JPH10270046A - 電池用バインダー組成物、電池電極用スラリー、電極及び電池 - Google Patents

電池用バインダー組成物、電池電極用スラリー、電極及び電池

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JPH10270046A
JPH10270046A JP9093041A JP9304197A JPH10270046A JP H10270046 A JPH10270046 A JP H10270046A JP 9093041 A JP9093041 A JP 9093041A JP 9304197 A JP9304197 A JP 9304197A JP H10270046 A JPH10270046 A JP H10270046A
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恵子 今井
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耕一郎 前田
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた電池特性を示し、さらに電極製造にお
いて、表面の平滑性に優れた電極を提供する。 【解決手段】 ゲル含量が50%以上のポリマー、
セルロース系化合物、及び760Kgf/cm3での
沸点が80℃以上である液状有機物を含有する電池用バ
インダー組成物に、電極活物質を含有させて電池電極
用スラリーとなす。この電池電極用スラリーを集電体に
塗布し、液状有機物を除去し、電極活物質を結着させた
電極を作製し、電池用の正極及び/又は負極として用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用バインダー
組成物、これを用いた電池電極用スラリー、これを用い
た電極及び電池に関する。
【0002】
【従来の技術】電池用バインダー組成物(以下、単にバ
インダー組成物ということがある)は、電池用バインダ
ー(以下、単にバインダーということがある)となる物
質を液状有機物に溶解させたり、分散させたものであ
る。この電池用バインダー組成物に電極活物質(以下、
単に活物質という場合がある)を混合した混合物である
電池電極用スラリー(以下、単にスラリーという場合が
ある)を、例えば、ブレード法、浸漬法、リバースロー
ル法、ダイレクトロール法、ナイフ法などによって集電
体に塗布し、液状有機物を乾燥などの方法で除去して、
集電体に活物質を結着させると共に、活物質同士を結着
させて電極が製造される。製造された正・負極電極を、
例えば多孔性ポリプロピレン製セパレーターを介在させ
て巻き取り、その他の工程を経て電池が製造されてい
る。
【0003】電池の容量は、活物質の種類や量、電解液
の種類や量などの複数の要因によって決まるが、バイン
ダー組成物の性能も重要な一つの要因となる。バインダ
ー組成物が十分な量の活物質を集電体に結着でき、かつ
活物質同士を結着できないと、初期容量の大きな電池が
得られず、また充放電を繰り返すことによって集電体か
ら活物質が脱落し、電池の容量が低下する。
【0004】バインダー組成物としては、有機溶媒系バ
インダー組成物と水分散系バインダー組成物が代表的な
例であるが、リチウム系二次電池の電極用バインダー組
成物として工業的に多用されているのは、ポリビニリデ
ンフルオライド系重合体をN−メチルピロリドンなどに
溶解した有機溶媒系バインダー組成物である。しかし、
このバインダー組成物を用いた場合、集電体と活物質と
の結着性が必ずしも十分ではなく、特に充放電の繰り返
しによる活物質の体積変動によって活物質が脱落する
(結着力不足)という問題がある。そこでゴム系高分子
が有するゴム状弾性に着目し、ゴム系高分子をバインダ
ーとして使用すること(例えば、特開平3−53450
号公報、特開平5−62668号公報、特開平4−34
2966号公報、特開平8−124557号公報など)
等が提案されているが、ゴム系高分子を用いた場合は結
着力が不足し、十分な性能は得られていない。
【0005】一方、上述した電池の製造工程において、
電極には、巻き取り工程などで外力が加わるため、剥が
れや割れ欠けが発生しないことが必要である。そこで、
電極の表面はより平滑であることが好ましい本発明者ら
が詳細に検討した結果、電極の表面が平滑でない場合、
液状有機物除去後に行うロールプレス工程で、電極表面
の凸部に応力が集中し、部分的に割れが発生しやすいこ
と、更に電池を組み立てた場合、電極表面の凸部分に応
力が集中して凸部分と接したセパレーターが破損し、電
池が内部ショートするという危険があること、表面が平
滑な電極を用いた場合より電池の充填密度が低くなるた
め、電池容量が劣ることなどが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た電池特性を示し、さらに電極製造において、表面の平
滑性に優れた電極を提供することにある。
【0007】
【課題を解決する手段】かくして本発明によれば、第一
の発明としてゲル含量が50%以上のポリマー、セ
ルロース系化合物、及び760Kgf/cm3での沸
点が80℃以上である液状有機物を含有する電池用バイ
ンダー組成物が提供され、第二の発明としてゲル含量
が50%以上のポリマー、セルロース系化合物、7
60Kgf/cm3での沸点が80℃以上である液状有
機物、及び電極活物質を含有する電池電極用スラリー
