JPH10270233A - 磁性ポリマー粒子およびその製造方法 - Google Patents

磁性ポリマー粒子およびその製造方法

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JPH10270233A
JPH10270233A JP6976297A JP6976297A JPH10270233A JP H10270233 A JPH10270233 A JP H10270233A JP 6976297 A JP6976297 A JP 6976297A JP 6976297 A JP6976297 A JP 6976297A JP H10270233 A JPH10270233 A JP H10270233A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超常磁性体の分散性に優れた新規な磁性
ポリマー粒子の提供。特性の優れた磁性ポリマー粒子
を確実に製造する製造方法の提供。 【解決手段】 本発明の磁性ポリマー粒子は、(A)ア
ルキル基の炭素数が4〜20のアルキル(メタ)アクリ
レートに由来する単位30〜99重量%、(B)不飽和
カルボン酸に由来する単位1〜20重量%、(C)前記
アルキル(メタ)アクリレートおよび不飽和カルボン酸
と共重合可能なモノマーに由来する単位0〜69重量%
からなる共重合体100重量部に対し、超常磁性体1〜
100重量部を含有し、数平均粒子径が0.02〜30
μmである。本発明の製造方法は、前記アルキル(メ
タ)アクリレートを30重量%以上の割合で含有するモ
ノマー中に超常磁性体を分散させて調製したモノマー組
成物を水性媒体中に分散させて懸濁液を得、この懸濁液
中において、前記モノマーを重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性ポリマー粒子
およびその製造方法に関し、更に詳しくは、診断薬担
体、細菌分離単体、細胞分離担体、核酸分離精製担体、
蛋白分離精製担体、固定化酵素担体、ドラッグデリバリ
ー担体、磁性トナー、磁性インク、磁性塗料などとして
有用な磁性ポリマー粒子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁性ポリマーラテックスは、磁力を利用
することによりラテックス粒子を容易に分離回収するこ
とができるなどの利点から、診断薬担体、細胞、蛋白ま
たは核酸の分離精製担体などとして、優れた取扱性が得
られるものと期待されている。また、乾燥や加熱するこ
とによって成膜する磁性ポリマーラテックスは、磁性ト
ナー、磁性インク、磁性塗料などの用途に適用すること
も期待される。斯かる磁性ポリマーラテックスを構成す
る磁性ポリマー粒子の合成法としては、粒子内部に磁性
体が存在するタイプの粒子を得る方法として、下記
(1)〜(3)に示す方法が知られている。
【0003】(1)磁化処理および親油化処理が施され
た超常磁性体ではない磁性体を重合性モノマーに分散さ
せ、この重合性モノマーを懸濁重合して磁性ポリマー粒
子を得る方法(特開昭59−221302号公報参
照)。
【0004】(2)親油化処理が施された磁性体をビニ
ル芳香族モノマーを含む有機相に分散させ、この分散体
を、ホモジナイザーを用いて水性相へ均質に分散させた
後重合することにより、比較的小粒径の磁性ポリマー粒
子を得る方法(特公平4−3088号公報参照)。
【0005】(3)特定の官能基を有する多孔ポリマー
粒子の存在下に鉄化合物を析出させ、この鉄化合物を酸
化することで、当該多孔ポリマー粒子の内部に磁性体を
導入し、2μm以上の大粒径かつ均一径の磁性ポリマー
粒子を得る方法(特公平5−10808号公報)。
【0006】しかしながら、上記(1)の方法では、超
常磁性体ではない保磁力を有する磁性体を磁化処理する
ために、重合の際に分散粒子が凝集融着し、得られる磁
性ポリマー粒子は、過大な粒径を有するものとなり、そ
のような磁性ポリマー粒子は、水性媒体中で沈降しやす
いという問題がある。また、特定物質の吸着剤として用
いる場合に、粒子の表面積が小さいために十分な量の目
的物質を吸着することができないという問題もある。ま
た、上記(1)の方法を開示する特開昭59−2213
02号公報においては、スチレンを主体とする重合性モ
ノマーが使用されている。然るに、スチレン系の重合体
は、磁性体との親和性が低いために、重合反応系(モノ
マー)において良好に分散されていた磁性体が、重合後
のポリマー粒子内部において分離凝集したり、ポリマー
粒子表面に析出したりするという問題がある。また、ス
チレンを主体とする重合性モノマーを用いて合成された
磁性ポリマー粒子は、多量に導入された芳香環構造のた
めに紫外線を吸収して蛍光発色する。この結果、当該磁
性ポリマー粒子を生理活性物質の同定検知に使用する場
合には、多くの制約が生じるという問題もある。さら
に、スチレンを主体とする重合性モノマーを用いて得ら
れる磁性ポリマー粒子は、蛋白に対する吸着性が高く非
特異吸着性が大きいため、当該磁性ポリマー粒子を用い
た診断系ではバックグランドが大きいという問題があ
る。
【0007】上記(2)の方法により得られる磁性ポリ
マー粒子は、粒子内部における磁性体の均一分散性に劣
るものとなり、当該磁性体は、粒子表面近傍に局在化さ
れる。このため、磁性ポリマー粒子から鉄イオンが溶出
したり、酸性条件下において磁性体が溶解流出したりし
て磁性ポリマー粒子としての特性が損なわれるという問
題がある。
【0008】上記(3)の方法は、磁性ポリマー粒子の
製造工程が複雑であり、また、磁性体がポリマーによっ
てカプセル化されていないため、鉄イオンが溶出すると
いう問題がある。
【0009】一方、ポリマー粒子エマルジョンの中で鉄
化合物を析出させることにより、当該ポリマー粒子の表
面をフェライト化する方法が開示されている(特開平3
−115862号公報および特開平5−138009号
公報参照)。しかしながら、この方法により得られる磁
性ポリマー粒子は、粒子表面に磁性体が存在するため
に、鉄イオンの溶出が顕著に発生するという問題があ
る。上記のような従来の合成法によって得られる磁性ポ
リマー粒子を、例えば診断薬担体として用いると、十分
な感度が得られなかったり、非特異酵素反応を示して良
好な実用性能が得られなかったりする。この理由は、磁
性ポリマー粒子の粒子表面に磁性体が部分的に露出し、
あるいは粒子表面と粒子内部に存在する磁性体との間に
ミクロパスが形成されているため、鉄イオンが外部に溶
出して実用性能に悪影響を及ぼすからであると考えられ
る。
【0010】鉄イオンの外部への溶出をある程度抑制す
るものとして、磁性体粒子を芯材として疎水性の架橋モ
ノマーを水相中で重合することにより、磁性体粒子を内
包した磁性ポリマー粒子を得る技術が開示されているが
(特開平2−286729号公報参照)、この技術によ
っても、鉄イオンの溶出を十分に抑制することはできな
い。また、磁性ポリマー粒子の表面に、磁性体を含まな
いポリマーからなる被覆層を形成する技術が開示されて
いるが(特公平5−16164号公報参照)、その具体
的な方法は、界面重縮合法とスプレードライ噴霧法のみ
しか示されておらず適用範囲が限られている。
【0011】また、乳化重合法によって磁性ポリマー粒
子を合成する技術が開示されているが(特公平3−57
921号公報)、乳化重合法によっては粒径の大きい粒
子を合成することが困難であり、従って、磁気沈降性の
良好な磁性ポリマー粒子を再現性よく得るには至ってい
ない。
【0012】以上のように、従来の合成法により得られ
る磁性ポリマー粒子は、鉄イオンの外部への溶出という
問題を有するために、鉄イオンの溶出による影響を受け
ない用途・分野にしか適用することができないのが現状
である。このため、磁性体の分散性に優れ、鉄イオンを
外部に溶出させない磁性ポリマー粒子の開発が望まれて
いる。また、実用上の観点から、磁性ポリマー粒子が、
水性媒体中で沈降しにくく、均質な分散状態を維持して
いることが必要である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、超常磁性体の均一分散性に優れた新規な磁性ポリマ
ー粒子を提供することにある。本発明の第2の目的は、
水性媒体中で沈降しにくい磁性ポリマー粒子を提供する
ことにある。本発明の第3の目的は、磁気応答性に優れ
ているとともに、磁性体に由来する鉄イオンが外部に溶
出されにくく、種々の用途・分野に広く適用することの
できる磁性ポリマー粒子を提供することにある。本発明
の第4の目的は、生理活性物質に対して良好な結合性を
有する磁性ポリマー粒子を提供することにある。本発明
の第5の目的は、上記のような優れた特性を有する磁性
ポリマー粒子を確実に製造することのできる方法を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の磁性ポリマー粒
