JPH10271926A - 養液栽培用の定植板 - Google Patents

養液栽培用の定植板

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JPH10271926A
JPH10271926A JP9080344A JP8034497A JPH10271926A JP H10271926 A JPH10271926 A JP H10271926A JP 9080344 A JP9080344 A JP 9080344A JP 8034497 A JP8034497 A JP 8034497A JP H10271926 A JPH10271926 A JP H10271926A
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JP
Japan
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planting
nutrient solution
board
crop
water
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JP9080344A
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English (en)
Inventor
Takenosuke Naoki
武之介 直木
Shingo Okumura
真吾 奥村
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Toto Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Toto Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所謂培地として使用され、複数の定植孔へ所
望の作物を植え付け、水槽に収容した養液により作物の
育成、栽培を行う定植板を提供する。 【解決手段】 板厚方向に貫通する複数の定植孔を有
し、前記定植孔へ所望の作物を植え付けて、水槽に収容
した養液により作物の育成、栽培を行う定植板におい
て、定植板の上面には、各定植孔を除く部位に水溜まり
部が形成され、同定植板において水槽の長手方向と直交
する各端部には、互いに重ね継ぎされる接続段部が形成
され、同定植板において水槽の長手方向と直交する端部
には、水槽の長手方向に隣接する定植板同士の前記接続
段部による重ね継ぎ状態を保持する連結手段が設けられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】この発明は、養液を強制循環
させる水耕栽培、又は養液を移動させない溜まり水(渟
水)状態で作物を育てる渟水式養液栽培方法などにおい
て、所謂培地として使用される定植板の技術分野に属
し、複数の定植孔へ所望の作物を植え付け、水槽に収容
した養液により作物の育成、栽培を行う定植板に関す
る。
【従来の技術】例えば特開昭52ー112537号公報
には、親水性と保水性を有する播種用マットと、前記マ
ットを支持してマットの下に根部伸長用空間を形成する
格子構造の保持枠と、前記保持枠の下面を受ける育苗箱
と、前記育苗箱を水面に浮かべる比重の小さい発泡スチ
ロール製の浮き枠とで構成され、水槽の液面上に浮遊さ
せマットに植え付けた苗、種子を成育させる水耕栽培用
の育苗具が記載されている。実開昭62ー125458
号公報、及び特開平2ー227010号公報には、作物
を植え付けた定植板を水槽の一端側へ浮かべ、作物が成
長した時には同水槽の他端側へ到達するように順次移動
させ、他端側において収穫する水耕栽培方法及び装置が
記載されている。実開平1ー168150号公報には、
厚さ方向に貫通する定植孔が設けられた定植板と、前記
の定植孔に着脱自在に装着され、定植孔の底よりも少し
上方に位置させる底部に作物の根を通す複数の小孔を設
けた保持器とから成る水耕栽培用の定植板が記載されて
いる。特開平5ー146231号公報には、定植板の定
植孔へ装着して種子又は発芽した幼苗を保持するように
発泡樹脂シート等で作成された保持器、及びこれを使用
する水耕栽培方法及び装置が記載されている。更に、特
公平4ー52730号(特許第1769961号)公報
及び特願平7ー140051号明細書及び図面には、養
液を溜まり水状態とし、補給も行わずに作物を栽培する
渟水式養液栽培方法及び装置が記載されている。上述し
たように養液を強制循環させる水耕栽培方法、あるいは
養液を溜まり水状態で使用し補給もしない渟水式養液栽
培方法のいずれでも、種々工夫された定植板が使用され
ている。定植板としては水に浮くように比重が小さく、
しかも安価で取扱い易い発泡スチレンボードが一般的に
使用されている。
【本発明が解決しようとする課題】
I) 定植板に作物の種子を植え付ける場合、その種子
を出来るだけ早く発芽させること、及び全て均一な品
質、成長度に発芽、成育させるため、一般的に発芽室が
使用され、均一に発芽させた後に定植板と共に水槽へ移