が提供され、第三の発明として当該電池電極用スラリー
を集電体に塗布し、液状有機物を除去し、電極活物質を
結着させた電極が提供され、第四の発明として正極及び
/又は負極が当該電極である電池が提供される。以下、
本発明を詳述する。
【0008】(電池用バインダー組成物)本発明の電池
用バインダー組成物は、ゲル含量が50%以上のポリ
マー、セルロース系化合物と、760Kgf/cm
3での沸点が80℃以上である液状有機物からなるもの
である。本発明では、ポリマーは液状有機物に分散して
いるが、セルロース系化合物は液状有機物に分散してい
ても溶解していても良い。
【0009】(1.ポリマー)本発明で使用されるポリ
マーはゲル含量が50%以上のポリマーであり、このポ
リマーは、ポリマーを構成する単量体の第1成分をもっ
てしてホモポリマーとしたとき、エラストマー即ち、T
g30℃以下のゴム状弾性を有する柔軟なポリマーとな
る単量体を原料としたポリマーであることが好ましい。
このような単量体の中でも、共役ジエン系単量体やエチ
レン性不飽和カルボン酸エステル系単量体を使用し、重
合したものが好ましい。
【0010】重合機構は通常のラジカル重合またはイオ
ン重合であり、重合反応は、乳化重合、懸濁重合、溶液
重合など任意の方法でよい。本発明で用いるポリマー
は、共役ジエン系単量体又はエチレン性不飽和カルボン
酸エステル系単量体の単独重合体であってもよいし、共
役ジエン系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステ
ル系単量体との共重合体であってもよい。これらの単量
体成分を用いることにより、ポリマーが部分的に、又は
全体的にエラストマー的な性質を有することが可能とな
る。ここで、エラストマー的な性質とは、接着性や柔軟
性などのことであり、特に、二次電池の電池用バインダ
ー組成物に用いる際は、電極上での集電体との結着性
や、充放電に伴う活物質の移動に対応する柔軟性(伸び
や永久伸び)が重要な性質となる。さらに、これら第1
成分以外の第2成分として、ホモポリマーとしたときエ
ラストマーとなるエチレン性不飽和単量体を除くエチレ
ン性不飽和単量体、たとえば、エチレン性不飽和カルボ
ン酸系単量体;スチレン系単量体;ニトリル基含有単量
体;アクリルアミド系単量体;メタクリルアミド系単量
体;グリシジル基含有単量体;スルホン酸基含有単量
体;アミノ基含有単量体などを用いることができる。
【0011】第1成分の共役ジエン系単量体の具体例と
しては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジ
メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、
ピペリレンなどが挙げられる。第1成分のエチレン性不
飽和カルボン酸エステル系単量体の具体例としては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n
−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸n−オクチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ア
クリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリ
ル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル
酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、クロトン酸メチ
ル、クロトン酸エチル、イソクロトン酸エチルなどが挙
げられる。
【0012】第2成分の(1)エチレン性不飽和カルボ
ン酸系単量体の具体例としては、メタクリル酸メチルや
メタクリル酸エチルのようなホモポリマーとしたときエ
ラストマーにならないエチレン性不飽和カルボン酸エス
テル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和
モノカルボン酸系単量体;マレイン酸、フマル酸、シト
ラコン酸、メタコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、テ
トラヒドロフタル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナ
ジック酸などの不飽和ジカルボン酸系単量体;マレイン
酸モノオクチル、マレイン酸モノブチル、イタコン酸モ
ノオクチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸のモノエ
ステルが挙げられ、(2)スチレン系単量体の具体例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルス
チレン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレンなど
が挙げられ、(3)ニトリル基含有単量体の具体例とし
ては、たとえば、アクリロニトリルやメタアクリロニト
リルが挙げられ、(4)アクリルアミド系単量体の具体
例としては、アクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどが挙げ
られ、(5)メタクリルアミド系単量体の具体例として
は、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、N−ブトキシメチルメタクリルアミドなどが挙げら
