのが望ましい。なお、
BET吸着法の測定条件は、試料5g、脱気温度120
℃、脱気時間300分で、脱着側での測定値を示すもの
であり、原子吸光分析は、試料0.5gを塩酸に溶解さ
せて、波長240.7nmで測定したものである。
【0017】このようなコバルト粉末を導電助剤に用い
ると、その粒度が小さいため、正極中において均一なコ
バルトの導電ネツトワ―クを形成し、とくに活物質とし
て用いる前記特定の水酸化ニツケル粉末が前記球状であ
るため、上記ネツトワ―クが上記活物質を極めて均一に
被覆することになり、導電助剤としての役割が最大限に
発揮されて、活物質の利用率を高め、また高温貯蔵時に
上記ネツトワ―クが破壊されて容量の低下を招くという
心配が回避され、高温貯蔵特性、サイクル特性にすぐれ
た水素化物二次電池を得ることができる。また、上記す
ぐれた導電機能により、導電助剤の使用量を少なくでき
ため、材料コストの低減に寄与でき、さらに導電助剤を
少なくできるぶん、水酸化ニツケル粉末からなる活物質
の量を多くでき、この点からも高容量化に寄与させるこ
とができる。
【0018】これに対し、従来のように、平均粒径が1
μmを超えるような大きな粒径のコバルト粉末などを導
電助剤としたときには、水酸化ニツケル粉末からなる活
物質の表面に形成される導電ネツトワ―クが均一なもの
とならないため、活物質の利用率が低下し、また高温貯
蔵時に上記ネツトワ―クが破壊されやすいため、容量の
低下を招きやすい。また、そのために、導電助剤の量を
多くすると、そのぶん活物質の量が減少したり、生産性
やコスト面で不利となる。
【0019】本発明のコバルト粉末は、合成条件を選択
することにより容易に調製できる。代表的には、コバル
ト炭酸塩をアルゴン雰囲気中250〜350℃で焼成し
たのち、塩化水素ガスを含むアルゴン雰囲気中900〜
1,100℃で加熱し、さらに真空中600〜800℃
で加熱処理して、コバルト酸化物を生成し、その後、水
素ガス雰囲気中で還元することにより、調製することが
できる。この方法は、塩化コバルトと蓚酸から蓚酸コバ
ルトを合成しこれを熱分解してコバルト粉末を得るとい
う従来の方法とは、異なつている。
【0020】本発明において、正極は、前記の水酸化ニ
ツケル粉末を活物質とし、導電助剤として上記のコバル
ト粉末と必要によりカルボニルニツケル粉末などを使用
し、これらの活物質および導電助剤とカルボキシメチル
セルロ―ス、ポリテトラフルオロエチレンなどのバイン
ダとを混練して、ペ―ストを調製し、このペ─ストをニ
ツケル発泡体などの導電性多孔基材に担持させ、これを
乾燥し、圧縮成形したのち、アルカリ水溶液中で浸漬処
理することにより、作製される。
【0021】その際、導電助剤であるコバルト粉末は、
活物質である前記の水酸化ニツケル粉末に対して、2〜
15重量%の範囲で使用すればよく、従来の導電助剤の
添加量(6〜20重量%)に比べて相対的に少なくする
ことができる。これは、コバルト粉末の前記特性と活物
質である水酸化ニツケル粉末の前記特性に基づくもので
あり、このように少ない量に設定しても、正極中におい
て良好な導電ネツトワ―クを形成できる特徴を有してい
る。
【0022】このように作製される正極に対して、水素
吸蔵合金よりなる負極を使用し、この正負両極とさらに
これらを分離するナイロン不織布などのセパレ―タを電
池缶内に装填するとともに、電解液として水酸化ナトリ
ウムや水酸化カリウムなどの水溶液にLiOHなどの電
解質を溶解させたアルカリ水溶液を注入することによ
り、本発明の水素化物二次電池が得られる。
【0023】負極に用いる水素吸蔵合金としては、Mm
(La,Ce,Nd,Pr)−Ni系、Ti−Ni系、
Ti−NiZr(Ti2-x Zrx 4-y Niy 1-z
z系(x=0〜1.5、y=0.6〜3.5、z=
0.2以下)、Ti−Mn系、Zr−Mn系などの各種
合金が挙げられる。これらの水素吸蔵合金は、通常は、
カルボキシメチルロ─ス、ポリテトラフルオロエチレン
