JPH10276739A - β−1,3−1,6グルカン又はそのアルカリ塩を含む飲食物の製法 - Google Patents
β−1,3−1,6グルカン又はそのアルカリ塩を含む飲食物の製法Info
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- JPH10276739A JPH10276739A JP9126169A JP12616997A JPH10276739A JP H10276739 A JPH10276739 A JP H10276739A JP 9126169 A JP9126169 A JP 9126169A JP 12616997 A JP12616997 A JP 12616997A JP H10276739 A JPH10276739 A JP H10276739A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】オーレオバシジウム属(Aureobacid
ium、sp)に属する微生物より生産されるβ−1,
3−1,6グルカン等を主成分とする培養液は希薄濃度
であるため、これを食品添加剤として使用する場合、定
量し難く食品中の成分濃度を高めることが困難であっ
た。 【解決手段】オーレオバシジウム属(Aureobac
idium、sp)に属する微生物より生産されるβ−
1,3−1,6グルカン又はこれとフラクトオリゴ糖を
主成分とする培養液、又はこの培養液に苛性アルカリを
加えた液を噴霧乾燥するか、この培養液にエチルアルコ
ールを加えて析出した凝集物に苛性アルカリ水溶液を加
えて溶解した液を噴霧乾燥することにより上記主成分又
はそのアルカリ塩を高濃度に含む水溶性の粉体製品を得
る。
ium、sp)に属する微生物より生産されるβ−1,
3−1,6グルカン等を主成分とする培養液は希薄濃度
であるため、これを食品添加剤として使用する場合、定
量し難く食品中の成分濃度を高めることが困難であっ
た。 【解決手段】オーレオバシジウム属(Aureobac
idium、sp)に属する微生物より生産されるβ−
1,3−1,6グルカン又はこれとフラクトオリゴ糖を
主成分とする培養液、又はこの培養液に苛性アルカリを
加えた液を噴霧乾燥するか、この培養液にエチルアルコ
ールを加えて析出した凝集物に苛性アルカリ水溶液を加
えて溶解した液を噴霧乾燥することにより上記主成分又
はそのアルカリ塩を高濃度に含む水溶性の粉体製品を得
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオーレオバシジウム
属(Aureobacidium、sp)に属する微生
物より生産されるβ−1,3−1,6グルカン又はβ−
1,3−1,6グルカンとフラクトオリゴ糖とをそのま
ま、又はアルカリ塩として高濃度に含む健康食品等の用
途に有用な飲食物の製法に関するものである。
属(Aureobacidium、sp)に属する微生
物より生産されるβ−1,3−1,6グルカン又はβ−
1,3−1,6グルカンとフラクトオリゴ糖とをそのま
ま、又はアルカリ塩として高濃度に含む健康食品等の用
途に有用な飲食物の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーレオバシジウム属(Aureoba
cidium、sp)FERM−P.No.4257、
ATCC.No.20524菌によりβ−1,3−1,
6グルカンを生産する方法、あるいはβ−1,3−1,
6グルカンとフラクトオリゴ糖とを同時に生産する方法
については、特開昭57−149301号公報、特開昭
61−146192号公報等により公知である。またこ
れらの製品が健康維持飲料(腸内ビイフイズス菌の増
殖、便秘防止、免疫増強)、整腸剤、家畜の整腸剤等に
利用できる飲食物としての用途を有することも知られて
いる。これらの製法としては上記オーレオバシジウム属
の菌を、庶糖、米糠、ビタミンC(アスコルビン酸)、
ビタミンE等よりなる液体培地で培養しβ−1,3−
1,6グルカン等を生産する。この際、庶糖濃度を調節
してβ−1,3−1,6グルカンとフラクトオリゴ糖を
同時に生成させることもできる。またアスコルビン酸の
添加はβ−1,3−1,6グルカンの生産を促進させる
