JPH1028304A - 電気自動車制御装置 - Google Patents

電気自動車制御装置

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JPH1028304A
JPH1028304A JP8176959A JP17695996A JPH1028304A JP H1028304 A JPH1028304 A JP H1028304A JP 8176959 A JP8176959 A JP 8176959A JP 17695996 A JP17695996 A JP 17695996A JP H1028304 A JPH1028304 A JP H1028304A
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祐介 高本
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良三 正木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平滑用コンデンサの不要蓄積電荷による部品損
傷を回避する電気自動車制御装置を提供する。 【解決手段】電気自動車制御装置は、 インバータリレ
ー2と補助リレー3と抵抗4とから成りバッテリ1の電源を
開閉するリレー回路と、該リレー回路の後段にありバッ
テリ1に並列接続されたコンデンサ5と、 該コンデンサ5
の後段にありバッテリ1の電力をモータ7へ供給するイン
バータと、 キースイッチ23のオンに基づいて、リレー
回路の電源投入制御を実行し、 その後にモータ7のモー
タ制御を実行するコントローラ9とを備え、 コントロー
ラ9は、予期せぬキースイッチ・オフによってモータ7で
誘起されて、 コンデンサ5に不要に蓄積された電荷を、
キースイッチ・オンによる電源投入制御の再開の前に該
電荷をモータで消費する先行制御を実行し、その後に電
源投入制御へ移行する手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石型同期モ
ータを使用した電気自動車の走行駆動を制御する電気自
動車制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バッテリ、インバータ、モータ、制御装
置等から構成される電気自動車駆動装置において、一充
電走行距離等の点から効率が良い永久磁石型同期モータ
が使用されている。さらに電気自動車の重量を抑えるた
めモータは小形軽量化する方向にあり、高出力を得るた
めにモータは高速回転型となっている。制御装置は、マ
イクロコンピュータ等によって構成され、トルク指令に
したがって、ベクトル制御によりトルク分電流iqと励
磁分電流idに分けて電流を制御する方式が用いられて
いる。永久磁石型同期モータを高い回転数まで回転させ
た場合には、電磁誘導現象によりモータの端子に発生す
る電圧が非常に高くなり、インバータの出力できる電圧
を越えてしまう。このため制御装置は、励磁分電流id
を負とする弱め界磁制御を行い、モータの発生する誘起
電圧を下げる制御方式が用いられている。
【0003】電気自動車のキースイッチをオンすると、
制御装置に低圧の制御用電源が加えられ、制御装置は、
以下のようにして電気自動車制御装置の制御を開始す
る。インバータの入力側には上アーム(+側)と下アーム
(−側)の間に平滑コンデンサが接続されており、インバ
ータのスイッチングを開始する前にバッテリと同じ電圧
に充電される。バッテリとインバータを接続するメイン
リレー(インバータリレー)をオンすると平滑コンデンサ
に大きな充電電流が流れ、メインリレーや接続回路を壊
してしまうので、メインリレーに並列に接続された電流
制限用の抵抗を直列接続した補助リレーをオンして、平
滑コンデンサがバッテリと同じ電圧に充電された後、メ
インリレーをオンする。そして、補助リレーはオフす
る。そして、インバータのスイッチングを開始して、ト
ルク指令に応じたモータ電流の制御を開始する。このメ
インリレーと補助リレーと電流制限用抵抗の構成は特開
平4−275002号公報に開示されている。
【0004】次に、永久磁石型同期モータを使用した電
気自動車が走行している時、運転者がキースイッチをオ
フした場合を考える。キースイッチがオフされると、制
御装置に制御用電源が加えられなくなり、メインリレー
はオフとなりインバータのスイッチングは停止する。永
久磁石型同期モータは回転数に比例した誘起電圧をモー
タの端子に発生しており、モータの線間電圧が平滑コン
デンサの電圧より高くなると、インバータ内のダイオー
ドを通して、平滑コンデンサに電流が流れ、平滑コンデ
ンサはモータの線間電圧まで充電される。
【0005】特に、高速走行中にキースイッチをオフし
た場合には、モータの線間電圧(=平滑コンデンサの両
端の電圧)はバッテリよりも非常に高い電圧になってお
り、ここで再び、キースイッチをオンし、通常(電気自
動車が停止しているとき)通りに補助リレーがオンされ
ると、該高いコンデンサ電圧に起因して、電流制限用抵
抗に許容された以上の過大な電流が流れて抵抗を破壊す
る、あるいは、バッテリに過充電電流が流れてバッテリ
を壊してしまう場合がある。そのために、特開平7−8
7605号公報では、キースイッチがオフされ弱め界磁
制御が停止した場合に備え、モータの誘起電圧がバッテ
リに過充電電流を流し得る状態であるかどうかを判定す
る判定手段を設け、過充電状態にあれば、キースイッチ
をオフしても、メインリレーはオフせず制御装置の作動
停止が起こらないようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、長い下
り坂を電気自動車が走行している場合を考える。運転者
がキースイッチをオフした時点が下り始めの速度20km
/hであったとする。明らかに弱め界磁制御が行われてい
ない領域なので制御用電源が落ちてしまい、それ以後は
前述の過充電状態の判定が行えなくなる。従って、メイ
ンリレーがオフとなり、モータ制御が停止し、インバー
タの動作も停止することになる。そして、ブレーキを踏
まないで電気自動車は下り坂を走行し徐々に加速されて
いき、時速100km/h以上(弱め界磁制御領域)になって
しまうと、永久磁石型同期モータが発生する誘起電圧が
高くなり、インバータ内のダイオードを通して平滑コン
デンサに電流が流れ、平滑コンデンサの両端の電圧はバ
ッテリより高い電圧まで充電される。ここで、キースイ
ッチがオンされると、補助リレーもオンするので、非常
に大きなコンデンサ電圧が電流制限用抵抗やバッテリな
どの構成部品に損傷を与えることになる。
【0007】したがって、本発明の目的は、走行中にリ
レー回路が開放されることによって発生するコンデンサ
の不要蓄積電荷による構成部品の損傷が回避できる電気
自動車制御装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明による電気自動車制御装置の特徴は、バッテリの電源
を開閉するリレー回路と、該リレー回路の後段にあり前
記バッテリに並列接続されたコンデンサと、該コンデン
サの後段にあり前記バッテリの電力を永久磁石型同期モ
ータへ供給するインバータと、 前記リレー回路の電源
投入制御を実行し、その後に前記インバータを用いた前
記永久磁石型同期モータのモータ制御を実行するコント
ローラとを備える電気自動車制御装置において、前記コ
ントローラは、前記リレー回路が開放されることによっ
て、前記永久磁石型同期モータで誘起されて蓄積された
前記コンデンサの電荷を、前記電源投入制御及び前記モ
ータ制御の再開の前に、前記永久磁石型同期モータで消
費する先行制御を実行し、その後に、前記電源投入制御
及び前記モータ制御へ移行する手段を有することにあ
る。
【0009】また、他の特徴は、メインリレーと該メイ
ンリレーに並列接続された補助リレー及び抵抗とから成
りバッテリの電源を開閉するリレー回路と、該リレー回
路の後段にあり前記バッテリに並列接続されたコンデン
サと、該コンデンサの後段にあり前記バッテリからの電
力を永久磁石型同期モータへ供給するインバータと、前
記補助リレーの後から前記メインリレーを投入するとい
う前記リレー回路の電源投入制御を実行し、その後に制
御信号を出力して前記インバータの前記電力供給を制御
して、モータ制御を実行するコントローラとを備える電
気自動車制御装置において、前記コンデンサの端子電圧
を計測する手段を有し、前記コントローラは、前記端子
電圧を入力監視する手段と、前記モータ制御のトルク分
電流iqを前記端子電圧と所定電圧との差に応じた値と
する先行モータ制御を実行し、前記端子電圧を前記所定
電圧相当にして、前記リレー回路の電源投入制御に移行
する手段とを有するにある。
【0010】または、もう一つ他の特徴は、前記コンデ
ンサの端子電圧を計測する手段と、前記永久磁石型同期
モータの回転速度を計測する手段とを有し、前記コント
ローラは、 前記端子電圧および前記回転速度を入力監
視する手段と、当該回転速度が所定回転速度以下なら
ば、前記リレー回路の電源投入制御に移行する手段と、
所定回転速度を越えているならば、前記モータ制御のト
ルク分電流iqを前記端子電圧と所定電圧との差に応じ
た値とする先行モータ制御を実行し、前記端子電圧を前
記所定電圧相当にして、前記リレー回路の電源投入制御
に移行する手段とを有するにもある。
【0011】さらに、別の特徴は、メインリレーと該メ
インリレーに並列接続された補助リレー及び抵抗とから
なってバッテリの電源を開閉するリレー回路と、前記リ
レー回路の後段にあって前記バッテリに並列接続された
コンデンサと、該コンデンサの後段にあって前記バッテ
リからの電力を永久磁石型同期モータへ供給するインバ
ータと、前記補助リレーの後から前記メインリレーを投
入するという前記リレー回路の電源投入制御を実行し、
その後、制御信号を出力して前記インバータの前記電力
供給を制御して、前記永久磁石型同期モータのモータ制
御を実行するコントローラとを備える電気自動車制御装
置において、前記インバータの入力電流を計測する手段
を有し、前記コントローラは、前記入力電流を入力監視
する手段と、前記モータ制御のトルク分電流iqを前記
入力電流に応じた値とする先行モータ制御を実行し、前
記入力電流を0(零)相当にして、前記リレー回路の電源
投入制御に移行する手段とを有する点にある。
【0012】または、もう一つ別の特徴は、前記コント
ローラは、 前記モータ制御のトルク分電流iqを 0
(零)とする先行モータ制御を実行しながら、前記リレー
回路の電源投入制御に移行する手段を有する点にある。
【0013】そして、本発明によれば、不要蓄積電荷が
先行して消費されるので、構成部品の損傷が回避でき
