JPH10259567A - 無機繊維織物及びその開繊方法 - Google Patents

無機繊維織物及びその開繊方法

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JPH10259567A
JPH10259567A JP8550797A JP8550797A JPH10259567A JP H10259567 A JPH10259567 A JP H10259567A JP 8550797 A JP8550797 A JP 8550797A JP 8550797 A JP8550797 A JP 8550797A JP H10259567 A JPH10259567 A JP H10259567A
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JP
Japan
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inorganic fiber
woven fabric
fiber woven
pressure water
resin
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JP8550797A
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English (en)
Inventor
Shinichi Tsutsui
慎一 筒井
Yasuyuki Kimura
康之 木村
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Asahi Schwebel Co Ltd
Original Assignee
Asahi Schwebel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 無機繊維織物に、(A) 広がり角0゜
の柱状流高圧水を噴射する工程と、(B) 広がり角10゜
〜150゜の散水流高圧水を噴射する工程とを施す無機
繊維織物の開繊方法。 散水流高圧水を噴射する工程
(B) において、無機繊維織物に噴射する散水流を扇形ノ
ズルにより噴射すること。 前記開繊方法を施した無
機繊維織物。 前記無機繊維織物補強材と樹脂マトリ
ックスとを用いた樹脂積層板。 【効果】 無機繊維織物特有の収束性、部分的結合を有
した経糸、緯糸及び、織り交点が開繊され合成樹脂の含
浸性を著しく向上させ且つ著しく作業効率を向上させる
と共に、本発明による無機繊維織物を使用した樹脂積層
板では、著しく耐熱性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント回路基板
などに使用される樹脂積層板の補強材として用いられる
無機繊維織物に関するものである。詳細には、本発明
は、プリント回路基板もしくは樹脂積層板を得るのに好
適な無機繊維織物、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無機繊維織物を補強材とした樹脂積層板
は、各種構造材やプリント回路基板として広く使用され
ており、特に無機繊維がフィラメント直径3〜11μm
のガラス繊維であるガラス繊維織物は優れた絶縁性、補
強効果を有することからプリント回路基板用として、近
年、使用量が急増している。一般に、ガラス繊維織物を
補強材として樹脂積層板を製造する工程としては、溶
剤、硬化剤等を混合した合成樹脂ワニスにガラス繊維織
物を含浸し、乾燥させプリプレグとし、該プリプレグを
所定の大きさにカットし数枚重ね、その両表裏に銅箔を
重ね合わせプレス機にて一体成形する。
【0003】しかしながら、一般的に製造されたガラス
繊維織物は、合成樹脂ワニスの含浸工程において、下記
要因によりガラスフィラメント間、経糸、緯糸の交差す
