JPH10277459A - カーテン塗布装置 - Google Patents

カーテン塗布装置

Info

Publication number
JPH10277459A
JPH10277459A JP9219697A JP9219697A JPH10277459A JP H10277459 A JPH10277459 A JP H10277459A JP 9219697 A JP9219697 A JP 9219697A JP 9219697 A JP9219697 A JP 9219697A JP H10277459 A JPH10277459 A JP H10277459A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
web
curtain
coating
contact
shield
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9219697A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Kasai
克彦 葛西
Shunsuke Takahashi
俊介 高橋
Yutaka Kita
豊 北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP9219697A priority Critical patent/JPH10277459A/ja
Publication of JPH10277459A publication Critical patent/JPH10277459A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ウェブの移動により発生する同伴空気をカーテ
ンから遮断する為の遮蔽物がウェブに接触されるカーテ
ン塗布装置において、ウェブと塗布液間への気体の進入
を解決し、かつ連続走行する紙の紙粉、毛羽立ち、塗被
紙の粉落ち、フィルム等への傷、磨耗の問題等を発生さ
せないで安定した品質の製品を製造する為のカーテン塗
布装置を提供すること。 【解決手段】遮蔽物のウェブに接触される接触部材が回
転ロールであるか又は、酸化物系、炭化物系、窒化物
系、ホウ化物系、ケイ化物系、硫化物系のセラミック等
の耐磨耗性に優れた材料からなり、滑らかな弧からなる
面を有するカーテン塗布装置。更には該接触部からウェ
ブの上流側に吸引装置により負圧領域を設けるカーテン
塗布装置であり、該接触部を二つ以上有し、該接触部の
間において吸引装置により負圧領域を設けるカーテン塗
布装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用紙、感圧記
録紙、感熱記録紙、印画紙、印刷製版材料等の製造にお
いて、連続走行する紙、塗被紙、フィルム等のウェブ
に、液状塗布材料を高速で塗布するときに問題となる、
ウェブ塗布液間への気体の進入を解決し、かつ連続走行
する紙の紙粉、毛羽立ち、塗被紙の粉落ち、フィルム等
への傷等を発生させないで安定した品質の製品を製造す
るためのカーテン塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カーテン塗布方法は、一種以上の塗布液
で自由落下カーテンを形成し、これを塗布される材料に
衝突させ、塗布される材料上で塗膜を形成する方法であ
り、鉄板の表面塗布方法としては古くから用いられてき
た。カーテン塗布方法において、ウェブ上に塗膜を形成
するときに、未塗布部が生じたり、塗布ムラが生ずるこ
とがある。
【0003】この原因の一つに、ウェブ表面と塗布液の
親和性が悪い場合がある。この場合は、物理的な手段、
化学的な手段を用いてウェブと塗布液の親和性を上げる
ことによって解決されるものである。もう一つの原因と
して、ウェブ表面の同伴空気の問題がある。同伴空気
は、ウェブと塗布液の間に進入して未塗布部を生じさせ
たり、カーテンを揺らして塗布ムラを生じるなどの問題
を引き起こし、塗布速度が上がるほど顕著になるため、
カーテン塗布方法では塗布速度を上げることのできない
主要な原因の一つになっている。
【0004】写真感光材料を塗布するための代表的な塗
