JPH10270517A - p型シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度測定方法 - Google Patents

p型シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度測定方法

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JPH10270517A
JPH10270517A JP9091595A JP9159597A JPH10270517A JP H10270517 A JPH10270517 A JP H10270517A JP 9091595 A JP9091595 A JP 9091595A JP 9159597 A JP9159597 A JP 9159597A JP H10270517 A JPH10270517 A JP H10270517A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 表面光電圧法によってp型シリコンエピタキ
シャル層のキャリア濃度を測定する方法において、試料
に特別な処理を行うことなく、p型シリコンエピタキシ
ャル層の真のキャリア濃度を非接触かつ迅速・簡便に測
定できる方法を提供する。 【解決手段】 シリコン基板上に成長させたp型シリコ
ンエピタキシャル層のキャリア濃度を表面光電圧法によ
って測定する方法において、予めキャリア濃度の経時変
化を求めておき、エピタキシャルウエーハ製造装置から
ウエーハを取り出してから表面光電圧法によりキャリア
濃度を測定するまでの時間を計測することによって、キ
ャリア濃度の測定値NS と前記キャリア濃度の経時変化
とから真のキャリア濃度NO を求める、ことを特徴とす
るp型シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度測定方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はp型シリコンエピタ
キシャル層のキャリア濃度測定方法に関するもので、詳
しくは表面光電圧法によりp型エピタキシャル層表層の
真のキャリア濃度を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンエピタキシャルウェーハは、そ
の優れた特性から広く個別半導体やバイポーラIC等を
製造するウエーハとして、古くから用いられてきた。ま
た、MOS LSIについても、ソフトエラーやラッチ
アップ特性が優れている事から、マイクロプロセッサユ
ニットやフラッシュメモリデバイスに広く用いられてい
る。さらに、シリコン単結晶製造時に導入される、いわ
ゆるGrown−in欠陥によるDRAMの信頼性不良
を低減させるため、エピタキシャルウェーハの需要はま
すます拡大している。
【0003】このようなエピタキシャルウエーハにおい
ては、エピタキシャル層は、直接にデバイス活性領域と
なるため、そのキャリア濃度を正確に制御すること及び
測定する事は、デバイス動作上極めて重要である。
【0004】従来よりシリコンウェーハのエピタキシャ
ル層のキャリア濃度を測定する方法としては、一般的に
ショットキー接合を形成し、いわゆるC−V法(Cap
acitance−Voltage法)により測定する
方法が行なわれている。ショットキー接合を形成するに
は、エピタキシャル層表面に金属電極を蒸着することに
より行なうのが一般的であるが、エピタキシャル層表面
にHgプローブを接触させることにより、ショットキー
接合を形成する方法も行なわれている。
【0005】しかしながら、上記従来のCーV法では、
真空蒸着によるショットキー接合を形成する前処理に約
1時間を必要とし、測定までに時間がかかり、結果とし
てその間エピタキシャル成長を中断せざるを得ず、生産
性を落とすという問題がある。また、金属蒸着あるいは
Hgプローブをウェーハ表面に接触させる為、いわゆる
破壊検査となり、検査用のモニターウェーハが別途必要
で、コストの点でも問題があった。
【0006】そこで、このような問題点を解決するもの
として、キャリア濃度の評価について、表面光電圧法
(Surface Photovoltage法:SP
V法)を用いた方法が、近年検討されている。この方法
は、例えば測定点1点につき約0.1秒しか測定時間が
かからず、その上非接触で測定できるため、ウエーハを
汚染、破壊することなく生産性、コストともに有利な方
法として期待されている。
【0007】この表面光電圧法によるキャリア濃度の評
価は、表面光電圧法により空乏層幅Wを測定できること
を利用し、空乏層幅Wからキャリア濃度を求めるもので
ある。表面光電圧法により空乏層幅Wを求める点につい
ては、例えば、J.Voc.Sci.Technol.