子は、(A)アルキル基の炭素数が4〜20であるアル
キル(メタ)アクリレートに由来する構造単位(以下
「構造単位A」という)30〜99重量%、(B)不飽
和カルボン酸に由来する構造単位(以下「構造単位B」
という)1〜20重量%、並びに(C)前記アルキル
(メタ)アクリレートおよび前記不飽和カルボン酸と共
重合可能なビニルモノマーに由来する構造単位(以下
「構造単位C」という)0〜69重量%からなる共重合
体(以下「特定重合体」という)100重量部に対し
て、超常磁性体1〜100重量部を含有してなり、数平
均粒子径が0.02〜30μmであることを特徴とす
る。また、上記の粒子にオリゴヌクレオチドまたは生理
活性蛋白質を固定してなる磁性ポリマー粒子が好まし
い。
【0015】本発明の磁性ポリマー粒子の製造方法は、
アルキル基の炭素数が4〜20であるアルキル(メタ)
アクリレートを30重量%以上の割合で含有するモノマ
ー中に超常磁性体を分散させてモノマー組成物を調製
し、このモノマー組成物を水性媒体中に分散させて懸濁
液を得、この懸濁液中において、前記モノマーを重合さ
せることを特徴とする。
【0016】
【作用】
(1)超常磁性体は、ポリマー(特定重合体)中におい
て均一に分散され、好適な粒子径の磁性ポリマー粒子を
構成することができる。 (2)超常磁性体が分散されて構成される磁性ポリマー
粒子は、その合成の際に、分散粒子の凝集融着が生じに
くく、好適な粒子径を有するものとなる。従って、当該
磁性ポリマー粒子は、水性媒体中で沈降されにくく、当
該水性媒体中において均質な分散状態で存在することが
できる。 (3)本発明の磁性ポリマー粒子には、超常磁性体が特
定の割合で含有されているので、優れた磁気応答性が発
現されるとともに、当該超常磁性体に由来する金属イオ
ンが外部に溶出することが防止される。 (4)特定の構造単位よりなる特定重合体は、本発明の
磁性ポリマー粒子に、生理活性物質に対する良好な結合
性を付与することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
<本発明の磁性ポリマー粒子>以下、本発明について詳
細に説明する。本発明の磁性ポリマー粒子は、特定共重
合体よりなる粒子中に超常磁性体が分散含有(内包)さ
れて構成されている。
【0018】<特定重合体>本発明の磁性ポリマー粒子
を構成する特定重合体は、前記構造単位Aと前記構造単
位Bとを必須成分として含有し、前記構造単位Cを任意
成分として含有する共重合体である。
【0019】前記構造単位Aを構成するアルキル(メ
タ)アクリレート〔以下「単量体(A)」ともいう〕に
おけるアルキル基の炭素数は、通常4〜20とされ、好
ましくは6〜18とされる。このアルキル基は、直鎖
状、分岐状、環状の何れのものであってもよい。斯かる
単量体(A)の具体例としては、2−エチルヘキシルア
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−
ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソ
ブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ペン
チルアクリレート、ペンチルメタクリレート、ステアリ
ルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリル
アクリレート、ラウリルメタクリレート;シクロヘキシ
ルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シク
ロヘキシルエチレングリコールアクリレート、シクロヘ
キシルエチレングリコールメタクリレート、シクロヘキ
シルジプロピレングリコールアクリレート、シクロヘキ
シルジプロピレングリコールメタクリレート、シクロヘ
キセンジアクリレート、シクロヘキセンジメタクリレー
ト;メチル置換シクロヘキシルアクリレート、メチル置
換シクロヘキシルメタクリレートなど「シクロヘキシル
基」の水素原子の一部が炭素数1〜5のアルキル基によ
り置換された置換シクロアルキルアクリレート、置換シ
クロアルキルメタクリレートなどが挙げられ、これら
は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。これらのうち、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレートが好ま
しい。
【0020】特定重合体中における構造単位Aの含有割
合は、通常30〜99重量%とされ、好ましくは50〜
99重量%とされる。構造単位Aの含有割合が30重量
%未満である場合には、重合安定性と磁性体の分散性が
不良になるほか、得られる磁性ポリマー粒子の抗体等の
生理活性蛋白質に対する吸着性が不良となり、非特異吸
着現象が顕著になる。一方、構造単位Aの含有割合が9
9重量%を超える場合には、得られる共重合体の疎水性
が過大となり、当該共重合体によるポリマー粒子の表面
は、蛋白に対する物理的吸着性が小さくなると共に、蛋
白、酵素、核酸など生理活性物質に対する化学結合性に
も劣るものとなる。
【0021】前記構造単位Bを構成する不飽和カルボン
酸〔以下「単量体(B)」ともいう〕は、ラジカル重合
性の不飽和結合およびカルボキシル基を分子中に有する
重合性単量体である。斯かる単量体(B)の具体例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、フマル酸、マレイン酸などを挙げることができ
る。特定重合体中における構造単位Bの含有割合は、通
常1〜20重量%とされ、好ましくは2〜15重量%と
される。構造単位Bの含有割合が1重量%未満である場
合には、得られる共重合体の疎水性が過大となり、当該
共重合体によるポリマー粒子の表面は、蛋白に対する物
理的吸着性が小さくなると共に、蛋白、酵素、核酸など
生理活性物質に対する化学結合性にも劣るものとなる。
一方、構造単位Bの含有割合が20重量%を超える場合
には、得られる共重合体の親水性が過大となり、当該共
重合体によるポリマー粒子の表面は、蛋白に対する良好
な結合性を得ることができない。
【0022】前記構造単位Cを構成するビニルモノマー
〔以下「単量体(C)」ともいう〕の具体例としては、
スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合
物;メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチ
ルアクリレート、エチルメタクリレートなど、アルキル
基の炭素数が1〜3であるアルキル(メタ)アクリレー
ト;アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;エ
チレングリコールジアクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエ
チレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリ
コールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ートなどの多官能(メタ)アクリレート化合物;ジビニ
ルベンゼンなどの多官能芳香族ビニル化合物などの多官
能ビニル化合物を挙げることができ、これらは、単独で
または2種以上を組み合わせて用いることができる。こ
れらのうち、アルキル基の炭素数が1〜3であるアルキ
ル(メタ)アクリレートが好ましい。また、前記単量体
(A)として2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート
のみを用いる場合には、単量体(C)として多官能ビニ
ル化合物を用いることが好ましい。
【0023】特定重合体中における構造単位Cの含有割
合は、通常0〜69重量%とされる。なお、芳香族ビニ
ル化合物に由来する構造単位Cの含有割合は0〜49重
量%であることが好ましく、更に好ましくは0〜20重
量%とされる。また、前記単量体(A)として2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレートのみを用いる場合にお
いて、好適に使用される多官能ビニル化合物に由来する
構造単位Cの含有割合は0.5〜30重量%であること
が好ましく、更に好ましくは1〜20重量%とされる。
多官能ビニル化合物に由来する構造単位の割合が0.5
重量%未満である場合には、得られる磁性ポリマー粒子
が十分な硬度を有するものとならず、粒子の変形および
粒子同士の融合を招くことがある。一方、多官能ビニル
化合物に由来する構造単位の割合が30重量%を超える
場合には、得られる磁性ポリマー粒子が脆くなって実用