布装置であるスライドホッパー型カーテン塗布装置で
は、塗布地点(ウェブと塗布液が接する地点)で減圧に
して塗布線のヒール部をウェブ上流側へ引き込み、塗布
を安定させている。それだけでは足りずに、特開昭48
−32923号公報に記載されるように、減圧の発生と
同時に溶媒蒸気を発生させたり、特開昭62−2892
64号公報に記載されるように、同伴空気を塗布液に溶
解しやすい気体(炭酸ガス)に置換すると言う手段が開
示されている。
【0005】一方、エクストロージョン型カーテン塗布
装置では、カーテンの落下運動量が同伴空気の層を破壊
するために、スライドホッパー型カーテン塗布装置より
も高い速度領域での塗布が可能である。しかしながら、
塗布速度が上がるにつれ、また、製品品質の欠点の発生
を皆無にするために、同伴空気そのものを取り去る工夫
が数々なされてきた。
【0006】基本的には特公昭49−24133号公報
に記載されるような、同伴空気を遮蔽するための遮風板
をカーテンの上流に設けることである。その後、数々の
工夫がなされたが、代表的なものはカーテン上流部で同
伴空気を吸引する方法であった(特開昭62−2892
64号公報)。しかしながら、同伴空気を吸引する方法
では更に高速度の領域で発生する同伴空気を十分に遮蔽
することはできなかった。
【0007】十分に同伴空気を遮蔽するための効性を確
認している手段として、カーテンの上流部数十ミリのと
ころでウェブと遮蔽物を接触させる方法(以下、接触式
と言う)がある。接触式は物理的に固体の遮蔽物により
同伴空気を遮蔽するため、同伴空気の遮蔽の方法として
は究極の方法であり、他手法では接触式より効率よく同
伴空気を遮蔽することは困難である。
【0008】しかしながら、接触式では、ウェブに遮蔽
物が接触するため、紙等のウェブでは紙粉や毛羽立ちが
発生し、塗被紙等では、塗布構成物が剥がれ落ちる粉落
ちといった結果をもたらし、フィルム等のウェブでは、
ウェブ表面に傷を発生させることもある。また、単に遮
蔽物を接触させた場合、塗布速度が上がるにつれ遮蔽物
の磨耗による問題が発生し、長時間の実際の製造レベル
での運転には適さないものであった。
【0009】つまり、連続走行するウェブに塗布液を塗
布するカーテン塗布装置で、ウェブの走行により発生す
る同伴空気をカーテンから遮蔽する方法において接触式
の効果は大きいが、反面紙粉、毛羽立ち、粉落ち、ウェ
ブ表面の傷、磨耗の問題を発生させないで安定した製品
を製造することは困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、連続
走行するウェブに塗布液を塗布するカーテン塗布装置
で、カーテンがウェブに衝突する地点よりも上流側に、
ウェブの移動により発生する同伴空気をカーテンから遮
断する為の遮蔽物を設け、遮蔽物がウェブに接触される
カーテン塗布装置において、高速で塗布するときに問題
となる、ウェブと塗布液間への気体の進入を解決し、か
つ連続走行する紙の紙粉、毛羽立ち、塗被紙の粉落ち、
フィルム等への傷、磨耗の問題等を発生させないで安定
した品質の製品を製造するためのカーテン塗布装置を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、連続走行する
ウェブに塗布液を塗布するカーテン塗布装置で、カーテ
ンがウェブに衝突する地点よりも上流側に、ウェブの移
動により発生する同伴空気をカーテンから遮断する為の
遮蔽物を設け、遮蔽物がウェブに接触されるカーテン塗
布装置において、遮蔽物のウェブに接触される部分の接
触部材が回転ロールであるか又は、酸化物系セラミッ
ク、炭化物セラミック、窒化物系セラミック、ホウ化物
系セラミック、ケイ化物系セラミック、硫化物系セラミ
ック等の耐磨耗性に優れた材料からなり、滑らかな弧か
らなる面を有するカーテン塗布装置により、高速で塗布
するときに問題となる、ウェブと塗布液間への気体の進
入を解決し、かつ連続走行する紙の紙粉、毛羽立ち、塗
被紙の粉落ち、フィルム等への傷、磨耗の問題等を発生
させないで安定した品質の製品を製造することができ
る。
【0012】更には、接触部からウェブの上流側に吸引
装置により負圧領域を設けたカーテン塗布装置、接触部
を二つ以上有し、接触部間において吸引装置により負圧