20(1982)p.811のEq.15に示されてい
る。また最大空乏層幅Wmax と空乏層中でのドーパント
濃度(キャリア濃度)NS については、例えば、Phy
sics and technology of se
miconductor devices(Jhon
Willey& Sons,Inc.,New Yor
k,1967) p.270において示されている。
【0008】この表面光電圧を測定する装置としては、
例えば主に表面汚染の評価、あるいは表面ライフタイム
の評価に用いられている装置であるQC Soluti
ons社製のSurface Charge Prof
iler(以後、SCPと略す)が知られている。
【0009】SCPの測定原理は、熱平衡状態にあるウ
ェーハにSiのバンドギャップエネルギー以上の光(h
ν)をサンプル表面に照射すると、照射した光の波長に
対応した侵入深さで過剰キャリアが発生する。発生した
電子は表面側へ、ホールは空乏層の端へ移動する。発生
した少数キャリア(p型半導体では電子e)は表面の障
壁高さをδVS だけ変化させる。この電位δVS をSP
V値と呼ぶ。
【0010】このSPV値を用い、次の(1)式に従っ
て空乏層幅Wd を算出することができる。 δVS =−j(δφ/ω)(1−R)q(Wd /εS ) ・・・(1) ここで、jは虚数単位、φは励起光強度、ωは励起光の
角周波数、Rはウェーハ表面の反射率、qは単位電荷
量、εS は半導体の誘電率である。
【0011】そして、SCPでは測定された空乏層幅W
d が最大空乏層幅Wmax と仮定し、次の(2)式よりキ
ャリア濃度NS を算出することができる。 Wmax =[2εS kTln(NS /ni )/q2S1/2 ・・・(2) ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、ni は真
性自由キャリア濃度を表す。
【0012】測定に用いる励起光源として通常の表面光
電圧法で用いられるものよりも短波長である、例えば4
50nmの励起光源を用いれば、光の侵入深さが0.4
μm以下となり、ウェーハ表層のみのキャリア濃度(厳
密にはドーパント濃度)を評価することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述のよう
に表面光電圧法は、p型シリコンエピタキシャル層のキ
ャリア濃度の測定を、迅速・簡便かつ非接触で行なえ、
特にエピタキシャル層の表層の評価ができるという利点
があるけれども、その反面測定値が安定せず、経時的に
変化したり、測定ウエーハの洗浄その他の処理方法によ
って、データが変わってしまうという問題があることが
わかった。
【0014】そして、安定したキャリア濃度を測定する
には、ウエーハをこの経時変化が完全に一定になるまで
保持しておき、その後測定すればよいが、それでは測定
までに時間がかかり過ぎ、C−V法と同様な問題が生じ
てしまう。
【0015】また、ウエーハに洗浄その他の何らかの前
処理を施し、ウエーハの表面状態を安定させてから測定
することも考えられるが、そのような前処理で簡便かつ
有効な方法は見いだされていない上に、このような前処
理を追加することによって、設備及び工程が増えてしま
い、表面光電圧法の利点が失われてしまう。
【0016】そこで、本発明はこのような問題点に鑑み
なされたもので、本発明の目的は、表面光電圧法によっ
てp型シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を測定
する方法において、試料に特別な処理を行うことなく、
p型シリコンエピタキシャル層の真のキャリア濃度を非
接触かつ迅速・簡便に測定できる方法を提供することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1に記載した発明は、シリコン基板
上に成長させたp型シリコンエピタキシャル層のキャリ
ア濃度を表面光電圧法によって測定する方法において、
予めキャリア濃度の経時変化を求めておき、エピタキシ
ャルウエーハ製造装置からウエーハを取り出してから表
面光電圧法によりキャリア濃度を測定するまでの時間を
計測することによって、キャリア濃度の測定値NS と前
記キャリア濃度の経時変化とから真のキャリア濃度NO
を求める、ことを特徴とするp型シリコンエピタキシャ
ル層のキャリア濃度測定方法である。
【0018】このように、表面光電圧法によってp型シ
リコンエピタキシャル層のキャリア濃度を測定する場合
において、予めキャリア濃度の経時変化を求めておけ
ば、その後実際の測定においては、エピタキシャルウエ
ーハ製造装置からウエーハを取り出してから表面光電圧
法によりキャリア濃度を測定するまでの時間を計測する
ことによって、該キャリア濃度の測定値NS と前記キャ