的な強度を有するものとならないことがある。
【0024】本発明の磁性ポリマー粒子を構成する特定
重合体の分子量(ポリスチレン換算の重量平均分子量)
は、通常10,000以上とされ、好ましくは20,0
00〜1,000,000とされる。
【0025】<超常磁性体>本発明の磁性ポリマー粒子
においては、粒子中に分散含有されている磁性体が「超
常磁性体」である点に特徴を有するものであり、超常磁
性体が含有されていることにより、良好な磁気吸引性を
有しながら、磁気吸引を繰り返しても粒子には実質的に
磁気履歴が残らず良好な再分散性を維持することができ
る。なお、本発明での超常磁性体とは、磁性粒子に50
00エールステッドの強い磁場をかけた後、ゼロ磁場に
戻したときの磁化(残留磁化)が5000エールステッ
ドの磁場のときの磁化(飽和磁化)の1/3以下である
磁性体を言う。本発明の磁性ポリマー粒子を構成する超
常磁性体としては、例えば四三酸化鉄(Fe3 4 )、
γ−重三二酸化鉄(γ−Fe2 3 )、各種フェライ
ト、鉄、マンガン、コバルト、クロムなどの金属、コバ
ルト、ニッケル、マンガンなどの合金を挙げることがで
き、これらのうち、四三酸化鉄およびフェライトが特に
好ましい。本発明の磁性ポリマー粒子を構成する超常磁
性体の一次粒子の粒子径は、40〜300Åであること
が好ましく、更に好ましくは50〜200Å、特に好ま
しくは60〜150Åとされる。超常磁性体の一次粒子
の粒子径が40Å未満である場合には、当該超常磁性体
を親油化処理するための処理剤(脂肪酸、シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤)が多量に必要とな
り、過剰量の処理剤によって超常磁性体による良好な磁
気応答性が損なわれることがある。一方、超常磁性体の
一次粒子の粒子径が300Åを超える場合には、得られ
る磁性ポリマー粒子が磁化されたものとなり、当該磁性
ポリマー粒子が相互に凝集して水性媒体中で沈降しやす
くなる。なお、球状でない超常磁性体の一次粒子の粒子
径としては、それぞれの超常磁性体の最長径と最短径と
の平均値をとるものとする。
【0026】本発明の磁性ポリマー粒子を構成する超常
磁性体の含有割合としては、特定重合体100重量部に
対して、通常1〜100重量部とされ、好ましくは5〜
80重量部、更に好ましくは10〜60重量部とされ
る。超常磁性体の含有割合が1重量部未満である場合に
は、得られる粒子が十分な磁気応答性を発現することが
できず、一方、超常磁性体の含有割合が100重量部を
超える場合には、得られる磁性ポリマー粒子の粒子表面
に超常磁性体が露出して金属イオンの溶出などの問題を
招き、また、当該磁性ポリマー粒子が脆くなって実用的
な強度を有するものとならない。
【0027】本発明の磁性ポリマー粒子においては、
粒子内部を構成する特定重合体中に超常磁性体が均一
に分散されていることが好ましく、さらに、 粒子表
面および表面近傍に超常磁性体が殆ど存在していないこ
とが好ましい。ここに、粒子表面および表面近傍に超常
磁性体が殆ど存在していないか否かの判定方法として
は、磁性ポリマー粒子0.1gを、70℃に加熱された
純水10ミリリットル中に2時間浸漬させた後、当該純
水中に溶出した金属含有率を測定する。そして、この金
属含有率が10ppm以下である場合に、前記磁性ポリ
マー粒子は「粒子表面および表面近傍に超常磁性体が殆
ど存在していない状態である」と判定することができ
る。
【0028】<磁性ポリマー粒子の数平均粒子径>本発
明の磁性ポリマー粒子の数平均粒子径は、通常0.02
〜30μmとされ、好ましくは0.1〜20μm、更に
好ましくは0.2〜15μm、特に好ましくは0.3〜
10μmとされる。数平均粒子径が0.02μm未満で
ある場合には、十分な磁気応答性を発現することができ
ない。一方、数平均粒子径が30μmを超える場合に
は、当該磁性ポリマー粒子が水性媒体中で沈降しやすく
なり、また、当該磁性ポリマー粒子は粒子表面積が小さ
いものとなり、特定物質の吸着剤としてこれを用いる場
合に、十分な量の目的物質を吸着することができない。
【0029】本発明の磁性ポリマー粒子は、水性媒体中
で沈降しにくく、当該水性媒体中において均質な分散状
態で存在することができる(以下、この特性を「静置安
定性」という。)。従って、本発明の磁性ポリマー粒子
は取扱性の観点からも優れている。ここに、静置安定性
の評価方法としては、磁性ポリマー粒子を水性媒体に分
散させて固形分濃度が1重量%の磁性ポリマーラテック
スを調製し、この磁性ポリマーラテックスを液相の高さ
が2cmになるよう容器内に収容し、磁性ポリマー粒子
が均一に分散されるまで容器を振盪した後、10分間静
置したときに、液面から液面下1cmに至る液相の上層
部分の固形分濃度を測定する。そして、この固形分濃度
が0.1重量%以上であれば静置安定性に優れていると
される。本発明の磁性ポリマー粒子においては、この固
形分濃度が、通常0.1重量%以上であり、好ましいも
のは0.3重量%以上、更に好ましいものは0.6重量
%以上である。
【0030】また、本発明の磁性ポリマー粒子は、その
表面に、超常磁性体を含まないポリマーからなる層(以
下「表面被覆層」ともいう)が形成されていることが好
ましい。このような構成とすることにより、粒子内部に
存在する超常磁性体による優れた取扱性が損なわれるこ
となく、磁性ポリマー粒子からの鉄イオンの溶出を確実
に防止することができる。ここで、表面被覆層の厚さ
は、使用する超常磁性体の最長径よりも大きいことが好
ましく、例えば100Å以上とされる。
【0031】<本発明の磁性ポリマー粒子の製造方法>
本発明の製造方法は、アルキル基の炭素数が4〜20で
あるアルキル(メタ)アクリレート〔前記単量体
(A)〕を30重量%以上の割合で含有するモノマー中
に超常磁性体を分散させてモノマー組成物を調製し、こ
のモノマー組成物を水性媒体中に乳化分散(微粒子化)
させて油滴分散体である懸濁液を得、この懸濁液中にお
いて、前記モノマーを重合させる点に特徴を有するもの
である。上記のような方法によれば、本発明の磁性ポリ
マー粒子が水性媒体中に分散されてなる分散体(磁性ポ
リマーラテックス)を確実に製造することができる。
【0032】本発明の製造方法においては、親油化処理
が施された超常磁性体を好適に使用することができる。
親油化処理が施されていない超常磁性体を使用して磁性
ポリマー粒子を製造すると、当該超常磁性体が磁性ポリ
マー粒子の粒子表面近傍に偏在し、更には粒子表面に超
常磁性体が露出して、鉄イオンの水性媒体への溶出を招
くことがある。超常磁性体を親油化処理する方法として
は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤など
の表面処理剤により処理する方法、超常磁性体に脂肪酸
塩などを吸着させる方法など特に限定されるものではな
い。また、市販の磁性流体から分散媒を除去することに
より得られる超常磁性体を使用することもできる。
【0033】本発明の製造方法において、超常磁性体の
分散媒として使用されるモノマーは、疎水性のモノマー
である。疎水性のモノマーを使用することにより、親油
化処理が施された超常磁性体を当該モノマー中に均一に
分散させることができる。そして、このようにして得ら
れるモノマー組成物には、超常磁性体の凝集による粗大
粒子などが生成されず、従って、当該モノマー組成物
を、水性媒体中に均一に乳化分散させることが可能とな
る。
【0034】ここに、この明細書において「疎水性のモ
ノマー」とは、20℃における水への溶解度が0.1重
量%未満であるモノマーをいうものとし、この溶解度が
0.1重量%以上であるモノマーを、以下「親水性のモ
ノマー」というものとする。なお、超常磁性体の分散媒
として使用されるモノマーが2種以上の混合物である場
合は、そのうち60重量%以上が疎水性モノマーであれ
ば当該混合モノマー中に親水性のモノマーが含有されて
いてもよい。
【0035】ここに、分散媒の一部を構成する親水性の
モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和カルボ
ン酸〔前記単量体(B)〕、メチルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタク
リレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレ
ングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコール
ジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラ
エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレ
ート、酢酸ビニルなどを挙げることができる。