設することが行われる。発芽室は湿度や温度を発芽に適
した条件に調整されている。とはいえ、種子を蒔いた定
植板は、予め1回程度水を撒き濡らした状態で発芽室へ
搬入すると、以後の発芽期間中に必要な水分の補給を十
分に賄える構成であることが望ましいが、従来の定植板
にはこの点を満足する構造は見聞されない。 II) 養液を循環させる水耕栽培方法、あるいは養液を
溜まり水状態で使用し補給もしない渟水式養液栽培方法
のいずれでも、水槽の養液中へ太陽光が入射すると、長
い栽培期間中に水槽に藻が発生し、この藻が細菌類、病
原菌類の病巣になったり、作物の成長を阻害する養液の
酸欠、養分欠乏を招いたり、有害な小バエ等の大量発生
の原因になったりする。のみならず、養液に入射した太
陽光は、養液を温めて作物の根域温度を上昇させて発育
を害したり根腐れ等の原因にもなる。よって、定植板
は、水槽の蓋、あるいは養液面を覆う気密性、断熱性の
ある遮蔽物として特に太陽光の入射を遮断する構成であ
ることが望ましいが、従来、この点を満足する構造は見
聞されない。 III) 種子を植えた定植板は、発芽室に出来るだけ多
く収容させる手段として積み重ね方式が実施される。そ
の積み重ね状態は、3日〜1週間程度をかけて発芽する
種子が、黴びたり蒸れ腐る心配のない通気性を有する空
気層なり空間が確保され、且つ発芽した幼苗の成長を阻
害しない大きさの隙間が確保されることが望まれる。前
記の隙間は必要最小限度にして積み重ね効率が高いこと
も望ましい。もっとも、非使用時に定植板を倉庫等へ保
管する際には、出来るだけ嵩張らずコンパクトに保管で
きる構造であることも望まれる。 IV) 従って、本発明の目的は、上述したように発芽室
を使用して種子を発芽させ幼苗を成長させる栽培法を前
提として、発芽室へ搬入する直前に1回程度定植板へ水
を撒き濡らすと、発芽期間中に必要な程度の水分が十分
に確保される構造に改良した定植板を提供することであ
る。 本発明の次の目的は、発芽室から取り出した定植板は、
養液を収容した水槽へ移設した際に、同水槽の長手方向
に隣接する定植板同士の継ぎ目を、太陽光が養液中へ入
射しないように遮蔽し、且つ気密的状態に接続するこ
と、及び前記の接続が不用意に離脱しない程度に連結す
ることが容易な構造に改良した定植板を提供することで
ある。本発明の更なる目的は、発芽室内等で上下に積み
重ねた定植板の間に、種子の発芽に必要十分な通気性の
ある空気層が確保され、且つ発芽した幼苗の伸長を阻害
しないだけの隙間が確保され、また、非使用時に定植板
を倉庫等へ保管する際には、出来るだけ嵩張らずコンパ
クトな積み重ね状態に保管できる構造に改良した定植板
を提供することである。
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、請求項1記載の発明は、板厚方向に貫
通する複数の定植孔を有し、前記定植孔へ所望の作物を
植え付けて、水槽に収容した養液により作物の育成、栽
培を行う定植板において、定植板の上面には、各定植孔
を除く部位に水溜まり部が形成されていること、同定植
板において水槽の長手方向と直交する各端部には、互い
に重ね継ぎされる接続段部が形成されていること、同定
植板において水槽の長手方向と直交する端部には、水槽
の長手方向に隣接する定植板同士の前記接続段部による
重ね継ぎ状態を保持する連結手段が設けられていること
を特徴とする。請求項2に記載した発明は、請求項1に
記載した定植板の上面又は下面に、定植孔の配置及び形
状と整合する配置及び形状で支持脚が複数設けられてい
ることを特徴とする。請求項3記載の発明は、請求項1
に記載した水溜まり部が、特定の範囲を取り囲む配置で
形成した低い堰堤、又は逆に部分的に凹まされた凹面、
又は複数の溝ないし窪み等により形成されていることを
特徴とする。請求項4記載の発明は、請求項1に記載し
た接続段部及び連結の手段は、接続段部の互いに重ね継
ぎされる面に形成した上下方向の凹凸、又は接続段部の
一部に相互に嵌まり合うように上下方向に形成された蟻
溝形状の凹凸、又は接続段部に相互に嵌まる合うように
上下方向に形成された孔と突起の構成で設けられている
ことを特徴とする。
【発明の実施の形態及び実施例】以下、図面に示した本
発明の実施形態及び実施例を説明する。図1、図2に示
した定植板1は、板厚方向に貫通する複数の定植孔2へ
所望の作物乃至その種子を植え付けて、例えば図3Aの
ように水槽4に収容した養液5の液面上に浮かべるか、
又は図3Bのように水槽4の開口部の両側に用意された
支持部6の上に載せて作物の根で養液5を吸収させる方
式で作物の育成、栽培を行う所謂培地として使用され
る。図1の定植板1は、比重の小さい発泡スチロール樹
脂板で安価に軽量に製作したものを示しているが、この
限りではない。定植板1の材質は、非発泡の合成樹脂
板、木板、或いは極端な例としては金属板で製作し実施
することもできる。図1のように発泡スチロール樹脂板
で製作する定植板1の厚さは30mm、縦、横の寸法は5
00×700mm程度が通例である。図1の実施例におい
