JPH1027277A - 自動販売機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 身体障害者等の特定利用者に対応させて、所
定の規定料金よりも安い特定乗車券を発行できるように
する。 【解決手段】 自動販売機（自動券売機）の本体に所定
の金銭が投入されたときに、所定の物品を販売する自動
販売機において、前記自動販売機の本体に挿入された特
定カードに記録されている割引適用データを抽出する抽
出手段と、割引データが抽出されたときに、前記特定カ
ードに記録されている金額データに基づいて前記所定の
物品を所定の割引を行って販売する販売制御手段とを設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動券売機や自動精
算機、あるいはその他の各種自動販売機に係り、特に、
身体の不自由な利用者等で、所定の割引販売を受けられ
る利用者に好適なものに関する。

【０００２】

【従来の技術】現在、多くの鉄道会社では、身体の不自
由な利用者（以下、特定利用者という）については、所
定の規定料金よりも安い割引料金で乗車できるようにし
ている。したがって、特定利用者は、割引料金の乗車券
（以下、特定乗車券という）を購入して乗車することが
できる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、自動
改札機が普及しているので、その自動改札機の本体に特
定乗車券が挿入されると、特定利用者のプライバシーが
損なわれるという不都合が生じる。

【０００４】なぜならば、健常者が特定乗車券を購入し
て自動改札するのを防止するために、特定乗車券が挿入
されたときは、特定利用者であることをランプ等で表示
して係員に報知するようになるからである。

【０００５】これは、現在の自動改札機において、大人
の利用者が、小人の乗車券で自動改札をするのを防止す
るために、小人の乗車券が自動改札機の本体に挿入され
るとランプ表示されて係員に報知されるのと同様のこと
が行なわれることを意味している。

【０００６】上述の特定利用者のランプ等の表示は、特
定利用者（鉄道会社が認める場合は、特定利用者の付添
人も含む）のみが特定乗車券を購入できるようにすれ
ば、特定利用者と特定乗車券との対応が取れるので、自
動改札機におけるランプ等の表示をしなくともよくな
り、特定利用者のプライバシーの保護が計られる。

【０００７】このような特定乗車券を発券するには、係
員が特定利用者に直接、特定乗車券を販売するようにし
てもよいが、この場合、特定利用者は、係員に対して特
定利用者であることを申告しなければならないという心
理的な負担を負うことになる。

【０００８】この心理的負担を軽減するために、自動券
売機の本体に、特定乗車券購入用の釦を設けて、特定乗
車券を自動発券するようにしてもよいが、この場合、健
常者が、その釦を押下して特定乗車券を購入して不正乗
車することが考えられる。

【０００９】そこで、本発明は、特定利用者に対応させ
て所定の割引された販売物を発売できる自動販売機を提
供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明に係る自動販売機
は、上記目的を達成するために、自動販売機の本体に所
定の金銭が投入されたときに、所定の物品を販売する自
動販売機において、前記自動販売機の本体に挿入された
特定カードに記録されている割引適用データを抽出する
抽出手段と、割引データが抽出されたときに、前記特定
カードに記録されている金額データに基づいて前記所定
の物品を所定の割引を行って販売する販売制御手段とを
有することを特徴としている。また、所定の時間内に、
再び所定の物品を所定の割引を行って販売するのを禁止
する禁止手段を設けたことを特徴としている。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。図１は、自動販売機が自動券
売機の場合であって、その自動券売機の本体（以下、本
体という）１の上部から下方に向けて、順に、案内看板
２、接客パネル３、取出部４が設けられている。

【００１２】案内看板２には、本体１の稼動状態及び本
体１が特定カード対応型である旨が表示され、接客パネ
ル３には、投入金額や操作方法等を利用者へ知らせるた
めの案内表示部５と、硬貨投入口６と、特定カードＣや
図示しないプリペイドカード等のカード類のカード挿入
口７と、紙幣の挿入口８と、小人又は枚数等の選択釦群
９と、口座釦群１０と、券購入を途中で中止するときに
押下される取消釦１１と、係員を呼出すときに押下され
る呼出釦１２と、係員を呼出したときに係員と応答する
ためのマイクロフォン１３及びスピーカ１４とが設けら
れている。

【００１３】取出部４には、釣銭紙幣を返却する紙幣返
却口１５と、乗車券を排出するとともに、返却硬貨又は
釣銭硬貨を排出する排出口１６とが設けられている。ま
た、図中１７は、マイクロコンピュータから構成される
本体１を統括的に制御する制御器であって、本発明の各
手段を担っている。

【００１４】特定カードＣは、周知のストアードフェア
カード（ＳＦカード）と同様に、所定の金額データが記
録されている以外に、特定利用者である旨のデータが記
録されている。

【００１５】図２は、制御器１７の電気的構成を示すブ
ロック図であって、ＲＯＭ２０に格納されているシステ
ムプログラムとＲＡＭ２１に格納されているワーキング
データとを用いて演算処理する中央処理部（ＣＰＵ）２
２を有している。そして、このＣＰＵ２２は、Ｉ／Ｏユ
ニット２３を介して、カード挿入口８に挿入された特定
カードＣに記録されているデータ、又はプリペイドカー
ド等のカードに記録されているデータを読取り、さらに
新たなデータを書込むためのカードリーダ・ライタ２４
と、本体１に投入された硬貨や紙幣を検銭し、必要に応
じて釣銭を放出するための検銭ユニット２５と、金額釦
群１１で選択された乗車券を発券する発券ユニット２６
とが接続されている。