【0036】モノマー組成物を水性媒体中に乳化分散さ
せるために使用する分散機としては、従来公知の超音波
分散機、高圧ホモジナイザーおよび高剪断速度の分散機
などを使用することができる。超音波分散機の形式は特
に制限されるものではなく、例えば、ホーン型発振子を
備えてなる分散機、プレート型発振子を備えてなる分散
機、発振部に液を流通させる連続式の分散機などを例示
することができる。また、高剪断速度の分散機として
は、例えばホモミキサー、コロイドミル、ジェットホモ
ジナイザー、高圧ホモジナイザーなどを例示することが
でき、これらの分散機は、目的とする分散粒子径に応じ
て適宜選択することができる。さらに、多孔膜または多
孔フィルターを介してモノマー組成物を水性媒体中に押
し出すことによって有モノマー組成物を水性媒体中に乳
化分散させる膜乳化法、あるいはノズルから加圧、振動
または高電圧等を加えてモノマー組成物を吐出するノズ
ル法を採用することもできる。
【0037】本発明の製造方法において、モノマー組成
物の分散媒である水性媒体としては水を用いることが好
ましい。また、水性媒体中には、アニオン系界面活性
剤、ノニオン系界面活性剤、水溶性高分子、無機系懸濁
保護剤などの界面活性剤、乳化剤または懸濁保護剤が添
加されていてもよい。これらのうち、幅広い粒子径の粒
子を得る場合に適用することができ、正負いずれの表面
荷電の粒子も合成できるという点から部分ケン化ポリビ
ニルアルコールが好ましい。
【0038】本発明の磁性ポリマー粒子の製造方法にお
いて、モノマーを重合するための重合開始剤としては、
特に制限されるものではなく、従来公知のラジカル重合
開始剤、例えば有機過酸化物、アゾ系開始剤、過硫酸塩
系開始剤などを使用することができる。これらのうち、
油溶性重合開始剤を使用することが好ましい。特に、疎
水性モノマー中に超常磁性体を分散してモノマー組成物
を調製する際に、油溶性重合開始剤を添加することが好
ましく、これにより、超常磁性体を含有しないポリマー
粒子の生成を防止することができる。
【0039】モノマーの重合反応は無酸素雰囲気下にお
いて行うことが好ましい。反応温度は、使用する重合開
始剤の分解温度によっても異なるが、例えばベンゾイル
ペルオキシドを用いる場合には75〜85℃で好適に重
合反応を進行させることができる。
【0040】本発明の製造法では、磁性ポリマー粒子の
調製の後、重合の際に使用した界面活性剤または懸濁保
護剤を除くために粒子の洗浄を行ってもよい。この際、
水あるいはアルコール、アセトン等の水溶性溶剤を使用
することが好ましく、これに少量の界面活性剤を添加す
ることも好ましい。また、必要であれば、重合した磁性
ポリマー粒子を沈降分離、凝集分離、遠心分離、磁気分
離等の手段で分級して目的とする粒子径、粒子径分布に
調整することもできる。
【0041】本発明の製造方法においては、得られる磁
性ポリマー粒子からの超常磁性体の流出を確実に防止す
るために、下記の工程(a)〜(c)の何れかの工程を
実施することが好ましい。なお、下記の工程(a)〜
(c)に供される本発明の磁性ポリマー粒子を以下にお
いて「改質前粒子」ともいう。
【0042】工程(a):改質前粒子の存在下にビニル
系のモノマーを重合させる工程。 工程(b):改質前粒子に鉄溶解剤を接触させ、当該粒
子の表面近傍に存在している超常磁性体を溶出除去する
工程。 工程(c):改質前粒子に、有機性塩基および/または
水溶性溶剤を接触させる工程。
【0043】<工程(a)>この工程(a)は、改質前
粒子の存在下にビニル系のモノマーを重合させる工程で
ある。この工程(a)により、磁性ポリマー粒子の表面
において、超常磁性体を含まない表面被覆層が重合形成
される。そして、この工程(a)を経て得られる磁性ポ
リマー粒子(以下「表面改質粒子(a)」ともいう。)
によれば、鉄系の超常磁性体の溶出が確実に抑制され、
この結果、磁性ポリマー粒子としての性能の向上(用途
の拡大)、性能の経時的安定性の向上(信頼性の向上)
を図ることができる。
【0044】工程(a)において使用されるビニル系の
モノマーとしては、最終的に得られる磁性ポリマー粒子
〔表面改質粒子(a)〕の用途などに応じて適宜選択す
ることができ、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリレ
ート化合物、不飽和カルボン酸などを好ましい化合物と
して挙げることができる。また、表面改質粒子(a)の
表面に存在する非磁性ポリマー成分(表面被覆層)を効
率的に形成させる観点からは、前記ビニル系のモノマー
として、改質前粒子を構成するポリマー(特定共重合
体)に吸収されにくいモノマー、例えば水溶性ビニルモ
ノマーを使用することが好ましい。
【0045】工程(a)におけるモノマーの使用量は、
改質前粒子100重量部に対して、通常10〜1000
重量部とされ、好ましくは20〜500重量部、更に好
ましくは30〜200重量部とされる。モノマーの使用
量が過少である場合には、超常磁性体の流出を抑制する
ために十分な表面被覆層を形成することが困難であり、
一方、モノマーの使用量が過大である場合には、この工
程終了後に、磁性を有しないポリマー粒子が生成されや
すい。
【0046】磁性ポリマー粒子(改質前粒子)の存在下
にビニル系のモノマーを重合させるための具体的方法と
しては、特に限定されるものでないが、例えば、(イ)
改質前粒子にビニル系のモノマーを吸収させた後、改質
前粒子内におけるモノマーを重合させるモノマー吸収重
合法、(ロ)改質前粒子が水中に分散されている磁性ポ
リマーラテックス中にビニル系のモノマーを連続的また
は間欠的に供給し、改質前粒子をシード粒子として前記
モノマーを重合させるシード重合法、(ハ)改質前粒子
の粒子表面に吸着相を形成し、当該吸着相内においてビ
ニル系のモノマーを重合させるカプセル重合法などを挙
げることができる。
【0047】これらの方法のうち、改質前粒子が小径の
粒子であっても確実に表面被覆層を形成することができ
るという観点から、上記(イ)および上記(ロ)の方法
が好ましい。また、上記(ロ)の方法においては、改質
前粒子を構成するポリマーを得るための重合反応が実質
的に終了した後(具体的には、重合転化率が85%以上
になった時点)で、当該重合反応系にビニル系のモノマ
ーを添加して、当該モノマーの重合反応を継続させるこ
とが好ましい。
【0048】<工程(b)>この工程(b)は、改質前
粒子に鉄溶解剤を接触させ、当該粒子の表面近傍に存在
している超常磁性体を予め溶出除去する工程である。こ
こに「鉄溶解剤」とは、改質前粒子を構成する鉄成分
(超常磁性体)を溶解することができ、しかも、当該改
質前粒子を構成するポリマーを実質的に溶解しない物質
をいうものとする。
【0049】また、改質前粒子に鉄溶解剤を接触させる
方法としては、 当該改質前粒子に鉄溶解剤を直接接
触させる方法、 改質前粒子が水中に分散されてなる
分散体中において両者を接触させる方法、具体的には、
改質前粒子が分散含有されてなる磁性ポリマーラテック
ス中に鉄溶解剤の水溶液を添加する方法などを挙げるこ
とができ、上記の方法が好ましい。
【0050】改質前粒子に鉄溶解剤を接触させることに
より、改質前粒子の表面および表面近傍に存在する鉄成
分が優先的に溶解除去される。そして、この工程(b)
を経て得られる磁性ポリマー粒子(以下「表面改質粒子
(b)」ともいう。)は、鉄系の超常磁性体の溶出量が
実用上問題とならないレベルまで抑制され、この結果、
磁性ポリマー粒子としての性能の向上(用途の拡大)、
性能の経時的安定性の向上(信頼性の向上)を図ること
ができる。
【0051】工程(b)に使用することのできる鉄溶解
剤としては、無機酸、有機酸、鉄との錯形成剤を挙げる
ことができる。
【0052】ここに、鉄溶解剤として使用可能な無機酸
としては、硫酸、塩酸、硝酸などを例示することができ
る。無機酸は、鉄成分の溶解速度が大きいため、鉄溶解
剤として無機酸を使用する場合には、改質前粒子の表面
および表面近傍だけでなく、粒子内部に含有されている
超常磁性体まで溶解除去してしまうことがある。従っ
て、鉄成分を必要以上に溶解除去させない(粒子内部の
超常磁性体まで溶解させない)よう、当該無機酸の濃
度、処理時間などを調整することにより、鉄成分の溶解
量を制御することが好ましい。
【0053】ここに、無機酸を使用する場合における鉄
成分の好適な溶解除去量としては、改質前粒子中に含有
されていた鉄成分(超常磁性体)の重量を「x」、表面
改質粒子(b)中に含有されている鉄成分(超常磁性
体)の重量を「y」とするとき、〔(x−y)/x〕の
値が0.05〜0.6となる量であることが好ましい。
この値が0.05未満である場合(溶出除去量が過少で
ある場合)には、磁性ポリマー粒子の表面およびその近
傍に残存する鉄成分(超常磁性体)が使用時において溶
出し、生化学的な用途など、適用分野によっては十分な
