JPH10265242A - 透明はっ水皮膜およびその製造方法 - Google Patents

透明はっ水皮膜およびその製造方法

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JPH10265242A
JPH10265242A JP9069844A JP6984497A JPH10265242A JP H10265242 A JPH10265242 A JP H10265242A JP 9069844 A JP9069844 A JP 9069844A JP 6984497 A JP6984497 A JP 6984497A JP H10265242 A JPH10265242 A JP H10265242A
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秀樹 西森
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    • C03C17/42Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions at least one coating of an organic material and at least one non-metal coating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性に優れたものにする。水との接触角を
大きくし、はっ水性に優れたものにする。表面硬度が大
きくて耐久性に優れたものにする。 【解決手段】 ゾル−ゲル法により形成されかつSiO
2 を主成分とする酸化物膜1に、フッ化炭素鎖を持つシ
ランカップリング剤を主成分とするゾルをコーティング
することにより形成された透明はっ水皮膜である。表面
硬度が鉛筆硬度で9H以上である。酸化物膜1が、緻密
層2と、緻密層2上に一体に形成されかつ表面全体に微
細な凹凸が形成されて粗面化された凹凸層3とからな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガラスの表面に
はっ水性を付与するために形成される透明はっ水皮膜お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】たとえば
ガラス板には、視界向上のための水滴付着防止、曇り止
め、あるいは凍結防止等を目的としてはっ水性を付与し
て水との接触角を大きくすることが求められている。し
かも、はっ水性が付与された後のガラス板は透明性を有
するとともに、その表面が耐候性や耐磨耗性等の耐久性
に優れていることも要求される。
【0003】従来、ガラス板の表面にはっ水性を付与す
る方法として、洗浄またはエッチングを施したガラス板
の表面に透明はっ水コーティングを施して透明はっ水皮
膜を形成する方法と、下地となる酸化物膜を作製した後
はっ水処理して透明はっ水皮膜を形成する方法がある。
一般に、透明はっ水皮膜のはっ水性と耐久性とを考慮し
た場合、下地となる酸化物膜を作製する後者の方法のほ
うが優れている。下地となる酸化物膜は、金属アルコキ
シドの加水分解およびその後の重縮合により得られるゾ
ルを用いるゾルーゲル法によるコーティング、あるいは
プラズマCVD、スパッタリング、真空蒸着などの気相
析出法により形成される。そして、形成された酸化物膜
に、フルオロアルキルシランをそのままあるいはアルコ
ール存在下で加水分解、重縮合させた後塗布するか、ハ
ロゲン等をイオン注入する方法等により透明はっ水皮膜
が形成される。このような透明はっ水皮膜は、表面硬度
が鉛筆硬度で8H以上であり、透明性にも優れている
が、水に対する接触角は通常110°前後であり、十分
なはっ水性を得られない。
【0004】また、凹凸を持った表面にはっ水コーティ
ングを施すか、あるいははっ水性を有する物質を用いて
凹凸を持った表面を得ることにより、水に対する接触角
