JPH10281163A - 軸受用保持器ならびにその製造方法 - Google Patents

軸受用保持器ならびにその製造方法

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JPH10281163A
JPH10281163A JP8494297A JP8494297A JPH10281163A JP H10281163 A JPH10281163 A JP H10281163A JP 8494297 A JP8494297 A JP 8494297A JP 8494297 A JP8494297 A JP 8494297A JP H10281163 A JPH10281163 A JP H10281163A
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rivet
ring plates
metal
ring
nitride layer
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JP8494297A
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Hideki Fujiwara
英樹 藤原
Haruo Kimura
治生 木村
Kazuhisa Kajiwara
一寿 梶原
Hiroshi Ueno
弘 上野
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/42Ball cages made from wire or sheet metal strips
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    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/04Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軸受用保持器において、無駄なコストアップを
伴わずに2枚のリング板の結合部位を強化できるように
すること。 【解決手段】2枚の金属製のリング板2,3を掌合した
状態で円周数箇所に玉7の収容用のポケット8を形成
し、両リング板2,3の各ポケット8間の領域を金属製
のリベット4により結合してなる軸受用保持器1であっ
て、リング板2,3の表面部分およびリベット4の表面
部分に窒化層11が形成されている。このようにリング
板2,3だけでなくリベット4にも同じ窒化層11を形
成しているから、リング板2,3の結合部位が強化され
ることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受用保持器なら
びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば玉軸受に用いられるいわゆ
る波形保持器は、2枚の金属製のリング板を掌合した状
態で円周数箇所に玉収容用のポケットを形成し、両リン
グ板の各ポケット間の領域を金属製のリベットで結合し
た構成になっている。
【0003】なお、使用用途によっては、2枚のリング
板に軟窒化処理を施すことにより表面に窒化層を形成す
ることもある。この軟窒化処理では、リング板それぞれ
を個別に分離した状態において行う。リベットは生材の
ままである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した波形保持器を
用いる玉軸受では、潤滑条件が悪い場合あるいは、モー
メント荷重が大きくなる場合など、波形保持器のポケッ
ト内において玉それぞれの進み遅れの発生頻度が多くな
る。このような玉の進み遅れに伴い、波形保持器を構成
する2枚のリング板の結合部位つまりリベットに衝撃荷
重が作用するため、リベットが破損しやすくなる。
【0005】これに対して、リベットを高グレードな材
料例えばステンレス鋼とすることもあるが、この場合、
言うまでもなく材料が高価であるため、軸受価格が高く
つくことになる。
【0006】したがって、本発明は、軸受用保持器にお
いて、無駄なコストアップを伴わずに2枚のリング板の
結合部位を強化できるようにすることを目的としてい
る。また、本発明は、2枚のリング板の結合部位を強化
した軸受用保持器を無駄なコストアップを伴わずに製造