れ、(6)グリシジル基含有単量体の具体例としては、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリ
ルグリシジルエーテルなどが挙げられ、(7)スルホン
酸基含有単量体の具体例としては、スチレンスルホン酸
ソーダ、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸など
が挙げられ;(8)アミノ基含有単量体の具体例として
は、メタクリルジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジ
エチルアミノエチルなどが挙げられる。
【0013】第2成分としては、エチレン性不飽和カル
ボン酸系単量体、スチレン系単量体及びニトリル基含有
単量体が好ましい。第2成分を使用する場合、その使用
割合は、第1成分と第2成分重量との重量比で、通常、
1:0.1〜1:10、好ましくは1:0.5〜1:5
である。第2成分を使用すると、電池用バインダー組成
物として使用する際に、集電体などの金属との結着力を
高めることができるので好ましい。また、不飽和ジカル
ボン酸系単量体やニトリル基含有単量体を使用すると、
N−メチルピロリドンなどを液状有機物として使用した
場合に、ポリマーを分散させやすくなる。不飽和ジカル
ボン酸系単量体やニトリル基含有単量体の使用割合は、
全単量体中5重量%以上、より好ましくは10重量%以
上、90重量%以下、好ましくは60重量%以下、より
好ましくは30重量%以下である。使用量が多すぎると
ポリマーの柔軟性が低下するので、電池用バインダー組
成物として使用する場合に、電極活物質が脱落しやすく
なることがある。
【0014】このようなポリマーの具体例としては、共
役ジエン系単量体の単独重合体または共重合体、共役ジ
エン系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステル系
単量体との共重合体、エチレン性不飽和カルボン酸エス
テル系単量体の単独重合体または共重合体、共役ジエン
系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量
体とを第1成分とし、第2成分としてスチレン系単量体
を用いて得られる共重合体、共役ジエン系単量体とエチ
レン性不飽和カルボン酸エステル系単量体とを第1成分
とし、第2成分として不飽和ジカルボン酸系単量体とス
チレン系単量体とを用いて得られる共重合体、共役ジエ
ン系単量体エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量
体とを第1成分とし、第2成分として不飽和ジカルボン
酸系単量体とスチレン系単量体とニトリル基含有単量体
とを用いて得られる共重合体、第1成分としてエチレン
性不飽和カルボン酸エステル系単量体、第2成分として
不飽和カルボン酸系単量体と不飽和カルボン酸系エステ
ル系単量体とスチレン系単量体を用いた共重合体などが
例示され、具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプ
レン共重合体、スチレン−ブタジエン−メタクリル酸メ
チル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン
−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニ
トリル−ブタジエン−メタクリル酸メチル−イタコン酸
共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン−
メタクリル酸メチル−フマル酸共重合体、ポリスチレン
−ポリブタジエンブロック共重合体などが挙げられる。
【0015】これらの中でも、共役ジエン系単量体とし
てブタジエン、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系
単量体としてアクリル酸ブチル、不飽和モノカルボン酸
系単量体としてアクリル酸、不飽和ジカルボン酸系単量
体としてイタコン酸やフマル酸、不飽和カルボン酸エス
テル系単量体としてメタクリル酸メチル、スチレン系単
量体としてスチレン、ニトリル基含有単量体としてアク
リロニトリルを用いたものが好ましい。本発明で用いる
ポリマーは液状有機物に分散する粒子であって、その粒
径(分散媒乾燥後、電子顕微鏡で100個の粒子の長径
と短径とを測定し、その平均値をとる)は、通常0.0
05〜100μm、好ましくは0.01〜50μmであ
る。
【0016】粒径が大きすぎると電池用バインダー組成
物として使用する場合に、電極活物質と接触しにくくな
り、電極の内部抵抗が増加する。小さすぎると必要なバ
インダーの量が多くなりすぎ、活物質の表面を被覆して
しまう。本発明で用いるポリマーのゲル含量は、通常5
0%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは80
%以上である。なお、本発明において、ゲル含量はトル
エン不溶分として算出され、具体的には1gのポリマー
を100℃で24時間乾燥させ、ポリマー乾燥重量を測
定後、このポリマーを25℃の室温中、トルエン100
gに24時間浸漬し、200メッシュのふるいにかけ、
ふるいの上に残留した固形物を乾燥させ、重量を測定
し、(ふるい上の残留固形物乾燥重量/ポリマー乾燥重
量)×100の計算式から算出した値である。ゲル含量