作用がある。
cidium、sp)FERM−P.No.4257、
ATCC.No.20524菌によりβ−1,3−1,
6グルカンを生産する方法、あるいはβ−1,3−1,
6グルカンとフラクトオリゴ糖とを同時に生産する方法
については、特開昭57−149301号公報、特開昭
61−146192号公報等により公知である。またこ
れらの製品が健康維持飲料(腸内ビイフイズス菌の増
殖、便秘防止、免疫増強)、整腸剤、家畜の整腸剤等に
利用できる飲食物としての用途を有することも知られて
いる。これらの製法としては上記オーレオバシジウム属
の菌を、庶糖、米糠、ビタミンC(アスコルビン酸)、
ビタミンE等よりなる液体培地で培養しβ−1,3−
1,6グルカン等を生産する。この際、庶糖濃度を調節
してβ−1,3−1,6グルカンとフラクトオリゴ糖を
同時に生成させることもできる。またアスコルビン酸の
添加はβ−1,3−1,6グルカンの生産を促進させる
作用がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭61−14
6192号公報に開示された技術は、オーレオバシジウ
ム属のFERM−P.No.4257、ATCC.N
o.20524菌より、液体培地中にフラクトオリゴ糖
とβ−1,3−1,6グルカンとを同時に生成させ、こ
の培養液を加熱殺菌した後、濾過又は遠心分離して飲食
物として利用可能な培養液を得るものである。しかしな
がら培養液中のβ−1,3−1,6グルカンの濃度は
0.2〜0.5重量%、フラクトオリゴ糖の濃度は2〜
5重量%の低濃度に過ぎない。この培養液は健康維持
剤、増粘剤として他の飲食物に添加して使用される場合
が多く、液中の有効成分量が希薄であるため十分な効力
を発揮できず、また液状であるため添加量の調節が困難
である等の問題点があった。
6192号公報に開示された技術は、オーレオバシジウ
ム属のFERM−P.No.4257、ATCC.N
o.20524菌より、液体培地中にフラクトオリゴ糖
とβ−1,3−1,6グルカンとを同時に生成させ、こ
の培養液を加熱殺菌した後、濾過又は遠心分離して飲食
物として利用可能な培養液を得るものである。しかしな
がら培養液中のβ−1,3−1,6グルカンの濃度は
0.2〜0.5重量%、フラクトオリゴ糖の濃度は2〜
5重量%の低濃度に過ぎない。この培養液は健康維持
剤、増粘剤として他の飲食物に添加して使用される場合
が多く、液中の有効成分量が希薄であるため十分な効力
を発揮できず、また液状であるため添加量の調節が困難
である等の問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の問題点を
解決するためのものであって、すなわちオーレオバシジ
ウム属(Aureobacidium、sp)に属する
微生物より生産されるβ−1,3−1,6グルカン又は
β−1,3−1,6グルカンとフラクトオリゴ糖とを主
成分とする培養液を殺菌処理後、攪拌し噴霧乾燥して粉
体を得ることを特徴とするβ−1,3−1,6グルカン
を含む飲食物の製法である。
解決するためのものであって、すなわちオーレオバシジ
ウム属(Aureobacidium、sp)に属する
微生物より生産されるβ−1,3−1,6グルカン又は
β−1,3−1,6グルカンとフラクトオリゴ糖とを主
成分とする培養液を殺菌処理後、攪拌し噴霧乾燥して粉
体を得ることを特徴とするβ−1,3−1,6グルカン
を含む飲食物の製法である。
【0005】また本発明は上記の殺菌処理した培養液に
苛性アルカリ水溶液を加えて上記主成分のアルカリ塩を
生成させた後、この溶液を噴霧乾燥して粉体を得ること
を特徴とするβ−1,3−1,6グルカンのアルカリ塩
を含む飲食物の製法である。
苛性アルカリ水溶液を加えて上記主成分のアルカリ塩を
生成させた後、この溶液を噴霧乾燥して粉体を得ること
を特徴とするβ−1,3−1,6グルカンのアルカリ塩
を含む飲食物の製法である。
【0006】本発明においては予め培養液を精製するこ
ともできる。すなわち、この方法は上記の殺菌処理した
培養液にエチルアルコールを濃度60容量%以上になる
ように加えて攪拌し、析出する凝集物を分離し、苛性ア
ルカリ水溶液を加えて溶解させた後、この溶液を噴霧乾