が150°以上の優れたはっ水性を得る例が多数報告さ
れているが、ガラスへのコーティングに適した、硬さと
透明性を有した例はない。
【0005】この発明の目的は、上記問題を解決し、透
明性に優れているとともに、水との接触角が大きくては
っ水性に優れ、しかも表面硬度が大きくて耐久性に優れ
た透明はっ水皮膜およびその製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明による透明はっ
水皮膜は、ゾル−ゲル法により形成されかつSiO2
主成分とする酸化物膜に、フッ化炭素鎖を持つシランカ
ップリング剤を主成分とするゾルをコーティングするこ
とにより形成されているとともに、表面硬度が鉛筆硬度
で9H以上となされており、酸化物膜が、緻密層と、緻
密層上に一体に形成されかつ表面全体に微細な凹凸が形
成されて粗面化された凹凸層とからなるものである。
【0007】上記において、酸化物膜に、フッ化炭素鎖
を持つシランカップリング剤を主成分とするゾルをコー
ティングすると、酸化物膜の表面が改質され、はっ水性
が付与される。
【0008】この発明の透明はっ水皮膜によれば、表面
硬度が鉛筆硬度で9H以上となされているので、耐磨耗
性等の耐久性に優れている。また、酸化物膜が、緻密層
と、緻密層上に一体に形成されかつ表面全体に微細な凹
凸が形成されて粗面化された凹凸層とからなるので、緻
密層により液体の侵入が防止され、ガラス板等の透明基
材の浸蝕が防止される。また、透明基材がソーダガラス
からなる場合には、アルカリの透明はっ水皮膜表面への
溶出によるはっ水成分の劣化を防止することができる。
さらに、酸化物膜に、フッ化炭素鎖を持つシランカップ
リング剤を主成分とするゾルをコーティングすることに
より、酸化物膜の凹凸層表面の微細な凹凸による形状効
果によって、従来のはっ水ガラスより優れたはっ水性が
得られ、水に対する接触角が120°以上となる。
【0009】上記透明はっ水皮膜において、酸化物膜の
膜厚が0.1〜10μmであることが好ましい。
【0010】上記透明はっ水皮膜において、酸化物膜の
凹凸層の表面粗さが最大高さRmaxで0.02〜0.2
μmであり、凹部から最近接の凹部あるいは凸部から最
近接の凸部までの間隔が0.02〜0.2μmとなされ
ていることが好ましい。また、酸化物膜の凹凸層の表面
に、微細な凹凸に加え、さらに相当直径0.02〜0.
2μm、深さ0.02〜0.2μmの孔が形成されてい
ることが好ましい。ここで、相当直径とは、孔の横断面
積と等しい面積を有する円の直径を意味する。
【0011】上記透明はっ水皮膜において、フッ化炭素
鎖を持つシランカップリング剤は、たとえばフルオロア
ルキルシランである。フルオロアルキルシランには、C
3(CF2 n CH2 CH2 Si(OCH3 3 、C
3 (CF2 n CH2 CH2 Si(CH3 )(OCH
3 2 、CF3 (CF2 n CH2 CH2 Si(Cl)
3 、CF3 (CF2 n CH2 CH2 Si(CH3
(Cl)2 (但し式中n=0、1、2、3、4・・・で
ある。)等がある。
【0012】上記透明はっ水皮膜において、透明基板の
表面に形成したさいの光透過率の低下が10%未満であ
ることが好ましい。この程度であれば、透明性は十分で
ある。なお、これは透明基板の表面が鏡面である場合で
あって、透明基板の表面に微細な疵が存在している場合
には、この疵が酸化物膜で埋められるので、光透過率が
逆に向上する場合がある。
【0013】上記透明はっ水皮膜において、水に対する
接触角は120°以上である。
【0014】この発明による透明はっ水皮膜の製造方法
は、R1 n Si(OR2 4-n (但し式中R1 はアルキ
ル基、フェニル基等の疎水基であり、R2 はアルキル基
であり、n=1、2である。)と、溶媒と、水と、酸触
媒とよりなる液組成物に、酸化物粒子を混ぜ合わせたも
のを攪拌することにより得たゾルを基材に塗布して乾燥