はポリマーの架橋度合を示すものであって、ゲル含量が
50%より少ないと、液状有機物に溶解する場合があり
好ましくない。また、電池用バインダー組成物に使用す
る場合は、集電体に塗布した後、集電体表面で広がり活
物質の表面を被覆し、活物質の電気容量に寄与する部分
を小さくするので好ましくない。上述したポリマーをゲ
ル化させるためには通常、架橋が必要である。架橋は
熱、光、放射線、電子線などによる自己架橋であっても
よいし、架橋剤を用いて架橋構造を導入するものであっ
てもよく、またこれらの組み合わせであってもよい。
【0017】架橋剤としては、ベンゾイルペルオキシ
ド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオ
キシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘ
キシン−3,1,4−ビス(tert−ブチルペルオキ
シイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、
tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3,2,5−トリメチル−2,5−ジ(tert−ブチ
ルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾ
エート、tert−ブチルペルフェニルアセテート、t
ert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチル
ペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピ
パレート、クミルペルピパレート、tert−ブチルペ
ルジエチルアセテートなどのパーオキサイド系架橋剤や
アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレ
ートなどのアゾ化合物;エチレンジグリコールジメタク
リレート、ジエチレンジグリコールジメタクリレートな
どのジメタクリレート化合物;トリメチロールプロパン
トリメタクリレートなどのトリメタクリレート化合物;
ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジアクリレートなどのジアクリレート化
合物;トリメチロールプロパントリアクリレートなどの
トリアクリレート化合物;ジビニルベンゼンなどのジビ
ニル化合物;などの架橋性モノマー等が例示されるが、
架橋剤としてはエチレンジグリコールジメタクリレート
などのジメタクリレート化合物やジビニルベンゼンなど
のジビニル化合物などの架橋性モノマーを用いるのが好
ましい。架橋構造を持った塊状のポリマーとなった場合
はTg以下に冷却しジェットミルなどで粉砕して用いて
もよい。
【0018】(2.セルロース系化合物)本発明で使用
されるセルロース系化合物は、β−1,4−グルコシド
結合した多糖類であって、(C6105)nで示される
一般的なセルロースの骨格を有するか、この骨格中の少
なくとも一部の水酸基に結合する水素原子の代わりに水
素原子以外の官能基が結合している化合物、あるいはこ
れらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩類を含む
化合物であり、好ましくは当該セルロース系化合物をバ
インダー組成物に含まれる液状有機物の2%溶液とした
ときの溶液粘度が50センチポイズ(以下、cPとい
う)以上、好ましくは50cP以上10000cP以
下、より好ましくは100cP以上5000cP以下の
ものである。
【0019】セルロース系化合物の具体例としては、下
式(1)で表される化合物が挙げられる。
【化1】
【0020】(式(1)中、Rは、それぞれ独立に、水
素原子、直鎖・分岐・環状のアルキル基、またはカルボ
キシル基、水酸基、或いはアルコキシ基で置換された直
鎖・分岐のアルキル基である。)
【0021】式(1)中のアルキル基は、好ましくは炭
素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4、特に好まし
くは炭素数1〜3であり、アルコキシ基のアルキル部分
の炭素数も同様である。このようなセルロース系化合物
の具体的な化合物例としては、セルロース;メチルセル
ロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、イソ
プロピルセルロース、ブチルセルロースなどのアルコキ
シ基結合型セルロース類;ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシア
ルキル基結合型セルロース類;カルボキシメチルセルロ
ース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロピ
ルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロースなど
のカルボキシアルキル基結合型セルロース類;などが挙
げられる。これらのセルロース系化合物は、単独または
2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】これらのセルロース系化合物は市販のもの
を用いることができ、また常法に従ってセルロース類に
官能基を導入することもできる。セルロース系化合物の
使用割合は、上記ポリマーとセルロース系化合物との重
量比で1:0.01〜1:100、好ましくは1:0.