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照し説明する。図1は、本発明による第1
実施例の電気自動車制御装置を示す図である。図におけ
る電気自動車制御装置は、メインリレー(本実施例では
インバータリレーと呼称する)としてのリレー2と補助リ
レー3と電流制限用抵抗としての抵抗4とからなるリレー
回路,平滑用コンデンサとしてのコンデンサ5,インバー
タ6およびコントローラ9から構成される。
【0015】上記電気自動車制御装置は、電流センサ
8,エンコーダ10,磁極位置センサ11などの各種センサ
から信号を入力しバッテリ1からの電力供給を制御し
て、ディファレンシャルギア12を介して駆動輪13を駆動
する永久磁石型同期モータとしてのモータ7の出力を制
御している。尚、電気自動車は、バッテリ1,電気自動
車制御装置,モータ7,各種センサ,ディファレンシャ
ルギア12,駆動輪13,キースイッチ23などから構成され
る。一方、コントローラ9は、励磁分電流であるid*指令
値計算部14,トルク分電流であるiq*指令値計算部15,
コンデンサ電圧判定部16,リレー投入部17,電流指令の
切替部18,コンデンサ電圧制御部19,トルクショック吸
収処理部20,電流制御処理部21,PWM出力停止部22から
なる。
【0016】通常走行中は、バッテリ1とインバータ6
は、リレー2とコンデンサ5を介して接続されている。イ
ンバータ6は、コントローラ9が出力するPWM信号により
制御され、モータ7に電力(電圧)を供給(印加)する。モ
ータ7を流れる電流は、電流センサ8によって検出されコ
ントローラ9に取り込まれる。モータ7の回転速度がエン
コーダ10により検出され、また、磁極位置センサ11によ
りモータ7の磁極位置が検出され、それらはコントロー
ラ10に取り込まれる。モータ7のトルクは、ディファレ
ンシャルギア12を通して、駆動輪13に伝達される。
【0017】電気自動車のキースイッチ23をオンするこ
とにより、コントローラ9に制御用電源が加えられ、コ
ントローラ9内の制御が起動するようになっている。同
様にキースイッチをオフすることにより、コントローラ
9に電源が加わらなくなり、コントローラ9内の制御動作
が停止する。
【0018】図1に示した電気自動車制御装置の構成に
おいて、通常状態(電気自動車が停止から始動に入ると
き)では、次のように「リレー回路の電源投入制御」が行
われる。まず、運転手がキースイッチ23をオンすること
によって、コントローラ9に制御用電源(図示していな
い)が加えられる。コントローラ9は、制御装置の異常診
断等を行って走行できる状態であれば、まず、補助リレ
ー3を投入する。コンデンサ5の電圧は、補助リレー3を
投入する以前は0(零)であり、補助リレー3を投入する
ことによってバッテリ1の電圧にまで充電される。補助
リレー3には電流制限用の抵抗4が直列に接続されている
ので、回路に流れる電流の最大値はバッテリ1の電圧と
抵抗4の大きさから決定され、その電流は抵抗4とコンデ
ンサ5から決まる時定数で0(零)へ次第に低下する。
【0019】抵抗4の容量は、電流の最大値と回路の時
定数から抵抗4が焼損しない程度の値として決めること
ができる。抵抗4の放熱方式にもよるが、容量から決ま
る許容電流の10倍程度ならば数10ms流すことが可能であ
ると思われる。コンデンサ5の電圧がバッテリ1と同じに
なった時点で、リレー2を投入して、補助リレー3を切断
する。
【0020】その後、コントローラ9は、後述する「モー
タ制御」を開始し、電流センサ8からモータ電流値を取り
込んで電流制御を演算し、電圧指令をインバータ6にPWM
信号として出力する。モータ7の制御はベクトル制御に
よって行われ、モータ回転数とトルク指令から励磁分電
流idを決定し、この励磁分電流idとトルク指令からトル
ク分電流iqを決定する。モータ回転数が高い領域では、
永久磁石同期モータの誘起電圧を下げるために励磁分電
流idを負とする弱め界磁制御が一般的に行われる。
【0021】図1に示した電気自動車制御装置の構成に
おいて、通常の「モータ制御」は次のように実行される。
まず、トルク指令値TRQがトルクショック吸収処理部20
に入力される。ここでトルク指令値TRQはアクセル、ブ
レーキの踏み込み量に応じて決定されるものとする。
「モータ制御」においては、トルクショック吸収処理部20
は、特に処理を行わず外部マイコン等からのトルク指令
値TRQを、そのままトルク指令値TRQ’とし、該トルク指
令値TRQ’をid*指令値計算部14とiq*指令値計算部15と
へ出力する。別途、エンコーダ10の信号からモータ7の
回転速度ωが計算され、磁極位置センサ11の信号からモ
ータ7の磁極位置θが計算される。
【0022】id*指令値計算部14は、トルク指令値TRQと
モータ回転数ωから、励磁成分電流指令値id*を計算す
る。iq*指令値計算部15は、トルク指令値TRQと電流指令
値id*からトルク成分電流指令値iq*を計算する。電流セ
ンサ8からモータ7を流れる電流iu,iv,iwを検出する。電
流制御処理部21は、id*指令値計算部14が計算した電流
指令値id*と、iq*指令値計算部15が計算した電流指令値
iq*とを指令値としてモータ電流の制御を行い、PWM信号
Pu,Pv,Pwを作成する。PWM出力停止部22は、通常ではPWM
信号の出力を許可しており、インバータ6に出力する。
この結果、モータ7のトルクがトルク指令値TRQに制御さ
れ、駆動輪13に伝えられる。このようにして、電気自動
車は運転者がアクセル、ブレーキを操作することによっ
て任意の速度で走行することができる。
【0023】次に、上記で説明した電気自動車制御装置
の構成において、電気自動車が下り坂を高速走行してい
るときに、運転者がキースイッチ23をオフにしてコント
ローラ9の電源を切ってしまった場合を考える。この場
合、コントローラ9は制御を停止し、リレー2は切断され
る(補助リレー3は元々切断されている)。運転者が気付
いてここで、キースイッチ23が再度オンされた場合に、
通常の走行に復帰する方法を以下に述べる。 即ち、コ
ントローラ9が有する、コンデンサ電圧判定部16,リレ
ー投入部17,切替部18,コンデンサ電圧制御部19,トル
クショック吸収処理部20などの動作について説明する。
【0024】モータ7の回転速度が大きい時は、モータ
制御は、弱め界磁制御を行うことでモータ7の誘起電圧
を抑える制御を行っている。しかし、モータ制御が一旦
停止させられることによって弱め界磁制御も停止させら
れるので、モータ7の回転速度が大きい場合には、モー
タ7にて高い誘起電圧が発生する。 したがっ
て、キースイッチ23をオフにしてコントローラ9の電源
が切られて、リレー2がオフされ、PWM信号Pu,Pv,Pwが出
力停止されていると、インバータ6のダイオード整流に
よって、コンデンサ5の端子電圧Vcは高い電圧にチャー
ジされる。この電圧Vcは、永久磁石型同期モータの線間
電圧に等しくなり、バッテリ電圧VBよりも100V以上
高くなることがある。
【0025】このような状態において、再びキースイッ
チ23がオンされコントローラ9が起動すると、補助リレ
ー3に続いてリレー2が作動する前に、まず、コンデンサ
電圧判定部16は、所定電圧としてのバッテリ電圧とコン
デンサ5の端子電圧Vcの電圧差を判定する。この判定に
使う所定電圧は、予め決められたバッテリ1の最低保障
電圧VB0(または、バッテリ公称電圧や基準電圧など)で
あり、あるいは、実際のバッテリ1の電圧VBである。
【0026】上記の実際のバッテリ1の電圧VBは、図示
していないがバッテリ1に直結されたバッテリ電圧セン
サを用いて計測する、またはバッテリの充電等を管理す
るマイコンからの通信情報から得ることができる。ある
いは、電気自動車が走行中であった時点において、特に
リレー2がオンされていてトルク指令が0の時点におい
て、コントローラ9が有する端子電圧計測手段が計測し
たコンデンサ5の端子電圧をバッテリ電圧VBとしてコン
トローラ9のメモリに保存した値を用いても良い。な
お、コンデンサ5の電圧Vcがバッテリ1の電圧VBより低く
ても、モータ7が回転していれば、回生充電によってコ
ンデンサ5の電圧Vcをバッテリの電圧VBと等しくするこ
とができる。
【0027】そして、コンデンサ電圧判定部16にて、コ
ンデンサ5の電圧Vcが、所定電圧としての最低保障電圧V
B0またはバッテリ電圧VBを越えているかどうかが判定さ
れる。コンデンサ電圧Vcが高くない(Vc≦VB0またはVB)
ときには、フラグryonを立て(出力し)て、リレー投入処
理が実行される。 すなわ
ち、リレー投入部17は、Ry2をオンにして補助リレー3を
投入し、コンデンサ5とバッテリ1の電圧が等しくなるで
あろうと予測される一定時間後に、Ry1をオンにしてリ
レー2を投入し、更にRy2をオフにして補助リレー3を切
断するという「リレー回路の電源投入制御」動作が実行さ
れる。
【0028】それから、PWM出力停止部22は、PWM信号P
u,Pv,Pwの出力を許可するという「モータ制御」動作が実
行される。尚、コンデンサ5の電圧を実際に計測し、バ
ッテリ1の電圧と等しくなるのを確認してから、Ry1をオ
ンにしてリレー2を投入する方法も考えられる。また、
上記の「リレー回路の電源投入制御」及びPWM出力停止部
の「モータ制御」は、従来技術と同じであっても可であ
る。
【0029】一方、越えている(Vc>VB0またはVB)と判
断されたときには、フラグVccontを立て(出力し)、コン
デンサ電圧制御部19は、所定電圧としての最低保障電圧
VB0またはバッテリ電圧VB(実際のバッテリ1の電圧VB)
にコンデンサ5の電圧Vcを等しくする「先行モータ制御」
としてのコンデンサ電圧制御処理を実行する。 即
ち、フラグVccontが立っている時には、コンデンサ電圧
制御部19は、高くなっているコンデンサ5の電圧Vcを下
げてバッテリ電圧VBの同等以下にするというコンデンサ
の電圧制御を行うための、電流指令値iq*’を計算す
る。 そして、切替部18も、iq*指令値計算部1
5の計算する電流指令値iq*に代わり、電流指令値iq*’
を選択し、コンデンサの端子電圧を下げて所定電圧相当
にするというコンデンサ電圧制御を実行する。なお、所
定電圧相当とは、電圧Vcが実害の発生のない電圧範囲に
なれば所定電圧に等しくなくても可であることを指して
いる。
【0030】一方、トルクショック吸収処理部20は、ト
ルク指令値TRQ’を0とする。id*指令値計算部14は、モ
ータ回転数ωに従い高回転域では弱め界磁領域で、トル
ク指令値TRQ’を0としたときの電流指令値id*を計算す
る。PWM出力停止部22は、PWM信号Pu,Pv,Pwの出力を許可
し、電流制御処理部21は電流指令値iq*’,id*にしたが
