JPH10265630A - 強化ポリプロピレン組成物 - Google Patents

強化ポリプロピレン組成物

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JPH10265630A
JPH10265630A JP9058078A JP5807897A JPH10265630A JP H10265630 A JPH10265630 A JP H10265630A JP 9058078 A JP9058078 A JP 9058078A JP 5807897 A JP5807897 A JP 5807897A JP H10265630 A JPH10265630 A JP H10265630A
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JP
Japan
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filler
weight
fibrous
parts
polypropylene
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Application number
JP9058078A
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Inventor
Shinichi Yamamoto
新一 山本
Kaoru Takasaki
薫 高崎
Hideho Tanaka
秀穂 田中
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Ube Material Industries Ltd
Original Assignee
Ube Material Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、樹脂とフィラーの混練時にハンド
リングが容易で安定した供給ができ粉塵の発生を抑制で
き、さらに樹脂中への分散が良く機械的物性が優れる樹
脂複合製品を安定して生産できる強化ポリプロピレン組
成物を提供する。 【解決手段】 ポリプロピレン100重量部と、平均繊
維長50μm以下、アスペクト比5〜45の繊維状フィ
ラー20〜80重量%、および平均径10μm以下の板
状フィラー80〜20重量%よりなり、平均直径0.5
〜5mm、見掛け比重0.20〜0.80に造粒されて
なる複合フィラー3〜50重量部を溶融混練してなるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的強度および
耐衝撃性のバランスが優れる成形品を与えることができ
る強化ポリプロピレン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び解決すべき課題】ポリプロピレンなど
の成形用樹脂材料について引っ張り強度、耐衝撃強度、
剛性等の機械的物性を改善するためには、繊維状、板
状、粒状等の形状の種々のフィラーを適正量添加、混練
することにより、樹脂と無機充填剤との複合材料とする
方法が一般的である。特に自動車のインストルメンタル
パネルなどの構造用材料としての用途では、環境変化の
中での機械的物性及び体積安定性など総合的な物性バラ
ンスの調整が必要とされる。
【0003】機械的物性の調整の中で、剛性の付与、静
的強度の向上、衝撃強度の改善並びに体積安定性の向上
のためには、ガラス繊維等のフィラーを添加することで
ほぼ目的を達成できるが、インストルメンタルパネルな
どの用途では成形製品の表面性状、特に滑らかさが問題
とされ、その確保のため従来のガラス繊維と比べてより
微細な1μm径以下の繊維よりなるフィラーを使用する
必要があった。しかしながら、1μm径以下の微細な繊
維フィラーは凝集し易い性質のため複合した樹脂中で繊
維を均等に分散、配向させることが難しくなり、樹脂複
合組成物の機械的物性のなかで耐衝撃強度が低下した
り、あるいは、安定した強度特性が得られない等の問題
があった。
【0004】また、現在樹脂充填用材料として、10μ
m径以下の板状フィラーも同時に使用されているが、単
独使用では機械的物性が繊維状フィラー程には付与でき
ず、総合的な樹脂物性バランスを満足できなかった。
【0005】通常の樹脂加工において一般的に用いられ
るペレット状または顆粒状のポリプロピレンなどの基材
樹脂と粉末状フィラーとの混合は、両者の形状や密度の
相違のために容易ではない。そのため、通常無機物質と
熱可塑性樹脂とを混合する場合、予め両者をV型ブレン
ダーやリボンミキサー等の乾式混合機によって混合した
後、コンパウンド用の溶融混練機に供給する方法が採用
されるが、材料供給口でブリッジによる閉塞や粉材料と
基材、他の添加材との分離現象が起こりやすい。このた
めに、強化複合材料を製造するときの加工性が悪くまた
均一な複合製品が得られ難く、結果として成形品の物性
や外観が良くない場合がある。
【0006】また、ペレット状または顆粒状のポリプロ
プレンなどの基材樹脂と微細繊維フィラーの造粒品とを
