JPH1026387A - 空気調和機の制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気調和機の室内機において、風向調節板の
向きに関係なく常に安定した送風量を得るようにする。 【解決手段】 冷房およびドライ運転時または暖房運転
時に風向調節板向８、９が水平または垂直方向に設定さ
れた場合、室内ファン７の回転数を所定数アップするよ
う制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は空気調和機の制御方
法に関する。

【０００２】

【従来の技術】空気調和機の室内機側にはその本体に形
成した吸込口と吹出口を結ぶ空気通路にエアーフィルタ
と室内熱交換器と室内ファンを配設するとともに、吹出
口にステッピングモータを動力源とした風向調節板を設
け、同風向調節板をリモコン操作により、冷房運転およ
びドライ運転時であれば斜め方向から水平方向まで、暖
房運転時であれば斜め方向から垂直方向まで各々複数方
向に調節できるようにしている。また、リモコン操作に
より風量設定も可能にしており、リモコン信号を受信し
た室内機制御部は設定風量に基づいて室内ファンの動力
源であるファンモータを所定の回転数になるようにフィ
ードバック制御を行うようになっている。なお、従来の
空気調和機においては風量設定が行われた後に風向調節
板の位置変更がなされてもファンモータの回転数は一定
になるよう制御されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の風向
調節板が水平方向（冷房運転時）または垂直方向（暖房
運転時）に設定されると送風抵抗が増大し、送風量が減
少するため、冷房運転時には吹出口内部が結露し易くな
り、また、暖房運転時には凝縮圧力が上昇し、その影響
で運転電流が上昇するという問題がある。したがって、
本発明においては、これらの問題点に鑑み、風向調節板
が水平方向または垂直方向等に設定された場合でも安定
した送風量が得られる空気調和機の制御方法を提供する
ことを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたものであり、本体に形成された吸
込口と吹出口を結ぶ空気通路に室内熱交換器と室内ファ
ンを配設するとともに、前記吹出口に室内への風向を調
節する風向調節板を設け、同風向調節板をリモコン操作
により水平方向から垂直方向まで複数方向に調節可能に
してなる空気調和機において、前記風向調節板が水平方
向または垂直方向に設定されたとき、前記室内ファンの
回転数を設定回転数に対して所定数増加させるようにし
た。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の制御方法によれば、冷房
およびドライ運転時または暖房運転時に風向調節板が送
風量を低下させる水平方向または垂直方向に設定される
と室内機制御部の判断により室内ファンの回転数を設定
値に対して所定数増加させるようになっているので、風
向調節板が吹出口とほぼ同方向の斜め方向に設定されて
いる場合とほぼ同等の送風量が得られ、問題となってい
た冷房運転時の結露および暖房運転時の凝縮温度の上昇
を防止できる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１〜図４に基づい
て説明する。図１は空気調和機の室内機の概略構成を示
したもので、１は本体、２は同本体１に形成された吸込
口、３は吹出口、４は吸込口２と吹出口を結ぶ空気通路
で、この空気通路４にはエアーフィルタ５と、三分割さ
れた室内熱交換器６と、この室内熱交換器６により熱交
換された空気を吹出口３へ送出する室内ファン７等が配
設され、吹出口３には室内への風向を上下に調節する二
つの風向調節板８、９が設けられている。

【０００７】これら二つの風向調節板８、９は図２に示
すように運転モードによってその調節範囲が異なり、冷
房およびドライ運転時には水平方向（ａ）、やや傾斜
（ｂ）、傾斜（ｃ）の三方向の調節を可能とし、暖房運
転時には垂直方向（ｄ）、急傾斜（ｅ）、傾斜（ｆ）の
三方向の調節を可能としており、これらの調節は図３に
示すようにリモコン10により選択指示することができ、
リモコン信号を受信した室内機制御部11が風向調節板用
の動力源であるステッピングモータ12を制御し、風向調
節板８、９を所定の方向に回動保持するようになってい
る。また、室内機制御部11は回転数検出素子13から得る
ファンモータ14の回転数に関する情報と、設定風量に対
応する記憶情報（設定風量に対応する設定回転数）とを
対比しながらファンモータ14をフィードバック制御する
ようになっている。