などのバインダと混練してペ─ストとされ、これをニツ
ケル発泡体基材などに担持させ、乾燥したのち、圧縮成
形することにより、シ―ト状に成形される。
【0024】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。以下において、部とあるのは重量部を
意味する。また、実施例1,2で用いたタイプA,Bの
水酸化ニツケル粉末は、下記の合成例1,2により、タ
イプCのコバルト粉末は、下記の合成例3により、それ
ぞれ得たものである。
【0025】<合成例1>硫酸ニツケル50重量%の水
溶液10Kgと、コバルト2g、亜鉛4gをそれぞれ溶解
させた硫酸溶液5Kgと、25重量%の水酸化ナトリウム
水溶液と、7重量%のアンモニア水溶液とを、同時にか
つ連続的に供給し、反応液内のニツケルイオンの濃度を
40mg/リツトル以下に調整した。この混合溶液を10
〜15℃に保持し、pH9〜12になるように調整し
た。得られた水酸化ニツケルの沈澱物を吸引ろ過し、水
洗後、90〜95℃で乾燥して、コバルトと亜鉛が水酸
化ニツケルの内部に均一に固溶した水酸化ニツケル粉末
(タイプA)を得た。
【0026】このタイプAの水酸化ニツケル粉末は、I
CP法(発光分光分析法、日本ジヤ─レル・アツシユI
CP727、シングルモ─ド)による測定で、コバルト
含有量が1重量%、亜鉛含有量が2重量%であつた。こ
の水酸化ニツケル粉末について、SEM(倍率1,00
0倍)により観察した結果は、図1に示されるとおりで
あり、平均粒径以上の粒子が球状でかつ平均粒径以下の
粒子の95重量%以上も球状であつた。
【0027】また、マイクロトラツプ法により粒度分布
を調べた結果は、図4に示されるとおりであり、粒度が
2〜40μm、平均粒径が9.2μmであつた。さら
に、BET吸着法により細孔半径を測定した結果は、図
7の曲線−7aに示されるとおりであり、7〜8Åのピ
─クのほかに、5〜6Åにもピ─クを有し、7〜8Åの
ピ─クの強度(la)と5〜6Åのピ─クの強度(l
b)の比(la:lb)は100:83であつた。ま
た、BET吸着法による比表面積は5m2/g、細孔容積
は0.015cc/g、平均細孔半径は25Åであつた。
【0028】<合成例2>コバルトを2g、亜鉛を10
gとした以外は、合成例1と同様にして、水酸化ニツケ
ル粉末(タイプB)を得た。ICP法による測定で、コ
バルト含有量は1重量%、亜鉛含有量は5重量%であつ
た。このタイプBの水酸化ニツケル粉末について、SE
M(倍率1,000倍)により観察した結果は、図2に
示されるとおりであり、平均粒径以上の粒子が球状でか
つ平均粒径以下の粒子の95重量%以上も球状であつ
た。
【0029】また、マイクロトラツプ法により粒度分布
を調べた結果は、図5に示されるとおりであり、粒度が
2〜40μm、平均粒径が7.2μmであつた。さら
に、BET吸着法により細孔半径を測定した結果は、図
7の曲線−7bに示されるとおりであり、7〜8Åのピ
─クのほかに、5〜6Åにもピ─クを有し、7〜8Åの
ピ─クの強度(la)と5〜6Åのピ─クの強度(l
b)の比(la:lb)は100:70であつた。ま
た、BET吸着法による比表面積は20m2/g、細孔容
積は0.030cc/g、平均細孔半径は50Åであつ
た。
【0030】<合成例3>コバルト炭酸塩(純度90重
量%)を、アルゴン雰囲気中300℃で2時間焼成した
のち、塩化水素ガスを含むアルゴン雰囲気中950℃で
10時間加熱し、さらに真空中700℃で2時間加熱処
理して、コバルト酸化物を生成した。その後、900〜
1,200℃の水素ガス雰囲気中でこのコバルト酸化物
を還元することにより、コバルト粉末(タイプC)を得
た。
【0031】このタイプCのコバルト粉末について、S
EM観察(倍率5,000倍)したところ、図8に示さ
れるように、非常に微粒子であることが確認され、平均
粒径は0.9μm、BET吸着法による比表面積は1.