予め両者をV型ブレンダーやリボンミキサー等の乾式混
合機によって混合したものと粉状の微細フィラーとを溶
融混練機の材料供給口に別々に供給する方法も実施され
ている。しかしながら、この方法においても、粉状の微
細フィラーの嵩比重が極めて小さいために混練機への均
一な投入が困難であり、結果として品質のバラツキがあ
り物性、外観ともに良好な樹脂組成物を得るためには問
題を残している。
【0007】更にまた、板状フィラーは天然鉱物の粉砕
粉を使用する場合が多く混練時に発塵し易く環境への悪
影響が問題となり、さらに流動性が悪いことからハンド
リングが悪かった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行った結果、無機フィラーに関して繊維状と板状の2
種類を混合して複合フィラー造粒品とすることで上記の
課題を改善できることを見出した。繊維状フィラーと板
状フィラーとの均質な混合の方法は、湿式におけるスラ
リー状態、ケーキ状態、乾式における粉での混合が適用
できるが、繊維の破損を抑制し安定した均質な混合状態
を得るためには湿式スラリーでの混合が望ましい。即
ち、微細な繊維状フィラーを含有するスラリー中に、粉
末状の板状微細フィラーを投入し湿式混合した後に、濾
過、造粒、乾燥することにより、熱可塑性樹脂との混練
時に容易に分散可能な複合フィラーの造粒物を得ること
が出来た。この複合フィラー造粒物を充填材として使用
する熱可塑性樹脂組成物の製造時並びに樹脂自体の諸物
性において次のような特徴を提供することができる。組
成物製造時において発塵を防止することが出来ることは
勿論であるが、樹脂と充填材の均質混合を促進すること
ができ、ひいては品質のバラツキが少ない樹脂組成物を
提供できる。特に本複合フィラー造粒物を使用した樹脂
組成物は、引張強度、曲げ強度の機械的性質を維持した
上で充填材添加時の欠点である耐衝撃特性を特長的に改
善でき、総合的な品質バランスの向上が可能である。
【0009】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
における複合フィラーは、平均繊維長50μm以下、ア
スペクト比5〜45の繊維状フィラー20〜80重量
%、および平均径10μm以下の板状フィラー80〜2
0重量%よりなり、平均直径0.5〜5mm、見掛比重
0.20〜0.80に造粒されてなる。繊維状フィラー
としては、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、チ
タン酸カリウム、ホウ酸アルミニウムウイスカー、ワラ
ストナイト、ゾノトライト、ガラス繊維、炭素繊維、金
属繊維、有機重合体繊維などが挙げられる。繊維状フィ
ラーの平均繊維長は50μm以下、好ましくは、10〜
30μmである。平均繊維長が50μmより長くなると
繊維状フィラーとポリプロピレン等の熱可塑性樹脂との
溶融混練が困難になる。また、アスペクト比は5〜4
5、好ましくは、10〜30である。アスペクト比が5
よりも小さいと、組成物の物性において充分な補強効果
を付与しない。また、45よりも大きいと、繊維状フィ
ラーとポリプロピレン等の熱可塑性樹脂との溶融混練が
困難になる。本発明においては、繊維状フィラーとし
て、平均繊維径が0.1〜2μmで平均繊維長20μm
以下の繊維状マグネシウムオキシサルフェートを使用す
るのが好ましい。
【0010】繊維状フィラーはそのまま樹脂へ混練する
ことも可能ではあるが、分散性の向上、樹脂基材との馴
染み向上のため各種の表面処理が適用できる。シラン系
のカップリング剤、ステアリン酸およびその金属石鹸が
使用されるが、ポリプロピレンが基材の場合にはステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムにより温
水中で表面処理するのが特に望ましい。
【0011】本発明における板状フィラーとしては、タ
ルク、マイカ、クレー、ガラスフレーク、グラファイ
ト、アルミナフレーク等が挙げられる。板状フィラーの
平均粒径は、10μm以下、好ましくは、0.5〜5μ
mである。平均粒径が10μmよりも大きいと、組成物
の物性、特に耐衝撃性が劣化する。本発明においては、
板状フィラーとして、粉砕・分級され平均粒径10μm
以下のタルク粉末またはマイカ粉末を使用するのが好ま
しい。
【0012】繊維状フィラーと板状フィラーの割合は、
繊維状フィラーが20〜80重量%、好ましくは、25
〜75重量%、板状フィラーが80〜20重量%、好ま
しくは、75〜25重量%である。繊維状フィラーが2
0重量%よりも少ない場合、または、板状フィラーが2
0重量%よりも少ない場合には、フィラー複合の効果、
特に樹脂組成物の耐衝撃性における落錐衝撃の改善効果
が認められない。
【0013】本発明の複合フィラーは、平均直径0.5
〜5mm好ましくは1〜3mm、見掛比重0.20〜
0.80、好ましくは0.20〜0.60の物である。
平均直径が0.5mmよりも小さくなると、ハンドリン
グが悪くなる。また、5mmよりも大きくなると、乾式
混合の対象となる熱可塑性樹脂との粒径差から予備的混
合の効果が低下する。また、見掛比重を0.20〜0.