できるようにする製造方法の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の軸受用保
持器は、2枚の金属製のリング板を掌合した状態で円周
数箇所に玉収容用のポケットを形成し、両リング板の各
ポケット間の領域を金属製のリベットにより結合してな
るもので、リング板の表面部分およびリベットの表面部
分に窒化層が形成されている。
【0008】本発明の第2の軸受用保持器は、2枚の金
属製のリング板を掌合した状態で円周数箇所に玉収容用
のポケットを形成し、両リング板の各ポケット間の領域
を金属製のリベットにより結合してなるもので、リング
板の表面部分およびリベットの表面部分に窒化層が形成
されていて、このリベットの内部が母材状態に維持され
ている。
【0009】本発明の第1の軸受用保持器の製造方法
は、2枚の金属製のリング板を掌合した状態で円周数箇
所に玉収容用のポケットを形成し、両リング板の各ポケ
ット間の領域を金属製のリベットにより結合してなる軸
受用保持器を製造する方法であって、2枚のリング板を
近接配置するとともに両リング板のリベット孔間にリベ
ットを挿通した状態で窒化処理を施し、その後、両リン
グ板を掌合させてリベットの端縁をかしめる。
【0010】本発明の第2の軸受用保持器の製造方法
は、2枚の金属製のリング板を掌合した状態で円周数箇
所に玉収容用のポケットを形成し、両リング板の各ポケ
ット間の領域を金属製のリベットにより結合してなる軸
受用保持器を製造する方法であって、2枚のリング板を
近接配置するとともに両リング板のリベット孔間にリベ
ットを挿通した状態で、これらの表面に形成されている
酸化物を金属ふっ化膜に置き換るふっ化処理を施してか
ら、窒化処理を施し、その後、両リング板を掌合させて
リベットの端縁をかしめる。
【0011】要するに、上記本発明では、リベットを高
グレードな材料とせず従前からのものとし、それに窒化
層を形成するようにしている。これにより、リベットの
硬度、耐摩耗性、耐熱性、耐食性などの特性が向上す
る。しかも、リベットに窒化層を形成するにあたって、
2枚のリング板に窒化層を形成するときに同時に形成す
るようにしているから、リベットに対して窒化層を形成
するための専用の工程を増やさずに済む。
【0012】また、窒化層の形成前にリング板やリベッ
トの表面に形成されてある酸化物を金属ふっ化膜に置き
換えるようにすれば、窒化層を形成するときの処理につ
いて、窒素の拡散が迅速に行われるようになるので、処
理時間の短縮が可能となるとともに、窒化層を緻密かつ
平滑と高品位化できるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の詳細を図1ないし図7に
示す各実施形態に基づいて説明する。
【0014】図1ないし図7は本発明の一実施形態にか
かり、図1は、波形保持器の斜視図、図2は、波形保持
器の一部の側面図、図3は、図2の(3)−(3)線に
沿う断面図、図4は、窒化層の拡大断面図、図5は、波
形保持器の製造工程図、図6は、リベットの表面からの
深さ位置における硬度を示す図表、図7は、リング板の
表面からの深さ位置における硬度を示す図表、である。
【0015】図中、1は波形保持器の全体を示してお
り、2枚のリング板2,3と、これら2枚のリング板
2,3を結合する複数のリベット4とから構成されてい
る。
【0016】リング板2,3は、同じ形状であり、円周
数箇所に半円形に膨出する湾曲部5,6が設けられて波
形に形成されている。これら2枚のリング板2,3を軸
方向で掌合させることにより、各リング板2,3の対応
する湾曲部5,6どうしが転動体としての玉7を包んで
保持するポケット8を形成する。このリング板2,3の
湾曲部5,6それぞれの間の領域にはリベット孔9,1
0がそれぞれ設けられている。リベット4は、ほぼ半球
形の頭部が形成された円柱形のピンからなるが、このピ
ンの根元側の長手方向ほぼ半分が大径に、先端側残り半
分が小径に形成されている。このリベット4が、2枚の
リング板2,3を掌合した状態で各ポケット8の間の領
域のリベット孔9,10に挿通され、リベット4の小径
部分の端縁がかしめ変形されることにより、2枚のリン
グ板2,3を非分離に結合するようになっている。この
結合状態では、ポケット8に玉7が抜け出ないように所
要の隙間を介して保持されるようになる。
【0017】これらリング板体2,3は、JIS規格S
PCCを素材としてプレス成形により製作され、リベッ
ト4は、JIS規格SWCH12Aを素材としてプレス