させることによりゲル膜とし、その後焼成して酸化物膜
を形成する工程と、酸化物膜上に、フッ化炭素鎖を持つ
シランカップリング剤と、アルコールと、水と、酸触媒
とよりなる液組成物を攪拌することにより得たゾルを塗
布した後乾燥させ、400℃以下の温度で熱処理しては
っ水性を付与する工程とを含むことを特徴とするもので
ある。
【0015】上記製造方法において、酸化物膜を形成す
るための溶媒としては、イソプロパノール、エタノー
ル、メタノール等の低級アルコールが単独もしくは混合
して用いられ、またはこれらにブタノールやブタノール
より炭素数の多いアルコールを適量添加して用いられ
る。あるいは、これらにエーテル、ケトン、アミド等の
有機溶媒が添加される場合もある。
【0016】上記製造方法において、酸化物膜を形成す
るために主として用いられる酸化物粒子はSiO2 であ
り、目的に応じて他の金属酸化物を適量添加しても良
い。酸化物粒子の粒径は5nm〜0.2μmであること
が好ましい。
【0017】上記製造方法において、酸化物膜を形成す
るさいのR1 n Si(OR2 4-nと、溶媒と、水と、
酸触媒との混合比は、好ましくはモル比で1:1〜2
0:1〜20:0.00001〜0.3である。
【0018】上記製造方法において、酸化物膜を形成す
るための原料全体中の酸化物粒子の量は40wt%以下
が好ましい。40wt%を越えると、酸化物微粒子を液
組成中に分散できなくなるおそれがある。
【0019】上記製造方法において、酸化物膜を形成す
るさいの焼成は300〜800℃で30秒〜60分間加
熱することにより行う。
【0020】上記製造方法において、フッ化炭素鎖を持
つシランカップリング剤を主成分とするゾルを塗布する
さいのフッ化炭素鎖を持つシランカップリング剤と、ア
ルコールと、水と、酸触媒との混合比は、好ましくはモ
ル比で1:1〜100:0.1〜50:0.00001
〜0.1である。
【0021】上記製造方法において、フッ化炭素鎖を持
つシランカップリング剤を主成分とするゾルを塗布した
後、熱処理を400℃以下で行うのは、400℃を越え
る高温で焼成すると、フッ化炭素鎖のC−F結合が熱分
解するおそれがあり、このC−F結合の熱分解が水に対
する接触角の低下を招くからである。このさい、熱処理
は400℃以下で1時間以下、あるいは100〜200
℃で一定時間保持した後、200〜400℃で1時間以
下の条件で行うのが好ましい。
【0022】また、上記製造方法において、各工程にお
けるゾルの塗布は、ディッピング、スピンコート、スプ
レーコートなど如何なる方法でも可能である。スピンコ
ートとは、基材表面にゾルを滴下した後、遠心力により
塗布する方法である。また、酸化物膜上の余分なフルオ
ロアルキルシランからの生成物は熱処理により除去でき
るため、塗布は何度行ってもよい。
【0023】この発明の透明はっ水皮膜の製造方法によ
れば、2つの工程によって、上述したような特徴を有す
る透明はっ水皮膜を製造することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
【0025】図1はこの発明による透明はっ水皮膜の酸
化物膜を示す。
【0026】この発明による透明はっ水皮膜は、ゾル−
ゲル法により形成されかつSiO2を主成分とする酸化
物膜に、フッ化炭素鎖を持つシランカップリング剤を主
成分とするゾルをコーティングすることにより形成され
ているとともに、表面硬度が鉛筆硬度で9H以上となさ
れているものである。透明はっ水皮膜を透明基板の表面
に形成したさいの光透過率の低下は10%未満である。
また、透明はっ水皮膜の水に対する接触角は120°以
上である図1に示すように、酸化物膜(1) は、緻密層
(2) と、緻密層(2) 上に一体に形成されかつ表面全体に
微細な凹凸が形成されて粗面化された凹凸層(3) とから
なる。
【0027】酸化物膜(1) の膜厚(T) は、0.1〜10
