JPH10281215A - 除振台の駆動制御装置 - Google Patents

除振台の駆動制御装置

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JPH10281215A
JPH10281215A JP9083507A JP8350797A JPH10281215A JP H10281215 A JPH10281215 A JP H10281215A JP 9083507 A JP9083507 A JP 9083507A JP 8350797 A JP8350797 A JP 8350797A JP H10281215 A JPH10281215 A JP H10281215A
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JP
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vibration
actuator
sensor
vibration isolation
drive
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JP9083507A
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Futoshi Mori
太 森
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Original Assignee
Nikon Corp
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/708Construction of apparatus, e.g. environment aspects, hygiene aspects or materials
    • G03F7/70858Environment aspects, e.g. pressure of beam-path gas, temperature
    • G03F7/709Vibration, e.g. vibration detection, compensation, suppression or isolation

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Public Health (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチュエータの作動不良等を確実に検出し
て、周囲の温度変化の増大を未然に防止する。 【解決手段】 移動可能ステージを有する除振台を、異
なる水平位置において鉛直方向に駆動する空圧式および
電磁式アクチュエータを有し、この除振台の変位および
振動を少なくとも一つのセンサにより検出し、電磁式ア
クチュエータの駆動制御により除振台の高周波数帯の振
動を抑制させ、空圧式アクチュエータの駆動制御により
オフセット成分を含む低周波数帯の振動を抑制させて除
振台を水平に保持させる。このとき空圧式アクチュエー
タの駆動信号205を警報モニタ210により検知し、
この駆動力が所定値以上となったときには、警報ランプ
211もしくは警報ブザー212により警報作動を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるステッパ
と称される露光装置等において、移動するステージ等を
振動を取り除いた状態で支持する除振台の駆動制御装置
に関し、更に詳しくは、除振台の振動を打ち消すように
アクチュエータにより除振台を駆動するいわゆるアクテ
ィブ方式の除振手段を備えた除振台においてこの除振手
段の駆動制御を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ステップ・アンド・リピート方式の縮小
投影型露光装置、即ちいわゆるステッパ等の精密機器の
高精度化に伴い、設置床から定盤(除振台)に作用する
微振動をマイクロGレベルで絶縁する必要が生じてい
る。除振装置の除振台を支持する除振パッドとしてはダ
ンピング液中に圧縮コイルバネを入れた機械式ダンパや
空気式ダンパ等種々のものが使用され、除振パッド自体
がある程度のセンタリング機能を備えている。特に、空
気式ダンパを備えた空気バネ除振装置はバネ定数を小さ
く設定でき、約10Hz以上の振動を絶縁することか
ら、精密機器の支持に広く用いられている。
【0003】また、最近では従来のパッシブ除振装置の
限界を打破するために、アクティブ除振装置が提案され
ている。これは、除振台の振動をセンサで検出し、この
センサの出力に基づいてアクチュエータを駆動すること
により振動制御を行う除振装置であり、低周波制御帯域
に共振ピークの無い理想的な振動絶縁効果を持たせるこ
とができるものである。ステッパ等では、大きな加減速
を行うXYステージ(ウエハステージ)が除振パッドに
保持された定盤上に搭載されており、XYステージの移
動と同時に露光装置本体の重心位置が移動する。アクテ
ィブ除振装置では、このステージ移動に伴い、本体重心
位置が変化したとき、位置制御ループにより初期位置に
位置決めをする。
【0004】ところが、ステージ移動量が大きくなると
本体重心位置変化量も大きくなり、本体が傾斜する。本
体重心位置変化量の増大に伴い、この傾斜量も大きくな
り、これを補正するためにアクチュエータに必要とされ
る推力も大きくなる。このような除振装置では、アクチ
ュエータより発生する発熱量が大きく、露光装置の置か
れている環境の温度変化が大きくなる。この環境の温度
変化はXYステージの位置を計測するレーザ干渉計の測
定精度に影響を与え、ひいてはステージの位置決め精度
等の劣化を招くという不都合があった。かかる不都合を
改善するための手段として、位置制御ループのゲインを
高くすることが考えられるが、このようにすると、位置