領域を設けたカーテン塗布装置により、上記課題を解決
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、本発明
の実施の形態について更に詳しく説明するが、本発明
は、以下の実施形態に限定されることなく、様々な形態
が可能であることはいうまでもない。
【0014】図1は本発明の一実施例を示すカーテン塗
布装置の概略図である。図2、4、5、6は本発明の一
実施例を示すカーテン近傍の側面図であり、図3、7は
各々図2、6の一部の拡大図である。
【0015】まずは図1により、本発明のカーテン塗布
装置の概略を説明する。予め調整された塗布液は、塗布
液貯蔵タンク11より給液ポンプ12によってコーター
ヘッド1へ送られる。コーターヘッド1の内部は、マニ
ホールド6、スリット2からなり、それぞれ高精度の仕
上が施されている。供給された塗布液は、マニホールド
6に満たされ、更にスリット2に送られるときに通過す
る狭い間隙により、ポンプ12の送液による動圧の影響
が軽減され、幅方向における圧力分布が均一化され、リ
ップ3より流出し、垂直なカーテン4を形成する。
【0016】幅方向でプロファイルが均一となったカー
テン4は、連続走行しているウェブ5と接触し、ウェブ
5上に塗膜を形成する。ここで、エッジガイド10a、
10bは、コーターヘッド1の幅を超えず、更にウェブ
5の幅を超えて設けられ、カーテンはウェブ5の幅を超
えて形成される。カーテン4がウェブ5の幅を超えて形
成されているのは、カーテン4の両端部における塗層の
厚塗りを防止するためである。ウェブ5の幅を超えて流
下する塗布液は、受液槽14に回収され、塗布液貯蔵タ
ンク11に戻された後再び塗布される。また、ウェブ5
が切断したときなど塗布が中断された場合も、塗布液は
受液槽14に回収される。
【0017】本発明で使用するカーテンヘッドとして
は、スライドホッパー型、またはエクストロージョン
型、または両者の混合したスライドエクストロージョン
型などが挙げられる。
【0018】形成させたカーテン4を安定した状態で塗
布するためには、ウェブ5からコーターヘッド1下部の
流出部までの高さがある程度必要とされるが、本実施形
態においてはその高さを制御することも可能であり、カ
ーテン4の安定に適した高さは60〜300mm、好ま
しくは100〜250mm、更に好ましくは120〜1
80mmである。
【0019】本発明での遮蔽物7は、カーテン4がウェ
ブ5に衝突する地点よりも上流側に、カーテンヘッド1
に隣接して設けられ、遮蔽物7の先端部にウェブ5に接
触する接触部8を有する接触部材が設置されてある。本
発明では前記の様に、同伴空気の遮蔽は最も効率の良い
接触式で行い、カーテンを安定させておいて、残る問題
を解決するための塗布装置であるため、遮蔽物がウェブ
に接触する型式の接触式である必要がある。
【0020】接触部8の位置は、カーテン4がウェブ5
に衝突する地点からの距離が、200mm以下の上流側
である必要がある。200mmより離れてしまうと、接
触部8より下流で発生する同伴空気流の影響でカーテン
が乱れ、塗布障害を発生させてしまう。但し、200m
m以内であっても、塗布速度等の影響から塗布傷害を発
生しないがカーテンが乱れる場合があるので、接触部8
の位置は、装置の構造上で許容できる範囲内でカーテン
4がウェブ5に衝突する地点に近付けた方が、良好な塗
布結果を得やすい。
【0021】遮蔽物7の素材は特に限定される物ではな
いが、接触部材は図2、3に示す回転ロール15又は耐
磨耗性に優れた材料からなり、図4に示す様な滑らかな
弧からなる面を有する接触部材16である必要がある。
滑らかな弧からなる面を有する接触部材16とは、例え
ば円状、楕円状、角をR加工した物等の形状を言い、
円、楕円については、その一部の弧を有していれば良
い。(図4は円状の一部の弧を有した面の場合で、滑ら
かな弧からなる面を有する接触部材16の一例を示した
図である。)
【0022】耐磨耗性に優れた材料とは、主にセラミッ
ク材料であり、例えば焼結体セラミック材料であり、セ
ラミック成分の固体粒子の成形物を加熱により固着さ
せ、焼結させたセラミックのことを言い、液相焼結、固