05〜1:50、より好ましくは1:0.1〜1:10
である。セルロース系化合物の使用割合が少なすぎる
と、集電体にスラリーを塗布した表面やスラリー乾燥後
の電極表面の平滑性に欠き、逆にセルロース系化合物の
使用割合が多いと集電体へのスラリーの塗布性が低下す
る。
【0023】(3.液状有機物)本発明で使用される液
状有機物は、760Kgf/cm3での沸点が80℃以
上、好ましくは100℃以上である。電池用バンダー組
成物として使用する場合、集電体を劣化させない条件で
液状有機物を除去する必要があることから、760Kg
f/cm3での沸点が300℃以下であることが好まし
い。760Kgf/cm3での沸点が80℃に満たない
場合、集電体への塗布が困難である。また、液状有機物
除去工程時にポリマー及びセルロース系化合物が移動し
て電極表面に集中する現象が発生し、電極の強度が低下
したり結着力が低下するなどの問題が生じやすい。この
現象は液状有機物がエチルアルコールなどの沸点が80
℃未満のアルコール類やケトン類において特に顕著であ
る。
【0024】液状有機物の具体例としては、ベンゼン、
トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化
水素類;ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの脂
肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、エチルシクロヘキサンなどの環状脂肪族炭化水素
類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン
などのケトン類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピ
ロリドンなどの鎖状・環状のアミド類;ブチルアルコー
ル、アミルアルコール、ヘキシルアルコールなどのアル
コール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸
ブチル、安息香酸メチルなどのエステル類;など各種の
極性液状有機物や非極性液状有機物が挙げられる。電池
用バインダー組成物として使用する場合は、ポリマー分
散性、セルロース系化合物の分散性又は溶解性、取り扱
いの容易さ、安全性、合成の容易さなどのバランスか
ら、鎖状・環状のアミド類、ケトン類、エステル類、芳
香族炭化水素類のうち、760Kgf/cm3での沸点
が100〜250℃のものが特に好ましい。
【0025】このような液状有機物にポリマーを分散さ
せる方法は特に制限されないが、例えば水系分散媒中で
製造されたポリマー・水分散液を分散媒交換して液状有
機物に分散させる方法が挙げられる。この方法では水を
除去する必要がある。用いる液状有機物の沸点が水より
高い場合は、液状有機物を加えてエバポレーターなどを
用いて水を蒸発させて除去すればよい。液状有機物が水
と共沸するものである場合は、液状有機物を加えて水と
共沸させてエバポレーターなどによってある程度水の量
を減らした後にモレキュラーシーブなどの吸水剤を用い
たり、逆浸透膜を用いて水分を除去すればよい。液状有
機物にポリマーを分散させる別の製造方法としては、水
系分散媒中で製造されたポリマーをいったん凝固乾燥し
た後、粉砕し、液状有機物に分散させる方法や凝固乾燥
したポリマーを液状有機物と混合し、これを粉砕する方
法などもある。分散は、通常のボールミル、サンドミル
などの分散機;超音波分散機;ホモジナイザーなどを使
用して行うことができる。さらに液状有機物系において
ポリマー粒子を製造し、あるいは塊状のポリマーを用い
る場合には、ポリマーを粉砕し、液状有機物に分散させ
ることによってポリマー分散物を得ることもできる。
【0026】本発明の電池用バインダー組成物は、この
ようにして得たポリマー分散物に、前述のセルロース系
化合物を添加したものである。バインダー組成物中のポ
リマーとセルロース化合物の濃度は、両者の合計量濃度
で、0.1〜70重量%、好ましくは0.5〜60重量
%、より好ましくは1〜50重量%である。ポリマーと
セルロース系化合物との合計量がこの範囲をはずれる
と、電極表面が平滑でなくなったり、塗布性が低下した
りする。
【0027】(4.その他の添加剤)さらに、本発明に
おいては、添加剤として任意の化合物を添加することが