る織り交点部への合成樹脂の含浸が進み難く、プリプレ
グ状態においてこれら含浸不良部が樹脂乾燥後空洞いわ
ゆるボイドとして残留する。ガラス繊維織物への合成樹
脂ワニスが含浸し難く、プリプレグ状態でボイドとして
残留する要因として、一般的に下記の3つの要因が考え
られる。一つには、プリント回路基板に使用されるガラ
ス繊維織物は、一般的に、直径3〜11μmのガラスフ
ィラメントを数百本束ね25mm長さ当たり0.3〜
2.0回の撚りをかけ撚糸を作成し、この撚糸を経糸、
緯糸に使用してガラス繊維織物としているため、ガラス
繊維織物を構成している経糸、緯糸は収束した状態にな
っている。
【0004】二つには、通常、ガラス繊維織物を構成す
るガラス繊維は、毛羽立ち、フィラメントのばらけの防
止を目的に、紡糸、整経時に澱粉、油剤、潤滑剤を主成
分とする収束剤が付与されている。これら収束剤は、樹
脂積層板においてガラス繊維織物と樹脂との接着性を著
しく低下させるために、通常400℃前後で数十時間加
熱するヒートクリーニングを行う。ヒートクリーニング
されたガラス繊維織物はヒートセットされており、ガラ
ス繊維織物を構成する経糸、緯糸は収束した状態で動き
が制限されている。
【0005】三つには、ヒートクリーニングされたガラ
ス繊維織物は、樹脂積層板に使用される際にガラス繊維
織物と合成樹脂との接着性を高めることを目的に、通常
シランカップリング剤がガラス繊維織物表面に付与され
る。シランカップリング剤は、ガラス繊維表面とマトリ
ックス合成樹脂との双方に反応し、両者の橋かけを形成
することで接着性を高める働きをする。しかしながら、
シランカップリング剤はガラス繊維を形成するフィラメ
ント間にも部分的に橋かけを形成し、収束したガラス繊
維をさらに、部分的に結合させる結果となる。
【0006】これらの要因によりプリプレグ状態で残留
したボイドは、樹脂積層板成形後も残留する場合があ
り、積層板の機械的特性を著しく低下させると共に、プ
リント回路基板に使用する場合には溶融ハンダによる部
品、配線接合時の熱応力により層間剥離や経糸、緯糸の
織り交点の剥離を発生させる恐れがある。そのために、
従来、ガラス繊維織物への合成樹脂の含浸性を改良し、
プリプレグに残留するボイドを低減するために、高圧ウ
ォータージェットを無機繊維織物に噴射し開繊する方法
(特開平8−127959号公報)、超音波振動子を無
機繊維織物に直接接触させ振動により収束した無機繊維
の経糸、緯糸を開繊する方法などの検討が行われてき
た。
【0007】しかしながら、こうした方法では無機繊維
織物の樹脂含浸性を大幅に改善し、プリプレグに残留す
るボイドを低減することが困難であり、高圧ウォーター
ジェットにより樹脂ワニスの含浸性を大幅に改善するに
は、直径0.1〜0.5mm程度の細孔を持つノズルか
ら圧力50kg/cm2 〜数百kg/cm2 程度の柱状
流超高圧水を噴射する必要がある。そのため、特開平8
−127959号公報に記載されるように、無機繊維織
物に毛羽や織り目のズレが起因とされる加工痕を発生さ
せたり、さらには織物強度を低下させ補強材としての効
果を低下させる恐れがある。
【0008】また、超音波振動子による開繊方法では、
1分間あたり数千回の振動を無機繊維織物に与えるが、
無機繊維糸を構成するフィラメントの収束性を和らげる
一方、超音波の振動によりフィラメントが振動し最密充
填する場合があり、フィラメント間隙をさらに減少さ
せ、無機繊維織物への樹脂含浸性を低下させプリプレグ
で残留するボイドをさらに増加させる恐れがあり、安定
した樹脂含浸性を向上させる無機繊維織物を提供するの
は困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の無機
繊維織物における合成樹脂ワニスの含浸性を大幅に改良
し、無機繊維織物を補強材とする樹脂積層板を製造する
際に、該織物を使用したプリプレグに残留するボイドを