80、好ましくは0.20〜0.60の範囲とすること
により、混練時の分散性が向上する。見掛比重が0.2
0未満であると樹脂との混練前に粉化が起こり発塵防
止、ノズルへの閉塞など課題の解決とならない。0.8
0より大きくなると成型時に高剪断に晒されるため繊維
の破損が著しくなり、混練時に樹脂中への解繊、分散が
著しく難しくなる。
【0014】繊維状マグネシウムオキシサルフェートを
繊維状フィラーとして採用する場合、この材料は通常水
熱合成によりスラリー状態で生産されることから湿式で
の混合方法を容易に適用できる。繊維状マグネシウムオ
キシサルフェートを水熱合成によりスラリー状態で生成
し、篩別等により250μm以上の凝集体を除去する。
このとき、繊維状マグネシウムオキシサルフェートのス
ラリー濃度は5%以下が望ましい。この中に、粉末状の
板状微細フィラーを投入し回転羽根等の通常のスラリー
攪拌機により攪拌し混合する。更に望ましくは、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムを用いて
常法により表面処理を実施し、加えて処理スラリーを常
温まで冷却する或いは温水等で洗浄した後、粉末状の板
状微細フィラーを投入し攪拌,混合する。
【0015】混合スラリーを常法により含水率50〜7
0%、好ましくは57〜62%に脱水する。含水率50
%未満の場合には造粒成形物の強度が弱く乾燥以後の工
程において粉生成に伴う弊害が発生する。含水率70%
以上の場合には流動性が残り造粒形状の保持が難しく容
易に乾燥しなくなる。脱水装置としては通常の濾過装置
が適用できるが、真空濾過装置が好ましい。
【0016】次に脱水ケーキを造粒するが、加工中に含
有する微細繊維が破断しないことが必要であり、成形し
た粒が事後の乾燥、貯蔵、供給の工程で粉化しないこ
と、さらに混練するときに分散し易く均等に配向するこ
とが必要である。以上の条件を全て満足するためには、
加圧力が小さく被処理物への剪断が弱い造粒方法が望ま
れる。造粒方法としては、転動造粒、押し出し造粒、圧
縮造粒などがあるが、バインダー添加が許されない本件
においては転動造粒では成形粒の強度が弱く事後工程で
の粉化が発生してしまう。圧縮造粒では成形時の圧力が
高く被処理物への剪断が著しく激しくなるため繊維破損
も激しく併せて樹脂との混練時に凝集体が残存し分散が
難しくなる。押し出し造粒を適用することにより、得ら
れる造粒物の見掛比重が乾燥ベースで0.20〜0.8
0に選定することにより、造粒物が事後の乾燥、貯蔵、
供給の工程で粉化せず、さらに混練するときに分散し易
く均等に配向することがわかった。
【0017】造粒装置としては、各種の押し出し造粒機
を使用可能であるが、バスケットリュウーザー等の横出
し押し出し造粒機が望ましい。押し出しのダイス径は1
〜5mm(φ)、好ましくは2〜3mm(φ)である。
造粒成形後、通常の乾燥機により水分を1%以下まで乾
燥させる。装置としては、被処理物への剪断が大きくな
るディスクドライヤー等を除き通常の乾燥機が適用でき
る。バンド乾燥機など静置状態で処理できる装置がより
望ましい。
【0018】このようにして得られた顆粒状の樹脂添加
用の複合フィラー造粒物は、コンパウンド時に容易にフ
ィード、練り込みできることがわかった。この複合フィ
ラーを添加したポリプロピレン組成物は、従来の各フィ
ラーを別個フィードする方法で製造した場合に比較して
メルトフローインデックス(MFI)が向上しており、
成形工程において容易にしかも短時間サイクルで成形製
品が得られることが予想された。更に、この複合フィラ
ーを添加したポリプロピレン組成物の成形製品は、全体
に安定した機械的物性と一部の優れた機械的物性とを示
した。即ち落錘衝撃強度において従来のドライブレンド
法に比較し大きく改善された測定値を示し、アイゾット
測定値の変動係数が小さくなり安定した測定値を得るこ
とができた。特に繊維状マグネシウムオキシサルフェー
トのみを表面処理して複合フィラーを製造した場合に、
落錘衝撃強度において改善効果がおおきかった。物性改
善の原因については明確でないが、フィラーが混練時に
容易に分散し成形体中で優れた配向を占めたためと推察