できる。例えば、粘度調節剤などは代表的な添加剤であ
り、具体例としては、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ
−N−イソプロピルアクリルアミド、ポリ−N,N−ジ
メチルアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリオキ
シエチレン、ポリ(2−メトキシエトキシエチレン)、
ポリビニルアルコール、ポリ(3−モルフィリニルエチ
レン)、ポリビニルスルホン酸、ポリビニリデンフルオ
ライド、アミロース、アミロペクチン、スターチなどの
多糖類が挙げられる。
【0028】(電池電極用スラリー)本発明の電池電極
用スラリーは、前述したバインダー組成物に活物質を配
合して調製される。活物質は、通常の電池で使用される
のを用いることができる。たとえば、リチウム系電池の
場合、負極活物質として、フッ化カーボン、グラファイ
ト、天然黒鉛、MCMBなどのPAN系炭素繊維、ピッ
チ系炭素繊維などの炭素質材料;ポリアセン等の導電性
高分子;Li3Nなどのチッ化リチウム化合物;リチウ
ム金属、リチウム合金などのリチウム系金属;Ti
2、LiTiS2などの金属化合物;Nb2O、Fe
O、Fe2O、Fe34、CoO、Co23、Co
34、等の金属酸化物;AxMyNzO2(但し、Aは
Li、P及びBから選択された少なくとも一種、MはC
o、NiおよびMnから選択された少なくとも一種、N
はAlおよびSnから選択された少なくとも一種、Oは
酸素原子を表し、x、y、zは、それぞれ1.10≧x
≧0.05、4.00≧y≧0.85、2.00≧z≧
0の範囲の数である)で表される複合金属酸化物あるい
はその他の金属酸化物;などが例示される。
【0029】また、正極活物質として、マンガン、モリ
ブデン、バナジウム、チタン、ニオブなどの酸化物・硫
化物・セレン化物;AxMyNzOp(ただし、AはL
i、P、またはB、MはCo、NiおよびMnから選択
された少なくとも一種、NはAlおよびSnから選択さ
れた少なくとも一種、Oは酸素原子を表し、x、y、
z、pは、それぞれ1.10≧x≧0.05、4.00
≧y≧0.85、2.00≧z≧0、5.00≧p≧
1.5の範囲の数である)で表される複合金属酸化物;
ポリアセン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分
子;などが例示される。
【0030】電池電極用スラリー中の活物質量も特に限
定されないが、通常、ポリマーおよびセルロース系化合
物の重量の和に対して重量基準で1〜1000倍、好ま
しくは5〜1000倍、より好ましくは10〜1000
倍、とりわけ好ましくは15〜100倍になるように配
合する。活物質量が少なすぎると、集電体に形成された
活物質層に不活性な部分が多くなり、電極としての機能
が不十分になることがある。また、活物質量が多すぎる
と活物質が集電体に十分に結着されずに脱落しやくな
る。なお、スラリーに液状有機物を追加して集電体に塗
布しやすい濃度として使用してもよい。
【0031】(電極)本発明の電極は、上記の電池電極
用スラリーを集電体に塗布し、液状有機物を除去して、
集電体表面に活物質を結着させたものである。集電体は
導電性材料からなるものであれが特に限定されないが、
通常、鉄、銅、アルミニウムなどの金属製のものを用い
る。形状も特に限定されないが、通常、厚さ0.01〜
0.5mm程度のシート状のものを用いる。電池電極用
スラリーの集電体への塗布方法も特に限定されない。た
とえば、ブレード法、浸漬法、リバースロール法、ダイ
レクトロール法、ナイフ法などによって塗布される。塗
布する量も特に限定されないが、液状有機物を除去した
後に形成される活物質層の厚さが0.01〜5mm、好
ましくは0.1〜2mmになる程度の量である。液状有
機物を除去する方法も特に限定されないが、通常は応力
集中が起こって活物質層に亀裂がはいったり、活物質層
が集電体から剥離しない程度の速度範囲のなかで、でき
るだけ早く液状有機物が揮発するように減圧の程度、加
熱の程度を調整して除去する。
【0032】(電池)本発明の電池は、上記の電極を正
極又は負極の少なくとも一方に使用したものである。電
池は水系電解液を用いた電池又は非水系電解液を用いた
電池のいずれであってもよいが非水系電解液を用いた電