リア濃度の経時変化とから真のキャリア濃度NO を求め
ることができる。したがって、たとえエピタキシャルウ
エーハを成長させた後すぐに測定したとしても、その後
の経時変化量がわかるので、真のキャリア濃度を知るこ
とができ、表面光電圧法の利点を生かし、簡易かつ迅速
なキャリア濃度測定が可能とされる。
【0019】そして、本発明の請求項2に記載した発明
は、請求項1に記載したp型シリコンエピタキシャル層
のキャリア濃度測定方法において、予め行うキャリア濃
度の経時変化の測定は、エピタキシャルウエーハ製造装
置毎に行なうことを特徴とする。
【0020】このように、エピタキシャルウエーハ製造
装置毎に、予めキャリア濃度を測定しておけば、決め細
やかな経時変化の修正ができ、より正確なキャリア濃度
の測定が可能となる。
【0021】また、本発明の請求項3に記載した発明
は、請求項1または請求項2に記載したp型シリコンエ
ピタキシャル層のキャリア濃度測定方法において、表面
光電圧法によるキャリア濃度の測定は、ウエーハをエピ
タキシャルウエーハ製造装置から取り出したままの状態
で行なうことを特徴とする。
【0022】このように、表面光電圧法によるキャリア
濃度の測定を、洗浄その他の前処理をすることなく、ウ
エーハをエピタキシャルウエーハ製造装置から取り出し
たままの状態で行なうようにすれば、きわめて簡単かつ
低コストであるとともに、前処理による経時変化の仕方
の変化が起こることもないので、より正確な測定ができ
る。
【0023】以下、本発明につきさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるわけではない。本発明
者らは、表面光電圧法において、測定値が安定せず、ば
らつきが大きい原因について鋭意調査・検討した結果、
これはエピタキシャル層成長後のみかけのキャリア濃度
が時間と共に減少する現象、いわゆる経時変化を起こし
ていることを見出した。
【0024】これは、p型シリコンエピタキシャルウエ
ーハの表面の電荷状態の変化に影響されているものと思
われる。すなわち、一般にp型シリコンエピタキシャル
ウエーハでは、表面の正電荷密度が増加すると空乏層が
広がり、やがて飽和状態に達する。前述のように、SC
Pでは測定された空乏層幅Wd が最大空乏層幅Wmax
仮定し、(2)式よりキャリア濃度NS を算出するので
あるから、正確な測定をするためには、ウエーハ表面に
十分な量の正電荷が存在し、Wmax に達していることが
重要となる。
【0025】したがって、測定値の経時変化は、空乏層
幅の変化、詳しくはウエーハ表面の電荷の状態の変化に
よるものであると予想される。すなわち、通常のエピタ
キシャル成長の条件では、エピタキシャル層表面の正電
荷量はWmax に達するほど十分ではなく、時間の経過と
ともに増加して行く。これに伴い見かけ上のキャリア濃
度が減少してゆき、空乏層幅がWmax に達してからは一
定となるのである。
【0026】そこで、本発明者らは、キャリア濃度の経
時変化を予めエピタキシャル製造装置毎に測定してお
き、ウエーハを装置から取り出した後の経過時間(ウエ
ーハ保管時間)より、キャリア濃度の測定値を補正する
ことを発想し、本発明を完成させたものである。
【0027】すなわち、本発明は、シリコン基板上に成
長させたp型シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度
を表面光電圧法によって測定する方法において、予めキ
ャリア濃度の経時変化を求めておき、エピタキシャルウ
エーハ製造装置からウエーハを取り出してから表面光電
圧法によりキャリア濃度を測定するまでの時間を計測す
ることによって、キャリア濃度の測定値NS と前記キャ
リア濃度の経時変化とから真のキャリア濃度NO を求め
るというものである。
【0028】具体的な手順としては、まずそれぞれのエ
ピタキシャル製造装置において、エピタキシャル層成長
後の任意のウェーハについて表面光電圧法によりキャリ
ア濃度を時経列的に測定し、検定線あるいは補正式等を
作成し、キャリア濃度の経時変化を予め求めておく。そ
してその後、実際の製品の測定を行うが、これはエピタ
キシャル層成長後に製品を抜き取り、表面光電圧法によ
り空乏層幅Wを測定し、キャリア濃度NS を求める。こ
の時、ウエーハをエピタキシャル層製造装置から取り出
してから測定までの時間を計測しておく。そして、この
測定までの時間から、前記予め用意していた経時変化の
関係を用い、キャリア濃度の測定値NSに補正を加える
ことで、真のキャリア濃度N0 を求めることができる。
【0029】こうして、p型エピタキシャルウェーハに
ついて、任意のウェーハでエピタキシャル層成長後の経
時変化を予め確認しておき、補正式等を作成しておくこ
とで、常に真のキャリア濃度を評価することが可能とな