て、定植孔2は縦方向に5列、横に3行の配列で、縦方
向に長いスリット形状(幅が26mm、長さ130mm程
度)に形成されている。但し、定植板1の大きさや材
質、そして、定植孔2の配列、形状、大きさ、個数など
は図1の実施例の限りではない。栽培施設の規模、栽培
しようとする作物の種類、植え付ける作物の種子、幼苗
の如何により、適宜使用に便利なように設計、製作され
る。例えば定植孔2は丸孔、角孔、楕円形孔、長円形
孔、三角形孔、多角形孔なども実施できる。図1に示し
た実施例の定植孔2は長いスリット形状であるが故に、
後述する播種用の保持シートの装着状態を安定化させる
手段として、同スリットの長手方向の略中央部に、中桟
8が形成されている。中桟8は、当該定植板1を養液5
の液面に浮かべた際には必ず前記保持シート及びこれに
支持された種子を養液面よりも少し上方に保持する高
さ、即ち板の底面から8mm程度の高さの桟として水平に
形成されている(図4、図5)。同様に、定植孔2の両
端部にも、前記保持シートの両端部を受けるシート受け
部9がV字形状に、且つその底部は前記の中桟8と同じ
高さに形成されている(図4、図5)。従って、作物の
種子11は、図4に示したようにスリットと同じ長さの
保持シート10を二つ折りにして挟み、定植孔2の長手
方向に挿入するだけで簡単に安定状態に納まる。但し、
種子或いは幼苗を定植孔2へ植え付ける手段は、前記の
保持シート10に限らず、ウレタンスポンジのシート又
は小ブロック、或いは紙片、綿布、その他を適宜使い分
けることが出来る。図1に示した定植板1の上面には、
前記の各定植孔2を取り囲む配置に水溜まり部Wを形成
する低い堰堤7がリブ状に、且つ閉ループ状に形成され
ている。堰堤7の高さは一例として2mm程度であり、種
子を定植板1へ植え付けた際の散水の一部が雫、水滴の
如き状態で水溜まり部Wに少し残存すればそれで用が足
りるものとする。図4で明らかなように、堰堤7は定植
孔2の口縁部にも沿ってその全周に形成されている。そ
の意味は、堰堤7によって確保された水分が定植孔2へ
むやみに流れ落ちることを防ぎ、図6のように積み重ね
て発芽室へ搬入したとき、又は水槽に設置し発芽した幼
苗の上に保護用の覆いを被せた時などに、水分が適度に
蒸発して多湿雰囲気が少なくとも発芽期間程度は維持さ
れることを期待しているのである。従って、堰堤7の高
さ、堰堤によって取り囲む水溜まり部Wの広さ、形状、
範囲なども、前記の考慮に基づいて設計製作される。例
えば図1の場合、堰堤7は、定植孔2の両側に略同形、
同大に並列する配置で2つの長方形囲い(水溜まり部
W)を形成しているが、これも一例に過ぎない。定植孔
2が比較的口径の小さい丸孔、角孔であれば、その幾つ
かの定植孔を大きく囲む形に堰堤7を形成することも考
えられる。また、水溜まり部としては、図8に示したよ
うに定植板1の上面のある範囲部分を凹ました凹面7
0、又は図9に示したように適当な範囲に形成した複数
の溝(平行又は交差する溝群を含む)乃至窪み71等々
の構成で実施することもできる。要するに、水溜り部W
は、その用途上、定植板1の上面のいずれかの部位に必
要な広さ、範囲に設ければ足りる。図8及び図9はま
た、定植孔2の断面形状の異なる例、及び種子の保持シ
ート10(保持材)の異なる例をそれぞれ示している。
上記定植板1において、水槽の長手方向と直交する一方
の端部(図1、図6の右端)には、板厚を約二分する階
段状に重ね継ぎ用の接続段部13が形成され、他方の端
部(図1、図6の左端)にもやはり板厚を二分する階段
状に重ね継ぎ用の段部15が形成され、これらは互い違
いに上下に重ね継ぎできる構成とされている。前記の接
続段部13と15の重ね継ぎ代は16mm程度とされてい
る。従って、この接続段部13と15とを上下に重ね継
ぎすることにより、水槽の長手方向に隣接する定植板同
士の継ぎ目は、太陽光が水槽内の養液中に入射すること
を完全に遮断する接続状態となり、且つ1枚の板が連続
するに等しい断熱性と気密性を合わせ持つ継ぎ目構造と
なる。よって太陽光の入射によって水槽に藻が発生する
ことや水槽の養液温度が上昇することが防止される。の
みならず、寒期には養液表面から放熱することを防ぐ断
熱効果も奏され、作物の栽培に良好な環境が整備され
る。前記接続段部13と15の重ね継ぎ(接続)状態を
良好に確実に保持する連結手段として、一方の端部(図
1、図6の右端)の接続段部13の下面側には、その幅
寸方向の中央部に、平面的に見て蟻形状の蟻凸部14が
下向きの凸として板厚の限度に形成されている。他方の
端部(図1、図6の左端)の接続段部15には、その幅
寸方向の中央部に、前記の蟻凸部14が下向きに嵌まる
形状、大きさの蟻溝状凹部16が、上下方向の切り欠き
状に形成されている。従って、この定植板1を例えば図
3Aのように水槽4の養液5の液面上に浮かべる時、又
は図3Bのように定植板1を水槽4の支持部6に支持さ
せる際に、同水槽4の長手方向に隣接する二つの定植板
1、1同士の接続段部13と15を上下に互い違いに重
ね継ぎをするのと同時に、一方の蟻凸部14を他方の蟻