相焼結のいづれによる焼結体セラミック材料でも良く、
焼結体セラミック自体の機械的強度を大きくする為に、
加熱しながら加圧するホットプレス法による焼結体セラ
ミック材料を用いても良い。また、溶融したセラミック
原料を吹き付け等により遮蔽物7の先端部に被覆形成さ
せた熔射タイプのセラミック材料を使用し、接触部8を
形成した後、研磨仕上げを行った物を用いても本発明の
効果を妨害することはない。
【0023】セラミック材料の成分としては、耐磨耗性
に優れた以下の具体的に挙げるセラミック成分が例とし
て挙げられるが、これらに限定される物ではない。ま
た、これらを含み2種以上混合した多成分系セラミック
を使用しても良い。
【0024】(1)酸化物系セラミック:ベリリア、ジ
ルコニア、イットリア、チタニア、石英、シリカ、トリ
ア、アルミナ、サファイア、ランタニア等、(2)炭化
物系セラミック:炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タンタ
ル、炭化タングステン、炭化ホウ素、ダイヤモンド、炭
化ニオブ、炭化ジルコニウム等、(3)窒下物系セラミ
ック:窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化アル
ミニウム、サーメット等、(4)ホウ化物系セラミッ
ク:ホウ化ランタン、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウ
ム等、(5)ケイ化物系セラミック、(6)硫化物系セ
ラミック:二硫化モリブデン等。
【0025】上記のように、接触部材は回転するロール
15または、耐磨耗性に優れた材料からなり、滑らかな
弧からなる面を有する接触部材16であることが必要な
のは、通常カーテン塗布は、15m/minの低速塗布
から1500m/min以上の高速塗布が可能であり、
特に高速の場合は、接触部8とウェブ5の摩擦により、
接触部材が磨耗し、本来のウェブ巾方向に対して均一な
接触部材の形状が崩れ、ウェブ巾方向に対して均一な同
伴空気の遮蔽が行われなかったり、磨耗により接触部材
が荒れて、ウェブ5を傷つけたりしてしまうからであ
る。尚、接触部材が回転ロール15の場合は、ウェブ5
の走行に従ってロール15が回転するため、磨耗が無
く、上記の問題が生じない。
【0026】ところで、熔射タイプのセラミックを用い
る場合は、遮蔽物7に対し接着の必要はないが、焼結体
セラミック等の場合は一旦接触部材を作成して後、遮蔽
物7に接着する必要がある。この方法としては、例とし
てエポキシ系熱硬化性樹脂からなる接着剤等を用いて接
着するのが好ましい。ウェブ5と接触部8が摩擦によ
り、熱を発する為、この熱により接触部材料が取れてし
まっては、本発明の効果を十分に発揮することが出来な
くなるからである。また、接触部材に回転ロール15を
用いる場合は、図3に示すように、回転ロール15の端
部にベアリング23を取り付け、ベアリングを土台24
にしっかりと設置し、ウェブ5の走行により、回転ロー
ル15の回転軸が動かないようにする必要がある。ウェ
ブ5の走行により回転軸が上下動し、回転ロール15が
ウェブ上でバウンドするようでは、完全に同伴空気を遮
蔽することが不可能となるからであり、ベアリングを用
いるのは、回転ロール15がスムーズに回転可能にする
ためである。
【0027】尚、エポキシ系熱硬化性樹脂の例として
は、ビスフェノールA形、ビスフェノールB形、ビスフ
ェノールAD形、ビスフェノールS形、2,6−キシレ
ノール形、フェノールノボラック形、O−クレゾールノ
ボラック形、3官能形、テトラフェニロールエタン形、
ポリエチレングリコール形、ポリプロピレングリコール
形、ネオペンチルグリコール形、1,6−ヘキサンジオ
ール形、トリメチロールプロパン形、プロピレンオキサ
イドビスフェノールA形、水添ビスフェノール形、等を
挙げることができるが、特に限定するものではなく、そ
の他のエポキシ系熱硬化性樹脂を用いても良い。
【0028】また、必要に応じて、接着性を改善する
為、硬化剤、或いは他の樹脂、エラストマー、プライマ
ー等を組み合わせて使用しても良い。具体的な例として
は、トリエチレンアミン(TETA)、テトラエチレン
ペンタミン(TEPA)、ジエチレントリアミン(DE