【００１６】次に、図３のフローチャートを用いて本実
施の形態に係る自動券売機の割引制御動作について説明
する。

【００１７】先ず、本体１の硬貨投入口６又は挿入口８
に所定の金銭が投入されることなく、あるいは、カード
挿入口７に金銭の代りとなるプリペイドカード等のカー
ド（本発明では、このカード及び特定カードＣに記録さ
れている金額データも金銭に含めている。）が挿入され
ることなく、又は、図３のフローチャートには示されて
いないが、金銭投入後あるいはカード挿入後、口座釦群
１０で選択される前に、特定カードＣがカード挿入口７
に挿入されると（ステップ１００否定、ステップ１０２
肯定。以下、スイップをＳとする。）、その特定カード
Ｃに記録されているデータがカードリーダ・ライタ２４
により読取られる（Ｓ１０４）。

【００１８】ＣＰＵ２２は、特定カードＣのデータを読
取ると、その特定カードＣが所定時間以内に、例えば、
１時間以内に使用されているか否かの判定を行う（Ｓ１
０６）。すなわち、特定カードＣが使用される毎に、そ
の特定カードＣの識別データ（ＩＤNo. ）がＲＡＭ２１
内に所定時間記憶されるように構成されているので、そ
の記憶されているＩＤNo. を基に判定が行われる。そし
て、その判定において、上述の所定時間内に特定カード
Ｃが使用されていないときは（Ｓ１０６否定）、ＲＯＭ
２０から所定の割引プログラムが選択され、その特定カ
ードＣに記録されている金額データに基づいて所定の発
券処理を行う（ステップ１０８、１１０）。

【００１９】すなわち、特定カードＣの挿入により本体
１が割引モードに設定されると、本体１は、その割引に
見合った金銭が投入されることを条件に所定の割引乗車
券を排出口１６から発券するように作動する。

【００２０】なお、特定カードＣが所定時間内に再度挿
入された場合は（Ｓ１０６肯定）、割引乗車券が不正使
用されることが考えられるので、この場合は、割引が適
用されない旨が案内表示部５に表示される（Ｓ１１
２）。したがって、この場合は、特定カードＣの金額デ
ータを用いて通常の割引されない金額での発券処理が行
われる。

【００２１】発券された特定乗車券は、図示しない自動
改札機の本体に挿入されると、ドアは開かれ、特定利用
者が改札口を通過することができる。この際、特定乗車
券である旨の表示は一切行われない。なぜならば、特定
乗車券と特定利用者との対応が取れているので、不正使
用のおそれがないからである。

【００２２】上述のように、特定利用者は、特定乗車券
を購入するときは、特定カードＣをカード挿入口８に挿
入するだけで、係員に申告せずに特定乗車券を購入で
き、また、自動改札機の本体も特定乗車券である旨を表
示することを必要としないので、特定利用者のプライバ
シーが保護される。

【００２３】なお、上述の例では、特定カード１枚に対
し、１枚の特定乗車券を発券できるようにしたが、特定
利用者が、例えば重度の身体障害者の場合のように、付
添人を必要するような場合には、１枚の特定カードで同
時に２枚の特定乗車券を発券できるようにしてもよい。

【００２４】また、上述の例では、特定カードＣは、前
払式としたが後払式とすることもできる。そして、その
特定カードＣは、カード挿入口７に挿入するようにした
が、この特定カードＣを通信機能を備えたＩＣカード型
とするとともに、本体１内にその特定カードと非接触で
データの授受を行うためのトランスミッタを設けて、特
定カードのデータを本体１に取込めるようにしてもよ
い。この場合は、特定カードＣを本体１内に挿入する必
要がないので人目に触れにくく、より特定利用者のプラ
イバシーを保護することができる。したがって、本発明
で「本体に挿入された特定カード」というときは、この
ように、本体と特定カードとの間で、非接触式にデータ
の授受を行う場合も含んでいる。

【００２５】さらに、上述の例では、自動販売機を自動
券売機としたが自動精算機としてもよく、また、各種の
自動販売機としてもよい。

【００２６】

【発明の効果】本発明に係る自動販売機は、本体に挿入
された特定カードに記録されている割引適用データを抽
出する抽出手段と、割引データが抽出されたときに、前
記特定カードに記録されている金額データに基づいて前
記所定の物品を所定の割引を行って販売する販売制御手
段とを設けたので、特定利用者と販売物とを対応させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動販売機を自動券売機としたと
きの正面図である。

【図２】制御器の電気的構成を示すブロック図である。

【図３】割引制御動作を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１ 自動券売機の本体（本体） ６ 案内部 ８ カード挿入口 １７ 本発明の抽出手段、販売制御手段及び禁止手段を
担う制御器 Ｃ 特定カード

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動販売機の本体に所定の金銭が投入さ
   れたときに、所定の物品を販売する自動販売機におい
   て、 前記自動販売機の本体に挿入された特定カードに記録さ
   れている割引適用データを抽出する抽出手段と、 割引データが抽出されたときに、前記特定カードに記録
   されている金額データに基づいて前記所定の物品を所定
   の割引を行って販売する販売制御手段と、 を有することを特徴とする自動販売機。
2. 【請求項２】 所定の時間内に、再び所定の物品を所定
   の割引を行って販売するのを禁止する禁止手段を設けた
   ことを特徴とする請求項１記載の自動販売機。