溝状凹部16へ上下方向に嵌め込むことにより、水槽4
の長手方向(図3の紙面と垂直な方向)に並べられる複
数の定植板同士をワンタッチ的に簡単な処理で一連に連
結することが出来る。その結果、蟻凸部14と蟻溝状凹
部16との強い連結作用によって接続段部13と15の
重ね継ぎ状態は機械的に強く保持され、もって太陽光が
水槽内の養液中に入射することを経時的に長く良好に遮
断し、また、養液面の断熱性と気密性を良好に維持す
る。更に定植板同士が横ずれを起こさないように安定し
た継ぎ目を確保することが出来る。上記の通り、接続段
部13と15は、互い違いに上下に重ね継ぎされること
によってその目的を達するから、前記階段状の形態の限
りではない。先細状に傾斜したテーパ面の形態、或いは
ホゾとホゾ溝の嵌め合いの形態などを同様に実施するこ
とが出来る。また、連結手段に関しても、図10に例示
したように、一方の接続段部13の下面に上向きの凹面
20を形成し、他方の接続段部15の上面には上向きの
凸部21を形成した構成、又は図11に例示したよう
に、一方の接続段部15の上面に上向きの突起22を設
け、他方の接続段部13には前記の突起22が密接に嵌
まる孔23を設けた構成等々で実施することができる。
極端な実施例としては、別途用意したカスガイの如き連
結具を使用して連結を行い、同様の作用効果を得ること
ができる。次に、定植板1の下面(又は上面でも可)に
は、前記定植孔2の配置及び形状と整合する配置及び形
状で支持脚12が設けられている。この支持脚12は、
作物の種子又は幼苗を植え付けた定植板1を発芽室へ搬
入し、又は発芽室から水槽のある場所まで運搬して配設
する作業の際に、図6のように積み重ねても、幼苗が傷
つかない程度の隙間を形成するためのもので、板の底面
から15mm程度の高さに突設されている。定植孔2の配
置及び形状と整合する配置及び形状で支持脚12を設け
るとは、例えば図1に支持脚12を点線で図示したよう
に、支持脚12の長さ及び幅が定植孔2と略同形、同大
で、且つ定植孔2に隣接する位置に横並びの配置で設け
られていることを意味する。その結果、特に当該定植板
1が使用済になって倉庫等に保管される時には、図1の
ものを水平に180°反転して積み重ねると支持脚12
を定植孔2へ嵌めてピッタリ密着した状態にコンパクト
な積み重ねが出来るし、それでいて上下の定植板1の端
は垂直方向に略一直線状に納まり、嵩の小さい、整頓状
態で保管可能となるのである。
【発明が奏する効果】本発明に係る養液栽培用の定植板
は、発芽室へ搬入する直前に1回程度定植板へ水を撒き
濡らすと、水溜まり部に残存する水滴等によって作物の
発芽期間中に必要な水分が十分に確保される。また、発
芽室から取り出した定植板を、養液を収容した水槽へ移
設した際に、同水槽の長手方向に隣接する定植板同士の
継ぎ目は、太陽光が養液中へ入射しないように完全に遮
蔽した重ね継ぎ状態となり、且つ気密的、断熱的な状態
に接続することができる上に、しかも前記の接続状態が
不用意に離脱しない程度に強く連結することが容易に出
来る。従って、作物の育成、栽培に好適な環境を整備出
来るのである。。その上、発芽室内等で上下に積み重ね
た定植板の間に、種子の発芽に必要十分な通気性のある
空気層が確保され、且つ発芽した幼苗の伸長を阻害しな
いだけの隙間が確保される。その一方、非使用時に定植
板を倉庫等へ保管する際には、出来るだけ嵩張らずコン
パクトな積み重ね状態に保管できて、作物の発芽から育
成、栽培のすべてを良好に行うことが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る養液栽培用定植板の実施例を示し
た平面図である。
【図2】図1の定植板の右側面図である。
【図3】A,B,Cは本発明の定植板を渟水式栽培方法
に使用した実施形態を工程順に示した説明図である。
【図4】定植孔に保持シートを使用して播種した状態を
示す断面図である。
【図5】図1の5ー5線矢視の断面図である。
【図6】発芽室へ入れる際の隙間を持つ積み重ね状態を
示した正面図である。
【図7】倉庫等へ保管する際の隙間の無い積み重ね状態
を示した正面図である。
【図8】水溜まり部の異なる構造例を示した断面図であ
る。
【図9】水溜まり部の異なる構造例を示した断面図であ
る。
【図10】接続段部と連結手段の異なる構造例を示した
断面図である。
【図11】接続段部と連結手段の異なる構造例を示した
断面図である。
【符号の説明】
1 定植板 2 定植孔 3 作物 4 水槽 5 養液 W 水溜まり部 7 堰堤 12 支持脚 13 重ね継ぎ用の段部 15 重ね継ぎ用の段部 14 凸部 16 凹部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年4月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 養液栽培用の定植板
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、養液を強制循環
させる水耕栽培、又は養液を移動させない溜まり水(渟