され、分散された板状フィラーと繊維状フィラーとの複
合効果によるものと考えられる。
【0019】本発明で使用されるポリプロピレンの具体
例としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンとプ
ロピレン以外のα−オレフィン、例えば、エチレン、ブ
テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1との共重合体、
これらの混合物が挙げられる。これらの中でも、プロピ
レンとエチレンとのブロック重合体が好適に使用されう
る。このブロック重合体は、例えば、プロピレンの単独
重合体の存在下に、プロピレンとエチレンとを共重合さ
せることによって製造することができる。プロピレンと
エチレンとのブロック共重合体におけるエチレンの含有
割合は、一般に1〜20重量%、好ましくは1〜10重
量%である。
【0020】本発明のポリプロピレン組成物は、ポリプ
ロピレン100重量部および複合フィラー3〜50重量
部好ましくは3〜30重量部を溶融混練してコンパウン
ドすることにより製造される。複合フィラーの添加量が
3重量部より少ないと組成物に十分な機械的強度を付与
することができず、その使用量が上限より多いと組成物
の外観が低下する。
【0021】ポリプロピレンおよび複合フィラーを溶融
混練する方法については特別の制限はなく、公知の押出
機を用いて両者を溶融混練することができるが、均等な
混合を行うためには、二軸の押出機を用いるのが好まし
い。ポリプロピレンと複合フィラーとを溶融混練する温
度は、ポリプロピレンの融点以上であれば特に制限はな
いが、過度に高いとマグネシウムオキシサルフェート等
が分解するようになるので、一般には260℃以下であ
る。
【0022】組成物の耐衝撃性をより向上させる目的
で、それ自体公知のエラストマーを含有する事ができ
る。エラストマーの具体例としては、エチレン−プロピ
レンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムのような
オレフィン系エラストマー、スチレン−ブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−
エチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−イソ
プレン−スチレンゴムのようなスチレン系エラストマー
が挙げられる。これらのエラストマーの使用割合は、ポ
リプロピレン100重量部当たり、一般には、2〜20
%重量部である。
【0023】本発明の組成物は、さらに、それ自体公知
の添加剤、例えば、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、着色剤を含むことがで
きる。本発明の組成物は、例えば射出成形、押し出し成
形、圧縮成形によって種々の成形品に成形することがで
きる。
【0024】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳し
く説明する。 〔使用原料〕 (マグネシウムオキシサルフェート繊維)マグネシウム
オキシサルフェート繊維は宇部化学工業(株)の生産工
程で生成する合成直後のスラリー(2重量%)を使用し
た。このマグネシウムオキシサルルフェート繊維の繊維
長は、15μmでアスペクト比は30であった。 (タルク)タルクは福岡タルク(株)製5000Sを使
用した。平均粒子径4μmの粉砕粉末である。 (マイカ)マイカはカメダマイカ(株)製M−XFを使
用した。平均粒子径6μmの粉砕粉末である。 〔評価方法〕 (見掛比重)複合フィラーの見掛比重の測定はJIS−
K5101に準じた。 (粉体特性)粉体等のハンドリングの指標として、粉体
の個々の物性値を総合評価するCarr氏の表に基づく
流動性指数と噴流性指数をセイシン(株)のパウダーテ
スター測定値より算出した。 ・流動性指数 70〜79 流動性の程度 かなり良好 60〜69 流動性の程度 普通 20〜39 流動性の程度 不良 ・噴流性指数 60〜79 噴流性の程度 かなり強い 0〜24 噴流性の程度 なし (発塵性)労働安全衛生法(作業環境測定)に準じた。