成形により製作される。そして、2枚のリング板2,3
および各リベット4の表面部分には窒化層11が形成さ
れている。この窒化層11は、図4に示すように、母材
となる鋼の表面から内側に向かってCrN、Fe2 N、
Fe3 N、Fe4 N等の窒化物を含有する超硬質な化合
物層12と、それに続く内部にN原子の拡散層13とか
ら構成されている。このリング板2,3およびリベット
4の内部は、母材となる鋼の組成が維持されている。特
に、リベット4については、そのかしめ変形を無理なく
行えるようにするために、窒化層11の深さをピン部分
の直径の約50%以下に設定するのが好ましい。
【0018】このような波形保持器1では、窒化層11
をリング板2,3だけでなくリベット4にも形成してい
るから、ポケット8内での玉7の摺動時の潤滑性が良好
となるだけでなく、リベット4が強化されることにな
り、波形保持器1において玉7の進み遅れによる衝撃荷
重を受けてもリベット4が破損しにくくなる。
【0019】次に、上述した波形保持器1の製造方法に
ついて説明する。
【0020】まず、リング板2,3およびリベット4を
用意する。このリング板体2,3は、JIS規格SPC
Cを素材としてプレス成形により製作され、リベット4
は、JIS規格SWCH12Aを素材としてプレス成形
により製作される。
【0021】用意したリング板2,3を、図5に示すよ
うに、所要間隔離して平行に配置し、それらの各リベッ
ト孔9,10に対してリベット4を架け渡すように挿入
する。この状態において、リング板2,3およびリベッ
ト4の表面を浄化する。この浄化は、母材を、3ふっ化
窒素(NF3 ),窒素等の混合気中に、所要温度T
1(例えば300℃〜400℃の範囲で、好ましくは3
20℃)に所要時間(例えば10分〜120分の範囲
で、好ましくは60分)保持する。これにより、母材の
表面の酸化物等は、除去されると同時に、金属ふっ化膜
に置き換えられる。このとき、リベット4においてリン
グ板2,3のリベット孔9,10に挿入されている部分
も若干の隙間が存在するから、この部分も浄化される。
この際に、表面に形成される金属ふっ化膜は、不働態膜
であるので、表面への酸素の吸着や酸化作用を防止し、
次の窒化処理まで酸化物の生成を阻止する。なお、ふっ
化ガスとしては、NF3 、BF3 、CF4 、HF、SF
6 、F2 の単独もしくは混合物からなる弗素源成分をN
2 等の不活性ガス中に合有させたガスが好適に用いられ
る。なかでも、安全性、反応性、コントロール性、取扱
性等の点でNF3 が最も優れており、実用的である。こ
のようなふっ素系ガスでは、効果の点から、NF3等の
ふっ素源成分が0.05%〜20%(重量基準、以下同
じ)、好ましくは3%〜5%の範囲内の濃度に設定され
る。
【0022】引き続いて、窒化処理を行う。ここでは、
ふっ化処理されたリング板2,3およびリベット4を、
所定の反応ガス、例えばNH3 単体からなるガスまたは
NH3 と炭素源とからなる混合ガス(例えばRXガス)
中に、所要温度T2 (例えば480℃〜700℃の範囲
で、好ましくは520℃)で、所要時間(例えば0.5
時間〜5時間の範囲で、好ましくは3時間)保持する。
これにより、リング板2,3およびリベット4の表面部
分に窒化層11が形成される。このとき、前述のふっ化
処理での温度T1 から窒化処理での温度T2 に、昇温す
る過程では、対象品の表面の金属ふっ化膜が活性化膜と
なるために、窒化処理において窒素が金属内部に速やか
に深く浸透、拡散しやすくなる。その後、所要時間をか
けて冷却される。このとき、冷却終了まで、窒素ガス中
に保持されているから、表面に酸化物が生成されない。
なお、窒化層11の深さは、例えば0.005〜0.0
20mmに設定することができ、窒化層11の深さ等に
応じて、窒化処理での温度T2 及び保持時間を適宜設定
すればよい。
【0023】この後、リベット4の小径部分をかしめる
ことにより、2枚のリング板2,3を結合する。このか
しめは、波形保持器1の使用対象となる転がり軸受の内
・外輪(図示省略)間に複数の転動体を介装して、この
転動体を円周等配としておいて、これら転動体をリング
板2,3の湾曲部5,6で挟むようにして行う。
【0024】このような製造方法では、リベット4に対
する窒化層11の形成を、リング板2,3に対する窒化
層11の形成と同時に行うようにして、別工程にしてい
ないから、製造コストが増加することがない。また、窒