水)状態で作物を育てる渟水式養液栽培方法などにおい
て、所謂培地として使用される定植板の技術分野に属
し、複数の定植孔へ所望の作物を植え付け、水槽に収容
した養液により作物の育成、栽培を行う定植板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば特開昭52ー112537号公報
には、親水性と保水性を有する播種用マットと、前記マ
ットを支持してマットの下に根部伸長用空間を形成する
格子構造の保持枠と、前記保持枠の下面を受ける育苗箱
と、前記育苗箱を水面に浮かべる比重の小さい発泡スチ
ロール製の浮き枠とで構成され、水槽の液面上に浮遊さ
せマットに植え付けた苗、種子を成育させる水耕栽培用
の育苗具が記載されている。
【0003】 実開昭62ー125458号公報、及び特
開平2ー227010号公報には、作物を植え付けた定
植板を水槽の一端側へ浮かべ、作物が成長した時には同
水槽の他端側へ到達するように順次移動させ、他端側に
おいて収穫する水耕栽培方法及び装置が記載されてい
る。実開平1ー168150号公報には、厚さ方向に貫
通する定植孔が設けられた定植板と、前記の定植孔に着
脱自在に装着され、定植孔の底よりも少し上方に位置さ
せる底部に作物の根を通す複数の小孔を設けた保持器と
から成る水耕栽培用の定植板が記載されている。
【0004】 特開平5ー146231号公報には、定植
板の定植孔へ装着して種子又は発芽した幼苗を保持する
ように発泡樹脂シート等で作成された保持器、及びこれ
を使用する水耕栽培方法及び装置が記載されている。更
に、特公平4ー52730号(特許第1769961
号)公報及び特願平7ー140051号明細書及び図面
には、養液を溜まり水状態とし、補給も行わずに作物を
栽培する渟水式養液栽培方法及び装置が記載されてい
る。
【0005】 上述したように養液を強制循環させる水耕
栽培方法、あるいは養液を溜まり水状態で使用し補給も
しない渟水式養液栽培方法のいずれでも、種々工夫され
た定植板が使用されている。定植板としては水に浮くよ
うに比重が小さく、しかも安価で取扱い易い発泡スチレ
ンボードが一般的に使用されている。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】 I) 定植板に作物の種子を植え付ける場合、その種子
を出来るだけ早く発芽させること、及び全て均一な品
質、成長度に発芽、成育させるため、一般的に発芽室が
使用され、均一に発芽させた後に定植板と共に水槽へ移
設することが行われる。発芽室は湿度や温度を発芽に適
した条件に調整されている。とはいえ、種子を蒔いた定
植板は、予め1回程度水を撒き濡らした状態で発芽室へ
搬入すると、以後の発芽期間中に必要な水分の補給を十
分に賄える構成であることが望ましいが、従来の定植板
にはこの点を満足する構造は見聞されない。 II) 養液を循環させる水耕栽培方法、あるいは養液を
溜まり水状態で使用し補給もしない渟水式養液栽培方法
のいずれでも、水槽の養液中へ太陽光が入射すると、長
い栽培期間中に水槽に藻が発生し、この藻が細菌類、病
原菌類の病巣になったり、作物の成長を阻害する養液の
酸欠、養分欠乏を招いたり、有害な小バエ等の大量発生
の原因になったりする。のみならず、養液に入射した太
陽光は、養液を温めて作物の根域温度を上昇させて発育
を害したり根腐れ等の原因にもなる。よって、定植板
は、水槽の蓋、あるいは養液面を覆う気密性、断熱性の
ある遮蔽物として特に太陽光の入射を遮断する構成であ
ることが望ましいが、従来、この点を満足する構造は見
聞されない。 III) 種子を植えた定植板は、発芽室に出来るだけ多
く収容させる手段として積み重ね方式が実施される。そ
の積み重ね状態は、3日〜1週間程度をかけて発芽する
種子が、黴びたり蒸れ腐る心配のない通気性を有する空
気層なり空間が確保され、且つ発芽した幼苗の成長を阻
害しない大きさの隙間が確保されることが望まれる。前
記の隙間は必要最小限度にして積み重ね効率が高いこと
も望ましい。もっとも、非使用時に定植板を倉庫等へ保
管する際には、出来るだけ嵩張らずコンパクトに保管で
きる構造であることも望まれる。 IV) 従って、本発明の目的は、上述したように発芽室
を使用して種子を発芽させ幼苗を成長させる栽培法を前
提として、発芽室へ搬入する直前に1回程度定植板へ水
を撒き濡らすと、発芽期間中に必要な程度の水分が十分
に確保される構造に改良した定植板を提供することであ
る。
【0007】 本発明の次の目的は、発芽室から取り出し
た定植板は、養液を収容した水槽へ移設した際に、同水
槽の長手方向に隣接する定植板同士の継ぎ目を、太陽光
が養液中へ入射しないように遮蔽し、且つ気密的状態に
接続すること、及び前記の接続が不用意に離脱しない程
度に連結することが容易な構造に改良した定植板を提供
することである。
【0008】 本発明の更なる目的は、発芽室内等で上下
に積み重ねた定植板の間に、種子の発芽に必要十分な通
気性のある空気層が確保され、且つ発芽した幼苗の伸長
を阻害しないだけの隙間が確保され、また、非使用時に