著しく低減し、毛羽や織り目のズレ等の補強材用無機繊
維織物としての特性を損なうことなく、樹脂含浸性に優
れた無機繊維織物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は前述の課題を
解決するために鋭意検討した結果、無機長繊維を経糸、
緯糸に使用し構成された無機繊維織物に、まず広がり角
0゜の柱状流高圧水を噴射する工程(A) と、次いで広が
り角10〜150゜の散水流高圧水を噴射する工程(B)
を含む開繊工程を行うことにより、無機繊維織物に残留
するボイドを著しく低減する該織物を提供することを見
出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は: 無機長繊維を経糸、緯糸に使用し構成された無機繊
維織物に、(A) 広がり角0゜の柱状流高圧水を噴射する
工程と、(B) 広がり角10゜〜150゜の散水流高圧水
を噴射する工程とを施す無機繊維織物の開繊方法を提供
する。また、 散水流高圧水を噴射する工程(B) において、無機繊
維織物に噴射する散水流を扇形ノズルにより噴射する点
にも特徴を有する。また、 又は記載の開繊方法を施した無機繊維織物を提
供する。また、 熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とし、記載の無
機繊維織物を補強材とし積層成形して得られた、無機繊
維織物補強樹脂積層板を提供する。
【0011】以下、本発明を図面に基いて詳細に説明す
る。本発明は、前記無機繊維織物に、(A) 広がり角0゜
の柱状流高圧水を噴射する工程と、(B) 広がり角10゜
〜150゜の散水流高圧水を噴射する工程とを施すこと
が重要である。
【0012】〔I〕無機繊維織物及びその予備処理な
ど: (i) 本発明における無機繊維織物とは、ガラス繊維、
アルミナ繊維、セラミック繊維、炭素繊維等の長繊維フ
ィラメントを数百本束にした経糸、緯糸により構成され
る織物である。また、織物の種類としては、特に制限さ
れないが、平織、繻子織、ななこ織、綾織等を挙げるこ
とができる。特に近年コンピューター、電子機器等に使
用量が急増しているプリント回路基板の補強材として使
用されるフィラメント直径3〜11μmのガラス繊維織
物に有効であり、ガラス繊維織物として使用するガラス
糸はE、D、C、T、H、クオーツ等に適用できる。
【0013】(ii) 本発明に使用する無機繊維織物は、
通常プリント回路基板に使用するガラス繊維織物をヒー
トクリーニングし、樹脂積層板との接着性を高めるシラ
ンカップリング剤を表面処理した一般的に処理クロスと
呼ばれる織物に適用されるが、収束剤、糊剤が付着した
一般的に生機と呼ばれる状態、及び収束剤、糊剤をヒー
トクリーニングした一般的にヒートクリーニングクロス
と呼ばれる状態においても、本発明は適用できる。
【0014】〔II〕柱状流高圧水の噴射工程(A) :本
発明では、まず前記無機繊維織物に、広がり角0゜の柱
状流高圧水を噴射することが重要である。一般的に、直
径0.1〜0.5mmの細孔より噴出される広がり角0
゜の柱状流高圧水は、圧力50〜数百kg/cm2 の超
高圧では石材、金属材料等の切削加工を行うほどの衝撃
力がある。
【0015】そのために、無機繊維織物に該柱状流高圧
水を噴射することで該織物の持つ糸束の収束及び部分的
結合を緩和することができる。本願発明の柱状流高圧水
は、噴射する圧力として5kg/cm2 以上、50kg
/cm2 未満、好ましくは10kg/cm2 以上、30
kg/cm2 未満であり、開繊加工する無機繊維織物の
仕様(無機繊維糸種、織物構造等)により適宜選択され
る。しかしながら、5kg/cm2 未満では無機繊維の
糸束の収束、部分的結合を緩和する効果が得られず、ま
た、50kg/cm2 以上の高圧では高い衝撃力のため
に無機繊維が切断し毛羽、織り目のズレを発生させる。
【0016】図1は、本発明の柱状流高圧水の噴射工程