燥することを特徴とするβ−1,3−1,6グルカンの
アルカリ塩を含む飲食物の製法である。
ともできる。すなわち、この方法は上記の殺菌処理した
培養液にエチルアルコールを濃度60容量%以上になる
ように加えて攪拌し、析出する凝集物を分離し、苛性ア
ルカリ水溶液を加えて溶解させた後、この溶液を噴霧乾
燥することを特徴とするβ−1,3−1,6グルカンの
アルカリ塩を含む飲食物の製法である。
【0007】さらに上記のエチルアルコール処理を再度
行って再精製することもできる。すなわち、この方法
は、上記の凝集物に水を加えて溶解後、エチルアルコー
ルを濃度60容量%以上になるように加えて攪拌し、析
出する凝集物を分離し、苛性アルカリ水溶液を加えて溶
解させた後、この溶液を噴霧乾燥して粉体を得ることを
特徴とするβ−1,3−1,6グルカンのアルカリ塩の
製法である。
行って再精製することもできる。すなわち、この方法
は、上記の凝集物に水を加えて溶解後、エチルアルコー
ルを濃度60容量%以上になるように加えて攪拌し、析
出する凝集物を分離し、苛性アルカリ水溶液を加えて溶
解させた後、この溶液を噴霧乾燥して粉体を得ることを
特徴とするβ−1,3−1,6グルカンのアルカリ塩の
製法である。
【0008】
【発明の実施の形態】オーレオバシジウム属(Aure
obacidium、sp)FERM−P.No.42
57、ATCC.No20254菌より生産されたβ−
1,3−1,6グルカンを主成分とする培養液を殺菌処
理した培養液は株式会社ソフィより市販されている。こ
のβ−1,3−1,6グルカンは主鎖のβ−1,3結合
のグルコース4個あたり3個のβ−1,6結合したグル
コースを持ち、スルホ酢酸を2.5%結合した多糖類で
ある。市販品の培養液は粘性を有し、培養液中のβ−
1.3−1,6グルカンの濃度は約0.25〜0.4重
量%である。
obacidium、sp)FERM−P.No.42
57、ATCC.No20254菌より生産されたβ−
1,3−1,6グルカンを主成分とする培養液を殺菌処
理した培養液は株式会社ソフィより市販されている。こ
のβ−1,3−1,6グルカンは主鎖のβ−1,3結合
のグルコース4個あたり3個のβ−1,6結合したグル
コースを持ち、スルホ酢酸を2.5%結合した多糖類で
ある。市販品の培養液は粘性を有し、培養液中のβ−
1.3−1,6グルカンの濃度は約0.25〜0.4重
量%である。
【0009】以下、図面により本発明を説明する。なお
この培養液を噴霧乾燥する場合、そのまま噴霧を行う
と、粘性が大である上に微細な繊維状物質が存在するた
めスプレーノズルが閉塞しやすい。そのため培養液を高
速ミキサーで攪拌し繊維状物質を粉砕して噴霧乾燥を行
う。また、この培養液に苛性アルカリ水溶液を加えpH
=9〜10程度に調節するとβ−1,3−1,6グルカ
ンのアルカリ塩が生成される。苛性アルカリとしては苛
性ソーダ、苛性カリが好ましい。このβ−1,3−1,
6グルカンのアルカリ塩を主成分とする溶液の噴霧乾燥
を行う。アルカリ塩の溶液は特に高速ミキシングを行わ
なくてもよい。噴霧乾燥を行う温度は約120〜150
℃であり、このようにしてβ−1,3−1,6グルカン
又はそのアルカリ塩の粉体製品を得ることができる(目
的物質)。アルカリ塩、特にナトリウム塩、カリウム
塩は非常に水に溶けやすく、増粘剤あるいは食品添加物
に使用する際有利である。
この培養液を噴霧乾燥する場合、そのまま噴霧を行う
と、粘性が大である上に微細な繊維状物質が存在するた
めスプレーノズルが閉塞しやすい。そのため培養液を高
速ミキサーで攪拌し繊維状物質を粉砕して噴霧乾燥を行
う。また、この培養液に苛性アルカリ水溶液を加えpH
=9〜10程度に調節するとβ−1,3−1,6グルカ
ンのアルカリ塩が生成される。苛性アルカリとしては苛
性ソーダ、苛性カリが好ましい。このβ−1,3−1,
6グルカンのアルカリ塩を主成分とする溶液の噴霧乾燥
を行う。アルカリ塩の溶液は特に高速ミキシングを行わ
なくてもよい。噴霧乾燥を行う温度は約120〜150
℃であり、このようにしてβ−1,3−1,6グルカン
又はそのアルカリ塩の粉体製品を得ることができる(目
的物質)。アルカリ塩、特にナトリウム塩、カリウム
塩は非常に水に溶けやすく、増粘剤あるいは食品添加物