った。経時変化の補正は、補正式を用いる場合は、例え
ばN0 =f(t)×NS の形で補正すればよいし、検定
線を用いる場合は、予め時間に対する検定線をグラフ化
しておけば簡単に測定値NS から真のキャリア濃度N0
を求めることができる。(ここで、f(t)はエピタキ
シャル層成長後の時間tの任意の関数で、経時変化に応
じた関数を選択する。)
【0030】したがって、本発明の方法では、エピタキ
シャル層成長後、いつ測定しても時間さえ確認しておけ
ば正確なキャリア濃度を評価することができるようにな
った。特に、エピタキシャル層成長後、すぐに測定する
ことが可能であるので、従来に比較し極めて時間の短縮
化がはかれる。しかも、本法の表面光電圧法は非接触で
測定でき、破壊検査ではないので、歩留の向上をも図る
ことができる。
【0031】この場合、本発明では、予め測定した経時
変化からその後の実際の測定値を補正するものであるか
ら、経時変化は再現性のあるものであることが前提とな
る。したがって、予め行なう経時変化の測定は、エピタ
キシャル層製造装置毎に行なうとともに、エピタキシャ
ル層成長後、キャリア濃度測定までのウエーハの処理条
件を統一する必要がある。
【0032】これは、p型シリコンエピタキシャル層の
キャリア濃度の経時変化は、みな同様な減衰傾向を有し
ているのではあるが、製造機種さらには各製造装置毎に
微妙な相違があり、これを校正するために予め行うキャ
リア濃度の経時変化の測定は、エピタキシャルウエーハ
製造装置毎に行なうのが好ましいのである。そして、こ
のようにエピタキシャルウエーハ製造装置毎に、経時変
化を校正することによって、測定値のきめ細やかな修正
ができ、より正確なキャリア濃度の測定が可能となる。
【0033】また、エピタキシャル層成長後、キャリア
濃度測定までのウエーハの処理条件を統一する必要があ
るのは、例えば、測定前にウエーハを洗浄等を行った場
合、その時点で経時変化の仕方が急激に変化してしま
い、予め行なった経時変化の補正ができなくなるからで
ある。
【0034】したがって、エピタキシャル層成長後、キ
ャリア濃度測定までのウエーハの処理条件は、決まった
同一の工程で流すことが必要であり、予め行なう経時変
化の測定の時と、実際の製品の測定の時とで統一させる
ようにする。そして、このキャリア濃度測定までのウエ
ーハの処理条件としては、特別な理由がないかぎりエピ
タキシャル層成長後、洗浄その他の処理を加えることな
く、ウエーハをエピタキシャルウエーハ製造装置から取
り出したままの状態(as−grownの状態)で測定
することが最も好ましい。
【0035】これは、前述のように、洗浄等の前処理を
ウエーハに加えると、キャリア濃度の経時変化の仕方が
急激に変わり、コントロールができず、かえってばらつ
きの原因となるからである。したがって、ウエーハに特
別な前処理を加えることなく、そのまま保管し測定する
方が、かえって正確な測定ができる。しかも、特別な前
処理をすることなくそのまま測定するのであるから、き
わめて簡単かつ低コストとなる。
【0036】そして、SCPによるp型エピタキシャル
層のキャリア濃度測定においては、測定点1点につき約
0.1秒と非常に高速であるため、迅速にエピタキシャ
ル層成長直後のキャリア濃度評価が可能である。例え
ば、直径6インチウェーハの面内約4000点のキャリ
ア濃度分布の測定時間は約5分程度しかかからない。
【0037】この場合、エピタキシャル層成長直後であ
ると、この測定時間内にも2%程度の経時変化が起こり
得る。しかし、通常のインラインにおける検査では、ウ
エーハ面内9点程度の測定であるため、測定中の経時変
化量は無視できる程度に非常に小さい値に過ぎない。ま
た、SCPで面内の分布を測定するためには、最低20
0点程度の測定が必要であるが、その場合でも20秒程
度しか時間がかからないので、測定中の経時変化量はそ
れほど大きいものとはならない。因に、従来のC−V法
による測定精度が、2%程度であるので、本発明の方法
は、これと同等以上の精度で評価が可能である。
【0038】また、測定可能な抵抗率の範囲としては、
装置の能力にもよるが、SCPの場合通常0.1〜10
00Ωcmまで評価が可能である。
【0039】なお、前述のように表面光電圧法でキャリ
ア濃度を評価するには空乏層が存在することが必要であ
り、SCPで評価する場合、エピタキシャル層成長後の
ウェーハの表面は普通は正に帯電している為、p型エピ
タキシャル層の評価には有効であるが、n型ウェーハで
は空乏層がなくなる方向に進むので、キャリア濃度測定
は困難である。また、通常のエピタキシャル層のない鏡
面ウエーハ表層のキャリア濃度は、表層のボロンが水素
により不活性化しているため、本法で測定するのは難し
い。