(A) において使用する柱状流高圧水の噴射ノズルの構造
を説明する模式図である。本発明において、柱状流高圧
水を噴射するノズルとは、直径0.1〜0.5mmの細
孔を有するノズル群であり、図1の細孔間隔b1
2 、b3 は夫々等しく、また、ノズル群の細孔の位置
は巾方向の間隔x、y、zが夫々等しく、その間隔が無
機繊維織物を構成する無機繊維の断面糸巾に該細孔の直
径を加えた値よりも小さく配慮することが好ましい。こ
こで、巾方向の間隔x、y、zが無機繊維織物を構成す
る無機繊維の断面糸巾に該細孔の直径を加えた値よりも
大きいと、柱状流高圧水が無機繊維織物を全般的に被覆
することができず、無機繊維に柱状流高圧水が衝突しな
い箇所が発生する結果となり好ましくない。
【0017】細孔を有するノズル群は、複数列配置する
ことが好ましく、ノズル群が1列では、柱状流高圧水が
無機繊維織物を全般的に被覆することができない。図3
は、柱状流高圧水を噴射する工程(A) に使用するノズル
群の外観を説明する側面図であり、 (イ)は個々に独立し
た多数本配列した直進ノズルであり、 (ロ)は図1のプレ
ート状のノズルである。柱状流高圧水を噴射するノズル
としては、図3に示されるように、図1のプレート状の
ノズル(図3− (ロ))以外にも、一般に直進ノズルと呼
ばれる水流の広がり角0゜のノズルで独立して細孔を有
するノズルを多数本配列しても構わない(図3−
(イ))。柱状流高圧水を噴射するノズルは、無機繊維織
物に対し噴射水の衝撃力の局在化を防ぐことを目的に、
ノズル自体を揺動もしくは円運動させても良い。
【0018】〔III〕散水流高圧水を噴射する工程
(B) 本発明では、次いで、前記無機繊維織物に、広がり角1
0゜〜150゜の散水流高圧水を噴射することが重要で
ある。本発明で使用する散水流高圧水とは、水流の広が
り角10〜150゜を持つ一般的にスプレイノズルと呼
ばれるノズルより噴出された水流のことを指している。
高圧柱状流により緩和された無機繊維織物の糸の収束及
び部分結合に高圧散水流を噴射することにより、水流の
拡幅力により糸束中のフィラメント及び経糸、緯糸の織
り交点を拡幅することでき、これにより無機繊維織物が
十分に開繊できる。
【0019】一般的に、スプレイノズルとしては、大別
して、扇形ノズル、均等扇形ノズル、充円錐ノズル、空
円錐ノズルがあるが、糸束中のフィラメント及び織り交
点の拡幅には、扇形ノズル若しくは均等扇形ノズルが好
ましい。なお、充円錐ノズルでは、ノズル直下と散水流
広がり端部では無機繊維織物に対し著しく衝突する水量
が異なり、ノズル直下に散水流高圧水が集中し織物に目
ズレが発生する恐れがあるし、また、空円錐ノズルでは
噴射水量に対する衝撃力が扇形ノズルに比較して著しく
低下することが一般的に知られており、開繊効率が低下
する。
【0020】散水流高圧水の圧力としては3kg/cm
2 以上、50kg/cm2 未満で、好ましくは5kg/
cm2 以上、30kg/cm2 未満であり、開繊加工す
る無機繊維織物の仕様(無機繊維糸種、織物構造等)に
より適宜選択される。3kg/cm2 未満では無機繊維
の糸束及び織り交点部分を拡幅する効果が得られず、5
0kg/cm2 以上の高圧では散水流の拡幅力により無
機繊維織物を構成する経糸及び緯糸の織り目がズレる恐
れがある。
【0021】散水流には、広がり角10〜150゜のス
プレイノズルが適用できるが、より好ましくは広がり角
50〜110゜のスプレイノズルである。10゜未満の
ノズルでは、糸束中のフィラメント及び織り交点の拡幅
程度が小さく、150゜以上の広角ではスプレイノズル
中心から散水流広がりの端部までの距離が著しく長くな
り、無機繊維織物に衝突する際の衝撃力がノズル中心と
広がり端部とで著しく異なることになる。
【0022】図2は、散水流高圧水のスプレイノズルの
構造を説明する模式図である。スプレイノズルは、図2