に使用する際有利である。
【0010】本発明の他の態様を説明すると、上記の殺
菌処理した培養液にエチルアルコールを全体の液中の濃
度が60容量%以上になるように加えると、エチルアル
コールと培養液との液面に薄膜を生じ、攪拌すると瞬時
に凝集物が析出する。この凝集物は粒子が大きく極めて
濾過し易い。この場合、エチルアルコールの濃度は重要
であり60〜70容量%が好ましい。60容量%未満で
あるとβ−1,3−1,6グルカンが十分に析出せず、
液中に残存する。また70容量%を越えても析出する量
に殆ど変化なくエチルアルコールを必要以上に消費する
こととなる。析出した凝集物は濾過又は遠心分離により
採取し、0.001N程度の希薄苛性アルカリ水溶液を
加えて十分に溶解させると液中にβ−1,3−1,6グ
ルカンのアルカリ塩(好ましくはナトリウム塩又はカリ
ウム塩)を生成し、この溶液を上記と同じく噴霧乾燥し
て粉体製品とする(目的物質)。なお培養液中に含ま
れるアスコルビン酸は濾液中に移行し黄色に着色する。
製品は白色であって水溶液とした場合、粘性があり飲食
物として高い商品価値を有する。
菌処理した培養液にエチルアルコールを全体の液中の濃
度が60容量%以上になるように加えると、エチルアル
コールと培養液との液面に薄膜を生じ、攪拌すると瞬時
に凝集物が析出する。この凝集物は粒子が大きく極めて
濾過し易い。この場合、エチルアルコールの濃度は重要
であり60〜70容量%が好ましい。60容量%未満で
あるとβ−1,3−1,6グルカンが十分に析出せず、
液中に残存する。また70容量%を越えても析出する量
に殆ど変化なくエチルアルコールを必要以上に消費する
こととなる。析出した凝集物は濾過又は遠心分離により
採取し、0.001N程度の希薄苛性アルカリ水溶液を
加えて十分に溶解させると液中にβ−1,3−1,6グ
ルカンのアルカリ塩(好ましくはナトリウム塩又はカリ
ウム塩)を生成し、この溶液を上記と同じく噴霧乾燥し
て粉体製品とする(目的物質)。なお培養液中に含ま
れるアスコルビン酸は濾液中に移行し黄色に着色する。
製品は白色であって水溶液とした場合、粘性があり飲食
物として高い商品価値を有する。
【0011】上記のようにして濾過して得られた凝集物
は水に溶解して再精製することもできる。すなわちこの
水溶液に、同じくエチルアルコールを濃度が60容量%
以上になるように加えて攪拌し、析出する凝集物を濾過
又は遠心分離等により分離し、0.001N程度の希薄
苛性アルカリ水溶液を加えて溶解し、噴霧乾燥すること
により同様の粉体製品が得られる(目的物質)。以
上、β−1,3−1,6グルカンを主成分とする培養液
について説明したが、β−1,3−1,6グルカンとフ
ラクトオリゴ糖とを主成分とする培養液を使用する場合
も同様にして粉体製品を得ることができる。なお培養液
中の主成分より製品中の主成分の収率は略理論量を得る
ことが可能である。
は水に溶解して再精製することもできる。すなわちこの
水溶液に、同じくエチルアルコールを濃度が60容量%
以上になるように加えて攪拌し、析出する凝集物を濾過
又は遠心分離等により分離し、0.001N程度の希薄
苛性アルカリ水溶液を加えて溶解し、噴霧乾燥すること
により同様の粉体製品が得られる(目的物質)。以
上、β−1,3−1,6グルカンを主成分とする培養液
について説明したが、β−1,3−1,6グルカンとフ
ラクトオリゴ糖とを主成分とする培養液を使用する場合
も同様にして粉体製品を得ることができる。なお培養液
中の主成分より製品中の主成分の収率は略理論量を得る
ことが可能である。
【0012】以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。 実施例1 オーレオバシジウム属に属する微生物より生産されたβ
−1,3−1,6グルカンを0.25〜0.3重量%含
む殺菌処理した培養液1リットル(約1Kg)採取し、
10分間ミキサーによって高速ミキシングを行い、噴霧
乾燥を行った。噴霧乾燥機は直径700mm、高さ20
00mmのSUS316製容器である。噴霧乾燥の温度
は120〜130℃であり上記培養液を1時間かけて落
下させβ−1,3−1,6グルカン粉体3gを製造し