具体的には、ポリプロピレン樹脂および複合フィラーを
二軸の押出機で溶融混練する際の作業環境測定を行っ
た。具体的には当機の直上0.5m位置(作業床面より
1.7m高)における空気を採取し0.07μm以上の粉塵
粒子を測定した。 (樹脂複合材料の物性)樹脂複合材料の物性について
は、以下の測定法に準じた。 ・曲げ試験 ASTM D−638に準じた。 ・引張試験 ASTM D−790に準じた。 ・落錐衝撃試験 (株)オリエンテックの計装化衝撃試
験機UTM−5を用いて、速度4.5m/sec、温度
23℃、湿度50%の条件で測定した。 ・Izod衝撃試験 JIS K7110に準じた。 ・HDT(荷重たわみ温度試験) ASTM D−64
8に準じた。 ・MFI(メルトフローインデックス) ASTM D
−1238に準じ、230℃で測定した。
【0025】実施例1〜4 (複合フィラー)80℃でステアリン酸ナトリウムによ
り表面処理した2重量%のマグネシウムオキシサルフェ
ート繊維スラリーを室温まで冷却した後、タルク粉末を
各配合割合になるように配合し、回転羽根付き攪拌槽で
30分間で混合した。得られたスラリーを真空濾過機に
より含水率57〜63%に脱水した。次にこの脱水ケー
キを不二パウダル製の押出造粒機バスケットリュウザー
を使って2.5mm(φ)に造粒後、箱型乾燥機で水分
1%以下まで乾燥した。このようにして得られたマグネ
シウムオキシサルフェート繊維とタルクの複合フィラー
の物性を表1に示した。物性測定の項目として流動性、
ハンドリングの指標として粉体特性,見掛比重を作業環
境への影響の指標として発塵量を測定した。この複合フ
ィラーは見掛比重が原料のマグネシウムオキシサルフェ
ート繊維やタルクより大きいため、流動性、ハンドリン
グが良い。発塵量は従来の技術に比べて少ないため、作
業環境が良くなった。
【0026】実施例5〜6 2重量%のマグネシウムオキシサルフェート繊維スラリ
ー中にタルク粉末を各配合割合になるように配合し、回
転羽根付き攪拌槽で30分間で混合した。得られたスラ
リーを真空濾過機により含水率57〜63%に脱水し
た。以下、実施例1〜4と同様に処理して得られたマグ
ネシウムオキシサルフェート繊維とタルク粉末の複合フ
ィラーの物性を表1に示した。物性測定の項目として流
動性,ハンドリングの指標として粉体特性,見掛比重
を、作業環境への影響の指標として混練時の発塵量を測
定した。
【0027】実施例7 タルク粉末の代わりにマイカ粉末を用い、他は実施例1
〜4と同様に処理した。フィラーの物性は表1に示し
た。
【0028】
【表1】
【0029】(樹脂複合材料)エチレン含量3.5%、
メルトフローインデックス(MFI)15g/10分
(230℃)の結晶性エチレン−プロピレンブロック共
重合体(EPBC)100部に、表1に示した複合フィ
ラー25部及び酸化防止剤としてヨシノックスBHT
(吉富製薬製)0.1部及びイルガノックス1010
(チバガイギー製)0.2部、さらに分散剤としてステ
アリン酸マグネシウム0.2部を乾式混合した。次い
で、乾式混合物を2軸押出機の主フィード口から投入
し、設定温度220℃で溶融混練して樹脂複合材料を得
た。2軸押出機は池貝鉄工製PCM30(二条ネジ、直
径30mm、L/D28.5)を使用した。 (試験片の製作)得られた樹脂複合材料を、シリンダー
設定温度220℃、金型温度80℃の条件で宇部興産製
UBE−MAX D150−10射出成形機にて射出成
形し、物性測定用の試験片を製作し各物性を測定した。
結果を表2に示す。得られた樹脂複合材料は従来技術と
比較して物性が向上している。即ち、表面外観が優れ、
MFIが向上し、アイゾット衝撃値のCV値が低く、落
錐衝撃が大きく優れていることがわかる。特に繊維状マ
グネシウムオキシサルフェートのみを表面処理して複合
フィラーを製造した場合に、落錐衝撃について改善効果
がおおきい。
【0030】
【表2】
【0031】比較例1〜4 エチレン含量3.5%、メルトフローインデックス15
g/10分(230℃)の結晶性エチレン−プロピレン
ブロック共重合体(EPBC)100部に、表9に示し
たマグネシウムオキシサルフェート繊維を所定量及び酸
化防止剤としてヨシノックスBHT(吉富製薬製)0.