TA)、ジエチルアミノプロピルアミン(DEAPA)
等の脂肪族アミン類、メタフェニレンジアミン(MPD
A)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、メチレン
ジアニリン(MDA)等の芳香族アミン類、バーサミド
等のポリアミド類、無水フタル酸(PA)、ピロメリッ
ト酸二無水物(PMDA)、クロレンド酸無水物(HE
T)等の酸無水物類等が挙げられる。
【0029】本発明では、種々のウェブ5について、同
伴空気を遮蔽し、ウェブ5に傷等を付けない効果を発揮
するが、好ましくはウェブ5の種類によって接触部材を
種々変更された方がより良い塗布結果を得ることができ
る。即ち、紙や、顔料塗被紙のように、プラスチックフ
ィルム等に比べ磨耗や紙粉、粉落ち等の問題が生じやす
いウェブ5については接触部材を回転するロール15に
するよりは、耐磨耗性の材料を使用した場合の方がよ
い。逆にプラスチックフィルムのように傷が付き易いウ
ェブ5の場合には、回転ロール15を用いるのが好まし
い。しかし、これらは、製造しようとする製品の必要と
される品質との兼ね合いで決定され、プラスチックフィ
ルムであろうとも回転ロール15を用いる必要が無い場
合もある。いずれにしても、接触部材を回転ロール15
もしくは耐磨耗性の材料で滑らかな弧からなる面を有す
る接触部材16とする事で、同伴空気を遮蔽し、ウェブ
5に傷等を付けないで安定した製品を製造するカーテン
塗布装置を得ることが可能である。
【0030】本発明では図5の様に接触部8からウェブ
5の上流側に吸引装置17により負圧領域18を設ける
ことにより、更に安定した製品を製造することが可能と
なる。更には図6、7の様に接触部8を二つ以上設け、
接触部8間を吸引装置17により負圧領域18とするこ
とにより、非常に安定した製品を製造することが可能と
なる。
【0031】接触部8からウェブ5の上流側に負圧領域
18を設けると、第1に接触部材が負圧によりウェブ5
に対してより密着する。例えば、表面の粗い紙等のウェ
ブ5では、この密着が悪いとウェブ5の巾方向の幾つか
の部分で、完全に同伴空気を遮蔽することが困難とな
る。また通常はロール状のウェブ巻き取りロールを用意
して、塗布装置にセットするが、ウェブ巻き取りの巾方
向の硬軟等の影響でウェブ巾方向の一部分が波打ちの状
態(一部分が弛む状態)となり、実際には接触部材とウ
ェブ5が接触しない部分が生じてくる。このような状態
では、やはり完全に同伴空気を遮蔽することが困難とな
る。よって、接触部8からウェブ5の上流側に負圧領域
18を設けることにより、接触部材とウェブ5が引き寄
せられて密着性が向上する。
【0032】第2には、接触部材とウェブ5が接触し、
長時間塗布操作を行うと、徐々にウェブ5上流側の接触
部8にほこりや紙粉等が溜まり、ついには接触部材とウ
ェブ5の間に挟まれ、完全に同伴空気を遮蔽することが
困難となったり、溜まったほこりや紙粉がウェブ5と塗
布液の間に入り込み安定した製品を製造することが困難
となる。よって、接触部8からウェブ5の上流側に吸引
装置17で負圧領域18を設けることにより、ほこり、
紙粉を吸い取ることにより、上記の問題を発生させるこ
となく安定した製品を製造することが可能となる。尚、
接触部8を二つ以上設け、接触部8間を吸引装置17に
より負圧領域18とすれば、吸引の効果が向上し、より
一層上記のほこりや紙粉等を吸い取る効果が向上するの
である。
【0033】本発明の遮蔽物7の形状は、特に限定され
る物ではないが、本発明の効果を発揮する為、図2〜7
の様な種々の遮蔽物(図2の7、図4の7、図5の2
0、図7の21)を用いるのが好ましい。また、吸引装
置17を用いて負圧領域18を設ける場合には、図5、
7の様に遮蔽物に圧力計19を取り付ける場合が操作上
好ましい。
【0034】次に本発明で使用される塗布液、ウェブ5
に関して説明する。また、塗布時の塗布速度、塗布液供
給量に関しても説明を加える。
【0035】本発明において、塗布液とは、写真乳剤液
としてゼラチン水溶液中にハロゲン化銀を分散せしめた
もの、磁性体塗布液として水あるいは有機溶剤中に磁性
体粒子を分散せしめたもの、感熱発色体塗布液として発