って電流制御を実行する。
【0031】上記のようにして、一旦、コンデンサ5に
充電された電荷を、電流指令値iq*’を与えることによ
って正のトルク電流をモータ7に流して、トルクとして
消費して、コンデンサ5の端子電圧を下げることができ
る。また、リレー回路の投入とは無関係に停止してしま
った弱め界磁制御を実行させることにより、モータ7に
て発生する誘起電圧を抑え、線間電圧がインバータの出
力できる最大電圧(≒バッテリの電圧)以下になるように
することもできる。このような制御を行えば、モータ7
からコンデンサ5へ無制限に電流が流れることはない。
【0032】そして、コンデンサ電圧判定部16が、コン
デンサ5に蓄えられた電荷が放電されて電圧Vcがバッテ
リ電圧VBにほぼ等しくなったと判断すると、その判断に
基づいて、コンデンサ電圧制御部19は、電流指令値iq
*’を0にし、コンデンサ電圧制御を停止する。電流制
御処理部21は、電流指令値iq*’,id*にしたがって電流
制御を行う。そして、トルク分電流値iqが指令値iq*’
(=0)に等しくなった時点で、または、あらかじめ決め
られた電流応答の所定時間を経過した時点で、コンデン
サ電圧制御部19は、フラグryonを立て、リレー投入処理
開始の許可を出力する。
【0033】ここで、コンデンサ電圧制御が不必要とな
ったときに、電流指令値iq*’を0にしてリレー投入処
理を実行するのは、コンデンサ電圧制御に用いていた電
流指令値iq*’のままで補助リレー3を投入し正規のモー
タ制御を開始すると、モータトルクが急変したり、抵抗
4の焼損が起こる可能性があるからである。即ち、先行
モータ制御は、コンデンサ端子電圧が所定電圧相当に到
達した後は、トルク分電流iqを0(零)とする制御が重
要であると言える。
【0034】ところで、抵抗4の焼損が起こるのは、コ
ンデンサ電圧制御部19で使用している電圧指令の値と実
際のバッテリ1の電圧VBに誤差があった場合、コンデン
サ電圧制御を行いながら補助リレー3を投入すると、コ
ンデンサ5の端子電圧が実際のバッテリの電圧に等しく
なり、電圧指令と異なるためトルク電流指令iq*’が変
化することによる。そして、トルク電流指令iq*’が正
のときは、バッテリ1よりモータ7に抵抗4を通って電流
が流れ、抵抗4の焼損が発生する。同様にトルク電流指
令iq*’が負のときも、モータ7よりバッテリ1に抵抗4を
通って回生電流が流れ、抵抗4の焼損が発生する。
【0035】尚、上記第1実施例では、まず、コンデン
サ電圧判定部16でVc≦VB0またはVBと判定した場合は、
リレー投入部17で電源投入制御を実行する例を示した
が、後述するようにこれらの所要制御時間が非常に短い
ので、最初からコンデンサ電圧制御部19で先行モータ制
御を実行し、該先行モータ制御の中でVc≦VB0またはVB
を判定して、電源投入制御に移行することも可である。
【0036】次に、上記のフラグryonにより、リレー投
入部17がRy2をオンにして補助リレー3をオンにするが、
この時、コンデンサ5の両端の電圧Vcと実際のバッテリ
電圧VBに電圧差がある場合には、抵抗4を通して電流が
流れる。流れる電流を小さくするために、バッテリ電圧
VBとコンデンサ電圧Vcの電圧差を小さくして補助リレー
3をオンにする必要がある。
【0037】例えば、20(Ω)40(W)の抵抗で定格
1.4A流すことができる電圧差は、28V以内である
が、コンデンサ電圧制御によりこの範囲内に抑えること
は可能である。また、抵抗4の放熱状態にもよるが、数1
0msの間(コンデンサ5と抵抗4から決まる時定数程度)で
あれば、定格の10倍程度の電流を流すことは可能であ
り、バッテリ1よりモータ7に、またはモータ7よりバッ
テリ1に抵抗4を通って電流が流れることがなければ、コ
ンデンサ5の両端の電圧Vcと実際のバッテリ電圧の電圧
差が定格よりも大きくても、抵抗4が焼損することはな
いと思われる。
【0038】一方、コンデンサ電圧制御を行ってコンデ
ンサ5の電圧を下げるもう一つの利点として、バッテリ
の種類によっては極端に高い電圧を加えることができな
いものがあり、その種のバッテリの劣化が防止されるこ
とがある。この場合は、コンデンサ5の電圧Vcは、実際
のバッテリ1の電圧VBと同じか、実際のバッテリ1の電圧
VBよりも低くした方が良い。そのために、コンデンサ電
圧判定部16の判定またはコンデンサ電圧制御部19の制御
には、バッテリ1の最低保障電圧VB0を用いることが望ま
しいと言える。最後に、リレー投入部17は、補助リレー
3が投入されてから一定時間後に、信号Ry1をオンしてリ
レー2をオンし、その後、信号Ry2をオフして補助リレー
3をオフするという「電源投入制御」を実行する。
【0039】上記のリレー投入の一連の処理が終了する
と、リレー投入部17はフラグtrqonを立て、このフラグt
rqonにより、トルクショック吸収処理部20は、トルク指
令値TRQ’を0から本来の指令値に徐々に復帰させる。i
d*指令値計算部15は、トルク指令値TRQ’に従い電流指
令値id*を計算し、 iq*指令値計算部16はトルク指令値T
RQ’に従い電流指令値iq*を計算する。電流制御処理部2
1は、この電流指令値id*,電流指令値iq*に従いモータ電
流の制御を行う。リレー2をオンした後、トルク指令値T
RQ’を0から徐々に大きくするため、トルク成分の電流
指令値がコンデンサ電圧制御部19の計算した値と不連続
にならないので、モータトルクの急激な変化が起こらな
い。電気自動車の挙動変化が少ない点が良い。
【0040】以上のような処理で、通常の「モータ制御」
に復帰することができる。図1に示した方式は、モータ
回転速度によらず、コンデンサの電圧に注目してリレー
を投入可能な状態にするものである。特にバッテリに高
い電圧をかけるとバッテリが劣化する場合に有効であ
る。
【0041】コントローラ9で行う処理のうち、id*指令
値計算部14,iq*指令値計算部15,リレー投入部17, コ
ンデンサ電圧処理部19, トルクショック吸収処理部20
は、サンプリング間隔2ms以上の比較的長い間隔で行う
のに対して、 電流制御処理部21は、サンプリング間隔1
00μs程度の短い間隔で行う。 PWM出力停止部22につい
ては、 マイコン自体がPWM信号を停止させる機能を持っ
ていればその機能を使用する。その他の方法として、外
部にPWM信号とANDをとる回路を作成し、その回路に信号
を出力する等の方法が考えられる。
【0042】次に、コンデンサ電圧判定部16,リレー投
入部17,電流指令切替部18,コンデンサ電圧制御部19,
トルクショック吸収処理部20などの詳細内容について、
フローチャートを参照して説明する。 図2は、第
1実施例のコンデンサ電圧判定のフローチャート(初期
化)を示す図である。図2において、キースイッチをオ
ンした時のコントローラ9の初期化処理の一部として行
うコンデンサ電圧判定処理が示されている。ここでは、
キースイッチをオフして、その後、再度キースイッチを
オンした状態、信号Ry1がオフされインバータリレーが
切断されている状態を考えている。
【0043】まず、PWM信号が出力されないようにPWM出
力停止を行う(ステップ25)。コンデンサ5の両端の電圧V
cがあらかじめ決められたバッテリ1の最低保障電圧値ま
たはバッテリ1の電圧VB以下であるかどうか判定する(ス
テップ26)。コンデンサ5の両端の電圧Vcの方が小さいと
きにはリレー投入処理を行うために、フラグVccontを0
にして(ステップ27)、 リレー投入処理許可のフラグryo
nを1にする(ステップ28)。コンデンサ5の両端の電圧Vc
の方が大きいときには、コンデンサ電圧制御を採用した
リレー再投入処理を行う必要があり、 フラグVccontを
1にする(ステップ29)。 それから、リレー投入処理で
使用するフラグflagINVRY,flagVcを0クリアして、トル
ク指令値TRQ'を0にする。(ステップ30,31,32)。
【0044】図3は、第1実施例のコンデンサ電圧判定
のフローチャート(フェイル時)を示す図である。図3に
おいて、キースイッチはオンされているにもかかわら
ず、コントローラ9が故障(フェイル)等の判定を行って
リレー2を切断してモータ制御の停止し、それから(故障
が回復した場合)通常のモータ制御に復帰しようとする
ときのコントローラ9の処理の一部として行うコンデン
サ電圧判定処理が示されている。この処理は、一定サン
プリング時間毎に実行する処理である。
【0045】まず、モータ7の回転速度ωがモータの最
高速度ωMAXを越えているか判断する(ステップ35)。越
えていればフラグflagFAILを1にして(ステップ36)、
信号Ry1をオフにしてリレー2を切断する(ステップ37)。
コントローラ9からのPWM信号の出力を停止する(ステッ
プ38)。モータ7の回転速度ωがモータの最高速度ωMAX
を越えていなければ、フラグflagFAILが1であるかどう
か判断する(ステップ39)。フラグflagFAILが1であれ
ば、フラグflagFAILを0にする(ステップ40)。
【0046】そして、コンデンサ5の両端の電圧Vcがあ
らかじめ決められたバッテリ1の最低保障電圧またはバ
ッテリ1の電圧VB以下であるかどうか判定する(ステップ
41)。コンデンサ5の両端の電圧Vcの方が小さいときには
リレー投入処理を行うためにフラグVccontを0にして
(ステップ42)、フラグryonを1にする(ステップ43)。コ
ンデンサ5の両端の電圧Vcが大きいときには、コンデン
サ電圧制御を採用したリレー再投入処理を行う必要があ
り、フラグVccontを1にする(ステップ44)。それから、
リレー投入処理で使用するフラグflagINVRY,flagVcを0
クリアし、トルク指令値TRQ'を0にする(ステップ45,4
6,47)。図3の処理は、モータ7の回転速度異常によって
リレー2を切断する場合であるが、その他の異常によっ
てリレー2を切断することも考えられる。その異常がな
くなった後で、リレー2を再投入するときの、コンデン
サ電圧判定処理である。
【0047】図4は、第1実施例の電流指令値計算のフ
ローチャートを示す図である。図4の処理は、電流指令
値(id*,iq*)計算処理であり、コンデンサ電圧制御部19
が計算する電流指令との切り替えを行う切替部18の処理
も含まれる。尚、図4の処理は、コントローラ9の初期
化処理終了後、一定サンプリング時間毎に実行する。前
述したように電流制御処理部21に比較して長いサンプリ
ング間隔で実行する。
【0048】まず、フラグflagFAILが0であるかどうか
を判断する(ステップ50)。1であればフェイルであり、
電流指令値の計算等は行わない。次に、フラグVccontが
0であるかどうかを判断する(ステップ51)。フラグVcco
ntが0であればコンデンサ電圧制御は済んでおり、リレ