定植板を倉庫等へ保管する際には、出来るだけ嵩張らず
コンパクトな積み重ね状態に保管できる構造に改良した
定植板を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、請求項1記載の発明は、板厚方向に貫
通する複数の定植孔を有し、前記定植孔へ所望の作物を
植え付けて、水槽に収容した養液により作物の育成、栽
培を行う定植板において、定植板の上面には、各定植孔
を除く部位に水溜まり部が形成されていること、同定植
板において水槽の長手方向と直交する各端部には、互い
に重ね継ぎされる接続段部が形成されていること、同定
植板において水槽の長手方向と直交する端部には、水槽
の長手方向に隣接する定植板同士の前記接続段部による
重ね継ぎ状態を保持する連結手段が設けられていること
を特徴とする。
【0010】 請求項2に記載した発明は、請求項1に記
載した定植板の上面又は下面に、定植孔の配置及び形状
と整合する配置及び形状で支持脚が複数設けられている
ことを特徴とする。請求項3記載の発明は、請求項1に
記載した水溜まり部が、特定の範囲を取り囲む配置で形
成した低い堰堤、又は逆に部分的に凹まされた凹面、又
は複数の溝ないし窪み等により形成されていることを特
徴とする。
【0011】 請求項4記載の発明は、請求項1に記載し
た接続段部及び連結の手段は、接続段部の互いに重ね継
ぎされる面に形成した上下方向の凹凸、又は接続段部の
一部に相互に嵌まり合うように上下方向に形成された蟻
溝形状の凹凸、又は接続段部に相互に嵌まる合うように
上下方向に形成された孔と突起の構成で設けられている
ことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態及び実施例】以下、図面に示した本
発明の実施形態及び実施例を説明する。図1、図2に示
した定植板1は、板厚方向に貫通する複数の定植孔2へ
所望の作物乃至その種子を植え付けて、例えば図3Aの
ように水槽4に収容した養液5の液面上に浮かべるか、
又は図3Bのように水槽4の開口部の両側に用意された
支持部6の上に載せて作物の根で養液5を吸収させる方
式で作物の育成、栽培を行う所謂培地として使用され
る。
【0013】 図1の定植板1は、比重の小さい発泡スチ
ロール樹脂板で安価に軽量に製作したものを示している
が、この限りではない。定植板1の材質は、非発泡の合
成樹脂板、木板、或いは極端な例としては金属板で製作
し実施することもできる。図1のように発泡スチロール
樹脂板で製作する定植板1の厚さは30mm、縦、横の寸
法は500×700mm程度が通例である。図1の実施例
において、定植孔2は縦方向に5列、横に3行の配列
で、縦方向に長いスリット形状(幅が26mm、長さ13
0mm程度)に形成されている。但し、定植板1の大きさ
や材質、そして、定植孔2の配列、形状、大きさ、個数
などは図1の実施例の限りではない。栽培施設の規模、
栽培しようとする作物の種類、植え付ける作物の種子、
幼苗の如何により、適宜使用に便利なように設計、製作
される。例えば定植孔2は丸孔、角孔、楕円形孔、長円
形孔、三角形孔、多角形孔なども実施できる。
【0014】 図1に示した実施例の定植孔2は長いスリ
ット形状であるが故に、後述する播種用の保持シートの
装着状態を安定化させる手段として、同スリットの長手
方向の略中央部に、中桟8が形成されている。中桟8
は、当該定植板1を養液5の液面に浮かべた際には必ず
前記保持シート及びこれに支持された種子を養液面より
も少し上方に保持する高さ、即ち板の底面から8mm程度
の高さの桟として水平に形成されている(図4、図
5)。同様に、定植孔2の両端部にも、前記保持シート
の両端部を受けるシート受け部9がV字形状に、且つそ
の底部は前記の中桟8と同じ高さに形成されている(図
4、図5)。従って、作物の種子11は、図4に示した
ようにスリットと同じ長さの保持シート10を二つ折り
にして挟み、定植孔2の長手方向に挿入するだけで簡単
に安定状態に納まる。但し、種子或いは幼苗を定植孔2
へ植え付ける手段は、前記の保持シート10に限らず、
ウレタンスポンジのシート又は小ブロック、或いは紙
片、綿布、その他を適宜使い分けることが出来る。
【0015】 図1に示した定植板1の上面には、前記の
各定植孔2を取り囲む配置に水溜まり部Wを形成する低
い堰堤7がリブ状に、且つ閉ループ状に形成されてい
る。堰堤7の高さは一例として2mm程度であり、種子を
定植板1へ植え付けた際の散水の一部が雫、水滴の如き
状態で水溜まり部Wに少し残存すればそれで用が足りる
ものとする。図4で明らかなように、堰堤7は定植孔2
の口縁部にも沿ってその全周に形成されている。その意
味は、堰堤7によって確保された水分が定植孔2へむや
みに流れ落ちることを防ぎ、図6のように積み重ねて発
芽室へ搬入したとき、又は水槽に設置し発芽した幼苗の
上に保護用の覆いを被せた時などに、水分が適度に蒸発
して多湿雰囲気が少なくとも発芽期間程度は維持される
ことを期待しているのである。従って、堰堤7の高さ、