実用性能を有するものとならないことがある。一方、
〔(x−y)/x〕の値が0.6を超える場合(溶出除
去量が過大である場合)には、粒子内部の超常磁性体ま
で溶出され、磁気沈降速度が低下するなど、十分な磁気
応答性を有するものとならないことがある。
【0054】鉄溶解剤として無機酸を使用する場合にお
ける処理条件は、鉄成分の溶解除去量(x−y)を目安
として、これを確保できるように選定される。好ましい
処理条件は、鉄系超常磁性体や無機酸の種類によって異
なるが、溶解除去量の制御の観点から、処理温度が0〜
100℃、処理時間が0.5〜20時間とされる。改質
前粒子が水性媒体中に分散されてなる分散体(磁性ポリ
マーラテックス)中で、改質前粒子に硫酸を接触させる
態様において、処理条件の好適な一例を示すと、水性媒
体中における改質前粒子の濃度が4g/リットル、硫酸
濃度が2規定、処理温度が25℃、処理時間が2時間と
される。また、処理後における磁性ポリマー粒子〔表面
改質粒子(b)〕は、洗浄・再分散した後、当該表面改
質粒子(b)の分散体にアルカリ性の化合物を添加して
中和処理することが好ましい。
【0055】鉄溶解剤として使用可能な有機酸として
は、シュウ酸、クエン酸、クロロ酢酸、メルカプト酢
酸、スルホサリチル酸などを例示することができ、これ
らのうち、メルカプト酢酸およびスルホサリチル酸が好
ましい。また、鉄溶解剤として使用可能な錯形成剤とし
ては、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸グアニジンなどのチオシアン酸塩;2
−メルカプトエタノール、ジチオグリセリン、ジチオト
リメチロールプロパン、ジチオエリトリトールなどのメ
ルカプト化合物;o−フェナントロリン、2,2’−ビ
ピリジル、8−キノリノール、エチレンジアミン4酢酸
などの窒素系錯形成剤などを例示することができる。こ
れらのうち、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸グア
ニジン、2−メルカプトエタノール、ジチオエリトリト
ール、o−フェナントロリン、2,2’−ビピリジルが
好ましい。これらの鉄溶解剤は、単独で使用してもよい
が、2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
この場合において、有機酸とチオシアン酸塩との組合
せ、メルカプト化合物とチオシアン酸塩との組合せのよ
うに、タイプの異なる鉄溶解剤を併用することが好まし
い。
【0056】鉄溶解剤として使用される有機酸および錯
形成剤は、改質前粒子の表面および表面近傍に存在する
鉄成分を選択的に溶解除去することができる。鉄溶解剤
として有機酸を使用する場合における鉄成分の好適な溶
解除去量としては、改質前粒子の表面および表面近傍に
存在する超常磁性体の量などによって異なるが、表面お
よび表面近傍に存在する超常磁性体の量が少ない場合に
おいて、当該改質前粒子中に含有されていた鉄成分(超
常磁性体)の重量を「x」、表面改質粒子(b)中に含
有されている鉄成分(超常磁性体)の重量を「z」とす
るとき、〔(x−z)/x〕の値が0.01〜0.4と
なる量であることが好ましい。
【0057】有機酸および/または錯形成剤を使用する
場合における処理条件としては、無機酸を使用する場合
ほど厳密に制御する必要はない。改質前粒子が水性媒体
中に分散されてなる分散体(磁性ポリマーラテックス)
中で、この改質前粒子に、チオシアン酸グアニジン(錯
形成剤)および2−メルカプトエタノール(錯形成剤)
を接触させる態様において、処理条件の好適な一例を示
すと、水性媒体中における改質前粒子の濃度が50g/
リットル、チオシアン酸グアニジンの濃度が1モル/リ
ットル、2−メルカプトエタールの濃度が1重量%、処
理温度が25℃、処理時間が12時間とされる。
【0058】工程(b)を経て得られる表面改質粒子
(b)において、粒子表面および表面近傍に残存する鉄
系の超常磁性体の量は、可能な限り少ないことが好まし
い。具体的には、洗浄処理された表面改質粒子(b)
0.1gを、70℃に加熱された純水10ミリリットル
中に2時間浸漬させた後、当該純水中に溶出した金属含
有率が10ppm以下であることが好ましく、更に好ま
しくは1ppm以下とされる。
【0059】<工程(c)>この工程(c)は、改質前
粒子に、有機性塩基および/または水溶性溶剤を接触さ
せる工程である。
【0060】工程(c)に使用することのできる有機性
塩基の具体例としては、アンモニア、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメ
チルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミンなどの
有機アミン化合物を挙げることができる。
【0061】工程(c)に使用することのできる水溶性
溶剤は、25℃における水への溶解度が1重量%以上で
あって、ポリマーに親和性を有する有機溶剤である。か
かる水溶性溶剤の具体例としては、アセトン、メルカプ
トエタノール、エリトリトール、ジチオエリトリトー
ル、酢酸エチル、ブチルカルビトールアセテート、フェ
ニルセロソルブなどを挙げることができる。
【0062】この工程(c)においては、磁性ポリマー
粒子(改質前粒子)の水性分散液に有機性塩基および/
または水溶性溶剤を添加することにより行われる。ここ
に、有機性塩基の使用量は、通常、改質前粒子の水性分
散液の0.1〜20容量%とされる。また、水溶性溶剤
の使用量は、通常、改質前粒子の水性分散液の1〜95
容量%とされる。また、水性分散液における改質前粒子
の濃度は特に制限されるものではないが、0.1〜20
重量%であることが好ましい。なお、改質前粒子が沈降
する場合には、適度に攪拌しながら処理することが好ま
しい。また、前記水性分散液のpHは、通常9以上とさ
れ、好ましくは11以上とされる。処理温度としては特
に制限はないが、50℃〜80℃程度であることが好ま
しい。処理時間も特に制限はないが、1〜40時間であ
ることが好ましい。
【0063】この工程(c)を経て得られる磁性ポリマ
ー粒子(以下「表面改質粒子(c)」ともいう。)は表
面荷電量の大きな粒子、具体的には、表面荷電量が0.
05ミリ当量/g以上の粒子となる。ここに、「表面荷
電量」は、電導度滴定により、磁性ポリマー粒子の表面
に存在する酸を測定して得られる値であり、ミリ当量/
g(磁性ポリマー粒子1g当たりの粒子表面に存在する
カルボキシル基のミリ当量数)で表される。この測定法
が記載されている文献としては「J.Electroa
nal.Chem.,Vol.37 P.161(19
72)」を挙げることができる。このように大きな表面
荷電量を有する粒子は、カルボキシル基変性粒子として
実用上問題なく使用することができる。また、このよう
な大きな表面荷電量を有する粒子は、粒子の使用におい
て高い電解質濃度の分散媒でも分散安定性が良く、また
粒子を沈降させた後の再分散性に優れるほか、粒子表面
の官能基を利用して表面に核酸あるいは抗原・抗体、酵
素等の生理活性物質等を化学結合させることができる。
所定の表面荷電量を得るための方法として、通常行われ
ている方法をそのまま使用することができる。例えば、
重含時に共重合できる酸モノマーを直接加える方法、共
重合できるエステル系モノマーを加えて粒子形成した後
に、加水分解して表面荷電を得る方法、又は、グルタル
メタアクリレートのような反応性の高い官能基をもつ共
重合可能なモノマーと共重合させても良い。
【0064】本発明に係る磁性ポリマー粒子(本発明の
磁性ポリマー粒子および本発明の方法により得られる磁
性ポリマー粒子)は、診断薬担体、細菌分離単体、細胞
分離担体、核酸分離精製担体、蛋白分離精製担体、固定
化酵素担体、ドラッグデリバリー担体、磁性トナー、磁
性インク、磁性塗料などとして好適に使用することがで
きる。また、本発明に係る磁性ポリマー粒子には、DN
AやRNAなどの核酸、抗原・抗体、酵素などの生理活
性物質を容易に結合(化学的結合または物理的結合)さ
せることができる。
【0065】本発明の磁性ポリマー粒子表面に、オリゴ
ヌクレオチドを固定化させることにより、核酸固定磁性
ポリマー粒子を得ることができる。オリゴヌクレオチド
の長さは10から100塩基、好ましくは15から70
塩基である。必要に応じて、該固定化されるオリゴヌク
レオチドは1本鎖DNAであっても良く、2本鎖DNA
であっても良く、又はRNAであっても良い。このよう
な核酸は、通常市販される核酸合成器を用いて調製する
ことができる。本発明において核酸を有する担体となる
粒子へ固定する法は、例えば特開平7−75599号公
報および特開平6−335380号公報で記述されてい
る方法を適用することができる。すなわち、具体的に
は、核酸プローブ1当量分と核酸プローブのハイブリッ