ーを投入できる状態にある。フラグVccontが1のとき
(0でないとき)には、コンデンサ電圧制御を行う(ステ
ップ56)。 次に、フラグryonが0であるかどうか
を判断する(ステップ52)。ここでフラグryonが0であれ
ば、リレー投入処理は終了している。フラグryonが1の
とき(0でないとき)には、リレー投入処理を行う(ステ
ップ57)。次にフラグtrqonが0であるかどうかを判断す
る(ステップ53)。フラグtrqonが0のときには、トルク
ショック吸収処理は終了している。フラグtrqonが1の
とき(0でないとき)には、トルクショック吸収処理を行
う(ステップ58)。
【0049】フラグVccont,ryon,trqonが全て0の時点
で、通常のモータ制御に復帰したと考えることができ
る。その時は、電流指令値id*をトルク指令値TRQとモー
タ回転速度ωをもとに高効率を考慮したテーブル検索等
によって求める(ステップ54)。電流指令値iq*をトルク
指令値TRQと電流指令値id*をもとに高効率を考慮したテ
ーブル検索等によって求める(ステップ55)。
【0050】通常のモータ制御時において付属する処理
として、トルク成分電流指令値iq*がほぼ0であるかど
うかを判断する(ステップ59)。トルク成分電流指令値iq
*がほぼ0のときには、コンデンサ5の両端の電圧Vcがバ
ッテリ1の電圧VBとほぼ等しくなっている状態であると
判断し、コンデンサ5の両端の電圧Vcをバッテリ1の電圧
VBとして、コントローラ9のメモリに保存する(ステップ
60)。
【0051】図5は、第1実施例のコンデンサ電圧制御
のフローチャートを示す図である。まず、電流指令値id
*をトルク指令値TRQ'とモータ回転速度ωをもとに高効
率を考慮したテーブル検索等によって求める(ステップ6
1)。このときトルク指令値TRQ'は0として、弱め界磁制
御で永久磁石型同期モータの発生電圧を抑える。次に、
flagVcが0であるかどうかを判断する(ステップ62)。フ
ラグflagVcはコンデンサ5の電圧Vcとバッテリ1の電圧VB
がほぼ一致したことを示すフラグである。
【0052】フラグflagVcが0であれば、トルク成分電
流指令値iq*をバッテリ1の電圧VBとコンデンサ5の電圧V
cとの電圧差から求める(ステップ63)。バッテリ1の電圧
が高いとき、トルク成分電流指令値iq*を正にして、コ
ンデンサ5に蓄えられた電荷をトルクとして消費するこ
とでコンデンサ5の電圧を下げていく。バッテリ1の電圧
が低いとき、トルク成分電流指令値iq*を負にして、回
生トルクによりコンデンサ5に電荷を蓄えてコンデンサ5
の電圧を上げていく。なお、ここではトルク成分電流指
令値iq*を、所定電圧としてのバッテリ1の電圧VBとコン
デンサ5の電圧Vcとの電圧差に応じた値(比例した値)と
しているが、トルク成分電流指令値iq*を正および負の
一定値としても良い。バッテリ1の電圧VBとコンデンサ5
の電圧Vcがほぼ等しくなると、フラグflagVcを1にする
(ステップ64,ステップ65)。最後に、電流制御処理部21
によって計算されるPWM信号の停止を解除し、インバー
タ6へのPWM信号出力を許可する。(ステップ71)。
【0053】一方、フラグflagVcが1のとき、トルク成
分電流指令値iq*を0にして(ステップ66)、トルクを出
さない状態にする。トルク成分電流検出値iqが0となれ
ば(ステップ67)、フラグVccontを0にして(ステップ6
8)、フラグryonを1にして(ステップ69)補助リレー3を
オンすることを許可する。変数time2の値をクリアする
(ステップ70)。なお、ステップ67ではトルク成分電流検
出値iqが0であるかどうか判定しているが、電流応答の
時間分だけを調整する方法でもよい。
【0054】図6は、第1実施例のリレー投入処理のフ
ローチャートを示す図である。まず、フラグflagINVRY
の値を調べる(ステップ75)。フラグflagINVRYはインバ
ータリレーをオンにすることを示す。フラグflagINVRY
が0であれば、ポート出力する信号Ry2をオンにして補
助リレーをオンする(ステップ76)。補助リレー3をオン
してから、バッテリ1の電圧VBとコンデンサ5の電圧Vcが
一致するまでにかかる時間を調整する(ステップ77)。変
数time2の値が一定値α2を越えると(ステップ78)、フラ
グflagINVRYを1にして(ステップ79)、インバータリレ
ーの投入を許可する。変数time1の値をクリアする。(ス
テップ80)。
【0055】フラグflagINVRYが1のときは、ポート出
力する信号Ry1をオンにしてインバータリレーをオンす
る(ステップ81)。実際に、インバータリレーがオンする
までの時間遅れを調整する(ステップ82)。変数time1の
値が一定値α1を越えると(ステップ83)、フラグtrqonを
1にして(ステップ84)、フラグryonを0にして(ステッ
プ85)、トルク指令値TRQの通常の値への復帰を許可す
る。さらに、ポート出力する信号Ry2をオフにして、補
助リレーをオフする(ステップ86)。PWM信号の出力を許
可する(ステップ87)。
【0056】図7は、第1実施例のトルクショック吸収
処理のフローチャートを示す図である。この処理を行う
ことにより、運転者が誤って高速走行中にキースイッチ
を一度オフし、気づいて再度オンしたときに発生する部
品損傷以外に、コンデンサ電圧制御部19の計算する電流
指令と、アクセルやブレーキなどから決まるトルク指令
により電流の指令値計算処理部14,15の計算する電流指
令に大きな差がある場合に発生する、急激なトルク変化
による電気自動車の挙動変化も、防ぐことができる。
【0057】まず、 外部から入力されるトルク指令値T
RQが正か負かを判断する (ステップ90)。正の時はこれ
まで0だったトルク指令値TRQ'の値を少しずつ(ΔTQ)増
加させ(ステップ91)、 負の時はトルク指令値TRQ'の値
を少しずつ(ΔTQ)減少させる(ステップ92)。電流指令値
id*をトルク指令値TRQ’とモータ回転速度ωをもとに求
める(ステップ93)。電流指令値iq*をトルク指令値TRQ’
と電流指令値id*をもとに求める(ステップ94)。トルク
指令値TRQとTRQ'が等しくなったところで(ステップ9
5)、フラグtrqonを0にして(ステップ96)、トルクショ
ック吸収処理を終了する。なお、図4のステップ52〜ス
テップ53にて説明したように、トルクショック吸収処理
は、リレー回路の電源投入制御が終了した後に、即ちメ
インリレー2を投入した後に、モータ7のトルクを、0か
ら徐々に大きくするまたは0から徐々に小さくするもの
である。
【0058】図8は、第1実施例の電流制御処理部を示
すブロック図である。電流制御処理部21は、座標変換10
0,PI制御101,PI制御102,非干渉制御103,デッドタイ
ム補償104,座標変換105,三角波比較106から構成され
る。座標変換100はモータの磁極位置θを使い、モータ
電流iu,iv,iwを励磁分電流id、トルク分電流iqへ変換す
る。励磁分電流指令値id*と励磁分電流idの突き合わせ
を行ってPI制御(101)計算を行う。 トルク分電流指令値
iq*とトルク分電流iqの突き合わせを行ってPI制御(102)
計算を行う。 非干渉制御103は、励磁分電流指令値id*
とトルク分電流指令値iq*からd軸q軸間の干渉を取り
除く電圧指令値Vdc、Vqcを計算する。 PI制御(101,102)
の計算する電圧と非干渉制御(103)の計算する電圧指令
値Vdc、Vqcをそれぞれ加えて電圧指令値Vd,Vqとする。
【0059】座標変換105は、モータの磁極位置θを使
い、電圧指令値Vdc、Vqcを交流3相電圧指令値Vu,Vv,Vw
へ変換する。デッドタイム補償104は、モータの磁極位
置θを使い、デッドタイム補償電圧値Vud,Vvd,Vwdを計
算する。 交流3相電圧指令値Vu,Vv,Vwにデッドタイム
補償電圧値Vud,Vvd,Vwdを加えて、最終的な交流3相電
圧指令値Vu,Vv,Vwとする。三角波比較部106は、搬送波
(三角波)と交流3相電圧指令値Vu,Vv,Vwの比較を行い、
PWM信号を作成する。なお、三角波比較部106はソフトウ
ェア処理ではなく、内部カウンタ等を使用して構成した
もので、インバータ6を駆動するのに必要な6本のPWM信
号を自動的に生成することができるものを使用しても良
い。
【0060】また、ここでは、電流制御を行いながらリ
レー回路の再投入を行うということについて述べたが、
同様に図3のフェイル時にインバータリレーを切断する
場合においても、電流制御を行いながらリレーを切断す
る方式も考えられる。これにより、リレー切断時のトル
クのショックを軽減することもできる。
【0061】次に、他の実施の形態について第2実施例
として説明する。図9は、本発明による第2実施例の電
気自動車制御装置を示す図である。図において、電気自
動車制御装置は、インバータリレーとしてのリレー11
2,補助リレー113,電流制限用の抵抗114,コンデンサ1
15,インバータ116,コントローラ119から構成する。電
気自動車は、キースイッチ23,バッテリ111,永久磁石
型同期モータとしてのモータ117,電流センサ118,エン
コーダ120,磁極位置センサ121,ディファレンシャルギ
ア122,駆動輪123を含んで構成される。
【0062】通常走行中には、バッテリ111とインバー
タ116はリレー112とコンデンサ115を介して接続されて
いる。インバータ116はコントローラ119が出力するPWM
信号により制御され、モータ117に電圧を印加する。モ
ータ117を流れる電流は電流センサ118によって検出さ
れ、コントローラ119に取り込まれる。エンコーダ120に
よりモータ117の回転速度が検出され、また磁極位置セ
ンサ121によりモータ117の磁極位置が検出されそれぞれ
コントローラ119に取り込まれる。モータ117のトルクは
ディファレンシャルギア122を通して、駆動輪123に伝達
される。
【0063】コントローラ119は、id*指令値計算部12
4,iq*指令値計算部125, 速度判定部126,リレー投入
部127,電流指令の切替部128,コンデンサ電圧制御部12
9,トルクショック吸収処理部130,電流制御処理部13
1,PWM出力停止部132からなる。電気自動車のキースイ
ッチ23をオンすることにより、コントローラ119に制御
用電源が加えられ、コントローラ119内の制御が起動す
るようになっている。同様にキースイッチ23をオフする
ことにより、コントローラ119に電源が加わらなくな
り、コントローラ119内の制御動作が停止する。
【0064】電気自動車のキースイッチ23をオンしてか
ら走行するまでの処理は図1で説明したものと同じであ
