JPH10273758A - 消臭性を有するステンレス鋼 - Google Patents

消臭性を有するステンレス鋼

Info

Publication number
JPH10273758A
JPH10273758A JP9434197A JP9434197A JPH10273758A JP H10273758 A JPH10273758 A JP H10273758A JP 9434197 A JP9434197 A JP 9434197A JP 9434197 A JP9434197 A JP 9434197A JP H10273758 A JPH10273758 A JP H10273758A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
phases
series
phase
precipitated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9434197A
Other languages
English (en)
Inventor
Morihiro Hasegawa
守弘 長谷川
Katsuhisa Miyakusu
克久 宮楠
Naoto Okubo
直人 大久保
Sadayuki Nakamura
定幸 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP9434197A priority Critical patent/JPH10273758A/ja
Publication of JPH10273758A publication Critical patent/JPH10273758A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、生活臭環境の改善に適した消臭性
を有するステンレス鋼を提供する。 【解決手段】 本発明の課題は、Cuを主体とする第二
相をマトリックス中に0.1体積%以上析出させたこと
を特徴とする消臭性を有するステンレス鋼によって達成
される。なお、本発明におけるステンレス鋼は、オース
テナイト系、フェライト系、マルテンサイト系、二相系
などを包含し、特に鋼種系は問わない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消臭機能を有し、
臭いの発生する生活環境の中での使用に適したステンレ
ス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼は、耐食性に優れるばかり
でなく意匠性や清潔感にも優れるところから、厨房品や
内装材などの用途に多用されている。これらの用途にお
けるステンレス鋼は、生ごみなどの廃棄物から発生する
腐敗臭、微生物の代謝作用により副生成する臭気、また
煙草や化粧品の臭気など種々の生活臭気にさらされてい
る。これらの臭気成分に対して消臭効果を有する物質と
しては、活性炭などの多孔性物質や水、アルカリ、酸な
どによる分解、中和剤が知られている。これらの消臭物
質は、優れた効果を有するものの、その形状および性状
の制約から容器に充填して使用されるのが一般的であ
る。また、最近では静電気を利用した消臭機能を有する
電気製品も現れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の消臭機能製品
は、生活臭気環境の中で優れた消臭効果を有するもの
の、いずれも厨房品や内装材のごとき生活に必須の消費
財から比べれば、余分に設けなければならない物として
位置付けられる。中でも静電気利用の物では、機能発揮
のためには電力までをも必要とする。したがって、厨房
品や内装材のごとき生活に必須の消費財その物が、消臭
機能を有することの利便性が強く望まれていた。本発明
は、厨房品や内装材などの素材として消臭性を有するス
テンレス鋼を提供することにより、上記の要望に応える
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、Cuを
主体とする第二相をマトリックス中に0.1体積%以上
析出させたことを特徴とする消臭性を有するステンレス
鋼によって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】ステンレス鋼は、耐食性に優れる
ばかりでなく意匠性や清潔感にも優れるところから、厨
房品や内装材などの用途に多用されている。これらの用
途におけるステンレス鋼は、多種多様な生活臭気にさら
されているが、ステンレス鋼自体は臭気物質の吸着効果
が低いため、消臭目的として使用されてはいない。発明
者らは、ステンレス鋼に消臭機能を発現させるべく、種
々の元素を添加するとともに製造の諸条件を検討して消
臭効果を測定した。その結果、Cuを合金元素として添
加し、かつCuを主体とする第二相(以後ε−Cu相と
称する)を0.1体積%以上析出させることにより、ス
テンレス鋼に消臭機能を発現させうることが判明した。
【0006】このε−Cu相が消臭に有効である理由に
ついては、現在明らかではないが推定されるものとして
は以下のことがあげられる。Cuがマトリックス中に固
溶している場合には、ステンレス鋼表面全体に不働態皮
膜が形成されているために、大気中の水分がステンレス
鋼表面に付着しても局部電池が形成されず電位差が生じ
ない。しかし、ε−Cu相がマトリックス中に析出しス
テンレス鋼表面に露出していると、ε−Cu相の上には
不働態皮膜が形成されないため、ここに大気中の水分が
付着するとマトリックスとε−Cu相との間で局部電池
が形成され、電位差が生じる。このようにして生じた電
位差による微弱な電流が臭気物質を吸着することによ
り、消臭機能が発現したものと推定される。また、ε−
Cu相は水分の中へ溶出してCuイオンとなることで抗
菌作用の発現することが知られており、このCuイオン
の抗菌機能が、ステンレス鋼表面に付着した微生物など
の増殖を抑制し、微生物の代謝作用により副生成される
臭気物質の発生を防止する効果もあるものと推定され
る。
【0007】次に、本発明における諸要件の限定理由を
説明する。 ステンレス鋼:11質量%以上のCr、0.1質量%以
上のCuを含有し、かつε−Cu相を0.1体積%以上
析出させうるものであれば良く、他は特に限定されるも
のではない。したがって、オーステナイト系、フェライ
ト系、マルテンサイト系、二相系などを包含し、鋼種系
は問わない。
【0008】なお、SUS420J2に代表されるマル
テンサイト系ステンレス鋼およびSUS430に代表さ
れるフェライト系ステンレス鋼では、0.4質量%以上
のCuの添加、SUS304に代表されるオーステナイ
ト系ステンレス鋼では、2.0質量%以上のCuを添加
することが望ましい。さらに、本発明のステンレス鋼で
は、耐食性や加工性の観点から、Mo、Nb、Ti、A
l、V、B、希土類元素(REM)などが単独もしくは
複合で添加されてもよい。
【0009】ε−Cu相:0.1体積%以上 ステンレス鋼に消臭機能を発現させるためには、ε−C
u相は0.1体積%以上マトリックス中に析出している
ことを必要とする。また、ε−Cu相はできる限り微細
かつ均一分散して析出させることが望ましい。ε−Cu
相を析出させる手段としては、ε−Cu相の析出可能温
度領域において時効などの等温加熱処理を施すことや、
析出可能温度領域を冷却通過時間をできるだけ長くして
徐冷することなどが有効であり、特に手段は限定される
ものではない。析出温度範囲も限定されるものではない
が、500〜900℃の範囲が推奨される。
【0010】本発明のステンレス鋼は、その形状および
表面仕上はともに問わない。形状は、塊状、板状、棒・
線状などいずれであっても良い。表面仕上も、圧延ま
ま、酸洗、研磨などいずれであっても良い。これら各種
の形状、表面仕上のステンレス鋼は、建築物の壁材、エ
アコンの熱交換器フィン、インテリア商品、風呂・厨房
品、室内や冷蔵庫の脱臭製品などの用途に使用すること
ができる。
【0011】
【実施例】以下に本発明を実施例をもって説明する。表
1には、供試材の化学成分値を示す。供試材は、いずれ
も30kg真空高周波溶解炉にて溶製し、鍛造と熱間圧
延を実施した後、焼鈍を施し熱延焼鈍板とした。その
後、冷間圧延と焼鈍とを繰り返し施して最終的に厚さ
0.7mmの冷延焼鈍板を得た。冷延焼鈍板の一部は、
600〜900℃の温度にて24時間の時効処理を施し
た。得られた供試材のε−Cu相析出量は、透過電子顕
微鏡にて定量した。消臭性の試験は、密封可能な試験箱
の内壁全面に表面を#400研磨仕上した試験片を張り
付け、5ppmのアンモニアを混合した大気を試験箱に
充填して1時間放置した後、官能試験により評価した。
判定は、快を○、まずまず快を△、不快を×とした。
【0012】消臭性の試験結果とε−Cu相の定量結果
を合わせて表2に示す。Cuを適当量含有し、かつε−
Cu相を0.1体積%以上析出したものは、消臭性を発
現していることがわかる。一方、Cuの含有量が少ない
かあるいはCuを含有していてもε−Cu相の析出量が
0.1体積%未満のものは、消臭性を発現していないこ
とがわかる。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明鋼を無垢のままで
従来の生活資材として知られた用途に使用することによ
り、その消臭性をもって生活臭環境の改善を実現するこ
とが期待される。
フロントページの続き (72)発明者 中村 定幸 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cuを主体とする第二相をマトリックス中
    に0.1体積%以上析出させたことを特徴とする消臭性
    を有するステンレス鋼。
JP9434197A 1997-03-31 1997-03-31 消臭性を有するステンレス鋼 Withdrawn JPH10273758A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9434197A JPH10273758A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 消臭性を有するステンレス鋼