ド形成部位と相補するDNA1当量分とをアニーリング
緩衝液中で混合し、80℃で5分間加熱した後、徐々に
室温に戻し、2本鎖を形成させる。この2本鎖のDNA
をヒドロキシアパタイトカラムで精製した後に、脱水縮
合剤と共に粒子の分散液に添加し、加熱することによっ
て核酸プローブの固定化部位の塩基配列中のアミノ基と
粒子表面のカルボキシル酸基とをアミド結合により固定
することができる。ここで、脱水縮合剤としては、例え
ば1─エチル─3─(N,N’−ジメチルアミノ)プロ
ピルカルボジイミド等のカルボジイミド類、N−エチル
─5─フェニルイソキサゾリウム─3’─スルホネー
ト、N−エトキシカルボニル─2─エトキシ─1,2─
ジヒドロキノリン等の水溶性の脱水縮合剤が好ましいも
のとして挙げられるが、他に油溶性の脱水縮合剤も使用
することができる。粒子の使用量は、核酸プローブ1ミ
リモル当り、通常0.5〜500g、好ましくは5〜5
0gが適当である。核酸プローブの粒子への固定化反応
は、通常pH3〜11程度の水性媒体中、4〜70℃に
おいて、5分ないし一夜行えばよい。
【0066】次にこの粒子に固定化された核酸プローブ
中のハイブリッド形成部位に結合した相補的な塩基配列
を離脱させることによって、本発明の核酸プローブ粒子
が得られる。この際、前記相補的な塩基配列の離脱は、
熱またはアルカリ変性により行うことができ、さらに遠
心分離、濾過等の手段によって相補的な塩基配列を除去
することができる。このように調製される核酸固定化磁
性ポリマー粒子は、遺伝子診断をはじめ、遺伝子工学全
般に使用することができる。具体的には、例えばオリゴ
dTを結合させた磁性ポリマー粒子を用いて、細胞溶解
液から、直接メッセンジャRNAを回収することができ
る。又は、エイズウィルス核酸に相補性のある核酸配列
を用いれば、生物検体から、エイズウィルスを回収し、
DNAプローブ法、又はポリメラーゼチェーンリアクシ
ョン法を用いて検出することができる。本発明の磁性ポ
リマー粒子の組成から、蛋白質の非特異的吸着が従来の
スチレン系粒子に比べて著しく低いので、上記診断、研
究目的に使用されるとき、バッググラウンドを低く抑え
ることが容易に実現し、よって、高感度な検出ができる
ので好ましい。また、酵素反応に於いても、酵素蛋白質
の吸着による活性低下が少なく、従来の担体に比べて、
高い効率の酵素反応が実現できる。本発明の磁性ポリマ
ー粒子に生理活性蛋白質を固定化させ、生理活性蛋白質
を担持する蛋白質固定化磁性ポリマー粒子を調製するこ
とができる。上記生理活性蛋白質は一般的な生理活性を
有する蛋白質、又はその複合体を含む。具体的に、例え
ば免疫グロブリン、各種酵素、アビジン蛋白質等が挙げ
られる。このような蛋白質を上記核酸固定と同様な方法
で、磁性ポリマー粒子の表面に結合することができる。
具体的に、蛋白質のアミノ基を利用して、粒子表面のカ
ルボキシル基と反応させることができる。反応効率を高
めるために、様々な工夫がなされるが、例えば、脱水縮
合剤を先に粒子のカルボキシル基と反応させてから、蛋
白質を加えて反応させても良い。このように調製される
抗体結合粒子、アビジン結合粒子、酵素結合粒子を診断
分野、研究分野に利用することができる。特に本発明の
磁性ポリマー粒子による蛋白質の物理吸着量が少ないた
め、バックグラウンドが極めて低い。従って、極く微量
の測定対象も感度良く検出することができる
【0067】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
は、これらの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下において、「部」は「重量部」を意味するも
のとする。
【0068】<実施例1>油性磁性流体「フェリコロイ
ドHC50」〔タイホー工業(株)製〕にアセトンを加
えて粒子を析出沈殿させた後、これを乾燥することによ
り、親油化処理された表面を有するフェライト系の超常
磁性体(粒子径:0.01μm)を得た。表1に示す処
方に従って、前記超常磁性体40部に、シクロヘキシル
メタクリレート75部、メタクリル酸5部、メチルメタ
クリレート20部およびベンゾイルペルオキシド(重合
開始剤)3部を添加し、この系を混合攪拌することによ
り超常磁性体を均一に分散させてモノマー組成物を調製
した。一方、ポリビニルアルコール10部、ラウリル酸
ナトリウム0.05部およびポリエチレオキシドノニル
フェニルエーテル0.1部を水1000部に溶解して水
性媒体を調製した。得られた水性媒体(水相)中に上記
のモノマー組成物を添加し、この系を、ホモミキサーで
予備撹拌した後、超音波分散機で分散処理することによ
り、平均粒子径が2μmの油滴(油相)が水性媒体に分
散されてなる懸濁液(油滴分散体)を調製した。次い
で、得られた懸濁液を、容量2リットルの攪拌機付三つ
口フラスコ内に仕込み、この系を75℃に昇温し、窒素
雰囲気下において攪拌しながら5時間にわたって、油滴
中のモノマーを重合(懸濁重合)させることにより、本
発明の磁性ポリマー粒子が水性媒体中に分散されてなる
分散体(磁性ポリマーラテックス)を調製した。この磁
性ポリマーラテックスに分散されている本発明の磁性ポ
リマー粒子〔以下、「磁性ポリマー粒子(1)」ともい
う。〕は、磁石によって容易に吸引沈降させて回収する
ことができ、また、回収された磁性ポリマー粒子(1)
は、水中に容易に再分散できるものであった。そこで、
蒸留水中で磁気沈降させることにより、磁性ポリマー粒
子(1)を洗浄・精製する操作を3回にわたって行っ
た。
【0069】<実施例2>表1に示す処方に従って、モ
ノマー組成物における単量体組成を、シクロヘキシルア
クリレート75部、メタクリル酸3部およびアクリル酸
2部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、モノ
マー組成物および懸濁液を調製し、懸濁重合を行うこと
により、本発明の磁性ポリマー粒子〔以下、「磁性ポリ
マー粒子(2)」ともいう。〕が水性媒体中に分散され
てなる分散体(磁性ポリマーラテックス)を調製した。
【0070】<実施例3>表1に示す処方に従って、モ
ノマー組成物における単量体組成を、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート10部、シクロヘキシルメタクリレー
ト50部、メタクリル酸5部およびスチレン35部に変
更したこと以外は実施例1と同様にして、モノマー組成
物および懸濁液を調製し、懸濁重合を行うことにより、
本発明の磁性ポリマー粒子〔以下、「磁性ポリマー粒子
(3)」ともいう。〕が水性媒体中に分散されてなる分
散体(磁性ポリマーラテックス)を調製した。
【0071】<比較例1>表1に示す処方に従って、モ
ノマー組成物における単量体組成を、メタクリル酸5部
およびスチレン95部に変更したこと以外は実施例1と
同様にして、モノマー組成物および懸濁液を調製し、懸
濁重合を行うことにより、比較用の磁性ポリマー粒子
〔以下、「磁性ポリマー粒子(C1)」ともいう。〕が
水性媒体中に分散されてなる分散体(磁性ポリマーラテ
ックス)を調製した。
【0072】<比較例2>表1に示す処方に従って、モ
ノマー組成物における単量体組成を、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート10部、メタクリル酸5部、メチルメ
タクリレート10部およびスチレン75部に変更したこ
と以外は実施例1と同様にして、モノマー組成物および
懸濁液を調製し、懸濁重合を行うことにより、比較用の
磁性ポリマー粒子〔以下、「磁性ポリマー粒子(C
2)」ともいう。〕が水性媒体中に分散されてなる分散
体(磁性ポリマーラテックス)を調製した。
【0073】実施例1〜2および比較例1〜2によって
得られた磁性ポリマーラテックスの各々について、重合
転化率、固形分濃度および磁性ポリマー粒子中における
超常磁性体の含有割合を測定した。また、下記に示す評
価方法に従って、重合安定性、磁性ポリマー粒子におけ
る超常磁性体の分散性、静置安定性について評価し、下
記に示す測定方法に従って、磁性ポリマー粒子の形状、
数平均粒子径および変動係数を測定した。これらの結果
を表1に併せて示す。
【0074】(イ)重合安定性の評価:重合反応終了
後、反応生成物を200メッシュのステンレス金網を通
過させ、金網上に残った凝集物の量が全固形分の10重
量%未満である場合を「良好」、凝集物の量が全固形分
の10重量%以上である場合を「不良」と判定した。
【0075】(ロ)超常磁性体の分散性の評価:酢酸ウ
ラニルで染色した後、透過型電子顕微鏡により磁性ポリ
マー粒子における超常磁性体の分散状態を観察し、ポリ
マー粒子の内部全体に均一に分散し、またはポリマー粒
子の中心部において均一に分散している場合を「良
好」、ポリマー粒子の表面近傍の一部、または表面近傍