に記載のように所定の広がり巾fを持つ隣接する散水流
高圧水が所定のオーバーラップ巾gをもってオーバーラ
ップするようにする。図4は散水流高圧水のスプレイノ
ズルを千鳥状に配置した状態を示す模式図である。図5
は散水流高圧水のスプレイノズルを階段状の配列、変則
千鳥状の配列、千鳥と一定角傾けの組合せ配列した状態
を示す模式図である。図6は散水流高圧水のスプレイノ
ズルを無機繊維織物巾方向に対し5〜10゜程度傾け無
機繊維織物巾方向と平行に配列した状態を示す模式図で
ある。
【0023】その場合、図4に示されるようにスプレイ
ノズルを千鳥状に配列させるか、その他の図5に示され
る階段状の配列、変則千鳥状の配列、千鳥と一定角傾け
の組合せ配列させる等種々の配列か若しくは、図6に示
されるように無機繊維織物巾方向に対し一定角度で、例
えば5〜10゜程度傾け無機繊維織物巾方向と平行に配
列することが好ましい。スプレイノズルの配列ピッチ
は、散水流高圧水の広がり巾、スプレイノズルから無機
繊維織物までの距離、及び隣接する散水流高圧水のオー
バーラップ程度等により適宜調整される。
【0024】〔1V〕樹脂積層板 本発明により開繊された無機繊維織物は、樹脂マトリッ
クスを使用して該無機繊維織物を常法に従って積層成形
して、プリント回路基板等に有用な樹脂積層板を製造す
る。特に、プリント回路基板の製造には、無機繊維織物
補強材に樹脂マトリックスを含浸させて半硬化したプリ
プレグを用い、常法に従ってその複数枚を積層成形す
る。また、他の方法、例えば注型法や低圧加熱法等によ
っても良い。樹脂マトリックスとしては、通常熱硬化性
樹脂が使用でき、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹
脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明の具体的構成を説
明するが、それらは本発明の範囲を制限するものではな
い。 1)実施例にて使用する無機繊維織物としては、Eガラ
ス繊維を経糸、緯糸に使用したEガラス繊維織物(旭シ
ュエーベル(株)製、7628、目付210g/m2
の収束剤、糊剤をヒートクリーニング工程により除去し
た織物を使用した。 2)無機繊維織物の予備処理:エポキシシランSH−6
040(東レダウコーニングシリコン(株)製)を1重
量%水溶液に浸漬し、次いで、上記ガラス繊維織物に約
20重量%の処理液保持率になるように絞液した後、1
70℃の熱風により乾燥した表面処理クロスを作成し
た。
【0026】(実施例1)上記表面処理クロスをライン
速度10m/分にて、直径0.15mmの細孔で、細孔
間隔が0.25mm、ノズル群が3列の配列を持つノズ
ルを振動モーターにより水平方向に振動させ、圧力15
kg/cm2 でガラス繊維織物に高圧柱状流水を噴射し
た。次いで、このように処理したガラス繊維織物に広が
り角80゜の扇形スプレイノズルを150mmピッチで
配列し、圧力10kg/cm2 にて散水流を噴射した
後、170℃の熱風により乾燥しガラス繊維織物を得
た。
【0027】(実施例2)上記2)で得た表面処理クロ
スをライン速度10m/分にて、直径0.15mmの細
孔で、細孔間隔が0.25mm、ノズル群が3列の配列
を持つノズルを振動モーターにより水平方向に振動さ
せ、圧力20kg/cm2 でガラス繊維織物に高圧柱状
流水を噴射した。次いで、ガラス繊維織物に広がり角8
0゜の扇形スプレイノズルを150mmピッチで配列
し、圧力20kg/cm2 にて散水流を噴射した後、1
70℃の熱風により乾燥しガラス繊維織物を得た。
【0028】(比較例1)上記2)で得た表面処理クロ
スをライン速度10m/分にて、直径0.15mmの細
孔で、X方向の細孔ピッチが0.25mm、Y方向のピ
ッチが10mmで3列の配列を持つノズルを振動モータ
ーにより水平方向に振動させ、圧力15kg/cm2
ガラス繊維織物に高圧柱状流水を噴射した後、170℃