化層11の形成にあたってリング板2,3に対してリベ
ット4を仮止めした状態にしているから、各リング板
2,3を非接触に保持できるようになり、リング板2,
3に対する窒化層11の形成も良好に行われるようにな
る。
【0025】なお、上記実施形態において、ふっ化処理
をせずに窒化処理のみを施して窒化層11を得るように
したものも本発明に含む。
【0026】しかし、上記実施形態で説明したように窒
化処理の前段にふっ化処理を行う場合、窒化処理での温
度T2 を、通常の窒化処理のみを行う場合に比べて低く
設定できるようになり、母材の熱歪みの発生を抑制でき
るようになる。ちなみに、上記実施形態で説明したよう
にふっ化処理と窒化処理とを経て形成した窒化層11の
断面を電子顕微鏡(機種:オリンパスPMG3、倍率4
00倍)で観察すると、平均粒子径が1μm以下で、緻
密にかつ平滑に形成されていた。この窒化層11の表面
粗さは、それを形成する前の対象品の表面粗さ(中心線
平均粗さRa=0.7μm〜1.0μm、十点平均粗さ
Rz=4.0μm〜7.0μm、最大高さRmax=
4.5μm〜7.5μm)とほとんど同じに維持され
る。これに対してふっ化処理をせずに窒化処理のみを施
して窒化層11を形成した場合の表面粗さは、Ra=
1.5μm〜2.0μm、Rz=10.0μm〜15.
0μm、Rmax=14.0μm〜18.0μmとな
り、前述のふっ化処理を施した場合のほうが優れたもの
になる。さらに、上記実施形態での窒化層11と、ふっ
化処理をせずに窒化処理のみを施した窒化層とについて
の摩擦係数は、無潤滑状態で、それぞれ0.24、0.
54となり、やはりふっ化処理を施した場合のほうが2
分の1以下と優れたものになる。なお、実験は、HRI
DON式摩耗試験機にて、試験片(表面に窒化層6を形
成したSPCC材)にボール(SUJ2材)を荷重20
0gf,速度100mm/秒、距離20mmで10往復
させ、その際の動摩擦係数を測定し、各測定値の最大値
の平均値を求めた。これらのことを考慮すると、玉7の
摺動面となるリング板2,3については、上記実施形態
で説明したようにふっ化処理と窒化処理とを施すほうが
好ましいと言える。
【0027】ここで、リベット4の硬さを調べているの
で、図6に示して説明する。
【0028】まず、リベット4については、実施例1と
従来例とを調べている。実施例は、上記実施形態で説明
したようにJIS規格SWCH12Aを素材としたリベ
ット4に対してふっ化処理と窒化処理とを経て窒化層1
1を形成したものとしている。比較例は、ステンレス鋼
を素材としたリベット4の生材としている。従来例は、
JIS規格SWCH12Aを素材としたリベット4の生
材としている。結果は、図6に示すように、実施例が比
較例および従来例より強化されていた。このビッカース
硬さ試験での荷重は、いずれも50gfである。なお、
ふっ化処理を省いても同等の硬さを得ることができる。
【0029】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではなく、種々な応用や変形が考えられる。
【0030】(1) 上記実施形態において、窒化層1
1を形成するとき、リベット4を2枚のリング板2,3
に仮止めした状態としているが、いずれか一方のリング
板に対してリベット4を仮止めした状態としてもよい
し、また、リベット4とリング板2,3とを分離した状
態としてもよい。但し、リング板2,3とリベット4と
を一緒に処理したほうが工程を省略でき、製造コストを
低減できる。
【0031】(2) 上記実施形態では、玉軸受用の波
形保持器1を例に挙げているが、リベットを用いる形式
の保持器であれば、本発明を適用することができる。こ
の波形保持器1は、例えば、2サイクルエンジンおよび
ケロシンエンジンのクランクジャーナル周辺、船舶関
連、4サイクルエンジンのシリンダヘッド回りなど、潤
滑条件が厳しい用途で用いられる転がり軸受に好適に使
用することができる。この他、例えば、図示しないが上
記実施形態での窒化層11の上部に酸化物を被覆すれ
ば、耐食性がより向上することになり、腐食環境での使
用にも十分耐え得るものにできる。
【0032】
【発明の効果】本発明の軸受用保持器は、従来一般的な
素材のリベットに窒化層を形成することにより、リベッ
トの硬度、耐摩耗性、耐熱性、耐食性などの特性を向上
させているから、2枚のリング板の結合部位が強化され
ることになる。そのため、玉などの転動体の進み遅れに