堰堤によって取り囲む水溜まり部Wの広さ、形状、範囲
なども、前記の考慮に基づいて設計製作される。例えば
図1の場合、堰堤7は、定植孔2の両側に略同形、同大
に並列する配置で2つの長方形囲い(水溜まり部W)を
形成しているが、これも一例に過ぎない。定植孔2が比
較的口径の小さい丸孔、角孔であれば、その幾つかの定
植孔を大きく囲む形に堰堤7を形成することも考えられ
る。また、水溜まり部としては、図8に示したように定
植板1の上面のある範囲部分を凹ました凹面70、又は
図9に示したように適当な範囲に形成した複数の溝(平
行又は交差する溝群を含む)乃至窪み71等々の構成で
実施することもできる。要するに、水溜り部Wは、その
用途上、定植板1の上面のいずれかの部位に必要な広
さ、範囲に設ければ足りる。図8及び図9はまた、定植
孔2の断面形状の異なる例、及び種子の保持シート10
(保持材)の異なる例をそれぞれ示している。
【0016】 上記定植板1において、水槽の長手方向と
直交する一方の端部(図1、図6の右端)には、板厚を
約二分する階段状に重ね継ぎ用の接続段部13が形成さ
れ、他方の端部(図1、図6の左端)にもやはり板厚を
二分する階段状に重ね継ぎ用の段部15が形成され、こ
れらは互い違いに上下に重ね継ぎできる構成とされてい
る。前記の接続段部13と15の重ね継ぎ代は16mm程
度とされている。従って、この接続段部13と15とを
上下に重ね継ぎすることにより、水槽の長手方向に隣接
する定植板同士の継ぎ目は、太陽光が水槽内の養液中に
入射することを完全に遮断する接続状態となり、且つ1
枚の板が連続するに等しい断熱性と気密性を合わせ持つ
継ぎ目構造となる。よって太陽光の入射によって水槽に
藻が発生することや水槽の養液温度が上昇することが防
止される。のみならず、寒期には養液表面から放熱する
ことを防ぐ断熱効果も奏され、作物の栽培に良好な環境
が整備される。
【0017】 前記接続段部13と15の重ね継ぎ(接
続)状態を良好に確実に保持する連結手段として、一方
の端部(図1、図6の右端)の接続段部13の下面側に
は、その幅寸方向の中央部に、平面的に見て蟻形状の蟻
凸部14が下向きの凸として板厚の限度に形成されてい
る。他方の端部(図1、図6の左端)の接続段部15に
は、その幅寸方向の中央部に、前記の蟻凸部14が下向
きに嵌まる形状、大きさの蟻溝状凹部16が、上下方向
の切り欠き状に形成されている。
【0018】 従って、この定植板1を例えば図3Aのよ
うに水槽4の養液5の液面上に浮かべる時、又は図3B
のように定植板1を水槽4の支持部6に支持させる際
に、同水槽4の長手方向に隣接する二つの定植板1、1
同士の接続段部13と15を上下に互い違いに重ね継ぎ
をするのと同時に、一方の蟻凸部14を他方の蟻溝状凹
部16へ上下方向に嵌め込むことにより、水槽4の長手
方向(図3の紙面と垂直な方向)に並べられる複数の定
植板同士をワンタッチ的に簡単な処理で一連に連結する
ことが出来る。その結果、蟻凸部14と蟻溝状凹部16
との強い連結作用によって接続段部13と15の重ね継
ぎ状態は機械的に強く保持され、もって太陽光が水槽内
の養液中に入射することを経時的に長く良好に遮断し、
また、養液面の断熱性と気密性を良好に維持する。更に
定植板同士が横ずれを起こさないように安定した継ぎ目
を確保することが出来る。
【0019】 上記の通り、接続段部13と15は、互い
違いに上下に重ね継ぎされることによってその目的を達
するから、前記階段状の形態の限りではない。先細状に
傾斜したテーパ面の形態、或いはホゾとホゾ溝の嵌め合
いの形態などを同様に実施することが出来る。また、連
結手段に関しても、図10に例示したように、一方の接
続段部13の下面に上向きの凹面20を形成し、他方の
接続段部15の上面には上向きの凸部21を形成した構
成、又は図11に例示したように、一方の接続段部15
の上面に上向きの突起22を設け、他方の接続段部13
には前記の突起22が密接に嵌まる孔23を設けた構成
等々で実施することができる。極端な実施例としては、
別途用意したカスガイの如き連結具を使用して連結を行
い、同様の作用効果を得ることができる。
【0020】 次に、定植板1の下面(又は上面でも可)
には、前記定植孔2の配置及び形状と整合する配置及び
形状で支持脚12が設けられている。この支持脚12
は、作物の種子又は幼苗を植え付けた定植板1を発芽室
へ搬入し、又は発芽室から水槽のある場所まで運搬して
配設する作業の際に、図6のように積み重ねても、幼苗
が傷つかない程度の隙間を形成するためのもので、板の
底面から15mm程度の高さに突設されている。定植孔2
の配置及び形状と整合する配置及び形状で支持脚12を
設けるとは、例えば図1に支持脚12を点線で図示した
ように、支持脚12の長さ及び幅が定植孔2と略同形、
同大で、且つ定植孔2に隣接する位置に横並びの配置で
設けられていることを意味する。その結果、特に当該定
植板1が使用済になって倉庫等に保管される時には、図
1のものを水平に180°反転して積み重ねると支持脚
12を定植孔2へ嵌めてピッタリ密着した状態にコンパ