池の電極として用いた場合に特に優れた電池性能を得る
ことができる。非水系電解液を用いた電池としては、リ
チウム一次電池、リチウムメタル二次電池、リチウムイ
オン二次電池、リチウムポリマー二次電池、リチウムイ
オンポリマー二次電池などのリチウム系電池が挙げられ
る。リチウム系電池の電解液は特に限定されず、負極活
物質、正極活物質の種類に応じて、電池としての機能を
発揮するものを選択すればよい。たとえば、電解質とし
ては、LiClO4、LiBF4、CF3SO3Li、Li
I、LiAlCl4、LiPF6などリチウム系電池で常
用される電解液の電解質が挙げられ、電解液の溶媒とし
ては、エーテル類、ケトン類、ラクトン類、ニトリル
類、アミン類、アミド類、硫黄化合物類、塩素化炭化水
素類、エステル類、カーボネート類、ニトロ化合物類、
リン酸エステル系化合物類、スルホラン系化合物類など
が例示され、一般には、エチレンカーボネートやジエチ
ルカーボネートなどのカーボネート類が好適である。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。文中の部は、特に断りのない限り重量部である。実
施例及び比較例中、ゲル含量、粒径、粘度、及び表面粗
さは下記の方法又は計器を用いて測定した。 (1)ゲル含量:1gのポリマーを100℃で24時間
乾燥させ、ポリマー乾燥重量を測定した。ついで、この
ポリマーを25℃の室温中、トルエン100gに24時
間浸漬し、200メッシュのふるいにかけ、ふるいの上
に残留した固形物を乾燥させ、重量を測定して、下記の
計算式から算出した。 (ふるい上の残留固形物乾燥重量/ポリマー乾燥重量)
×100 (2)粒径:液状有機物を乾燥除去後透過型電子顕微鏡
で100個の粒子の長径と短径を測定し、その平均値を
求めた。 (3)粘度:25℃においてB型粘度計を用いて測定し
た。 (4)表面粗さ:ロールプレス前の電極を1.5cm角
の正方形に切り取り、スライドグラスに固定し、光学式
トレーサー「フォコディン」(Dr.lng.Pert
hen GmbH社製)を用いて試験片表面形状を記録
し、試験片固定時などに由来する撓みなどを補正した
後、最大粗さ(表面の凹凸の差の最大値)および標準偏
差にて評価した。
【0034】実施例1 攪拌機付きのオートクレーブに、水1000重量部、ス
チレン600重量部、ブタジエン500重量部、メタク
リル酸メチル350重量部、アクリロニトリル50重量
部、アクリル酸−2−エチルヘキシル150重量部、イ
タコン酸50重量部、ラウリル硫酸アンモニウム4重量
部、炭酸ナトリウム10重量部を入れてモノマーエマル
ジョンを調製した。次いで、攪拌機付きのオートクレー
ブに、水3400重量部、エチレンジアミン四酢酸10
重量部、ラウリル硫酸アンモニウム10重量部、過硫酸
カリウム20重量部、上記のモノマーエマルジョンの1
0容量%を加え、80℃に加熱し、攪拌しながら1時間
反応させた。次いで、過硫酸カリウム80重量部を水2
00重量部と共に加え、80℃を維持し、攪拌を続けな
がら、残りのモノマーエマルジョンを全て加えた。80
℃を維持し、攪拌を続けながら、さらに4時間反応させ
て、乳白色のラテックスを得た(収率99%)。このラ
テックスに分散されたポリマーの平均粒径は0.18m
であった。また、ポリマーのゲル含量は94%であっ
た。
【0035】上記のラテックスの未反応残留モノマーを
水蒸気蒸留によって除去し、水酸化リチウムでpHを7
に調製した。次いで、総重量の3倍量のN−メチルピロ
リドン(沸点204℃)を加え、エバポレーターで水分
を蒸発させ、固形分濃度が34重量%のポリマー分散物
を得た。また、これとは別にヒドロキシエチルセルロー
ス(2重量%のN−メチルピロリドン溶液にして、25
℃の粘度が250cPのもの)をN−メチルピロリドン
に溶解して固形分濃度が10重量%のセルロース系化合
物液を得た。先に得られたポリマー分散物の固形分重量
と、セルロース系化合物液の固形分重量とが等量となる
ように混合攪拌し、バインダー組成物Aを得た。
【0036】(負極の製造と表面粗さの評価)負極活物
質としてカーボン(ロンザ社製「KS−15」)94重
量部に、バインダー組成物Aの固形分量が6重量部とな
るように加え、十分に混合して負極用スラリーを得た。
この負極用スラリーを幅8cm、長さ20cm、厚さ1
8μmの銅箔に塗布、液状有機物を除去後、ロールプレ