色剤と顕色剤を分散せしめたもの、感圧発色体塗布液と
して発色剤あるいは顕色剤を含むマイクロカプセルを分
散せしめたもの、顔料塗被紙塗布液として無機あるいは
有機顔料を分散せしめたものなど、固形分濃度などに関
係なく、カーテン塗布を行うことが可能な塗布液であれ
ば、制限なく用いることができるが、塗布液の粘度につ
いてはB型粘度が10〜300cpsの範囲の塗布液が
好ましい。
【0036】本発明で使用されるウェブ5としては、一
般に使用される上質紙、中質紙、更紙、マシンコート
紙、アート紙、キャストコート紙、合成紙、レジンコー
テッド紙、プラスティックフィルム、金属板、ゴム板、
天然あるいは合成繊維で織られた布などを含む。
【0037】
【実施例】以下、本発明をより一層明瞭とするために実
施例を挙げる。なお、実施例中の部数は、全て重量部を
示し、特に断りのない限り、濃度は固形分の重量%、塗
布量は、乾燥後の塗布量を示す。
【0038】実施例1 <カプセル分散液>クリスタルバイオレットラクトン
(CVL)5部を溶解した200部の高沸点油(呉羽化
学(株)製KMC−113)を5%スチレン無水マレイ
ン酸共重合体水溶液(PH5.0)250部に添加し、
平均粒子径を6μmとなるように乳化した。
【0039】次に、40%メラミン−ホルマリン初期縮
合物水溶液(住友化学(株)製スミレッツレジン)20
部を上記乳化剤に加えて温度を75℃とし、2時間反応
させた後、20%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0
として室温まで冷却し、40%のマイクロカプセル分散
液を得た。
【0040】<塗布液>このようにして得られたマイク
ロカプセル分散液を下記の配合に、更に水を加えて固形
分濃度が33%になるように調整し、塗布液を得た。 40%マイクロカプセル分散液 100部 小麦澱粉(平均粒子径20μm) 50部 48%カルボキシ変性スチレンブタジエン共重合体ラテックス 20部
【0041】かかる塗布液を、図2、3に示す接触部材
が直径20mmの回転ロールにし、ウェブとカーテンが
衝突する位置と接触部の距離(図2中のAの値)を50
mmとし、エクストロージョン型のカーテン塗布装置を
用いて、ウェブが坪量40g/m2の上質紙に、100
0m/minの塗布速度で塗布量が3.5g/m2とな
るように延べ塗布長さ100000mの感圧記録紙の塗
布を行った。尚図3の様に、回転ロールの設置は回転ロ
ールの端部にベアリングを取り付け、ベアリングを土台
に付けて、回転ロールがウェブに接触する様に設置し
た。遮蔽物は回転ロールをカバーする形で設置した。
【0042】実施例2 図4の様に接触部材を回転ロールの代わりに断面が直径
8mmの半円状のジルコニアセラミックにし、高炭素鋼
の遮蔽物の先端に貼り付けて設置した以外は実施例1と
同様の方法で塗布を行った。
【0043】実施例3 図5の様に接触部からウェブの上流側にかけて、吸引装
置を用いて−50mmAqの負圧で吸引し、実施例2と
同様の方法で塗布を行った。尚、遮蔽物は図5に示す形
状の物を用いた。
【0044】実施例4 図6、7の様に接触部を二つ設け、接触部間を吸引装置
を用いて−150mmAqの負圧で吸引し、実施例2と
同様の方法で塗布を行った。尚、遮蔽物は図6、7に示
す形状の物を用いた。
【0045】比較例1 実施例2の接触部材をジルコニアセラミックの代わりに
高炭素鋼にした以外は実施例2と同様の方法で塗布を行
った。
【0046】比較例2 図8に示した様に遮蔽物7の先端に接触部材として、素
材にジルコニアセラミックを使用し、断面形状が先端3
0°、厚み8mmの台形とした接触板9を使用した以外
は、実施例2と同様の方法で塗布を行った。
【0047】[紙粉の評価]100000m塗布後の塗
布紙について、99000mから100000mの間の
1000mの塗布紙について、ブラックライト(蛍光
線)を照射し、紙粉の調査を目視で行い、紙粉の数をカ
ウントした。
【0048】[カーテンの安定性の評価]紙粉の評価と
同様に、塗布長さ、99000mから100000mの
時点でのカーテンの安定性を下記の基準に従い目視評価
した。尚、許容レベルは○以上である。 ◎:カーテン揺れが発生せず、非常に安定しているレベ