り、モータ制御も図1に示しているものと同じ動作をす
る。図9に示す構成の電気自動車が下り坂を高速走行し
ているときに、運転者がキースイッチ23をオフして、リ
レー112が切断されモータ制御が停止した状態から運転
者がキースイッチ23を再度オンして、通常の走行に復帰
する場合を考える。図9において、モータ117の回転速
度が大きい時、モータ117の端子に高い誘起電圧が発生
し、 このときキースイッチ23をオフすれば、コントロ
ーラ119が停止し、PWM信号Pu,Pv,Pwがオフされている
ので、インバータ116のダイオード整流によりコンデン
サ115の電圧Vcは、 高い電圧(モータの線間電圧に相当)
にチャージされる。
【0065】この状態で、キースイッチ23をオンし、コ
ントローラ119を起動すると、まず速度判定部126はモー
タ117の回転速度ωがあらかじめ決められた値より大き
いかどうか判断する。モータ117の回転速度ωが大きい
ときには、インバータの入力側に発生する電圧がバッテ
リ111の電圧VBより大きいことが考えられる。このと
き、そのまま補助リレー113をオンにすると、過電流に
より補助リレー113及び抵抗114が壊れる虞れがあるの
で、 補助リレー113をオンする前に先行モータ制御とし
ての「コンデンサ電圧制御」を実行して、コンデンサ115
の両端の電圧を下げるものである。
【0066】すなわち、モータ117の回転速度ωが大き
いときには、フラグVccontを立て、コンデンサ電圧制御
部129は、コンデンサ115の電圧Vcをバッテリ111の電圧V
Bに合わせる制御を実行する。この合わせる電圧VBは、
予め決められた最低保障電圧VB0またはバッテリ電圧セ
ンサを用いて計測した実際のバッテリ111の電圧VBとす
る。なお、バッテリ111の電圧VBは、バッテリの充電等
を管理するマイコンからの通信情報から、または電気自
動車が走行中であった時点において(特に、リレー112が
オンされていて、トルク指令が0の時点において)計測
されたコンデンサ115の両端電圧を、バッテリ111の電圧
としてコントローラ119のメモリに保存したものから、
得ても良い。
【0067】モータ117の回転速度ωが小さいときに
は、フラグryonをたてて、リレー投入処理127を行う。
これは、コンデンサ115に高い電圧が残されていたとき
でも、回転速度ωが小さいとき(モータの線間電圧がバ
ッテリの電圧より十分に低いと考えられるとき)は、そ
のまま補助リレー113を投入しても、モータ電流がイン
バータ116のダイオードを通ってコンデンサ115側に流れ
ることはなく、バッテリ111に回生されるエネルギー
は、コンデンサ115のエネルギーだけであり、抵抗114が
壊れる可能性は少ない。抵抗114の放熱状態にもよる
が、コンデンサ115からバッテリ111に充電される時間は
数10ms程度と考え、定格の10倍程度の過電流であれば十
分耐えうると考えられる。
【0068】図9に示す本実施例の場合は、電気自動車
のキースイッチ23をオフする時間が長く、電気自動車が
坂道を下り終わって速度がかなり下がってからキースイ
ッチ23をオンした場合を考慮し、抵抗114の焼損を防止
する処理を行うかどうかの判定をモータの回転速度によ
り判定したものである。
【0069】リレー投入処理127は、まず、Ry2をオンに
して補助リレー113を投入し、コンデンサ115とバッテリ
111の電圧が等しくなる一定時間後にRy1をオンにしてリ
レー112を投入し、さらにRy2をオフにして補助リレー11
3を切断するものである。このとき、コンデンサ115の電
圧を実際に計測し、バッテリ111の電圧と等しくなるの
を確認してから、Ry1をオンにしてリレー112を投入する
方法も考えられる。
【0070】フラグVccontが立っているときには、コン
デンサ電圧制御部129は、コンデンサ115の電圧Vcをバッ
テリ111の電圧VBに等しくなるように電流指令値iq*’を
計算する。切替部128は、必要に応じて iq*指令値計算
部125の計算する電流指令値iq*に代わり電流指令値iq
*’を選択する。トルクショック吸収処理部130は、トル
ク指令値TRQ’を0とする。id*指令値計算部124は、モ
ータ回転数ωに従い高回転域では弱め界磁領域で、 ト
ルク指令値TRQ’を0としたときの電流指令値id*を計算
する。PWM出力停止部132は、PWM信号Pu,Pv,Pwの出力を
許可し、電流制御処理部131は、電流指令値iq*’,id*に
従って電流制御を行う。この時、弱め界磁制御を行うこ
とで永久磁石モータの発生する誘起電圧を抑え、線間電
圧がインバータの出力できる最大電圧(≒バッテリの電
圧)以下になるようにすることができる。さらに、正の
トルク電流を流し、コンデンサ115に充電された電荷を
トルクとして消費して、コンデンサ115の電圧を下げ
る。
【0071】コンデンサ115の電圧Vcがバッテリ電圧VB
にほぼ等しくなった状態で、コンデンサ電圧制御部129
は、電流指令値iq*’を0にする。電流制御処理部131
は、電流指令値iq*’,id*に従って電流制御を行う。ト
ルク分電流値iqが、指令値iq*’(=0)に等しくなったと
ころで、または、あらかじめ決められた電流応答の時間
経過したところで、コンデンサ電圧制御部129はフラグr
yonをたて、リレー投入処理127は、Ry2をオンにして補
助リレー113をオンにする。リレー投入処理127は、補助
リレー113が投入されてから一定時間後に、信号Ry1をオ
ンしてリレー112をオンし、その後、信号Ry2をオフして
補助リレーをオフする。
【0072】トルクショック吸収処理部130は、トルク
指令値TRQ’を0から本来の指令値に徐々に復帰させ
る。id*指令値計算部124は、 トルク指令値TRQ’に従い
電流指令値id*を計算し、 iq*指令値計算部125は、 ト
ルク指令値TRQ’に従い電流指令値iq*を計算する。 電
流制御処理部131は、電流指令値id*,電流指令値iq*に従
いモータ電流の制御を行う。インバータリレー2をオン
した後、トルク指令値TRQ’を0から徐々に大きくする
ため、トルク成分の電流指令値がコンデンサ電圧制御部
129の計算した値と不連続にならないので、 モータトル
クの急激な変化が起こらない。電気自動車の挙動変化が
少ない点が良い。以上のような処理で、通常のモータ制
御に復帰することができる。
【0073】図9に示した本実施例の電気自動車制御装
置は、リレー回路の焼損およびバッテリ過充電を防止す
るための先行制御(換言すれば消費制御)を行ってリレー
を投入するか、それとも、先行制御を行わずに通常通り
に、リレーを投入するかを、モータ回転速度に応じて選
択可能としたものである。
【0074】なお、コントローラ119で行う処理のう
ち、id*指令値計算部124,iq*指令値計算部125,リレー
投入部127,コンデンサ電圧処理部129,トルクショック
吸収処理部130は、サンプリング間隔2ms以上の比較的長
い間隔で行う。これに対して、電流制御処理部131は、
サンプリング間隔100μs程度の短い間隔で行う。
【0075】図10は、第2実施例の速度判定のフローチ
ャート(初期化)を示す図である。キースイッチ23をオン
した時のコントローラ119の初期化処理の一部として行
うコンデンサ電圧判定処理のフローチャートである。こ
こでは、キースイッチ23をオフして、その後、キースイ
ッチ23をオンした状態、すなわち信号Ry1がオフされイ
ンバータリレーが切断されている状態を考えている。
【0076】まず、PWM信号が出力されないようにPWM出
力停止を行う(ステップ135)。永久磁石型同期モータの
回転速度ωがあらかじめ決めておいた予値回転速度ωry
よりも小さいかどうか判断する(ステップ136)。
なお、この予値回転速度ω
ryを、永久磁石型同期モータの回転によってインバータ
の入力側に発生する電圧がバッテリの最低保障電圧以下
の値となるように設定しておけば、そのまま補助リレー
を投入しても、モータ117から抵抗114を通してバッテリ
111に電流が流れ込むことはない。
【0077】永久磁石型同期モータの回転速度ωがωry
よりも小さければ、リレー投入処理を行うために、 フ
ラグVccontを0にして(ステップ137)、フラグryonを1
にする(ステップ138)。永久磁石型同期モータの回転速
度ωがωryよりも大きければ、コンデンサ115の電圧は
バッテリ111の電圧よりも高くなっている可能性がある
ので、コンデンサ電圧制御を行うため、フラグVccontを
1にする(ステップ139)。それから、リレー投入処理で
使用するフラグflagINVRY,flagVcを0クリアし、トルク
指令値TRQ'を0にする。(ステップ140,141,142)。
【0078】図11は、 第2実施例の速度判定のフロー
チャート(フェイル時)を 示す図である。キースイッチ2
3はオンされているにもかかわらず、 コントローラ119
が故障(フェイル)等の判定を行ってリレー112を切断し
てモータ制御の停止し、 それから通常のモータ制御に
復帰しようとするときの コントローラ119の処理の一部
として行うコンデンサ電圧判定処理のフローチャートで
ある。この処理は、一定サンプリング時間毎に実行する
処理である。
【0079】まず、モータ117の回転速度ωがモータの
最高速度ωMAXを越えているか判断する(ステップ145)。
越えていればフラグflagFAILを1にして(ステップ14
6)、信号Ry1をオフにしてリレー112を切断する(ステッ
プ147)。 コントローラ119からのPWM信号の出力を停止
する(ステップ148)。 モータ117の回転速度ωがモータ
の最高速度ωMAXを越えていなければ、 フラグflagFAIL
が1であるかどうか判断する(ステップ149)。フラグfla
gFAILが1であれば、フラグflagFAILを0にする(ステッ
プ150)。
【0080】そして、モータ117の回転速度ωがあらか
じめ決めておいたωryよりも小さいかどうか判断する
(ステップ151)。永久磁石型同期モータの回転速度ωが
ωryよりも小さければ、リレー投入処理を行うために、
フラグVccontを0にして(ステップ152)、フラグryonを
1にする(ステップ153)。永久磁石型同期モータの回転
速度ωがωryよりも大きければ、コンデンサ電圧制御処
理を行う必要があり、フラグVccontを1にする(ステッ
プ154)。それから、リレー投入処理で使用するフラグfl
agINVRY,flagVcを0クリアして、 トルク指令値TRQ'を
0にする(ステップ155,156,157)。
【0081】ここでの処理は、モータ117の回転速度異
常によってリレー112を切断する場合であるが、その他
の異常によってリレー112を切断することも考えられ