【0040】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的実施形態を
示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。 (予め行なうキャリア濃度の経時変化の測定)単一のエ
ピタキシャルウエーハ製造装置で、0.007Ωcmの
p型シリコンウエーハ上に、抵抗率の水準20、10、
5Ωcm狙いのp型エピタキシャル層を膜厚6μm で形
成した、いわゆるP/P++エピタキシャルウェーハを作
製し、ウエーハを製造装置から取り出したまま特別な処
理を加えることなく、SCPによりエピタキシャル層の
キャリア濃度を、時経列的に測定した。
【0041】その結果を、図1にエピタキシャル層成長
後の経過時間(装置からウエーハを取り出してからの時
間)に対するキャリア濃度の変化として示した。図1を
見ると、キャリア濃度は経時変化していることが明らか
であり、エピタキシャル層成長直後に測定した場合と長
時間保持した後に測定した場合とでは、最大約20%の
測定値のズレが生じることがわかる。また、経時変化の
割合は、ウエーハの抵抗率にはよらず、同じ傾向を示す
ことがわかる。したがって、抵抗率が異なり、製造バッ
チが異なるにもかかわらず、製造装置を特定し、同じ後
処理をすれば、任意の抵抗率のエピタキシャルウエーハ
につき1度経時変化を測定すれば、その後の製品の経時
変化を知ることができる。
【0042】したがって、予め行なう経時変化の測定
は、一水準の抵抗率のエピタキシャルウエーハについ
て、1度だけ行なえば足り、抵抗率の水準毎に経時変化
を確認したり、その後製造される製品と同じ抵抗率のも
ので測定する等の必要は必ずしもないので、この測定に
かかる手間も少なくてすむ。
【0043】次に、測定値を補正をするための経時変化
の関係式を求める。上記結果を、エピタキシャル層成長
後15分での測定値を1として規格化すると、図2に示
すようになる。この図2からもわかるように抵抗率によ
らず、キャリア濃度の経時変化の傾向は同じで、表面の
電荷密度が飽和するまで、一定の減衰率であることがわ
かる。したがって、この関係を求めておけば、その後の
測定値を簡単に補正して、真のキャリア濃度を知ること
ができる。
【0044】本実施例においては、真のキャリア濃度N
0 の状態になるまで、約5日かかることがわかる。した
がって、エピタキシャル層成長後この間にキャリア濃度
測定を測定する場合には、補正が必要となる。そして、
本実施例で用いたエピタキシャル層成長装置での経時変
化は、例えば図からN0 =0.7851×t(min)
0.02718 ×NS と求めることができるので、表面電荷密
度が飽和するまで、このような関係式で測定値を補正す
れば良い。但し、補正式あるいは補正の仕方はこの例に
限るものではなく、検定線、検量線等を作成してもよ
く、種々変形応用することが可能である。
【0045】この場合、エピタキシャル層成長直後、例
えば15分程度後にいつも測定するものとすれば、一律
約20%の補正を行えばよいことになるが、実際には工
程の都合上検査するまでの時間を一律に規定すること
は、きわめて困難であるといえる。
【0046】(製品エピタキシャルウエーハのキャリア
濃度測定)上記のように経時変化を予め求めたエピタキ
シャルウエーハ製造装置で、エピタキシャル層抵抗率の
水準30、13、4.2、1.4Ωcm狙いで、エピタ
キシャル層の膜厚6μm 、P/P++エピタキシャルウェ
ーハの製品を作製し、上記同様ウエーハを製造装置から
取り出したまま特別な処理をすることなく、SCPによ
ってキャリア濃度の測定を行った。そして、この時ウエ
ーハを取り出してから測定するまでの経過時間を計測し
ておいた。得られた測定値を、上記図2から求められた
補正式にしたがって補正を行ない、真のキャリア濃度N
0 を求めた。
【0047】次に、比較として上記本発明方法で測定が
終了したウエーハを、従来法であるショットキーC−V
法によりキャリア濃度を測定し、これらの結果をC−V
法とSCPによる本発明方法とを比較する形で図3に示
した。
【0048】図3から明らかなように、従来のC−V法
と本発明の方法とでは、極めてよい相関があり、従来の
ように時間をかけなくとも、キャリア濃度の測定が可能
であり、表面光電圧法の測定値のばらつき、不安定性を
完全に解消できていることがわかる。
【0049】ここで、図3において、C−V値と本法の
測定値とで、完全には1:1の相関になっていないが、
これはSCP装置もしくはC−V装置毎の装置間差であ
り、標準サンプル等で合わせ込み(校正)を行うことに
よって簡単に正しい値へ校正することができる。
【0050】尚、本発明は、上記実施形態に限定される
ものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特