た。この製品はやや赤褐色に着色しているが純度は略1
00%であり飲食物の添加剤として利用できる。
する。 実施例1 オーレオバシジウム属に属する微生物より生産されたβ
−1,3−1,6グルカンを0.25〜0.3重量%含
む殺菌処理した培養液1リットル(約1Kg)採取し、
10分間ミキサーによって高速ミキシングを行い、噴霧
乾燥を行った。噴霧乾燥機は直径700mm、高さ20
00mmのSUS316製容器である。噴霧乾燥の温度
は120〜130℃であり上記培養液を1時間かけて落
下させβ−1,3−1,6グルカン粉体3gを製造し
た。この製品はやや赤褐色に着色しているが純度は略1
00%であり飲食物の添加剤として利用できる。
【0013】実施例2 実施例1と同じ培養液1リットルを採取し、これに0.
001N苛性ソーダ水溶液を加えてpH=10に調整し
た。実施例1と同じ噴霧乾燥機を使用し、この溶液を同
条件で1時間かけて落下させβ−1,3−1,6グルカ
ンのナトリウム塩粉体約3gを製造した。製品は実施例
1と同じ外観であるが、非常に水溶性であり飲食物の添
加剤として有用である。
001N苛性ソーダ水溶液を加えてpH=10に調整し
た。実施例1と同じ噴霧乾燥機を使用し、この溶液を同
条件で1時間かけて落下させβ−1,3−1,6グルカ
ンのナトリウム塩粉体約3gを製造した。製品は実施例
1と同じ外観であるが、非常に水溶性であり飲食物の添
加剤として有用である。
【0014】実施例3 オーレオバシジウム属に属する微生物より生産されたβ
−1,3−1,6グルカン0.4重量%を含む殺菌処理
した培養液200mlを採取し、エチルアルコール30
0ml加えて攪拌すると繊維状の凝集物が析出した。こ
れを吸引濾過して含水残渣2.5g及びアルコールー水
混合濾液500mlを得た。濾液中にはアスコルビン酸
を含み黄色に着色している。得られた残渣に苛性ソーダ
水溶液200ml(pH=9.5)を加え70℃で1時
間かけて溶解した。この溶液を前例と同じ噴霧乾燥機で
乾燥した結果、β−1,3−1,6グルカンのナトリウ
ム塩の白色粉体0.6gを得た。試料が少量であるため
容器よりの全量回収は困難である。製品は非常に水溶性
であり着色もなく飲食物の添加剤として有用である。
−1,3−1,6グルカン0.4重量%を含む殺菌処理
した培養液200mlを採取し、エチルアルコール30
0ml加えて攪拌すると繊維状の凝集物が析出した。こ
れを吸引濾過して含水残渣2.5g及びアルコールー水
混合濾液500mlを得た。濾液中にはアスコルビン酸
を含み黄色に着色している。得られた残渣に苛性ソーダ
水溶液200ml(pH=9.5)を加え70℃で1時
間かけて溶解した。この溶液を前例と同じ噴霧乾燥機で
乾燥した結果、β−1,3−1,6グルカンのナトリウ
ム塩の白色粉体0.6gを得た。試料が少量であるため
容器よりの全量回収は困難である。製品は非常に水溶性
であり着色もなく飲食物の添加剤として有用である。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば免疫増強作用を有するβ
−1,3−1,6グルカン或いはこれと人間のビイフイ
ズス因子であるフラクトオリゴ糖、又はこれらのアルカ
リ塩を高濃度に含む粉体製品を得ることができるので、
健康維持食品又は健康維持飲料への応用、また食品に濃
厚性を与え触感性を高めるための増粘剤としての利用等
の用途に極めて有用である。すなわち殺菌された主成分
濃度の希薄な培養液をそのまま添加する場合に比べ、本
発明による粉体製品はこれらの成分を殆ど100%含有
するので添加時の定量が極めて容易であり、かつ添加食
品中の有効成分濃度を高めることができる。さらに本発
明による粉体製品中のβ−1,3−1,6グルカン等が
アルカリ塩の場合は非常に水に溶け易く、飲料等に添加
する場合極めて便利である。
−1,3−1,6グルカン或いはこれと人間のビイフイ
ズス因子であるフラクトオリゴ糖、又はこれらのアルカ
リ塩を高濃度に含む粉体製品を得ることができるので、
健康維持食品又は健康維持飲料への応用、また食品に濃
厚性を与え触感性を高めるための増粘剤としての利用等
の用途に極めて有用である。すなわち殺菌された主成分
濃度の希薄な培養液をそのまま添加する場合に比べ、本