制御応答性は向上するものの、床振動を本体に伝えるこ
とになって却って除振性能が劣化するという問題があ
る。
【0005】以上のような事情に鑑みて、本出願人は、
除振台を、それぞれ複数(3個以上)の空圧式アクチュ
エータと電磁式アクチュエータとにより支持し、除振台
を所定位置で除振状態で支持することを提案した。この
場合、応答速度の遅い空圧式アクチュエータは除振台を
所定位置で水平に保持するとともに低周波数振動を抑制
し、応答速度の速い電磁式アクチュエータは高周波数振
動を抑制するようになっており、これにより、位置制御
応答性を確保しつつ、除振性能を劣化させることなく、
しかも環境の温度変化を抑えることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように二種類のア
クチュエータを併用して除振および位置制御を行う方式
の場合に、一方のアクチュエータが作動不良を起こせ
ば、他方のアクチュエータがそれを補うべく作動する。
このため、例えば、空圧式アクチュエータにおいて空気
の給排を制御する電磁弁が作動不良を起こしたような場
合に、空圧式アクチュエータで不足する除振および位置
制御を電磁式アクチュエータが補うように駆動し、電磁
式アクチュエータの作動量が増大する。ここで、空圧式
アクチュエータは応答速度は遅いがその駆動に伴う発熱
量は小さく、電磁式アクチュエータは応答速度は早いが
その駆動に伴う発熱量は大きため、電磁式アクチュエー
タからの発生熱量が非常に大きくなり、露光装置の置か
れている環境の温度が高くなって、上述のようなレーザ
干渉計の測定精度の低下、ステージの位置決め精度等の
劣化等を招くというおそれがある。
【0007】このような問題に鑑み、本発明は、アクチ
ュエータの作動不良等の場合に、これを確実に検出し
て、周囲の温度変化の増大を未然に防止できるような除
振台の駆動制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明においては、少なくとも一つの移動可能なス
テージを有する除振台を、異なる水平位置において鉛直
方向に駆動する少なくとも3個の第1アクチュエータお
よび少なくとも3個の第2アクチュエータを有し、この
除振台の変位および振動を少なくとも一つのセンサによ
り検出し、第1制御系により第1アクチュエータの駆動
を制御して、このセンサにより検出される除振台の振動
変位のうちの高周波数帯の振動を抑制させ、一方、第2
制御系により第2アクチュエータの駆動を制御して、上
記センサにより検出される除振台の振動変位のうち、オ
フセット成分を含む低周波数帯の振動を抑制させて除振
台を水平に保持させる。その上で、第2駆動制御系によ
り駆動制御された前記第2アクチュエータの駆動力が所
定値以上となったときには、警報手段により警報作動を
行うように構成される。
【0009】なお、第2アクチュエータの駆動力が所定
値以上となったときに直ちに警報作動を行わせるのでは
なく、所定時間以上継続して所定値以上となったときに
警報作動を行わせるようになし、瞬間的に駆動力が大き
くなるような場合は除外するように構成するのが好まし
い。
【0010】また、第1アクチュエータを電磁力を用い
て鉛直方向の駆動を行う電磁式アクチュエータから構成
し、第2アクチュエータを空気圧を用いて鉛直方向の駆
動を行う空圧式アクチュエータから構成するのが好まし
い。
【0011】また、上記センサを、除振台の変位を検出
する変位センサおよび除振台の振動を検出する振動セン
サから構成し、振動センサにより検出された除振台の振
動から、高周波数帯の振動成分と低周波数帯の振動成分
とを分離抽出するフィルタ手段を備えるのが望ましい。
さらに、変位センサの検出値に基づいて第2アクチュエ
ータの駆動を制御し、除振台を水平に保持させるように
するのが望ましい。
【0012】このような構成の本発明によれば、除振台
上のステージが所定の加速度で移動すると、重心位置の
移動により除振台が傾斜するとともに振動する。第2制
御系では除振台の傾き量に応じて第2アクチュエータの
駆動制御を行い、除振パッドに供給される空気流量を制
御する。このとき、除振台の振動のうちの低周波数成分
を第2アクチュエータの駆動により抑制する。なお、同
時に第2アクチュエータの駆動により除振台を所定位置
で水平に保持させる。
【0013】このような第2制御系による空気流の制御
とほぼ同時に、第1制御系により、除振台の振動うちの
高周波数成分を抑制するように第1アクチュエータを駆
動制御する。これにより、応答は遅いが発熱の小さな第
2アクチュエータ(空圧式アクチュエータ)により除振
台の平面保持(4点のZ軸方向保持)および低周波数成
分の除去という比較的大きく緩やかな動きを抑制し、発
熱は大きいが応答の速い第1アクチュエータ(電磁式ア
クチュエータ)により高周波成分の除去という細かく速
い動きを抑制する。このような組み合わせにより、位置
制御応答性を確保しつつ、除振性能を劣化させることな
く、しかも環境の温度変化を抑えることができる。
【0014】さらに、本発明においては、第2アクチュ
エータの駆動力が所定値以上となったときに(特に、所
定時間以上継続して所定値以上となったときに)警報手
段により警報作動を行うので、例えば、第2アクチュエ
ータが作動不良を起こしたような場合には、これを確実
に検出できる。このため、第2アクチュエータが作動不
良を起こしてこれを第1アクチュエータにより補って発
熱量が増加することを未然に防止することができる。
【0015】
【発明の実施形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図1ないし図6に基づいて説明する。
【0016】図1には、一実施形態に係るステップ・ア
ンド・スキャン型の露光装置100の概略斜視図が示さ
れている。この図1において、設置面としての床上に長
方形板状の台座2が設置され、この台座2上に除振パッ
ド4A〜4D(但し、図1では紙面奥側の除振パッド4