ル。 ○:カーテン揺れが僅かに発生しているが、操業上問題
ないレベル。 △:カーテン揺れが発生し、僅かに塗布ムラ(未塗布が
発生)が生じるレベル。
【0049】
【表1】
【0050】実施例5 実施例1のウェブを厚さ0.05mmのプラスチックフ
ィルムとした以外は実施例1同様の方法で塗布を行い、
100000m塗布後の塗布ウェブについて、9900
0mから100000mの間の1000mの塗布ウェブ
について、傷の有無の調査を目視で行ったが、傷は発見
されなかった。
【0051】
【発明の効果】上記表1のような評価結果を得たが、比
較例1〜2に比べて本発明の実施例1〜4の方が、紙粉
の数が極めて少ないことが明白であり、同時に比較例1
では、長時間の塗布により、接触部が磨耗し、ウェブの
同伴空気を完全に遮蔽することが出来ず、カーテン安定
性が実施例1〜4に比べ、悪いことが明らかである。ま
た、実施例5の結果より、プラスチックフィルムに対し
て、傷を付けることが無く、本発明の有効性は明白であ
る。すなわち、本発明におけるカーテン塗布装置を用い
ることにより、長時間においてカーテンを安定させ、か
つ連続走行する紙の紙粉、フィルム等への傷の問題を発
生させないで安定した品質の製品を製造することが可能
であると言え、しいては、連続走行する紙の毛羽立ち、
塗被紙の粉落ち等についても問題を発生させることな
く、安定した品質乗せ遺品を製造可能なことが容易に推
測される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す塗布装置の概略図。
【図2】本発明の一実施例を示す塗布装置のカーテン近
傍の側面図。
【図3】図2のX部の拡大図。
【図4】本発明の他の一実施例を示す塗布装置のカーテ
ン近傍の側面図。
【図5】本発明の他の一実施例を示す塗布装置のカーテ
ン近傍の側面図。
【図6】本発明の他の一実施例を示す塗布装置のカーテ
ン近傍の側面図。
【図7】図6のY部の拡大図。
【図8】本発明に対する一比較例を示す塗布装置のカー
テン近傍の側面図。
【符号の説明】
1 カーテンヘッド 2 スリット 3 リップ 4 カーテン 5 ウェブ 6 マニホールド 7 遮蔽物 8 接触部 9 接触板 10a、10b エッジガイド 11 貯蔵タンク 12 給液ポンプ 13 ロール 14 受液槽 15 回転ロール 16 滑らかな弧からなる面を有する接触部材 17 吸引装置 18 負圧領域 19 圧力計 20 遮蔽物 21 遮蔽物 22 吸引口 23 ベアリング 24 土台

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続走行するウェブに塗布液を塗布する
    カーテン塗布装置で、カーテンが該ウェブに衝突する地
    点よりも上流側に、該ウェブの移動により発生する同伴
    空気を該カーテンから遮断する為の遮蔽物を設け、該遮
    蔽物が該ウェブに接触されるカーテン塗布装置におい
    て、該遮蔽物の該ウェブに接触される部分の接触部材が
    回転ロールであるか又は、酸化物系セラミック、炭化物
    セラミック、窒化物系セラミック、ホウ化物系セラミッ
    ク、ケイ化物系セラミック、硫化物系セラミック等の耐
    磨耗性に優れた材料からなり、滑らかな弧からなる面を
    有することを特徴とするカーテン塗布装置。
  2. 【請求項2】 該接触部から該ウェブの上流側に、吸引
    装置により負圧領域を設けることを特徴とする請求項1
    記載のカーテン塗布装置。
  3. 【請求項3】 該接触部を二つ以上有し、該接触部間に
    おいて吸引装置により負圧領域を設けることを特徴とす
    る請求項1記載のカーテン塗布装置。
JP9219697A 1997-04-10 1997-04-10 カーテン塗布装置 Pending JPH10277459A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9219697A JPH10277459A (ja) 1997-04-10 1997-04-10 カーテン塗布装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9219697A JPH10277459A (ja) 1997-04-10 1997-04-10 カーテン塗布装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10277459A true JPH10277459A (ja) 1998-10-20