の熱風により乾燥しガラス繊維織物を得た。
【0029】(比較例2)上記2)で得た表面処理クロ
スをライン速度10m/分にて、ガラス繊維織物に広が
り角80゜の扇形スプレイノズルを150mmピッチで
配列し、圧力10kg/cm2 にて散水流を噴射した
後、170℃の熱風により乾燥しガラス繊維織物を得
た。
【0030】(比較例3)上記2)で得た表面処理クロ
スをライン速度10m/分にて、直径0.15mmの細
孔で、細孔間隔が0.25mm、ノズル群が3列の配列
を持つノズルを振動モーターにより水平方向に振動さ
せ、圧力40kg/cm2 でガラス繊維織物に高圧柱状
流水を噴射した。次いで、ガラス繊維織物に広がり角8
0゜の扇形スプレイノズルを150mmピッチで配列
し、圧力40kg/cm2 にて散水流を噴射した後、1
70℃の熱風により乾燥しガラス繊維織物を得た。
【0031】(比較例4)上記2)で得た表面処理クロ
スをライン速度10m/分にて、直径0.15mmの細
孔で、細孔間隔が0.25mm、ノズル群が3列の配列
を持つノズルを振動モーターにより水平方向に振動さ
せ、圧力2kg/cm2 でガラス繊維織物に高圧柱状流
水を噴射した。次いで、ガラス繊維織物に広がり角80
゜の扇形スプレイノズルを150mmピッチで配列し、
圧力2kg/cm2 にて散水流を噴射した後、170℃
の熱風により乾燥しガラス繊維織物を得た。
【0032】〔実施例・比較例の製品の評価〕実施例1
〜2及び比較例1〜4により開繊加工したガラス繊維織
物について、下記試験を行った結果を表1にまとめて示
す。
【表1】
【0033】表1で明らかなように、実施例1〜2によ
るガラス繊維織物は、合成樹脂含浸性に優れプリプレグ
を作成した時に残留する経糸、緯糸及び、織り交点部に
残留するボイドが著しく低減できることが可能であり、
さらに、実施例1〜2によるガラス繊維織物を使用し成
形した樹脂積層板は、耐熱性においても優れていること
が明白である。
【0034】<試験方法> (1)ウエットアウト時間 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート50
4680B(油化シェル製)85重量部、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂エピコート180S75B70
(油化シェル製)15重量部、ジシアンジアミド2.5
重量部、2−エチル4−メチルイミダゾール0.2重量
部、メチルセロソルブ11.6重量部、ジメチルホルム
アミド11.6重量部を配合したエポキシ樹脂ワニスを
作成する。実施例及び比較例により作成したガラス繊維
織物を5cm×5cm角にサンプリングし、織物上に上
記エポキシ樹脂ワニスを5cc垂らしガラス繊維織物を
構成する経糸、緯糸からボイド(気泡)が消滅するまで
の時間を測定する。
【0035】(2)プリプレグ残留ボイド数計測 実施例及び比較例により作成したガラス繊維織物に、
「ウエットアウト時間」と同一のエポキシ樹脂ワニスを
浸漬し、150℃の熱風により乾燥し樹脂分42重量%
のプリプレグを作成する。作成したプリプレグを5cm
×5cmにサンプリングし、プリプレグ中に残留するボ
イドの数を目視により計測する。
【0036】(3)プリプレグ外観評価 実施例及び比較例により作成したガラス繊維織物に、
「プリプレグ残留ボイド数計測」と同じ方法によりプリ
プレグを作成し目視により観察により、毛羽評価、
開繊加工痕の外観評価を行う。 毛羽評価:毛羽により発生した突起状の樹脂塊の有
無を調べ、突起状の樹脂塊が発生していないものを○、
部分的に発生しているものを△、全面に発生しているも
のを×とする。 開繊加工痕:プリプレグの表裏を目視により観察
し、織物の目ズレ、目曲り等が起因する加工痕の有無を
調べ、加工痕の観察されないものを○、加工痕の観察さ
れるものを×とする。