の全部に局在化している場合を「不良」と判定した。
【0076】(ハ)静置安定性の評価:磁性ポリマーラ
テックスを希釈して固形分濃度(c0 )を1重量%に調
整し、この希釈液を、液相の高さが2cmとなるよう容
量20ミリリットルのサンプルビン内に収容し、磁性ポ
リマー粒子が均一に分散されるまで容器を振盪した後1
0分間静置し、液面から液面下1cmに至る上層部分の
みを取り出して固形分濃度(c)を測定し、(c/
0 )×100で算出される値を静置安定指数(重量
%)として求めた。
【0077】(ニ)磁性ポリマー粒子の数平均粒子径お
よび変動係数の測定:酢酸ウラニルで染色した後、透過
型電子顕微鏡による磁性ポリマー粒子の電子顕微鏡写真
を撮影し、無作為に選んだ500個の磁性ポリマー粒子
の粒子径を測定することにより、数平均粒子径およびそ
の変動係数を求めた。
【0078】<比較例3>粒子径3000Åのマグネタ
イト微粒子「マグネタイトEPT500」〔戸田工業
(株)製〕をオレイン酸ナトリウムにより親油化処理す
ることにより強磁性体を調製した。表1に示す処方に従
って、超常磁性体に代えて前記強磁性体を使用したこと
以外は実施例1と同様にしてモノマー組成物および懸濁
液を調製し、懸濁重合を行うことにより、比較用の磁性
ポリマー粒子〔以下、「磁性ポリマー粒子(C3)」と
もいう。〕が水性媒体中に分散されてなる分散体(磁性
ポリマーラテックス)を調製した。得られた磁性ポリマ
ーラテックスについて、重合転化率、固形分濃度、磁性
ポリマー粒子中における強磁性体の含有割合、重合安定
性、磁性ポリマー粒子における強磁性体の分散性、静置
安定性、磁性ポリマー粒子の形状、数平均粒子径および
変動係数についての結果を表1に併せて示す。なお、比
較例3の磁性粒子には残留磁化があり、磁気吸引で集め
たあとの粒子は互いに吸引しあい再分散性が悪いもので
あった。
【0079】
【表1】
【0080】<実施例4>懸濁重合を開始してから3時
間経過した後、反応系に、メチルメタクリレート19部
と、メタクリル酸1部とを添加し、さらに5時間懸濁重
合させたこと以外は実施例1と同様にして本発明の磁性
ポリマー粒子の分散体(磁性ポリマーラテックス)を製
造した。このようにして得られた磁性ポリマーラテック
スの重合転化率は98重量%であり、磁性ポリマーラテ
ックスを構成するこの実施例の磁性ポリマー粒子には、
超常磁性体を含まない表面被覆層が形成されていた。
【0081】<実施例5>実施例1により得られた磁性
ポリマーラテックス(1)100部を0.1規定の塩酸
1000部に添加し、当該磁性ポリマー粒子(1)の表
面近傍に存在する超常磁性体を溶出除去した。ここに処
理時間は1時間とした。次いで、処理された磁性ポリマ
ー粒子を磁気分離により洗浄して精製することにより、
本発明の磁性ポリマー粒子の分散体(磁性ポリマーラテ
ックス)を製造した。この実施例の磁性ポリマー粒子に
は、超常磁性体を含まない表面被覆層が形成されてい
た。
【0082】<実施例6>実施例1により得られた磁性
ポリマーラテックス8.0g(固形分で1g)に、2規
定の硫酸(鉄溶解剤)250ミリリットルを添加し、こ
の系を25℃で3時間緩く攪拌することにより、改質前
粒子〔磁性ポリマー粒子(1)〕の酸処理(表面近傍に
存在する超常磁性体の溶出除去処理)を行った。次い
で、処理された磁性ポリマー粒子を磁気沈降させて分離
回収し、回収された磁性ポリマー粒子を、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル「エマルゲン910」
〔花王(株)製〕の水溶液(0.01重量%)200ミ
リリットルで2回洗浄し、10ミリリットルの蒸留水中
に再分散させ、得られた分散体のpHを水酸化ナトリウ
ム水溶液(0.5重量%)により7に調整した。このよ
うな操作により、表面近傍の超常磁性体が溶出除去され
た磁性ポリマー粒子〔表面改質粒子(b)〕0.75g
の分散体(磁性ポリマーラテックス)を得た。 得られ
た表面改質粒子(b)において、熱天秤測定によるフェ
ライト含量は22.5重量%であり、改質前粒子中に含
有されていたフェライト(超常磁性体)の20重量%が
溶解除去されたことになる。また、表面改質粒子(b)
の平均粒子径は1.8μmであり、改質前粒子の粒子径
と大差なかった。さらに、本実施例で得られた磁性ポリ
マー粒子〔表面改質粒子(b)〕の分散体1g(固形分
で0.1g)にイオン交換水を添加し、磁気沈降処理を
2回行って表面改質粒子(b)を回収し、当該表面改質
粒子(b)を十分水洗した。次いで、当該表面改質粒子
(b)をイオン交換水10ミリリットル中に添加し、こ
の系を70℃で24時間攪拌した。その後、この系の上
澄み部分を採取して原子吸光分析により鉄濃度を測定し
たところ、鉄濃度は1ppm以下であり、このことか
ら、表面改質粒子(b)の粒子表面および表面近傍に存
在する超常磁性体の量は、きわめて少ないものであるこ
とが確認された。なお、比較のため、実施例2で得られ
た磁性ポリマー粒子(2)の分散体0.8g(固形分で
0.1g)について同様の操作を行ったところ、上澄み
部分における鉄濃度は73ppmであった。
【0083】<実施例7>実施例1により得られた磁性
ポリマーラテックス0.8g(固形分で0.1g)に、
1重量%のアンモニア水(有機性塩基)1gを添加し
た。なお、このときの系(磁性ポリマーラテックス)の
pHは12.5であった。次いで、この系を60℃で1
0時間緩く振盪することにより、改質前粒子〔磁性ポリ
マー粒子(1)〕のアルカリ処理を行った。その後、こ
の系を冷却し、0.5規定の硫酸で中和することにより
pHを7.5に調整した。次いで、上記アルカリ処理が
施された磁性ポリマー粒子〔表面改質粒子(c)〕に対
して、純水による洗浄・再分散処理を4回行った。この
ようにして得られた表面改質粒子(c)における超常磁
性体の含有割合は28重量%、当該表面改質粒子(c)
の平均粒子径は1.8μmであり、改質前粒子の含有割
合および粒子径と大差なかった。また、当該表面改質粒
子(c)の表面荷電量を測定したところ、0.125ミ
リ当量/gであり、磁性ポリマー粒子(1)の表面荷電
量(0.002ミリ当量/g)と比較して大きな値を示
すことが確認された。
【0084】<実施例8〜16>1重量%のアンモニア
水に代えて、下記表2に示す有機性塩基または水溶性溶
剤を使用したこと以外は、実施例7と同様にして改質前
粒子〔磁性ポリマー粒子(1)〕を処理して表面改質粒
子(c)を得た。なお、処理剤として水溶性溶剤のみを
使用した実施例においては、0.5規定の水酸化ナトリ
ウム水溶液によって系のpHを12に調整してから処理
を行った。得られた表面改質粒子(c)の各々につい
て、実施例7と同様にして測定した表面荷電量の値を表
2に併せて示す。
【0085】<実施例17>実施例2により得られた磁
性ポリマーラテックス0.8g(固形分で0.1g)を
用い、処理剤としてアセトン1gを併用したこと以外
は、実施例7と同様にして改質前粒子〔磁性ポリマー粒
子(2):表面荷電量0.005ミリ当量/g〕を処理
して表面改質粒子(c)を得た。このようにして得られ
た表面改質粒子(c)について、実施例7と同様にして
測定した表面荷電量の値を表2に併せて示す。
【0086】<実施例18>実施例3により得られた磁
性ポリマーラテックス0.8g(固形分で0.1g)を
用い、処理剤としてアセトン1gを併用したこと以外
は、実施例7と同様にして改質前粒子〔磁性ポリマー粒
子(3):表面荷電量0.003ミリ当量/g〕を処理
して表面改質粒子(c)を得た。このようにして得られ
た表面改質粒子(c)について、実施例7と同様にして
測定した表面荷電量の値を表2に併せて示す。
【0087】
【表2】
【0088】<試験例1>下記のような試験を実施する
ことにより、免疫診断薬担体粒子(酵素免疫法の担体)
としての評価を行った。実施例1〜5、実施例7、実施
例9、実施例14および比較例1〜3により得られた磁
性ポリマーラテックスの各々を固形分換算で10mg採
取し、採取した磁性ポリマーラテックスから磁性ポリマ
ー粒子を磁気分離して、この磁性ポリマー粒子をリン酸
生理食塩水緩衝液(pH7.5)1ml中に分散させ
た。次いで、この分散液に抗ヒトIgM抗体を200μ
g添加し、室温で1時間ゆるく振盪して粒子表面に前記
抗体を吸着させることにより磁性ポリマー粒子を感作さ
せた。なお、感作後の磁性ポリマー粒子を磁気分離し、
分離後の上澄み液中に前記抗体が残存しているか否かに
ついて、280nmにおける吸光度を測定することによ
り確認したところ、何れの上澄み液においても前記抗体
の存在は認められず、従って、添加した全ての抗体が磁
性ポリマー粒子に吸着されていることが確認された。磁
気分離された磁性ポリマー粒子(抗ヒトIgM抗体感作
粒子)の各々に、0.5%の牛血清アルブミンと、0.