Family

ID=14047702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9219697A Pending JPH10277459A (ja) 1997-04-10 1997-04-10 カーテン塗布装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10277459A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003508190A (ja) * 1999-09-01 2003-03-04 メッツォ ペーパー インコーポレイテッド カーテン被覆器およびカーテン被覆方法
JP2006015340A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Metso Paper Inc カーテンコーター
DE10358754B4 (de) * 2003-12-12 2011-07-14 M-Real Oyj Bahnfördervorrichtung

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003508190A (ja) * 1999-09-01 2003-03-04 メッツォ ペーパー インコーポレイテッド カーテン被覆器およびカーテン被覆方法
DE10358754B4 (de) * 2003-12-12 2011-07-14 M-Real Oyj Bahnfördervorrichtung
JP2006015340A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Metso Paper Inc カーテンコーター

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3848168B2 (ja) カーテン塗布装置
US6743478B1 (en) Curtain coater and method for curtain coating
JPS6057385B2 (ja) 両面塗布方法
JPH03296464A (ja) 塗布装置
JPH07185437A (ja) 塗布方法および塗布装置
JPH10277459A (ja) カーテン塗布装置
EP1342508A1 (en) Coating apparatus and coating method
JPH09122581A (ja) 薄帯状金属キャリヤー上に耐摩耗コーティングを塗布する方法
JP2005046805A (ja) 塗布装置及びそれを用いた光学用機能性フィルム
JP3631367B2 (ja) カーテン塗布方法およびその装置
JP2000176344A (ja) 塗布方法及び塗布装置
JPS627467A (ja) 塗布方法及び装置
JP4098639B2 (ja) 塗布方法
JP2000225366A (ja) カーテン塗布方法及びカーテン塗布装置
JP2007260558A (ja) グラビア塗布方法
JPH10165869A (ja) カーテン塗布装置及び塗布方法
JP2000325850A (ja) 塗布装置
JPH081061A (ja) カーテン塗布方法及びその装置
JPH0622470Y2 (ja) 塗工装置
WO2022130902A1 (ja) 多層フィルムの製造方法及び塗布装置
JP2000167465A (ja) 塗布装置
JPH10263453A (ja) 塗膜形成方法、磁気記録媒体の製造方法及びこれらの装置
JP2008142634A (ja) カーテン塗装装置
JPH0235959A (ja) 塗布装置
JPH0615213A (ja) 塗布装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040203