μmである。また、酸化物膜(1) の凹凸層(3) の表面粗
さは最大高さRmax で0.02〜0.2μmであり、凹
部(4) から最近接の凹部(4) あるいは凸部(5) から最近
接の凸部(5) までの間隔(W)が0.02〜0.2μmと
なされている。
【0028】図2は酸化物膜の変形例を示す。図2にお
いて、酸化物膜(10)は、図1に示す酸化物膜(1) の場合
の凹凸層(3) の表面に、微細な凹凸に加え、さらに相当
直径(D) 0.02〜0.2μm、深さ(S) 0.02〜
0.2μmの孔(11)が形成されたものである。
【0029】
【実施例と比較例】以下、この発明の具体的実施例を比
較例とともに説明する。
【0030】実施例1 透明はっ水皮膜の酸化物膜の原料として、メチルトリエ
トキシシランと、溶媒である2−プロパノールと、水
と、塩酸と、2−プロパノールに分散させた粒径0.0
1〜0.02μmのSiO2 粒子を原料として用意し
た。なおSiO2 粒子を分散させている2−プロパノー
ルは溶媒の一部として用いた。メチルトリエトキシシラ
ン、2−プロパノール、水、塩酸のモル比が1:5:
4:0.005、粒子濃度が10wt%となるように原
料を混合し、メチルトリエトキシシランを加水分解、縮
合重合させることによりゾルを得た。ついで、このゾル
中にガラス板を浸漬し、20mm/秒の引き上げ速度で
引き上げ、乾燥させた後、550℃で5分間焼成し、ガ
ラス板の両面に酸化物膜を形成した。
【0031】ガラス板の両面に形成された酸化物膜をS
EMにより観察したところ、膜厚は2.7μmであり、
緻密層に上に、表面全体に微細な凹凸が形成されて粗面
化された凹凸層が一体に形成されていた。凹凸層の表面
粗さは最大高さRmax で0.02〜0.15μmであ
り、凹部から最近接の凹部あるいは凸部から最近接の凸
部までの間隔は0.02〜0.15μmであった。さら
に、凹凸層の表面に、相当微細な凹凸に加えて相当直径
0.02〜0.1μm、深さ0.02〜0.1μmの孔
が5×109 個/cm2 以上形成されていた。
【0032】次に、フルオロアルキルシランとしてCF
3 (CF2 7 CH2 CH2 Si(OCH3 3 を用
い、CF3 (CF2 7 CH2 CH2 Si(OCH3
3 、2−プロパノール、水、塩酸のモル比が1:40:
4:0.005となるように原料を混合し、攪拌するこ
とによりはっ水コーティング用ゾルを得た。ついで、は
っ水コーティング用ゾルを酸化物膜表面に刷毛を用いて
塗布し、200℃で5分間熱処理した後、さらに400
℃で5分間熱処理することによりはっ水処理を施してガ
ラス板の両面に透明はっ水皮膜を形成した。
【0033】両面に透明はっ水皮膜が形成されたガラス
板の水に対する接触角を測定したところ、134°であ
った。
【0034】両面に透明はっ水皮膜が形成された上記ガ
ラス板の透過率を、測定波長域400〜700nmで測
定したところ、94〜95%であった。なお、用いたガ
ラス板自体の透過率は測定波長域400〜700nmで
90〜91%である。
【0035】また、ガラス板に形成された透明はっ水皮
膜の鉛筆硬度は9Hであった。
【0036】なお、透明はっ水皮膜が形成されたガラス
板の透過率がガラス板自体の透過率を上回るのは、用い
たガラス板自体の粗面を酸化物膜が埋めるためと考えら
れる。
【0037】実施例2 ガラス板の引き上げ速度が5mm/秒であること以外は
実施例1と同様にしてガラス板の両面に透明はっ水皮膜
の酸化物膜を形成した。
【0038】ガラス板の両面に形成された酸化物膜をS
EMにより観察したところ、膜厚は1.5μmであり、
緻密層上に、表面全体に微細な凹凸が形成されて粗面化
された凹凸層が一体に形成されていた。凹凸層の表面粗
さは最大高さRmax 0.02〜0.1μmであり、凹部
から最近接の凹部あるいは凸部から最近接の凸部までの
間隔は0.02〜0.1μmであった。さらに、凹凸層
の表面に、微細な凹凸に加えて相当直径0.02〜0.