1%のポリエチレングリコールとを含むリン酸生理食塩
水緩衝液の溶液(pH7.5)1mlを添加し、バイブ
レータにより振動分散させた後、室温で30分間ゆるく
振盪して、前記抗体が吸着されていない粒子表面をアル
ブミンでブロッキング処理することにより、係る酵素免
疫法(EIA法)の診断薬粒子を調製した。上記のよう
にして調製された診断薬粒子の各々を用いて下記の操作
を行った。0ng/ml,50ng/ml,100ng
/ml,500ng/mlの濃度でヒトIgM抗原を含
むリン酸生理食塩水緩衝液100μlを調製し、それぞ
れについて、診断薬粒子を含む分散液20μlを添加し
て室温で30分間静置した。続いて、磁気分離した磁性
ポリマー粒子にアセチルコリンエステラーゼを結合させ
た抗ヒトIgM抗体100μgを含む溶液を200μl
添加し、バイブレータにより振動分散させた後25℃で
1時間静置した。次いで、アセチルコリンエステラーゼ
の基質である「Ellman’s試薬」(Cayman
社製)を100μl添加し、室温で10分間ゆるく振盪
して酵素反応発色させ、反応停止液である2規定の硫酸
を50μl添加してから、412nmにおける吸光度を
測定した。また、対照試験として、ヒトIgM抗原を含
まないリン酸生理食塩水緩衝液100μlに、感作して
いない粒子を含む分散液20μlを添加して同様の操作
を行って吸光度を測定した。これら結果を表3に示す。
【0089】
【表3】
【0090】<試験例2>試験例1と同様な方法で、抗
ヒトIgMの代わりに、ストレプットアビジン(和光純
薬社製)を結合させ、同様な方法で、反応後磁性ポリマ
ー粒子を洗浄処理した。最終的に5重量%の分散液とし
た。ビオチン結合したアセチルコリンエステラーゼ溶液
(1μg/ml)をストレプットアビジン結合磁性ポリ
マー粒子10μl(0.5mg)に対して、0μl、2
5μlまたは100μlを加えて、最終塩濃度が1Mの
NaCl溶液となるように5MのNaCl溶液を添加
し、蒸留水で反応容量を0.5mlにした。10分間静
置反応させた。次いで、試験例1と同様な方法で基質を
加え、同様の条件で反応し、吸光度を測定した。結果を
表4に示す。
【0091】
【表4】
【0092】<試験例3>ヒト白血球の癌細胞であるK
562細胞を1重量%牛胎児血清を含むPRM1−16
40培地で培養した。培養懸濁液中における細胞の数が
50万個/mLとなった時点で、この培養懸濁液1mL
をサンプリングチューブに取り、500rpmで5分間
遠心分離して細胞を回収した。回収した細胞に対しリン
酸カリウム緩衝液(pH7.2)1mLを添加した後、
超音波処理により無細胞化した。この無細胞化したK5
62細胞溶解液を、3本の遠心チューブ(容積2mL)
に0.5mLずつ取り、10mMのリン酸緩衝液(pH
5)によって2mLまで希釈した。次いで、遠心チュー
ブの各々に、エイズウィルスDNAを組み込んで培養し
たヒト白血球(NY10株)から取ったHIV−1DN
Aを、それぞれ、0分子、10分子、50分子分添加し
た。ボルテックス後、遠心チューブの各々に、実施例1
により得られたカチオン性の磁性ポリマー粒子が分散さ
れてなる固形分濃度10重量%の分散体2μLを添加
し、室温下、10rpmで5分間回転攪拌した。次い
で、磁性ポリマー粒子を磁気分離し、分離された磁性ポ
リマー粒子の各々に、下記表5に示すPCR反応液を2
5μLずつ添加して、PCR反応を行った。
【0093】
【表5】
【0094】上記表5中、「プライマー SK145
A」の配列は、「5’CCCACAAGATTTAAA
CACCA 3’」であり、「プライマー SK451
A」の配列は、「5’TGAAGGGTACTAGTA
GTTCC 3’」であって、これらをDNA合成器
「381A型」(アプライドバイオシステム社製)を用
いて、メーカーマニュアルに従って合成した後、HPL
Cで精製品を得た。なお、PCR反応は、「サーマルサ
イクラー モデルJP2000」(PERKIN EL
MER CETUS社製)を用いて、(94℃×0.5
分間,55℃×1.0分間,72℃×1.5分間)を3
0サイクルと、72℃×7分間のプログラムで増幅反応
を行った。上記1回目のPCR法による増幅反応の生成
物を5μL取り、「プライマーSK145A」に代えて
「プライマー SK145」〔タカラ製〕を使用し、
「プライマー SK451A」に代えて「プライマー
SK451」〔タカラ製〕を使用したこと以外は同様に
してNested PCR法の反応を行った。PCR法
およびNested PCR法の反応増幅産物を、2重
量%のアガロースゲル「Agarose 1600」
〔和光純薬製〕を用いてTBE緩衝液(50mMホウ酸
からなる緩衝液,pH8.2)中でMupid型電気泳
動装置で泳動させ、エチジウムブロマイド染色後に波長
254nmの紫外線照射下で検出した。これらの結果を
表6に示す。
【0095】
【表6】
【0096】表6に示す結果により、本発明の磁性ポリ
マー粒子を用いることにより、遠心分離の代わりに磁気
分離を利用しDNAを回収することができるため、PC
R法に利用できることがわかった。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、超常磁性体の分散性に
優れた新規な磁性ポリマー粒子を提供することができ
る。本発明の磁性ポリマー粒子は、磁気応答性に優れて
いると共に、当該磁性ポリマー粒子の分散体(磁性ポリ
マーラテックス)において、磁性ポリマー粒子から水性
媒体中に鉄イオンが溶出する問題を生じないので、この
問題のために磁性ポリマーラテックスの適用が制限され
ていた各種の用途・技術分野においても好適に用いるこ
とができる。また、本発明の磁性ポリマー粒子は、水性
媒体中で沈降しにくく、当該水性媒体中において均質な
分散状態で存在することができる。本発明の製造方法に
よれば、上記のような優れた特性を有する磁性ポリマー
粒子およびその分散体を確実に製造することができる。
【0098】本発明の磁性ポリマー粒子は、上記のよう
な優れた特性により、磁気応答性の要求される種々の用
途・分野に広く適用することができる。例えば、抗原、
抗体、蛋白、核酸などを物理的乃至は化学的に吸着させ
ることにより、診断薬として広い範囲に適用することが
できる。また、酵素免疫法の診断薬として用いる場合に
おいて、磁性ポリマー粒子からの鉄イオンの溶出に起因
して生じる非特異発色が抑制されるので、診断薬として
の実用性および信頼性がさらに高められている。また、
磁性ポリマー粒子の粒子表面に超常磁性体が露出するこ
とがないので、静電特性、成膜性に優れ、磁性トナー、
磁性インク、磁性塗料としても有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アルキル基の炭素数が4〜20で
    あるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位
    30〜99重量%、 (B)不飽和カルボン酸に由来する構造単位1〜20重
    量%、並びに(C)前記アルキル(メタ)アクリレート
    および前記不飽和カルボン酸と共重合可能なビニルモノ
    マーに由来する構造単位0〜69重量%からなる共重合
    体100重量部に対して、超常磁性体1〜100重量部
    を含有してなり、 数平均粒子径が0.02〜30μmであることを特徴と
    する磁性ポリマー粒子。
  2. 【請求項2】 アルキル基の炭素数が4〜20であるア
    ルキル(メタ)アクリレートを30重量%以上の割合で
    含有するモノマー中に超常磁性体を分散させてモノマー
    組成物を調製し、 このモノマー組成物を水性媒体中に分散させて懸濁液を
    得、 この懸濁液中において、前記モノマーを重合させること
    を特徴とする磁性ポリマー粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の粒子にオリゴヌクレオチドま
    たは生理活性蛋白質を固定してなる磁性ポリマー粒子。
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