スして厚さ25μmの負極電極を得た。得られた電極の
表面粗さを測定したところ、最大粗さ30、標準偏差4
であった。
【0037】(正極の製造)正極物質としてLiCoO
2 91重量部に、バインダー組成物Aの固形分量が6
重量部となるように加え、更に、アセチレンブラック3
重量部、N−メチルピロリドン50重量部を加えて、十
分に混合して正極用スラリーを得た。この正極用スラリ
ーを幅8cm、長さ20cm、厚さ18μmの銅箔に塗
布、液状有機物を除去後、ロールプレスして厚さ25μ
mの正極電極を得た。
【0038】(電池の製造)先に得た各電極を2cm2
の正方形に切断し、厚さ25μmのポリプロピレン製セ
パレータを挟み、これをエチレンカーボネートとジエチ
ルカーボネートの1:1(体積比)混合液に電解質とし
てLiPF6を1モル/リットルの濃度に溶解した電解
液を、空気が残らないように注入し、電池を作製した。
【0039】(電池性能の評価)この電池を定電流法
(電流密度:0.1mA/cm2)で4.2Vに充電
し、3.2Vまで放電する充放電を繰り返し、電気容量
の変化を測定した。5回目の充電での電気容量は207
mAhであり、10回目の充電での電気容量は203m
Ahであり(1回目の約98%)、50回目の充電での
電気容量は188mAhであり(1回目の約91%)で
あった。
【0040】実施例2 セルロースを粘度が480cPのヒドロキシエチルセル
ロースに代える以外は実施例1と同様の方法により電池
を作製し、同様に電池性能を評価した。その結果、負極
の表面粗さは、最大粗さが31、標準偏差が4であっ
た。また、電気容量は、5回目の充電での電気容量は2
13mAhであり、10回目の充電での電気容量は21
1mAhであり(1回目の約99%)、50回目の充電
での電気容量は196mAhであり(1回目の約92
%)であった。
【0041】実施例3 セルロースをカルボキシメチルエチルセルロース(粘度
=110cP)に変える以外は実施例1と同様の方法に
より電池を作製し、同様に電池性能を評価した。その結
果、負極の表面粗さは、最大粗さが28、標準偏差が4
であった。また、電気容量は、5回目の充電での電気容
量は198mAhであり、10回目の充電での電気容量
は192mAhであり(1回目の約97%)、50回目
の充電での電気容量は178mAhであり(1回目の約
90%)であった。
【0042】実施例4 液状有機物を乳酸エチル(粘度=1000cP)に代え
る他は実施例1と同様の方法により電池を作製し、同様
に電池性能を評価した。その結果、負極の表面粗さは、
最大粗さが33、標準偏差が5であった。また、電気容
量は、5回目の充電での電気容量は201mAhであ
り、10回目の充電での電気容量は197mAhであり
(1回目の約98%)、50回目の充電での電気容量は
185mAhであり(1回目の約92%)であった。
【0043】比較例1 ヒドロキシエチルセルロースの代わりにポリビニルピロ
リドンを用いる以外は実施例1と同様の方法により電池
を作製した。負極の表面粗さは、最大粗さが98、標準
偏差が21であった。また、このバインダーを用いて電
極をロールプレスする際に電極に割れが発生し、電池を
作製することができなかった。
【0044】以上の結果から、セルロース系化合物を添
加すると表面が平滑な電極が得られ、このような電極を
用いた電池は電池特性に優れることが判った。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲル含量が50%以上のポリマー、
    セルロース系化合物、及び760Kgf/cm3での
    沸点が80℃以上である液状有機物を含有する電池用バ
    インダー組成物。
  2. 【請求項2】 ゲル含量が50%以上のポリマー、
    セルロース系化合物、760Kgf/cm3での沸点
    が80℃以上である液状有機物、及び電極活物質を含
    有する電池電極用スラリー。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電池電極用スラリーを集
    電体に塗布し、液状有機物を除去し、電極活物質を結着
    させた電極。
  4. 【請求項4】 正極及び/又は負極が請求項3記載の電
    極である電池。
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