4m2/g、原子吸光分析によるコバルト含有量は99重
量%であつた。
【0032】実施例1 市販のMm(La、Ce、Nd、Pr)、Ni、Co、
Mn、AlおよびMo(いずれも純度99.9重量%以
上)の各試料を、Mm(La:0.32原子%、Ce:
0.48原子%、Nd:0.15原子%、Pr:0.0
4原子%)、Ni:3.55原子%、Co:0.75原
子%、Mn:0.4原子%、Al:0.3原子%、M
o:0.04原子%の組成になるように、高周波溶解炉
によつて加熱溶解し、水素吸蔵合金を得た。この合金を
耐圧容器中で10-4Torrまで真空引きを行い、アル
ゴンガスで3回パ─ジを行つたのち、水素圧力14Kg/
cm2で24時間保持し、水素を排気し、さらに400℃
で加熱し、水素を完全に放出することにより、20〜1
00μmの粉末を得た。
【0033】この合金粉末100部に、3重量%のカル
ボキシメチルセルロ─ス水溶液50部、60重量%のポ
リテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)分
散剤溶液5部、カルボニルニツケル粉末10部を混合
し、ペ─ストを調製した。このペ─ストをニツケル発泡
体基材に充填担持させ、乾燥後、圧縮成形した。その
後、所定サイズに裁断して、負極シ─トとした。
【0034】これとは別に、タイプAの水酸化ニツケル
粉末100部に、タイプCのコバルト粉末6部、ニツケ
ル粉末10部、2重量%のカルボキシメチルセルロ─ス
水溶液50部、60重量%のPTFE分散剤溶液5部を
混合し、ペ─ストとした。このペ─ストをニツケル発泡
体基材に充填担持させ、80℃で2時間乾燥後、1トン
/cm2 で圧縮成形して、シ─ト状とした。これを80℃
のアルカリ水溶液に2時間浸漬処理したのち、80℃の
空気中で乾燥した。ついで、80℃の温水で2時間水洗
し、さらに80℃で1時間乾燥したのち、圧縮成形し、
所定サイズに裁断して、正極シ─トを作製した。
【0035】上記の負極シ―トと正極シ─トをナイロン
不織布製のセパレ─タを介して捲回し、単4サイズの電
極缶に入れ、これに電解液(30重量%水酸化カリウム
水溶液1リツトルにLiOHを17g溶解させたアルカ
リ水溶液)を注入した。樹脂製封口体に正極タブをスポ
ツト溶接し、負極の最外周部分は缶の側面に接触させた
のち、密封した。これを70℃で6時間保存し、0.1
C(120mA)で15時間充電し、0.2C(220
mA)で1.0Vまで放電した。このサイクルを放電容
量が一定になるまで繰り返し、水素化物二次電池を作製
した。
【0036】実施例2 正極の水酸化ニツケル粉末として、タイプAの水酸化ニ
ツケル粉末100部に代えて、タイプBの水酸化ニツケ
ル粉末100部を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、水素化物二次電池を作製した。
【0037】比較例1 正極の水酸化ニツケル粉末として、タイプAの水酸化ニ
ツケル粉末100部に代えて、市販の水酸化ニツケル粉
末100部を用い、かつ正極の導電助剤であるタイプC
のコバルト粉末6部に代えて、市販のコバルト粉末10
部を用いた以外は、実施例1と同様にして、水素化物二
次電池を作製した。
【0038】比較例2 正極の水酸化ニツケル粉末として、タイプAの水酸化ニ
ツケル粉末100部に代えて、市販の水酸化ニツケル粉
末100部を用いた以外は、実施例1と同様にして、水
素化物二次電池を作製した。
【0039】なお、比較例1,2で用いた市販の水酸化
ニツケル粉末について、SEM(倍率1,000倍)に
より観察した結果は、図3に示されるとおりであり、平
均粒径以上の粒子は球状であつたが、平均粒径以下の粒
子はダンゴ状でいびつな形状であつた。また、マイクロ
トラツプ法により粒度分布を調べた結果は、図6に示さ
れるとおりであり、粒度が0.4〜96μm、平均粒径
が12μmで、粒度分布幅の広いものであつた。さら
に、BET吸着法により細孔半径を測定した結果は、図
7の曲線−7cに示されるとおりであり、7〜8Åにピ
─クがみられたが、5〜6Åにピ─クはみられなかつ
た。また、BET吸着法による比表面積は20m2/g、
細孔容積は0.030cc/g、平均細孔半径は35Åで
あつた。
【0040】なおまた、比較例1で導電助剤として用い
た市販のコバルト粉末につき、SEM観察(倍率5,0
00倍)したところ、図9に示されるように、タイプC
のコバルト粉末に比べて大きな粒子径を有し、全体に不
均一であることが確認され、平均粒径は3μm、BET
吸着法による比表面積は8m2/g、原子吸光分析による
コバルト含有量は99重量%であつた。
【0041】上記の実施例1,2および比較例1,2の
各水素化物二次電池について、正極の利用率、充電容量
および電池容量を調べた。これらの結果は、下記の表1
に示されるとおりであつた。また、高温貯蔵(60℃で
40日間放置)後、サイクル特性(1C×1.2時間充
電−1C放電を繰り返し、電池電圧が1.0Vに低下す
るまでのサイクル数)を調べ、その結果を図10に示し
た。なお、図10中、曲線−10aは実施例1の水素化
物二次電池、曲線−10bは実施例2の水素化物二次電
池、曲線−10cは比較例1の水素化物二次電池、曲線
−10dは比較例2の水素化物二次電池、である。
【0042】
【0043】上記結果から明らかなように、本発明の実
施例1,2の水素化物二次電池は、表1に示されるよう
に、正極利用率が、活物質および導電助剤としてそれぞ