【０００８】更に本実施例においては上述の制御機能に
加え、風向調節板８、９を図２の（ａ）に示すような水
平方向または図２の（ｄ）に示すような垂直方向に設定
すると室内機制御部11が室内ファン７の動力源であるフ
ァンモータ14の回転数を増加させ、送風量をアップする
ようになっている。以下、その制御動作を図４に示すフ
ローチャートに基づいて説明する。

【０００９】冷房運転または暖房運転が開始されると、
ステップＳＴ１では二つの風向調節板８、９を図２の
（ｃ）または（ｆ）に示すような基準の位置（送風抵抗
が最小になる位置）またはリモコン10により新たに選択
設定された他の位置に回動保持する。ステップＳＴ２で
はステッピングモータ12を回動させた時のステップ数か
ら風向調節板８、９が水平または垂直になっているかど
うかを判定し、水平または垂直以外の方向に設定されて
いる場合にはステップＳＴ３に進め、送風ファン７を設
定回転数で運転することにし、次のステップＳＴ４に進
めるが、前述のステップＳＴ２において風向調節板８、
９が水平または垂直になっていると判定した場合にはス
テップＳＴ５に進め、室内ファン７の回転数を設定回転
数に比して例えば５０回転アップさせる。ステップＳＴ
４では風向調節板８、９の位置が変わったかどうかを判
定し、位置変更があった場合にはステップＳＴ２に戻
し、先に説明した作業を繰り返すようになっている。

【００１０】なお、本実施例においては、風向調節板
８、９が水平または垂直に設定された場合にのみ室内フ
ァン７の回転数をアップするようになっているが、この
方法に限定するものではなく、例えば風向調節板８、９
が図２の（ｃ）または（ｆ）の位置に設定されていると
きはファンモータ14を所定の回転数で運転し、風向調節
板８、９が図２の（ｂ）または（ｅ）の位置に設定され
ているときはファンモータ14の回転数を例えば２０回転
アップし、風向調節板８、９が図２の（ａ）または
（ｄ）の位置に設定されているときはファンモータ14の
回転数を更に３０回転アップして運転するようにしても
よい。

【００１１】

【発明の効果】以上説明したような制御機能を備えた空
気調和機であるならば、風向調節板が送風抵抗大となる
水平方向または垂直方向に設定されると送風ファンの回
転数をアップして送風量の低下をなくすようにしている
ので、冷房運転時の結露防止および暖房運転時の凝縮圧
力の上昇防止に効果があり、風向調節板の向きに関係な
く常に安定した風量が得られることにより、快適性も向
上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる空気調和機の室内機側の概略構
成を示す側断面図である。

【図２】本発明に係わる風向調節板の調節位置を示す要
部側断面図である。

【図３】本発明に係わる制御系の概略を示すブロック図
である。

【図４】本発明の制御動作例を示すフローチャートであ
る。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 吸込口 ３ 吹出口 ４ 空気通路 ５ エアーフィルタ ６ 室内熱交換器 ７ 室内ファン ８ 風向調節板 ９ 風向調節板 10 リモコン 11 室内機制御部 12 風向調節板用ステッピングモータ 13 ファンモータ用回転数検出素子 14 ファンモータ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体に形成された吸込口と吹出口を結ぶ
   空気通路に室内熱交換器と室内ファンを配設するととも
   に、前記吹出口に室内への風向を調節する風向調節板を
   設け、同風向調節板をリモコン操作により水平方向から
   垂直方向まで複数方向に調節可能にしてなる空気調和機
   において、前記風向調節板が水平方向または垂直方向に
   設定されたとき、前記室内ファンの回転数を設定回転数
   に対して所定数増加させるようにしてなることを特徴と
   する空気調和機の制御方法。
2. 【請求項２】 前記風向調節板が前記吹出口とほぼ同方
   向に傾斜した状態を基準の位置とし、この基準の位置と
   異なる方向に前記風向調節板が設定されたとき、その設
   定方向に対応して前記室内ファンの回転数を増加させる
   ようにしてなる請求項１記載の空気調和機の制御方法。