る。その異常がなくなった後で、リレー112を再投入す
るときの、コンデンサ電圧判定処理である。また、id*,
iq*指令値計算処理、コンデンサ電圧制御処理、リレー
投入処理、トルクショック吸収処理については、それぞ
れ、図4、図5、図6、図7に示したフローチャートと
同様なものを用いることができる。さらに、電流制御処
理部131についても図8に示したブロック図と同様なも
のを使用することができる。
【0082】次に、別の実施の形態について第3実施例
として説明する。図12は、本発明による第3実施例の電
気自動車制御装置を示す図である。図に示す電気自動車
制御装置は、インバータリレーとしてのリレー162,補
助リレー163,電流制限用の抵抗164,コンデンサ165,
インバータ166,コントローラ169,インバータ入力用の
電流センサ182から構成する。電気自動車は、キースイ
ッチ23,バッテリ161,永久磁石型同期モータとしての
モータ167,モータ用の電流センサ168,エンコーダ17
0,磁極位置センサ171, ディファレンシャルギア172,
駆動輪173を含んで構成される。
【0083】通常走行中には、バッテリ161とインバー
タ166はリレー162とコンデンサ165を介して接続されて
いる。インバータ166はコントローラ169が出力するPWM
信号により制御され、モータ167に電圧を印加する。モ
ータ167を流れる電流は電流センサ168によって検出さ
れ、コントローラ169に取り込まれる。エンコーダ170に
よりモータ167の回転速度が検出され、また磁極位置セ
ンサ171によりモータ167の磁極位置が検出されそれぞれ
コントローラ169に取り込まれる。モータ167のトルクは
ディファレンシャルギア172を通して、駆動輪173に伝達
される。
【0084】コントローラ169は、id*指令値計算部17
4,iq*指令値計算部175,リレー投入部176,電流指令切
替177,インバータ入力電流制御部178,トルクショック
吸収処理部179,電流制御処理部180,PWM出力停止部181
からなる。電気自動車のキースイッチ23をオンすること
により、コントローラ169に制御用電源が加えられ、コ
ントローラ169内の制御が起動するようになっている。
同様にキースイッチをオフすることにより、 コントロ
ーラ169に電源が加わらなくなり、コントローラ169内の
制御動作が停止する。
【0085】電気自動車のキースイッチ23をオンしてか
ら走行するまでの処理は図1で説明したものと同じであ
り、モータ制御も図1に示しているものと同じ動作をす
る。図12に示す構成の電気自動車が下り坂を高速走行し
ているときに、運転者がキースイッチ23をオフして、リ
レー162が切断されモータ制御が停止した状態から運転
者がキースイッチ23をオンして、通常の走行に復帰する
場合を考える。図12に示す構成の電気自動車制御装置
は、コンデンサ電圧を直接計測する手段がない場合に、
バッテリ電流の計測用に使用されている電流センサをイ
ンバータ入力用の電流センサ182として兼用して通常の
走行への復帰を行うものである。図12において、モータ
167の回転速度が大きい時、モータ167の端子に高い誘起
電圧が発生し、 このときキースイッチ23をオフすれ
ば、コントローラ169が停止し、PWM信号Pu,Pv,Pwがオ
フされているので、インバータ166のダイオード整流に
よりコンデンサ165の電圧Vcは、 高い電圧(モータの線
間電圧に相当)にチャージされる。
【0086】この状態で、キースイッチ23をオンし補助
リレー163をオンにすると、永久磁石型同期モータから
の誘起電力としての回生電流が補助リレー163及び抵抗1
64を壊す可能性があるので、コントローラ169は、イン
バータ入力用の電流センサ182からの電流信号を用い
て、インバータ入力電流iINVが0になるような先行モー
タ制御としての「インバータ入力電流制御」を行いなが
ら、 リレー回路(補助リレー163)を投入する。
【0087】すなわち、インバータ入力電流iINVを0に
することができた場合、モータ167からインバータ166を
通ってコンデンサ165に流れ込む電流が0であるから、
この状態で、補助リレー163をオンしても、コンデンサ1
65にチャージされている電荷だけがバッテリ161に充電
されるだけであり、モータ167で誘起された回生電流が
バッテリ161に流れ込むことはないので、抵抗164などが
壊れる可能性が少ない。
【0088】また、この時のリレー回路側に流れる電流
は、コンデンサ165及びバッテリ161の電位差と抵抗164
との大きさから決定される。バッテリ161の内部抵抗
が、抵抗164より十分に小さいとする(換言すれば、抵抗
164の抵抗値をバッテリ161の内部抵抗よりも大きな値と
する)と、リレー回路に流れる電流は、コンデンサ165と
抵抗164から計算される時定数としての、数10msで0に
収束する。 従って、補助リレー163、抵抗164およびバ
ッテリ161などへの影響は少ないと考えられる。
【0089】そして、インバータ入力電流制御部178
は、電流センサ182が検出するインバータ入力電流iINV
が0になるように、電流指令値iq*’を計算する。切替
部177は、iq*指令値計算部175の計算する電流指令値iq*
に代わり、電流指令値iq*’を選択する。トルクショッ
ク吸収処理部179は、トルク指令値TRQ’を0とする。 i
d*指令値計算部174は、モータ回転数ωに従い高回転域
では弱め界磁領域で、 トルク指令値TRQ’を0としたと
きの電流指令値id*を計算する。PWM出力停止部181は、P
WM信号Pu,Pv,Pwの出力を許可し、電流制御処理部180
は、電流指令値iq*’,id*に従って電流制御を行う。
【0090】トルク分電流値iqが指令値iq*’に等しく
なったところで、または、予め決めた電流応答の所定時
間が経過したところで、インバータ入力電流制御部178
はフラグryonを立て、リレー投入処理127はRy2をオンに
して補助リレー163をオンにする。リレー投入処理176
は、補助リレー163が投入されてから一定時間後に信号R
y1をオンしてリレー162をオンし、その後に、信号Ry2を
オフして補助リレーをオフする。
【0091】トルクショック吸収処理部179は、トルク
指令値TRQ’を0から本来の指令値に徐々に復帰させ
る。id*指令値計算部174は、トルク指令値TRQ’に従い
電流指令値id*を計算し、 iq*指令値計算部175は、 ト
ルク指令値TRQ’に従い電流指令値iq*を計算する。電流
制御処理部180は、 電流指令値id*,電流指令値iq*に従
いモータ電流の制御を行う。リレー162をオンした後、
トルク指令値TRQ’を0から徐々に大きくするため、 ト
ルク成分の電流指令値がインバータ入力電流制御部178
の計算した値と不連続にならないのでモータトルクの急
激な変化が起こらない。以上のような処理で、通常のモ
ータ制御に復帰することができる。
【0092】図12に示した本実施例の電気自動車制御装
置は、電圧を計測する手段を設置しないで、バッテリ電
流の計測などに使用されている電流センサを兼用して、
リレー回路の焼損およびバッテリ過充電を防止するため
の、インバータに入力される電流を零とする先行制御
(換言すれば消費制御)を行うことにより、モータの回転
エネルギーがバッテリ側に回生されないようにしたもの
である。バッテリのエネルギー管理などに、予め電流セ
ンサを用いているシステムであれば、バッテリまたはコ
ンデンサの電圧センサの必要がなく、第1,2実施例よ
りも安価にできる特徴がある。
【0093】また、コントローラ169で行う処理のう
ち、id*指令値計算部174,iq*指令値計算部175,リレー
投入部176,インバータ入力電流制御部178,トルクショ
ック吸収処理部179は、サンプリング間隔2ms以上の比較
的長い間隔で行うのに対して、電流制御処理部180は、
サンプリング間隔100μs程度の短い間隔で行う。
【0094】図13は、第3実施例の電流指令値計算のフ
ローチャートを示す図である。電流指令値(id*,iq*)計
算処理であり、インバータ入力電流制御部178による電
流指令との切り替えを行う。この処理は、コントローラ
169の初期化処理終了後、一定サンプリング時間毎に実
行する。また、電流制御処理部180に比較して長いサン
プリング間隔で実行する。この処理を行うためには初期
化処理で、フラグflagINVCONTを1にし、フラグryonを
0にする。さらにリレー投入処理で使用するフラグflag
INVRYと変数time3とトルク指令値TRQ'を0クリアする。
【0095】まず、フラグflagINVCONTが0であるかど
うかを判断する(ステップ185)。フラグflagINVCONTが0
であればリレー投入処理は終了している。フラグflagIN
VCONTが0でないとき(1のとき)には、インバータ入力
電流制御を行ないながら(ステップ190)、リレー投入処
理を行う(ステップ191,192)。 次
に、フラグtrqonが0であるかどうかを判断する(ステッ
プ186)。 フラグtrqonが0のときには、トルクショック
吸収処理は終了している。 フラグtrqonが0でないとき
(1のとき)には、 トルクショック吸収処理を行う必要
がある(ステップ189)。
【0096】フラグflagINVCONT,trqonが0の時点で、
通常のモータ制御に復帰したと考えることができる。そ
のときは、電流指令値id*を、トルク指令値TRQとモータ
回転速度ωとに基づいて高効率を考慮したテーブル検索
等によって、 求める(ステップ187)。さらに、電流指令
値iq*を、 トルク指令値TRQと電流指令値id*を基に高効
率を考慮したテーブル検索等によって、求める(ステッ
プ188)。
【0097】図14は、第3実施例のインバータ入力電流
制御処理のフローチャートを示す図である。インバータ
入力電流制御のフローチャートを示している。まず、ト
ルク指令値TRQ'とモータ回転速度ωを基に高効率を考慮
したテーブル検索等によって、電流指令値id*を求める
(ステップ195)。このときトルク指令値TRQ’は0として
おり、さらに弱め界磁制御で永久磁石型同期モータの発
生電圧を抑える。トルク成分電流指令値iq*をインバー
タ入力電流iINVから求める(ステップ196)。 インバ
ータ入力電流iINVが負の時(回生)には、トルク成分電流
指令値iq*を正にする。逆に、入力電流iINVが正の時(力
行)には、トルク成分電流指令値iq*を負にする。ここで
は、トルク成分電流指令値iq*の大きさは、入力電流iIN
Vの大きさに比例するようになっているが、比例・積分
制御を行ってもよい。
【0098】次に、PWM信号の出力を許可する(ステップ
197)。次に、電流応答の時間分を調整してから(ステッ