Dは図示せず、図2参照)が設置され、これらの除振パ
ッド4A〜4D上に除振台としての長方形状の定盤6が
設置されている。ここで、後述するように本実施例では
投影光学系PLが使用されているため、投影光学系PL
の光軸に平行にZ軸を取り、Z軸に直交する平面内で定
盤6の長手方向にX軸を、これに直交する方向にY軸を
取る。また、それぞれの軸回りの回転方向をZθ、X
θ、Yθ方向と定める。なお、以下の説明において、必
要に応じ、図1中のX、Y、Z軸を示す各矢印の示す方
向を+X、+Y、+Z方向、これと反対の方向を−X、
−Y、−Z方向と区別して用いるものとする。
【0017】除振パッド4A〜4Dは、図2にも示され
るように、それぞれ定盤6の長方形の底面の4個の頂点
付近に配置されている。本実施例では、除振パッド4A
〜4Dとして空気式ダンパが使用されている。これらの
除振パッド4A〜4Dは、図2に示されるように、3つ
の空圧制御回路37A,37B,37Cを介して制御装
置11に接続され、制御装置11では空圧制御回路37
A,37B,37Cを介して除振パッド4A〜4Dに供
給される空気の流量を制御することにより、定盤6の振
動を抑制することができるようになっている。また、空
気の圧力により除振パッド4A〜4Dの高さを調整で
き、空気式ダンパは上下動機構の役目をも兼ねており、
これを空圧式アクチュエータと称する。
【0018】図1に戻り、台座2と定盤6との間に除振
パッド4Aと並列に電磁式アクチュエータ7Aが設置さ
れている。電磁式アクチュエータ7Aは、台座2上に固
定された固定子9Aと定盤6の底面に固定された可動子
8Aとから構成され、制御装置11(図1では図示省
略、図2、図3参照)からの指示に応じて台座2から定
盤6の底面に対するZ方向の付勢力、又は定盤6の底面
から台座2に向かう吸引力を発生する。他の除振パッド
4B〜4Dにおいても、除振パッド4Aと同様にそれぞ
れ並列に電磁式アクチュエータ7B〜7Dが設置され
(但し、図1では紙面奥側の電磁式アクチュエータ7
C、7Dは図示せず、図3参照)、これらの電磁式アク
チュエータ7B〜7Dの付勢力又は吸引力もそれぞれ制
御装置11(図1では図示省略、図2、図3参照)によ
り設定される。電磁式アクチュエータ7A〜7Dの制御
方法については、後述する。
【0019】電磁式アクチュエータ7Aは、前記の如
く、固定子9Aと可動子8Aとから成り、固定子9A
は、例えば、N極の軸の両側にS極の軸が形成された発
磁体により構成され、また、可動子8Aは、N極の軸に
遊嵌する内筒、この内筒の外側に巻回されたコイル、及
びこのコイルを覆う外筒より構成される。そして、コイ
ルに流れる電流を調整することにより、固定子9Aと可
動子8Aとの間に±Z方向の力が発生する。その他の電
磁式アクチュエータ7B〜7Dも電磁式アクチュエータ
7Aと同様に構成されている。
【0020】定盤6上には図示しない駆動手段によって
XY2次元方向に駆動される基板ステージとしてのXY
ステージ20が載置されている。更に、このXYステー
ジ20上にZレベリングステージ、θステージ(いずれ
も図示省略)及びウエハホルダ21を介して感光基板と
してのウエハWが吸着保持されている。また、定盤6上
でXYステージ20を囲むように第1コラム24が植設
され、第1コラム24の上板の中央部に投影光学系PL
が固定され、第1コラム24の上板に投影光学系PLを
囲むように第2コラム26が植設され、第2コラム26
の上板の中央部にレチクルステージ27を介してマスク
としてのレチクルRが載置されている。
【0021】XYステージ20のY方向の移動位置は、
位置計測手段としてのY軸用レーザ干渉計30Yによっ
て計測され、XYステージ20のX方向の移動位置は、
位置計測手段としてのX軸用レーザ干渉計30X(図1
では図示せず、図3参照)によって計測されるようにな
っており、これらのレーザ干渉計30Y、30Xの出力
は不図示のステージコントローラ及び不図示の主制御装
置に入力されている。Zレベリングステージは、Z軸方
向の駆動及びZ軸に対する傾斜が調整可能に構成され、
θステージはZ軸回りの微小回転が可能に構成されてい
る。従って、XYステージ20、Zレベリングステージ
及びθステージによって、ウエハWは3次元的に位置決
めが可能となっている。
【0022】レチクルステージ27は、レチクルRのY
軸方向の微調整、及び回転角の調整が可能に構成されて
いる。また、このレチクルステージ27は、図示しない
駆動手段によってX方向に駆動されるようになってお
り、このレチクルステージ27のX方向位置は位置計測
手段としてのレチクルレーザ干渉計30Rによって計測
され、このレチクルレーザ干渉計30Rの出力も不図示
のステージコントローラ及び不図示の主制御装置に入力
されている。
【0023】更に、レチクルRの上方には、図示しない
照明光学系が配置され、図示しない主制御装置ではレチ
クルR及びウエハWの相対位置合わせ(アライメント)
及び図示しない焦点検出系によるオートフォーカスを行
ないつつ、照明光学系からの露光用の照明光ELの下
で、レチクルRのパターンの投影光学系PLを介した像
をウエハWの各ショット領域に順次露光するようになっ
ている。本実施例では、各ショット領域の露光に際して
は主制御装置によりXYステージ20とレチクルステー
ジ27とがそれぞれの駆動手段を介してX軸方向(走査
方向)に沿って所定の速度比で相対走査される。
【0024】前記第1コラム24は、4本の脚部24a
〜24d(但し、図1では紙面奥側の脚部24dは図示
せず)により定盤6上に接触している。この第1コラム
24の上板の上面の+Y方向の端部には、第1コラム2
4のZ方向の加速度を検出する振動センサとしての加速
度センサ5Z1 ,5Z2 及び第1コラム24のY方
向の加速度を検出する加速度センサ5Y1 ,5Y2
が設けられている。また、この第1コラム24の上板の
上面の+X方向の端部には、第1コラム24のZ方向の