1部及びイルガノックス1010(チバガイギー製)
0.2部、さらに分散剤としてステアリン酸マグネシウ
ム0.2部を乾式混合した。次いで、乾式混合物を2軸
押出機の主フィード口から投入し、別のフィード口から
表3に示したタルク粉末を投入し、設定温度220℃で
溶融混練して樹脂複合材料を得た。2軸押出機は池貝鉄
工製PCM30(二条ネジ、直径30mm、L/D28.5)を
使用した。複合組成物の物性を測定した結果を表4に示
す。
【0032】
【表3】
【0033】比較例5 タルク粉末の代わりにマイカ粉末を用いた以外は、比較
例1〜4と同様に処理した。複合組成物の物性を測定し
た結果を表4に示す。
【0034】比較例6 フィラーとしてマグネシウムオキシサルフェート繊維の
みを用いた以外は、比較例1〜4と同様に処理した。複
合組成物の物性を測定した結果を表4に示す。
【0035】比較例7 フィラーとしてタルク粉末のみを用いた以外は、比較例
1〜4と同様に処理した。複合組成物の物性を測定した
結果を表4に示す。
【0036】比較例8 フィラーとしてマイカ粉末のみを用いた以外は、比較例
1〜4と同様に処理した。複合組成物の物性を測定した
結果を表4に示す。
【0037】比較例9 2重量%のマグネシウムオキシサルフェート繊維スラリ
ー中へタルク粉末を表3に記載の配合割合になるように
配合し、回転羽根付き攪拌槽で30分間で混合した。得
られたスラリーをろ過、乾燥により、含水率10%に脱
水した。次にこの脱水物を圧縮成形機を使って500kg
f/cm2 の圧力で2.5mm(φ)に造粒後、箱型乾燥機
で水分1%以下に乾燥した。以下、実施例1〜5と同様
に、樹脂複合材料、試験片を作成し各物性を測定した。
結果を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ポリプ
ロピレンと特定の物性を有する繊維状フィラーと板状フ
ィラーを複合フィラー造粒物にすることにより、作業
性、加工性、物性、外観ともに優れた複合ポリプロピレ
ン樹脂組成物を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン100重量部と、平均繊
    維長50μm以下、アスペクト比5〜45の繊維状フィ
    ラー20〜80重量%、および平均径10μm以下の板
    状フィラー80〜20重量%よりなり、平均直径0.5
    〜5mm、見掛比重0.20〜0.80に造粒されてな
    る複合フィラー3〜50重量部を溶融混練してなる耐衝
    撃特性の優れた強化ポリプロピレン組成物。
  2. 【請求項2】 繊維状フィラーが繊維状マグネシウムオ
    キシサルフェートであり、板状フィラーがタルク粉末ま
    たはマイカ粉末であることを特徴とする請求項1に記載
    の強化ポリプロピレン組成物。
  3. 【請求項3】 繊維状フィラーがステアリン酸系金属石
    鹸で表面処理された繊維状マグネシウムオキシサルフェ
    ートであり、板状フィラーがタルク粉末またはマイカ粉
    末であることを特徴とする請求項1に記載の強化ポリプ
    ロピレン組成物。
  4. 【請求項4】 繊維状フィラーと板状フィラーを湿式混
    合した均質スラリーを濾過後、造粒、乾燥して得られた
    複合フィラー3〜50重量部およびポリプロピレン10
    0重量部を溶融混練してコンパウンドすることを特徴と
    する請求項1に記載の強化ポリプロピレン組成物。
  5. 【請求項5】 水熱合成法により得られた繊維状マグネ
    シウムオキシサルフェートのスラリーにタルク粉末また
    はマイカ粉末の板状フィラーを投入し、湿式混合した均
    質スラリーを濾過後、押し出し造粒法により造粒した後
    に、乾燥して得られた複合フィラー3〜50重量部およ
    びポリプロピレン100重量部を溶融混練してコンパウ
    ンドすることを特徴とする請求項2に記載の強化ポリプ
    ロピレン組成物。
  6. 【請求項6】 水熱合成法により得られた繊維状マグネ
    シウムオキシサルフェートをステアリン酸系金属石鹸で
    表面処理し冷却または洗浄したスラリーに粉末状の板状
    フィラーを投入し、湿式混合した均質スラリーを濾過
    後、押し出し造粒法により造粒した後に、乾燥して得ら
    れた複合フィラー3〜50重量部およびポリプロピレン
    100重量部を溶融混練してコンパウンドすることを特
    徴とする請求項3に記載の強化ポリプロピレン組成物。
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