【0037】(4)積層板ハンダ耐熱性評価試験 「プリプレグ残留ボイド数計測」と同じ方法により得た
プリプレグを4枚重ね、その両表層に厚さ18μmの銅
箔を重ね、真空プレス機を用いて10torrの減圧下にて
120℃で30分、次いで常圧下にて175℃で60分
間、40kg/cm2 の条件で加熱加圧して一体に成形
し、厚さ0.8mmの銅張積層板を得た。さらに、エッ
チング液で全面エッチアウトした後、水洗し、風乾して
吸湿ハンダ耐熱性試験用積層板とした。 <吸湿ハンダ耐熱性試験>前記全面エッチアウトした積
層板を5cm角の試験片に裁断後、プレッシャークッカ
ーにて121℃、180分の条件で強制吸湿後、試験片
を260℃のハンダ浴に20秒間浸漬し、ふくれの有無
を目視により調べた。ふくれ発生なしを○印、ふくれ発
生を×印として評価した。
【0038】
【発明の効果】以上のとおり、無機繊維織物に広がり角
0゜の柱状流高圧水を噴射する工程(A) と、次いで広が
り角10〜150゜の散水流高圧水を噴射する工程(B)
とを施した開繊を行うことにより、無機繊維織物特有の
収束性、部分的結合を有した経糸、緯糸及び、織り交点
が開繊され合成樹脂の含浸性を著しく向上させ且つ著し
く作業効率を向上させると共に、本発明による無機繊維
織物を使用した樹脂積層板では、著しく耐熱性を向上さ
せることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の柱状流高圧水の噴射工程(A) において
使用する柱状流高圧水の噴射ノズルの構造を説明する模
式図である。
【図2】散水流高圧水のスプレイノズルの構造を説明す
る模式図である。
【図3】柱状流高圧水を噴射する工程(A) に使用するノ
ズル群の外観を説明する側面図であり、 (イ)は個々に独
立した多数本配列した直進ノズルであり、 (ロ)は図1の
プレート状のノズルである。
【図4】散水流高圧水のスプレイノズルを千鳥状に配置
した状態を示す模式図である。
【図5】散水流高圧水のスプレイノズルを (イ)階段状の
配列、 (ロ)千鳥と一定角傾けの組合せ配列、 (ハ)変則千
鳥状の配列した状態を示す模式図である。
【図6】散水流高圧水のスプレイノズルを無機繊維織物
巾方向に対し5〜10゜程度傾け無機繊維織物巾方向と
平行に配列した状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 細孔 2 無機繊維織物 3 柱状流高圧水 4 直進ノズル 5 プレート状ノズル a 柱状流高圧水ノズル b 細孔間隔 c 細孔直径 d ノズル群列 e 散水流スプレイノズル f 散水流広がり巾 g 散水流オーバーラップ巾 x、y、z 無機繊維織物巾方向の間隔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機長繊維を経糸、緯糸に使用し構成さ
    れた無機繊維織物に、(A) 広がり角0゜の柱状流高圧水
    を噴射する工程と、(B) 広がり角10゜〜150゜の散
    水流高圧水を噴射する工程とを施すことを特徴とする無
    機繊維織物の開繊方法。
  2. 【請求項2】 散水流高圧水を噴射する工程(B) におい
    て、無機繊維織物に噴射する散水流を扇形ノズルにより
    噴射することを特徴とする請求項1記載の無機繊維織物
    の開繊方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の開繊方法を施した
    ことを特徴とする無機繊維織物。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とし、
    請求項3記載の無機繊維織物を補強材とし積層成形して
    得られたことを特徴とする、無機繊維織物補強樹脂積層
    板。
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