加速度を検出する振動センサとしての加速度センサ5Z
3 及び第1コラム24のX方向の加速度を検出する加
速度センサ5Xが設けられている。これらの加速度セン
サ5Z1 ,5Z2 ,5Z3 ,5Y1 ,5Y2
,5Xとしては、例えばピエゾ抵抗効果型あるいは静
電容量型の半導体式加速度センサが使用される。これら
の加速度センサ5Z1 ,5Z2 ,5Z3 ,5Y1
,5Y2 ,5Xの出力も制御装置11(図1では図
示省略、図2、図3参照)に入力されている。
【0025】また、第1コラム24の上板の+Y方向端
部側で−X方向の側面に対向する位置には、第1コラム
24のZ方向変位を検出する変位センサ10Z1 、第1
コラム24のY方向の変位を検出する変位センサ10Y
1 が一体化されて成る変位センサ10Aが配置され、第
1コラム24の上板の+Y方向端部側で+X方向の側面
に対向する位置には、第1コラム24のZ方向変位を検
出する変位センサ10Z2 、第1コラム24のY方向の
変位を検出する変位センサ10Y2 が一体化されて成る
変位センサ10Bが配置されている。第1コラム24の
上板の−Y方向端部側で+X方向の側面に対向する位置
には、第1コラム24のZ方向変位を検出する変位セン
サ10Z3 、第1コラム24のX方向の変位を検出する
変位センサ10Xが一体化されて成る変位センサ10C
が配置されている。
【0026】ここで、変位センサ10Z1 ,10Z2
,10Z3 ,10Y1 ,10Y2 ,10Xとし
ては、例えば静電容量式センサや、渦電流変位センサが
使用される。前者の静電容量式センサによれば、静電容
量がセンサの電極と測定対象物(ここでは、不図示の金
属板)間の距離に反比例することを利用して非接触でセ
ンサと測定対象物間の距離が検出される。また、後者の
渦電流変位センサによれば、予め絶縁体に巻いたコイル
に交流電圧を加えておき、導電性材料(導電体)から成
る測定対象に近づけると、コイルによって作られた交流
磁界によって導電体に渦電流が発生し、この渦電流によ
って発生する磁界は、コイルの電流によって作られた磁
界と逆方向であり、これら2つの磁界が重なり合って、
コイルの出力に影響を与え、コイルに流れる電流の強さ
及び位相が変化する。この変化は、対象がコイルに近い
ほど大きくなり、逆に遠いほど小さくなるので、コイル
から電気信号を取り出すことにより、対象の位置、変位
を知る事ができる。この他、背景光の影響を阻止できる
構成にすれば、変位センサとしてPSD(半導体光位置
検出器)を使用することも可能である。
【0027】変位センサ10Y1 、10Y2 、10
Z1 、10Z2 、10Z3 、10Xの出力も制御
装置11(図1では図示省略、図3参照)に供給されて
いる。
【0028】第1コラム24の+X方向の側面には、電
磁式アクチュエータ32Aが台座2に固定された門形の
支柱35Aとの間に取り付けられている。電磁式アクチ
ュエータ32Aは、前述した電磁式アクチュエータ7A
〜7Cと同様に、支柱35Aに固定された固定子34A
と第1コラム24に取り付けられた可動子33Aとから
構成され、制御装置11から可動子33A内のコイルに
流れる電流を調整することにより、第1コラム24に対
して±X方向に力を与えることができるようになってい
る。同様に、第1コラム24の上面2箇所に可動子33
B,33Cが取り付けられ、これら可動子33B、33
Cとともに電磁式アクチュエータ32B、32Cをそれ
ぞれ構成する固定子34B,34Cが台座2に固定され
た支柱35A、35Bにそれぞれ固定されている。電磁
式アクチュエータ32Aと同様に、電磁式アクチュエー
タ32B、32Cにおいても制御装置11から可動子3
3B,33C内のコイルに流れる電流を調整することに
より、第1コラム24に対して±Y方向の力を与えるこ
とができるようになっている。制御装置11による、電
磁式アクチュエータ32A〜32Cの制御方法について
も後述する。
【0029】ここで、露光装置100の設置時の定盤6
の高さ及び水平レベルの調整について、図2を参照しつ
つ説明する。変位センサ10Z1 、10Z2 、10
Z3で計測された定盤6のZ方向変位(高さ)が制御装
置11に伝えられ、これらのデータに基づいて制御装置
11では、定盤6の高さを予め設定されている値にする
と共に水平レベルを維持するため、3つの空圧制御回路
37A〜37Cを介して各除振パッドに供給する空気の
流量を制御して除振パッドに4A〜4Dの高さをそれぞ
れの高さに設定する。その後、除振パッド4A〜4Dの
高さはそれぞれの設定値に維持される。これにより、定
盤6に歪みが生ずることがなく、定盤6上のXYステー
ジ20の位置決め精度等が高精度に維持される。
【0030】本実施形態の露光装置100では、定盤
6、XYステージ20、ウエハホルダ21、第1コラム
24、投影光学系PL、第2コラム26、及びレチクル
ステージ27等により露光本体部40(図3参照)が構
成されている。
【0031】次に、この露光本体部40の除振のための
電磁式アクチュエータ7A〜7D、32A〜32C及び
除振パッド(空圧式アクチュエータ)4A〜4Dの制御
系について、制御装置11を中心として、図3のブロッ
ク図に基づいて説明する。
【0032】制御装置11は、変位センサ10Z1 、
10Z2 、10Z3 、10Y1、10Y2 、10
X及び加速度センサ(振動センサ)5Z1 、5Z2
、5Z3 、5Y1 、5Y2 、5Xの出力に基づ
いて定盤6を含む露光本体部40の振動を抑制するよう
に電磁式アクチュエータ7A、7B、7C、7D、32
A、32B、32Cを駆動制御する第1制御系としての
振動制御系を有している。
【0033】これを更に詳述すると、振動制御系は、変
位センサ10Z1 、10Z2 、10Z3 、10Y
1 、10Y2 、10Xの出力を図示しないA/Dコ
ンバータをそれぞれ介して入力し、露光本体部40の重
心Gの6自由度方向(X、Y、Z、Xθ、Yθ、Zθ:
図1参照)の変位量(x、y、z、θx 、θy 、θ
z )に変換する第1の座標変換部42と、この第1の
座標変換部42で変換後の重心の6自由度方向の変位量
(x、y、z、θx 、θy 、θz )を目標値出力
部44から入力される6自由度方向の重心位置の目標値
(x0 、y0、z0 、θx0 、θy0 、θz0)
からそれぞれ減じて6自由度のそれぞれの方向の位置偏
差(Δx=x0 −x、Δy=y0 −y、Δz=z0
−z、Δθx =θx0−θx 、Δθy =θy0
−θy 、Δθz =θz0−θz )をそれぞれ算出
する6つの減算器46a〜46fと、6自由度のそれぞ
れの方向の位置偏差Δx、Δy、Δz、Δθx 、Δθ
y 、Δθz を動作信号として制御動作を行なうPI
コントローラから成る6自由度のそれぞれの方向の位置
コントローラXPI、YPI、ZPI、XθPI、Yθ
PI、ZθPIと、加速度センサ5Z1 、5Z2 、
5Z3 、5Y1 、5Y2 、5Xの出力を図示しな
いA/Dコンバータをそれぞれ介して入力し、重心Gの
6自由度方向の加速度(x”、y”、z”、θx ”、
θy ”、θz ”)に変換する第2の座標変換部48
と、この第2の座標変換部48で変換後の重心Gの6自
由度方向の加速度x”、y”、z”、θx ”、θy
”、θz ”をそれぞれ積分してそれぞれの方向の重
心Gの速度x’、y’、z’、θx ’、θy ’、θ
z ’に変換する6つの積分器50a〜50fと、位置
コントローラXPI、YPI、ZPI、XθPI、Yθ
PI、ZθPIの出力を速度指令値x0 ’、y0
’、z0 ’、θx0’、θy0’、θz0’にそれ
ぞれ変換する速度変換ゲイン52a〜52fと、この変
換後の速度指令値x0 ’、y0 ’、z0’、θx
0’、θy0’、θz0’から積分器50a〜50fの
出力x’、y’、z’、θx ’、θy ’、θz ’
をそれぞれ減じて6自由度方向のそれぞれの方向の速度
偏差(Δx’=x0 ’−x’、Δy’=y0 ’−
y’、Δz’=z0 ’−z’、Δθx ’=θx0’
−θx ’、Δθy ’=θy0’−θy ’、Δθz
’=θz0’−θz ’)を算出する6つの減算器5
4a〜54fと、6自由度のそれぞれの方向の速度偏差
Δx’、Δy’、Δz’、Δθx ’、Δθy ’、Δ
θz ’を動作信号として制御動作を行なうPIコント
ローラから成る6自由度のそれぞれの方向の速度コント
ローラVXPI、VYPI、VZPI、VXθPI、V
YθPI、VZθPIと、これらのコントローラで演算
された6自由度のそれぞれの方向の速度制御量を各電磁
式アクチュエータの位置で発生すべき速度指令値に変換
するための非干渉化演算を行なう非干渉化計算部56
と、この非干渉化計算部56で変換後の各電磁式アクチ
ュエータの位置で発生すべき速度指令値を各電磁式アク
チュエータで発生すべき推力にそれぞれ変換する推力ゲ
イン58a〜58gとを有する。
【0034】即ち、本実施形態の振動制御系は、変位セ
ンサ、位置コントローラ等を含んで構成される位置制御
ループの内側に、その内部ループとして加速度センサ、
積分器、速度コントローラ等を含んで構成される速度制
御ループを有する多重ループ制御系となっている。
【0035】また、本実施形態において、前記非干渉化
計算部56は、変位センサ10Z1、10Z2 、10
Z3 の出力に基づいて、XYステージ20、レチクル
ステージ27の移動に伴なって生じる定盤6の傾きを演
算し、その傾きを補正する機能をも備えている。これを
更に詳述すると、この前記非干渉化計算部56では、常
時変位センサ10Z1 、10Z2 、10Z3 の出
力を直接的にモニタすることにより、定盤6の傾きを演
算し(検出し)、定盤6の傾きを除振パッド4A〜4D
により補正するように空圧制御部37を構成する第1な
いし第3の空圧制御回路37A〜37Cを制御し、前述
した非干渉化計算の結果得られる電磁式アクチュエータ
7A〜7Dで発生すべき速度指令値が所定値を超えない
ようにする機能をも備えている。
【0036】さらに、本実施形態の装置では、スキャン
カウンタ66の出力がX方向の速度コントローラVXP
Iの出力段に設けられた加算器68を介して振動制御系
にフィードフォワード入力されている。本実施例の露光
装置100では、ウエハW上のショットを露光する際に
は、レチクルステージ27とXYステージ20とが走査
方向、すなわち、X軸方向に互いに逆向きに同期走査さ
れるが、この際にレチクルステージ27は、1ショット
につき1回、当該レチクルステージ27の可動範囲を端
から端までXYステージ20の速度の投影光学系PLの
縮小倍率の逆数倍(例えば、4倍又は5倍)の速度で移
動し、しかも露光は定速域でのみ行なわれることから、
レチクルステージ27は停止状態から目標速度まで加
速、目標速度を維持、目標速度から停止状態まで減速の
3つの状態遷移を行なうことになり、ステージ27の移
動開始直後及び停止直前には大きな反力が第2コラム2
6を介して定盤6に作用し、定盤6を含む露光本体部4
0に振動が生ずる。そこで、スキャンカウンタ66によ
り、レチクルステージ27の加速度と逆向きの反力の指
令値を振動制御系にフィードフォワード入力し、上記の
ステージ27の移動開始直後及び停止直前の振動を抑制
しようとするのである。
【0037】次に、除振パッド(空圧式アクチュエー
タ)4A〜4Dの駆動を制御するための空圧制御部37
について図4に基づいて説明する。
【0038】この空圧制御部37は、手動バルブ101
を介して給気路110にそれぞれ接続されるとともに排
気路120にそれぞれ接続された第1ないし第3の空圧
制御回路37A〜37Cを有している。手動バルブ10
1は供給圧を手動でON・OFFにするためのバルブで
ある。
【0039】前記第1の空圧制御回路37Aは、図2紙
面左奥側の除振パッド4Dに供給する空気の流量を制御
するための回路で、相互に並列な第1回路38aと第2
回路38bとを有している。第1回路38aは、給気側