伴う衝撃荷重を受けても結合部位が破損しにくくなるな
ど、信頼性の向上に貢献できるようになる。
【0033】また、本発明の軸受用保持器の製造方法で
は、リベットに窒化層を形成するにあたって、2枚のリ
ング板に窒化層を形成するときに同時に形成するように
しているから、リベットに対して窒化層を形成するため
の専用の工程を増やさずに済むなど無駄を省けるように
なり、製造コストを従来と同じにできる。
【0034】この他、請求項4のように、窒化層の形成
前にリング板やリベットの表面に形成されてある酸化物
を金属ふっ化膜に置き換えるようにすれば、窒化層を形
成するときの処理について、窒素の拡散が迅速に行われ
るようになるので、処理時間の短縮が可能となるととも
に、窒化層を緻密かつ平滑と高品位化できるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の波形保持器の斜視図
【図2】波形保持器の一部の側面図
【図3】図2の(3)−(3)線に沿う断面図
【図4】窒化層の拡大断面図
【図5】波形保持器の製造工程図
【図6】リベットの表面からの深さ位置における硬度を
示す図表
【符号の説明】
1 波形保持器 2,3 リング板 4 リベット 5,6 リング板の湾曲部 7 玉 8 ポケット 9,10 リング板のリベット孔 11 窒化層 12 窒化層の化合物層 13 窒化層の拡散層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 弘 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋 精工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の金属製のリング板を掌合した状態
    で円周数箇所に玉収容用のポケットを形成し、両リング
    板の各ポケット間の領域を金属製のリベットにより結合
    してなる軸受用保持器であって、 前記リング板の表面部分およびリベットの表面部分に窒
    化層が形成されている、ことを特徴とする軸受用保持
    器。
  2. 【請求項2】 2枚の金属製のリング板を掌合した状態
    で円周数箇所に玉収容用のポケットを形成し、両リング
    板の各ポケット間の領域を金属製のリベットにより結合
    してなる軸受用保持器であって、 前記リング板の表面部分およびリベットの表面部分に窒
    化層が形成されていて、このリベットの内部が母材状態
    に維持されている、ことを特徴とする軸受用保持器。
  3. 【請求項3】 2枚の金属製のリング板を掌合した状態
    で円周数箇所に玉収容用のポケットを形成し、両リング
    板の各ポケット間の領域を金属製のリベットにより結合
    してなる軸受用保持器の製造方法であって、 2枚のリング板を近接配置するとともに両リング板のリ
    ベット孔間にリベットを挿通した状態で窒化処理を施
    し、その後、両リング板を掌合させてリベットの端縁を
    かしめる、ことを特徴とする軸受用保持器の製造方法。
  4. 【請求項4】 2枚の金属製のリング板を掌合した状態
    で円周数箇所に玉収容用のポケットを形成し、両リング
    板の各ポケット間の領域を金属製のリベットにより結合
    してなる軸受用保持器の製造方法であって、 2枚のリング板を近接配置するとともに両リング板のリ
    ベット孔間にリベットを挿通した状態で、これらの表面
    に形成されている酸化物を金属ふっ化膜に置き換るふっ
    化処理を施してから、窒化処理を施し、その後、両リン
    グ板を掌合させてリベットの端縁をかしめる、ことを特
    徴とする軸受用保持器の製造方法。
JP8494297A 1997-04-03 1997-04-03 軸受用保持器ならびにその製造方法 Pending JPH10281163A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013157543A1 (ja) 2012-04-17 2013-10-24 日本精工株式会社 波形保持器およびその製造方法
WO2014208325A1 (ja) 2013-06-27 2014-12-31 日本精工株式会社 波形保持器の製造方法及び波形保持器
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