07μm、深さ0.02〜0.07μmの孔が5×10
9 個/cm2 以上形成されていた。
【0039】次に、実施例1と同様にしてはっ水処理を
施し、ガラス板の両面に透明はっ水皮膜を形成した。
【0040】両面に透明はっ水皮膜が形成されたガラス
板の水に対する接触角を測定したところ、126°であ
った。
【0041】両面に透明はっ水皮膜が形成された上記ガ
ラス板の透過率を、測定波長域400〜700nmで測
定したところ、93〜95%であった。
【0042】また、ガラス板に形成された透明はっ水皮
膜の鉛筆硬度は9Hであった。
【0043】実施例3 ガラス板の引き上げ速度が2mm/秒であること以外は
実施例1と同様にしてガラス板の表面に透明はっ水皮膜
の酸化物膜を形成した。
【0044】ガラス板の両面に形成された酸化物膜をS
EMにより観察したところ、膜厚は0.7μmであり、
緻密層上に、表面全体に微細な凹凸が形成されて粗面化
された凹凸層が一体に形成されていた。凹凸層の表面粗
さは最大高さRmax で0.02〜0.08μmであり、
凹部から最近接の凹部あるいは凸部から最近接の凸部ま
での間隔は0.02〜0.08μmであった。さらに、
凹凸層の表面に、微細な凹凸に加えて相当直径0.02
〜0.05μm、深さ0.02〜0.05μmの孔が5
×109 個/cm2 以上形成されていた。
【0045】次に、実施例1と同様にしてはっ水処理を
施し、ガラス板の両面に透明はっ水皮膜を形成した。
【0046】両面に透明はっ水皮膜が形成されたガラス
板の水に対する接触角を測定したところ、124°であ
った。
【0047】両面に透明はっ水皮膜が形成された上記ガ
ラス板の透過率を、測定波長域400〜700nmで測
定したところ、92〜95%であった。
【0048】また、ガラス板に形成された透明はっ水皮
膜の鉛筆硬度は9Hであった。
【0049】実施例4 焼成条件が500℃で10分であること以外は実施例1
と同様にしてガラス板の両面に透明はっ水皮膜の酸化物
膜を形成した。
【0050】ガラス板の両面に形成された酸化物膜をS
EMにより観察したところ、膜厚は2.7μmであり、
緻密層上に、表面全体に微細な凹凸が形成されて粗面化
された凹凸層が一体に形成されていた。凹凸層の形態は
実施例1と同様であった。
【0051】次に、熱処理を400℃で10分間の条件
で1度だけ行うこと以外は実施例1と同様にしてはっ水
処理を施し、ガラス板の両面に透明はっ水皮膜を形成し
た。
【0052】両面に透明はっ水皮膜が形成されたガラス
板の水に対する接触角を測定したところ、128°であ
った。
【0053】両面に透明はっ水皮膜が形成された上記ガ
ラス板の透過率を、測定波長域400〜700nmで測
定したところ、93〜95%であった。
【0054】また、ガラス板に形成された透明はっ水皮
膜の鉛筆硬度は9Hであった。
【0055】比較例 透明はっ水皮膜の酸化物膜の原料として、テトラエトキ
シシランと、メチルトリエトキシシランと、2−プロパ
ノールと、水と、塩酸を原料として用意した。テトラエ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、2−プロパ
ノール、水、塩酸のモル比が0.9:0.1:5:4:
0.005となるように原料を混合し、メチルトリエト
キシシランおよびテトラエトキシシランを加水分解、縮
合重合させるこにとよりゾルを得た。ついで、このゾル
中にガラス板を浸漬し、1mm/秒の引き上げ速度で引
き上げ、乾燥させた後、500℃で10分間焼成し、ガ
ラス板の表面に酸化物膜を形成した。
【0056】ガラス板の両面に形成された酸化物膜をS
EMにより観察したところ膜厚は0.07μmであっ
た。酸化物膜表面は平滑で凹凸は存在しなかった。
【0057】次に実施例4と同様にしてはっ水処理を施
し、ガラス板の両面に透明はっ水皮膜を形成した。
【0058】両面に透明はっ水皮膜が形成されたガラス
板の水に対する接触角を測定したところ、109°であ
った。
【0059】両面に透明はっ水皮膜が形成された上記ガ
ラス板の透過率を、測定波長域400〜700nmで測
定したところ、93〜95%であった。
【0060】また、ガラス板に形成された透明はっ水皮
膜の鉛筆硬度は9Hであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による透明はっ水皮膜の酸化物膜を示
す一部切欠き拡大斜視図である。
【図2】この発明による透明はっ水皮膜の酸化物膜の変
形例を示す一部切欠き拡大斜視図である。
【符号の説明】
(1)(10):酸化物膜 (2):緻密層 (3):凹凸層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宗宮 和久 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゾル−ゲル法により形成されかつSiO
    2 を主成分とする酸化物膜に、フッ化炭素鎖を持つシラ
    ンカップリング剤を主成分とするゾルをコーティングす
    ることにより形成されているとともに、表面硬度が鉛筆
    硬度で9H以上となされており、酸化物膜が、緻密層
    と、緻密層上に一体に形成されかつ表面全体に微細な凹
    凸が形成されて粗面化された凹凸層とからなる透明はっ
    水皮膜。
  2. 【請求項2】 酸化物膜の膜厚が0.1〜10μmであ
    る請求項1記載の透明はっ水皮膜。
  3. 【請求項3】 酸化物膜の凹凸層の表面粗さが最大高さ
    max で0.02〜0.2μmであり、凹部から最近接
    の凹部あるいは凸部から最近接の凸部までの間隔が0.