プ198,199)、フラグryonを1にして(ステップ200)、リ
レー投入処理を行う(ステップ201)。
リレー投入処理について
は、図6に示したフローチャートのステップ85をflagIN
VCONT=0に変更してそのまま用いることができる。トル
クショック吸収処理は、図7に示したフローチャートを
そのまま用いることができる。また、電流制御処理131
についても、図8に示したブロック図を使用することが
できる。
【0099】次に、もう一つ別の実施の形態について第
4実施例として説明する。図15は、本発明による第4実
施例の電気自動車制御装置を示す図である。図におい
て、電気自動車制御装置は、インバータリレーとしての
リレー212,補助リレー213,電流制限用の抵抗214,コ
ンデンサ215,インバータ216,コントローラ219から構
成する。電気自動車は、キースイッチ23,バッテリ21
1,永久磁石型同期モータとしてのモータ217,電流セン
サ218,エンコーダ220,磁極位置センサ221,ディファ
レンシャルギア222,駆動輪223を含んで構成される。
【0100】通常走行中はバッテリ221とインバータ216
はリレー212を介して接続されている。インバータ216は
コントローラ219が出力するPWM信号により制御され、モ
ータ217に電圧を印加する。モータ217を流れる電流は電
流センサ218によって検出され、コントローラ219に取り
込まれる。エンコーダ220によりモータ217の回転速度が
検出され、また磁極位置センサ221によりモータ217の磁
極位置が検出されそれぞれコントローラ219に取り込ま
れる。モータ217のトルクはディファレンシャルギア222
を通して、駆動輪223に伝達される。
【0101】コントローラ219は、id*指令値計算部22
4,iq*指令値計算部225,リレー投入部226,切替部22
7,iq0制御部228,トルクショック吸収処理部229,電流
制御処理部230,PWM出力停止部231からなる。図示して
いないが電気自動車のキースイッチをオンすることによ
り、コントローラ219に制御用電源が加えられ、コント
ローラ219内の制御が起動するようになっている。同様
にキースイッチをオフすることにより、 コントローラ2
19に電源が加わらなくなり、コントローラ219内の制御
が停止する。
【0102】電気自動車のキースイッチをオンしてから
走行するまでの処理は図1で説明したものと同じであ
り、モータ制御も図1に示しているものと同じ動作をす
る。図15に示す構成の電気自動車が下り坂を高速走行し
ているときに、運転者がキースイッチをオフして、リレ
ー212が切断されモータ制御が停止した状態から、運転
者が再度キースイッチ23をオンして、通常の走行に復帰
する場合を考える。図15に示す構成の電気自動車制御装
置は、コンデンサ電圧センサ(第1,2実施例)やインバ
ータ入力電流センサ(第3実施例)を使用せずに、通常の
走行に復帰する実施例を示している。
【0103】図15において、モータ217の回転速度が大
きい時、モータ217の端子に高い誘起電圧が発生する。
キースイッチ23をオフすれば、コントローラ219が停止
し、PWM信号Pu,Pv,Pwがオフされるので、 インバータ21
6のダイオード整流によりコンデンサ215の電圧Vcは、高
い電圧(モータの線間電圧に等しい電圧)に チャージさ
れる。 この状態で、再度キースイッチをオンし、補助
リレー213をオンにすると、永久磁石型同期モータから
の回生電流により補助リレー213及び抵抗214が壊れた
り、さらに、バッテリ211に過充電電流が流れる可能性
がある そこで、コントローラ219は、 モータのトルク分電流値
iqを0(零)とするような先行モータ制御としての「iq
0制御」を行いながら、 リレー回路(補助リレー213)を
投入する。 トルク分電流値iqが0に制御できていれ
ば、補助リレー213をオンしても、コンデンサ215にチャ
ージされている電荷だけがバッテリ211に充電されるだ
けとなる。従って、モータ217で誘起された回生電流が
バッテリ211に流れ込むことはない。すなわち、トルク
電流を0に制御しながらリレーを投入すれば、モータ電
流をバッテリに回生しないでリレーを投入できる。
【0104】また、この時のリレー回路側に流れる電流
は、コンデンサ215とバッテリ211の電位差と抵抗214の
大きさから決定される。 抵抗214の抵抗値をバッテリ21
1の内部抵抗より十分に大きくすると、 リレー回路に流
れる電流は、コンデンサ215と抵抗214から計算される時
定数としての、数10msで0に収束する。 従って、補助
リレー213、 抵抗214およびバッテリ211の誘起電力によ
る影響は少なくなると考えられる。
【0105】そして、iq0制御部228は、電流指令値をiq
*’=0とする。 切替部227は、iq*指令値計算部225の計
算する電流指令値iq*に代わり 電流指令値iq*’を選択
する。トルクショック吸収処理部229は、トルク指令値T
RQ’を0とする。 id*指令値計算部224は、 モータ回転
数ωに従い高回転域では弱め界磁領域で、トルク指令値
TRQ’を0としたときの電流指令値id*を計算する。 PWM
出力停止部231は、PWM信号Pu,Pv,Pwの出力を許可し、電
流制御処理部230は電流指令値iq*’,id*に従って電流制
御を行う。
【0106】トルク分電流値iqが指令値iq*’に等しく
なったところで、または、あらかじめ決められた電流応
答の時間経過したところで、iq0制御部228はフラグryon
をたて、リレー投入処理226はRy2をオンにして補助リレ
ー213をオンにする。補助リレー213が投入されてから一
定時間後、リレー投入処理226は信号Ry1をオンしてリレ
ー212をオンし、その後信号Ry2をオフして補助リレーを
オフする。
【0107】トルクショック吸収処理部229は、トルク
指令値TRQ’を0から本来の指令値に徐々に復帰させ
る。 id*指令値計算部224は、トルク指令値TRQ’に従い
電流指令値id*を計算し、 iq*指令値計算部225は、 ト
ルク指令値TRQ’に従い電流指令値iq*を計算する。 電
流制御処理部230は、電流指令値id*,電流指令値iq*に従
いモータ電流の制御を行う。リレー212をオンした後、
トルク指令値TRQ’を0から徐々に大きくするため、ト
ルク成分の電流指令値がiq0制御部228の計算した値と不
連続にならないので、モータトルクの急激な変化が起こ
らない。以上のような処理で、通常のモータ制御に復帰
することができる。
【0108】図15に示した本実施例の電気自動車制御装
置は、コンデンサ電圧センサやインバータ入力電流セン
サを使用せずに、電流センサ218だけを使用して、リレ
ー回路の焼損およびバッテリ過充電を防止する先行制御
(換言すれば消費制御)を行って、リレー投入を可能にす
るものである。図12に示した第3実施例の場合などよ
り、さらに安価にすることができる特徴がある。
【0109】なお、コントローラ219で行う処理のう
ち、id*指令値計算部224,iq*指令値計算部225,リレー
投入部226,iq0制御部228, トルクショック吸収処理部
229は、サンプリング間隔2ms以上の比較的長い間隔で行
うものであり、 電流制御処理部230は、サンプリング間
隔100μs程度の短い間隔で行うものとする。
【0110】また、iq*,id*指令値計算処理224,225は、
図13に示したフローチャートと同じものを使用すればよ
い。iq0制御処理228は、図14に示したインバータ入力電
流制御処理のうち、ステップ196をiq*=0に変更したフロ
ーチャートとすればよい。トルクショック吸収処理229
は、図7に示したフローチャートと同じものを使用すれ
ばよい。電流制御処理230は、図8に示したブロック図
を用いる。
【0111】以上を纏めれば、次の通りである。電気自
動車の駆動輪を駆動する永久磁石型同期モータにバッテ
リの電力を供給するインバータと、インバータの上下ア
ーム間に接続されたコンデンサと、バッテリとインバー
タを接続するメインリレーと、メインリレーと並列に接
続されコンデンサとバッテリの電圧が等しくなるまでの
間メインリレーの投入に先だって投入される電流制限抵
抗を直列接続した補助リレーと、キースイッチのオンに
応答して補助リレーおよびメインリレーの投入を行いさ
らにインバータに制御信号を出力することにより永久磁
石型同期モータのトルクの制御を行うコントローラとを
備えるものにおいて、運転者が電気自動車の走行中にキ
ースイッチをオフして、メインリレーがオフとなりイン
バータの動作が停止して、永久磁石型同期モータの発生
する誘起電圧によりもコンデンサの両端電圧がバッテリ
の電圧よりも高い電圧に充電され、このまま再度キース
イッチをオンして補助リレーが投入されたときに、コン
デンサの両端電圧がバッテリの電圧よりも大きいことに
より、補助リレーの容量または電流制限用抵抗の容量を
超えた電流が流れ、補助リレーまたは電流制限用抵抗が
焼損することを防止する、更にはバッテリに過充電電流
が流れることを防止するための、第1,2実施例による
電気自動車制御装置の特徴は、コンデンサの電圧をチェ
ックする手段と、コンデンサの電圧を下げる手段を設
け、キースイッチをオンしたときに、補助リレーを投入
する以前に、コンデンサの両端電圧をチェックし、コン
デンサの電圧がバッテリの電圧よりも高いとき、コンデ
ンサの電圧がバッテリの電圧と等しくなるように、コン
デンサの電圧を下げ、コンデンサの電圧がバッテリの電
圧と等しくなった後に、補助リレーを投入することにあ
る。
【0112】また、第3,4実施例による電気自動車制
御装置の特徴は、永久磁石型同期モータからインバータ
を通ってコンデンサに流れる電流を0とする手段を設
け、キースイッチをオンしたときに、永久磁石型同期モ
ータからインバータを通ってコンデンサに流れる電流を
0として、補助リレーを投入することにあると言える。
換言すれば、走行中の誤操作や故障(含む故障診断)時な
どにリレー回路が開放されること(キースイッチ・オフ
と再オン、即ち、コントローラの一時停止と再開)によ
って、永久磁石型同期モータで誘起されてコンデンサに
不要に蓄積された電荷を、リレー回路の閉鎖(キースイ
ッチ・オンによる電源投入制御やそれに続くモータ制
御)の再開の前に、先行モータ制御を実行して永久磁石
型同期モータで消費し、その後に、正規のバッテリの電
源投入制御を実行し、引き続き本来のバッテリの電荷に
よる正規のモータ制御を実行させる点にある。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、電気自動車の駆動に永
久磁石型同期モータを使用した場合、永久磁石型同期モ
ータが高速回転しているときに、インバータとバッテリ