れ従来のものを用いた比較例1の水素化物二次電池なら
びに活物質だけを従来のものとした比較例2の水素化物
二次電池に比べて、10%程度高く、電池容量が高くな
つており、しかも、図10に示されるように、高温貯蔵
後においてもすぐれたサイクル特性が得られているもの
であることがわかる。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明は、水酸化ニツケ
ル粉末として特定性状のものを用い、かつ導電助剤とし
て特定のコバルト粉末を用いたことにより、ニツケル正
極の利用率が向上し、材料コストの低減を図れるととも
に、高温貯蔵特性にすぐれて、サイクル特性の改善され
た高容量の水素化物二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いたタイプAの水酸化ニツケル粉
末の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡(倍率1,000
倍)写真である。
【図2】実施例2で用いたタイプBの水酸化ニツケル粉
末の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡(倍率1,000
倍)写真である。
【図3】比較例1,2で用いた市販の水酸化ニツケル粉
末の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡(倍率1,000
倍)写真である。
【図4】実施例1で用いたタイプAの水酸化ニツケル粉
末の粒度分布図である。
【図5】実施例2で用いたタイプBの水酸化ニツケル粉
末の粒度分布図である。
【図6】比較例1,2で用いた市販の水酸化ニツケル粉
末の粒度分布図である。
【図7】実施例1,2で使用したタイプA,Bの水酸化
ニツケル粉末と比較例1,2で使用した市販の水酸化ニ
ツケル粉末の細孔半径を示す特性図である。
【図8】実施例1,2で用いたタイプCのコバルト粉末
の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡(倍率5,000
倍)写真である。
【図9】比較例1で用いた市販のコバルト粉末の粒子構
造を示す走査型電子顕微鏡(倍率5,000倍)写真で
ある。
【図10】実施例1,2の水素化物二次電池と比較例
1,2の水素化物二次電池についての高温貯蔵後のサイ
クル特性を示す特性図である。
【符号の説明】
7a 実施例1で用いたタイプAの水酸化ニツケル粉末 7b 実施例2で用いたタイプBの水酸化ニツケル粉末 7c 比較例1,2で用いた市販の水酸化ニツケル粉末 10a 実施例1の水素化物二次電池 10b 実施例2の水素化物二次電池 10c 比較例1の水素化物二次電池 10d 比較例2の水素化物二次電池

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニツケルを活物質とする正極と水
    素吸蔵合金よりなる負極とアルカリ水溶液よりなる電解
    液とセパレ─タを有する水素化物二次電池において、上
    記の水酸化ニツケルは粒度が2〜40μm、平均粒径が
    8±2μmの粉末で、この粉末は平均粒径以上の粒子が
    球状でかつ平均粒径以下の粒子の95重量%以上も球状
    であり、さらにこの水酸化ニツケル粉末を活物質とする
    正極中に平均粒径1μm以下でBET吸着法による比表
    面積が1〜10m2/gのコバルト粉末を含むことを特徴
    とする水素化物二次電池。
  2. 【請求項2】 水酸化ニツケル粉末は、細孔半径が少な
    くとも7〜8Åのピ―クと5〜6Åのピ─クを有すると
    ともに、7〜8Åのピ―クの強度(la)と5〜6Åの
    ピ―クの強度(lb)との比(la:lb)が100:
    50以上である請求項1に記載の水素化物二次電池。
  3. 【請求項3】 水酸化ニツケルを活物質とする正極と水
    素吸蔵合金よりなる負極とアルカリ水溶液よりなる電解
    液とセパレ─タを有する水素化物二次電池の製造方法に
    おいて、上記の水酸化ニツケルとして、粒度が2〜40
    μm、平均粒径が8±2μmであつて、平均粒径以上の
    粒子が球状でかつ平均粒径以下の粒子の95重量%以上
    も球状である粉末を使用し、この水酸化ニツケル粉末と
    さらに平均粒径1μm以下でBET吸着法による比表面
    積が1〜10m2/gのコバルト粉末を含むペ─ストを導
    電性多孔基材に担持させ、これを乾燥し、圧縮成形した
    のち、アルカリ水溶液中に浸漬処理することにより、正
    極を作製することを特徴とする水素化物二次電池の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007087723A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Sanyo Electric Co Ltd アルカリ蓄電池

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JP2007087723A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Sanyo Electric Co Ltd アルカリ蓄電池

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