の圧力を設定するレギュレータ102Aと、このレギュ
レータ102Aで設定される空気路内の圧力を検出する
圧力センサ104Aと、この圧力センサ104Aが設け
られた空気路に配置された2系統の絞り、すなわち微動
側の固定絞り106A及び粗動側のスピコン(可変絞
り)105Aと、固定絞り106A及びスピコン105
Aを切り替える(択一的にオン状態にする)3ポート電
磁弁107Aと、当該空気路そのものをオン・オフする
2ポート電磁弁108Aとを有している。
【0040】同様に第2回路38bは、排気側の圧力を
設定するレギュレータ102aと、このレギュレータ1
02aで設定された空気路内の圧力を検出する圧力セン
サ104aと、この圧力センサ104aが設けられた空
気路に配置された2系統の絞り、すなわち微動側の固定
絞り106a及び粗動側のスピコン105aと、固定絞
り106a及びスピコン105aを切り替える3ポート
電磁弁107aと、当該空気路そのものをオン・オフす
る2ポート電磁弁108aとを有している。第1回路3
8aと第2回路38bとの合流点には、第1の空圧制御
回路37Aの供給圧力を検出する圧力センサ103Aが
設けられている。なお、第1回路38aではレギュレー
タ102Aにより給気方向(図4において左方向)の空
気の流れのみが可能ので、第2回路38bではレギュレ
ータ102aにより排気方向(右方向)の空気の流れの
みが可能である。
【0041】ここで、固定絞り106A,106aは、
ステンレスもしくはルビー等の硬質の素材にレーザ加工
等により微細な孔を設けたもので、その孔径はφ50μ
mからφ300μm位のものが使用されているが、これ
に代えて精密ニードル弁のような可変絞りを用いても構
わない(以下の第2、第3の空圧制御回路において同
じ)。
【0042】除振パッド4Dに供給及び排気される空気
の流量はそれぞれの絞りの有効断面積と第1回路(給気
側回路)38aと第1の空圧制御回路37Aとの圧力
比、第2回路(排気側回路)38bと第1の空圧制御回
路37Aとの圧力比とによって決定されるので、レギュ
レータ102A、102aによる圧力の設定、微動側の
固定絞り106A,106a及び粗動側のスピコン10
5A,105aの切り替えにより流量は任意に設定可能
となる。
【0043】第2の圧力制御回路37Bは、図2に示す
除振パッド4Cに供給する空気の流量を制御するための
回路で、第1の圧力制御回路37Aと同様に、相互に並
列な第3回路39aと第4回路39bとを有する。第3
回路39aはレギュレータ102B、圧力センサ104
B、微動側の固定絞り106B、粗動側のスピコン10
5B、3ポート電磁弁107B、2ポート電磁弁108
Bとを有している。また、第4回路39bは、レギュレ
ータ102b、圧力センサ104b、微動側の固定絞り
106b、粗動側のスピコン105b、3ポート電磁弁
107b、2ポート電磁弁108bとを有している。ま
た、第3回路39aと第4回路39bとの合流点には、
第2の空圧制御回路37Bの供給圧力を検出する圧力セ
ンサ103Bが設けられている。
【0044】第3の圧力制御回路37Cは、図2に示す
除振パッド4Aおよび4Bに供給する空気の流量を制御
するための回路で、これも、第1の圧力制御回路37A
と同様に、相互に並列な第5回路40aと第6回路40
bとを有する。第5回路40aはレギュレータ102
C、圧力センサ104C、微動側の固定絞り106C、
粗動側のスピコン105C、3ポート電磁弁電磁弁10
7C、2ポート電磁弁108Cとを有している。また、
第6回路40bは、レギュレータ102c、圧力センサ
104c、微動側の固定絞り106c、粗動側のスピコ
ン105c、3ポート電磁弁107c、2ポート電磁弁
108cとを有している。また、第5回路40aと第6
回路40bとの合流点には、第3の空圧制御回路37C
の供給圧力を検出する圧力センサ103Cが設けられて
いる。
【0045】第2、第3の空圧制御回路37B,37C
においても、第1の空圧制御回路37Aと同様に、レギ
ュレータによる圧力の設定、固定絞り及びスピコンの切
り替えにより流量は任意に設定可能となっている。
【0046】また、図4においては、4個の除振パッド
のうち手前の2個、すなわち除振パッド4A,4Bを同
一の空圧系統で制御する場合を例示したが、空圧制御部
37においては、除振パッド4A〜4Dに空気を供給す
る径路は3系統あり、各系統の空圧制御回路を除振パッ
ド4A〜4Dに接続する方法(組み合わせ)としては、
図5(A)、図5(B)、図5(C)に示されるように
種々の変形が可能であり、露光本体部40の重心位置、
除振パッド4A〜4Dの配置に応じてこれらのいずれか
を選択することにより、露光本体部40の傾き量の制御
性を最適な状態にすることが可能である。
【0047】また、露光本体部40を支持する除振パッ
ド4A〜4Dのそれぞれの内圧は露光本体部40の重量
及び重心位置、そして除振パッド4A〜4Dの配置によ
り決まる。また、露光本体部40が設定された高さ及び
水準にあるとき、除振パッド4A〜4Dに必要な圧力は
圧力センサ103A、103B、103Cによってモニ
ターすることができる。
【0048】次に、除振パッドに供給する空気流量の調
整方法について、説明する。
【0049】前提として、露光本体部40の重量及び重
心位置、そして除振パッド4A〜4Dの配置に応じて定
まる除振パッド4A〜4Dに必要な圧力に基づいて固定
絞り106A、106B、106C及び106a、10
6b、106cが選定されているものとする。
【0050】各除振パッドに対する目標供給圧力に応じ
てレギュレータ102A、102B、102C及び10
2a、102b、102cを調整する。この調整の際、
流量測定を行っても良いが、本実施例では先に説明した
ように変位センサ10Z1、10Z2 、10Z3 、
制御装置11内部の非干渉化計算部56、空圧制御部3
7及び除振パッド4A〜4Dによって、定盤6の傾きを
全部又は一部補正する位置制御ループが構成されている