を接続するリレーを切断してインバータの制御を中止し
て、インバータの入力側に高い電圧が発生した状態から
でも、リレーの再投入ができるようになる。 こ
れにより、電気自動車制御装置の信頼性や電気自動車の
高速走行時の安全性を高めることに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施例の電気自動車制御装置
を示す図である。
【図2】第1実施例のコンデンサ電圧判定のフローチャ
ート(初期化)を示す図である。
【図3】第1実施例のコンデンサ電圧判定のフローチャ
ート(フェイル時)を示す図である。
【図4】第1実施例の電流指令値計算のフローチャート
を示す図である。
【図5】第1実施例のコンデンサ電圧制御のフローチャ
ートを示す図である。
【図6】第1実施例のリレー投入処理のフローチャート
を示す図である。
【図7】第1実施例のトルクショック吸収処理のフロー
チャートを示す図である。
【図8】第1実施例の電流制御処理部のブロック図を示
す図である。
【図9】本発明による第2実施例の電気自動車制御装置
を示す図である。
【図10】第2実施例の速度判定のフローチャート(初
期化)を示す図である。
【図11】第2実施例の速度判定のフローチャート(フ
ェイル時)を示す図である。
【図12】本発明による第3実施例の電気自動車制御装
置を示す図である。
【図13】第3実施例の電流指令値計算のフローチャー
トを示す図である。
【図14】第3実施例のインバータ入力電流制御処理の
フローチャートを示す図である。
【図15】本発明による第4実施例の電気自動車制御装
置を示す図である。
【符号の説明】
1,111,161,211…バッテリ、2,112,162,212…インバータ
リレー、3,113,163,213…補助リレー、4,114,164,214…
抵抗、5,115,165,215…コンデンサ、6,116,166,216…イ
ンバータ、7,117,167,217…モータ、8,118,168,218…電
流センサ、9,119,169,219…コントローラ、10,120,170,
220…エンコーダ、11,121,171,221…磁極位置センサ、1
2,122,172,222…ディファレンシャルギア、13,123,173,
223…駆動輪、14,124,174,224…id*指令値計算部、15,1
25,175,225…iq*指令値計算部、16…コンデンサ電圧判
定部、17,127,176,226…リレー投入部、18,128,177,227
…切替部、19,129…コンデンサ電圧制御部、20,130,17
9,229…トルクショック吸収処理部、21,131,180,230…
電流制御処理部、22,132,181,231…PWM出力停止部、23
…キースイッチ、126…速度判定部、178…インバータ入
力電流制御部、182…インバータ入力用の電流センサ、2
28…iq0制御部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バッテリの電源を開閉するリレー回路と、
    該リレー回路の後段にあり前記バッテリに並列接続され
    たコンデンサと、該コンデンサの後段にあり前記バッテ
    リの電力を永久磁石型同期モータへ供給するインバータ
    と、前記リレー回路の電源投入制御を実行し、その後に
    前記インバータを用いた前記永久磁石型同期モータのモ
    ータ制御を実行するコントローラとを備える電気自動車
    制御装置において、 前記コントローラは、前記リレー回路が開放されること
    によって、前記永久磁石型同期モータで誘起されて蓄積
    された前記コンデンサの電荷を、前記電源投入制御及び
    前記モータ制御の再開の前に、前記永久磁石型同期モー
    タで消費する先行制御を実行し、その後に、前記電源投
    入制御及び前記モータ制御へ移行する手段を有すること
    を特徴とする電気自動車制御装置。
  2. 【請求項2】メインリレーと該メインリレーに並列接続
    された補助リレー及び抵抗とから成りバッテリの電源を
    開閉するリレー回路と、該リレー回路の後段にあり前記
    バッテリに並列接続されたコンデンサと、該コンデンサ
    の後段にあり前記バッテリからの電力を永久磁石型同期
    モータへ供給するインバータと、 前記補助リレーの後
    から前記メインリレーを投入するという前記リレー回路
    の電源投入制御を実行し、その後に制御信号を出力して
    前記インバータの前記電力供給を制御して、モータ制御
    を実行するコントローラとを備える電気自動車制御装置
    において、 前記コンデンサの端子電圧を計測する手段を有し、 前記コントローラは、前記端子電圧を入力監視する手段
    と、前記モータ制御のトルク分電流iqを前記端子電圧
    と所定電圧との差に応じた値とする先行モータ制御を実
    行し、前記端子電圧を前記所定電圧相当にして、前記リ
    レー回路の電源投入制御に移行する手段とを有すること
    を特徴とする電気自動車制御装置。
  3. 【請求項3】メインリレーと該メインリレーに並列接続
    された補助リレー及び抵抗とから成りバッテリの電源を
    開閉するリレー回路と、該リレー回路の後段にあり前記
    バッテリに並列接続されたコンデンサと、該コンデンサ
    の後段にあり前記バッテリからの電力を永久磁石型同期
    モータへ供給するインバータと、 前記補助リレーの後
    から前記メインリレーを投入するという前記リレー回路
    の電源投入制御を実行し、その後に制御信号を出力して
    前記インバータの前記電力供給を制御して、モータ制御
    を実行するコントローラとを備える電気自動車制御装置
    において、 前記コンデンサの端子電圧を計測する手段と、前記永久
    磁石型同期モータの回転速度を計測する手段とを有し、 前記コントローラは、 前記端子電圧および前記回転速
    度を入力監視する手段と、当該回転速度が所定回転速度
    以下ならば、前記リレー回路の電源投入制御に移行する
    手段と、所定回転速度を越えているならば、前記モータ
    制御のトルク分電流iqを前記端子電圧と所定電圧との
    差に応じた値とする先行モータ制御を実行し、前記端子
    電圧を前記所定電圧相当にして、前記リレー回路の電源
    投入制御に移行する手段とを有することを特徴とする電
    気自動車制御装置。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3において、前記先
    行モータ制御は、前記端子電圧が前記所定電圧よりも高
    いときは、前記永久磁石型同期モータが正のトルクを出
    力する制御であることを特徴とする電気自動車制御装
    置。
  5. 【請求項5】請求項2または請求項3において、前記先
    行モータ制御は、前記端子電圧が前記所定電圧よりも低
    いときは、前記永久磁石型同期モータが負のトルクを出
    力する制御であることを特徴とする電気自動車制御装
    置。
  6. 【請求項6】請求項2または請求項3において、前記先
    行モータ制御は、前記端子電圧が所定電圧相当に到達し
    た後は、前記トルク分電流iqを0(零)とする制御であ
    ることを特徴とする電気自動車制御装置。
  7. 【請求項7】請求項2または請求項3において、前記所
    定電圧は、前記コントローラが前記メインリレーが投入
    されていた時点に、前記端子電圧計測手段から入力した
    前記端子電圧から求めた値であることを特徴とする電気
    自動車制御装置。
  8. 【請求項8】メインリレーと該メインリレーに並列接続
    された補助リレー及び抵抗とからなってバッテリの電源
    を開閉するリレー回路と、前記リレー回路の後段にあっ
    て前記バッテリに並列接続されたコンデンサと、該コン
    デンサの後段にあって前記バッテリからの電力を永久磁
    石型同期モータへ供給するインバータと、前記補助リレ
    ーの後から前記メインリレーを投入するという前記リレ
    ー回路の電源投入制御を実行し、その後、制御信号を出
    力して前記インバータの前記電力供給を制御して、前記
    永久磁石型同期モータのモータ制御を実行するコントロ
    ーラとを備える電気自動車制御装置において、 前記インバータの入力電流を計測する手段を有し、 前記コントローラは、前記入力電流を入力監視する手段
    と、前記モータ制御のトルク分電流iqを前記入力電流
    に応じた値とする先行モータ制御を実行し、前記入力電
    流を0(零)相当にして、前記リレー回路の電源投入制御
    に移行する手段とを有することを特徴とする電気自動車
    制御装置。
  9. 【請求項9】メインリレーと該メインリレーに並列接続
    された補助リレー及び抵抗とからなってバッテリの電源
    を開閉するリレー回路と、前記リレー回路の後段にあっ
    て前記バッテリに並列接続されたコンデンサと、該コン
    デンサの後段にあって前記バッテリからの電力を永久磁
    石型同期モータへ供給するインバータと、前記補助リレ
    ーの後から前記メインリレーを投入するという前記リレ
    ー回路の電源投入制御を実行し、その後、制御信号を出
    力して前記インバータの前記電力供給を制御して、前記
    永久磁石型同期モータのモータ制御を実行するコントロ
    ーラとを備える電気自動車制御装置において、 前記コントローラは、 前記モータ制御のトルク分電流
    iqを 0(零)とする先行モータ制御を実行しながら、
    前記リレー回路の電源投入制御に移行する手段を有する
    ことを特徴とする電気自動車制御装置。
  10. 【請求項10】請求項2または請求項3または請求項8
    または請求項9のいずれか1項においてにおいて、前記
    コントローラは、前記永久磁石型同期モータの出力トル
    クが急変することを防止するよう、前記メインリレーを
    投入した後に、前記永久磁石型同期モータのトルクを、
    0から徐々に大きくするまたは0から徐々に小さくする
    トルクショック吸収手段を有することを特徴とする電気
    自動車制御装置。
  11. 【請求項11】請求項2または請求項3または請求項8
    または請求項9のいずれか1項においてにおいて、前記
    コントローラは、前記電気自動車の走行中に前記補助リ
    レーを再投入する手段を有することを特徴とする電気自
    動車制御装置。
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