    02〜0.2μmとなされている請求項1または2記載
    の透明はっ水皮膜。
  4. 【請求項4】 酸化物膜の凹凸層の表面に、微細な凹凸
    に加え、さらに相当直径0.02〜0.2μm、深さ
    0.02〜0.2μmの孔が形成されている請求項1〜
    3のうちのいずれかに記載の透明はっ水皮膜。
  5. 【請求項5】 フッ化炭素鎖を持つシランカップリング
    剤がフルオロアルキルシランである請求項1〜4のうち
    のいずれかに記載の透明はっ水皮膜。
  6. 【請求項6】 フルオロアルキルシランが、CF3 (C
    2 n CH2 CH2 Si(OCH3 3 、CF3 (C
    2 n CH2 CH2 Si(CH3 )(OCH3 2
    CF3 (CF2 n CH2 CH2 Si(Cl)3 、CF
    3 (CF2 n CH2 CH2 Si(CH3 )(Cl)2
    (但し式中n=0、1、2、3、4・・・である。)か
    らなる群から選ばれた少なくとも1つの物質である請求
    項5記載の透明はっ水皮膜。
  7. 【請求項7】 透明基板の表面に形成したさいの光透過
    率の低下が10%未満である請求項1〜6のうちのいず
    れかに記載の透明はっ水皮膜。
  8. 【請求項8】 水に対する接触角が120°以上である
    請求項1〜7のうちのいずれかに記載の透明はっ水皮
    膜。
  9. 【請求項9】 R1 n Si(OR2 4-n (但し式中R
    1 はアルキル基、フェニル基等の疎水基であり、R2
    アルキル基であり、n=1、2である。)と、溶媒と、
    水と、酸触媒とよりなる液組成物に、酸化物粒子を混ぜ
    合わせたものを攪拌することにより得たゾルを基材に塗
    布して乾燥させることによりゲル膜とし、その後焼成し
    て酸化物膜を形成する工程と、 酸化物膜上に、フッ化炭素鎖を持つシランカップリング
    剤と、アルコールと、水と、酸触媒とよりなる液組成物
    を攪拌することにより得たゾルを塗布した後乾燥させ、
    400℃以下の温度で熱処理してはっ水性を付与する工
    程とを含むことを特徴とする透明はっ水皮膜の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 フッ化炭素鎖を持つシランカップリン
    グ剤がフルオロアルキルシランである請求項9記載の透
    明はっ水皮膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 フルオロアルキルシランが、CF
    3 (CF2 n CH2 CH2 Si(OCH3 3 、CF
    3 (CF2 n CH2 CH2 Si(CH3 )(OC
    3 2 、CF3 (CF2 n CH2 CH2 Si(C
    l)3 、CF3 (CF2n CH2 CH2 Si(C
    3 )(Cl)2 (但し式中n=0、1、2、3、4・
    ・・である。)からなる群から選ばれた少なくとも1つ
    の物質である請求項10記載の透明はっ水皮膜の製造方
    法。
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