ので、変位センサ10Z1 、10Z2 、10Z3
の出力に基づいて除振パッド4A〜4Dの高さ変化速度
を求めるようになっている。なお、レギュレータ102
A、102B、102C及び102a、102b、10
2cの調整の際には、圧力センサ104A、104B、
104C及び104a、104b、104cのモニター
値を目安にするとよい。
【0051】次に、スピコン105A、105B、10
5C及び105a、105b、105cの調整を行い、
粗動側の流量を決定する。
【0052】上記のようにして構成された空圧制御部3
7によれば、除振パッド4A〜4Dに供給する空気の流
量制御を粗動、微動の2系統に切り換えることにより、
除振台としての定盤6の位置制御ループのゲインを高低
2種類の任意の状態に設定することが可能となる。
【0053】図6(A)は高ゲインのみで制御した場
合、図6(B)は低ゲインのみで制御した場合を示す。
前者の場合目標位置に到達するまでの時間は早いが、収
束性が悪く不感帯が大きい。一方、後者の場合、目標位
置に到達するまでの時間は遅いものの、収束性が良く不
感帯が小さい。
【0054】図6(C)には、本実施形態の空圧制御回
路37A〜37Cを用いて高ゲインから低ゲインに切り
換えたときの時間応答例を示す。この図6(C)を、図
6(A)、(B)と比較すれば、明らかなように、図6
(C)の場合には、位置制御における時間応答を犠牲に
することなく、不感帯を小さくすることが可能となる。
【0055】前述のように、除振台の除振は除振パッド
(空圧式アクチュエータ)と電磁式アクチュエータとを
併用して行うものであるが、両アクチュエータの特徴、
すなわち、空圧式アクチュエータは応答はゆっくりだが
大きな駆動力を得ることができるとともに発熱が小さ
く、これに対して電磁式アクチュエータは高速応答性を
有するが発熱が大きいという特徴を考慮して、低周波数
帯の振動を空圧式アクチュエータにより抑制し、高周波
数帯の振動を電磁式アクチュエータにより抑制する。
【0056】このため、非干渉化計算部56において
は、まず両アクチュエータにより必要な合計駆動力を例
えば図7(A)に示すように求め、このように変動する
駆動力信号204を、図8に示すように、例えば、0.
1HzのLPF(ローパスフィルタ)200を通して、
低周波駆動信号205を図7(B)に示すように取り出
し、この低周波駆動力信号205を用いて空圧式アクチ
ュエータを駆動する。
【0057】一方、電磁式アクチュエータについては、
加算器201により、図7(A)に示す合計駆動力信号
204から図7(B)に示す低周波分の駆動力信号20
5を減じて得られた高周波分の駆動力信号206を用い
て駆動制御を行う。これにより、電磁式アクチュエータ
の駆動力は比較的小さな高周波分の除去のみで良くな
り、電磁式アクチュエータの発熱が小さくなる。
【0058】このように両アクチュエータの特性をうま
く生かすようにこれらを併用することにより、位置制御
応答性を確保しつつ、除振性能を劣化させることなく、
環境温度変化を抑えるようにしている。但し、この場合
に、例えば、除振パッド(空圧式アクチュエータ)駆動
制御用の電磁弁が作動不良を起こしたような場合には、
電磁式アクチュエータがこれをカバーすべく過剰に作動
して発熱が増加し、環境温度変化が増大するおそれがあ
る。このような作動不良が発生すると、駆動力が不足
し、例えば、図7における時間t=3.0秒以降の状態
に示されるように、合計駆動力信号が大きくなる。その
結果、低周波分の駆動力信号についても、大きくなる。
また、加速センサ又は位置センサが壊れて、各センサか
らのセンサ出力が飽和した状態のままである場合などが
ある。このような作動不良の場合にも、低周波分の駆動
力信号が大きくなる。
【0059】そこで、本発明では低周波駆動信号205
が所定値以上(本例では60N(ニュートン)以上)と
なっか否かを検知する警報モニタ210を設け、低周波
駆動信号205が図7(B)の時間t=4.0における
ように所定値(60N)以上となったときには、この警
報モニタ210により警報ランプ211を点灯させ、警
報ブザー212を鳴らすようにしている。これにより、
何らかの異常が発生したことを知ることができるので、
装置の作動を停止し、異常箇所の有無の点検を行えばよ
い。
【0060】なお、上記実施形態では本発明に係る除振
装置がステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の
投影露光装置に適用される場合を例示したが、本発明の
除振装置はステッパ方式の投影露光装置であっても定盤
上をステージが移動するものであるから好適に適用でき
るものである。ステッパ方式の投影露光装置の場合に
は、一括露光型であるので露光時にはステージは停止し
ているからスキャンカウンタは不要である。
【0061】また、上記実施例では、7つの電磁式アク
チュエータと4つの除振パッドを用いて露光体本部40
の6自由度方向の揺れを抑制する場合について例示した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、定盤(除
振台)の傾斜を補正できれば良いので、Z方向の電磁式
アクチュエータは少なくとも3つ、除振パッドについて
も少なくとも3つあれば良い。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
応答は遅いが大きな駆動力が得られ且つ発熱の小さな第
2アクチュエータ(空圧式アクチュエータ)により除振
台の平面保持(4点のZ軸方向保持)および低周波数成
分の除去という比較的大きく緩やかな動きを抑制し、発
熱は大きいが応答の速い第1アクチュエータ(電磁式ア
クチュエータ)により高周波成分の除去という細かく速
い動きを抑制するようになっており、このような組み合
わせにより、位置制御応答性を確保しつつ、除振性能を
劣化させることなく、しかも環境の温度変化を抑えるこ