許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な
構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる
ものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0051】例えば、本発明では製品のエピタキシャル
層成長後の経過時間を、「エピタキシャルウエーハ製造
装置からウエーハを取り出してから表面光電圧法により
キャリア濃度を測定するまでの時間」という文言を用い
たが、この文言は厳密に解されるべきものではなく、単
に表面光電圧法によりキャリア濃度を測定するために
は、製造装置からウエーハを取り出さなければ測定でき
ないために、このような表現としたまでのことで、製造
装置内でエピタキシャル層の成長を停止した時からカウ
ントしてもよく、あるいは装置内でのウエーハの冷却時
間が終了した時点からとしても良いもので、本発明はこ
のようなものも当然に含むものである。
【0052】そして、エピタキシャルウエーハ製造装置
についても、バッチ方式であると、いわゆる枚葉方式で
あるとは問わないことは言うまでもなく、例えば、枚葉
方式の場合、エピタキシャル層の成長が終わり、ウエー
ハがカセットにセットされた時点をスタート時間とする
ことにより、経過時間を容易に計測することができる。
すなわち、予め行なう経時変化の測定と同じ工程とし、
製品測定までの経過時間が容易に把握できるようにする
ものであれば、いずれの時点を起算点としても良く、本
発明はそのような場合にも当然に適用できる方法であ
り、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0053】また、上記実施形態では、表面光電圧法に
よる測定装置として、SCPを用いる場合を挙げたが、
本発明はこの装置を用いる場合に限られるものではな
く、表面光電圧法により、エピタキシャル層のキャリア
濃度を測定できるものであれば原則としてどのようなも
のであってもよい。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明では、表面
光電圧法によってp型シリコンエピタキシャル層のキャ
リア濃度を測定する場合において、予めキャリア濃度の
経時変化を求めておき、その後製品の測定値を経時変化
にしたがって補正するようにしたので、たとえエピタキ
シャルウエーハを成長させた後すぐに測定したとして
も、真のキャリア濃度を知ることができる。そして、表
面光電圧法は、非破壊かつ迅速にエピタキシャル層のキ
ャリア濃度を測定できるので、製造装置のキャリア濃度
測定待ち時間が大幅に短縮され、生産工程の生産性が著
しく向上する。また非接触であるためモニタウェーハを
必要とせず、コスト削減効果も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】予めキャリア濃度の経時変化を測定した結果図
である。
【図2】エピタキシャル層成長後15分での測定値を1
として規格化した、キャリア濃度の経時変化を表した図
である。
【図3】従来法のC−V法と本発明の方法とでの相関関
係を示した図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板上に成長させたp型シリコ
    ンエピタキシャル層のキャリア濃度を表面光電圧法によ
    って測定する方法において、 予めキャリア濃度の経時変化を求めておき、エピタキシ
    ャルウエーハ製造装置からウエーハを取り出してから表
    面光電圧法によりキャリア濃度を測定するまでの時間を
    計測することによって、キャリア濃度の測定値NS と前
    記キャリア濃度の経時変化とから真のキャリア濃度NO
    を求める、 ことを特徴とするp型シリコンエピタキシャル層のキャ
    リア濃度測定方法。
  2. 【請求項2】 前記予め行うキャリア濃度の経時変化の
    測定は、エピタキシャルウエーハ製造装置毎に行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載したp型シリコンエピ
    タキシャル層のキャリア濃度測定方法。
  3. 【請求項3】 前記表面光電圧法によるキャリア濃度の
    測定は、ウエーハをエピタキシャルウエーハ製造装置か
    ら取り出したままの状態で行なう、ことを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載したp型シリコンエピタキ
    シャル層のキャリア濃度測定方法。
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