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9434197A JPH10273758A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 消臭性を有するステンレス鋼

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10273758A true JPH10273758A (ja) 1998-10-13

Family

ID=14107596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9434197A Withdrawn JPH10273758A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 消臭性を有するステンレス鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10273758A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107075630A (zh) * 2014-09-17 2017-08-18 新日铁住金不锈钢株式会社 制动盘用马氏体系不锈钢及其制造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107075630A (zh) * 2014-09-17 2017-08-18 新日铁住金不锈钢株式会社 制动盘用马氏体系不锈钢及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wan et al. Modification of medical metals by ion implantation of copper
CN101280395A (zh) 高锰低镍纳米析出相奥氏体抗菌不锈钢
KR970043239A (ko) 항균성이 향상된 스테인레스강 및 그 제조방법
Liu et al. Influence of biocompatible metal ions (Ag, Fe, Y) on the surface chemistry, corrosion behavior and cytocompatibility of Mg–1Ca alloy treated with MEVVA
CN108138278A (zh) 铁素体系不锈钢板
KR20010020408A (ko) 항균성이 우수한 스테인레스 강재 및 그 제조방법
JPH10273758A (ja) 消臭性を有するステンレス鋼
CN100410412C (zh) 奥氏体抗菌不锈钢
CN108728754A (zh) 一种马氏体抗菌不锈钢
JPH10219407A (ja) 延性に優れたフェライト系ステンレス鋼およびその製 造方法
JP3077193B2 (ja) アルミニウム表面に耐食性化成皮膜を形成する方法
TW370567B (en) Bake hardenable vanadium containing steel effect amount of vanadium in low carbon steels capable of producing an improved bake hardenable product
JPH11343540A (ja) 抗菌性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼
CN100537820C (zh) 一种纳米析出相奥氏体抗菌不锈钢
JP3281526B2 (ja) 抗菌性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼及びその製造方法
JP3152631B2 (ja) 抗菌ステンレス鋼およびその製造方法
CN108728734A (zh) 一种电器设备用抗菌不锈钢
JP4064554B2 (ja) 安価な抗菌性冷延鋼板
JP2000336461A (ja) 抗菌性および耐食性に優れた高硬度ステンレス鋼
JPH11256284A (ja) 抗菌性に優れたフェライト系ステンレス鋼
JPH10237597A (ja) 抗菌性に優れた高強度高延性複相組織ステンレス鋼及びその製造方法
JPH02115346A (ja) 高濃度ハロゲン化物中で優れた耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼
JP2000303152A (ja) 抗菌性に優れ、2次加工での穴拡げ加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法
JPH0748654A (ja) 電磁誘導加熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼
JP2000087189A (ja) Ti酸化物皮膜を有するフェライト系ステンレス鋼及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040601