発明による粉体製品はこれらの成分を殆ど100%含有
するので添加時の定量が極めて容易であり、かつ添加食
品中の有効成分濃度を高めることができる。さらに本発
明による粉体製品中のβ−1,3−1,6グルカン等が
アルカリ塩の場合は非常に水に溶け易く、飲料等に添加
する場合極めて便利である。
【図1】本発明の工程図である。
Claims (4)
- 【請求項1】オーレオバシジウム属(Aureobac
idium、sp)に属する微生物より生産されるβ−
1,3−1,6グルカン又はβ−1,3−1,6グルカ
ンとフラクトオリゴ糖とを主成分とする培養液を殺菌処
理後、攪拌し噴霧乾燥して粉体を得ることを特徴とする
β−1,3−1,6グルカンを含む飲食物の製法。 - 【請求項2】オーレオバシジウム属(Aureobac
idium、sp)に属する微生物より生産されるβ−
1,3−1,6グルカン又はβ−1,3−1,6グルカ
ンとフラクトオリゴ糖とを主成分とする培養液を殺菌処
理し、苛性アルカリ水溶液を加えて上記主成分のアルカ
リ塩を生成させた後、この溶液を噴霧乾燥して粉体を得
ることを特徴とするβ−1,3−1,6グルカンのアル
カリ塩を含む飲食物の製法。 - 【請求項3】請求項2に記載の殺菌処理した培養液にエ
チルアルコールを濃度60容量%以上になるように加え
て攪拌し、析出する凝集物を分離し、苛性アルカリ水溶
液を加えて溶解させた後、この溶液を噴霧乾燥すること
を特徴とするβ−1,3−1,6グルカンのアルカリ塩
を含む飲食物の製法。 - 【請求項4】請求項3に記載の凝集物に水を加えて溶解
後、エチルアルコールを濃度60容量%以上になるよう
に加えて攪拌し、析出する凝集物を分離し、苛性アルカ
リ水溶液を加えて溶解させた後、この溶液を噴霧乾燥し
て粉体を得ることを特徴とするβ−1,3−1,6グル
カンのアルカリ塩の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9126169A JPH10276739A (ja) | 1997-04-09 | 1997-04-09 | β−1,3−1,6グルカン又はそのアルカリ塩を含む飲食物の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9126169A JPH10276739A (ja) | 1997-04-09 | 1997-04-09 | β−1,3−1,6グルカン又はそのアルカリ塩を含む飲食物の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10276739A true JPH10276739A (ja) | 1998-10-20 |
Family
ID=14928397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9126169A Pending JPH10276739A (ja) | 1997-04-09 | 1997-04-09 | β−1,3−1,6グルカン又はそのアルカリ塩を含む飲食物の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10276739A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2800093A1 (fr) * | 1999-10-19 | 2001-04-27 | Health Support Japan Corp | Composition de solution de culture d'aureobasidium en poudre, et procede pour sa preparation |
JP2007267718A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Daiso Co Ltd | 精製β−D−グルカンの製造方法 |
CN108402358A (zh) * | 2018-03-20 | 2018-08-17 | 广州聚澜健康产业研究院有限公司 | 一种青少年杂粮营养饮料及其制备方法 |
-
1997
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