クトな積み重ねが出来るし、それでいて上下の定植板1
の端は垂直方向に略一直線状に納まり、嵩の小さい、整
頓状態で保管可能となるのである。
【0021】
【発明が奏する効果】本発明に係る養液栽培用の定植板
は、発芽室へ搬入する直前に1回程度定植板へ水を撒き
濡らすと、水溜まり部に残存する水滴等によって作物の
発芽期間中に必要な水分が十分に確保される。また、発
芽室から取り出した定植板を、養液を収容した水槽へ移
設した際に、同水槽の長手方向に隣接する定植板同士の
継ぎ目は、太陽光が養液中へ入射しないように完全に遮
蔽した重ね継ぎ状態となり、且つ気密的、断熱的な状態
に接続することができる上に、しかも前記の接続状態が
不用意に離脱しない程度に強く連結することが容易に出
来る。従って、作物の育成、栽培に好適な環境を整備出
来るのである。。
【0022】 その上、発芽室内等で上下に積み重ねた定
植板の間に、種子の発芽に必要十分な通気性のある空気
層が確保され、且つ発芽した幼苗の伸長を阻害しないだ
けの隙間が確保される。その一方、非使用時に定植板を
倉庫等へ保管する際には、出来るだけ嵩張らずコンパク
トな積み重ね状態に保管できて、作物の発芽から育成、
栽培のすべてを良好に行うことが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る養液栽培用定植板の実施例を示し
た平面図である。
【図2】図1の定植板の右側面図である。
【図3】A,B,Cは本発明の定植板を渟水式栽培方法
に使用した実施形態を工程順に示した説明図である。
【図4】定植孔に保持シートを使用して播種した状態を
示す断面図である。
【図5】図1の5ー5線矢視の断面図である。
【図6】発芽室へ入れる際の隙間を持つ積み重ね状態を
示した正面図である。
【図7】倉庫等へ保管する際の隙間の無い積み重ね状態
を示した正面図である。
【図8】水溜まり部の異なる構造例を示した断面図であ
る。
【図9】水溜まり部の異なる構造例を示した断面図であ
る。
【図10】接続段部と連結手段の異なる構造例を示した
断面図である。
【図11】接続段部と連結手段の異なる構造例を示した
断面図である。
【符号の説明】 1 定植板 2 定植孔 3 作物 4 水槽 5 養液 W 水溜まり部 7 堰堤 12 支持脚 13 重ね継ぎ用の段部 15 重ね継ぎ用の段部 14 凸部 16 凹部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板厚方向に貫通する複数の定植孔を有
    し、前記定植孔へ所望の作物を植え付けて、水槽に収容
    した養液により作物の育成、栽培を行う定植板におい
    て、 定植板の上面には、各定植孔を除く部位に水溜まり部が
    形成されていること、 同定植板において水槽の長手方向と直交する各端部に
    は、互いに重ね継ぎされる接続段部が形成されているこ
    と、 同じく定植板において水槽の長手方向と直交する端部
    に、水槽の長手方向に隣接する定植板同士の前記接続段
    部による重ね継ぎ状態を保持する連結手段が設けられて
    いることを特徴とする、養液栽培用の定植板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した定植板の上面又は下
    面には、定植孔の配置及び形状と整合する配置及び形状
    で支持脚が複数設けられていることを特徴とする、養液
    栽培用の定植板。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した水溜まり部は、特定
    の範囲を取り囲む配置で形成した低い堰堤、又は逆に部
    分的に凹まされた凹面、又は複数の溝ないし窪み等によ
    り形成されていることを特徴とする、養液栽培用の定植
    板。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載した接続段部及び連結手
    段は、接続段部の互いに重ね継ぎされる面に形成した上
    下方向の凹凸、又は接続段部の一部に相互に嵌まり合う
    ように上下方向に形成された蟻溝形状の凹凸、又は接続
    段部に相互に嵌まる合うように上下方向に形成された孔
    と突起の構成で設けられていることを特徴とする、養液
    栽培用の定植板。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012147765A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Nagao Design Jimusho:Kk 植物栽培装置
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JP2023159668A (ja) * 2022-04-20 2023-11-01 株式会社Gac 植物栽培システムに用いられる栽培用ポット

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