とができる。
【0063】その上で、本発明においては、第2アクチ
ュエータの駆動力が所定値以上となったときに(特に、
所定時間以上継続して所定値以上となったときに)警報
手段により警報作動を行うので、例えば、第2アクチュ
エータが作動不良を起こしたような場合、加速度センサ
又は位置センサが壊れた場合などには、これを確実に検
出できる。このため、第2アクチュエータが作動不良を
起こしてこれを第1アクチュエータにより補って発熱量
が増加することを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の投影露光装置を示す斜視図であ
る。
【図2】除振パッドを駆動制御するシステムの概略斜視
図である。
【図3】電磁式アクチュエータ及び除振パッドの制御系
の構成を示す制御ブロック図である。
【図4】除振パッドに供給される空気流量を制御するた
めの空圧制御回路の構成例を示す図である。
【図5】(A)、(B)、(C)は、除振パッドに対す
る空圧制御回路の接続方法の例を示す図である。
【図6】除振パッドによる位置制御応答例を示す図であ
って、(A)は高ゲインの場合、(B)は低ゲインの場
合、(C)はゲインを切り換えた場合をそれぞれ示す。
【図7】アクチュエータ駆動用の合計駆動力信号の時間
変化(A)と、低周波分の駆動力信号の時間変化(B)
とを示すグラフである。
【図8】両アクチュエータの駆動信号の分離抽出を行う
回路および警報作動を行う回路構成を示す図である。
【符号の説明】
4A〜4C 除振パッド 5Z1〜5Z3,5Y1,5Y2,5X 加速度センサ
(振動センサ) 6 定盤(除振台) 7A〜7D,32A〜32C 電磁式アクチュエータ 10Z1〜10Z3 変位センサ(第2制御系の一部) 10Y1,10Y2,10X 変位センサ 11 制御装置(第1制御系) 20 XYステージ(基板ステージ) 27 レチクルステージ 37A〜37C 空圧制御回路(第2制御系の一部) 40 露光本体部 56 非干渉化計算部(第2制御系の一部) 100 露光装置 200 LPF(ローパスフィルタ) 210 警報モニタ 211 警報ランプ 212 警報ブザー R レチクル(マスク) PL 投影光学系 W ウエハ(感光基板)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの移動可能なステージを
    有する除振台と、 この除振台を異なる水平位置において鉛直方向に駆動す
    る少なくとも3個の第1アクチュエータと、 前記除振台を異なる水平位置において鉛直方向に駆動す
    る少なくとも3個の第2アクチュエータと、 前記除振台の変位および振動を検出する少なくとも一つ
    のセンサと、 このセンサにより検出される前記除振台の振動変位のう
    ち、高周波数帯の振動を抑制させるように前記第1アク
    チュエータの駆動制御を行う第1駆動制御系と、 前記センサにより検出される前記除振台の振動変位のう
    ち、オフセット成分を含む低周波数帯の振動を抑制させ
    て前記除振台を水平に保持させるように前記第2アクチ
    ュエータの駆動制御を行う第2駆動制御系と、 この第2駆動制御系により駆動制御された前記第2アク
    チュエータの駆動力が所定値以上となったときに警報作
    動を行う警報手段とを備えてなることを特徴とする除振
    台の駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記警報手段は、前記第2アクチュエー
    タの駆動力が所定時間以上継続して所定値以上となった
    ときに警報作動を行うことを特徴とする請求項1に記載
    の除振台の駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1アクチュエータが電磁力を用い
    て前記鉛直方向の駆動を行う電磁式アクチュエータから
    なり、前記第2アクチュエータが空気圧を用いて前記鉛
    直方向の駆動を行う空圧式アクチュエータからなること
    を特徴とする請求項1もしくは2に記載の除振台の駆動
    制御装置。
  4. 【請求項4】 前記センサが、前記除振台の変位を検出
    する変位センサおよび前記除振台の振動を検出する振動
    センサからなり、 前記振動センサにより検出された前記除振台の振動か
    ら、前記高周波数帯の振動成分と前記低周波数帯の振動
    成分とを分離抽出するフィルタ手段を有することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の除振台の駆動制
    御装置。
  5. 【請求項5】 前記センサが、前記除振台の変位を検出
    する変位センサおよび前記除振台の振動を検出する振動
    センサからなり、 前記変位センサの検出値に基づいて前記第2アクチュエ
    ータの駆動を制御し、前記除振台を水平に保持させるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の除振台
    の駆動制御装置。
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Cited By (2)

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US7024284B2 (en) 2003-11-17 2006-04-04 Canon Kabushiki Kaisha Anti-vibration technique
JP2010196777A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Tokyo Institute Of Technology ロータリアクチュエータ

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